ところで、上述の商業施設やオフィスビルにおいては、隣接して配置されている男性用トイレと女性用トイレで換気扇を共用している場合がある。一方、照明負荷Lについては男性用トイレと女性用トイレでそれぞれ個別に制御する必要があるから、それぞれに上述のような照明制御システムが設置される。しかしながら、上記従来の換気扇連動用子器C’は1系統の照明制御システム(例えば、男性用トイレに設置された照明制御システム)と連動して換気扇Fを動作させることはできても、他系統の照明制御システム(例えば、女性用トイレに設置された照明制御システム)と連動して同じ換気扇Fを動作させることができず、別途リレー等を用いた配線を設ける必要があった。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、別途配線を設けることなく複数系統の照明制御システムで同一の換気扇を連動して動作させることができる照明制御システムの換気扇連動用子器を提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、検知領域内で人の存在を検知したとき若しくは外部から人体検知信号が入力されたときに照明負荷をオンする親機、信号線を介して親機と接続され検知領域内で人の存在を検知したときに信号線に人体検知信号を出力する1乃至複数の子器からなる照明制御システムに子器として用いられ、換気扇が接続される換気扇接続端子部と、換気扇に給電するための外部電源が接続される電源端子部と、それぞれに異なる親機又は当該親機と接続された子器に信号線を介して接続される複数の子器接続端子部と、人体から放射される熱線を検出することで検知領域内の人の存在を検知して人体検知信号を出力する熱線センサ部と、親機若しくは他の子器から信号線に出力された人体検知信号を各子器接続端子部から取り込むとともに自らの熱線センサ部から出力された人体検知信号を少なくとも何れか一つの子器接続端子部から信号線に出力する信号入出力部と、電源端子部から換気扇接続端子部への給電を入切して換気扇を駆動する換気扇駆動部と、自らの熱線センサ部が人体検知信号を出力したとき若しくは信号入出力部が親機若しくは他の子器から信号線に出力された人体検知信号を取り込んだときに換気扇駆動部を制御して換気扇を動作させる制御部とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、信号入出力部は、特定の一つの子器接続端子部のみから人体検知信号を信号線に出力することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記特定の子器接続端子部と並列に設けられた送り配線用の子器接続端子部を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかの発明において、前記各部を収納する器体と、器体の端部に着脱自在に取り付けられ当該端部に一部が露出する換気扇接続端子部、電源端子部、子器接続端子部を覆い隠す端子カバーとを備え、前記各端子部は、端子カバーの取付方向と交差する方向に沿って器体の端部に複数列に並べ且つ端子カバーの取付方向に沿って各列が段違いに設けられたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記各端子部は、電線を所定の方向から差し込むことで当該電線が接続される速結端子構造を有し、端子カバーの取付方向並びに前記列方向と交差する方向から電線が差し込まれることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記各端子部は、電線を所定の方向から差し込むことで当該電線が接続される速結端子構造を有し、端子カバーの取付方向に沿って電線が差し込まれることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5の発明において、器体を挟んで対向する端子カバーの両側端部に各々複数の嵌合部が設けられるとともに、これら複数の嵌合部がそれぞれ凹凸嵌合する複数の嵌合凹部が器体の端部両側に設けられ、少なくとも何れか一方の側における複数の嵌合部及び嵌合凹部が、前記各端子部に対する電線の差込方向と交差する方向に沿って段違いに設けられたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項4〜7の何れかの発明において、有底筒状であって底側の端部に端子カバーが取り付けられるカバーと、カバーと結合されて器体を構成するボディとを備え、複数の嵌合突部と、各嵌合突部が嵌合する嵌合孔がそれぞれ貫設された複数の組立片との一方がボディに設けられるとともに他方がカバーに設けられ、嵌合孔に嵌合突部が嵌合してボディとカバーが結合された状態で、組立片が設けられたボディ又はカバーに当接して支持する支持部が、嵌合突部の設けられたボディ若しくはカバーに設けられたことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項4〜7の何れかの発明において、有底筒状であって底側の端部に端子カバーが取り付けられるカバーと、カバーと結合されて器体を構成するボディと、天井に設けられた埋込孔に前記端部を埋め込む形で器体を天井に固定する固定手段とを備え、複数の嵌合突部と、各嵌合突部が嵌合する嵌合孔がそれぞれ貫設された複数の組立片との一方がボディに設けられるとともに他方がカバーに設けられ、ボディに着脱自在に取