JP2008223704A - 潤滑油供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の自立運転の際にリングギアの回転の停止によりそのリングギアによって機関本体と隔絶された部材に潤滑油を供給不能になることを好適に抑制することのできる潤滑油供給システムを提供する。
【解決手段】リングギア24には同リングギア24の周方向に沿って複数の透孔24bが形成されるとともに、シリンダブロック2にはシール部材25側に開口する供給通路32が形成されている。供給通路32の端部32aにはオイルジェット40が圧入されており、このオイルジェット40の開口40aから吐出される潤滑油がリングギア24に到達したときにリングギア24の周方向におけるその拡散幅が透孔24bの間に形成されたスポーク部の幅よりも大きくなるように、同開口40aがリングギア24の周方向に延びるスリット状に形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】リングギア24には同リングギア24の周方向に沿って複数の透孔24bが形成されるとともに、シリンダブロック2にはシール部材25側に開口する供給通路32が形成されている。供給通路32の端部32aにはオイルジェット40が圧入されており、このオイルジェット40の開口40aから吐出される潤滑油がリングギア24に到達したときにリングギア24の周方向におけるその拡散幅が透孔24bの間に形成されたスポーク部の幅よりも大きくなるように、同開口40aがリングギア24の周方向に延びるスリット状に形成されている。
【選択図】図2
Description
この発明は、内燃機関の始動装置に潤滑油を供給する潤滑油供給システムに関する。
内燃機関を始動させる始動装置では、例えば特許文献1に記載されるように、同内燃機関が自立運転可能な状態になるまで始動用モータの回転力によって内燃機関の出力軸を回転駆動するようにしたものが知られている。図7は、こうした従来のものも含めた始動装置の一般的な構成を示している。同図7に示されるように、シリンダブロック102には、内燃機関の出力軸110が回転可能に支持されており、その端部には、軸受121の内輪が外嵌されている。軸受121の外周には、略環状のリングギア124が設けられており、このリングギア124は、インナーレース123aを介して軸受121の外輪に取り付けられている。すなわち、リングギア124は軸受121により出力軸110に対して相対回転可能に支持されている。また、出力軸110に固定された連結部材122には、アウターレース123cが取り付けられており、このアウターレース123cと上記インナーレース123aとの間には、アウターレース123cからインナーレース123aへのトルク伝達のみを許容するスプラグ123bが設けられている。これらインナーレース123a、スプラグ123b及びアウターレースによってワンウェイクラッチ123が構成されている。また、リングギア124の外周近傍には始動用モータ120が配設されている。この始動用モータ120の出力軸120aにはピニオンギア120bが形成されるとともに、リングギア124の外周には環状をなすギア124aが嵌合固定されており、これらピニオンギア120bとギア124aとが噛合されている。
内燃機関の始動に際し、始動用モータ120によってリングギア124が回転駆動されると、同リングギア124の回転力がワンウェイクラッチ123から内燃機関の出力軸110に伝達され、内燃機関はクランキング状態となる。一方、出力軸110の回転速度がリングギア124の回転速度を上回るようになると、スプラグ123bによるインナーレース123aとアウターレース123cとの係合が解除されてリングギア124は空転するようになる。そして、内燃機関が完爆する、換言すれば内燃機関が自立運転するようになると、始動用モータ120の駆動が停止され、これに伴いリングギア124の回転も停止するようになる。
ここで、こうした始動装置にあっては、軸受121やワンウェイクラッチ123に対して潤滑油を供給することにより、それらの回転抵抗の増大や摩耗を抑制することが望ましい。このように軸受121やワンウェイクラッチ123に対して潤滑油を供給するための構成としては、例えばシリンダブロック102と出力軸110との摺動部位に供給される潤滑油の一部を軸受121やワンウェイクラッチ123に供給するといった構成が通常採用される。具体的には、図7に示されるように、内燃機関には出力軸110によって駆動される油圧ポンプ130が設けられており、この油圧ポンプ130はオイルパン103に貯留される潤滑油を吸引してこれを潤滑油供給通路を通じて内燃機関の各潤滑部位に圧送供給する。シリンダブロック102に形成された供給通路131を介してシリンダブロック102と出力軸110との摺動部位に供給された潤滑油の一部は、自重によりその鉛直方向下方に設けられた堰堤部材に流下してオイルパン103に回収される一方、他の部分は、出力軸110が回転することに伴って生じる遠心力により、図7の矢印にて示されるようにその径方向に流動し、軸受121の内外輪の間に流入してその潤滑に供される。そして、このように軸受121の内外輪の間に流入した潤滑油の一部は、更に遠心力により径方向に流動して軸受121と連結部材122との間からワンウェイクラッチ123の摺動部分にも供給され、同ワンウェイクラッチ123の潤滑にも供されるようになる。
