JP4569500B2 - 潤滑油供給システム - Google Patents

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本発明は内燃機関の始動装置に潤滑油を供給する潤滑油供給システムに関する。
内燃機関の始動を行う始動装置では、同内燃機関が自立運転可能な状態になるまで始動用モータの回転力によって内燃機関の出力軸を回転駆動するようにしている。図4は、こうした始動装置についてその一構成例を示している。同図4に示されるように、ベアリング116を介して機関本体のシリンダブロック102に支持された内燃機関の出力軸113にはその端部に軸受121が設けられており、この軸受121によりリングギア120が出力軸113に対し相対回転可能に支持されている。このリングギア120には軸受121の外輪が固定される一方、出力軸113には軸受121の内輪が固定されている。これらリングギア120と出力軸113とは、同リングギア120から出力軸113への回転力伝達のみを許容するワンウェイクラッチ130を介して連結されている。具体的には、リングギア120にはワンウェイクラッチ130のインナーレース127が固定される一方、出力軸113にはその径方向に延びる連結部材125を介してワンウェイクラッチ130のアウターレース126が固定されている。また、リングギア120にはバッテリにより駆動される始動用モータ112のピニオンギアが噛合されている(例えば特許文献1参照)。
機関始動時には始動用モータ112によりリングギア120が回転駆動され、同リングギア120の回転力がワンウェイクラッチ130から内燃機関の出力軸113に伝達される。この出力軸113の回転速度がリングギア120の回転速度よりも大きくなると、ワンウェイクラッチ130の係合が解除されてリングギア120は空転するようになる。そして、機関回転速度が所定回転速度以上にまで上昇すると、始動用モータ112の駆動が停止され、これに伴いリングギア120の回転も停止するようになる。
このように構成された始動装置にあっては、軸受121やワンウェイクラッチ130に対して潤滑油を供給することにより、それらの回転抵抗の増大や摩耗を抑制することが望ましい。このように軸受121やワンウェイクラッチ130に対して潤滑油を供給するための構成としては、例えばベアリング116と出力軸113との摺動部分に油圧ポンプ110から供給される潤滑油の一部を図4の矢印にて示されるように径方向に流出させて軸受121に供給するといった構成を採用することができる。そして、このように軸受121に供給された潤滑油は出力軸113やリングギア120等が回転するのに伴ってその径方向に流動するようになる。これにより潤滑油は軸受121の内外輪の間に流入してその潤滑に供された後、更に遠心力により軸受121と連結部材125との間からワンウェイクラッチ130の摺動部分にも供給され、同ワンウェイクラッチ130の潤滑にも供される。
ここで、アウターレース126とリングギア120との間や、リングギア120とシリンダブロック102との間から潤滑油が飛散してしまうことがあると、潤滑油の一部をオイルパン115に回収できなくなるおそれがある。このため、アウターレース126とリングギア120との間、及びリングギア120とシリンダブロック102との間には環状のシール部材122,123がそれぞれに配設されている。
特開平10−122107号公報
このようにアウターレース126とリングギア120との間、及びリングギア120とシリンダブロック102との間にシール部材122,123をそれぞれに配設することにより、機関始動中において潤滑油の飛散を好適に抑制することができるようになる。しかしながら、これらシール部材122,123のうち、リングギア120とシリンダブロック102との間に設けられた一方のシール部材123については次のような問題が無視できないものとなる。
即ち、内燃機関の始動が完了すると、始動用モータ112によるリングギア120の回転駆動が停止されるため、上述したような同リングギア120の回転に伴う潤滑油の径方向への流出は殆ど発生しなくなり、潤滑油の大部分は軸受121の近傍に供給された後、そのまま鉛直方向下方に流下するようになる。
