JP4567214B2 - 管継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給水、給湯、冷温水配管等に使用されるステンレス鋼管、銅管等の金属管をその端部に拡管加工により形成された環状突出部を利用して接続するために用いる管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の管継手として、実開昭63−145089号公報、特開平10−318459号公報等に記載されているような構成が知られている。これらの従来例について概略説明すると、薄肉のステンレス鋼管の端部に拡管加工により断面において、山型、若しくは円弧状の環状突出部が形成されている。継手本体の端部内側には環状のシール材収容凹所が形成され、このシール材収容凹所にシール材が収容されている。そして、ステンレス鋼管の端部が継手本体の内部に挿入され、継手本体の端部外周に形成された雄ねじ部にステンレス鋼管に嵌合されているナットの雌ねじ部が螺合され、ナットの内側に形成されている係合部によりステンレス鋼管の環状突出部における管端に対する離隔側部が加圧されてステンレス鋼管が前進される。これに伴い、ステンレス鋼管の環状突出部における管端側部でシール材の内側面を加圧し、シール材を継手本体のシール材収容凹所とステンレス鋼管の環状突出部との間に圧縮状態に介在させ、ステンレス鋼管をシール状態で接続するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のような従来例の構成では、ステンレス鋼管の環状突出部における管端に対する離隔側部をナットの係合面で押圧してステンレス鋼管を前進させながらナットの雌ねじ部を継手本体の雄ねじ部に螺合するため、ナットとステンレス鋼管の環状突出部との摩擦抵抗によってステンレス鋼管がナットの回転方向に共回りするおそれがある。この共回りが発生すると、ステンレス鋼管の環状突出部で圧縮されるシール材および継手本体がステンレス鋼管と一体に回転し、継手本体の他側に既に前記と同様にしてステンレス鋼管をナットで接続している場合には、このナットが継手本体に対して緩んでしまうことがあり、接続の信頼性に劣る。また、シール材がステンレス鋼管の環状突出部との摩擦抵抗により損傷するおそれがあり、この点においても接続の信頼性に劣る。
【0004】
本発明の目的は、前記のような従来例の問題を解決するものであって、ナットにより金属管を継手本体にシール状態で接続する際、金属管がナットと共回りするのを防止することができ、したがって、継手本体の他側に螺合されているナット等が緩んだり、シール材が損傷するのを防止することができて接続の信頼性を向上させることができるようにした管継手を提供しようとするものである。
【0005】
本発明の他の目的は、ナットと金属管の共回りを防止する滑り部材がナットから脱落し、更には紛失するのを防止することができ、したがって、作業現場における接続作業を簡単に、かつ迅速に行うことができるようにした管継手を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一形態にかかる管継手は、管端側から離隔側に至るに従い、次第に大径となり、大径部に続いて次第に小径となる環状突出部を有する金属管を接続する管継手であって、端部外周に雄ねじ部を有する継手本体と、前記金属管の外周に嵌合され、前記継手本体の雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有するナットと、前記ナットの内側において管挿入方向の前方に解放された滑り部材収容凹所にナットと一体に前進し得るように設けられ、内側に前端側から後端側へ向かって次第に小径となるようなテーパ状の係合面を有するとともに、その外側と後端側が滑り部材収容凹所に支持され、ナットの雌ねじ部を前記継手本体の雄ねじ部に螺合することにより、前記金属管の環状突出部における管端に対する離隔側部を加圧して前記金属管を前進させる樹脂製の滑り部材と、継手本体の内側面に形成されるシール収容凹所に嵌合され、前記金属管の前進に伴い、少なくとも前記継手本体と前記金属管の環状突出部における管端側部との間に圧縮状態で介在され、その外側と管端側とがシール収容凹所に支持される、シール材とを備え、前記管の外側においてナットと継手本体とを羅合した際に、管の外側であって環状突出部の管端側にシール材が、管の外側であって環状突出部の離隔側に滑り部材が、当接され、ナットと継手本体との羅合による軸方向の圧縮力によって、シール収容凹所において内側及び離隔側に押されることにより、シール材が環状突出部の管端側に対して圧接されることを特徴とする。
