JP4567836B2 - 回転体の滑り検出装置、冊子の頁捲り装置および媒体取出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、書籍や雑誌などの冊子の頁を捲りローラを用いて自動的に捲る冊子の頁捲り装置において上記捲りローラの滑りを検出する回転体の滑り検出装置、および、この回転体の滑り検出装置を用いた冊子の頁捲り装置に関する。
【0002】
また、本発明は、たとえば、複写機、プリンタ、ATM(自動預出金機)、自動改札装置などに適用され、複写用紙、紙幣、通帳、カード、定期券、乗車券などの媒体を取出すもので、上記回転体の滑り検出装置を用いた媒体取出装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
たとえば、書籍や雑誌などの冊子の頁を自動的に捲る頁捲り装置は、自ら頁を捲ることのできない人々に読書機会を与える介助装置として、また、冊子を連続的に複写するための複写装置のオプション装置としてニーズが増大している。
【0004】
冊子の頁を捲る技術は、ATMなどの通帳プリンタでは実用レベルにあるが、この場合は、頁数が少なく、サイズや紙質が一定のものを扱うものであって、冊子の厚さ、サイズ、紙質が異なる場合でも、これらを自動的に捲る汎用的な頁捲り装置は無い状態である。
【0005】
これに関連する最近の技術としては、触覚センサ付きローラを利用した冊子の頁捲り装置が開発されつつある。触覚センサ付きローラは、ローラ内部に力や振動を感知する圧電素子などのセンサを内蔵することにより、ローラ自身に頁の捲り動作に成功したか、失敗したかを判別する触覚機能を持たせたものである。
【0006】
図22は、従来考えられた触覚センサ付きローラ(捲りローラ)の構成を詳細に示している。図22において、内輪101は、駆動源により回転される駆動軸102に固定されている。外輪103は、その外周面がゴム材料104により被覆されていて、このゴム材料104を介して冊子Sの捲る頁S1の表面と接触する。内輪101と外輪103とは、複数の弾性体105,…によって接合されている。内輪101の外周面に形成された溝部には、検出手段としての圧電素子106の一端部が接着固定されている。圧電素子106の他端部は、外輪103の内面側に形成された切起し部に接着固定されている。
【0007】
これにより、内輪101に対して弾性的に接合された外輪103が、回転方向に力を受けると、圧電素子106に圧縮応力が働き、所定の電圧が発生するようになっている。圧電素子106から出力される電圧信号は、スリップリング装置107を介してコントローラ108に送られる。
【0008】
このように構成された捲りローラは、冊子Sの捲る頁S1上と接触して頁を捲る方向に回転駆動されることにより、頁S1を捲るようになっている。
【0009】
ところで、頁S1の捲りに成功する場合は、頁S1とその下の頁S2とが摩擦しており、一方、頁S1の捲りに失敗する場合は、頁S1と外輪103表面のゴム材料104とが摩擦している。すなわち、圧電素子106は、この両者それぞれの摩擦に応じた振動の差を感知し、その信号電圧を基に、コントローラ108において、頁S1の捲りの成否を判別するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の触覚センサ付きローラ(捲りローラ)においては、上述したように、駆動軸に固定された内輪と、媒体表面と接触する外輪とをゴムなどの弾性体によって接合する構造をとっている。この構造は、外輪が弾性体を介して力を受ける回転方向に弾性があるため、圧電素子の振動を増長させる働きを持たせることができるが、同時に押圧力を受ける半径方向にも弾性を持つことになり、ローラ自体が偏芯してしまい、内輪と外輪の同軸度が保証されないという問題があった。
【0011】
また、ローラが偏芯することにより、圧電素子が本来感知すべき回転方向の力の他に半径方向の力成分も捉えてしまうため、結果的に信号のノイズ成分が大きくなり、捲り成否の判別が困難になってしまうという問題につながる。
【0012】
また、押圧力を過剰にかけると、ローラの半径方向の弾性変形が大きくなり、圧電素子自体を破壊してしまうという問題もあった。
【0013】
一方、外輪と内輪との間に、回転方向の弾性を持たない場合、圧電素子の振動が微弱になり、捲り成否の差が現れないという問題があった。また、回転方向に弾性がないと、回転速度が速い場合に、圧電素子が破壊されやすいという問題もあった。
【0014】
すなわち、回転方向には弾性を持ち、半径方向には剛性が保証される構造が望まれている。
【0015】
また、別の問題としては、圧電素子の感度を上げるために、圧電素子の長手方向を内輪および外輪の半径方向に取付けていたため、ローラ径の小形化に限界があった。
【0016】
そこで、本発明は、押圧力による内輪および外輪の偏芯を防止し、圧電素子などの検出手段が本来捉えたい回転方向の力のみを検出することができ、回転体の滑り検出が容易となる回転体の滑り検出装置を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、押圧力による内輪および外輪の偏芯を防止し、圧電素子などの検出手段が本来捉えたい回転方向の力のみを検出することができ、冊子捲りの成否判別が容易となり、かつ、捲りローラの小形化が可能になる冊子の頁捲り装置を提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は、押圧力による内輪および外輪の偏芯をを防止し、圧電素子などの検出手段が本来捉えたい回転方向の力のみを検出することができ、取出ローラの滑り検出が容易となり、かつ、取出ローラの小形化が可能になる媒体取出装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転体の滑り検出装置は、駆動源からの動力が伝達されることにより回転する内輪と、この内輪と同心円上に設けられ、前記内輪からの動力が伝達されることにより回転し、被作動体に動力を伝達する外輪と、前記内輪と前記外輪とを保持する軸受けと、前記内輪と前記外輪との間に介在され、前記外輪の回転方向に受ける摩擦力を感知することにより、前記外輪と前記被作動体とが相対運動したときの両者間の滑りを検出する検出手段とを具備している。
