JP4569317B2 - 超薄肉継目無金属管の製造方法 - Google Patents

超薄肉継目無金属管の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、継目無金属管の製造方法に関し、詳しくは、熱間製造プロセスにより製造された継目無金属管を素管として、さらに熱間延伸圧延プロセス、次いで冷間製造プロセスを経ることにより、継目無金属管の薄肉側の製造可能範囲を抜本的に拡大する超薄肉継目無金属管の製造方法に関するものである。
継目無金属管の製造方法には、マンネスマン・マンドレルミルプロセス、マンネスマン・プラグミルプロセス、マンネスマン・アッセルミルプロセス、あるいはマンネスマン・プッシュベンチミルプロセスなどがある。これらの製造方法においては、加熱炉にて所定の温度に加熱した中実ビレットを穿孔圧延機により穿孔してホローピースとなし、これをマンドレルミル、プラグミル、アッセルミルあるいはプッシュベンチミルなどの延伸圧延機により、主としてその肉厚を減じてホローシェルとし、次いで、サイザあるいはストレッチレデューサなどの絞り圧延機により、主としてその外径を減じて、所定の寸法の金属管に仕上げる(非特許文献1、非特許文献2など)。
図1は、上記プロセスの例として、マンネスマン・マンドレルミルプロセスを説明するための図であり、同図(a)は回転炉床式加熱炉、(b)はロータリピアサ(穿孔圧延機)、(c)はマンドレルミル(延伸圧延機)、(d)は再加熱炉、そして(e)はストレッチレデューサ(絞り圧延機)をそれぞれ示す。
これらのマンネスマンプロセスの他に、ユジーンエクストルージョンプロセスがあり、このプロセスでは、機械加工により下穴を施したビレットをエクストルージョンプレスを使用して一挙に押出して金属管製品とする。
そして、上記の熱間製造プロセスにより製造された金属管製品の一部は、冷間製造プロセスに送られ、ドローベンチミルによる冷間抽伸プロセス、プッシュベンチミルによる冷間押抜きプロセスあるいはコールドピルガーミルによる冷間圧延プロセスなどのプロセスにより、その外径および肉厚を減じて所定の寸法に仕上げられる。
図2は、代表的な冷間製造プロセスを示す説明図であり、同図(a)〜(c)はドローベンチミルによる冷間抽伸法であって、(a)はプラグ引き、(b)はフローティングプラグ引き、(c)はマンドレル引きを示し、(d)はプッシュベンチミルによる冷間押抜き法、そして(e)はコールドピルガーミルによる冷間圧延法をそれぞれ示す。
同図(a)〜(c)に示すドローベンチミルによる冷間抽伸法では、素管1内に、プラグ2、浮きプラグ5または心金6を挿入し、ダイス4を通して素管1を引き抜くことにより冷間抽伸される。(d)に示すプッシュベンチミルによる冷間押抜き法は、一端が閉じた素管1内に心金6を挿入し、ダイス4を通して素管1を押抜く方法である。また、(e)に示すコールドピルガーミルによる冷間圧延法は、外径Dを有する素管内にマンドレル6を挿入し、円周方向にテーパ状の断面形状の孔型を有するロール7により圧延することにより外径dの仕上管を製造する方法である。
本発明は、熱間製造プロセスに続いて冷間製造プロセスを経て仕上げられる継目無金属管の製造方法に関する。以下の説明では、熱間製造プロセスとしてマンネスマン・マンドレルミルプロセスを例にとり説明する。
マンドレルミルでは、穿孔圧延機により穿孔されたホローピースの内側にマンドレルバーを挿入し、バーごと連続圧延する。管の内面にマンドレルバーが接触している領域を孔型ロールの溝底側とし、また、管の内面にマンドレルバーが接触していない領域を孔型ロールのフランジ側として分けて考察すると、溝底側とフランジ側とでは管材料の変形挙動が下記のとおり相違する。