【0007】
前記課題を解決するために本発明の他の管継手は、前記管継手において、前記継手本体における雄ねじ部の終端部に嵌合され、前記ナットの手締めを妨げ、前記ナットの工具による本締めの際には変形する突出部を有し、前記ナットの工具による本締めの際、前記ナットの先端部内側に隠されるストップリングを備えたものである。
【0008】
前記各管継手において、前記滑り部材を前記ナットに接着により一体的に設けることができ、または前記滑り部材を前記ナットの溝状の収容凹所に嵌合して前記ナットに保持させることができ、または前記滑り部材を前記ナットの溝状の収容凹所に嵌合するとともに接着して前記ナットと一体的に設けることができる。
【0009】
前記滑り部材としては、連続するリング状に連続したもの、または1箇所に切り離し部を有し、外力により弾性変形して径が縮小され、外力が除かれることにより径が拡大するように復元されるリング状に形成したものを用いることもできる。
【0010】
前記各管継手において、前記継手本体が、端部の拡開部にシール材収容凹所を有し、このシール材収容凹所にシール材を収容し、前記ナットの雌ねじ部を前記継手本体の雄ねじ部に螺合して前記ナットの内側の滑り部材により前記金属管の環状突出部における管端に対する離隔側部を加圧することにより、前記環状突出部における管端側部を前記シール材に加圧するとともに、前記継手本体の拡開部における基端部に加圧するように構成することができる。
【0011】
前記のように構成された本発明によれば、金属管の端部を継手本体に挿入し、金属管に嵌合しているナットの雌ねじ部を継手本体の雄ねじ部に螺合し、ナットの内側に設けている滑り部材を介して金属管の環状突出部における管端に対する離隔側部を加圧して金属管を前進させ、これに伴い、少なくとも継手本体と金属管の環状突出部における管端側部とでシール材を加圧し、金属管と継手本体とをシール状態で接続することができる。このように、端部に環状突出部を有する金属管をナットにより継手本体にシール状態で接続する際、滑り部材を介して金属管を継手本体に対して前進させるので、金属管がナットと共回りするのを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る管継手を示し、接続前の状態の要部断面図、図2は同管継手を示し、接続後の状態の要部断面図、図3(a)、(b)はそれぞれ同管継手に用いる滑り部材を示す正面図、右側面図、図4(a)、(b)はそれぞれ同管継手に用いるストップリングを示す正面図、右側面図である。
【0013】
本実施形態においては、金属管として薄肉のステンレス鋼管を用い、このステンレス鋼管と管継手を接続する例を示し、図1、図2においては、一方のステンレス鋼管を継手本体の一側に接続する状態を示し、他方のステンレス鋼管を継手本体の他側に接続する状態を図示省略している。
【0014】
図1および図2に示すように、薄肉のステンレス鋼管1に管端よりやや内方に位置して拡管加工により環状突出部2が形成される。その一例として、ステンレス鋼管1の端部内側に環状でゴム製の拡管部材が挿入され、この拡管部材が外周方向へ膨張されることにより、ステンレス鋼管1が均一な圧力で拡管加工される。このような拡管加工により環状突出部2は管端側から離隔側に至るに従い、次第に大径となり、大径部に続いて次第に小径となる断面円弧状に形成されている。
【0015】
継手本体3はステンレス等の金属製で、端部の挿入部4がステンレス鋼管1における環状突出部2の先方を挿入することができる内径に形成され、挿入部4の基部は小径に形成されてステンレス鋼管1の過剰な挿入を規制するストッパ部5として形成され、挿入部4の先方内側にステンレス鋼管1の環状突出部2における管端側を挿入することができるように先端側に至るに従い、次第に大径となるテーパー状に傾斜する拡開部6が形成され、この拡開部6における挿入部4側寄り位置にシール材収容凹所7が形成されている。この収容凹所7は、図示例では環状溝として形成され、シール材であるOリング8が離脱防止された係合状態で収容されている。そして、Oリング8は収容凹所7に収容された状態で、その内径寸法が接続されるステンレス鋼管1の拡管加工される前の外径より大きくなるように設定されている。継手本体3の端部外周面には雄ねじ部9が形成されている。継手本体3には雄ねじ部9の終端および中間部の鍔部10に隣接して環状の収容溝11が形成されている。