このため、始動完了後は、軸受121、ワンウェイクラッチ130、或いはアウターレース126とリングギア120との間に設けられたシール部材122については、それらの潤滑部分が機関始動完了後も常に摺動状態にあることもあり、適度に潤滑油が供給される状態に維持されるものの、シリンダブロック102とリングギア120との間に設けられたシール部材123、特にそのシール部材123の鉛直方向上方に位置する部分には潤滑油が殆ど到達しなくなる。このため、機関始動が完了した後、長期間経過した後に次の始動が開始されるようなことがあると、その機関始動の初期の段階では、シール部材123は鉛直方向下方に位置する部分にしか潤滑油が存在しない状態のまま、そのシール部位がリングギア120或いはシリンダブロック102に対して摺動するようになる。その結果、機関始動時初期のごく限られた期間であるとはいえ、シール部材123は、その摺動抵抗が大きく増大した状況下で使用されることとなり、これが機関始動の度に繰り返されるためにその摩擦による損傷や熱による劣化が無視できず自ずとその耐用期間も短いものとなっていた。
本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関を始動させる始動装置に潤滑油を供給する潤滑油供給システムにあって、潤滑油の飛散を抑制するためのシール部材の耐久性低下を好適に抑制することにある。
以下、上記目的を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の機関本体に支持される出力軸の端部に設けられた軸受により回転部材を同出力軸の端部に相対回転可能に支持するとともに、前記出力軸と前記回転部材とを該回転部材から前記出力軸への回転力伝達のみを許容するワンウェイクラッチを介して連結し、前記回転部材を始動用モータにより回転させてその回転力を前記ワンウェイクラッチから前記出力軸に伝達することにより内燃機関を始動させる始動装置に潤滑油を供給する潤滑油供給システムであって、前記機関本体には前記軸受に潤滑油を供給する潤滑油供給路が形成されるとともに、同潤滑油供給路を通じて前記軸受に供給される潤滑油が前記回転部材の回転に伴ってその径方向への流出を規制すべく前記回転部材と前記機関本体との間にシール部材が設けられ、更に前記機関本体には、内燃機関の各潤滑部位に供給された潤滑油を前記潤滑油供給路に接続される油圧ポンプに戻すための戻し通路に接続されるとともに前記シール部材に向けて開口して同シール部材に潤滑油を供給する補助潤滑油供給路が前記潤滑油供給路とは別に形成されており、前記補助潤滑油供給路は、前記出力軸の軸線方向に延伸して前記シール部材に向けて開口する第1供給路と、同第1供給路に接続されるとともに上方に延伸して前記戻し通路に接続される第2供給路とで構成されることを特徴とする。
内燃機関の始動が完了すると、始動用モータによる回転部材の回転駆動が停止されるため、同回転部材の回転に伴って潤滑油がその径方向へ流出することが殆どなくなり、潤滑油の大部分は潤滑油供給路から軸受近傍に供給された後、そのまま鉛直方向下方に流下するようになる。上記構成では、機関本体にはシール部材に向けて開口して同シール部材に潤滑油を供給する補助潤滑油供給路が潤滑油供給路とは別に形成されているため、このように内燃機関の始動が完了して回転部材の回転が停止したときであっても同補助潤滑油供給路からシール部材に潤滑油を確実に供給することができるようになる。その結果、シール部材の損傷や摺動熱による劣化を抑えることができ、その耐久性の低下を好適に抑制することができるようになる。
また、例えば補助潤滑油供給路を油圧ポンプにより潤滑油を圧送するための圧送通路に接続する構成を採用した場合には、その補助潤滑油供給路の分だけ油圧ポンプの圧送能力を高める必要が生じることとなる。この点、上記構成によれば、補助潤滑油供給路は内燃機関の各潤滑部位に供給された潤滑油を潤滑油供給路に接続される油圧ポンプに戻すための戻し通路に接続されることにより、他の潤滑部位から回収する潤滑油を再利用することができる。戻し通路における潤滑油はその自重によって流動するため、その補助潤滑油供給路を通じてシール部材に潤滑油を供給することに起因する油圧ポンプの消費エネルギーの増加を回避することができる。
