JP6916092B2 - パネル部品の耐デント性予測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用外板部品などの製品の表面を構成するパネル部品に対する耐デント性を、部品を試作することなく予測する技術に関する。パネル部品は、主としてスチール製やアルミ製などの金属製の化粧パネルが対象となるが、硬質の樹脂製などからなるパネル部品であっても良い。
近年、特に自動車など車両の軽量化を実現するため、ドアやフードなど自動車用外板部品(パネル部品)においても薄肉軽量化のニーズが高まっている。しかしながら、パネル部品の薄肉化は、耐デント性や張り剛性の低下を招き、人が触れたときの剛性感や物が当たったときのくぼみ難さに不利である。そのため、自動車メーカーにとって張り剛性や耐デント性の確保と部品軽量化との両立が大きな課題となっている。
張り剛性は、弾性変形挙動に影響されるため、外板(製品の外観を構成するパネル部品)のハイテン化(材料強度上昇)では解決しない。そのため近年は、外板の裏面側に配置する補強部品の変更など、パネル部品を含む製品全体での対策が主となりつつある。
一方、耐デント性は、塑性変形のしにくさに影響されるため、基本的には鋼板のハイテン化(降伏強度の上昇)により解決されてきた。例えば、従来軟鋼板が使用されていた部位に、TS340MPa級のハイテンを適用し、焼付け硬化性を持つBH鋼板等を使用するなどによって対応していた。
耐デント性には、ドアなどの製品になった状態での外板パネルの降伏強度が寄与するため、プレス成形で入る塑性ひずみによる加工硬化も耐デント性に寄与する。そして、塑性ひずみ量の大きい方が、流動応力が上昇するため、耐デント性には有利になる。しかし、板厚減少による耐デント性低減の影響も加わるため、耐デント性は、それらの影響代の兼ね合いになる。
耐デント性が重要視される部位として、例えばドアパネルの取っ手周り、車両のフードにおける押して閉めるフロント側のストライカーのオモテ部周りが挙げられる。しかし近年は、国内よりも世界各地での販売が進み、様々な使用環境が想定されるようになった。このため、パネル部品に力が加わりデントが発生するケースとして、指以外にも手のひらやもたれかかり、飛び石、降雹、ショッピングカートの衝突など多様化している。これらの耐デント性を定量的に予測して、部品の材料、板厚、形状などを決定するには、多様なデント発生ケースに合わせた実験が必要であるが、手間が掛かりすぎて現実では難しい。
そのため、FEM解析によるデント発生の予測が必要となる。FEM解析においては、対象となる外板部品においてプレス成形によるひずみ量およびパネル形状、補強部品、マスチックシーラーや周辺部などの拘束点も実車部品と整合のとれたものを考慮する必要がある。
耐デント性予測およびそれを考慮した部品設計方法の例としては、以下に挙げるものがある。
特許文献1には、プレス成形による板厚減少、加工硬化等材料因子の影響を考慮した耐デント性予測方法について記載されている。しかし、特許文献1の方法では、実際の部品への適用で課題となるパネル形状および補強部品やマスチックシーラーなどのパネル拘束点の影響は考慮できないため、部品の設計に反映することは難しい。
特許文献2に記載の方法は、フードの張り剛性およびデント性をCAEで定量的に予測する方法に関するものである。しかし、デント性についてはデント荷重負荷時の最大主ひずみ量で合否判断をしている。そのため、特許文献2に記載の方法では、材料の降伏強度やプレス成形で導入される塑性ひずみ量は考慮されておらず、デントの凹み量を導き出すことは困難である。
特許文献3に記載の方法は、部品のパネルの一部を模擬したモデルでのパネル面形状決定方法に関するものである。しかし、プレス成形による塑性ひずみや板厚変化は考慮されておらず、あくまで定性的な指標としての使用に限定されてしまう。
特許文献4に記載の方法は、パネル面と補強部品を考慮し、荷重負荷によるパネルの弾性たわみ面積とパネル曲率、材料降伏強度、板厚からデント性を求めるものである。ただしこの方法では、プレス成形により導入される塑性ひずみによる流動応力上昇は考慮されていないため、定量的なデント量の予測は難しい。
特開2000−249636号公報 特開2008−185347号公報 特許第5505295号公報 特開2007−33067号公報
部品の耐デント性(デント凹み量、デント発生荷重)を正確に予測するためには、耐デント性に影響を及ぼす全ての因子、すなわちパネル材質、板厚、パネル形状、拘束点距離を考慮した、FEM解析による耐デント性予測手法が必要である。