り付けられる前記固定手段をボディ並びにカバーの側面に密着させたことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項5の発明において、有底筒状であって底側の端部に端子カバーが取り付けられるカバーと、カバーと結合されて器体を構成するボディとを備え、換気扇接続端子部並びに電源端子部が一列に並べて実装される第1のプリント配線板と、複数の子器接続端子部が一列に並べて実装される第2のプリント配線板とが器体に収納され、第1及び第2のプリント配線板の端部がスライド自在に嵌合する複数の嵌合溝がボディに対するカバーの取付方向に沿ってカバーの内側面に設けられ、少なくとも制御部が実装される第3のプリント配線板がボディ内に固定されるとともに第1及び第2のプリント配線板の端面を第3のプリント配線板に当接させたことを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項10の発明において、換気扇駆動部が第1のプリント配線板に実装され、制御部が第3のプリント配線板に実装されたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、それぞれに異なる系統の照明制御システムの信号線が接続される子器接続端子部を複数備え、自らの熱線センサ部が人体検知信号を出力したとき若しくは信号入出力部が親機若しくは他の子器から信号線に出力された人体検知信号を取り込んだときに制御部が換気扇駆動部を制御して換気扇を動作させるので、別途配線を設けることなく複数系統の照明制御システムで同一の換気扇を連動して動作させることができる。
請求項2の発明によれば、複数系統の照明制御システムのうちで主に何れの照明制御システムに属するかが明確になって設置場所の選定が容易になる。
請求項3の発明によれば、信号線を送り配線して別の子器を接続することができるから設置場所の選択の自由度が増すとともに信号線の引き回しが容易になる。
請求項4の発明によれば、端子カバー内における各端子部に接続された電線の引き回しが簡単になる。
請求項5の発明によれば、各端子部に対する電線の接続状態が確認し易くなって施工性が向上する。
請求項6の発明によれば、各端子部に対する電線の接続状態が確認し易くなって施工性が向上する。
請求項7の発明によれば、器体に対する端子カバーの取付強度が向上する。
請求項8の発明によれば、ボディとカバーの結合強度が向上する。
請求項9の発明によれば、ボディとカバーの結合強度がさらに向上する。
請求項10の発明によれば、第1及び第2のプリント配線板をカバー内に確実に位置決めして収納することができるとともに各端子部に接続された電線からの応力に対する強度が向上する。
請求項11の発明によれば、ノイズやサージ電圧に対する耐性が向上する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本実施形態の換気扇連動用子器Cの回路ブロック図、図2は換気扇連動用子器Cを含む照明制御システムのシステム構成図をそれぞれ示している。
本実施形態における照明制御システムは、図2に示すように1台の親機A1と複数台の子器B11,12,…とが信号線Ls1で接続された第1の系統(主系統)と、1台の親機A2と複数台の子器B21,B22,…とが信号線Ls2で接続された第2の系統(副系統)とを有し、各系統で互いに異なる照明負荷L1,L2を個別に制御するとともに、第1及び第2の系統の信号線Ls1,Ls2が接続され、両系統の照明負荷L1,L2と連動して換気扇Fを動作させる換気扇連動用子器Cとで構成される。但し、各系統の親機A1,A2並びに子器B11,…、B21,…は何れも従来例と共通であるから、詳細な構成の図示並びに説明は省略する。
換気扇連動用子器Cは、図1に示すように換気扇Fが接続される換気扇接続端子部1と、換気扇Fに給電するための外部電源(商用交流電源)ACが接続される電源端子部2と、第1の系統の信号線Ls1が接続される第1の子器接続端子部3と、第2の系統の信号線Ls2が接続される第2の子器接続端子部4と、人体から放射される熱線を検出することで検知領域内の人の存在を検知して人体検知信号を出力する熱線センサ部5と、信号線Ls1を介して第1の子器接続端子部3から入力する人体検知信号を取り込むとともに熱線センサ部5から出力された人体検知信号を第1の子器接続端子部3から信号線Ls1に出力する第1の信号入出力部6と、信号線Ls2を介して第2の子器接続端子部4から入力する人体検知信号を取り込む第2の信号入出力部7と、電源端子部2から換気扇接続端子部1への給電を入切して換気扇Fを駆動する換気扇駆動部8と、熱線センサ部5が人体検知信号を出力したとき若しくは第1又は第2の信号入出力部6,7が人体検知信号を取り込んだときに換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを動作させる制御部9と、電源端子部2に印加される交流電源を安定化して直流電源を作成する第1の電源回路10と、第1の電源回路10で作成された直流電源から換気扇駆動部8を構成するトライアック制御回路8a並びにリレー8b(後述する)の動作電源を作成する第2の電源回路11と、第1の電源回路10で作成された直流電源から制御部9の動作電源を作成する制御部電源回路12と、外部電源ACのゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路13とを備える。換気扇接続端子部1、電源端子部2、第1及び第2の子器接続端子部3,4は何れも2端子構成であって、それぞれ2線の電線からなる電源線Lp、負荷線Lx、信号線Ls1,Ls2が接続される(図3参照)。
