JP4567558B2 - 熱転写記録用受容体、記録方法及び記録体 - Google Patents
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Description
このようなラベルがMEKのような有機溶剤を使用する環境で使用される場合、ラベルに転写された画像がこのような有機溶剤によって消去しないことが要求される。
また、工業的な用途で用いられる場合、ラベルの表面が強い力で擦られても、画像が破壊しないことが要求される。
しかし、その受容層や塗布層に形成された画像の耐溶剤性は十分なものとはいえない。
受容層と支持体の間に熱硬化型樹脂を含むアンダー層を設けたものとして、例えば特許文献13等に開示されている。また、特許文献14の特許第2683258号公報には、支持体表面と受容層の間に設けられる中間層に、熱可塑性樹脂特有の低軟化点を改善するため、該中間層に熱硬化型樹脂微粒子を含有させることが開示されている。しかし、これらの方法では受容層の強度は十分でなく、なにより受容層上に設けられる画像の耐溶剤性が低いという欠点があった。
すなわち、本発明は次に記載するとおりのものである。
(2)「前記アンダー層の顔料の平均粒径が1.0〜3.0μmであることを特徴とする前記第(1)項に記載の熱転写記録用受容体」
(3)「前記アンダー層の厚みが1.0〜2.0μmであることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の熱転写記録用受容体」
(4)「前記アンダー層の樹脂と顔料の重量比率が70:30〜90:10であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の熱転写記録用受容体」
(5)「前記受容体表面の平滑度(JIS P−8119)が200〜2000秒であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の熱転写記録用受容体」
(6)「支持体上にワックスを含有する剥離層、着色剤を含有するインク層を順次積層した熱転写記録媒体を用いて熱転写記録用受容体に印字する記録方法において、該インク層がエチレン−メタクリル酸共重合体の金属塩を含み、熱転写記録用受容体が前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の熱転写記録用受容体であることを特徴とする記録方法」
(7)「前記第(6)項に記載の記録方法により受容体上に画像を形成したことを特徴とする記録体」
(8)「ポリエステルフィルムからなる支持体上に、アンダー層及び受容層を順次設けた熱転写記録用受容体の製造方法において、該アンダー層を不飽和ポリエステル樹脂及びメラミン樹脂を含む熱硬化型樹脂及びアクリル樹脂粒子を含有した塗工液を支持体上に塗布乾燥して形成し、該受容層はポリエチレンイミン誘導体、分散剤を用いずに自己乳化したエチレン−メタクリル酸共重合体の塩、及び架橋剤を含有する塗工液を該アンダー層上に塗布乾燥して形成することを特徴とする熱転写記録用受容体の製造方法」
上述のように本発明の熱転写記録用受容体は、プラスチックフィルムからなる支持体上に、アンダー層、受容層を順次設けた熱転写記録用受容体において、アンダー層が熱硬化型樹脂と顔料を含有し、受容層がポリエチレンイミン誘導体とエチレン−メタクリル酸共重合体の塩及び架橋剤を含有することを特徴とする。
すなわち、このような熱転写記録用受容体は、熱転写記録用受容体上に転写された画像が、MEKなどの溶剤に対して優れた耐性を有する。また、その画像が強い力で擦られても破壊しない、優れた耐摩擦性も有する。
また必要に応じて硬化に必要な硬化剤や硬化促進剤を添加する。硬化剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーキサイド、過酸化ベンゾイル等がある。また硬化促進剤としてはナフテン酸コバルト、ジメチルアニリン等がある。
0.5μm未満では層の強度が不足し、3.0μmを超えると顔料が樹脂に埋没してしまうため、アンダー層表面の凹凸が不足し、アンダー層と受容層との接着性が低下する。なかでも1.0〜2.0μmの範囲が特に好ましい。
そのような熱可塑性樹脂の例としては、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル基、カルボン酸Na基、スルホン酸Na基、アセトアセチル基、カチオン基などで変性されたポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチンなどの水溶性樹脂や、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、ウレタン変性ポリエチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体、ポリエステル等のエマルジョンや水分散体等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で、もしくは2種類以上を混合して用いられる。