このとき、パネル材質については、プレス成形後の塑性ひずみ量から、パネル部品の降伏強度YP’を予測し、その降伏強度YP’を部品のFEMモデルに反映することが必要である。
本発明は、上記のような点に鑑み、簡易且つ精度良く耐デント性評価のためのパネル部品の降伏強度YP’を試作することなく求めて(見積もって)、耐デント性を設計段階で精度良く予測することを目的とする。
課題を解決するために、本発明の一態様では、プレス成形で成形されるパネル部品の耐デント性予測方法であって、降伏強度YP’とひずみ量eとの関係を(1)式で近似し、上記パネル部品の成形時の最大主ひずみが予め設定した設定閾値未満の評価位置に対し、(1)式のひずみ量eとしてその評価位置での最小主ひずみを採用して、(1)式に基づき、上記評価位置での降伏強度YP’を求め、その求めた降伏強度YP’によって耐デント性を予測する。
YP’=A・e+B・e+C ・・・(1)
但し、A、B、Cは、予め設定した定数からなる係数である。
本発明の一態様によれば、試作することなくても精度良く、プレス成形における塑性ひずみ量を考慮したパネル部品の耐デント性の予測が可能になる。
この結果、自動車その他の製品の部品設計段階で、パネル部品の最適な材料や板厚選定や、補強部品やマスチックシーラーの最適配置検討あるいは耐デント性を高めるためのプレス成形方法までを、製品を試作することなく、FEM解析で検討することが可能となる。
このことはまた、製品を試作してから耐デント性能不足が判明し、材料や板厚変更が必要となったり、部品を追加したりするなどの試行錯誤を行うことなく、車両その他の製品開発をスムーズに進めることに繋がる。
本発明に基づく実施形態に係るパネル部品の設計例を説明する図である。 (1)式を求めるための成形ひずみと降伏強度との関係を示す図である。 パネル部品の例を示す模式図である。 ひずみとデント発生荷重の関係例を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。また、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
以下の説明では、自動車用外板部品(アウターパネル)、特にドアパネルやフードパネルなど耐デント性が重要視される金属製のパネル部品を想定して説明する。なお、一般に、このような車両用のアウターパネルは、表面に沿った少なくとも一方向に向けて、外側に凸のなだらかな湾曲を有している場合が多い。
パネル部品の耐デント性評価において、パネル部品の材質については、材料の種類、プレス成形で導入される塑性ひずみによる加工硬化(WH)および塗装焼付を想定した焼付硬化(BH)の考慮が必要である。塑性ひずみ量はプレス成形のFEM解析で算出されるが、パネル部品の降伏強度YP’(一般に素材の降伏強度YP、加工硬化WH、焼付硬化BHの和で表される)は材料種類により変化する。
本実施形態の一つの特徴は、このパネル部品の耐デント性評価のための降伏強度YP’を、製品を試作することなく、精度良く見積もり、その降伏強度YP’から耐デント性を予想する点にある。
本実施形態のパネル部品の設計方法は、図1に示すように、降伏強度予測部10、耐デント性予測部20及び耐デント性用改善設計処理部30を備える。なお、これらの処理の一部若しくは全部をコンピュータでのプログラム処理で実施しても良い。
<降伏強度予測部10>
降伏強度予測部10は、対象とするパネル部品の降伏強度を予測する処理を行う。
降伏強度予測部10は、係数設定部10A、設定閾値決定部10B及び降伏強度演算部10Cを備える。
(係数設定部10A)
係数設定部10Aは、下記(1)式における、係数A、B、Cを求める処理を行う。
YP’=A・e+B・e+C ・・・(1)
ここで、パネル部品に使用される材料からなるJIS5号試験片を用いて、引張試験にて、降伏強度と予ひずみとの関係を求めてみたところ、その関係は、2次関数の関係となっていた。係数設定部10Aでは、この知見に基づき、対象とするパネル部品と同じ鋼種及び板厚からJIS5号試験片を作製し、予ひずみ量を2,4,6,8,10%の5水準で変化させて、それぞれの降伏強度YP’を測定する。係数設定部10Aでは、その測定結果によって得られた降伏強度YP’と予ひずみeとの関係を、(1)式の2次関数に近似して、係数A、B、Cを求める。
例えば、自動車部品のアウターパネルに使用される鋼種の一つであるTS270MPa級のBH鋼板(板厚0.60mmt)について、降伏強度と予ひずみとの関係を求めると、図2のような関係が求められる。
そして、この鋼種では、降伏強度YP’と予ひずみeとの関係では、例えば下記(2)式に近似させることが可能である。
YP’=−14500e+2200e+270 ・・・(2)