熱線センサ部5は従来周知であって、人体から放射される熱線(赤外線)を焦電素子で検出し焦電素子の検出出力から検知領域内に人が存在するとみなせるときに単パルスの人体検出信号を発生するものである。人体検知信号は熱線センサ部5から第1の信号入出力部6に入力され、第1の信号入出力部6によって制御部9に送られるとともに第1の子器接続端子部3を介して信号線Ls1にも送出される。ここで、第1の信号入出力部6には第1の子器接続端子部3と並列に送り配線用の子器接続端子部14が設けられており、この送り配線用子器接続端子部14に接続された信号線にも熱線センサ部5から出力された人体検知信号が送出される。また、第1の系統に属する親機A1若しくは何れかの子器B11,…から信号線Ls1に送出された人体検知信号が第1の信号入出力部6に取り込まれて制御部9に送られる。同じく第2の系統に属する親機A2若しくは何れかの子器B21,…から信号線Ls2に送出された人体検知信号が第2の信号入出力部7に取り込まれて制御部9に送られる。
換気扇駆動部8は、換気扇接続端子部1の一方の端子と電源端子部2の一方の端子との間に互いに並列に接続されたリレー端子r及び双方向3端子サイリスタ(トライアック)Qと、制御部9から与えられる制御指令に基づいてトライアックQをターンオン及びターンオフするトライアック制御回路8aと、同じく制御部9から与えられる制御指令に基づいてリレー端子rを開閉するリレー8bとを具備する。
制御部9は、マイコン並びにメモリを主構成要素とし、メモリに格納されたプログラムをマイコンが実行することにより、人体検知信号に基づいて換気扇駆動部8を制御することにより換気扇Fを第1及び第2の系統の照明負荷Lと連動して動作させる処理等を行うものである。ここで、制御部9には後述する動作保持時間等の各種設定を行うための操作スイッチ部15と、発光ダイオードからなる動作表示部16とが接続される。操作スイッチ部15は、制御部9に対して動作保持時間を択一的に設定するための動作保持時間設定スイッチ15a、並びに間欠運転時間を択一的に設定するための間欠運転時間設定スイッチ15bを具備している。ここで動作保持時間とは、後述するように制御部9が人体検知信号を受け取ってから換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを動作させ続ける時間(例えば、数十秒〜数十分)であって、当該時間が経過したら制御部9が換気扇Fを停止させるようになっている。また間欠運転時間とは、人体検知信号を受け取っているか否かにかかわらず、制御部9が1時間毎にその時間(例えば、数十秒〜数十分)だけ換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを間欠動作させる時間である。なお、操作スイッチ部15では動作保持時間設定スイッチ15a並びに間欠運転時間設定スイッチ15bの操作状態を監視しており、これらのスイッチ15a,15bが操作されたときに制御部9に操作信号を出力する。そして、これらの操作信号を受け取った制御部9では、動作保持時間設定スイッチ15a並びに間欠運転時間設定スイッチ15bで選択された動作保持時間及び間欠運転時間の設定値をメモリに格納するのである。
而して、第1又は第2の信号入力部6,7から人体検知信号を受け取った制御部9は、ゼロクロス検出回路13で検出する外部電源ACのゼロクロス点において、トライアック制御回路8aに制御指令を与えてトライアックQをターンオンさせた後、リレー8bに制御指令を与えてリレー接点rを閉じることで外部電源ACから換気扇Fに給電して換気扇Fを動作させる。但し、リレー接点rを閉じてから所定時間が経過したら、制御部9はトライアック制御回路8aに制御指令を与えてトライアックQをターンオフさせる。また制御部9では、リレー8bに制御指令を出力した時点から内蔵のタイマで動作保持時間のカウントを開始し、動作保持時間のカウントが終了した時点で最初にトライアック制御回路8aに制御指令を与えてトライアックQをターンオンし、さらにリレー8bに制御指令を与えてリレー接点rを開いた後、ゼロクロス検出回路13で検出する外部電源ACのゼロクロス点において、トライアック制御回路8aに制御指令を与えてトライアックQをターンオフさせることで外部電源ACから換気扇Fへの給電を止めて換気扇Fを停止させる。但し、動作保持時間のカウント中に新たに人体検知信号を受け取った場合、制御部9は動作保持時間のカウントをリセットして再度最初から動作保持時間のカウントを開始する。また制御部9は、間欠運転時間が設定された時点から内蔵のタイマで1時間毎に間欠運転時間のカウントを開始し、間欠運転時間のカウント中は換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを動作させ続ける。
上述のように換気扇駆動部8にリレー接点rとトライアックQの2つのスイッチ要素を設け、これら2つのスイッチ要素を介して外部電源ACから換気扇Fに給電するとともに、換気扇Fへの給電路を閉じる際には先に外部電源ACのゼロクロス点でトライアックQをターンオンした後にリレー接点rを閉じ、換気扇Fへの給電路を遮断する際には先にリレー接点rを開いた後に外部電源ACのゼロクロス点でトライアックQをターンオフする制御処理を制御部9で行うことにより、リレー接点rの開閉時におけるアークの発生を防止してリレー接点rの長寿命化を図っている。