すなわち、溝底側の材料は、孔型ロールから外圧を受け、マンドレルバーからは内圧を受けながら圧延され、軸方向(長手方向)に延伸されるとともに、管の円周方向に幅拡がりを生じる。これに対して、フランジ側の材料は、マンドレルバーに接触しない状態で溝底側の材料の伸びに引っ張られて延伸されるとともに、円周方向に幅狭まりを生じる。つまり、マンドレルミルにおける管の塑性変形においては、溝底側の材料は、外圧と内圧と軸方向圧縮力のもとで変形し、フランジ側の材料は、内圧がゼロであるから、外圧と軸方向引張力のもとで変形する。
さらに、マンドレルミルでは、各スタンドの孔型ロールは独立に駆動されることから、孔型ロールの回転数の設定如何により、スタンド間に張力あるいは圧縮力が生じ、これが各スタンドにおけるシェルの内部応力に重畳される。その結果、フランジ側の軸方向の引張応力が高い場合には、フランジ側で破断して金属管に穴あきを生じ、また、溝底側の軸方向の圧縮応力が高い場合には、溝底側で挫屈して管内面に波打ちを生じる。この現象は、管の肉厚が薄くなるほど顕著に現れやすく、これがマンドレルミルにおける圧延可能な最小肉厚を決定する。
次に、ストレッチレデューサにおける管の塑性変形は、マンドレルミルにおけるフランジ側の塑性変形と同様であり、外圧と軸方向引張応力の下で変形する。そして、軸方向の引張応力は、薄肉管の絞り圧延において最大となり、容易に破断する。一般に、金属材料の変形抵抗をkfとしたとき、軸方向の引張応力σlが0.5kfに達すると引き細りが始まり、1.0kfに達すると破断する。したがって、絞り圧延工程では、スタンド間張力応力σlが0.9kfを超えないように制御する必要がある。スタンド間張力応力σlは、絞り圧延機に入る管の肉厚に反比例して高くなることを考慮すれば、たとえ、マンドレルミルにおいて穴あきを生じなかったとしても、薄肉管をストレッチレデューサまたはサイザなどの連続圧延機により絞り圧延することは、危険極まりないことである。
ストレッチレデューサによりストレッチパターンを調節することにより若干の肉厚の変更は可能であるが、熱間製造工程における継目無金属管の製造可能な肉厚下限は、マンドレルミルにおける製造可能な肉厚下限に大きく支配され、さらに、これが冷間製造工程における製造可能な肉厚下限に大きく影響する。
一般に、マンドレルミルにおける製造可能最小肉厚は、4.0mm程度であり、ストレッチレデューサによる仕上げ後の肉厚の下限は、金属管の外径によって異なり、外径が30.0〜40.0mmφの範囲では3.5mm、40.0〜70.0mmφの範囲では3.7mm、70.0〜80.0mmφの範囲では4.0mm、80.0〜90.0mmφの範囲では4.2mm、90.0〜140.0mmφの範囲では4.5mm程度となる。そして、冷間製造工程においてドローベンチミル、プッシュベンチミルあるいはコールドピルガーミルなどにより外径および肉厚を減じた後の仕上がり製品の肉厚の下限は、熱間製造工程における肉厚下限のおよそ1/2程度となる。
上述のとおり、従来の製管方法では、熱間製造工程における肉厚圧下にさらに冷間製造工程での肉厚圧下を加えても、なお、仕上がり製品の薄肉化には限界があり、継目無金属管の薄肉側の製造可能範囲の抜本的拡大は困難であった。
日本鉄鋼協会編集:第3版 鉄鋼便覧 第3巻(2)条鋼・鋼管・圧延設備(昭和55年11月20日) 903〜1054頁
林 千博著:鋼管の製造方法(2000年10月10日) 17〜264頁