ところで、アウターレース123cとリングギア124との間や、リングギア124とシリンダブロック102との間から潤滑油が飛散してしまうことがあると、一部の潤滑油をオイルパン103に回収できなくなるおそれがある。そこで、図7に示されるように、アウターレース123cとリングギア124との間、及びリングギア124とシリンダブロック102との間に、環状のシール部材125,126をそれぞれに配設することにより、潤滑油の飛散を抑制することができる。なお、シール部材125は、リングギア124に固定されるとともに、アウターレース123cに回転摺動可能なリップ125aを有する一方、シール部材126は、シリンダブロック102に固定されるとともに、リングギア124に回転摺動可能なリップ126aによって形成される。
特開平10−122107号公報
このように、アウターレース123cとリングギア124との間、及びリングギア124とシリンダブロック102との間にシール部材125,126を配設することにより、潤滑油の飛散を抑制することができる。ただし、上述したように、内燃機関が自立運転するようになると、始動用モータ120の停止に伴いリングギア124の回転が停止する一方、出力軸110が回転するようになる。その結果、内燃機関の自立運転中に、シール部材125のリップ125aが常にアウターレース123cの外周面上において摺動し、これらリップ125aとアウターレース123cとの摺動発熱により、シール部材125の温度が高くなることがある。ここで、シール部材125のリップ125aは通常、ゴムや樹脂等によって形成されるため、上述したように温度が過度に上昇すると、シール部材125の寿命が短縮することは否定できない。特に、内燃機関が高回転速度で運転するときには、こうした不都合が一層顕著になり、シール部材125のオイル漏れ等の不都合が発生するおそれがある。
そこで、これを抑制するため、例えば図7の破線に示されるように、リングギア124のシール部材125に対向する部分に複数の透孔124bを形成するとともに、供給通路131から分岐してそれら透孔124bに向けて開口する供給通路132を形成し、シール部材125に潤滑油を直接供給する構造を採用することが考えられる。ただし、例えば内燃機関の自立運転の際に、透孔124b間のスポーク部が供給通路132に対応する位置でリングギア124が停止すると、供給通路132から供給される潤滑油がそのスポーク部に遮断され、シール部材125に到達できなくなるおそれがある。
なお、こうした不都合は、上述したように、シリンダブロックと出力軸との摺動部位等に供給された潤滑油の一部を出力軸の回転に伴って生じる遠心力により、その径方向に流動させて軸受やワンウェイクラッチに供給するようにした構成に限らず、例えば上述した供給通路から吐出される潤滑油をシール部材の他、軸受やワンウェイクラッチにも供給するようにした構成においても同様に生じ得る。
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の自立運転の際にリングギアの回転の停止によりそのリングギアによって機関本体と隔絶された部材に潤滑油を供給不能になることを好適に抑制することのできる潤滑油供給システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の機関本体に支持される出力軸の端部に設けられた軸受によりリングギアを同出力軸の端部に相対回転可能に支持するとともに、前記出力軸と前記リングギアとを該リングギアから前記出力軸への回転力伝達のみを許容するワンウェイクラッチを介して連結し、内燃機関が自立運転可能な状態になるまで前記リングギアを始動用モータにより回転させてその回転力を前記ワンウェイクラッチから前記出力軸に伝達することにより内燃機関を始動させる始動装置に潤滑油を供給する潤滑油供給システムであって、前記軸受及び前記ワンウェイクラッチの少なくとも一方に供給される潤滑油が前記出力軸の回転に伴ってその径方向に流出するのを規制すべく、前記出力軸と一体回転する回転部材と前記リングギアとの間に環状のシール部材が設けられ、前記シール部材及び前記ワンウェイクラッチ及び前記軸受の少なくとも1つの部材が前記リングギアによって前記機関本体と隔絶され、該リングギアには同リングギアの周方向に沿って複数の透孔が形成されるとともに、前記機関本体には前記リングギアによって前記機関本体と隔絶された前記部材側に開口する供給通路が形成され、該供給通路は、その開口から吐出される潤滑油が前記リングギアに到達したときに前記リングギアの周方向におけるその拡散幅が前記透孔の間に形成されたスポーク部の幅よりも大きくなるように同開口が形成されてなることをその要旨とする。