【0020】
また、本発明の回転体の滑り検出装置は、前記内輪から前記外輪へ動力を伝達し、かつ、前記内輪と前記外輪との間に回転方向への弾性を持たせる弾性体をさらに具備したことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の回転体の滑り検出装置は、駆動源からの動力が伝達されることにより回転する内輪と、この内輪と同心円上に設けられ、前記内輪からの動力が伝達されることにより回転し、被作動体に動力を伝達する外輪と、前記内輪と前記外輪とを保持する保持手段と、ほぼ長方形状で板状に形成されていて、その長手方向が前記内輪の軸方向と一致するように、前記内輪と前記外輪との間に介在され、前記外輪の回転方向に受ける摩擦力を感知することにより、前記外輪と前記被作動体とが相対運動したときの両者間の滑りを検出する検出手段とを具備している。
【0022】
また、本発明の回転体の滑り検出装置は、前記内輪と前記外輪との間に回転方向への弾性を持たせる弾性体をさらに具備したことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の冊子の頁捲り装置は、冊子をその綴じ目を中心として開いた状態で載置する載置部と、この載置部に載置された冊子の一方の頁に捲りローラを接触させ、該捲りローラを回転させて頁を捲り上げた後、前記捲りローラを一方の頁側から前記綴じ目を超えて他方の頁側に移動させることにより頁を捲る捲り手段とを具備し、前記捲りローラは、駆動源からの動力が伝達されることにより回転する内輪と、この内輪と同心円上に設けられ、前記内輪からの動力が伝達されることにより回転し、前記冊子の頁上に接触する外輪と、前記内輪と前記外輪とを保持する軸受けと、前記内輪と前記外輪との間に介在され、前記外輪の回転方向に受ける摩擦力を感知することにより、前記外輪の表面と前記冊子の頁表面とが相対運動したときの両者間の滑りを検出する検出手段とを具備している。
【0024】
また、本発明の冊子の頁捲り装置は、前記捲りローラは、前記内輪から前記外輪へ動力を伝達し、かつ、前記内輪と前記外輪との間に回転方向への弾性を持たせる弾性体をさらに具備したことを特徴とする。
【0025】
また、本発明の冊子の頁捲り装置は、冊子をその綴じ目を中心として開いた状態で載置する載置部と、この載置部に載置された冊子の一方の頁に捲りローラを接触させ、該捲りローラを回転させて頁を捲り上げた後、前記捲りローラを一方の頁側から前記綴じ目を超えて他方の頁側に移動させることにより頁を捲る捲り手段とを具備し、前記捲りローラは、駆動源からの動力が伝達されることにより回転する内輪と、この内輪と同心円上に設けられ、前記内輪からの動力が伝達されることにより回転し、前記冊子の頁上に接触する外輪と、前記内輪と前記外輪とを保持する保持手段と、ほぼ長方形状で板状に形成されていて、その長手方向が前記内輪の軸方向と一致するように、前記内輪と前記外輪との間に介在され、前記外輪の回転方向に受ける摩擦力を感知することにより、前記外輪の表面と前記冊子の頁表面とが相対運動したときの両者間の滑りを検出する検出手段とを具備している。
【0026】
また、本発明の冊子の頁捲り装置は、前記捲りローラは、前記内輪と前記外輪との間に回転方向への弾性を持たせる弾性体をさらに具備したことを特徴とする。
【0027】
また、本発明の媒体取出装置は、媒体を重合載置する載置手段と、この積載手段に載置された媒体を回転することにより取出す取出ローラと、前記載置手段を動作させて媒体を前記取出ローラに対して押し付ける駆動手段と、前記取出ローラに設けられ、前記取出ローラによる媒体の取出時における前記取出ローラと媒体との間の滑りを検出する検出手段と、この検出手段が前記取出ローラと媒体との間の滑りを検出したとき、前記駆動手段を動作させて前記取出ローラに対する媒体の押圧力を可変制御する制御手段とを具備し、前記取出ローラは、駆動源からの動力が伝達されることにより回転する内輪と、この内輪と同心円上に設けられ、前記内輪からの動力が伝達されることにより回転し、前記媒体の表面に接触する外輪と、前記内輪と前記外輪とを保持する軸受けとからなり、前記検出手段は、前記内輪と前記外輪との間に介在され、前記外輪の回転方向に受ける摩擦力を感知することにより、前記外輪と前記媒体の表面とが相対運動したときの両者間の滑りを検出することを特徴とする。
【0028】
また、本発明の媒体取出装置は、前記取出ローラは、前記内輪から前記外輪へ動力を伝達し、かつ、前記内輪と前記外輪との間に回転方向への弾性を持たせる弾性体をさらに具備したことを特徴とする。
【0029】
また、本発明の媒体取出装置は、媒体を重合載置する載置手段と、この積載手段に載置された媒体を回転することにより取出す取出ローラと、前記載置手段を動作させて媒体を前記取出ローラに対して押し付ける駆動手段と、前記取出ローラに設けられ、前記取出ローラによる媒体の取出時における前記取出ローラと媒体との間の滑りを検出する検出手段と、この検出手段が前記取出ローラと媒体との間の滑りを検出したとき、前記駆動手段を動作させて前記取出ローラに対する媒体の押圧力を可変制御する制御手段とを具備し、前記取出ローラは、駆動源からの動力が伝達されることにより回転する内輪と、この内輪と同心円上に設けられ、前記内輪からの動力が伝達されることにより回転し、前記媒体の表面に接触する外輪と、前記内輪と前記外輪とを保持する保持手段とからなり、前記検出手段は、ほぼ長方形状で板状に形成されていて、その長手方向が前記内輪の軸方向と一致するように、前記内輪と前記外輪との間に介在され、前記外輪の回転方向に受ける摩擦力を感知することにより、前記外輪の表面と前記媒体の表面とが相対運動したときの両者間の滑りを検出することを特徴とする。
【0030】