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、熱間製造プロセスにより製造された継目無金属管を素管として、再加熱後、延伸圧延し、さらに冷間製造プロセスを経ることにより、継目無金属管の薄肉側の製造可能範囲を抜本的に拡大する超薄肉継目無金属管の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上述の課題を解決するために、従来の問題点を踏まえて研究を重ね、下記の(a)〜(f)の知見を得て、本発明を完成させた。
(a)従来の熱間および冷間の製造プロセスを強化して、強圧下の圧延を行っても、継目無金属管の肉厚は、熱間製造工程で3.0mm、冷間製造工程で1.5mm程度が限界であり、それ以下に達する薄肉化は期待できない。もっとも、冷間製造工程においてスピニング加工を採用すれば、肉厚を1.5mm以下とすることも可能ではあるが、生産能率が著しく低下し、経済的に成立し得ない。
(b)冷間製造プロセスにおいて肉厚がおよそ1.2mm以下の超薄肉金属管を安定して製造可能とするためには、従来公知の熱間製造プロセスで製造される薄肉継目無金属管を素管として、熱間において更なる延伸圧延を行って肉厚を2.0mm以下とし、これを冷間製造工程に送る必要がある。
(c)上記(b)における更なる延伸圧延プロセスとしては、マンドレルミルのように管軸方向に圧延する連続圧延方式よりも、2ロール型傾斜圧延機または3ロール型傾斜圧延機により、管周方向にも圧延する傾斜圧延方式が望ましい。管軸方向にのみ圧延する連続圧延方式では、従来の延伸圧延工程と同様に、材料の穴あきや破断などの問題が繰り返される場合があるからである。
(d)上記(c)の傾斜圧延機による延伸圧延工程においては、マンドレルバーを管内側に挿入してマンドレルバーごと圧延する縮径減肉圧延方式よりも、プラグを挿入する拡径減肉圧延方式がはるかに有利である。マンドレルバーを挿入する縮径減肉圧延方式では、傾斜ロール相互間において管肉がはみ出してフレアリングを起こし、モータストップ、すなわち操業停止事態を惹起しやすいばかりでなく、また、2ロール型傾斜圧延機の場合には、フレアリングした管肉がソリッドガイドシューまたはディスクロールの端縁において周方向に削られるピーリングを起こしやすいからである。
(e)上記(d)の傾斜圧延機による拡管延伸圧延工程においては、素管の外径よりも大きな直径を有するプラグを使用するのが望ましい。また、圧延ロールの傾斜角(後述の図3における角度β)は、可能な限り小さく設定し、傾斜圧延工程において不可避的に発生する管内外面のスパイラルマークを極力低減することが望ましい。
(f)冷間製造プロセスには冷間抽伸方式、冷間押抜き方式または冷間圧延方式があり、前記再加熱後の延伸圧延プロセスに傾斜圧延機を使用した際に発生した管内外面のスパイラルマークを消去する。
穿孔圧延の場合も、延伸圧延の場合も、傾斜圧延機の内面規制工具としてプラグを使用すれば、管の内外面にスパイラルマークが発生することは避けられない。このスパイラルマークは、本発明における更なる延伸圧延においても現れてくる。スパイラルマークを消去するには、管軸方向に連続圧延する延伸圧延工程か、または内面規制工具としてマンドレルバーを使用する傾斜ロールによる延伸圧延工程が必要となる。マンネスマン・マンドレルミルプロセス、マンネスマン・プラグミルプロセス、マンネスマン・アッセルミルプロセス、マンネスマン・プッシュベンチミルプロセスなどでは、上記のスパイラルマークを消去する工程を備えている。スパイラルマークが残存すれば、熱間圧延製品として市場に出荷できないことはもちろんである。
