JP4568186B2 - デント剛性予測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば乗用車等の車両の外板や家電製品の外板、金属製のドアの外板やパネル等の金属製の板部材において、板部材の測定点に負荷を掛けた際に、測定点の負荷方向での板部材の変位を算定する方法に関する。
例えば乗用車等の車両では、ドアやエンジンフード等の金属製の外板(板部材)において、外板(板部材)の測定点に負荷を掛けた際の測定点の負荷方向での外板(板部材)の変位を、デント剛性として求めることがある。
これまでは車両の開発の後半において、例えば試作車両が完成した段階で、試作車両の外板(板部材)の測定点に負荷を実際に掛けて、測定点の負荷方向での外板(板部材)の変位を実際に測定することにより、デント剛性を求めていた。
前述のように車両の開発の後半(例えば試作車両が完成した段階)において、デント剛性を求めていたのでは、不都合なことが多いので(試作車両が完成した段階でデント剛性が充分でない部分が発見されると、この後の設計変更等に時間を要する為)、近年では車両の開発の前半(例えば設計図面が完成した段階)において、デント剛性を求めることができるようにしたいと言う要望がある。
これにより、車両の開発の前半(例えば設計図面が完成した段階)において、デント剛性を予測する方法として、設計図面の情報からデント剛性を予測する方法が考えられており、板部材の測定点の曲率、板部材の測定点の板厚及び板部材の材質により、所定の関係式を求めて、測定点の負荷方向での変位を算定する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2000−249636号公報
ここで本発明の出願人は前述の[背景技術]に記載のように、板部材の測定点の曲率、板部材の測定点の板厚及び板部材の材質を、板部材の剛性を表す因子として、重回帰分析等により所定の関係式を求めることを試みたが、板部材の測定点に負荷を実際に掛けて求めたデント剛性と、求めた所定の関係式とが異なる傾向になる結果が得られた。
これにより、設計図面の情報からデント剛性を予測する方法において、板部材の測定点の曲率、板部材の測定点の板厚及び板部材の材質だけでは、板部材の剛性を表す因子が不足していることが考えられる。
本発明はデント剛性予想方法として、設計図面の情報からデント剛性を予測する場合、デント剛性が適切に求められるようにすることを目的としている。
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、デント剛性予測方法において次のように構成することにある。
測定点に負荷を掛けた際に測定点の周囲に定義される応力影響領域の面積を、タワミ面積として算定する。板部材の測定点の曲率と、板部材の測定点の板厚と、板部材の材質とタワミ面積とにより、所定の関係式に基づいて測定点の負荷方向での変位を算定する。
(作用)
例えば乗用車等の車両のドアやエンジンフード等の金属製の外板(板部材)では、板部材の測定点に負荷を実際に掛けた場合、測定点の負荷方向での変位は小さいが、測定点の周囲の比較的広い領域が負荷方向に変位するような部分があったり、測定点の負荷方向での変位は大きいが、測定点の周囲の比較的狭い領域が負荷方向に変位するような部分があったりと言うように、板部材の部分によって測定点の周囲の板部材の変形状態に差があることを、本発明の出願人は発見した。このような変形状態に差があることについて、本発明の出願人はCAE解析によっても確認した。
これにより、本発明の出願人は測定点の周囲の板部材の変形状態が、板部材の剛性を表す因子として有効なものになることを予想した。
前述のように板部材の測定点に負荷を実際に掛けた場合、測定点の負荷方向での変位は小さいが、測定点の周囲の比較的広い領域が負荷方向に変位するような部分があったり、測定点の負荷方向での変位は大きいが、測定点の周囲の比較的狭い領域が負荷方向に変位するような部分があったりすることによって、本発明の出願人は測定点の周囲の板部材の変形状態が、測定点に負荷を掛けた際に測定点の周囲で変位する領域に対応するものであり、測定点に負荷を掛けた際に測定点の周囲に定義される応力影響領域の面積であることを発見した。