さらに、本発明の媒体取出装置は、前記取出ローラは、前記内輪と前記外輪との間に回転方向への弾性を持たせる弾性体をさらに具備したことを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0032】
まず、第1の実施の形態について説明する。
【0033】
図1および図2は、第1の実施の形態に係る回転体の滑り検出装置が適用される冊子の頁捲り装置の構成を示すものである。この冊子の頁捲り装置1は、装置本体2を有し、この装置本体2の上面部には冊子4をその綴じ目4cを中心に開いた状態で載置する冊子置台3が設けられている。冊子置台3の前端縁部には、図3にも示すように長孔55が形成され、この長孔55内には保持ばね56,56がスライド自在に取付けられている。冊子4は、その表と裏の表紙が保持ばね56,56により保持される。
【0034】
また、装置本体2内には電源回路6、および、後述する捲り機構5の動作を制御する制御部7が内蔵され、装置本体2の前面上部側には操作パネル9が設けられている。操作パネル9には、後述する第1乃至第3の初期位置センサ41〜43を全てオンさせて機構を初期状態にリセットするリセットスイッチ71が設けられている。
【0035】
また、操作パネル9には、冊子置台3に載置される冊子4のサイズを指定するサイズセレクタ72が設けられている。冊子4のサイズとしては、たとえば、A4サイズ、B5サイズ、A5サイズ、文庫などのサイズが指定される。
【0036】
さらに、操作パネル9には、頁を綴じ目4cを中心に右側から左側に捲る場合に使用する左捲りボタン74、頁を綴じ目4cを中心に左側から右側に捲る場合に使用する右捲りボタン75が配設されている。
【0037】
装置本体2には、冊子置台3と操作パネル9との間に位置して凹所2aが形成され、この凹所2a内には冊子4の頁捲りを行なうための捲り機構5が設けられている。
【0038】
捲り機構5は、首振りヘッド10を有し、この首振りヘッド10には第1および第2のアーム部11,12が平行に取付けられている。第1および第2のアーム部11,12の先端部には、第1および第2の捲りローラ13,14が取付けられている。
【0039】
首振りヘッド10は、駆動機構15を介してキャリッジ16上に搭載されている。キャリッジ16は、ガイドロッド17とリードスクリュ18とによって支持されている。ガイドロッド17とリードスクリュ18の両端部は、保持部材19,20によって保持され、リードスクリュ18の一端部にはキャリッジ移動用の第1の駆動モータ21が接続されている。
【0040】
キャリッジ16の上面部には、首振りヘッド昇降用の第2の駆動モータ23が備えられている。この第2の駆動モータ23にはカム24が接続され、このカム24の回動端は上下移動台30に当接されている。上下移動台30は、4つのリンク25〜28を介してキャリッジベース16に支持されている。
【0041】
上下移動台30の上面中央部には、支軸31を介して首振りヘッド10が取付けられている。上下移動台30には、首振り用の第3の駆動モータ33が取付けられ、この第3の駆動モータ33は駆動ギヤ35および従動ギヤ36を介して首振りヘッド10に接続されている。
【0042】
このような構成において、第1の駆動モータ21が正逆回転されると、リードスクリュ18が正逆回転されてキャリッジ16がガイドシャフト17に沿って左右方向に移動し、首振りヘッド10が左右方向に移動するようになっている。
【0043】
また、第2の駆動モータ23が正逆回転されると、カム24が正逆方向に回動し、上下移動台30を上下動させて、首振りヘッド10を昇降させるようになっている。
【0044】
また、第3の駆動モータ33が正逆回転されると、駆動ギヤ35および従動ギヤ36が正逆方向に回動して、首振りヘッド10が左右方向に回動するようになっている。
【0045】
図4は、首振りヘッド10の内部構成を示すものである。首振りヘッド10の内部には、第1および第2のアーム部11,12を回転させるための駆動機構48が設けられている。第1および第2のアーム部11,12は、それぞれ中空状に成形され、その基端部が首振りヘッド10内に挿入されて、軸受49,50によって回転自在に軸支されている。
【0046】
第1および第2のアーム部11,12の末端部は、カップリング51を介してスリップリング53に接続されている。第1および第2のアーム部11,12の内部には、それぞれ後述する圧電素子の信号線(図示しない)が通され、この信号線はスリップリング53の可動側に接続されて、圧電素子の信号が外部に出力されるようになっている。
【0047】
また、第1および第2のアーム11,12の軸受49,50の間に位置する部位には、ワンウエイクラッチ58,58(一方は図示しない)を介して従動ギヤ59,59が取付けられている。従動ギヤ59,59間には、駆動ギヤ78が介在され、この駆動ギヤ78は捲りローラ回転用の第4の駆動モータ79の駆動軸79aに接続されている。
【0048】
駆動ギヤ78と従動ギヤ59,59とは噛合され、左右の従動ギヤ59,59のワンウエイクラッチ58,58はそれぞれ逆向きに取付けられている。このため、第4の駆動モータ79が反時計方向に回転すると、第1の捲りローラ13だけが捲り方向に回転し、第2の捲りローラ14は回転しないようになっている。
一方、第4の駆動モータ79が時計方向に回転すると、第2の捲りローラ14だけが捲り方向に回転し、第1の捲りローラ13は回転しないようになっている。
【0049】
図5は、第1および第2の捲りローラ13,14の構成を詳細に示すものである。第1および第2の捲りローラ13,14は、内輪61と、この内輪61と同心円上に設けられた外輪62とから構成され、内輪61は第1および第2のアーム部11,12の先端部に固定されている。内輪61と外輪62とは、それらの間に設けられた転がり軸受け63によって接合されている。外輪62の表面は、摩擦係数の大きな部材、たとえば、厚さの薄いゴム材料64で被覆されており、これにより、第1および第2の捲りローラ13,14の表面の摩擦係数を上げて、冊子4との接触でスリップしにくくしている。
【0050】