本発明は、冷間圧延製品とすることを前提としており、前記(b)の更なる熱間延伸圧延工程において発生したスパイラルマークは、冷間抽伸、冷間押抜きまたは冷間圧延工程における管軸方向の減肉圧延により完全に消去されるとともに、管内外面は凹凸の極めて少ない平滑で美麗な面となる。なお、傾斜圧延を行う場合であっても、内面規制工具としてマンドレルバーを用いる場合には、スパイラルマークの発生は、極めて軽微であり、品質上問題とはならない。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記(1)〜(4)に示す超薄肉継目無金属管の製造方法にある。
(1)熱間製造プロセスにより製造された継目無金属管を素管として、再加熱後、延伸圧延を行って肉厚を減じ、酸洗後、冷間製造プロセスによりさらに肉厚を減じることを特徴とする超薄肉継目無金属管の製造方法。
(2)前記の延伸圧延を行うに際して、2個または3個の圧延ロールを備えた傾斜圧延機を用いることを特徴とする前記(1)に記載の超薄肉継目無金属管の製造方法。
(3)前記の傾斜圧延機を用いた延伸圧延において、プラグを用いて拡管圧延することを特徴とする前記(2)に記載の超薄肉継目無金属管の製造方法。
(4)前記のプラグを用いた拡管圧延において、素管の外直径よりも大きな直径を有するプラグを用いることを特徴とする前記(3)に記載の超薄肉継目無金属管の製造方法。
本発明において、「熱間製造プロセス」とは、マンネスマン・マンドレルミルプロセス、マンネスマン・プラグミルプロセス、マンネスマン・アッセルミルプロセス、マンネスマン・プッシュベンチミルプロセス、ユジーンエクストルージョンプロセスなどによる熱間製管プロセスを意味する。
また、「冷間製造プロセス」とは、ドローベンチミルによる冷間抽伸、ソリッドダイス型プッシュベンチミルによる冷間押抜き、またはコールドピルガーミルによる冷間圧延プロセスを意味する。
「超薄肉継目無金属管」とは、加熱後に延伸圧延を行った後の肉厚が2.0mm以下の継目無金属管、または冷間加工後の肉厚が1.2mm以下の継目無金属管を意味する。
本発明の方法によれば、熱間製造プロセスにより製造された継目無金属管を素管として、再加熱後、延伸圧延を行ってさらに肉厚を減じ、冷間製造プロセスを経ることにより超薄肉の継目無金属管を製造することができる。したがって、本発明の継目無金属管の製造方法を適用することにより、継目無金属管の薄肉側の製造可能範囲を抜本的に拡大することができる。
本発明は、前記のとおり、熱間製造プロセスにより製造された継目無金属管を素管として、再加熱後、延伸圧延を行って肉厚を減じ、酸洗後、冷間製造プロセスによりさらに肉厚を減じることを特徴とする超薄肉継目無金属管の製造方法である。
本発明の最良の実施形態として、当該延伸圧延工程において傾斜圧延機を用い、管内にプラグを挿入して圧延する拡管延伸圧延プロセスを採用するのが望ましいことは、前記課題を解決するための手段の項の(c)〜(e)において述べたとおりであるが、他の減肉手段を用いても本発明に準ずる効果が得られることは言うまでもない。
図3は、傾斜圧延機による拡管圧延プロセスを示す説明図であり、同図(a)は拡管圧延プロセスの側面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の正面図をそれぞれ示す。
ロールの回転中心軸がパスライン16を含む水平面(または垂直面)に対して角度β(以下、「ロール傾斜角」と記す)をなして傾斜するとともに、回転中心軸が同パスライン16を含む垂直面(または水平面)に対して角度γ(以下、「ロール交叉角」と記す)をなして交叉するように配置され、互いに同方向に回転する一対の圧延ロール(コーン型主ロール)11の間隙に、図中の矢印Xで示す方向から素管14が供給される。なお、素管14は、回転駆動するディスクロール13によりパスライン16の周りをガイドされながら圧延ロール11の間隙内に供給される。供給された素管14は、圧延ロール11により螺進運動を付与されながら管周方向および管軸方向に圧延されるとともに、プラグ12により拡管されて、延伸シェル15を形成する。