従って、本発明の出願人は、本発明の第1特徴のように、測定点に負荷を掛けた際に測定点の周囲に定義される応力影響領域の面積を、タワミ面積として算定しており、板部材の測定点の曲率、板部材の測定点の板厚、板部材の材質、タワミ面積を、板部材の剛性を表す因子として、重回帰分析等により所定の関係式を求めた(デント剛性予想方法)。そして、板部材の測定点に負荷を実際に掛けて求めたデント剛性と、求めた所定の関係式とを比較すると、両者が充分に合致する結果が得られた。
これにより、本発明の第1特徴によると、設計図面から板部材の測定点の曲率、板部材の測定点の板厚、板部材の材質、タワミ面積を取り出すことにより、所定の関係式に基づいて測定点の負荷方向での変位(デント剛性)を、設計図面の段階で適切に算定することができる。
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、板部材の測定点の曲率、板部材の測定点の板厚及び板部材の材質に加えて、測定点に負荷を掛けた際に測定点の周囲に定義される応力影響領域の面積をタワミ面積として加味することにより、設計図面の情報からデント剛性を適切に求めることができるデント剛性予想方法が得られた。
これにより、開発の前半においてデント剛性を適切に求めることができ、デント剛性を適切に評価することができるようになって、デント剛性の評価が遅れることによる開発の遅れを未然に防止することができるようになる。
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴のデント剛性予測方法において次のように構成することにある。
応力影響領域を応力の変化度合いの特異点に基づいて定義する。
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、応力の変化度合いの特異点(例えば応力の変化度合いが急変するような点)により、タワミ面積を定義している。
これにより、本発明の第2特徴によると、測定点に負荷を掛けた際に、測定点から周囲に応力影響領域が広がっていく場合、応力の変化度合いの特異点(測定点の周囲に存在する)において、応力の伝播が遮断され、応力影響領域が終わると考えられるので、応力の変化度合いの特異点に基づいてタワミ面積(応力影響領域)を明確に定義することができる。
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、応力の変化度合いの特異点に基づいてタワミ面積(応力影響領域)を明確に定義することができるようになり、設計図面の情報からデント剛性を適切に求めることができるようになって、デント剛性予想方法の算定精度を高めることができた。
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴のデント剛性予測方法において次のように構成することにある。
測定点の周囲の板部材の部分において板部材の測定点の曲率とは異なる曲率の部分、及び板部材の裏面側に備えられた支持部材と板部材の裏面との接合点のうちの一方又は両方を、応力の変化度合いの特異点として含んでいる。
(作用)
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第3特徴によると、測定点の周囲の板部材の部分において板部材の測定点の曲率とは異なる曲率の部分や、板部材の裏面側に備えられた支持部材と板部材の裏面との接合点は、応力の変化度合いの特異点となるのであり、これらは設計図面に明確な情報として記載されており、設計図面から明確に把握し易いので、これらによってタワミ面積を的確に算定することができる。
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、測定点の周囲の板部材の部分において板部材の測定点の曲率とは異なる曲率の部分や、板部材の裏面側に備えられた支持部材と板部材の裏面との接合点により、タワミ面積を的確に算定することができるようになり、設計図面の情報からデント剛性を適切に求めることができるようになって、デント剛性予想方法の算定精度を高めることができた。
[IV]
