JP4567399B2 - 化粧品、およびその製造方法 - Google Patents
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採取したアコヤ貝真珠を、ペンチ等の工具で割り、核や異物を除いた後に、ハンマーで砕き、その粉砕物の内の36メッシュを通り50メッシュを通らない部分を収集して、真珠粉末として使用した。
アコヤ貝の貝殻3.0kg、塩酸3.0kg、水6.0kg、酸化アルミニウムを材質とした研磨石(直径8mm長さ15mmの斜円柱)10.0kgを層内容積65l(リットル)の回転式可傾型バレル研磨機(株式会社TKX社製、NK−65型)に入れ、密封した状態で、回転数38rpmで30分間に亘って回転させた。なお、研磨機の蓋(投入口)には、内径0.8cmと内径1.6cmのバルブを設置し、研磨石の取り出し時には、バルブを徐々に開放してから蓋を開いて研磨石を取り出した。しかる後、振動式選別機(株式会社TKX社製、KEE−3型、選別網2cm角)を用いて貝殻と研磨石とを分別して水洗した。そして、水洗した貝殻を、5%水酸化ナトリウム水溶液5kgに18時間浸漬し、十分に水洗してから、1%塩酸水溶液5kgに2時間浸漬した後に、再度、水洗した。しかる後に、水洗後の貝殻を、75℃の雰囲気下で1時間に亘って乾燥し、カッターミル(株式会社西村機械製作所製、KM−D3型)とアトマイザー(不二パウダル株式会社製、E2W−75型)によって、平均粒子径が約180μmとなるまで粉砕した。そして、それらの貝殻の粉砕物の内の36メッシュを通り50メッシュを通らない部分(粒子径は300〜425μm)を収集し、その粉砕物に約2倍量のエタノールを加えて、30分間攪拌した後、遠心分離機で過剰なエタノールを回収した後、残査をタンブルドライヤー(楠木機械社製バキュームタンブルドライヤー)により150℃の雰囲気下で減圧乾燥させた。さらに、貝殻の粉砕物を脱色するとともに当該粉砕物から不純物を除去するために、貝殻の粉砕物を過酸化水素水中に24時間浸漬した。なお、過酸化水素水は過酸化水素の濃度が2%になるように希釈して用いた。そして、浸漬後の貝殻の粉砕物を、再度、水洗した後に、0.1%カタラーゼ緩衝溶液に24時間に亘って浸漬し、残存している過酸化水素水を除去した。なお、緩衝溶液は、NaH2PO4−Na2HPO4のpH6.73の水溶液を用いた。そして、得られた真珠層粉末25gとクチナシグリーン(グリコ栄養食品社製)0.1%水溶液75gとを軽く攪拌した後、12時間に亘ってそのまま静置した。その後、十分に水洗した真珠層粉末を、30℃で5時間送風乾燥した。
実施例および比較例で得られた美爪料をガラス板上に塗布し、溶媒を室温下で蒸発させて約0.2mmの厚みの皮膜を作製した。しかる後、作製された皮膜の酸素透過量を、MOCON社製OX−TRAN 100Aを用いて36℃の雰囲気下で測定した。なお、酸素透過量の単位は、DK×10−11(cm2/sec)・(mLO2×mmHg)である。
実際に爪に塗布し、皮膜の剥離やひび割れが発生するか否かを、目視によって以下の3段階で官能評価した。
きわめて良好=◎
良好=○
不良=×
実際に爪に塗布した皮膜の透明性を、目視によって以下の2段階で官能評価した。
透明=○
不透明=×
実際に爪に塗布して7日間保持した後に、爪の状態が変化したか否かを(すなわち、爪の色が変色したか否か、爪に亀裂が発生したか否か等を)、目視によって以下の2段階で官能評価した。
変化なし=○
変化あり=×
500mlのフラスコに、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート40重量部、メチルメタクリレート54重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート5重量部、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート1重量部、溶媒として酢酸ブチル110重量部、酢酸エチル70重量部、エタノール30重量部、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を仕込んだ後に、溶存酸素を除くために窒素ガスバブリングを行ってから、フラスコを密封した。そして、そのフラスコを恒温槽中に移し、攪拌しながら15時間に亘って60℃に加熱することによって、フラスコ内の単量体を重合させた。そして、重合終了後のフラスコを水で冷却した後に、フラスコ内から、重合後の樹脂を溶媒とともに取り出すことによって実施例1の美爪料を得た。なお、実施例1の美爪料の組成を表1に示す。しかる後、得られた実施例1の美爪料を用いて、酸素透過性、皮膜形成性、透明性、爪への影響を評価した。評価結果を表2に示す。