【0016】
ナット12としては、基部内側が小径となり、中間部内側が中間径となり、先端部内側が大径となるステンレス等の金属製の袋ナット(ユニオンナット)が用いられている。ナット12の基部内側には環状収容凹所13が形成され、この収容凹所13は前方が開放され、軸心とほぼ平行な環状穴壁から成る段差部14と、この段差部14と直角方向で内方に突出する係合部15とにより形成されている。ナット12の中間部内側には継手本体3の雄ねじ部9に螺合し得る雌ねじ部16が形成され、ナット12の先端部は外被筒17として形成されている。ナット12における基部と中間部との間、中間部と先端部との間にはそれぞれ軸心と直角方向の面から成る当接面18、押圧面19が形成されている。
【0017】
滑り部材20は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)、PFA(パーフロロアルコキシ樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の低摩擦係数の合成樹脂等から成り、図1ないし図3に示すように、全体として連続するリング状に形成され、外周面が軸心とほぼ平行な環状面となり、後端面が軸心とほぼ直角方向の面となり、内側が前端から後端側へ向かって次第に小径となるようなテーパー状の係合面21に形成され、係合面21の後側が軸心とほぼ平行な面となるように形成されている。この滑り部材20はナット12の収容凹所13に収容され、外周面が段差部14に接着剤22により接着され、後端面が係合部15に係合され、ナット12と一体的に前進されるようになっている。これらナット12および滑り部材20がステンレス鋼管1の外周に軸方向に沿って移動可能に遊合状態で嵌合されるようになっている。
【0018】
色付きのストップリング23は、ポリアセタール樹脂等から成り、特に、図4(a)、(b)から明らかなようにリング状部24の一側外周にほぼ等角度間隔で軸心方向に突出する突出部25が一体に設けられ、リング状部24の1箇所が切り離し部26により切り離され、外力により弾性変形されて径が拡大され、外力が除かれることにより径が縮小するように復元されるようになっている。このストップリング23はそのリング状部24が継手本体3の収容溝11に収められ、突出部25が雄ねじ部9における収容溝11側寄りの外周において、雄ねじ部9とに隙間を存して嵌合されている。このとき、ストップリング23は前記のように切り離し部26により拡開し得るので、そのリング状部24を雄ねじ部9に容易に通過させて収容溝11に容易に収容することができる。
【0019】
そして、ナット12をステンレス鋼管1に嵌合した状態で、その雌ねじ部16を継手本体3の雄ねじ部9に螺合することにより、滑り部材20における傾斜した係合面21によりステンレス鋼管1の環状突出部2における管端に対する離隔側部を加圧してステンレス鋼管1を前進させることができる。これに伴い、ステンレス鋼管1の環状突出部2における管端側部をOリング8に圧接させてOリング8を収容凹所7の底部側へ加圧させ、Oリング8を収容凹所7の底部と環状突出部2における管端側部とで継手本体3およびステンレス鋼管1の軸心に対して傾斜方向で圧縮させることができるようになっている。
【0020】
また、ナット12の継手本体3に対する締め込みに際し、手締めの場合には押圧面19がストップリング23の突出部25に当接した状態から突出部25が変形されず、すなわち、ナット12および滑り部材20によりステンレス鋼管1を前進させることができず、工具による本締めの場合には押圧面19によりストップリング23の突出部25を変形させることができる、すなわち、ナット12および滑り部材20によりステンレス鋼管1を前記のように前進させることができるように設定されている。この変形した突出部25はナット12の外被筒17の内側に隠蔽されるようになっている。また、ナット12および滑り部材20により前記のようにステンレス鋼管1を前進させ、Oリング8を圧縮させた連続状態で環状突出部2の管端側部における基部が継手本体3の挿入部4と拡開部6との角部に27に加圧状態で当接され、ナット12の当接部18が継手本体3の先端面に当接されるようになっている。
【0021】