さらに、戻し通路における潤滑油は、強制的な圧送でなく潤滑油の自重によって流下して油圧ポンプに戻される。従って、その潤滑油の動圧が相対的に低いこととなるが、上記構成によれば、補助潤滑油供給路はシール部材に向けて開口するとともに、その開口より上流側の部分が上方に延伸するようにしているため、戻し通路から補助潤滑油供給路に進入した潤滑油は、下方に延伸する第2供給路に沿って流動し、その流速が増大するようになる。その結果、補助潤滑油供給路において、十分な大きさの動圧を確保することができ、シール部材に供給される潤滑油の不足を好適に抑制することができるようになる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の潤滑油供給システムにおいて、前記第2供給路は鉛直方向上方に延伸してなることを特徴とする。
戻し通路における潤滑油は、強制的な圧送でなく潤滑油の自重によって流下して油圧ポンプに戻される。従って、その潤滑油の動圧が相対的に低いこととなるが、上記構成によれば、補助潤滑油供給路はシール部材に向けて開口するとともに、その開口より上流側の部分が鉛直方向上方に延伸するようにしているため、戻し通路から補助潤滑油供給路に進入した潤滑油は、鉛直方向下方に延伸する補助潤滑油供給路に沿って流動し、その流速が増大するようになる。その結果、補助潤滑油供給路において、十分な大きさの動圧を確保することができ、シール部材に供給される潤滑油の不足を好適に抑制することができるようになる。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の潤滑油供給システムにおいて、前記シール部材は前記出力軸の軸心を中心とする円環状をなし、前記第1供給路は前記シール部材の鉛直方向最上方の位置に開口することを特徴とする。
同構成によれば、補助潤滑油供給路からシール部材に供給される潤滑油はその自重によりシール部材と回転部材との摺動部分の最上方から同摺動部分に沿って流下するようになる。そのため、シール部材と回転部材との摺動部分の全体にわたって潤滑油を供給することができ、シール部材の損傷や摺動熱による劣化を一層好適に抑制することができるようになる。
また、請求項4に記載の発明によるように、前記第1供給路の通路断面積は、前記第2供給路の通路断面積に比して小さくされている、という構成を採用することもできる。
以下、本発明を具現化した実施の形態について、図1〜図2を参照して説明する。
図1は、内燃機関の出力軸13、同出力軸13の後端部に設けられた始動装置50、並びに当該始動装置50に潤滑油を供給する潤滑油供給システム60を示している。
図1に示されるように、出力軸13はベアリング16を介してシリンダブロック2によって回転可能に支持されるとともに、その後端部にフライホイール24、連結部材25、並びにアウターレース26がそれぞれ取り付けられている。フライホイール24と連結部材25とはボルト14によって出力軸13に固定されるとともに、アウターレース26はその連結部材25に固定されている。これらフライホイール24と、連結部材25、並びにアウターレース26は出力軸13と一体に回転する。また、出力軸13の後端部においてその外周面には玉軸受21が取り付けられている。この玉軸受21は内輪21a及び外輪21c並びにそれら内外輪21a,21cの間に配設された複数の玉21bを備えて構成されており、それら玉21bが転動することによって内輪21aと外輪21cとの相対回転が許容されるようになっている。この玉軸受21の内輪21aは出力軸13の外周面に固定されており、出力軸13やこれに固定された連結部材25やアウターレース26と一体に回転する。一方、玉軸受21の外輪21cの外周面には、インナーレース27を介して回転部材として機能するリングギア20が固定されており、これら外輪21c、インナーレース27は一体に回転する。
また、リングギア20の外周近傍には始動装置50の始動用モータ12が配設されている。この始動用モータの出力軸12aにはピニオンギア12bが形成されている。一方、リングギア20の外周には環状をなすギア20aが嵌合固定されており、このギア20aにはピニオンギア12bが噛合されている。
