JP7146160B1 - 水性樹脂組成物及び塗装品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 0007146160000001
エチレン性不飽和単量体を構成単位として含む樹脂粒子を含む樹脂エマルションと、ワックス粒子を含むワックスエマルションと、を含み、前記樹脂粒子の平均粒子径は、25~1000nmであり、前記ワックス粒子の平均粒子径は、380~5000nmであり、前記樹脂粒子の粒子径分布(D90/D10)は、1.01~5.00であり、前記ワックス粒子の融点は、前記樹脂粒子の融点よりも低く、前記樹脂粒子のガラス転移温度は、-50~100℃であり、ここで、前記ワックス粒子の融点は、前記ワックス粒子を示差走査熱量測定(DSC)することで求められる温度であり、前記樹脂粒子の融点は、前記樹脂粒子を示差走査熱量測定(DSC)することで求められる温度であり、前記樹脂粒子のガラス転移温度は、前記樹脂粒子を構成するそれぞれの単量体のみからなるそれぞれの単独重合体のガラス転移温度とFOX式に基づいて求められる温度である。
【選択図】図1

Description

本発明は、水性樹脂組成物及び塗装品の製造方法に関する。
近年、車両用内装材及び家具等のコーティング用途では、表面光沢を抑制した高級感及び重厚感のある外観がユーザに好まれている。艶消しコーティング剤は、艶消し剤として例えば、疎水性シリカ等の無機フィラー及び樹脂ビーズ等の有機フィラーを含む。艶消しコーティング剤は、艶消し剤が塗膜上にブリードして凸部を形成することで、塗膜の光沢を抑制できる。一方で、塗膜に対する摩擦により艶消し剤及び塗膜が剥がれ落ちるため、耐候性、耐汚染性、及び艶消し性能等が低下することがある。
そこで、特許文献1は、艶消しコーティング剤に艶消し剤を含有させることなく、塗膜に艶消し性を付与することが可能な水性塗料を提案している。例えば、特許文献1は、平均粒子径が互いに異なるウレタン架橋粒子を併用することで凹凸を形成し艶消し性を有する水性の艶消し塗料用樹脂組成物を開示している。
特開2007-308587号公報
しかしながら、特許文献1に記載の先行技術では、粒子径の大きいポリウレタン架橋粒子からなる凸部が摩擦により脱落するために十分な艶消し性が得られないといった課題がある。
本発明は、艶消し性を向上させた水性樹脂組成物、艶消し性を向上させた塗装品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するために、本発明の水性樹脂組成物は、エチレン性不飽和単量体を構成単位として含む樹脂粒子を含む樹脂エマルションと、ワックス粒子を含むワックスエマルションと、を含み、前記樹脂粒子の平均粒子径は、25~1000nmであり、前記ワックス粒子の平均粒子径は、380~5000nmであり、前記樹脂粒子の粒子径分布(D90/D10)は、1.01~5.00であり、前記ワックス粒子の融点は、前記樹脂粒子の融点よりも低く、前記樹脂粒子のガラス転移温度は、-50~100℃であり、ここで、前記ワックス粒子の融点は、前記ワックス粒子を示差走査熱量測定(DSC)することで求められる温度であり、前記樹脂粒子の融点は、前記樹脂粒子を示差走査熱量測定(DSC)することで求められる温度であり、前記樹脂粒子のガラス転移温度は、前記樹脂粒子を構成するそれぞれの単量体のみからなるそれぞれの単独重合体のガラス転移温度とFOX式に基づいて求められる温度である、ことを特徴とする。
本発明によれば、艶消し性を向上させた水性樹脂組成物、艶消し性を向上させた塗装品及びその製造方法を提供することができる。
層上に複数の凹部が形成されるメカニズムを説明する図。 室温(23℃)乾燥時の水性樹脂組成物からなる層のSEM画像。 高温(120℃)乾燥時の水性樹脂組成物からなる層のSEM画像。
以下、実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。
<水性樹脂組成物>
本発明の水性樹脂組成物は、エチレン性不飽和単量体を構成単位として含む樹脂粒子を含む樹脂エマルションと、ワックス粒子を含むワックスエマルションと、を含む。樹脂粒子の平均粒子径は25~1000nmである。ワックス粒子の平均粒子径は380~5000nmである。
一実施形態に係る水性樹脂組成物における樹脂粒子の平均粒子径は、25~1000nm、好ましくは50~800nm、より好ましくは100~600nmである。なお、平均粒子径は平均粒子径(D50)を表し、動的光散乱法(DLS法)で測定される。
ここで、動的光散乱法(DLS法)による平均粒子径は、動的光散乱によって測定される体積基準の粒度分布における累積50%となる平均粒子径(D50)を意味する。溶液や懸濁液中でブラウン運動している粒子にレーザー光を照射すると、粒子からの散乱光には拡散係数に応じた揺らぎが生じる。大きな粒子は動きが遅いので散乱光強度の揺らぎは緩やかである。一方、小さな粒子は動きが速いので散乱光強度の揺らぎは急激に変化する。動的光散乱法では、この拡散係数を反映した散乱光の揺らぎを検出し、ストークス・アインシュタイン式等を利用して平均粒子径(D50)を測定する。
一実施形態に係る水性樹脂組成物におけるワックス粒子の平均粒子径は、380~5000nm、好ましくは400~3000nm、より好ましくは500~1000nmである。なお、平均粒子径は平均粒子径(D50)を表し、動的光散乱法(DLS法)で測定される。
水性樹脂組成物が、上記で規定された平均粒子径(D50)の範囲の樹脂粒子及びワックス粒子を含有することにより、樹脂粒子の層(以下、樹脂粒子層)に複数の凹部を形成することができる。艶消し効果は、樹脂粒子層に複数の凹部が形成されることにより発現する。
ここで、樹脂粒子層上に複数の凹部が形成されることによって艶消し効果が発現するメカニズムを、図1~図3を用いて説明する。図1(a)は、室温(23℃)乾燥時における水性樹脂組成物からなる層の断面図である。図1(b)は、ワックスの融点以上(一例として120℃)で乾燥してワックス粒子が溶融し樹脂粒子層の表面に薄い層として存在する状態の水性樹脂組成物からなる層の断面図である。図2は、室温(23℃)乾燥時の水性樹脂組成物からなる層のSEM画像を示す。図3は、高温(120℃)乾燥時の水性樹脂組成物からなる層のSEM画像を示す。