内輪61の外周面には、180度の間隔を介して2つの溝部65,65が形成されていて、これら溝部65,65内には、検出手段を構成する板状の圧電素子66、および、内輪61から外輪62へのトルク伝達を行なうトルク伝達板67の各一端部がそれぞれ接着固定されている。圧電素子66およびトルク伝達板67の各他端部は、それらと対応する外輪62の内面側に形成された2つの凹部68,68内にそれぞれ接着固定されている。
【0051】
このように、トルク伝達板67に薄板状のものを使用することにより、内輪61から外輪62へのトルク伝達の役割に加えて、回転方向における板ばねの働きをも持たせている。
【0052】
すなわち、内輪61に対して回転方向に弾性的に接合された外輪62が、その表面のゴム材料64を介して回転方向に摩擦力を受けると、圧電素子66に圧縮/引張応力が働き、所定の電圧が発生するようになっている。圧電素子66から発生した電圧信号は、スリップリング53を介して外部へ導出される。
【0053】
圧電素子66から出力される電圧信号の波形例を図6および図7に示す。図6は頁捲りに失敗した場合の波形例であり、図7は頁捲りに成功した場合の波形例である。すなわち、冊子4の捲る頁S1の捲りに成功する場合は、頁S1とその下の頁S2とが摩擦しており、一方、頁S1の捲りに失敗する場合は、頁S1と外輪62表面のゴム材料64とが摩擦している。すなわち、圧電素子66は、この両者それぞれの摩擦に応じた振動の差を感知する。
【0054】
このときの電圧波形は、押圧力が不足して外輪62表面のゴム材料64が頁S1と摩擦しながら滑っている状態では、図6に示すような波形となり、押圧力がある程度に達して外輪62表面のゴム材料64が頁S1をグリップして捲る、すなわち、頁S1と頁S2とが摩擦している場合には、図7に示すような波形となる。このことは、捲りローラ13,14の表面が触覚を持っていて、冊子4の頁S1との間の滑りの有無を判別することができるということである。このような波形の電圧信号を基に、頁捲りの成否を検出するようになっている。
【0055】
図8は、頁捲り装置1の駆動制御系を示すものである。図8において、制御部7には、キャリッジ移動用の第1の駆動モータ21、首振ヘッド昇降用の第2の駆動モータ23、首振りヘッド回動用の第3の駆動モータ33の各初期位置を検出する第1乃至第3の検出センサ41〜43がそれぞれ接続されている。
【0056】
また、制御部7には、ドライバ45を介して第1乃至第4の駆動モータ21,23,33,79がそれぞれ接続されているとともに、検出回路46、操作パネル9および電源回路6がそれぞれ接続されている。検出回路46には、捲りローラ13,14の各圧電素子66,66がそれぞれ接続されている。
【0057】
キャリッジ移動用の第1の駆動モータ21はステッピングモータで、その初期状態では第1の初期位置センサ41がオンする位置で待機しているが、冊子4のサイズに対応したパルス数だけ回転することによって、キャリッジ16を右方向に移動させることができるようになっている。
【0058】
首振ヘッド昇降用の第2の駆動モータ23もステッピングモータで、その初期状態では第2の初期位置センサ42がオンする位置(図2に示すように上方位置)で待機しているが、制御部7が指定するパルス数だけ回転する。
【0059】
首振ヘッド回動用の第3の駆動モータ33もステッピングモータで、首振りヘッド10の初期位置は第3の初期位置センサ43がオンする図1の右略45度の位置で、左右略90度の範囲で回動できるようになっている。
【0060】
検出回路46は、圧電素子66,66の各出力信号により頁捲りの成否(捲りローラ13,14の滑り)を検出するもので、たとえば、図9に示すように構成されている。図9において、圧電素子66,66の各出力信号は、それぞれ増幅回路46a,46bで増幅された後、フィルタ回路46c,46dを介して判別部46eへ送られる。
【0061】
判別部46eは、フィルタ回路46c,46dから図6のような出力波形が得られた場合は、捲りローラ13,14が冊子4の頁S1と接触して滑っている状態、すなわち、頁捲り失敗を表わす信号SG1を出力し、フィルタ回路46c,46dから図7のような出力波形が得られた場合は、捲りローラ13,14が冊子4の頁S1をグリップしている状態、すなわち、頁捲り成功を表わす信号SG2を出力するようになっている。
【0062】
次に、頁捲り装置1の頁捲り動作について、図10に示すフローチャートおよび図11乃至図15に示す動作説明図を参照して説明する。
【0063】
電源投入後、第1乃至第3の初期位置センサ41〜43により、第1乃至第3の駆動モータ21,23,33の各初期位置がチェックされ、第1乃至第3の駆動モータ21,23,33がそれぞれ初期位置にあるか否かが判別される。第1乃至第3の駆動モータ21,23,33が初期位置にない場合には、駆動モータ21,23,33を戻り側に回転させる。第1乃至第3の初期位置センサ41〜43が全てオンして、第1乃至第3の駆動モータ21,23,33が初期状態になれば、操作パネル9の左捲りボタン74を押下する。これにより、第1および第2の捲りローラ13,14は、図11に示すように、冊子4の右側の頁4a(S1)の角隅部に冊子4の綴じ目4cに対し斜めになる状態で対向され、第1の捲りローラ13が回転される。
【0064】
しかるのち、第2の駆動モータ23を駆動させて、紙厚さより少ない僅かな量だけ下降するように上下移動台30を移動させ、第1の捲りローラ13の圧電素子66から図7の電圧信号、すなわち、検出回路46から頁捲り成功を表わす信号SG2が出力されるか否かを判別する。信号SG2が出力されなければ、すなわち、頁捲り失敗を表わす信号SG1が出力された場合(頁捲りに失敗した場合)は、さらに第2の駆動モータ23を駆動させて、上下移動台30を微少量下降させ、信号SG2が出力されるまで上記動作を繰り返す。
【0065】