また、アウターレース26とインナーレース27との間には、インナーレース27からアウターレース26へのトルク伝達のみを許容するワンウェイクラッチ30が設けられている。機関始動時において、始動用モータ12が駆動されると、その出力軸12aの回転力はリングギア20、インナーレース27に伝達される。この場合、ワンウェイクラッチ30はトルク伝達の可能な状態にあるため、インナーレース27の回転力はワンウェイクラッチ30を介してアウターレース26に伝達され、更に連結部材25を介して出力軸13に伝達される。その結果、出力軸13が始動用モータ12により駆動される状態、即ち内燃機関はクランキング状態となる。
一方、内燃機関の回転速度が上昇すると、アウターレース26の回転速度がインナーレース27の回転速度を上回るようになり、ワンウェイクラッチ30によるインナーレース27とアウターレース26との係合が解除されてリングギア20は空転するようになる。そして、内燃機関の自立運転可能な状態にまで機関回転速度が上昇すると、始動用モータ12の駆動が停止される。その結果、リングギア20、インナーレース27及び玉軸受21の外輪21cはその回転が停止する一方、その内輪21aは玉21bが転動することにより出力軸13とともに外輪21cに対して相対的に回転するようになる。
因みに、始動装置にあっては、一般に、クランキング時以外に始動用モータ12のピニオンギア12bをリングギア20のギア20aから離間させてそれらの噛合を解除する機構を備えている。これに対して、本実施形態にかかる始動装置50にあっては、こうした待避機構が省略されており、ピニオンギア12bとリングギア20のギア20aとは常時噛合された状態となっている。
そして、こうした始動装置50にあっては、玉軸受21やワンウェイクラッチ30などにおいて摩耗や発熱が生じやすい傾向にある。このため、始動装置50には、玉軸受21に潤滑油を供給するとともに、併せてその潤滑油をワンウェイクラッチ30にも供給するようにした潤滑油供給システム60が設けられている。次に、この潤滑油供給システム60について、図1及び図2を併せ参照して説明する。ここで、図2は始動装置50近傍の潤滑油供給通路を示す拡大断面図である。
図1に示されるように、内燃機関には出力軸13によって駆動される油圧ポンプ10が設けられており、この油圧ポンプ10はオイルパン15に貯留される潤滑油を吸引してこれを主通路61を通じて内燃機関の各潤滑部位に圧送供給する。そして、それら潤滑部位の潤滑に供せられた潤滑油はその自重によって戻し通路40,42等を通じてオイルパン15に回収される。
例えば出力軸13の後端部の近傍に形成された潤滑油供給路62は主通路61に接続されており、油圧ポンプ10は主通路61及びその潤滑油供給路62を通じて出力軸13とベアリング16との摺動部に潤滑油が供給されている。そして供給された潤滑油は、図2に矢印で示すようにシリンダブロック2と出力軸13との間に排出される。こうした潤滑油の一部は、始動装置50の鉛直下方に設けられた堰堤部材11の貯留空間11aに流下し、その戻し孔11bを流出してオイルパン15に回収される。一方、シリンダブロック2と出力軸13との間から排出された潤滑油の他の一部は、回転している出力軸13の表面13aに付着し、遠心力によりその径方向に流動して玉軸受21の内外輪の間に進入する。このように内輪21aと外輪21cとの間に進入した潤滑油は、玉軸受21の潤滑を行った後に、更に内輪21aと外輪21cとの間を通過し、遠心力により連結部材25と外輪21cとの間の隙間を流れてワンウェイクラッチ30に供給され、その潤滑に供されるようになる。そして、こうした玉軸受21やワンウェイクラッチ30の潤滑に供される潤滑油は、リングギア20に形成された回収孔20cを介して流出して堰堤部材11の貯留空間11aに流下し、戻し孔11bを流出してオイルパン15に回収される。
ところで、ワンウェイクラッチ30に供給された潤滑油は、アウターレース26の回転に伴って同アウターレース26とリングギア20との間から流出することがある。また、内燃機関の始動時には、リングギア20が回転し、シリンダブロック2と出力軸13との間に排出される潤滑油の一部はリングギア20の表面に付着してその径方向に流動してリングギア20とシリンダブロック2との間から流出することもある。潤滑油が上述したように内燃機関の外部に流出すると、供給された潤滑油の一部がオイルパン15に回収することができなくなる。
このため、アウターレース26とリングギア20との間、及びリングギア20とシリンダブロック2との間に円環状のシール部材22,23がそれぞれに配設することにより、これらシール部材22,23によって潤滑油が内燃機関の外部に流出することを制限するようにしている。