図1(a)は、ワックス粒子100と樹脂粒子層110を示す。なお、説明の容易化のために樹脂粒子層110の各粒子の図示を省略する。ワックス粒子100は樹脂粒子層110上に概ね均等に配置されるが、不均一に配置されていてもよい。なお、ワックス粒子100及び樹脂粒子層110は、図2のSEM画像中のワックス粒子200と樹脂粒子層210にそれぞれ対応する。SEM画像中のワックス粒子200は約1~3μmの粒子径を有する。図2では4つのワックス粒子200を図示しているが、樹脂粒子層210上に4つ以上のワックス粒子200が存在する。
図1(b)は、凹部120と凹部上面の直径130を示す。凹部120の断面形状は丸みを帯びた形状である。樹脂粒子層110は、複数の凹部120を有する。直径130は凹部120の上面の直径(矢印で図示)である。ワックスの融点以上の温度で水性樹脂組成物を加熱乾燥した際にワックス粒子100が溶融することで、樹脂粒子層110上にワックス粒子100の直径130に対応した穴が形成される。これにより、樹脂粒子層110に複数の凹部120を形成することができる。なお、樹脂粒子層110と凹部120は、図3のSEM画像中の樹脂粒子層310と凹部320(空洞部)にそれぞれ対応する。SEM画像中の凹部320は約1~3μmの直径を有する。図3では2つの凹部320を図示しているが、樹脂粒子層310上に2つ以上の凹部320が存在する。
図1(b)で複数の凹部120の直径は、ワックス粒子100の平均粒子径と同様であり、380~5000nm、好ましくは400~3000nm、より好ましくは500~1000nmである。凹部120の直径は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて、ワックスの融点以上の温度で加熱した後の水性樹脂組成物からなる層を観察することで求めた値である。塗装品の表面に可視光線が入射すると、樹脂粒子層110上の複数の凹部120内で可視光線が乱反射して反射光が減少するため、艶消し効果が生じる。
なお、複数の凹部120の直径が、可視光の波長域380~780nmよりも大きい場合、艶消し性がより向上する。以上の通り、樹脂粒子層110に複数の凹部120が形成されるため、本発明の水性樹脂組成物を塗装した塗装品の表面において艶消し効果(例えば、60度鏡面光沢度において低光沢度)が生じる。本発明の水性樹脂組成物によれば、艶消し性を向上させることができる。
一方で、樹脂粒子が規定の平均粒子径の範囲よりも大きい又は小さい平均粒子径を有する場合、樹脂粒子層110上に直径130を有する複数の凹部120を形成できないため、艶消し性が低下する。また、ワックス粒子100が規定の平均粒子径の範囲よりも大きい又は小さい平均粒子径を有する場合、樹脂粒子層110上に直径130を有する複数の凹部120を形成できないため、艶消し性が低下する。
一実施形態において、水性樹脂組成物は、樹脂粒子(A)100質量部に対してワックス粒子(B)5~200質量部を含有する。なお、質量部は、後述の実施例に記載の有効成分量に相当する。
(樹脂粒子(A))
樹脂粒子(A)は、エチレン性不飽和単量体、好ましくは(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を有する。なお、本明細書中において、「(メタ)アクリル」の文言には、「アクリル」及び「メタクリル」の両方の文言が含まれることを意味する。
(エチレン性不飽和単量体)
樹脂エマルション(A)は、エチレン性不飽和単量体を構成単位として含む。エチレン性不飽和単量体は、アクリル系単量体、アミド系単量体、スチレン系単量体、及びその他のエチレン性不飽和単量体を含む。
アクリル系単量体は、エチレン系不飽和カルボン酸単量体(単量体(a1))、エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体(単量体(a2))、エチレン系不飽和カルボン酸シクロアルキルエステル単量体(単量体(a3))、エチレン系不飽和ジカルボン酸のモノエステル単量体(単量体(a4))、ヒドロキシル基含有エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体(単量体(a5))、エチレン系不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル単量体(単量体(a6))、及び不飽和脂肪酸グリシジルエステル単量体(単量体(a9))を含む。
アミド系単量体は、エチレン系不飽和カルボン酸アミノアルキルアミド単量体(単量体(a7))及びアミド基含有エチレン系不飽和カルボン酸単量体(単量体(a8))を含む。
スチレン系単量体は、スチレン系単量体(単量体(a12))を含む。
その他のエチレン性不飽和単量体は、シアン化ビニル系単量体(単量体(a10))及び飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステル単量体(単量体(11))を含む。
一実施形態において、樹脂粒子(A)は、単量体(a1)を1質量部以上、1.5質量部以上、又は2質量部以上、及び、4質量部以下、3.5質量部以下、又は3質量部以下を含む。
一実施形態において、樹脂粒子(A)は、単量体(a2)を99質量部以下、98.5質量部以下、又は98質量部以下、及び、96質量部以上、96.5質量部以上、又は97質量部以上を含む。
一実施形態において、樹脂粒子(A)は、上記質量部の範囲の単量体(a1)及び単量体(a2)を単量体成分として含む共重合体である。なお、樹脂粒子(A)は、単量体(a12)を含む場合、耐候性の観点から単量体(a12)を30質量部以下で含んでよい。