次に、図4のタイムチャートを参照して本実施形態における照明負荷制御システムの動作をさらに詳しく説明する。なお、図4(a)は換気扇Fの動作状態、(b)(c)はそれぞれ第1の系統(主系統)の照明負荷L1と第2の系統(副系統)の照明負荷L2の動作状態(点灯又は消灯)を示している。
照明負荷L1,L2が消灯し且つ換気扇Fが停止しているとき、時刻t=t1に第1の系統の親機A1若しくは子器B11,…で検知領域内に人の存在が検知されると第1の系統の照明負荷L1が点灯する(図4(b)参照)。一方、換気扇連動用子器Cでは、信号線Ls1に送出された人体検知信号を制御部9が第1の信号入出力部6から受け取り、換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを動作させる(図4(a)参照)。そして、時刻t=t2の時点を最後に検知領域内に人の存在が検知されなくなれば、第1の系統の親機A1は時刻t=t2から所定時間T2(例えば、10秒〜30分)が経過した時点(時刻t=t3)で照明負荷L1を消灯する(図4(b)参照)。一方、換気扇連動用子器Cでは、時刻t=t2から動作保持時間T1のカウントが終了した時点(時刻t=t4)で制御部9が換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを停止させる(図4(a)参照)。
また時刻t=t5に第2の系統の親機A2若しくは子器B21,…で検知領域内に人の存在が検知されると第2の系統の照明負荷L2が点灯する(図4(c)参照)。一方、換気扇連動用子器Cでは、信号線Ls2に送出された人体検知信号を制御部9が第2の信号入出力部7から受け取り、換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを動作させる(図4(a)参照)。さらに時刻t=t6に第1の系統の親機A1若しくは子器B11,…で検知領域内に人の存在が検知されると第1の系統の照明負荷L1も点灯する(図4(b)参照)。一方、換気扇連動用子器Cの制御部9は、信号線Ls1に送出された人体検知信号を第1の信号入出力部6から受け取ると動作保持時間T1のカウントをリセットして換気扇Fを動作させ続ける(図4(a)参照)。そして、時刻t=t7の時点を最後に検知領域内に人の存在が検知されなくなれば、第2の系統の親機A2は時刻t=t7から所定時間T3(例えば、10秒〜30分)が経過した時点(時刻t=t9)で照明負荷L2を消灯する(図4(c)参照)。また時刻t=t8の時点を最後に検知領域内に人の存在が検知されなくなれば、第1の系統の親機A1は時刻t=t8から所定時間T2が経過した時点(時刻t=t10)で照明負荷L1を消灯する(図4(b)参照)。一方、換気扇連動用子器Cの制御部9は、時刻t=t8から動作保持時間T1のカウントが終了した時点(時刻t=t11)で換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを停止させる(図4(a)参照)。
また換気扇連動用子器Cにおいて、時刻t=t12で間欠運転時間T4が設定されると、制御部9が換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを動作させ、間欠運転時間T4のカウントが終了した時点(時刻t=t13)で換気扇Fを停止させる(図4(a)参照)。さらに時刻t=t12から1時間後の時刻t=t14で制御部9は再度換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを動作させるとともに間欠運転時間T4のカウントを開始する。間欠運転時間T4のカウント中に時刻t=t15で第1の系統の親機A1若しくは子器B11,…で検知領域内に人の存在が検知されると第1の系統の照明負荷L1が点灯し、時刻t=t16の時点を最後に検知領域内に人の存在が検知されなくなれば、第1の系統の親機A1は時刻t=t16から所定時間T2が経過した時点(時刻t=t17)で照明負荷L1を消灯する(図4(b)参照)。一方、換気扇連動用子器Cの制御部9は、動作保持時間T1のカウント中であれば間欠運転時間T4のカウントが終了しても換気扇Fを動作させ続け、時刻t=t16から動作保持時間T1のカウントが終了した時点(時刻t=t18)で換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを停止させる(図4(a)参照)。なお、換気扇連動用子器Cの制御部9は人体検知信号を受け取ったときに動作表示部16の発光ダイオードを発光させて人の存在が検知されたことを表示する。