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第2又は第3特徴のデント剛性予測方法において次のように構成することにある。
測定点から板部材に沿って外方に所定距離を設定して、応力の変化度合いの特異点が測定点から所定距離を越えて離れていると、所定距離の位置を応力の変化度合いの特異点とする。
(作用)
本発明の第4特徴によると、本発明の第2又は第3特徴と同様に前項[I][II][III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
例えば前項[II][III]に記載のような応力の変化度合いの特異点が測定点から大きく離れていると、タワミ面積が非常に大きな値として算定される可能性があり、非常に大きな値のタワミ面積により、デント剛性を適切に算定できないような状態になることが考えられる。
本発明の第4特徴によると、応力の変化度合いの特異点が測定点から所定距離を越えて離れていると、所定距離の位置を応力の変化度合いの特異点とするので、タワミ面積が必要以上に大きな値として算定されるようなことがない。
(発明の効果)
本発明の第4特徴によると、本発明の第2又は第3特徴と同様に前項[I][II][III]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第4特徴によると、タワミ面積が必要以上に大きな値として算定されるようなことがなく、デント剛性を適切に算定できないような状態になることを避けることができて、デント剛性予想方法の算定精度を高めることができた。
[V]
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第2〜第4特徴のデント剛性予測方法のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することにある。
応力の変化度合いの特異点を3個以上設定して、応力の変化度合いの特異点を頂点とする多角形の板部材の領域を、タワミ面積として算定する。
(作用)
本発明の第5特徴によると、本発明の第2〜第4特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[IV]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[II]に記載のように応力の変化度合いの特異点によりタワミ面積を定義して、タワミ面積を算定する場合、例えばタワミ面積の形状が複数の曲線の組み合わせで形成されるものであると、タワミ面積の算定が難しいものになることがある。
本発明の第5特徴によると、応力の変化度合いの特異点を頂点とする多角形の板部材の領域をタワミ面積として算定するので、タワミ面積の形状が複数の直線の組み合わせで形成されていても、タワミ面積を容易に算定することができる(例えば、タワミ面積を複数の三角形や四角形に分割し、分割した三角形や四角形の面積を算定して合計することにより、タワミ面積を容易に算定することができる)。
(発明の効果)
本発明の第5特徴によると、本発明の第2〜第4特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[IV]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第5特徴によると、タワミ面積を容易に算定することができるようになり、設計図面の情報からデント剛性を適切に求めることができるようになって、デント剛性予想方法の算定精度を高めることができた。
[VI]
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第1特徴のデント剛性予測方法において次のように構成することにある。
板部材の裏面側に備えられた支持部材と板部材の裏面とが、測定点を囲むように接合されていると、測定点を囲むように接合された板部材の領域の面積をタワミ面積とする。
(作用)
本発明の第6特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