単量体(a1)は、カルボキシ基を有する重合性単量体であり、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びイタコン酸等を含む。単量体(a1)は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
単量体(a2)は、炭素数が1~18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸iso-ブチル、(メタ)アクリル酸ter-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等を含む。単量体(a2)は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
単量体(a3)は、炭素数が1~18の環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、例えば、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ter-ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロオクチル、(メタ)アクリル酸シクロデシル、及び(メタ)アクリル酸シクロドデシル等を含む。単量体(a3)は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
単量体(a4)は、カルボキシ基を有する重合性単量体であり、例えば、マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、イタコン酸エチル、及びイタコン酸ブチル等を含む。単量体(a4)は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
単量体(a5)は、ヒドロキシ基を有する重合性単量体であり、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、及び(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルとε-カプロラクトンとの反応物等を含む。単量体(a5)は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
単量体(a6)は、アミノ基を有する重合性単量体であり、例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、及び(メタ)アクリル酸ブチルアミノエチル等を含む。単量体(a6)は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
単量体(a7)は、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なアミド系単量体であり、例えば、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、及びメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等を含む。単量体(a7)は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
単量体(a8)は、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なアミド系単量体であり、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、メトキシブチルアクリルアミド、及びジアセトンアクリルアミド等を含む。単量体(a8)は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
単量体(a9)は、エポキシ基を有する重合性単量体であり、例えば、アクリル酸グリシジル及びメタクリル酸グリシジル等を含む。単量体(a9)は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
単量体(a10)は、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体であり、例えば、(メタ)アクリロニトリル及びα-クロルアクリロニトリル等を含む。単量体(a10)は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
単量体(a11)は、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体であり、例えば、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等を含む。単量体(a11)は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
単量体(a12)は、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なスチレン系単量体であり、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、及びビニルトルエン等を含む。単量体(a12)は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
さらに、樹脂粒子(A)が含む単量体として、樹脂を架橋させ得る単量体が用いられてもよい。樹脂を架橋させ得る単量体は、例えば、重合性二重結合を2つ以上有する単量体であり、それらの1種又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。重合性二重合結合を2つ以上有する単量体は、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の重合性二重結合を2つ以上有する(メタ)アクリル系単量体、ジビニルベンゼン、及びジアリルフタレート等を含む。