上述のように本実施形態の換気扇連動用子器Cでは、それぞれに異なる系統の照明制御システムの信号線Ls1,Ls2が接続される2つの子器接続端子部3,4を備え、少なくとも何れか1つの子器接続端子部3,4から人体検知信号が入力されたときに制御部9が換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを動作させるので、従来例のように別途配線を設けることなく2系統の照明制御システムで同一の換気扇Fを連動して動作させることができる。但し、3つ以上の子器接続端子部並びに信号入出力部を設ければ、例えば、公共施設における男性トイレ用の照明負荷、女性トイレ用の照明負荷、多目的の照明負荷を個別に制御しつつ共用する換気扇を連動制御することも可能である。また、熱線センサ部5から出力される人体検知信号を第1の信号入出力部6から第1の子器接続端子部3を介して第1の系統の信号線Ls1のみに送出させているので、2系統の照明制御システムのうちで換気扇連動用子器Cが主に何れの照明制御システムに属するかが明確になり、換気扇連動用子器Cの設置場所の選定が容易になる。さらに第1の信号入出力部6に第1の子器接続端子部3と並列に送り配線用の子器接続端子部14が設けられているので、換気扇連動用子器Cを必ずしも信号線Ls1の末端に接続する必要がなくなり、信号線Ls3を送り配線して別の子器を接続することができるから設置場所の選択の自由度が増すとともに信号線Ls1,Ls3の引き回しが容易になる。
(実施形態2)
近年、シックハウス対策として、ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、家具からの発散があるため、原則として全ての建築物に機械換気設備(常時換気設備)の設置を義務付けられることとなった。この常時換気設備に用いる換気扇には、風量を強弱の2段階に切替可能なものがある。本実施形態の換気扇連動用子器Cは、上述のように風量が強弱の2段階に切換可能な換気扇Fを動作させるために換気扇接続端子部1並びに換気扇駆動部8の構成が実施形態1のものから変更されている点に特徴があり、かかる点を除いて、実施形態1のものと基本的な構成が共通している。よって、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における換気扇接続端子部1は4端子構成であって、図5に示すように電源端子部2の一方の電源端子2aと接続された第1の接続端子1aと、電源端子部2の他方の電源端子2bと第1のリレー接点r1を介して接続された第2の接続端子1bと、電源端子2bに第2のリレー接点r2並びにトライアックQ1の並列回路を介して接続された第3の接続端子1cと、電源端子2bに第3のリレー接点r3並びにトライアックQ2の並列回路を介して接続された第4の接続端子1dとで構成される。
一方、換気扇駆動部8は、第1乃至第3のリレー接点r1,r2,r3と、2つのトライアックQ1,Q2と、制御部9から与えられる制御指令に基づいて2つのトライアックQ1,Q2を個別にターンオン及びターンオフするトライアック制御回路8aと、同じく制御部9から与えられる制御指令に基づいて第1乃至第3のリレー端子r1,r2,r3を個別に開閉するリレー8bとを具備する。ところで、換気扇Fには、外部電源ACを強運転用の端子に入力するか、あるい弱運転用の端子に入力するかを、外部の切り替えスイッチにより切り替えることで風量の強弱を切り替える外部接点切替形の換気扇F1と、外部電源ACを強運転用の端子に入力するか、あるい弱運転用の端子に入力するかを、内蔵したリレーにより切り替えることで風量の強弱を切り替える切替リレー内蔵形の換気扇F2とがある。そして、外部接点切替形の換気扇F1に対しては、図6(a)に示すように換気扇F1の共通端子と換気扇接続端子部1の第1の接続端子1a、換気扇F1を強状態で運転させる強運転用端子と第3の接続端子1c、換気扇F1を弱状態で運転させる弱運転用端子と第4の接続端子1dをそれぞれ接続し、換気扇駆動部8のリレー接点r2を閉じて第1の接続端子1aと第3の接続端子1cを導通させることで共通端子と強運転用端子に外部電源ACを接続して換気扇F1を強運転させ、リレー接点r3を閉じて第1の接続端子1aと第4の接続端子1dを導通させることで共通端子と弱運転用端子に外部電源ACを接続して換気扇F1を弱運転させることができ、さらに換気扇駆動部8のリレー接点r1を開けば外部電源ACからの給電を遮断して換気扇F2を停止させることができる。なお、弱運転と強運転を切り替える際、2つのリレー接点r2,r3のオン・オフを同時に切り替えるのではなく、両接点r2,r3がともにオフする時間(デッドタイム)を設けて切り替えることが望ましい。
一方、切替リレー内蔵形の換気扇F2に対しては、図6(b)に示すように換気扇F2の共通端子と換気扇接続端子部1の第1の接続端子1a、換気扇F1の強運転用端子と第2の接続端子1b、換気扇F2の弱運転用端子と第4の接続端子1dをそれぞれ接続し、換気扇駆動部8のリレー接点r1を閉じて第1の接続端子1aと第2の接続端子1bを導通させることで換気扇F2に外部電源ACから給電し、この状態でリレー接点r3を開けば内蔵リレーが強運転側に切り替わって共通端子と強運転用端子に外部電源ACを接続して換気扇F2を強運転させ、リレー接点r3を閉じれば内蔵リレーが弱運転側に切り替わって共通端子と弱運転用端子に外部電源ACを接続して換気扇F2を弱運転させることができ、さらに換気扇駆動部8のリレー接点r1を開けば外部電源ACからの給電を遮断して換気扇F2を停止させることができる。なお、リレー接点r2,r3の開閉は実施形態1と同様にトライアックQ1,Q2をターンオンさせた状態で行われる。
次に、図7のタイムチャートを参照して本実施形態における照明負荷制御システムの動作をさらに詳しく説明する。なお、図7(a)は換気扇Fの動作状態、(b)(c)はそれぞれ第1の系統(主系統)の照明負荷L1と第2の系統(副系統)の照明負荷L2の動作状態(点灯又は消灯)を示している。また常時換気のために換気扇Fは通常弱運転されているものとする。