板部材の裏面側に支持部材が備えられて、支持部材と板部材の裏面とが接合されている場合、測定点を囲むように接合されていることがある。このような状態において、測定点に負荷を掛けた際に、測定点から周囲に応力影響領域が広がっていく場合、接合された部分と外側の接合されていない部分との境界で応力の伝播が遮断され、応力影響領域が終わると考えられるので、測定点を囲むように接合された板部材の領域の面積を、タワミ面積(応力影響領域)として明確に定義することができる。
(発明の効果)
本発明の第6特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第6特徴によると、測定点を囲むように接合された板部材の領域の面積によりタワミ面積(応力影響領域)を明確に定義することができるようになり、設計図面の情報からデント剛性を適切に求めることができるようになって、デント剛性予想方法の算定精度を高めることができた。
図1及び図2に示すように、車両の一例である乗用車のドア1において、ドア1の開き操作を行う場合、人指し指から小指までをドアグリップ2の下側に入れ、ドア1の外板3におけるドアグリップ2の少し上側の部分を親指で押しながら、ドアグリップ2を引き操作してドアロック機構(図示せず)を解除操作し、続いてドア1の開き操作を行うことがある。
前述のように、ドア1の開き操作を行う際にドア1の外板3(金属製の板部材に相当)におけるドアグリップ2の少し上側の部分を親指で押す状態において、ドア1の外板3におけるドアグリップ2の少し上側の部分のデント剛性を、設計図面(図示せず)の情報から求める方法(デント剛性予測方法)(縦曲率RT1及び横曲率RY1、板厚T1、到達YP値Y1、タワミ面積B1、及び測定点P1の負荷方向でのドア1の外板3の変位H1に関する関係式D1)について、以下のように説明する。
[1]縦曲率RT1及び横曲率RY1
図1及び図2に示すように、ドア1の外板3におけるドアグリップ2の少し上側の部分に測定点P1を設定し、ドア1の外板3の測定点P1での縦曲率RT1(図1の紙面上下方向での曲率)及び横曲率RY1(図1の紙面左右方向での曲率)を、設計図面の情報から求める。この場合、図4に示すように、所定の板部材(所定の材質及び板厚)の測定点に負荷(荷重)を掛けた際、測定点での曲率が大きくなるほど(曲率半径が大きくなるほど)、デント剛性が高くなる(測定点の負荷方向での板部材の変位が小さくなる)と言う相関関係が事前に求められている。
[2]板厚T1
図1及び図2に示すように、ドア1の外板3の測定点P1での板厚T1を、設計図面の情報から求める。この場合、図5に示すように、所定の板部材(所定の材質及び曲率)の測定点に負荷(荷重)を掛けた際、測定点での板厚が大きくなるほど、デント剛性が高くなる(測定点の負荷方向での板部材の変位が小さくなる)と言う相関関係が事前に求められている。
[3]到達YP値Y1(ドア1の外板3の材質に相当)
図1及び図2に示すように、ドア1の外板3に使用される材料を、設計図面の情報から求める。ドア1の外板3に使用される材料において、図6に示すように、応力・歪みグラフ(荷重・応力グラフ)が求められており、ドア1の外板3に使用される材料の上降伏点が、ドア1の外板3の測定点P1での到達YP値Y1として求められるのであり、ドア1の外板3に使用される材料に施す熱処理等の各種の処理により、上降伏点(到達YP値Y1)が高低に変化する。この場合、図7に示すように、所定の板部材(所定の曲率及び板厚)の測定点に負荷(荷重)を掛けた際、測定点の負荷方向での変位が事前に求められており、到達YP値T11,Y12,Y13が大きいほど、デント剛性が高くなる(測定点の負荷方向での板部材の変位が小さくなる)と言う相関関係が事前に求められている。
[4]タワミ面積B1
図1及び図3に示すように、ドア1の外板3におけるドアグリップ2の少し上側の部分に測定点P1を設定した場合、ドア1の外板3の測定点P1の下方に、ドアグリップ2を備えたドアグリップユニット4(ドア1の外板3とは別部材)が存在し、ドア1の外板3の測定点P1の上方に、ドア1の外板3のプレスライン5が存在している。ドア1の外板3の裏面側において、ドア1の外板3の測定点P1の後方(図1の紙面左方)及び前方(図1の紙面右方)に、ドア1の補強としての支持部材7,8が備えられており、支持部材7,8とドア1の外板3の裏面とがマスチック剤9,10によって接合されている。