(粒子径分布(D90/D10)
樹脂粒子(A)のD90/D10は、1.01~5.00、好ましくは1.01~4.00、より好ましくは1.01~3.00の範囲である。樹脂粒子(A)のD90/D10が上記の範囲内である場合、ワックス粒子(B)が樹脂粒子層上で規則的に配列されるため艶消し性が向上する。
粒子径分布とは、測定対象となるサンプル粒子群の中に、どのような大きさ(粒子径)の粒子が、どのような割合(全体を100%とする相対粒子量)で含まれているかを示す指標である。粒子量の基準(次元)として体積基準が用いられる。粒子径分布データは、粒子径(横軸)に対する頻度%又は累積%(縦軸)として表される。累積%の分布曲線が10%の横軸と交差するときの粒子径を10%粒子径(D10)という。また、累積%の分布曲線が50%の横軸と交差するときの粒子径を90%粒子径(D90)という。
ここで、粒子径分布における10%粒子径(D10)と90%粒子径(D90)を用いて、D90とD10との比率を求めることで粒子径分布の指標とすることができる。D90/D10の数値が1に近いほど粒子径分布がシャープであることを表す。一方で、D90/D10の数値が大きいほど粒子径分布がブロードであることを表す。
(ガラス転移温度(Tg))
樹脂粒子(A)のガラス転移温度(Tg)は、-50~100℃、好ましくは-30~90℃、より好ましくは-10~80℃である。ガラス転移温度(Tg)とは、物質がゴム状態からガラス状態になる境界温度のことをいう。
樹脂粒子(A)のTgは、単独の単量体からなる単独重合体(ホモポリマー)である場合、DSC測定による値である。また、樹脂のTgは、2種類以上の単量体からなる共重合体(コポリマー)である場合、上記の単独重合体の場合のTgを用いて、以下の式1(FOX式)から求められる理論値となる。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・Wn/Tgn (式1)
式1で、Tgは、n種類の単量体(単量体1~n)からなる各共重合体を含むガラス転移温度(単位:K)を表す。W1、W2、・・・Wnは、n種類の単量体の総質量に対する各単量体(1、2、・・・n)の質量分率を表す。Tg1、Tg2、・・・Tgnは、各単量体(1、2、・・・n)からなる単独重合体のガラス転移温度(単位:K)を表す。
後述の実施例で使用した単量体のTgを以下に示す。各単量体のTgを用いて、樹脂の共重合体のTgを求めた。
メチルメタクリレート(MMA):105℃
ブチルアクリレート(BA):-52℃
2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA):-70℃
アクリル酸(AAc):105℃
スチレン(ST):100℃
(コア・シェル構造)
樹脂粒子(A)は、コア部とシェル部とを有する形態であっても良い。樹脂粒子(A)がコア・シェル構造を有する場合、樹脂粒子層の成膜性、耐溶剤性、耐水性、及び機械的安定性がより向上する。水性樹脂組成物は、コア・シェル構造の樹脂粒子(A)を含む樹脂エマルションと、ワックス粒子(B)を含むワックスエマルションとを含有することにより、艶消し性を向上させることができる。
樹脂粒子(A)がコア部とシェル部とを有する場合、コア部とシェル部とが完全に相溶して、コア部とシェル部とを区別できない均質構造のものであってもよい。また、樹脂粒子(A)は、コア部とシェル部とが完全に相溶せずに不均質な状態であるコア・シェル複合構造及びミクロドメイン構造を有してもよい。特に、樹脂粒子(A)の特性の発現性、安定性及び製造の容易性の観点から、樹脂粒子(A)はコア・シェル複合構造であってもよい。
なお、コア・シェル複合構造において、コア部の表面がシェル部によって被覆された形態であってもよい。この場合、コア部の表面は、シェル部によって完全に被覆されていると良いが、完全に被覆されていなくてもよく、例えば、網目状に被覆されている形態及び所々においてコア部が露出している形態であってもよい。
(ワックス粒子(B))
ワックス粒子(B)に用いるワックスは、蜜蝋、カルナバワックス、キャンデリアワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の天然ワックス、及び、アマイドワックス、変性モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックスを含む。ワックスは、着色性及び融点の観点から、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びポリエチレンワックスが用いられ得る。なお、ワックスは、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
(融点)
ワックス粒子(B)の融点は、40~150℃、好ましくは50~120℃、より好ましくは60~100℃である。融点が40℃未満である場合、室温でワックスが液状となることから、塗装品の表面がべた付いた感触となる。塗装品とは、水性樹脂組成物が塗布された基材のことをいう。一方で、融点が150℃より高い場合、水性樹脂組成物の乾燥工程でワックスが溶融しづらくなり、樹脂粒子層上に複数の凹部が形成されなくなるため艶消し性が低下する。
(樹脂粒子(A)の重合方法)
樹脂粒子(A)は、溶液重合、塊状重合、乳化重合及び懸濁重合等により合成される。樹脂粒子(A)の粒子径の調整の容易性及び生産性の観点から、水性媒体中で乳化重合を行う方法が用いられるとよい。乳化重合の方法は、水性媒体、単量体成分、及び重合開始剤等を一括で混合して乳化重合する方法を含む。また、乳化重合の方法は、水性媒体及び単量体成分等を含有するプレエマルションを用いて乳化重合する方法を含む。
(溶剤)
水性媒体は、水、脱イオン水、又は、水及び水溶性有機溶媒(アルコール、ケトン、エーテル、ジメチルスルホキシド、及びジメチルホルムアミド等)からなる混合物の少なくともいずれかを含む。