この(2)式から、この鋼種では、係数A=−14500、係数B=2200、係数C=270となる。
ここで、係数設定部10Aの処理は、同じ鋼種について一度実施してデータを取得しておけばよい。
係数設定部10Aでは、例えば、(1)式からなる降伏強度YP’の予測式を立てるため、まずは予ひずみ量を変化させた引張試験により、降伏強度YP’のデータを採取して係数A,B,Cを求めている。この処理は、材料(鋼種)ごとに採取する必要があるが、降伏強度YP’のレベルに応じ、比例増分させた降伏強度YP’−ひずみeのカーブを作成しても構わない。また、厚さについても、例えば代表する厚さのデータを取得しておき、そのデータから、目的の厚さの係数A、B、Cを推定すればよい。
(設定閾値決定部10B)
設定閾値決定部10Bは、(1)式のひずみ量として、最大主ひずみと最小主ひずみのどちらを採用するか決定するための設定閾値を求める。
ここで、TS270MPa級のBH鋼板(板厚0.60mmt)からなる材料を使用した自動車用のフード(ボンネット)部品の表面に沿って、複数の評価位置を設定した。このパネル部品1として、図3のような、長手方向に沿って、外側に凸のなだらかな湾曲を有している場合とした。そして、各評価位置において、デント測定と成形ひずみ量(最大、最小主ひずみ)を測定した。最大主ひずみ量、最小主ひずみ量は、スクライブドサークルにて測定した。デント測定については、鋼製の圧子を使用した公知のデント試験を行い、目視にて、デント発生と認められた荷重をデント発生荷重とした。
そして、ひずみeとして最大主ひずみ量を採用して、(1)式によって、各評価位置における降伏強度を予測した。また、このパネル部品1と同じFEMモデルを作成し、上記のようにして予測式である(1)式により求めたYP’を使用したFEM解析による各評価位置でのデント発生荷重も算出した。そして、各評価位置での算出したデント発生荷重と、測定したデント発生荷重とを比較したところ、図4のように、最大主ひずみeがRVの値近傍位置よりも大きい値の場合には、算出したデント発生荷重は、測定したデント発生荷重に近似した値となっていたが、最大主ひずみeがRVの値近傍位置よりも小さい値の場合には、算出したデント発生荷重と測定したデント発生荷重との乖離が大きくなり、算出したデント発生荷重の方が、測定したデント発生荷重よりも小さく見積もられることが分かった。ここで、図4において、実線は実験値であり、一点鎖線Aは、最大主ひずみをひずみeに採用した場合のグラフである。
一方、ひずみeとして最小主ひずみ量を採用して、(1)式によって、各評価位置における降伏強度を予測した。また、このパネル部品1と同じFEMモデルを作成し、上記のようにして予測式である(1)式により求めたYP’を使用したFEM解析による各評価位置でのデント発生荷重も算出した。そして、各評価位置での算出したデント発生荷重と、測定したデント発生荷重とを比較したところ、図4に示すように、最大主ひずみeがRVの値近傍位置よりも小さいときの最小主ひずみをから算出したデント発生荷重は、測定したデント発生荷重に近似した値となっていたが、最大主ひずみeがRVの近傍位置よりも大きいときの最小ひずみで算出したデント発生荷重と測定したデント発生荷重との乖離が大きくなり、算出したデント発生荷重の方が、測定したデント発生荷重よりも大きく見積もられることが分かった。図4における二点鎖線B(RV以上の値の部分は仮想の線である)は、最大主ひずみeがRV未満の最小主ひずみを(1)式に適用してデント発生荷重を求めた場合のグラフである。
この例の鋼種の場合には、設定閾値としてRVの値を設定すればよい。もっとも、設定閾値としてRVの値近傍であれば問題がない。
ここで、発明者の検討によれば、各評価位置での「最大主ひずみと最小主ひずみ」において、最小主ひずみが大きいほど最大主ひずみが大きくなるというような相関関係は無い。そして、最小主ひずみが同じ値の場合であっても、最大主ひずみが設定閾値未満であれば、その最小主ひずみを使用することで、精度良くデント発生荷重を見積もることが出来るが、最大主ひずみが設定閾値以上の場合には、最小主ひずみを変数eに使用しても精度が悪くなることを確認している。
以上のような考えから、設定閾値決定部10Bでは、例えば、プレス成形解析より算出される最大主ひずみ及び最小主ひずみのうちの、少なくとも最大主ひずみのデータを(1)式に適用して予測の降伏強度を求め、その予測の降伏強度から、上記のように評価して、最大主ひずみが適用可能な最小の境界値である設定閾値を決定する。
設定閾値決定部10Bは、使用する最大主ひずみ、最小主ひずみを、実プレス成形したパネルにおいてスクライブドサークルなどで測定した値を用いて算出して、上記のように評価して設定閾値としての上記RVの値を決定すれば良い。