更に、本実施の形態において、シリンダブロック2には、戻し通路40の他、この戻し通路40に接続される補助潤滑油供給路41が形成されている。図2に示されるように、この補助潤滑油供給路41は水平方向に延伸する供給路41a及び鉛直方向に延伸する供給路41bから形成されている。供給路41bにおいて、その鉛直方向上方の端部は戻し通路40に接続されるとともに、その鉛直方向下方の端部は供給路41aの一端に接続されている。また、供給路41aの他端はシール部材23の鉛直方向最上方の部分に向けて開口している。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)内燃機関の始動が完了すると、始動用モータ12によるリングギア20の回転駆動が停止されるため、リングギア20の回転に伴って潤滑油がその径方向へ流出することが殆どなくなる。潤滑油の大部分は潤滑油供給路62から玉軸受21近傍に供給された後、そのまま鉛直方向下方に流下するようになる。
本実施形態にでは、シリンダブロック2にはシール部材23に向けて開口して同シール部材23に潤滑油を供給する補助潤滑油供給路41が潤滑油供給路62とは別に形成されている。そのため、このように内燃機関の始動が完了してリングギア20の回転が停止したときであっても補助潤滑油供給路41からシール部材23に潤滑油を確実に供給することができるようになる。その結果、シール部材23の損傷や摺動熱による劣化を抑えることができ、その耐久性の低下を好適に抑制することができるようになる。
(2)例えば補助潤滑油供給路41を油圧ポンプ10により潤滑油を圧送するための圧送通路に接続する構成を採用した場合には、その補助潤滑油供給路41の分だけ油圧ポンプ10の圧送能力を高める必要が生じることとなる。本実施形態によれば、補助潤滑油供給路41は内燃機関の各潤滑部位に供給された潤滑油を油圧ポンプ10に戻すための戻し通路40に接続されることにより、他の潤滑部位から回収する潤滑油を再利用することができる。戻し通路40における潤滑油はその自重によって流動するため、その補助潤滑油供給路41を通じてシール部材23に潤滑油を供給することに起因する油圧ポンプ10の消費エネルギーの増加を回避することができる。
(3)戻し通路40における潤滑油は、強制的な圧送でなく潤滑油の自重によって流下して油圧ポンプ10に戻されるため、その潤滑油の動圧が相対的に低いこととなる。本実施形態では、補助潤滑油供給路41の供給路41aはシール部材23に向けて開口するとともに、その開口より上流側の供給路41bが鉛直方向上方に延伸してなる。従って、戻し通路40における潤滑油の動圧が相対的に低いこととなるが、戻し通路40から補助潤滑油供給路41に進入した潤滑油は、鉛直方向下方に延伸する供給路41bに沿って流動し、その流速が増大するようになる。その結果、補助潤滑油供給路41において、十分な大きさの動圧を確保することができ、シール部材23に供給される潤滑油の不足を好適に抑制することができるようになる。
(4)本実施形態によれば、補助潤滑油供給路41から円環状のシール部材23に供給される潤滑油はその自重によりシール部材23とリングギア20との摺動部分の最上方から同摺動部分に沿って流下するようになる。そのため、シール部材23とリングギア20との摺動部分の全体にわたって潤滑油を供給することができ、シール部材23の損傷や摺動熱による劣化を一層好適に抑制することができるようになる。
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、補助潤滑油供給路41を戻し通路40に接続するようにしたが、この補助潤滑油供給路41は例えば潤滑油供給路62等の圧送通路に接続することもできる。
・上記実施形態では、補助潤滑油供給路41の開口より上流側における供給路41bを鉛直方向上方に延伸させるようにしている。これに対して、その供給路41bは例えば鉛直方向に傾斜する方向等、他の方向に延伸する構造を採用することもできる。即ち、潤滑油の自重を利用して補助潤滑油供給路41に流れる潤滑油の動圧を増大させることができればよい。