また、冷間製造プロセスには、前記(f)にて説明したとおり、冷間抽伸方式、冷間押抜き方式および冷間圧延方式があり、傾斜圧延機を用いた延伸圧延により発生した管内外面のスパイラルマークを管軸方向の減肉圧延により消去するとともに、管内外面を平滑化する。
本発明の継目無金属管の製造方法による効果を確認するため、下記の試験を行い、その結果を評価した。なお、試験においては、本発明の最良の実施形態として、延伸圧延工程に傾斜圧延機による拡管延伸プロセスを採用した。
(本発明例1)
外直径34.0mm、肉厚3.5mmの炭素鋼(C:0.15%、Si:0.35%、Mn:1.20%、P:0.010%、S:0.010%)の鋼管を供試素管として用いた。なお、供試素管は、マンネスマン・マンドレルミルプロセスにより製造したものである。前記供試素管を用い、2ロール型傾斜圧延機のパイロットミルを使用して920℃の温度にて拡管比が1.50の傾斜圧延を行って、外径50.8mm、肉厚1.4mmの延伸シェルとした。さらに、これを冷却後、実機のドローベンチミルにより冷間抽伸し、外径40.0mm、肉厚1.2mmの鋼管を製造した。
試験条件を以下に示す。
(1)熱間拡管圧延条件
ロール交叉角:γ=25°
ロール傾斜角:β=8°
プラグ径:dp=46mm
素管外径:do=34.0mm
素管肉厚:to=3.5mm
圧延後の延伸シェル外径:d=50.8mm
圧延後の延伸シェル肉厚:t=1.4mm
拡管比:d/do=1.50
延伸比:to(do−to)/{t(d−t)}=1.54
(肉厚/外径)比:t/d=2.05%
(2)冷間抽伸条件
プラグ径:dp=37.0mm
素管外径:do=50.8mm
素管肉厚:to=1.4mm
抽伸後の管外径:d=40.0mm
抽伸後の管肉厚:t=1.2mm
抽伸比:to(do−to)/{t(d−t)}=1.48
(肉厚/外径)比:t/d=3.00%
プラグを用いる傾斜圧延によって発生した延伸シェル内外面のスパイラルマークは、冷間抽伸によって完全に消失し、内外面肌の美麗な鋼管を得ることができた。
(本発明例2)
本発明例1と同様に、外直径34.0mm、肉厚3.5mmの炭素鋼の鋼管を供試素管として用い、2ロール型傾斜圧延機を使用して920℃の温度にて拡管比が1.62の傾斜圧延を行い、外径55.0mm、肉厚1.3mmの延伸シェルとし、冷却後、プッシュベンチミルのパイロットミルにより冷間押抜きし、外径40.0mm、肉厚1.0mmの鋼管を製造した。
試験条件を以下に示す。
(1)熱間拡管圧延条件
ロール交叉角:γ=25°
ロール傾斜角:β=8°
プラグ径:dp=50mm
素管外径:do=34.0mm
素管肉厚:to=3.5mm
圧延後の延伸シェル外径:d=55.0mm
圧延後の延伸シェル肉厚:t=1.3mm
拡管比:d/do=1.62
延伸比:to(do−to)/{t(d−t)}=1.53
(肉厚/外径)比:t/d=2.36%
(2)冷間押抜き条件
マンドレル外径:dm=37.0mm
素管外径:do=55.0mm
素管肉厚:to=1.3mm
押抜き後の管外径:d=40.0mm
押抜き後の管肉厚:t=1.0mm
押抜き比:to(do−to)/{t(d−t)}=1.79
(肉厚/外径)比:t/d=2.50%
プラグを用いる傾斜圧延によって発生した延伸シェル内外面のスパイラルマークは、タンデム押抜き加工によって完全に消失し、内外面肌の美麗な鋼管が得られた。
(本発明例3)