この場合、図1及び図3に示すように、ドアグリップユニット4とドア1の外板3との境界部分6の縦曲率、及びプレスライン5の縦曲率は、ドア1の外板3の測定点P1での縦曲率RT1とは異なるので、ドアグリップユニット4とドア1の外板3との境界部分6及びプレスライン5を、応力の変化度合いの特異点として設定する(ドア1の外板3の測定点P1での縦曲率RT1(曲率半径)(又は横曲率RY1(曲率半径))の1/2以下になると、応力の変化度合いの特異点として設定する)。これにより、ドアグリップユニット4とドア1の外板3との境界部分6において、ドア1の外板3の測定点P1の下方に位置する部分を特異点A1として設定し、プレスライン5において、ドア1の外板3の測定点P1の上方に位置する部分を特異点A2として設定する。
図1及び図3に示すように、支持部材7とドア1の外板3の裏面との接合点(マスチック剤9)を、応力の変化度合いの特異点として設定するのであり、支持部材7とドア1の外板3の裏面との接合点(マスチック剤9)において、ドア1の外板3の測定点P1に最も近い部分を特異点A3として設定する。支持部材8とドア1の外板3の裏面との接合点(マスチック剤10)を、応力の変化度合いの特異点として設定するのであり、支持部材8とドア1の外板3の裏面との接合点(マスチック剤10)において、ドア1の外板3の測定点P1に最も近い部分を特異点A4として設定する。
この場合、支持部材7,8とドア1の外板3の裏面との接合点(マスチック剤9,10)において、接合点の中央(マスチック剤9,10の塗布範囲の中央)を特異点A3,A4として設定したり、ドア1の外板3の測定点P1に最も遠い部分を特異点A3,A4として設定することもできる。
図3に示すように、4個の特異点A1〜A4を設定した場合に、ドア1の外板3の測定点P1と特異点A1との距離が所定距離(例えば50mm)を越えていると、ドア1の外板3の測定点P1から特異点A1に向かって所定距離の位置を、特異点A1として設定する。同様にドア1の外板3の測定点P1と特異点A2,A3,A4との距離が所定距離(例えば50mm)を越えていると、ドア1の外板3の測定点P1から特異点A2,A3,A4に向かって所定距離の位置を、特異点A2,A3,A4として設定する。
図3に示すように、特異点A2,A3、特異点A2,A4、特異点A1,A3及び特異点A1,A4を直線で結び、4個の特異点A1〜A4を頂点とする四角形のドア1の外板3の領域を設定する。ドア1の外板3の測定点P1及び特異点A2,A3で形成される三角形の面積BB1、ドア1の外板3の測定点P1及び特異点A1,A4で形成される三角形の面積BB2、ドア1の外板3の測定点P1及び特異点A1,A3で形成される三角形の面積BB3、ドア1の外板3の測定点P1及び特異点A2,A4で形成される三角形の面積BB4を算定し、4個の三角形の面積BB1〜BB4の合計を算定する。これによって、4個の三角形の面積BB1〜BB4の合計を、測定点P1に負荷を掛けた際に測定点P1の周囲に定義される応力影響領域の面積として設定し、タワミ面積B1として算定する。
[5]関係式D1
前項[1]〜[4]に記載のようにして求めたドア1の外板3の測定点P1での縦曲率RT1及び横曲率RY1、ドア1の外板3の測定点P1での板厚T1、ドア1の外板3の測定点P1での到達YP値Y1、及びタワミ面積B1を説明変数(ドア1の外板3の剛性を表す因子)とし、測定点P1の負荷方向での変位H1を目的変数として、重回帰分析を行って、以下に示す関係式D1を得ることができた。
(関係式D1)Log(H1)=Log(RT1^(C1)×RY1^(C2)×B1^(C3)×(T1×Y1)^(C4))+C5
H1:測定点P1の負荷方向でのドア1の外板3の変位
RT1:ドア1の外板3の測定点P1での縦曲率
RY1:ドア1の外板3の測定点P1での横曲率
T1:ドア1の外板3の測定点P1での板厚
Y1:ドア1の外板3の測定点P1での到達YP値
C1,C2,C3,C4,C5:定数
「^」は階乗を意味する。
Logの底は「e」である。
以上のようにして、ドア1の開き操作を行う際にドア1の外板3におけるドアグリップ2の少し上側の部分を親指で押す状態において、ドア1の外板3におけるドアグリップ2の少し上側の部分のデント剛性(測定点P1の負荷方向でのドア1の外板3の変位H1)を、設計図面(図示せず)の情報から関係式D1により求めることができる。