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の機関本体に支持される出力軸の端部に設けられた軸受によりリングギアを同出力軸の端部に相対回転可能に支持するとともに、前記出力軸と前記リングギアとを該リングギアから前記出力軸への回転力伝達のみを許容するワンウェイクラッチを介して連結し、内燃機関が自立運転可能な状態になるまで前記リングギアを始動用モータにより回転させてその回転力を前記ワンウェイクラッチから前記出力軸に伝達することにより内燃機関を始動させる始動装置に潤滑油を供給する潤滑油供給システムであって、前記軸受及び前記ワンウェイクラッチの少なくとも一方に供給される潤滑油が前記出力軸の回転に伴ってその径方向に流出するのを規制すべく、前記出力軸と一体回転する回転部材と前記リングギアとの間に環状のシール部材が設けられ、前記シール部材及び前記ワンウェイクラッチ及び前記軸受の少なくとも1つの部材が前記リングギアによって前記機関本体と隔絶され、該リングギアには同リングギアの周方向に沿って複数の透孔が形成されるとともに、前記機関本体には前記リングギアによって前記機関本体と隔絶された前記部材側に開口する供給通路が形成され、該供給通路は、その開口から吐出される潤滑油が前記リングギアに到達したときに前記リングギアの周方向におけるその拡散幅が前記透孔の間に形成されたスポーク部の幅よりも大きくなるように同開口が形成されてなることをその要旨とする。
同構成では、供給通路の開口から吐出される潤滑油がリングギアに到達したときにリングギアの周方向におけるその拡散幅が透孔の間に形成されたスポーク部の幅よりも大きくなるようにその開口を形成するようにしている。したがって、シール部材、ワンウェイクラッチ及び軸受の少なくとも1つと機関本体とがリングギアによって隔絶された構成を採用せざるを得ない場合にあっても、リングギアの停止位置にかかわらず、供給通路の潤滑油が透孔を介してリングギアによって隔絶された部材側に供給することができるようになる。その結果、内燃機関の自立運転の際に、リングギアの回転の停止によりそのリングギアによって機関本体と隔絶された部材に潤滑油を供給不能になることを好適に抑制することができるようになる。
なお、その開口の形状としては、例えば請求項2に記載されるように、請求項1に記載の潤滑油供給システムにおいて、前記開口は、リングギアの周方向に拡げられるとともに同リングギアの径方向に狭められたスリット状をなす、といった構成を採用することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる潤滑油供給システムの第1の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。この実施形態の潤滑油供給システムも、前述した内燃機関の始動装置と同様の態様を有する始動装置に潤滑油を供給するものであり、図1には、先の図7に対応する本実施形態にかかる潤滑油供給システムの構成を示している。
以下、本発明にかかる潤滑油供給システムの第1の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。この実施形態の潤滑油供給システムも、前述した内燃機関の始動装置と同様の態様を有する始動装置に潤滑油を供給するものであり、図1には、先の図7に対応する本実施形態にかかる潤滑油供給システムの構成を示している。
図1に示されるように、この実施形態にかかる始動装置にあっても、機関本体の一部であるシリンダブロック2には内燃機関の出力軸10が回転可能に支持されており、この出力軸10の端部には、前述のように、軸受21、ワンウェイクラッチ23、リングギア24及び連結部材22が取り付けられている。そして、リングギア24の外周近傍には始動用モータ20が配設されており、この始動用モータ20の出力軸20aに形成されたピニオンギア20bがリングギア24の外周に嵌合固定されたギア24aに噛合されている。また、内燃機関の始動に際し、始動用モータ20の力を借りることなく内燃機関が自立運転するようになるまで、始動用モータ20によってリングギア24が回転駆動され、同リングギア24の回転力がインナーレース23a、スプラグ23b、及びアウターレース23cからなるワンウェイクラッチ23を介して内燃機関の出力軸10に伝達されることも、先の従来の始動装置と同様である。