一実施形態において、エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、溶剤を40~900質量部、好ましくは70~400質量部、より好ましくは100~230質量部で含有することができる。
(その他の添加剤)
水性樹脂組成物は、艶消し性等に対する要求性能に応じて、以下の種々の添加剤を更に含有してもよい。添加剤は、例えば、乳化剤、凝集助剤、凍結防止剤、硬化剤、緩衝剤、中和剤、増粘剤、保湿剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、UV吸収剤、蛍光増白剤、光又は熱安定剤、殺生物剤、キレート剤、分散剤、着色剤、撥水剤、有機又は無機顔料、増量剤、及び酸化防止剤等のコーティング補助剤を含む。
乳化剤は、樹脂エマルションを水性媒体中で合成する際に界面活性剤として使用される。乳化剤は、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤等を含む。樹脂エマルションの合成を促進する観点から、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及びアニオン性界面活性剤が用いられるとよい。乳化剤は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
アニオン性界面活性剤は、例えば、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム等の反応性アニオン性界面活性剤等を含む。
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン誘導体、及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテル等の反応性ノニオン性界面活性剤等を含む。
一実施形態において、水性樹脂組成物は、エチレン性不飽和単量体100質量部に対して乳化剤を0.1~20質量部、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは1~5質量部で含有してもよい。
増粘剤は、アルカリ可溶型増粘剤、ウレタン系会合型増粘剤、水溶性高分子系増粘剤、及びセルロース系又はタンパク質系等の天然系増粘剤等を含む。一実施形態において、水性樹脂組成物は、樹脂エマルション100質量部に対して増粘剤を0.1~10質量部、好ましくは0.3~8質量部、より好ましくは0.5~6質量部で含有してもよい。
中和剤は、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム及び炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、及びジエチレントリアミン等の有機アミン類等を含む。中和剤は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
樹脂エマルションを製造する際、単量体成分を重合させて樹脂エマルションを得た後、中和剤により樹脂エマルションを中和するとよい。樹脂エマルションがカルボキシ基を有する場合、そのカルボキシ基を塩基性の中和剤で中和するとよい。これにより、樹脂エマルションが安定化する。
ここで、樹脂エマルションのpHは、特に限定されないが、7.0~10.0、好ましくは7.5~9.5、より好ましくは8.0~9.0である。樹脂エマルションのpHは、JIS K6833-1:2008の規定に準拠して測定される値であり、25℃での値である。
一実施形態において、水性樹脂組成物は、樹脂エマルション100質量部に対して中和剤を0.01~10質量部、好ましくは0.05~5質量部、より好ましくは0.1~3質量部で含有してもよい。
湿潤剤は、有機変性ポリシロキサン等を含む。一実施形態において、水性樹脂組成物は、樹脂エマルション100質量部に対して湿潤剤を0.1~5質量部、好ましくは0.5~3質量部、より好ましくは1~2質量部で含有してもよい。
消泡剤は、シリコーン系消泡剤等を含む。一実施形態において、水性樹脂組成物は、樹脂エマルション100質量部に対して消泡剤を0.01~1質量部、好ましくは0.03~0.5質量部、より好ましくは0.05~0.1質量部で含有してもよい。
<塗装品及びその製造方法>
塗装品は、基材と、基材上に配置されたエチレン性不飽和単量体を構成単位として含む樹脂粒子の層と、を備える。以下、基材と、樹脂粒子の層について説明する。
(基材)
基材は、本発明に係る水性樹脂組成物が塗布される基材である。基材は、有機材料及び無機材料のいずれでもよい。有機材料は、プラスチック、樹脂、繊維、ゴム、木材、壁紙等を含む。無機材料は、ガラス、セラミックス、シリカ、金属等を含む。
プラスチックは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PETフィルム)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、及びポリイミド等を含む。
樹脂は、フッ素樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、ノルボルネン系樹脂、シクロオレフィン樹脂、及びトリアセチルセルロース(TAC)等を含む。
金属は、例えば、鉄、ステンレス等の鉄系金属、及び、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、それらの合金等の非鉄系金属を含む。鉄系金属は、冷延鋼板、熱延鋼板、及びステンレス鋼板等を含む。非鉄系金属は、アルミニウム鋼板、亜鉛鋼板、マグネシウム合金、アルミニウム-亜鉛合金、亜鉛-ニッケルメッキ鋼板、亜鉛-クロムメッキ鋼板、及び亜鉛-マグネシウムメッキ鋼板等を含む。
(樹脂粒子の層)
樹脂粒子の層は、本発明に係る水性樹脂組成物を硬化乾燥させた塗膜のことである。水性樹脂組成物の態様は、硬化乾燥前に液体状であり、硬化乾燥後に固体状である。基材の少なくとも一方の表面に塗布する水性樹脂組成物の塗工量は、乾燥後の樹脂粒子の層の厚さに応じた量であってよい。樹脂粒子の層の厚さは、0.1~300μm、好ましくは0.5~200μm、より好ましくは1~100μmである。