この場合、ドア1の外板3の測定点P1に負荷を実際に掛けて求めたデント剛性(測定点P1の負荷方向でのドア1の外板3の変位H1)と、関係式D1とを比較すると、両者が充分に合致する結果が得られた(多重共線性(VIF)がなく、例えば重相関係数が0.92で自由度調整済み寄与率が0.82である)。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、前項[4]及び図3に示すタワミ面積B1に代えて、図8に示すようにタワミ面積B1を算定するようにしてもよい。
図8に示すように、ドア1の補強として比較的幅広の支持部材(図示せず)がドア1の外板3の裏面側に備えられ、マスチック剤11が比較的広い範囲に亘って塗布されて、ドア1の外板3の測定点P1を囲むように、支持部材とドア1の外板3の裏面とがマスチック剤11により比較的広い範囲に亘って接合されている。この場合、マスチック剤11の塗布面積を、タワミ面積B1として算定する。
図8に示す状態において、マスチック剤11が比較的広い範囲に亘って塗布されるのではなく、ドア1の外板3の測定点P1を囲むように、マスチック剤11が線状(マスチック剤11が閉ループの線状に塗布されて、内側にはマスチック剤11が塗布されていない状態)に塗布されていると、マスチック剤11によって囲まれた部分の面積を、タワミ面積B1として算定する。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]では、ドア1の外板3におけるドアグリップ2の少し上側の部分のデント剛性を、設計図面(図示せず)の情報から求める方法(デント剛性予測方法)(関係式D1)が示されているが、乗用車のエンジンフード(図示せず)やハッチバック型式の乗用車のバックドアにおいても、前項[5]に記載の関係式D1と同じ関係式が得られる(但し定数C1,C2,C3,C4,C5の値は異なる)。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]に記載のように、ドア1の開き操作を行う際にドア1の外板3におけるドアグリップ2の少し上側の部分を親指で押す状態において、測定点P1の負荷方向でのドア1の外板3の変位H1を求めると、これに基づいて以下の関係式D2により、ドア1の外板3におけるドアグリップ2の少し上側の部分を手のひらで押す状態でのデント剛性を求めることができる。
(関係式D2)Z1=C11×H1+C12×T1×Y1+C13×RT1+C14×RY1+C15
Z1:判別値
H1:測定点P1の負荷方向でのドア1の外板3の変位
RT1:ドア1の外板3の測定点P1での縦曲率
RY1:ドア1の外板3の測定点P1での横曲率
T1:ドア1の外板3の測定点P1での板厚
Y1:ドア1の外板3の測定点P1での到達YP値
C11,C12,C13,C14,C15:定数
以上のように、関係式D2により判別値Z1を求めて、判別値Z1と設定値Z2とを比較することにより、ドア1の外板3におけるドアグリップ2の少し上側の部分を手のひらで押す状態でのデント剛性を、評価することができる(負荷方向への変位が発生するか否かを予想することができる)。
[発明の実施の第4別形態]
前述の[発明の実施の第3別形態]では、ドア1の外板3におけるドアグリップ2の少し上側の部分を手のひらで押す状態でのデント剛性を、設計図面(図示せず)の情報から求める方法(デント剛性予測方法)(関係式D2)が示されているが、乗用車のエンジンフード(図示せず)やハッチバック型式の乗用車のバックドアにおいても、関係式D2と同じ関係式が得られる(但し定数C11,C12,C13,C14,C15の値は異なる)。
[発明の実施の第5別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第4別形態]において、以下のように構成してもよい。
関係式D1,D2を得る場合に重回帰分析ばかりではなく、ニュウラルネットワークや各種の統計的手法を用いて、関係式D1,D2を得るようにしてもよい。