以上の構成において、以下、ステンレス鋼管1と継手本体3との接続動作について説明する。まず、図1に示すように、ステンレス鋼管1に、1個、若しくは2個のナット12および滑り部材20を嵌合し、ステンレス鋼管1の一端部、若しくは両端部において、管端よりやや内方に位置して前記のように管径を拡開する拡管加工を行い、断面円弧状の環状突出部2を形成する。次に、ステンレス鋼管1における環状突出部2の先方を継手本体3の挿入部4に挿入する。次に、ステンレス鋼管1に嵌合してあるナット12を滑り部材20と共に手で回してナット12の雌ねじ部16を継手本体3の雄ねじ部9に螺合し、雌ねじ部16の先端外周側に位置する押圧面19をストップリング23の突出部25の先端面に当接させる。
【0022】
次に、工具を用いてナット12を滑り部材20と共に図2に示すように締め込んで、ナット12の押圧面19によりストップリング23の突出部25を押圧して押し潰しながら滑り部材20の係合面21によりステンレス鋼管1の環状突出部2における管端に対する離隔側部を押圧してステンレス鋼管1を前進させる。ステンレス鋼管1の前進に伴い、ステンレス鋼管1の環状突出部2における管端側部でOリング8を収容凹所7の底部に対して加圧し、環状突出部2における管端側の基部を継手本体3の角部27に圧接する。ここで、環状突出部2における管端側部のOリング8に対する摩擦抵抗と角部27に対する摩擦抵抗との和が滑り部材20の係合面21と環状突出部2における管端に対する離隔側部との摩擦抵抗より大きくなるように設定しておくことにより、ナット12を滑り部材20と共に回転させてナット12を継手本体3に締め付ける際にステンレス鋼管1の共回りを防止することができる。
【0023】
このようにしてナット12における当接面18が継手本体3の先端面に当接するまでナット12の雌ねじ部16を継手本体3の雄ねじ部9に螺合することにより、ステンレス鋼管1の環状突出部2における管端側部と収容凹所7の底部とでOリング8を継手本体3およびステンレス鋼管1の軸心に対する傾斜方向で圧縮させるので、継手本体3とステンレス鋼管1とを完全なシール状態に接続し、ステンレス鋼管1内を流れる流体の漏洩が防止することができる。このようにステンレス鋼管1と継手本体3を接続した際、Oリング8は収容凹所7の底部と環状突出部2における管端側部のほぼ二面で強く圧接されるので、Oリング8の圧縮永久歪が小さく、復元性を十分に備えることができ、したがって、ステンレス鋼管1と継手本体3との間のシールを半永久的に確保することができ、極めてシール性に優れる。
【0024】
また、ステンレス鋼管1と継手本体3との接続作業において、ナット12の締め込みが確実に行われ、接続されたか否かについては、色付きのストップリング23の平行な突出部25が図2に示すようにナット12の押圧面19により押し潰され、かつ外被筒17の内側に隠蔽されて見えなくなることにより、ナット12の締め込みが確実に行われ、確実に接続されたことを確認することができる。
【0025】
継手本体3に拡管加工されていないステンレス鋼管1が作業者の不注意によって配管施工されたとしても、前記のようにOリング8の内周と拡管加工されていないステンレス鋼管1の外周との間には隙間があるので(図1参照)、配管施工後の水圧試験時に水漏れが発生するので、直ちに手直し工事で修理することができる。
【0026】
そして、配管施工後、水圧(空圧)試験を行ってステンレス鋼管1と継手本体3との接続部のシール検査を行うと、前記のように完全なシール状態で接続されている場合には、水(空気)漏れしないが、万一、ナット12の締め忘れ等の不備があった場合には、図1に示すOリング8の内周面とステンレス鋼管1の外周面との隙間を通って外部に水(空気)が漏れるので、配管接続の不備を発見でき、完全な配管接続を行うことができる。
【0027】
前記第1の実施形態においては、滑り部材20をナット12の収容凹所13に接着により一体的に設けているので、ナット12にステンレス鋼管1を挿通させる際、滑り部材20がナット12より脱落して紛失するのを防止することができ、したがって、配管作業を円滑に、かつ迅速に行うことができる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は本発明の第2の実施形態に係る管継手を示し、接続前の状態の要部断面図、図6は同管継手を示し、接続後の状態の要部断面図、図7(a)、(b)はそれぞれ同管継手に用いる滑り部材を示す正面図、右側面図である。
【0029】
本実施形態においては、前記第1の実施形態とは滑り部材20をナット12に一体的に設ける構成において差異を有し、その他の構成においては同じであるので、同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略し、主として異なる構成について説明する。