架橋剤としてはカルボジイミド、オキサゾリン、イソシアネート、メラミン化合物、エポキシ化合物、多価金属塩等が挙げられる。なかでもエポキシ化合物が好ましい。架橋剤は受容層中に3〜20重量%添加するのが好ましい。
金属蒸着層はアルミニウム、銀、亜鉛等の金属を真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等の方法により支持体上に金属層を形成したものである。金属蒸着層の金属としてはアルミニウムを用いるのが好ましい。また金属蒸着層の厚みは0.01〜0.1μmとするのが好ましい。
インク層中のエチレン−メタクリル酸共重合体の塩は、熱転写記録用受容体の受容層に用いたエチレン−メタクリル酸共重合体の塩と同様のものを用いることが出来る。
そのような樹脂としては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル基、スルホン酸Na基、アセトアセチル基、カチオン基などで変性されたポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチンなどの水溶性樹脂や、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、ウレタン変性ポリエチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体、ポリエステル等のエマルジョンや水分散体等が挙げられる。
基準である。
(1)熱転写記録媒体の作成
支持体としては4.5μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、熱転写記録層を塗工する側の反対側にシリコーンゴム(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製SD7226)を乾燥後塗工量が0.35μmとなるように塗布乾燥して耐熱滑性層を有する支持体を作成した。
カルナバワックスのトルエン分散液(固形分10%) 90部
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(酢酸ビニル量28重量%
MFR15dg/min)のトルエン溶液(固形分10%) 10部
上記処方の剥離液を支持体の熱転写記録層側に厚みが約1.0μmとなるように塗布乾燥して剥離層を設けた。
エチレン−メタクリル酸共重合体の塩 62部
(三井化学製 ケミパールS−650)(固形分27%)
カーボンブラックの水分散体(固形分38%) 22部
水 16部
上記組成のインク液を前記中間層上に厚みが約0.8μmとなるように塗布乾燥し、インク層を設け、熱転写記録媒体を作成した。
<アンダー層処方>
熱硬化型樹脂:
エポキシ樹脂とメラミン樹脂の混合物
(大日本インキ製SF409 固形分37%) 35部
炭酸カルシウム(平均粒径0.6μm) 7部
MEK 58部
上記組成のアンダー層液を東洋紡社製ポリエステルフィルム(E5100 厚み50μm)に乾燥後厚みが約0.8μmとなる様に塗布乾燥した。その後150℃で30秒間の熱処理を施した。
エチレン−メタクリル酸共重合体の塩 15部
(三井化学製 ケミパールS−650)(固形分27%)
炭酸カルシウム水分散液(粒径2.5μm固形分25%) 16部
エポキシ化合物(エポキシ当量160mg/eq 固形分100%) 1部
ポリエチレンイミン(日本触媒製エポミンP−1000)(固形分30%) 3部
水 65部
上記組成の受容層液をアンダー層上に乾燥後厚みが約0.5μmとなる様に塗布乾燥し受容層を設け熱転写記録用受容体を作成した。受容層表面の平滑度は2200秒であった。
参考例1においてアンダー層処方として下記のものを用いた以外は参考例1と同様に熱転写記録用受容体を作成した。また熱転写記録媒体は参考例1と同じものを用いた。なお受容層表面の平滑度は2300秒であった。
熱硬化型樹脂:
不飽和ポリエステル樹脂とメラミン樹脂の混合物
(大日本インキ製SF−C−329 固形分43%) 29部
炭酸カルシウム(平均粒径0.6μm) 7部
硬化剤(大日本インキ製SPハードナーB) 1部
MEK 63部
<アンダー層処方>
熱硬化型樹脂:
不飽和ポリエステル樹脂とメラミン樹脂の混合物
(大日本インキ製SF−C−329 固形分43%) 36部
ポリメタクリル酸メチル系架橋物粒子
(日本触媒製MA1002)(平均粒径2.5μm) 4部
硬化剤(大日本インキ製SPハードナーB) 1部
MEK 59部
上記組成のアンダー層液を東洋紡社製ポリエステルフィルム(E5100 厚み50μm)に乾燥後厚みが約1.5μmとなる様に塗布乾燥した。その後150℃で30秒間の熱処理を施した。
このアンダー層上に参考例1と同様に受容層を設けて熱転写記録用受容体を作成した。また熱転写記録媒体は参考例1と同じものを用いた。なお受容層表面の平滑度は1200秒であった。
参考例1においてアンダー層を設けずに、ポリエステルフィルム上に受容層を設けた以外は参考例1と同様に受容体を作成した。また熱転写記録媒体は参考例1と同じものを用いた。なお受容層表面の平滑度は4800秒であった。