この動作によって、第1の捲りローラ13は、頁4a(S1)に対し時間を追って押圧力を増大するようになり、信号SG2が出力されたら下降を停止させる。これにより、頁4aには第1の捲りローラ13が固着して捲り上がる限界の弱い力しか発生しない。このことは、薄い頁の場合に過大な押圧力によって複数枚同時に捲り上げてしまうようなことがなく、厚い頁の場合には必要な押圧力を与えて、空回りを防止することができるものである。
【0066】
また、信号SG2が出力されたら、第1の捲りローラ13が所定角度回転したのち停止する。この停止後に、第2の駆動モータ23を駆動して、図12に示すように、第2の位置センサ42がオンする最上位位置まで上下移動台30を上昇させる。
【0067】
次に、第3の駆動モータ33を駆動させて、図13に示すように、首振りヘッド10を矢印方向に回動させてアーム部11,12を左方向に45度回動させる。しかるのち、第1の駆動モータ21を駆動させて、図14に示すように、あらかしめ利用者がサイズセレクタ72で設定した冊子サイズに対応した距離だけ首振りヘッド10を移動させる。この移動により、捲り上げられた頁が、綴じ目4cを中心にして他方の頁側に回動して捲られることになる。
【0068】
このようにして頁を捲ったのちは、図15に示すように、首振りヘッド10を矢印方向に60度回動させる。これにより、第1および第2の捲りローラ13,14のうち、第1の捲りローラ13だけが頁を押さえた状態になる。この状態は、頁の左下の角隅部だけが第1の捲りローラ13で遮られた状態となり、冊子4の見開き全面が見やすい状態になっている。
【0069】
なお、この状態から、操作部9の右捲りボタン75が押下された場合は、上記した動作とは逆の動作によって左側から右側への捲り動作を行なうことができる。
【0070】
このように、第1の実施の形態によれば、駆動軸に固定された内輪と被作動体としての冊子の頁表面と接触する外輪とを剛性のある転がり軸受けなどで接合保持することで、押圧力による内外輪の偏芯を防止し、内外輪の同軸度が保証できる。同軸度が保証されることで、圧電素子は本来捉えたい外輪に加わる回転方向の力の影響のみを感知することができ、かつ、信号のノイズ成分も低減でき、冊子の頁捲りの成否判別が容易となる。
【0071】
また、従来では、押圧力が大きくなると弾性変形による圧電素子の破壊の恐れがあったが、第1の実施の形態の構成では押圧力による弾性変形が生じない構造なので、圧電素子の破壊を防止できる。
【0072】
さらに、内輪と外輪との間に板ばねなどにより回転方向に弾性を持たせる構造になっているため、圧電素子が振動成分を捉えやすくなり、圧電素子の見た目の感度を上げることができる。
【0073】
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0074】
第2の実施の形態は、第1および第2の捲りローラ13,14の構成だけが第1の実施の形態と異なり、その他の部分は第1の実施の形態と同一であるので、その同一部分の説明は省略し、異なる部分についてだけ説明する。なお、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0075】
図16は、第2の実施の形態に係る第1および第2の捲りローラ13,14の構成を詳細に示すものである。第1および第2の捲りローラ13,14は、内輪81と、この内輪81と同心円上に設けられた外輪82とから構成され、内輪81は第1および第2のアーム部11,12の先端部に固定されている。内輪81と外輪82とは、それらの間に設けられた転がり軸受け83によって接合されている。外輪82の表面は、摩擦係数の大きな部材、たとえば、厚さの薄いゴム材料84で被覆されており、これにより、第1および第2の捲りローラ13,14の表面の摩擦係数を上げて、冊子4との接触でスリップしにくくしている。なお、符号85は軸受けストッパである。
【0076】
内輪81と外輪82とは、図17にも示すように、それらの先端部側で係合部86を介して係合され、内輪81の回転トルクが外輪82に伝達されるようになっている。係合部86は、次のように構成されている。
【0077】
すなわち、係合部86は、内輪81の先端外周部に180度の間隔を介して外方に突出形成された一対の係止片81a,81b、外輪82の先端周壁部をその周方向に亘って所定間隔あけて切欠してなる切欠部82a,82b、および、この切欠部82a,82bの形成により突出形成される一対の突起部82c,82dから構成されている。
【0078】
内輪81の一対の係止片81a,81bは、外輪82の先端側の切欠部82a,82b内にそれぞれ挿入され、外輪82の一対の突起部82c,82dの軸方向に沿う側面部82e,82fに対向されている。
【0079】
外輪82の一方の突起部82cの側面部82eには凹部82gが形成されているとともに、この凹部82gを閉塞するように、検出手段を構成する圧電素子87が固定的に設けられている。また、外輪82の他方の突起部82dの側面部82fには凹部82hが形成されているとともに、この凹部82hを閉塞するように、回転方向に弾性を持たせるための弾性体としての板ばね88が固定的に設けられている。
【0080】
圧電素子87および板ばね88は、図17に示すように、長方形状で板状に形成されていて、その長手方向がアーム部11(12)の軸方向と平行な向きに、突起部82c,82dの側面部82e,82fに設けられている。
【0081】
このように、板ばね88に薄板状のものを使用することにより、内外輪の回転方向に弾性を持たせるとともに、内輪81から外輪82へのトルク伝達の役割をも持たせている。
【0082】
このような構成において、第1のアーム部11あるいは第2のアーム部12が図示矢印方向(図17参照)に回転されると、内輪81が回転され、その一方の係止片81aが圧電素子87を介して外輪82の一方の突起部82cの側面部82eに当接して、圧電素子87の凹部82g部と対応する部分を押圧するとともに、他方の係止片81bが板ばね88を介して外輪82の他方の突起部82dの側面部82fに当接して、板ばね88の凹部82h部と対応する部分を押圧することにより、外輪82が回転される。
【0083】