基材の少なくとも一方の表面に水性樹脂組成物を塗布する方法は、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を含む。上記の方法のいずれかにより水性樹脂組成物を基材に塗布して、塗膜を形成した後、40~150℃、好ましくは60~140℃、より好ましくは80~130℃で硬化乾燥する。乾燥時間は、ワックス粒子を十分に溶融させて樹脂粒子層に凹部を形成する観点から、30~300秒、好ましくは40~200秒、より好ましくは50~150秒である。
樹脂粒子の層の光沢度は、光沢計(コニカミノルタ(株)社製、装置名:GM-268plus)を用いて、JIS Z8741に準拠して測定される。層の表面に対し25°、60°、及び85°の角度で測定した光沢度は、Gs(25°)、Gs(60°)、及びGs(85°)で表される。一実施形態において、樹脂粒子の層の表面において60°鏡面光沢度が10%以下である。
以上の通り、本発明の塗装品では、Gs(60°)の光沢度を10%以下にすることができる。本発明の塗装品によれば、樹脂粒子の層の表面において優れた艶消し効果を発揮する。
<樹脂エマルションの製造>
以下、水性樹脂組成物に用いる樹脂エマルションの製造例について説明する。
(製造例1)
撹拌機、温度計、還流冷却器、及び滴下ロートを取り付けた四ツ口セパラブルフラスコに、脱イオン水265.2質量部、アニオン乳化剤としてポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸ナトリウム(商品名:Newcol707SF、日本乳化剤(株)製、不揮発分30質量%)0.4質量部(有効成分:0.12質量部)を加えて、混合物を撹拌しながら四ツ口セパラブルフラスコの内部温度を80℃まで昇温させた。
上記の混合物に加えるプレエマルションを以下の方法で調整した。表1に記載のモノマーの配合比率に基づいて、ブチルアクリレート(BA)140.0質量部、メチルメタクリレート(MMA)256.0質量部、及びアクリル酸(AAc)4.0質量部の単量体成分(総量400.0質量部)、架橋剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレート(商品名:ライトエステルTMP、共栄社化学(株)製、不揮発分:100質量%)2.0質量部、アニオン乳化剤としてNewcol707SF 26.3質量部(有効成分:7.9質量部)、及び脱イオン水202.3質量部を、ホモディスパーで乳化させ、プレエマルションを調製した。
次に、セパラブルフラスコの内部温度を80℃に維持しながら、四ツ口セパラブルフラスコ内の混合物(脱イオン水等)に、調製済みのプレエマルションを滴下ロートから3時間かけて均一に滴下し、これと同時に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液100.0質量部(有効成分:1質量部)を、3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、80℃で3時間熟成し、冷却後、25質量%アンモニア水2.3質量部を添加して中和した。pHを調整後、120メッシュのろ布を用いてろ過し、樹脂エマルション(A-1)を得た。なお、樹脂エマルション(A-1)のTg(理論値)は29.7℃、蒸発残分は40.0wt%(重量%)であった。
(重合温度及び重合時間)
樹脂粒子(A)を合成する際の重合温度、重合時間、重合開始剤、及び乳化剤等の重合条件は、公知の乳化重合の方法と同様であってよい。
例えば、重合温度及び重合時間は、単量体又は重合開始剤等の種類及び使用量等に応じて、適宜決定されてよい。例えば、重合温度は、20~100℃又は40~90℃である。重合時間は1~15時間である。さらに、上述のプレエマルションを重合開始剤に添加(滴下)する方法は、例えば、一括添加法、連続添加法、及び多段添加法等の方法であってよい。また、これらの添加方法を組み合わせた添加方法で樹脂エマルションを合成してもよい。
(重合開始剤)
重合開始剤は、例えば、過硫酸塩、有機過酸化物、過酸化水素等の過酸化物、及びアゾ化合物等を含む。重合開始剤は、上記のうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。また、過酸化物と併用したレドックス重合開始剤及び重合促進剤として1種又は2種以上の還元剤を用いることもできる。
過硫酸塩は、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウム等を含む。有機過酸化物は、例えば、過酸化ベンゾイル、ジラウロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル類、クメンハイドロパーオキサイド、及びt-ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等を含む。アゾ化合物は、例えば、2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩及び4,4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸)等を含む。還元剤は、例えば、アスコルビン酸及びその塩、酒石酸及びその塩、亜硫酸及びその塩、重亜硫酸及びその塩、チオ硫酸及びその塩、並びに鉄(II)塩等を含む。
(重合調整剤)
重合調整剤は、樹脂の分子量を調整するために用いられ、公知の連鎖移動剤である。連鎖移動剤は、例えば、ヘキシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、及びn-,又はt-ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類等を含む。