また、本実施形態の潤滑油供給システムにあっても、出力軸10により駆動される油圧ポンプ30が設けられており、この油圧ポンプ30はオイルパン3に貯留される潤滑油を吸引してこれをシリンダブロック2に形成された供給通路31等の潤滑油供給通路を通じてシリンダブロック2と出力軸10との摺動部位等、内燃機関の各潤滑部位に供給する。このようにシリンダブロック2と出力軸10との間に供給された潤滑油の一部は自重によりその鉛直方向下方に設けられた堰堤部材4に流下してオイルパン3に回収される一方、他の部分は出力軸10が回転することに伴って生じる遠心力により、図1の矢印にて示されるようにその径方向に流動し、軸受21の内外輪の間に流入してその潤滑に供される。そして、このように軸受21の内外輪の間に流入した潤滑油の一部は、更に遠心力により径方向に流動して軸受21と連結部材22との間からワンウェイクラッチ23の摺動部分にも供給され、同ワンウェイクラッチ23の潤滑にも供される。
そして、軸受21やワンウェイクラッチ23に供給される潤滑油の飛散を抑制するため、ワンウェイクラッチ23のアウターレース23cとリングギア24との間、及びリングギア24とシリンダブロック2との間に、環状のシール部材25,26がそれぞれに配設されている。このうち、シール部材25は、リングギア24によってシリンダブロック2と隔絶されている。ここで、シール部材25は、リングギア24に固定されるとともにアウターレース23cに回転摺動可能なリップ25aを有する一方、シール部材26は、シリンダブロック2に固定されるとともにリングギア24に回転摺動可能なリップ26aを有している。なお、ワンウェイクラッチ23、リングギア24は金属材料によって形成されるとともに、シール部材25,26のリップ25a,26aは耐油性に優れたゴムによって形成されている。
さらに、本実施形態では、図1に示されるように、リングギア24に透孔24bを形成するとともに、シリンダブロック2に1つの供給通路32を形成し、供給通路32の潤滑油を透孔24bを介してシール部材25側に供給するようにしている。次に、図2〜図4を参照して透孔24b、供給通路32の構造及びこれらによる潤滑油の供給態様について詳細に説明する。ここで、図2は本実施形態の潤滑油供給態様を示す拡大断面図であり、図3は、図2の3−3線を沿った断面構造を示す断面図である。また、図4は、本実施形態のリングギア24の側面構造を示す側面図である。
図2及び図3に示されるように、供給通路32は、供給通路31から分岐して、シール部材25側、具体的にはアウターレース23cに対向して開口するように形成されている。この供給通路32のシール部材25側の端部32aには、オイルジェット40が圧入されている。これにより、機関運転時に、供給通路31の潤滑油は、供給通路32を通じてオイルジェット40に供給され、そしてオイルジェット40の開口40aを介してシール部材25側に吐出される。そして、図4に示されるように、リングギア24において供給通路32に対応する位置にてその周方向に沿って6つの透孔24bが均等に形成されるとともに、これら透孔24bの間には、6つのスポーク部24cが形成されている。
ここで、供給通路32の開口、すなわちオイルジェット40の開口40aは、同開口40aから吐出される潤滑油がリングギア24に到達したときに、リングギア24の周方向におけるその拡散幅Tがスポーク部24cの幅Sよりも大きくなるように(図4参照)、リングギア24の周方向に拡げられるとともに同リングギア24の径方向に狭められたスリット状に形成されている。こうした構成により、図4に示されるように、リングギア24の停止位置にかかわらず、供給通路32の潤滑油が透孔24bを介してシール部材25側、具体的にはアウターレース23cに向けて吐出されるようになる。そして、アウターレース23cに衝突した潤滑油の大部分はアウターレース23cの回転に伴って生じる遠心力によりシール部材25に供給されるとともに、その一部は鉛直方向下方に流下してスプラグ23bにも供給されるようになる。