すなわち、内輪81に対して回転方向に弾性的に接合された外輪82が、その表面のゴム材料84を介して回転方向に摩擦力を受けると、圧電素子87に圧縮/引張応力が働き、所定の電圧が発生するようになっている。圧電素子87から発生した電圧信号は、スリップリング53を介して外部へ導出される。圧電素子87から出力される電圧信号の波形は、前述した第1の実施の形態と同様、図6および図7に示すようになる。
【0084】
このように、第2の実施の形態によれば、前述した第1の実施の形態と同様な作用効果が得られるとともに、さらに、内外輪に挟持される圧電素子を長方形状で板状に形成して、その長手方向が内外輪の軸方向と平行な向きになるように設けることにより、捲りローラ全体の径を小形化することが可能となる。
【0085】
なお、上記第2の実施の形態では、回転方向に弾性を設けるために、板ばね88を用いたが、これに限らず、たとえば、図18に示すように、係止片81bと突起部82dとの間に引張りコイルばね91を設けるか、図19に示すように、圧電素子87と係止片81aとの間に圧縮コイルばね92を設けることにより、回転方向に弾性を与える機構であってもよい。
【0086】
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0087】
第3の実施の形態は、回転体の滑り検出装置を紙幣などの媒体を取出す媒体取出装置に適用した場合である。
【0088】
図20は、紙幣などの媒体を取出す媒体取出装置の構成を示すものである。図18において、紙幣などの媒体Pを積層状態に載置する載置手段としてのバックアップ板111は、リニアボールベアリングを内蔵するホルダ112を介して支軸113に上下動自在に支持されている。ホルダ112は、駆動手段を構成する駆動ベルト114に連結され、駆動ベルト114は第1の駆動モータ115とプーリ116との間に掛け渡されている。
【0089】
バックアップ板111上に載置された媒体Pの上方部には、取出ローラ117が設けられ、この取出ローラ117の媒体取出し側には分離手段を構成する送りローラ118が設けられている。送りローラ118の下部側には媒体1枚分の間隔を存して阻止ローラ119が固定的に対向配置されている。阻止ローラ119は、媒体1枚の通過を可能とするが、媒体が2枚以上が侵入すると最上位の媒体P1だけを通過させ、その次の媒体P2以降の通過を阻止する機能を持っている。
【0090】
取出ローラ117および送りローラ118は、駆動ベルト120を介して第2の駆動モータ121に連結され、これら取出ローラ117および送りローラ118は同調して回転/停止されるようになっている。
【0091】
取出ローラ117は、取付部材122の先端部に取付けられ、この取付部材122は中途部が支軸123によって回動自在に軸支されている。取付部材122の後端部は、スプリング124によって上方に付勢され、取出ローラ117が後述するように上方に押圧されて取出部材122がスプリング124の付勢力に抗して回動すると、取出部材122の後端側でマイクロスイッチ125をオンする構造になっている。
【0092】
また、送りローラ118の媒体送出側には、分離されて送り出される媒体Pを光学的に検知するセンサ126が設けられている。このセンサ126および前記マイクロスイッチ125は、制御手段としてのコントローラ127に接続され、このコントローラ127には、図示しない駆動回路を介して前記バックアップ板昇降用の第1の駆動モータ115と、取出ローラ117および送りローラ118を回転させる第2の駆動モータ121が接続されている。
【0093】
なお、分離機構部とセンサ126との間には、図示しない駆動モータによって連続回転される搬送ローラ対128が設けられている。搬送ローラ対128は、繰り出されてくる媒体Pをクランプし、これを次の搬送工程、たとえば、印字や磁気読取りなどの工程に送り込むものである。
【0094】
なお、取出ローラ117は、前述した第1の実施の形態(図5参照)あるいは第2実施の形態(図16、図17参照)と同様な構成である。また、圧電素子の出力信号により取出ローラ117の滑りを検出する検出回路も、前述した第1の実施の形態(図9参照)と同様な構成である。したがって、それらの説明は省略する。
【0095】
次に、媒体取出装置の媒体取出し動作について、図21に示すフローチャートを参照して説明する。
【0096】
初期状態にあっては、複数枚の媒体P,…を積載したバックアップ板111は下方位置に停止している。取出し指令を受けると、コントローラ127によって、第1の駆動モータ115が正転駆動される。これにより、バックアップ板111が上昇され、一番上の媒体S1が取出ローラ117に押圧される。この押圧により、取付部材122がスプリング124の付勢力に抗して回動され、その後端部によりマイクロスイッチ125がオンされたか否かが判別される。
【0097】
マイクロスイッチ125がオンされたと判別されると、第1の駆動モータ115の駆動が停止される。この状態では、取出ローラ117と最上位の媒体S1との間には、スプリング124とローラ系の自重に抵抗するだけの僅かな力しか働いていない。すなわち、取出ローラ117は弱い取出し力しか持っていない。
【0098】
しかる後、取出し指定枚数がセットされ、ここから媒体Pの取出し動作が開始する。すなわち、第2の駆動モータ121が正回転されて、取出ローラ117が回転される。ついで、取出ローラ117と媒体S1との間にスリップが発生しているか否かが判別される。この判別により、検出回路からスリップなしの信号SG2が得られれば、媒体S1は前方に移動しているので、センサ126が「暗」であるか否かが判別される。
【0099】
検知センサ126が「暗」であれば、第2の駆動モータ121の回転が一旦停止され、媒体S1は搬送ローラ対128の回転により、後工程に搬送される。ついで、センサ126が「明」になったか否かが判別され、「明」になったら、次の取出し動作に入る。この後、取出し指定枚数nが「0」よりも小さか否かが判別され、「0」よりも小さい場合には取出しが終了され、「0」よりも大きい場合には、再び第2の駆動モータ121が正転駆動される。
【0100】