(製造例2~14)
表1は、製造例2~14のそれぞれで得られる樹脂エマルションA2~A14のモノマーの配合比率を示す。製造例2~14では、表1のモノマーの配合比率に基づいて、製造例1と同様の工程を行った。Haze(ヘイズ(%))は、JIS7361-1に準拠したヘイズメーター(日本電色工業社製、商品名:NDH5000)により測定された。なお、ST~AACの略語及び各単量体のTgを表1の下部に示す。
Figure 0007146160000002
※略語の説明とTg(℃)
メチルメタクリレート(MMA):105℃
ブチルアクリレート(BA):-52℃
2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA):-70℃
アクリル酸(AAc):105℃
スチレン(ST):100℃
<ワックスエマルションの詳細>
以下、水性樹脂組成物に用いるワックスエマルションの詳細について説明する。なお、表2に記載の各種ワックスは既にエマルションの状態であるため、製造方法の説明を省略する。表2の3種類のワックス(品名:サイビノール PN-3500、AQUACER 539、ケミパール W800)は、本発明で規定されるワックス粒子(B)の平均粒子径380~5000nmの範囲外の平均粒子径を有する。上記3種類のワックスは、実施例との比較を行うために、比較例1(PN-3500)、比較例2(AQUACER 539)、及び比較例7(ケミパール W800)に用いられた。
Figure 0007146160000003
<水性樹脂組成物の製造>
(実施例1)
表3に記載の原料配合量に基づいて、製造例1にて作製した樹脂エマルション(A-1)250質量部(有効成分:100質量部)、ワックス粒子(B)を含有したワックスエマルション(三井化学社製、商品名:ケミパールW900)125質量部(有効成分:50質量部)、増粘剤(ADEKA製、商品名:アデカノールUH-540)4.3質量部(有効成分:1.3質量部)、増粘剤(中部サイデン(株)製、商品名:バンスターS100)2.9質量部(有効成分:0.8質量部)、中和剤(25%アンモニア水)0.8質量部(有効成分:0.2質量部)、湿潤剤(サンノプコ(株)製、商品名:SNウェット125)0.5質量部、及び消泡剤(サンノプコ(株)製、商品名:ノプタム8034-LF)0.1質量部を混合して混合物を得た。混合物から固形分20wt%になるよう調整して、水性樹脂組成物(C-1)を得た。
上記で用いた増粘剤、湿潤剤、及び消泡剤の詳細は以下の通りである。
アデカノールUH-540:ウレタン会合型増粘剤、有効成分30%
バンスターS100:アルカリ溶解型増粘剤、有効成分28%
SNウェット125:シリコーン系湿潤剤、有効成分100%
ノプタム8034-LF:シリコーン系消泡剤、有効成分100%
(実施例2~9)
表3は、実施例1~9のそれぞれで得られた水性樹脂組成物の原料配合量を示す。実施例2~9は、表3の原料配合量に基づいて、実施例1と同様の工程を行うことにより、水性樹脂組成物C-1~C-9を得た。なお、A-1~A-14は、製造例1~14のそれぞれで得られた樹脂エマルションを示す。また、表中の数値は投入量(質量部)を表し、カッコ内は有効成分量を表す。
(比較例1~9)
表4は、比較例1~9のそれぞれで得られた水性樹脂組成物の原料配合量を示す。比較例1~9は、表4の原料配合量に基づいて、実施例1と同様の工程を行うことにより、水性樹脂組成物C-10~C-18を得た。ここで、比較例8及び比較例9は、ワックス粒子(B)を含有したワックスエマルションを含まず、ワックスエマルションの代替として艶消し剤(富士シリシア化学(株)製、商品名:サイリシア530、成分:粉末シリカ、平均粒子径2.7μm)を含む。なお、A1~A14は製造例1~14のそれぞれで得られた樹脂エマルションを示す。また、表中の数値は投入量(質量部)を表し、カッコ内は有効成分量を表す。
Figure 0007146160000004
Figure 0007146160000005
<水性樹脂組成物の性能評価>
以下の試験例1~試験例4を行い、水性樹脂組成物の性能評価を行った。
(試験例1 光沢度測定)
黒色のアクリル板(縦120mm×横100mm×厚さ2mm)の表面に、実施例1~9及び比較例1~9でそれぞれ得られた水性樹脂組成物を、バーコーター#10(4.6μm/dry)で塗布した。その後、アクリル板を100℃の雰囲気下で60秒乾燥することで試験片を作製した。
光沢計(コニカミノルタ(株)社製、装置名:GM-268plus)を用いて上記の試験片の光沢度を測定した(JIS Z8741に準拠)。試験片の表面に対し25°、60°、及び85°の角度で測定した光沢度は、Gs(25°)、Gs(60°)、及びGs(85°)で表される。なお、JIS規格では、以下のような艶消し性に関する評価基準が設けられている。
艶有:60度鏡面光沢度で90~100%程度
半艶消し:60度鏡面光沢度で30~70%程度
艶消し:60度鏡面光沢度で30%程度以下
(試験例2 保存安定性の確認)
蓋つきのガラスビンに水性樹脂組成物を充填し、50℃の雰囲気下で1週間放置した。1週間経過後、ガラスビンを室温まで放冷して、水性樹脂組成物の沈降(分離度)の有無を下記の4段階の評価基準に基づいて評価した。
◎:分離、沈降なし。
○:やや分離、沈降するが、軽く混ぜるだけで元に戻る。
△:2層に分離、沈降するが、かき混ぜると元に戻る。
×:2層に分離、沈降し、かき混ぜても元に戻らない。
(試験例3 耐擦性の確認)
厚さ75μmのPETフィルムの表面に、各実施例等で得られた水性樹脂組成物を、バーコーター#10(4.6μm/dry)で塗布した。PETフィルムを100℃の雰囲気下で60秒乾燥した後、23℃×50%RHの恒温恒湿室で1時間放冷した。その後、PETフィルムを縦250mm×横20mmのサイズに加工して試験片を得た。
学振型摩擦堅牢度試験機(大栄科学精器製作所(株)製)を用いて、試験片に対して200g荷重×50往復の摩擦を与えた。試験終了後、試験片の艶の変化、傷つき、剥がれについて下記の4段階の評価基準に基づいて評価した。