【0030】
本実施形態においては、図5ないし図7に示すように、ナット12の基部内側に環状溝からなる収容凹所28が形成されている。一方、滑り部材29は、低摩擦係数の合成樹脂から成り、全体としてリング状に形成されるが、1箇所に切り離し部30を有し、外力により弾性変形して径が縮小され、外力が除かれることにより径が拡大するように復元される構成となっている。この滑り部材29は、その外周面と前端面と後端面とが収容凹所28の形状に適合し得るように形成され、内側が前端から後端側へ向かって次第に小径となるようなテーパー状の係合面31に形成され、係合面31の後側が軸心とほぼ平行な面となるように形成されている。この滑り部材29は、外力による弾性変形により径が縮小され、ナット12の収容凹所28にその前側の低い突出部側から挿入され、外力が除かれることにより収容凹所28内で拡開されて離脱しないように保持されている。
【0031】
そして、ナット12および滑り部材29をステンレス鋼管1に遊合状態に嵌合した状態で、ナット12の雌ねじ部16を継手本体3の雄ねじ部9に螺合することにより、滑り部材29における傾斜した係合面31によりステンレス鋼管1の環状突出部12における管端に対する離隔側部を加圧してステンレス鋼管1を前進させ、前記第1の実施形態と同様に、継手本体3とステンレス鋼管1とをシール状態で接続することができる。
【0032】
本実施形態においても、環状突出部2における管端側部のOリング8に対する摩擦抵抗と角部27に対する摩擦抵抗との和が滑り部材29の係合面31と環状突出部2における管端に対する離隔側部との摩擦抵抗より大きくなるように設定しておくことにより、ナット12を回転させてナット12を継手本体3に締め付ける際にステンレス鋼管1の共回りを防止することができる。そして、特に、本実施形態のように滑り部材29をナット12における環状溝から成る収容凹所28に収容してナット12に保持することにより、滑り部材29がナット12に対して回転し得るので、ステンレス鋼管1の環状突出部2における管端に対する離隔側がナット12の継手本体3に対する締め付け時に滑り部材29を介して押圧する際の摩擦抵抗を更に一層、小さくすることができる。
【0033】
なお、前記第1の実施形態においても滑り部材20を前記第2の実施形態と同様、1箇所に切り離し部を有するように構成することができる。また、第1、第2の実施形態のいずれにおいても滑り部材20、28を二つ割等の割型に構成することもできる。また、第2の実施形態における滑り部材29は環状溝からなる収容凹所28に収容するとともに接着によりナット12と一体的に設けることもできる。また、滑り部材29を分割することなく、環状に形成することもでき、この場合、例えば、収容凹所28を形成する壁部の一方をナット12に螺着するようにすれば、滑り部材29を収容凹所28に簡単に収容することができる。また、前記第1の実施形態における滑り部材20は収容凹所13に接着することなく、単に収容してもよい。また、ステンレス鋼管1の環状突出部2における管端側部とシール材との摩擦抵抗を環状突出部2における管端に対する離隔側部と滑り部材20、28との摩擦抵抗より大きくなるように設定することにより、環状突出部2における管端側部を継手本体3の角部27に圧接させなくてもよい。更に、Oリング8等のシール材は先端側を開放した収容凹所に収容し、このシール材をステンレス鋼管1の環状突出部2のみでなく、ナット12の当接面18により加圧することもできる。このほか、本発明は、その基本的技術思想を逸脱しない範囲で種々設計変更することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、金属管の端部を継手本体に挿入し、金属管に嵌合しているナットの雌ねじ部を継手本体の雄ねじ部に螺合し、ナットの内側に設けている滑り部材を介して金属管の環状突出部における管端に対する離隔側部を加圧して金属管を前進させ、これに伴い、少なくとも継手本体と金属管の環状突出部における管端側部とでシール材を加圧し、金属管と継手本体とをシール状態で接続することができる。このように、端部に環状突出部を有する金属管をナットにより継手本体にシール状態で接続する際、滑り部材を介して金属管を継手本体に対して前進させるので、金属管がナットと共回りするのを防止することができる。したがって、継手本体の他側に螺合されているナット等が緩んだり、シール材が損傷するのを防止することができて接続の信頼性を向上させることができる。