4個の特異点A1〜A4ではなく、3個の特異点を設定したり、5個以上の特異点を設定したりしてもよい。測定点の周囲の板部材の部分において板部材の測定点の曲率とは異なる曲率の部分のみを、応力の変化度合いの特異点として設定したり、板部材の裏面側に備えられた支持部材と板部材の裏面との接合点のみを、応力の変化度合いの特異点として設定したりしてもよい。
応力の変化度合いの特異点として、板部材の測定点の曲率とは異なる曲率の部分や、板部材の裏面側に備えられた支持部材と板部材の裏面との接合点以外に、板部材の板厚が変化する部分や開口部が存在する部分、スポット溶接が施された部分等を設定してもよい。板部材の材質として上降伏点(到達YP値Y1)を採用するのではなく、加工硬化:ワークハード(WH)(0.2%耐力)や、焼付け硬化:ベークハード(BH)を考慮した降伏点を採用してもよい。
所定距離(前項[4]参照)を一定値に固定するのではなく、測定点を設定する板部材の部分によって所定距離を変更するように構成してもよく、測定点からの方向によって所定距離を変更するように構成してもよい(例えば図3において、ドア1の外板3の測定点P1から特異点A1,A2への方向では、所定距離を例えば50mmに設定し、ドア1の外板3の測定点P1から特異点A3,A4への方向では、所定距離を例えば80mmに設定したりする)。
本発明は乗用車等の車両の外板ばかりではなく、家電製品の外板、金属製のドアの外板やパネル等の金属製の板部材等にも適用できる。
ドアの外板におけるドアグリップの少し上側の斜視図 ドアの外板におけるドアグリップの少し上側の背面図 ドアの外板におけるドアグリップの少し上側においてタワミ面積を示す側面図 所定の板部材(所定の材質及び板厚)の測定点でのデント剛性と、測定点での曲率との関係を示す図 所定の板部材(所定の材質及び曲率)の測定点でのデント剛性と、測定点での板厚との関係を示す図 ドアの外板に使用される材料における応力・歪みグラフ(荷重・応力グラフ)を示す図 所定の板部材(所定の曲率及び板厚)の測定点に掛ける負荷(荷重)と、測定点の負荷方向での変位と、上降伏点(到達YP値)との関係を示す図、 発明の実施の第1別形態に関し、ドアの外板におけるドアグリップの少し上側においてタワミ面積を示す側面図
符号の説明
3 板部材
A1,A2,A3,A4 応力の変化度合いの特異点
B1 タワミ面積
D1 所定の関係式
H1 測定点の負荷方向での板部材の変位
P1 測定点
RT1,RY1 板部材の測定点の曲率
T1 板部材の測定点の板厚
Y1 板部材の材質

Claims (6)

  1. 金属製の板部材の測定点に負荷を掛けた際に、測定点の負荷方向での板部材の変位を算定するデント剛性予測方法において、
    測定点に負荷を掛けた際に測定点の周囲に定義される応力影響領域の面積を、タワミ面積として算定し、
    板部材の測定点の曲率と、板部材の測定点の板厚と、板部材の材質と、前記タワミ面積とにより、所定の関係式に基づいて、測定点の負荷方向での変位を算定するデント剛性予測方法。
  2. 前記応力影響領域が、応力の変化度合いの特異点に基づいて定義される請求項1に記載のデント剛性予測方法。
  3. 測定点の周囲の板部材の部分において板部材の測定点の曲率とは異なる曲率の部分、及び板部材の裏面側に備えられた支持部材と板部材の裏面との接合点のうちの一方又は両方を、前記応力の変化度合いの特異点として含んでいる請求項2に記載のデント剛性予測方法。
  4. 測定点から板部材に沿って外方に所定距離を設定して、前記応力の変化度合いの特異点が測定点から前記所定距離を越えて離れていると、前記所定距離の位置を応力の変化度合いの特異点とする請求項2又は3に記載のデント剛性予測方法。
  5. 前記応力の変化度合いの特異点を3個以上設定して、前記応力の変化度合いの特異点を頂点とする多角形の板部材の領域を、前記タワミ面積として算定する請求項2〜4のうちのいずれか一つに記載のデント剛性予測方法。
  6. 板部材の裏面側に備えられた支持部材と板部材の裏面とが、測定点を囲むように接合されていると、測定点を囲むように接合された板部材の領域の面積を、前記タワミ面積とする請求項1に記載のデント剛性予測方法。
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