◎:試験前後の艶の変化率が5%未満、かつ、目立った傷つき、剥がれがない。
○:試験前後の艶の変化率が5%以上10%未満、かつ、目立った傷つき、剥がれがない。
△:試験前後の艶の変化率が10%以上、または、傷つき、剥がれがある。
×:試験前後の艶の変化率が10%以上、かつ、傷つき、剥がれがある。
(試験例4 耐候性試験)
黒色のアクリル板(縦120mm×横100mm×厚さ2mm)の表面に、各種実施例等で得られた水性樹脂組成物を、バーコーター#10(4.6μm/dry)で塗布した。黒色のアクリル板を100℃の雰囲気下で60秒乾燥して試験片を得た。
超促進耐候試験機(岩崎電気(株)製、装置名:アイスーパーUVテスター)を用いて、試験片の耐候性を確認した。試験条件は、4時間照射(紫外線照射度90mW、ブラックパネル温度63℃,70%RH)、4時間暗黒(ブラックパネル温度63℃,70%RH)、4時間結露(ブラックパネル温度30℃,90%RH)の12時間を1サイクルとし、10サイクルの試験を行った。試験終了後、試験片の塗膜の割れ、剥がれ、変色、艶の変化を目視によって観察し、以下の4段階の評価基準に基づいて評価した。
◎:試験前と比べて、大きな変化が見られない。
○:試験前と比べて、やや艶引けがある。
△:試験前と比べて、やや変色、割れ、剥がれ、艶引けがある。
×:試験前と比べて、著しい変色、割れ、剥がれ、艶引けがある。
実施例1~9の評価結果を表5に示す。比較例1~9の評価結果を表6に示す。
Figure 0007146160000006
Figure 0007146160000007
表5及び表6の結果から以下のことが判明した。実施例1は、全ての角度における光沢度において、比較例1(ワックス粒子(B)の平均粒子径0.2μmが規定値よりも小さい場合)よりも低光沢度となっていることが判明した。ここで、規定値は380~5000nmである。
実施例1は、全ての角度における光沢度において、比較例7(ワックス粒子(B)の平均粒子径8μmが規定値よりも大きい場合)よりも低光沢度となっていることが判明した。ここで、規定値は380~5000nmである。
実施例1は、全ての角度における光沢度において、比較例5(樹脂粒子(A)の平均粒子径1150nmが規定値よりも大きい場合)よりも低光沢度となっていることが判明した。ここで、規定値は25~1000nmである。
実施例1の光沢度が、比較例1、比較例5、及び比較例7の光沢度よりも低光沢度となった理由を以下に示す。規定された平均粒子径(D50)の範囲の樹脂粒子(A)及びワックス粒子(B)の各エマルションを水性樹脂組成物に含有させることにより、樹脂粒子の層に複数の凹部を形成することができるためであると推定される。また、実施例1と、比較例1、比較例5、及び比較例7との比較結果から判明したように、樹脂粒子(A)及びワックス粒子(B)の両方が規定された平均粒子径(D50)の範囲の平均粒子径を有していないと、樹脂粒子の層に複数の凹部を形成することができないものと考えられる。
以上の通り、本発明の水性樹脂組成物は、規定された平均粒子径(D50)の樹脂粒子を含む樹脂エマルションとワックス粒子を含むワックスエマルションを含有することにより、艶消し性を向上させる顕著な効果を有する。
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。

Claims (6)

  1. エチレン性不飽和単量体を構成単位として含む樹脂粒子を含む樹脂エマルションと、ワックス粒子を含むワックスエマルションと、を含み、
    前記樹脂粒子の平均粒子径は、25~1000nmであり、
    前記ワックス粒子の平均粒子径は、380~5000nmであり、
    前記樹脂粒子の粒子径分布(D90/D10)は、1.01~5.00であり、
    前記ワックス粒子の融点は、前記樹脂粒子の融点よりも低く、
    前記樹脂粒子のガラス転移温度は、-50~100℃であり、
    ここで、前記ワックス粒子の融点は、前記ワックス粒子を示差走査熱量測定(DSC)することで求められる温度であり、
    前記樹脂粒子の融点は、前記樹脂粒子を示差走査熱量測定(DSC)することで求められる温度であり、
    前記樹脂粒子のガラス転移温度は、前記樹脂粒子を構成するそれぞれの単量体のみからなるそれぞれの単独重合体のガラス転移温度とFOX式に基づいて求められる温度である、
    ことを特徴とする水性樹脂組成物。
  2. 前記樹脂粒子100質量部に対して、前記ワックス粒子5~200質量部を含有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の水性樹脂組成物。
  3. 前記ワックス粒子の融点は、40~150℃である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の水性樹脂組成物。
  4. 前記エチレン性不飽和単量体は、アクリル系単量体、スチレン系単量体、及びアミド系単量体の少なくともいずれかを含む、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の水性樹脂組成物。
  5. 前記ワックス粒子は、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びポリエチレンワックスの少なくともいずれかを含む、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の水性樹脂組成物。
  6. 基材上に請求項1から5のいずれか一項に記載の水性樹脂組成物を塗布することと、
    前記水性樹脂組成物が塗布された前記基材を、前記ワックス粒子の融点以上前記樹脂粒子の融点未満の温度で加熱することを含む、
    ことを特徴とする塗装品の製造方法。
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