以上説明した第1の実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)供給通路32の開口、すなわちオイルジェット40の開口40aは、同開口40aから吐出される潤滑油がリングギア24に到達したときに、リングギア24の周方向におけるその拡散幅Tがスポーク部24cの幅Sよりも大きくなるようにリングギア24の周方向に拡げられるとともに同リングギア24の径方向に狭められたスリット状に形成されることとした。したがって、シール部材25とシリンダブロック2とがリングギア24によって隔絶された構成を採用せざるを得ない場合にあっても、リングギア24の停止位置にかかわらず、供給通路32の潤滑油が透孔24bを介してシール部材25側に供給することができる。その結果、内燃機関の自立運転の際に、リングギア24の回転の停止によりそのリングギア24によって機関本体と隔絶されたシール部材26に潤滑油を供給不能になることを好適に抑制することができるようになる。
(1)供給通路32の開口、すなわちオイルジェット40の開口40aは、同開口40aから吐出される潤滑油がリングギア24に到達したときに、リングギア24の周方向におけるその拡散幅Tがスポーク部24cの幅Sよりも大きくなるようにリングギア24の周方向に拡げられるとともに同リングギア24の径方向に狭められたスリット状に形成されることとした。したがって、シール部材25とシリンダブロック2とがリングギア24によって隔絶された構成を採用せざるを得ない場合にあっても、リングギア24の停止位置にかかわらず、供給通路32の潤滑油が透孔24bを介してシール部材25側に供給することができる。その結果、内燃機関の自立運転の際に、リングギア24の回転の停止によりそのリングギア24によって機関本体と隔絶されたシール部材26に潤滑油を供給不能になることを好適に抑制することができるようになる。
(2)供給通路32におけるシール部材25側の端部にオイルジェット40が圧入され、このオイルジェット40の開口40aをスリット状で形成することとした。このようにシリンダブロック2とは別の部材に供給通路32開口をスリット状で形成するようにしているため、こうした開口をシリンダブロック2に形成するようにした場合と比較してその形成加工を容易なものとすることができる。
(3)供給通路32の潤滑油を透孔24bを介してワンウェイクラッチ23のスプラグ23bにも併せて供給することとした。こうした構成により、例えば本実施形態のように、ワンウェイクラッチ23がリングギア24によってシリンダブロック2と隔絶される場合であっても、その供給通路32からワンウェイクラッチ23の摺動部位に潤滑油を供給することができるようになる。
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
この第2の実施形態の潤滑油供給システムも、その基本的な構成は先に説明した第1の実施形態のシステムと同様であり、供給通路32の端部32aに設けられるオイルジェットの構造のみが、第1の実施形態のシステムと異なっている。図5は、本実施形態の潤滑油供給態様を示す拡大断面図であり、図6は、図5の6−6線を沿った断面構造を示す断面図である。
図5及び図6に示されるように、本実施形態の潤滑油供給システムにあっては、供給通路32のシール部材25の端部32aには、オイルジェット50が圧入されている。このオイルジェット50の内部には、供給通路32に連通される誘導通路51と、誘導通路51に連通するとともにシール部材25側に開口するガイド通路53が形成されている。これにより、機関運転時に、供給通路32を通じてオイルジェット50に供給される潤滑油は、誘導通路51を介してガイド通路53に流入し、ガイド通路53の開口53aを介してシール部材25側、具体的にはアウターレース23cに向けて吐出される。
この開口53aは、先の第1の実施形態の開口40aと同様に、同開口53aから吐出される潤滑油がリングギア24に到達したときに、リングギア24の周方向におけるその拡散幅Tがスポーク部24cの幅Sよりも大きくなるように、リングギア24の周方向に拡げられるとともに同リングギア24の径方向に狭められたスリット状に形成されている。こうした構造により、リングギア24の停止位置にかかわらず、供給通路32の潤滑油が透孔24bを介してシール部材25側、具体的にはアウターレース23cに向けて吐出されるようになる。そして、アウターレース23cに衝突した潤滑油の大部分はアウターレース23cの回転に伴って生じる遠心力によりシール部材25に供給されるとともに、その一部は鉛直方向下方に流下してスプラグ23bに供給されるようになる。
以上説明した第2の実施形態によっても、第1の実施形態の効果(1)〜(3)に準じた効果を得ることができるようになる。
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・第1の実施形態では、供給通路32の開口40aが矩形をなすように形成されるようにしているが、その開口の形状としてはこれに限らず、例えば円弧状等、他の形状を採用することもできる。要するに、リングギアの周方向に延びるスリット状でさえあれば適宜採用可能である。