また、図4から分かるように、降伏強度予測部10が(1)式を求めるグラフにおける降伏強度の最大の中央値近傍に設定閾値が位置しているので、やや精度が落ちる可能性があるが、簡便に、(1)式のグラフにおける降伏強度の最大の中央値を設定閾値=RVとして採用するようにしても良い。また、スチール製であれば、より簡易に設定閾値として、一般の鋼種を使用して求めたRVを設定閾値として採用しても良い。
以上のように、設定閾値は、(1)式に基づき求めることができる。なお、設定閾値は、鋼種毎に予め求めておいて使用すればよい。
(降伏強度演算部10C)
降伏強度演算部10Cは、各評価位置における、耐デント性評価のための降伏強度を演算する。
降伏強度演算部10Cは、係数設定部10Aが求めた係数A,B,Cと、設定閾値決定部10Bが決定した設定閾値とを入力する。そして、降伏強度演算部10Cは、降伏強度YP’とひずみ量eとの関係を予測する(1)式に基づき、パネル部品1の成形時の最大主ひずみが予め設定した設定閾値未満の評価位置に対し、ひずみ量eとしてその評価位置での最小主ひずみを採用して、(1)式に基づき、評価位置の降伏強度YP’を求める。
ここで、デントは、最大主ひずみが小さいほど発生しやすいため、簡便に、上記のようなパネル部品1の成形時の最大主ひずみが予め設定した設定閾値未満の評価位置についてだけ評価するようにしてもよい。
より正確にパネル部品1の設計を行う場合には、降伏強度演算部10Cは、更に、パネル部品1の成形時の最大主ひずみが設定閾値以上の評価位置に対し、ひずみ量eとしてその評価位置での最大主ひずみを採用して、(1)式に基づき、評価位置の降伏強度YP’を求める。
<耐デント性予測部20>
耐デント性予測部20は、降伏強度予測部10が求めた、各評価位置に対する降伏強度に基づき、公知の耐デント性評価のためのFEM解析処理方法によって、各評価位置でのデント凹み量を予測する。FEM解析には、通常の耐デント性評価で使用される公知のFEM解析を採用すればよい。
この際に、耐デント性予測部20は、降伏強度演算部10Cが演算した各評価位置での降伏強度YP’を、FEM解析の材料モデルに反映して、各評価位置でのデント凹み量を予測する。
<耐デント性用改善設計処理部30>
耐デント性用改善設計処理部30では、耐デント性予測部20が求めた、各評価位置での予測したデント凹み量が、予め設定した許容閾値以下となるように、パネル部品1の部品構造、材料、及び板厚の少なくとも一つを選定し直す。そして、選定し直したデータに基づき、FEM解析のモデルのパラメータを変更する。
以上の処理を、耐デント性用改善設計処理部30において、耐デント性予測部20が求めた、各評価位置での予測したデント凹み量が、予め設定した許容閾値以下と判定されるまで、降伏強度予測部10、耐デント性予測部20及び耐デント性用改善設計処理部30の各処理を繰返し実行する。
上記のようにして、パネル部品の設計を行う。
その後、例えば実際の製品を試作して、耐デント性評価などの、試作品を使用した評価を実施する。
<作用その他>
本発明者は、(1)式のeを、最大主ひずみが設定閾値未満の場合は最小主ひずみ値で、設定閾値以上の場合は最大主ひずみ値でそれぞれ使用することにより、デント発生荷重において実験値とCAEの整合が良いという知見を得た。
これに基づき、本実施形態では、実際に実部品を試作することなく、各評価位置の最大主ひずみと最小主ひずみを利用して(1)式に基づき、対象とするパネル部品1における各評価位置での降伏強度YP’を簡易且つ精度良く求めることができる。
そして、その評価位置での降伏強度YP’を材料モデルに反映すると共に、プレス成形解析より算出される最大主ひずみ、最小主ひずみ、板厚をFEMモデルに反映し、FEM解析を行うことで、精度良くデント解析が可能となる。
それにより、デント凹み量の算出およびデントが発生する荷重も算出可能であるため、あらゆる評価基準への対応が可能である。
このとき、ひずみ量は、成形解析において最大主ひずみが設定閾値以上の場合は最大主ひずみを、設定閾値未満の場合は、最小主ひずみを使用し、アウターパネルの各メッシュにおけるYP’を入力する。なお、使用する最大主ひずみ、最小主ひずみは実プレス成形したパネルにおいてスクライブドサークルなどで測定した値を用いても構わない。
更に、成形解析で得られたアウターパネルの板厚減少、降伏強度YP’、残留応力の情報をデント解析のFEMモデルのアウターパネルに反映する。デント解析における入力は、点荷重負荷でも圧子を介した負荷でも構わないが、できるだけ実際に行っている試験と同じものが良い。デントの判定は、荷重負荷し除荷後の残留凹み量を測定すること、また、目視で判定する場合は、面ひずみを判定する際に用いられる、断面形状の2次微分係数を算出して評価しても構わない。