照明負荷L1,L2が消灯し且つ換気扇Fが弱運転しているとき、時刻t=t1に第1の系統の親機A1若しくは子器B11,…で検知領域内に人の存在が検知されると第1の系統の照明負荷L1が点灯する(図7(b)参照)。一方、換気扇連動用子器Cでは、信号線Ls1に送出された人体検知信号を制御部9が第1の信号入出力部6から受け取り、換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを強運転させる(図7(a)参照)。そして、時刻t=t2の時点を最後に検知領域内に人の存在が検知されなくなれば、第1の系統の親機A1は時刻t=t2から所定時間T2が経過した時点(時刻t=t3)で照明負荷L1を消灯する(図7(b)参照)。一方、換気扇連動用子器Cでは、時刻t=t2から動作保持時間T1のカウントが終了した時点(時刻t=t4)で制御部9が換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを弱運転に戻す(図7(a)参照)。
また時刻t=t5に第2の系統の親機A2若しくは子器B21,…で検知領域内に人の存在が検知されると第2の系統の照明負荷L2が点灯する(図7(c)参照)。一方、換気扇連動用子器Cでは、信号線Ls2に送出された人体検知信号を制御部9が第2の信号入出力部7から受け取り、換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを強運転させる(図7(a)参照)。さらに時刻t=t6に第1の系統の親機A1若しくは子器B11,…で検知領域内に人の存在が検知されると第1の系統の照明負荷L1も点灯する(図7(b)参照)。一方、換気扇連動用子器Cの制御部9は、信号線Ls1に送出された人体検知信号を第1の信号入出力部6から受け取ると動作保持時間T1のカウントをリセットして換気扇Fを強運転させ続ける(図7(a)参照)。そして、時刻t=t7の時点を最後に検知領域内に人の存在が検知されなくなれば、第2の系統の親機A2は時刻t=t7から所定時間T3が経過した時点(時刻t=t9)で照明負荷L2を消灯する(図7(c)参照)。また時刻t=t8の時点を最後に検知領域内に人の存在が検知されなくなれば、第1の系統の親機A1は時刻t=t8から所定時間T2が経過した時点(時刻t=t10)で照明負荷L1を消灯する(図7(b)参照)。一方、換気扇連動用子器Cの制御部9は、時刻t=t8から動作保持時間T1のカウントが終了した時点(時刻t=t11)で換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを弱運転に戻す(図7(a)参照)。
また換気扇連動用子器Cにおいて、時刻t=t12で動作保持時間設定スイッチ15aにより動作保持時間T1がゼロ、すなわちオフ設定されると、制御部9が換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを停止させ、動作保持時間設定スイッチ15aにより再度動作保持時間T1がゼロ以外に設定されれば(時刻t=t13)、制御部9が換気扇駆動部8を制御して換気扇Fを弱運転させる(図7(a)参照)。
次に、図8〜図12を参照して換気扇連動用子器Cの構造について説明する。
換気扇連動用子器Cは、天井に取付可能な構造を有しており、図8に示すように器体(ボディ30とカバー40)、端子カバー50、プレート120、1対の挟み金具60、回転体70、支持部材80、子器基板ブロック90、電源基板ブロック100、スイッチ基板ブロック110などから構成されている。
ボディ30は、窓孔32が中央に形成され1対の保持溝33が両側にそれぞれ形成されている円状のフランジ部31と、フランジ部31の上面中央に一体成形された筒部34とで構成される。筒部34の上縁には4個の組立片35が上向きに突設され、各組立片35にはそれぞれ嵌合孔36が開口している。尚、フランジ部31には、後述する挟み金具60の引締めねじ63をそれぞれ露出させるだるま孔状の2個の操作孔(図示せず)が各対の保持溝33の間に形成されている。
挟み金具60は従来周知であって、1対の保持溝33にそれぞれ係合する1対の係合突片62が下端に形成され、一方に開口する縦長箱状の支柱61と、支柱61の上壁及び底壁に上下端がそれぞれ挿通されて支柱61に回動自在に保持される引締めねじ63と、この引締めねじ63に螺合する挟み片64とで構成される。この挟み片64は、引締めねじ63を回すことで、支柱61の上部側壁に設けた切欠部65から出て支柱61の開口面に沿って下降するようになっている。従って、各挟み金具60の挟み片64を切欠部65内に待避させた状態で、1対の係合突片62をフランジ部31の1対の保持溝33にそれぞれ係合させて、各挟み金具60をボディ30に着脱可能に取り付け、次いで各挟み金具60及び筒部34を図略の天井のボードに形成された取付孔に挿通した後、フランジ部31の操作孔から露出する引締めねじ63を回すことで挟み片64を下降させれば、上記取付孔の周部近傍のボード上下面にそれぞれ挟み片64の先端部下面及びフランジ部31の上面が当接(圧接)して、ボディ30が天井に取り付けられることになる。
プレート120は、窓孔32に対応する丸孔121を中央部に有し、フランジ部31に係合して保持され、化粧カバーとして機能するものである。