・上記実施形態では、その補助潤滑油供給路41はシール部材23の鉛直方向最上方の部分に向けて開口するようにしているが、かならずしもこうした構成を採用しなくてもよい。但し機関始動時以外においてシール部材23の全体にわたって好適に潤滑油を供給するためには、補助潤滑油供給路41の開口を極力鉛直方向上方に位置させるのが望ましい。
・上記実施形態では、ベアリング16と出力軸13との摺動部に供給された潤滑油を更に玉軸受21及びワンウェイクラッチ30に供給する潤滑油供給システムを例示した。これに対して、図3に示されるように、例えば潤滑油供給路62に接続されるとともに玉軸受21の内外輪の間に向けて開口する潤滑油供給路63を備え、当該潤滑油供給路63を通じて玉軸受21及びワンウェイクラッチ30に潤滑油を供給する潤滑油供給システムであっても同様の構成を採用することができる。
内燃機関及びその出力軸の後端部周辺部分を示す断面図。 始動装置の潤滑油供給通路を示す拡大断面図。 始動装置の潤滑油供給通路の変更例を示す拡大断面図。 従来の内燃機関及びその出力軸の後端部周辺部分を示す断面図。
符号の説明
2…シリンダブロック、10…油圧ポンプ、11…堰堤部材、11a…貯留空間、11b…戻し孔、12…始動用モータ、12a…出力軸、12b…ピニオンギア、13…出力軸、13a…表面、14…ボルト、15…オイルパン、16…ベアリング、20…リングギア、20a…ギア、20c…回収孔、21…玉軸受、21a…内輪、21b…玉、21c…外輪、22,23…シール部材、24…フライホイール、25…連結部材、26…アウターレース、27…インナーレース、30…ワンウェイクラッチ、40…戻し通路、41…補助潤滑油供給路、41a,41b…供給路、42…戻し通路、50…始動装置、60…潤滑油供給システム、61…主通路、62…潤滑油供給路、63…潤滑油供給路、102…シリンダブロック、110…油圧ポンプ、112…始動用モータ、113…出力軸、115…オイルパン、116…ベアリング、120…リングギア、121…軸受、122,123…シール部材、125…連結部材、126…アウターレース、127…インナーレース、130…ワンウェイクラッチ。

Claims (4)

  1. 内燃機関の機関本体に支持される出力軸の端部に設けられた軸受により回転部材を同出力軸の端部に相対回転可能に支持するとともに、前記出力軸と前記回転部材とを該回転部材から前記出力軸への回転力伝達のみを許容するワンウェイクラッチを介して連結し、前記回転部材を始動用モータにより回転させてその回転力を前記ワンウェイクラッチから前記出力軸に伝達することにより内燃機関を始動させる始動装置に潤滑油を供給する潤滑油供給システムであって、
    前記機関本体には前記軸受に潤滑油を供給する潤滑油供給路が形成されるとともに、同潤滑油供給路を通じて前記軸受に供給される潤滑油が前記回転部材の回転に伴ってその径方向への流出を規制すべく前記回転部材と前記機関本体との間にシール部材が設けられ、更に前記機関本体には、内燃機関の各潤滑部位に供給された潤滑油を前記潤滑油供給路に接続される油圧ポンプに戻すための戻し通路に接続されるとともに前記シール部材に向けて開口して同シール部材に潤滑油を供給する補助潤滑油供給路が前記潤滑油供給路とは別に形成されており、
    前記補助潤滑油供給路は、前記出力軸の軸線方向に延伸して前記シール部材に向けて開口する第1供給路と、同第1供給路に接続されるとともに上方に延伸して前記戻し通路に接続される第2供給路とで構成される
    ことを特徴とする潤滑油供給システム。
  2. 請求項に記載の潤滑油供給システムにおいて、
    前記第2供給路は鉛直方向上方に延伸してなる
    ことを特徴とする潤滑油供給システム。
  3. 請求項1または2に記載の潤滑油供給システムにおいて、
    前記シール部材は前記出力軸の軸心を中心とする円環状をなし、
    前記第1供給路は前記シール部材の鉛直方向最上方の位置に開口する
    ことを特徴とする潤滑油供給システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の潤滑油供給システムにおいて、
    前記第1供給路の通路断面積は、前記第2供給路の通路断面積に比して小さくされている
    ことを特徴とする潤滑油供給システム。
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