次に、取出ローラ117と媒体S1との間にスリップが発生しているか否かが判別される。この判別により、検出回路からスリップありの信号SG1が得られれば、バックアップ板111を微小量上昇させるように、第2の駆動モータ121を小ステップ回転させて停止する。
【0101】
この状態で、再び滑りの有無を検出し、滑りなし信号SG2が出るまでこのループを繰り返す。このループ動作によって、取出ローラ117と媒体S1との間には、滑りが発生しないための最少の摩擦力しか働かない。この制御により、滑りなし信号SG2が得られれば、前記した滑りなし信号SG2発生後と同じ制御が行なわれる。
【0102】
以上の動作制御を所定枚数分繰り返すことで、取出ローラ117に媒体Pを強く押し付けないで、1枚ずつ取出すことができ、また、媒体Pと取出ローラ117との摩擦力が、摩耗や紙粉の発生によって変化しても、これを補う力を発生させて取出すことができる。
【0103】
このように、第3の実施の形態によれば、紙幣などの媒体を取出す媒体取出装置において、前述した第1、第2の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0104】
すなわち、駆動軸に固定された内輪と被作動体としての媒体の表面と接触する外輪とを剛性のある転がり軸受けなどで接合保持することで、押圧力による内外輪の偏芯を防止し、内外輪の同軸度が保証できる。同軸度が保証されることで、圧電素子は本来捉えたい外輪に加わる回転方向の力の影響のみを感知することができ、かつ、信号のノイズ成分も低減でき、媒体取出しの成否判別が容易となる。
【0105】
また、圧電素子の破壊を防止できるとともに圧電素子の見た目の感度を上げることができる点も第1の実施の形態と同様である。
【0106】
さらに、第2の実施の形態と同様に、内外輪に挟持される圧電素子を長方形状で板状に形成して、その長手方向が内外輪の軸方向と平行な向きになるように設けることにより、取出ローラ全体の径を小形化することが可能となる。
【0107】
なお、前記実施の形態では、外輪と内輪との接合手段として転がり軸受けを用いたが、これに限らず、たとえば、滑り軸受け、樹脂ブッシュなど、半径方向に剛性があって回転方向の摩擦が小さい部材を用いるものであっても構わない。
【0108】
また、前記実施の形態では、検出手段として圧電素子を用いたが、紙と紙との摩擦、紙とゴムとの摩擦の差による微少な加速力を検出し得るものであれば、静電容量変化、歪ゲージなどのセンサを用いるものであってもよい。
【0109】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、押圧力による内輪および外輪の偏芯を防止し、圧電素子などの検出手段が本来捉えたい回転方向の力のみを検出することができ、回転体の滑り検出が容易となる回転体の滑り検出装置を提供できる。
【0110】
また、本発明によれば、押圧力による内輪および外輪の偏芯を防止し、圧電素子などの検出手段が本来捉えたい回転方向の力のみを検出することができ、冊子捲りの成否判別が容易となり、かつ、捲りローラの小形化が可能になる冊子の頁捲り装置を提供できる。
【0111】
また、本発明によれば、押圧力による内輪および外輪の偏芯をを防止し、圧電素子などの検出手段が本来捉えたい回転方向の力のみを検出することができ、取出ローラの滑り検出が容易となり、かつ、取出ローラの小形化が可能になる媒体取出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る回転体の滑り検出装置が適用される冊子の頁捲り装置の構成を示す平面図。
【図2】同じく冊子の頁捲り装置の構成を示す側面図。
【図3】載置台上に冊子を取り付けた状態を示す斜視図。
【図4】首振りヘッドの構成を示す横断上面図。
【図5】捲りローラの構成を詳細に示すもので、(a)図は縦断側面図、(b)図は正面図。
【図6】捲りローラが頁捲りに失敗した場合の圧電素子から得られる出力信号波形例を示す波形図。
【図7】捲りローラが頁捲りに成功した場合の圧電素子から得られる出力信号波形例を示す波形図。
【図8】頁捲り装置の駆動制御系を示すブロック図。
【図9】検出回路の構成を示すブロック図。
【図10】頁捲り動作を説明するフローチャート。
【図11】頁捲り動作を説明する図。
【図12】頁捲り動作を説明する図。
【図13】頁捲り動作を説明する図。
【図14】頁捲り動作を説明する図。
【図15】頁捲り動作を説明する図。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る捲りローラの構成を詳細に示すもので、(a)図は縦断側面図、(b)図は正面図。
【図17】同じく捲りローラの要部構成を詳細に示す斜視図。
【図18】捲りローラの変形例を示す正面図。
【図19】捲りローラの変形例を示す正面図。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係る回転体の滑り検出装置が適用される媒体取出装置の構成を模式的に示す構成図。
【図21】媒体取出し動作を説明するフローチャート。
【図22】従来考えられた触覚センサ付きローラの構成を示すもので、(a)図は側面図、(b)図は正面図。
【符号の説明】
1…冊子の頁捲り装置
3……冊子置台(載置部)
4……冊子
4c……綴じ目
S1,S2,4a……頁
11,12……アーム部(駆動軸)
13,14……捲りローラ
46……検出回路(検出手段)
61,81……内輪
62,82……外輪
63,83……転がり軸受け(軸受け、保持手段)
64,84……ゴム材料
66,87……圧電素子(検出手段)
67……トルク伝達板(弾性体)
88……板ばね(弾性体)
P,P1,P2……媒体
111……バックアップ板(載置手段)
117……取出ローラ
Claims (12)
- 駆動源からの動力が伝達されることにより回転する内輪と、
この内輪と同心円上に設けられ、前記内輪からの動力が伝達されることにより回転し、被作動体に動力を伝達する外輪と、
前記内輪と前記外輪とを保持する軸受けと、