回転体70は、軸部72が両端に突設されている半球状の回転枠71と、回転枠71の前面側(図8では下側)に結合して窓部となる半球状のレンズ(例えばフレネルレンズよりなる多焦点レンズ)73と、熱線センサ部5及び動作表示部16が下面に実装され回転枠71及びレンズ73の内部に収納されるセンサ系プリント配線板74と、回転枠71及びレンズ73の結合部分に取り付けられるリング状の保持枠75とで構成される。つまり、回転体70において熱線センサ部5の受光面の前面側にはレンズ73が取り付けられており、レンズ73を通して熱線センサ部5に熱線が入射するようになっている。なお、回転体70は支持部材80によってボディ30に回動自在に取り付けられる。
子器基板ブロック90は、矩形平板状のプリント配線板(第2のプリント配線板)91に第1及び第2の信号入出力部6,7、子器接続端子部3,4並びに送り配線用子器接続端子部14を実装して構成されている。各端子部3,4,14は、コ字状に形成された端子板92、鎖錠ばね93、解除釦94で構成される従来周知の速結端子(ねじ無し端子)をそれぞれ一対ずつ備え、プリント配線板91の上端部に左右方向に一列に並べて実装されるとともに、各速結端子に対応した合計6つの電線挿入孔95a並びに各解除釦94を操作するための合計3つの操作孔95bが前面(図8における左側面)に設けられた端子部ボディ95で覆われる。
電源基板ブロック100は、矩形平板状のプリント配線板(第1のプリント配線板)101に換気扇駆動部8、第1の電源回路10、第2の電源回路11、制御部電源回路12、ゼロクロス検出回路13、換気扇接続端子部1並びに電源端子部2を実装して構成されている。各端子部1,2は、子器接続端子部3,4並びに送り配線用子器接続端子部14と同様に、コ字状に形成された端子板102、鎖錠ばね103、解除釦104で構成される従来周知の速結端子をそれぞれ一対ずつ備え、プリント配線板101の上端部に左右方向に一列に並べて実装されるとともに、各速結端子に対応した合計6つの電線挿入孔105a並びに各解除釦104を操作するための合計3つの操作孔105bが前面(図8における左側面)に設けられた端子部ボディ105で覆われる。なお、端子板102、鎖錠ばね103、解除釦104、端子部ボディ105は、何れも子器基板ブロック90の端子板92、鎖錠ばね93、解除釦94、端子部ボディ95と同一の形状及び寸法を有している。
スイッチ基板ブロック110は、矩形平板状のプリント配線板(第3のプリント配線板)111に制御部9並びに操作スイッチ部15を実装して構成されている。このように、電源系、信号系、弱電系の回路をそれぞれ別のプリント配線板91,101,111に実装しているので、各系の間の絶縁が確保し易くなるとともにノイズやサージ電圧に対する耐性が向上するという利点がある。
一方、カバー40は、筒部34の開口部を閉塞可能な有底筒状に形成され、その側壁部の下端側には各組立片35の嵌合孔36とそれぞれ凹凸係合する4つの嵌合突部41が形成されており、図9に示すように嵌合突部41と嵌合孔36とを嵌合させることによって、ボディ30とカバー40とが結合されて器体が組み立てられる。ここで、カバー40の下端縁には、図10に示すようにボディ30とカバー40が結合された状態で、各組立片35の近傍においてボディ30(筒部34)の外側面に当接する突起状の支持部44が下方へ突設されている。また、これら4つの支持部44は筒部34を挟んでカバー40の左右両側に各々一対ずつ設けられているが、各一対の支持部44の間に固定手段たる挟み金具60が配置される。このとき、挟み金具60の支柱61がボディ30の筒部34並びにカバー40の側面に密着させてある。
また、カバー40の上端部は階段状に形成されており、下段の側壁部には子器基板ブロック90の端子部ボディ95の前面(電線挿入孔95a並びに操作孔95bが開口する面)を露出させるための第1の開口窓42が設けられ、上段の側壁部には電源基板ブロック100の端子部ボディ105の前面(電線挿入孔105a並びに操作孔105bが開口する面)を露出させるための第2の開口窓43が設けられている。ここで、第1及び第2の開口窓42,43から端子部ボディ95,105の前面を露出させるために、カバー40の内部に子器基板ブロック90並びに電源基板ブロック100が起立状態で収納される。カバー40の内側面には、図11(a)(b)に示すように子器基板ブロック90のプリント配線板91並びに電源基板ブロック100のプリント配線板101の両端部が各々スライド自在に嵌合する各一対の嵌合溝45a,45bがボディ30に対するカバー40の取付方向(図8における上下方向)に沿って設けられている。すなわち、端子部ボディ95,105が取り付けられている上端側からプリント配線板91,101の両端部を各一対の嵌合溝45a,45bにスライドして嵌合させれば、図11(b)に示すようにプリント配線板91,101をカバー40内に確実に位置決めして収納することができ、しかも、プリント配線板91,101が嵌合溝45a,45bに嵌合して固定されているから、各端子部1〜4,14に電線を接続する際にプリント配線板91,101ががたつくのを防ぐことができる。
ところで、子器基板ブロック90のプリント配線板91並びに電源基板ブロック100のプリント配線板101の下端部には各々一対の突起96,106が下方へ突設されており、これら一対の突起96,106がそれぞれ凹凸係合する合計4つの係合溝112がスイッチ基板ブロック110のプリント配線板111に貫設されている。すなわち、図11(c)に示すように各一対の突起96,106を係合溝112にそれぞれ挿入して凹凸係合することで子器基板ブロック90並びに電源基板ブロック100のスライド方向における抜け止めと位置決めを同時に行うことができ、しかも、ボディ30とカバー40を結合すればスイッチ基板ブロック110が筒部34内に収納且つ保持されるから、3つの基板ブロック90,100,110を何れも確実に位置決めして固定することができる。