500mlのフラスコに、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート23重量部、メチルメタクリレート55重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート20重量部、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート2重量部、溶媒として酢酸ブチル100重量部、酢酸エチル80重量部、アセトン20重量部、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を仕込んだ後に、窒素ガスバブリングを行ってから、フラスコを密封した。そして、そのフラスコを恒温槽中に移し、攪拌しながら18時間に亘って60℃に加熱することによって、フラスコ内の単量体を重合させた。そして、重合終了後のフラスコを水で冷却してから、フラスコ内から、重合後の樹脂を溶媒とともに取り出した後、酸化チタン1重量部およびベンガラ1重量部を添加することによって実施例2の美爪料を得た。なお、実施例2の美爪料の組成を表1に示す。しかる後、得られた実施例2の美爪料を用いて、酸素透過性、皮膜形成性、透明性、爪への影響を評価した。評価結果を表2に示す。
500mlのフラスコに、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート40重量部、メチルメタクリレート24.5重量部、ヒドロキシプロピルメタクリレート35重量部、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート0.5重量部、溶媒として酢酸ブチル100重量部、酢酸エチル100重量部、エタノール30重量部、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を仕込んだ後に、窒素ガスバブリングを行ってから、フラスコを密封した。そして、そのフラスコを恒温槽中に移し、攪拌しながら18時間に亘って60℃に加熱することによって、フラスコ内の単量体を重合させた。そして、重合終了後のフラスコを水で冷却した後、フラスコ内から、重合後の樹脂を溶媒とともに取り出し、真珠粉末2重量部を添加することによって実施例3の美爪料を得た。なお、実施例3の美爪料の組成を表1に示す。しかる後、得られた実施例3の美爪料を用いて、酸素透過性、皮膜形成性、透明性、爪への影響を評価した。評価結果を表2に示す。
500mlのフラスコに、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート40重量部、メチルメタクリレート30重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート10重量部、ヒドロキシプロピルメタクリレート20重量部、2−メタクリロイロキシプロピルアシッドホスフェート0.5重量部、溶媒として酢酸ブチル250重量部、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を仕込んだ後に、窒素ガスバブリングを行ってから、フラスコを密封した。そして、そのフラスコを恒温槽中に移し、攪拌しながら18時間に亘って60℃に加熱することによって、フラスコ内の単量体を重合させた。そして、重合終了後のフラスコを水で冷却した後、フラスコ内から、重合後の樹脂を溶媒とともに取り出し、真珠層粉末2重量部を添加することによって実施例4の美爪料を得た。なお、実施例4の美爪料の組成を表1に示す。しかる後、得られた実施例4の美爪料を用いて、酸素透過性、皮膜形成性、透明性、爪への影響を評価した。評価結果を表2に示す。
500mlのフラスコに、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート60重量部、メチルメタクリレート19.95重量部、ヒドロキシブチルメタクリレート20重量部、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート0.05重量部、溶媒としてエタノール200重量部、アセトン60重量部、ジクミルパーオキサイド1重量部を仕込んだ後に、窒素ガスバブリングを行ってから、フラスコを密封した。そして、そのフラスコを恒温槽中に移し、攪拌しながら8時間に亘って50℃に加熱することによって、フラスコ内の単量体を重合させた。そして、重合終了後のフラスコを水で冷却した後、フラスコ内から、重合後の樹脂を溶媒とともに取り出すことによって実施例5の美爪料を得た。なお、実施例5の美爪料の組成を表1に示す。しかる後、得られた実施例5の美爪料を用いて、酸素透過性、皮膜形成性、透明性、爪への影響を評価した。評価結果を表2に示す。
500mlのフラスコに、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート10重量部、メチルメタクリレート50重量部、ヒドロキシプロピルメタクリレート9重量部、ヒドロキシブチルメタクリレート30重量部、2−メタクリロイロキシプロピルアシッドホスフェート1重量部、溶媒として酢酸ブチル120重量部、エタノール120重量部、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を仕込み、窒素ガスバブリングを行ってから、フラスコを密封した。そして、そのフラスコを恒温槽中に移し、攪拌しながら18時間に亘って60℃に加熱することによって、フラスコ内の単量体を重合させた。そして、重合終了後のフラスコを水で冷却した後、フラスコ内から、重合後の樹脂を溶媒とともに取り出し、真珠層粉末2重量部を添加することによって実施例6の美爪料を得た。なお、実施例6の美爪料の組成を表1に示す。しかる後、得られた実施例6の美爪料を用いて、酸素透過性、皮膜形成性、透明性、爪への影響を評価した。評価結果を表2に示す。