前記内輪と前記外輪との間に介在され、前記外輪の回転方向に受ける摩擦力を感知することにより、前記外輪と前記被作動体とが相対運動したときの両者間の滑りを検出する検出手段と、
を具備したことを特徴とする回転体の滑り検出装置。 - 前記内輪から前記外輪へ動力を伝達し、かつ、前記内輪と前記外輪との間に回転方向への弾性を持たせる弾性体をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の回転体の滑り検出装置。
- 駆動源からの動力が伝達されることにより回転する内輪と、
この内輪と同心円上に設けられ、前記内輪からの動力が伝達されることにより回転し、被作動体に動力を伝達する外輪と、
前記内輪と前記外輪とを保持する保持手段と、
ほぼ長方形状で板状に形成されていて、その長手方向が前記内輪の軸方向と一致するように、前記内輪と前記外輪との間に介在され、前記外輪の回転方向に受ける摩擦力を感知することにより、前記外輪と前記被作動体とが相対運動したときの両者間の滑りを検出する検出手段と、
を具備したことを特徴とする回転体の滑り検出装置。 - 前記内輪と前記外輪との間に回転方向への弾性を持たせる弾性体をさらに具備したことを特徴とする請求項3記載の回転体の滑り検出装置。
- 冊子をその綴じ目を中心として開いた状態で載置する載置部と、
この載置部に載置された冊子の一方の頁に捲りローラを接触させ、該捲りローラを回転させて頁を捲り上げた後、前記捲りローラを一方の頁側から前記綴じ目を超えて他方の頁側に移動させることにより頁を捲る捲り手段とを具備し、
前記捲りローラは、
駆動源からの動力が伝達されることにより回転する内輪と、
この内輪と同心円上に設けられ、前記内輪からの動力が伝達されることにより回転し、前記冊子の頁上に接触する外輪と、
前記内輪と前記外輪とを保持する軸受けと、
前記内輪と前記外輪との間に介在され、前記外輪の回転方向に受ける摩擦力を感知することにより、前記外輪の表面と前記冊子の頁表面とが相対運動したときの両者間の滑りを検出する検出手段と、
を具備したことを特徴とする冊子の頁捲り装置。 - 前記捲りローラは、前記内輪から前記外輪へ動力を伝達し、かつ、前記内輪と前記外輪との間に回転方向への弾性を持たせる弾性体をさらに具備したことを特徴とする請求項5記載の冊子の頁捲り装置。
- 冊子をその綴じ目を中心として開いた状態で載置する載置部と、
この載置部に載置された冊子の一方の頁に捲りローラを接触させ、該捲りローラを回転させて頁を捲り上げた後、前記捲りローラを一方の頁側から前記綴じ目を超えて他方の頁側に移動させることにより頁を捲る捲り手段とを具備し、
前記捲りローラは、
駆動源からの動力が伝達されることにより回転する内輪と、
この内輪と同心円上に設けられ、前記内輪からの動力が伝達されることにより回転し、前記冊子の頁上に接触する外輪と、
前記内輪と前記外輪とを保持する保持手段と、
ほぼ長方形状で板状に形成されていて、その長手方向が前記内輪の軸方向と一致するように、前記内輪と前記外輪との間に介在され、前記外輪の回転方向に受ける摩擦力を感知することにより、前記外輪の表面と前記冊子の頁表面とが相対運動したときの両者間の滑りを検出する検出手段と、
を具備したことを特徴とする冊子の頁捲り装置。 - 前記捲りローラは、前記内輪と前記外輪との間に回転方向への弾性を持たせる弾性体をさらに具備したことを特徴とする請求項7記載の冊子の頁捲り装置。
- 媒体を重合載置する載置手段と、
この積載手段に載置された媒体を回転することにより取出す取出ローラと、
前記載置手段を動作させて媒体を前記取出ローラに対して押し付ける駆動手段と、
前記取出ローラに設けられ、前記取出ローラによる媒体の取出時における前記取出ローラと媒体との間の滑りを検出する検出手段と、
この検出手段が前記取出ローラと媒体との間の滑りを検出したとき、前記駆動手段を動作させて前記取出ローラに対する媒体の押圧力を可変制御する制御手段とを具備し、
前記取出ローラは、
駆動源からの動力が伝達されることにより回転する内輪と、
この内輪と同心円上に設けられ、前記内輪からの動力が伝達されることにより回転し、前記媒体の表面に接触する外輪と、
前記内輪と前記外輪とを保持する軸受けとからなり、
前記検出手段は、前記内輪と前記外輪との間に介在され、前記外輪の回転方向に受ける摩擦力を感知することにより、前記外輪と前記媒体の表面とが相対運動したときの両者間の滑りを検出することを特徴とする媒体取出装置。 - 前記取出ローラは、前記内輪から前記外輪へ動力を伝達し、かつ、前記内輪と前記外輪との間に回転方向への弾性を持たせる弾性体をさらに具備したことを特徴とする請求項9記載の媒体取出装置。
- 媒体を重合載置する載置手段と、
この積載手段に載置された媒体を回転することにより取出す取出ローラと、
前記載置手段を動作させて媒体を前記取出ローラに対して押し付ける駆動手段と、
前記取出ローラに設けられ、前記取出ローラによる媒体の取出時における前記取出ローラと媒体との間の滑りを検出する検出手段と、
この検出手段が前記取出ローラと媒体との間の滑りを検出したとき、前記駆動手段を動作させて前記取出ローラに対する媒体の押圧力を可変制御する制御手段とを具備し、
前記取出ローラは、
駆動源からの動力が伝達されることにより回転する内輪と、
この内輪と同心円上に設けられ、前記内輪からの動力が伝達されることにより回転し、前記媒体の表面に接触する外輪と、
前記内輪と前記外輪とを保持する保持手段とからなり、
前記検出手段は、ほぼ長方形状で板状に形成されていて、その長手方向が前記内輪の軸方向と一致するように、前記内輪と前記外輪との間に介在され、前記外輪の回転方向に受ける摩擦力を感知することにより、前記外輪の表面と前記媒体の表面とが相対運動したときの両者間の滑りを検出することを特徴とする媒体取出装置。 - 前記取出ローラは、前記内輪と前記外輪との間に回転方向への弾性を持たせる弾性体をさらに具備したことを特徴とする請求項11記載の媒体取出装置。
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