・第1の実施形態では、開口40aがリングギア24の周方向に延びるスリット状に形成される構成を採用している。これに限らず、例えば開口40aがスプレーノズル等、潤滑油を拡散させる他の形状に形成される構成を採用することもできる。
・上記実施形態では、供給通路32の潤滑油を透孔24bを介してワンウェイクラッチ23のスプラグ23bにも併せて供給するようにしている。これに対して、例えばシリンダブロック2と出力軸10との間に供給された潤滑油のみでも、ワンウェイクラッチ23に対する潤滑効果が十分に得られる場合には、シール部材25のみに潤滑油を供給するように透孔24b又は供給通路32の位置を設定してもよい。
・上記実施形態では、供給通路32の開口が同供給通路32のシール部材25側の端部に取り付けられたシリンダブロック2とは別の部材に形成されるようにしている。これに対して、供給通路32のシール部材25側の端部をスリット状に加工し、供給通路32の開口をシリンダブロック2に形成する構造を採用することもできる。
・上記実施形態では、シリンダブロック2と出力軸10との摺動部位に供給された潤滑油の一部を出力軸10の回転に伴って生じる遠心力により、その径方向に流動させて軸受21及びワンウェイクラッチ23に供給する潤滑油供給システムに本発明を適用する場合について例示した。これに限らず、例えば図1の破線に示されるように、供給通路31から分岐して軸受21に開口する供給通路を形成し、軸受21に潤滑油を直接噴射する潤滑油供給システムについても、基本的に同様の態様をもって本発明を適用することができる。
2…シリンダブロック、3…オイルパン、4…堰堤部材、10…出力軸、20…始動用モータ、20a…出力軸、20b…ピニオンギア、21…軸受、22…連結部材、23…ワンウェイクラッチ、23a…インナーレース、23b…スプラグ、23c…アウターレース(回転部材)、24…リングギア、24a…ギア、24b…透孔、24c…スポーク部、25…シール部材、25a…リップ、26…シール部材、26a…リップ、30…油圧ポンプ、31…供給通路、32…供給通路、32a…端部、40…オイルジェット、40a…開口、50…オイルジェット、51…誘導通路、53…ガイド通路、53a…開口、102…シリンダブロック、103…オイルパン、110…出力軸、120…始動用モータ、120a…出力軸、120b…ピニオンギア、121…軸受、122…連結部材、123…ワンウェイクラッチ、123a…インナーレース、123b…スプラグ、123c…アウターレース、124…リングギア、124a…ギア、124b…透孔、125…シール部材、125a…リップ、126…シール部材、126a…リップ、130…油圧ポンプ、131…供給通路、132…供給通路。
Claims (2)
- 内燃機関の機関本体に支持される出力軸の端部に設けられた軸受によりリングギアを同出力軸の端部に相対回転可能に支持するとともに、前記出力軸と前記リングギアとを該リングギアから前記出力軸への回転力伝達のみを許容するワンウェイクラッチを介して連結し、内燃機関が自立運転可能な状態になるまで前記リングギアを始動用モータにより回転させてその回転力を前記ワンウェイクラッチから前記出力軸に伝達することにより内燃機関を始動させる始動装置に潤滑油を供給する潤滑油供給システムであって、
前記軸受及び前記ワンウェイクラッチの少なくとも一方に供給される潤滑油が前記出力軸の回転に伴ってその径方向に流出するのを規制すべく、前記出力軸と一体回転する回転部材と前記リングギアとの間に環状のシール部材が設けられ、前記シール部材及び前記ワンウェイクラッチ及び前記軸受の少なくとも1つの部材が前記リングギアによって前記機関本体と隔絶され、該リングギアには同リングギアの周方向に沿って複数の透孔が形成されるとともに、前記機関本体には前記リングギアによって前記機関本体と隔絶された前記部材側に開口する供給通路が形成され、該供給通路は、その開口から吐出される潤滑油が前記リングギアに到達したときに前記リングギアの周方向におけるその拡散幅が前記透孔の間に形成されたスポーク部の幅よりも大きくなるように同開口が形成されてなる
ことを特徴とする潤滑油供給システム。 - 請求項1に記載の潤滑油供給システムにおいて、
前記開口は、リングギアの周方向に拡げられるとともに同リングギアの径方向に狭められたスリット状をなす
ことを特徴とする潤滑油供給システム。
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JP2007066301A JP2008223704A (ja) | 2007-03-15 | 2007-03-15 | 潤滑油供給システム |
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