上述のようにボディ30とカバー40を結合して器体を組み立てた状態では、図9に示すように子器接続端子部3,4並びに送り配線用子器接続端子部14がカバー40上端部の下段側に一列に並べて配置され、換気扇接続端子部1並びに電源端子部2がカバー40上端部の上段側に一列に並べて配置され、それぞれの端子部1〜4,14に対応する端子部ボディ95,105の電線挿入孔95a,105aに左右方向から電線を挿入すれば、端子板92,102と鎖錠ばね93,103との間に電線が弾性狭持され、且つ鎖錠ばね93,103に鎖錠されて抜け止めされる。さらに操作孔93b,103bにマイナスドライバ等の治具の先端を挿入して解除釦94,104を押動すれば、鎖錠ばね93,103による鎖錠が解除された電線を引き抜くことができる。
ここで、カバー40の上端部には各端子部1〜4,14に対応する電線挿入孔95a,105a並びに操作孔95b,105bを覆って水滴等の進入を防止するための端子カバー50が着脱自在に取り付けられる。この端子カバー50は、カバー40の上面(底面)と対向する底壁51と、底壁51の周縁より下方へ垂下してカバー40の上端部の周囲を囲む側壁52とを有する筒状に形成されている。また側壁52の器体を挟んで対向する両側端部には、カバー40上端部の下段側両側面に設けられた一対の係止溝(被係止部)46にそれぞれ挿入係止する係止爪(係止部)53aを先端に有した一対の第1係止片(嵌合部)53と、カバー40上端部の上段側両側面に設けられた一対の係止溝(被係止部)47にそれぞれ挿入係止する係止爪(係止部)54aを先端に有した一対の第2係止片(嵌合部)54とが下方に向かって突設されている。さらに、カバー40上端部の下段側及び上段側両側面には、第1係止片53並びに第2係止片54がそれぞれ凹凸嵌合する嵌合凹部48,49が形成されている。すなわち、内側にカバー40の上端部を挿入するとともに第1係止片53並びに第2係止片54をそれぞれ嵌合凹部48,49に嵌合させる形で端子カバー50を上から下へ移動させれば、2つの係止片53,54がともに外側に撓み、やがてそれぞれの係止爪53a,54aが係止溝46,47に挿入係止されることでカバー40に端子カバー50が取り付けられる。なお、端子カバー50を上方向に引っ張れば、第1係止片53並びに第2係止片54がそれぞれ外側に撓んで係止爪53a,54aと係止溝46,47の係止が外れてカバー40から端子カバー50を取り外すことができる。
ここで、端子カバー50は電線挿入孔95a,105a並びに操作孔95b,105bと対向する面(図10(b)における前面)とその両側の面(図10(b)における左右両側面)にだけ側壁52が設けられ、これ以外の面(図10(b)における背面)には側壁52が設けられていない。従って、端子カバー50をカバー40に取り付けたとき、側壁52が設けられていない面(図10(b)における背面)に電線(電源線Lp、負荷線Lx、信号線Ls1,Ls2)を引き出すための引出口(図示せず)が形成されることになる。
而して、上述のように各端子部1〜4,14が端子カバー50の取付方向(上下方向)と交差する方向(左右方向)に沿って器体(カバー40)の端部に複数列(2列)に並び且つ端子カバー50の取付方向に沿って各列が段違いに設けられているので、端子部1〜4,14に接続される合計12本の電線が端子カバー50内で引き回し易くなり、しかも、電線を挿入する電線挿入孔95a,105aが側面に配置されていることから、端子部1〜4,14に対する電線の接続状態が確認し易くなって施工性が向上するという利点もある。また、他の子器B11,…に比べて端子部1〜4,14に接続する電線の本数が大幅に増えているために端子カバー50に発生する電線による応力も大きくなるが、本実施形態では第1係止片53と第2係止片54を端子カバー50の上下方向において段違いに配置するとともに、カバー40に設けられた嵌合凹部48,49に嵌合させているので、カバー40に対する端子カバー50の取付強度が向上して電線による応力で端子カバー50が外れるのを防ぐことができる。また、カバー40の下端縁に突設された支持部44を各組立片35の近傍においてボディ30(筒部34)の外側面に当接させ、さらにボディ30のフランジ部31に取り付けられた挟み金具60の支柱61をボディ30の筒部34並びにカバー40の側面に密着させているから、電線による応力でカバー30が撓むのを抑えて、カバー30の嵌合突部41とボディ30の組立片35にも受けられた嵌合孔36との嵌合が外れるのを防ぐことができる。
なお、図12に示すように子器基板ブロック90並びに電源基板ブロック100を寝かせた状態でカバー40内に収納し、他の子器B11,…と同様に、各端子ブロック90,100に実装されている端子部ボディ95,105の電線挿入孔95a,105aを上方に向けて電線を下向きに挿入する構造としても構わない。この場合においても換気扇接続端子部1並びに電源端子部2の列と子器接続端子部3,4並びに送り配線用子器接続端子部14の各列を段違いに設けることにより、端子部1〜4,14に接続される合計12本の電線が端子カバー50内で引き回し易くる。