本発明例1と同様に、外直径34.0mm、肉厚3.5mmの炭素鋼の鋼管を供試素管として用い、2ロール型傾斜圧延機を使用して920℃の温度にて拡管比が1.78の傾斜圧延を行い、外径60.5mm、肉厚1.2mmの延伸シェルとした。さらに、これを冷却後、実機のコールドピルガーミル(75VMR)により冷間圧延して、外径40.0mm、肉厚0.8mmの鋼管を製造した。
試験条件を以下に示す。
(1)熱間拡管圧延条件
ロール交叉角:γ=25°
ロール傾斜角:β=8°
プラグ径:dp=56mm
素管外径:do=34.0mm
素管肉厚:to=3.5mm
圧延後の延伸シェル外径:d=60.5mm
圧延後の延伸シェル肉厚:t=1.2mm
拡管比:d/do=1.78
延伸比:to(do−to)/{t(d−t)}=1.50
(肉厚/外径)比:t/d=1.98%
(2)冷間圧延条件
マンドレル外径:dp=37.0mm
素管外径:do=60.5mm
素管肉厚:to=1.2mm
圧延後の管外径:d=40.0mm
圧延後の管肉厚:t=0.8mm
フィード量:f=8mm
ターン角度:θ=60°
圧延比:to(do−to)/{t(d−t)}=2.27
(肉厚/外径)比:t/d=2.00%
傾斜圧延によって発生した延伸シェル内外面のスパイラルマークは、冷間圧延によって完全に消失し、冷間圧延後の管の内外面肌は美麗であった
本発明の超薄肉継目無金属管の製造方法によれば、熱間製造プロセスにより製造された継目無金属管を素管として、再加熱後延伸圧延し、さらに冷間製造プロセスを経ることにより、継目無金属管の薄肉側の製造可能範囲を抜本的に拡大できる。したがって、本発明の方法を適用することにより、TIG溶接管、レーザ溶接管などの超薄肉溶接管分野への広範な進出が期待できる。
マンネスマン−マンドレルミルプロセスを示す説明図であり、同図(a)は回転炉床式加熱炉、(b)はロータリピアサ(穿孔圧延機)、(c)はマンドレルミル(延伸圧延機)、(d)は再加熱炉、そして(e)はストレッチレデューサ(絞り圧延機)を示す。 代表的な冷間製造プロセスを示す説明図であり、同図(a)〜(c)はドローベンチミルによる冷間抽伸法であって、(a)はプラグ引き、(b)はフローティングプラグ引き、(c)はマンドレル引きを示し、(d)はソリッドダイス型プッシュベンチミルによる冷間押抜き法、そして(e)はコールドピルガーミルによる冷間圧延法を示す。 傾斜圧延機による 拡管圧延プロセスを示す説明図であり、同図(a)は拡管圧延プロセスの側面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の正面図を示す。
符号の説明
1:素管、 2:プラグ、 3:プラグ支持棒、 4:ダイス、 5:浮きプラグ、
6:心金(マンドレル)、 7:ロール、 11:圧延ロール(コーン型主ロール)、 12:プラグ、 13:ディスクロール、 14:素管、 15:延伸シェル、
16:圧延機のパスライン、
β:ロール傾斜角、 γ:ロール交叉角

Claims (4)

  1. 熱間製造プロセスにより製造された継目無金属管を素管として、再加熱後、延伸圧延を行って肉厚を減じ、酸洗後、冷間製造プロセスによりさらに肉厚を減じることを特徴とする超薄肉継目無金属管の製造方法。
  2. 前記の延伸圧延を行うに際して、2個または3個の圧延ロールを備えた傾斜圧延機を用いることを特徴とする請求項1に記載の超薄肉継目無金属管の製造方法。
  3. 前記の傾斜圧延機を用いた延伸圧延において、プラグを用いて拡管圧延することを特徴とする請求項2に記載の超薄肉継目無金属管の製造方法。
  4. 前記のプラグを用いた拡管圧延において、素管の外直径よりも大きな直径を有するプラグを用いることを特徴とする請求項3に記載の超薄肉継目無金属管の製造方法。
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