【0035】
また、滑り部材をナットに一体的に設け、若しくは離脱防止可能に保持することにより、ナットに金属管を挿通させる際に滑り部材の脱落、紛失を防止することができ、したがって、接続作業を円滑に、かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る管継手を示し、接続前の状態の要部断面図である。
【図2】同管継手を示し、接続後の状態の要部断面図である。
【図3】(a)、(b)はそれぞれ同管継手に用いる滑り部材を示す正面図、右側面図である。
【図4】(a)、(b)はそれぞれ同管継手に用いるストップリングを示す正面図、右側面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る管継手を示し、接続前の状態の要部断面図である。
【図6】同管継手を示し、接続後の状態の要部断面図である。
【図7】(a)、(b)はそれぞれ同管継手に用いる滑り部材を示す正面図、右側面図である。
【符号の説明】
1 ステンレス鋼管(金属管)
2 環状突出部
3 継手本体
8 Oリング(シール材)
12 ナット
13 収容凹所
20 滑り部材
21 係合面
23 ストップリング
28 収容凹所
29 滑り部材
31 係合面
Claims (8)
- 管端側から離隔側に至るに従い、次第に大径となり、大径部に続いて次第に小径となる環状突出部を有する金属管を接続する管継手であって、
端部外周に雄ねじ部を有する継手本体と、
前記金属管の外周に嵌合され、前記継手本体の雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有するナットと、
前記ナットの内側において管挿入方向の前方に解放された滑り部材収容凹所にナットと一体に前進し得るように設けられ、内側に前端側から後端側へ向かって次第に小径となるようなテーパ状の係合面を有するとともに、その外側と後端側が滑り部材収容凹所に支持され、ナットの雌ねじ部を前記継手本体の雄ねじ部に螺合することにより、前記金属管の環状突出部における管端に対する離隔側部を加圧して前記金属管を前進させる樹脂製の滑り部材と、
継手本体の内側面に形成されるシール収容凹所に嵌合され、前記金属管の前進に伴い、少なくとも前記継手本体と前記金属管の環状突出部における管端側部との間に圧縮状態で介在され、その外側と管端側とがシール収容凹所に支持される、シール材とを備え、
前記管の外側においてナットと継手本体とを羅合した際に、管の外側であって環状突出部の管端側にシール材が、管の外側であって環状突出部の離隔側に滑り部材が、当接され、
ナットと継手本体との羅合による軸方向の圧縮力によって、シール収容凹所において内側及び離隔側に押されることにより、シール材が環状突出部の管端側に対して圧接されることを特徴とする管継手。 - 継手本体における雄ねじ部の終端部に嵌合され、ナットの手締めを妨げ、前記ナットの工具による本締めの際には変形する突出部を有し、前記ナットの工具による本締めの際、前記ナットの先端部内側に隠されるストップリングを備えた請求項1記載の管継手。
- 滑り部材がナットに接着により一体的に設けられた請求項1または2記載の管継手。
- 滑り部材がナットの溝状の収容凹所に嵌合されてナットに保持された請求項1または2記載の管継手。
- 滑り部材がナットの溝状の収容凹所に嵌合されるとともに接着されてナットと一体的に設けられた請求項1または2記載の管継手。
- 滑り部材が連続するリング状に形成された請求項1ないし5のいずれかに記載の管継手。
- 滑り部材が1箇所に切り離し部を有し、外力により弾性変形して径が縮小され、外力が除かれることにより径が拡大するように復元されるリング状に形成された請求項1ないし5のいずれかに記載の管継手。
- 継手本体が、端部の拡開部にシール材収容凹所を有し、このシール材収容凹所にシール材が収容され、ナットの雌ねじ部が前記継手本体の雄ねじ部に螺合されて前記ナットの内側の滑り部材により金属管の環状突出部における管端に対する離隔側部を加圧することにより、前記環状突出部における管端側部を前記シール材に加圧するとともに、前記継手本体の拡開部における基端部に加圧するように構成された請求項1ないし6のいずれかに記載の管継手。
Priority Applications (1)
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