参考例1においてアンダー層処方として下記のものを用いた以外は実施例1と同様に熱転写記録用受容体を作成した。また熱転写記録媒体は参考例1と同じものを用いた。なお受容体表面の平滑度は3500秒であった。
熱硬化型樹脂:
エポキシ樹脂とメラミン樹脂の混合物
(大日本インキ製SF409 固形分37%) 47部
MEK 53部
参考例1においてアンダー層処方として下記のものを用いた以外は参考例1と同様に熱転写記録用受容体を作成した。また熱転写記録媒体は参考例1と同じものを用いた。なお受容体表面の平滑度は2400秒であった。
ポリエステル系ウレタン樹脂水分散体
(大日本インキ製ハイドランAP−10 固形分30%) 43部
炭酸カルシウム(平均粒径0.6μm) 7部
水 50部
参考例1において下記受容層を設けた以外は参考例1と同様に受容体を作成した。また熱転写記録媒体は参考例1と同じものを用いた。受容層表面の平滑度は2300秒であった。
炭酸カルシウム水分散液(粒径2.5μm固形分25%) 40部
SBRエマルジョン
(日本エイアンドエル製SN−348 固形分48%) 21部
水 39部
上記により得られた熱転写記録媒体及び熱転写記録用受容体を用いて、以下の方法による評価テストを行った。下記条件により印字し評価した。
プリンター : Zebra社製 96XiIII
印字速度 : 2インチ/秒
印字エネルギー : トーン26
評価した諸特性は以下の通りである。
溶剤0.5ccを綿棒に含ませて転写画像に塗布後、このサンプルについて100g/cm2の荷重をかけて200回擦り、画像を観察し以下の基準で評価した。溶剤はMEKを用いた。
5 ラブテストの結果、テスト前と変化なし。
4 ラブテストの結果、画像の判読は可能だがやや傷ができる。
3 ラブテストの結果、画像の判読は可能だが傷ができる。
2 ラブテストの結果、画像は残るが判読は不可能になる。
1 ラブテストの結果、画像が消去してしまう。
直径1mmのステンレス棒に30gfの荷重をかけた状態で画像を100回擦り画像を観察し以下の基準で評価した。
5 摩擦テストの結果、テスト前と変化なし。
4 摩擦テストの結果、画像の判読は可能だがやや傷ができる。
3 摩擦テストの結果、画像の判読は可能だが傷ができる。
2 摩擦テストの結果、画像は残るが判読は不可能になる。
1 摩擦テストの結果、画像が消去してしまう。
以上の評価結果を表1に示す。
Claims (8)
- ポリエステルフィルムからなる支持体上に、アンダー層及び受容層を順次設けた熱転写記録用受容体において、該アンダー層が不飽和ポリエステル樹脂及びメラミン樹脂を含む熱硬化型樹脂及びアクリル樹脂粒子を含有し、該受容層がポリエチレンイミン誘導体、エチレン−メタクリル酸共重合体の塩及び架橋剤を含有することを特徴とする熱転写記録用受容体。
- 前記アンダー層の顔料の平均粒径が1.0〜3.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録用受容体。
- 前記アンダー層の厚みが1.0〜2.0μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写記録用受容体。
- 前記アンダー層の樹脂と顔料の重量比率が70:30〜90:10であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱転写記録用受容体。
- 前記受容体表面の平滑度(JIS P−8119)が200〜2000秒であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱転写記録用受容体。
- 支持体上にワックスを含有する剥離層、着色剤を含有するインク層を順次積層した熱転写記録媒体を用いて熱転写記録用受容体に印字する記録方法において、該インク層がエチレン−メタクリル酸共重合体の金属塩を含み、熱転写記録用受容体が請求項1乃至5のいずれかに記載の熱転写記録用受容体であることを特徴とする記録方法。
- 請求項6に記載の記録方法により受容体上に画像を形成したことを特徴とする記録体。
- ポリエステルフィルムからなる支持体上に、アンダー層及び受容層を順次設けた熱転写記録用受容体の製造方法において、該アンダー層を不飽和ポリエステル樹脂及びメラミン樹脂を含む熱硬化型樹脂及びアクリル樹脂粒子を含有した塗工液を支持体上に塗布乾燥して形成し、該受容層はポリエチレンイミン誘導体、分散剤を用いずに自己乳化したエチレン−メタクリル酸共重合体の塩、及び架橋剤を含有する塗工液を該アンダー層上に塗布乾燥して形成することを特徴とする熱転写記録用受容体の製造方法。
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JP2002113959A (ja) * | 2000-10-06 | 2002-04-16 | Yupo Corp | 印刷および熱転写用画像受容フィルム |
JP2004268571A (ja) * | 2003-02-18 | 2004-09-30 | Ricoh Co Ltd | 熱転写記録媒体及び熱転写記録方法並びに記録体及びラベル |
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