500mlのフラスコに、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート40重量部、メチルメタクリレート45重量部、メタクリル酸15重量部、溶媒として酢酸ブチル110重量部、酢酸エチル70重量部、エタノール30重量部、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を仕込んだ後、窒素ガスバブリングを行ってから、フラスコを密封した。そして、そのフラスコを恒温槽中に移し、攪拌しながら18時間に亘って60℃に加熱することによって、フラスコ内の単量体を重合させた。そして、重合終了後のフラスコを水で冷却した後、フラスコ内から、重合後の樹脂を溶媒とともに取り出すことによって比較例1の美爪料を得た。なお、比較例1の美爪料の組成を表1に示す。しかる後、得られた比較例1の美爪料を用いて、酸素透過性、皮膜形成性、透明性、爪への影響を評価した。評価結果を表2に示す。
500mlのフラスコに、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート40重量部、メチルメタクリレート60重量部、溶媒として酢酸ブチル120重量部、酢酸エチル100重量部、エタノール50重量部、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を仕込んだ後、窒素ガスバブリングを行ってから、フラスコを密封した。そして、そのフラスコを恒温槽中に移し、攪拌しながら18時間に亘って60℃に加熱することによって、フラスコ内の単量体を重合させた。そして、重合終了後のフラスコを水で冷却した後、フラスコ内から、重合後の樹脂を溶媒とともに取り出すことによって比較例2の美爪料を得た。なお、比較例2の美爪料の組成を表1に示す。しかる後、得られた比較例2の美爪料を用いて、酸素透過性、皮膜形成性、透明性、爪への影響を評価した。評価結果を表2に示す。
500mlのフラスコに、水180重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量部、過硫酸カリウム8重量部を仕込んだ後に、溶存酸素を除くために窒素ガスバブリングを行った。しかる後、そのフラスコに、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート50重量部、メチルメタクリレート40重量部、メタクリル酸10重量部を滴下した後、そのフラスコを恒温槽中に移し、攪拌しながら5時間に亘って70℃に加熱することによって、フラスコ内の単量体を重合させた。そして、得られたエマルジョンにエチルセロソルブを80重量部加えることによって、比較例3のポリマーエマルジョン系の美爪料を得た。なお、比較例3の美爪料の組成を表1に示す。しかる後、得られた比較例3の美爪料を用いて、酸素透過性、皮膜形成性、透明性、爪への影響を評価した。評価結果を表2に示す。
ニトロセルロース樹脂100重量部を、酢酸エチル100重量部、アセトン100重量部からなる混合溶媒に溶解することによって比較例4の美爪料を得た。なお、比較例4の美爪料の組成を表1に示す。しかる後、得られた比較例4の美爪料を用いて、酸素透過性、皮膜形成性、透明性、爪への影響を評価した。評価結果を表2に示す。
Claims (2)
- ラジカル重合性官能基を1つ有するシリコーン系単量体(A)10〜70重量部と、分子中に少なくとも1つ以上の水酸基とラジカル重合性官能基を有する単量体(B)5〜50重量部と、分子中に少なくとも1つ以上の燐酸基とラジカル重合性官能基を有する単量体(C)0.01〜2重量部と、上記各単量体と共重合可能なラジカル重合性官能基を有する単量体(D)20〜85重量部からなる混合単量体を共重合してなる共重合体を主成分としており、
前記シリコーン系単量体(A)が、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレートであり、
前記単量体(B)が、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの内のいずれかであり、
前記単量体(C)が、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイロキシプロピルアシッドホスフェートの内のいずれかであり、
前記単量体(D)が、メチル(メタ)アクリレートであるとともに、
0.2mmの厚みの皮膜を形成して36℃の雰囲気下で測定した場合の酸素透過係数が10×10 −11 cm 3 cm/sec・cm 2 ・mmHg以上であることを特徴とする美爪料用の化粧品。 - 請求項1に記載の美爪料用の化粧品を製造するための製造方法であって、
ラジカル重合性官能基を1つ有するシリコーン系単量体10〜70重量部に、分子中に少なくとも1つ以上の水酸基とラジカル重合性官能基を有する単量体5〜50重量部、分子中に少なくとも1つ以上の燐酸基とラジカル重合性官能基を有する単量体0.01〜2重量部と、上記各単量体と共重合可能なラジカル重合性官能基を有する単量体20〜85重量部とを加えてなる混合単量体を、樹脂濃度が10%〜80%となるように溶液重合することを特徴とする化粧品の製造方法。
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