以上のように、本実施形態によれば、プレス成形における塑性ひずみ量を考慮した自動車用外板部品の耐デント性の予測が可能になるため、自動車の部品設計段階で、外板パネルの最適な材料、板厚選定や、補強部品やマスチックシーラーの最適配置検討あるいは耐デント性を高めるためのプレス成形方法まで、試作することなく、FEM解析で検討が可能となる。
そのため、試作してから耐デント性能不足が判明し、材料や板厚変更が必要となったり、部品を追加したりするなどの試行錯誤をすることなく、実車開発をスムーズに進めることが可能となる。
上記のTS270MPa級のBH鋼板(板厚0.60mmt)を材料とした図3に示すようなパネル部品において、デント測定と成形ひずみ量(最大、最小主ひずみ)を測定した。その評価位置としてNO.1〜NO.20の20箇所(不図示)設定した。
そして、各評価位置において、スクライブドサークルにて、最大主ひずみ量、最小主ひずみ量を測定した。また、鋼製の圧子を使用し、デント試験も行った。目視にて、デント発生と認められた荷重をデント発生荷重(実験値)とした。
また、この部品と同じFEMモデルを作成し、成形ひずみ量に応じた予測式である(1)式により求めた降伏強度YP’を使用した、FEM解析による各位置でのデント発生荷重(予測値)も算出した。表1には、デント発生荷重の荷重偏差を記載した。その荷重偏差は、デント発生荷重の上記実験値から上記予測値を減算して求めた。
ここで、部位10での最大主ひずみの値をRVの値とした。
表1に、20箇所の評価位置(部位)のうちのNO.1,4,6,8,9,10,12の結果を示す。
Figure 0006916092
表1から分かるように、(1)式のeを、最大主ひずみが設定閾値であるRV未満の場合は最小主ひずみ値とし、RV以上の場合は最大主ひずみ値としてそれぞれ使用することにより、荷重偏差が小さく、デント発生荷重において実験値とCAEによる予測値の整合が良いことが分かった。
一方、比較例にあるように、比較例1のようにRV未満の場合に最大主ひずみ値で、また比較例2のようにRV以上の場合に最小主ひずみ量でeを見積もった場合は、荷重偏差が大きくなって整合がつかず、予測精度は確保できないことが分かった。
1 パネル部品
10 降伏強度予測部
10A 係数設定部
10B 設定閾値決定部
10C 降伏強度演算部
20 耐デント性予測部
30 耐デント性用改善設計処理部
YP’ 降伏強度
e ひずみ
RV 設定閾値の値

Claims (5)

  1. プレス成形で成形されるパネル部品の耐デント性予測方法であって、
    降伏強度YP’とひずみ量eとの関係を(1)式で近似し、
    上記パネル部品の成形時の最大主ひずみが予め設定した設定閾値未満の評価位置に対し、(1)式のひずみ量eとしてその評価位置での最小主ひずみを採用して、(1)式に基づき、上記評価位置での降伏強度YP’を求め、その求めた降伏強度YP’によって耐デント性を予測することを特徴とするパネル部品の耐デント性予測方法。
    但し、
    YP’=A・e+B・e+C ・・・(1)
    ここで、A、B、Cは、予め設定した定数からなる係数である。
  2. 上記パネル部品の成形時の最大主ひずみが上記設定閾値以上の評価位置に対し、(1)式のひずみ量eとして最大主ひずみを採用して、(1)式に基づき、上記評価位置での降伏強度YP’を求めることを特徴とする請求項1に記載したパネル部品の耐デント性予測方法。
  3. 対象とするパネル部品と同等の材質及び厚さからなる試験片に対する引張試験によって求めた、降伏強度YP’と予歪eとの関係から、(1)式の係数を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したパネル部品の耐デント性予測方法。
  4. 上記(1)式に基づき上記設定閾値を設定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したパネル部品の耐デント性予測方法。
  5. 求めた降伏強度YP’を、FEM解析の材料モデルに反映し、FEM解析にて各評価位置でのデント凹み量を予測することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載したパネル部品の耐デント性予測方法。
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