JP4565844B2 - アクティブマトリクス型発光表示パネルの駆動装置 - Google Patents

アクティブマトリクス型発光表示パネルの駆動装置 Download PDF

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Description

この発明は、画素を構成する発光素子を例えばTFT(Thin Film Transistor)によってアクティブ駆動させる表示パネルの駆動装置に関し、特に前記発光素子に対して効果的に逆バイアス電圧を加えることができるアクティブマトリクス型表示パネルの駆動装置に関する。
発光素子をマトリクス状に配列して構成される表示パネルを用いたディスプレイの開発が広く進められており、このような表示パネルに用いられる発光素子として、例えば有機材料を発光層に用いた有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子が注目されている。これはEL素子の発光層に、良好な発光特性を期待することができる有機化合物を使用することによって、実用に耐えうる高効率化および長寿命化が進んだことも背景にある。
かかる有機EL素子を用いた表示パネルとして、EL素子を単にマトリクス状に配列した単純マトリクス型表示パネルと、マトリクス状に配列したEL素子の各々に、前記したTFTからなる能動素子を加えたアクティブマトリクス型表示パネルが提案されている。後者のアクティブマトリクス型表示パネルは、前者の単純マトリクス型表示パネルに比べて、低消費電力化を実現することができ、また画素間のクロストークが少ない等の特質を備えており、特に大画面を構成する高精細度のディスプレイに適している。
図1は、従来のアクティブマトリクス型表示パネルにおける1つの画素10に対応する基本的な回路構成の一例を示したものであり、この回路構成はコンダクタンスコントロール駆動方式と呼ばれている。図1においてTFTにより構成されたNチャンネル型走査選択用トランジスタTr1のゲートは、走査選択線(走査ラインA1 )に接続され、ソースSはデータ線(データラインB1 )に接続されている。また、この走査選択用トランジスタTr1のドレインDは、Pチャンネル型点灯駆動用トランジスタTr2のゲートGに接続されると共に、電荷保持用キャパシタC1 の一方の端子に接続されている。
前記点灯駆動用トランジスタTr2のソースSはキャパシタC1 の他方の端子に接続されると共に、パネル内に形成された共通陽極11に接続されている。また点灯駆動用トランジスタTr2のドレインDは、有機EL素子E1 のアノード端子に接続され、この有機EL素子E1 のカソード端子は、パネル内に形成された例えば基準電位点(グランド)を構成する共通陰極12に接続されている。
図2は、図1に示した各画素10をマトリクス状に配列した表示パネル15を模式的に示したものであり、各走査ラインA1 〜An と、各データラインB1 〜Bm との交差位置の各々において、図1に示した回路構成の各画素10がそれぞれ形成されている。そして、前記した構成においては、点灯駆動用トランジスタTr2の各ソースSが図2に示された共通陽極11にそれぞれ接続され、各EL素子E1 のカソード端子が同じく図2に示された共通陰極12にそれぞれ接続された構成とされている。そして、この回路において発光制御を実行する場合においては、スイッチ16が図に示すようにグランドに接続される状態になされ、これにより共通陽極11に対して電圧源+VD が供給される。
この状態において、図1に示す走査選択用トランジスタTr1のゲートGに走査ラインを介してオン電圧Selectが供給されると、トランジスタTr1はソースSに供給されるデータラインからのデータ電圧Vdata に対応した電流を、ソースSからドレインDに流す。したがって、トランジスタTr1のゲートGがオン電圧の期間に、前記キャパシタC1 が充電され、その電圧がトランジスタTr2のゲートGに供給されて、トランジスタTr2にはそのゲート電圧とソース電圧(Vgs)に基づいた電流を、ドレインDからEL素子E1 に流し、EL素子E1 を発光させる。
また、走査選択用トランジスタTr1のゲートGがオフ電圧になると、トランジスタTr1はいわゆるカットオフとなり、トランジスタTr1のドレインDは開放状態となるものの、点灯駆動用トランジスタTr2はキャパシタC1 に蓄積された電荷によりゲートGの電圧が保持され、次の走査まで駆動電流を維持し、EL素子E1 の発光も維持される。
ところで有機EL素子は、電気的にはダイオード特性を有する発光エレメントと、これに並列に接続された静電容量(寄生容量)を有しており、このダイオード特性の順方向電流にほぼ比例した強度で発光することが知られている。また、前記したEL素子においては、発光に関与しない逆方向の電圧(逆バイアス電圧)を逐次印加することで、EL素子の発光寿命を延ばすことができることが知られている(例えば特許文献1参照)。また、前記したEL素子においては、素子に逆バイアス電圧を印加することで、当該素子のリーク現象を自己リペアさせることができることも知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2002−169510号公報(段落0012および図2) 特開2001−117534号公報(段落0023〜0025および図8)
特許文献2には、前記した共通陽極11と、共通陰極12との間に逆バイアス電圧を印加することが示されている。既に説明した図2は前記特許文献2に示されたものであり、この図2における電圧源+VB は、前記した逆バイアス電圧を印加する時に利用される。すなわち、逆バイアス電圧を印加する場合には、スイッチ16は電圧源+VB 側に切り換えられる。ここで、前記した+VD と+VB との関係は、+VD <+VB になされており、したがって、前記スイッチ16の切り換えにより、VB −VD の逆バイアス電圧が共通陰極12と共通陰極11との間に印加される。したがって、図1に示すEL素子E1 には、点灯駆動用トランジスタTr2のドレインとソース間を介して逆バイアス電圧が印加されることになる。
前記した特許文献1および特許文献2に開示された逆バイアス印加手段によると、いずれにおいてもEL素子に直列に接続された点灯駆動用トランジスタのドレインとソース間を介して、EL素子に対して逆バイアス電圧が印加されるようになされる。この場合、逆バイアス電圧を印加した時の点灯駆動用トランジスタのドレインとソース間のインピダンスは非常に高く、したがってこの間において大きな電圧降下が生ずるために、EL素子に対して十分な逆バイアス電圧を印加することが不可能となる。
特に前記した特許文献2に開示されたように、EL素子に逆バイアス電圧を印加することで、当該素子のリーク現象を自己リペアさせようとした場合には、素子に対して逆バイアスによる比較的大きな電流を流す必要があり、前記した構成の逆バイアス印加手段においては、この効果を十分に享受することは不可能である。
そこで、必ずしも前記したようにEL素子のリーク現象を自己リペアさせることを目的としたものではないが、逆バイアス電圧の印加時に、EL素子に直列に接続された点灯駆動用トランジスタのドレインとソース間をバイパスさせる素子を備えた逆バイアス印加手段が特許文献3に開示されている。
特開2002−358048号公報(段落0017〜0028および図1、図17)
前記した特許文献3に示された逆バイアス印加手段の例を、図3(a)および(b)に示している。また、図3(c)はEL素子に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させる他の例を示している。なお、図3においては、コンダクタンスコントロール駆動方式の回路構成において、主に点灯駆動用トランジスタTr2とEL素子E1 、およびこれに対して付加された構成部分を示しており、既に説明した図1に示す走査選択用トランジスタTr1の記載は省略している。
図3(a)に示す構成は、前記特許文献3において図17として示されたものであり、点灯駆動用トランジスタTr2のドレインとソース間に、逆バイアス電圧の印加時にバイパス素子として機能するダイオードD1 が接続されている。そして、点灯駆動用トランジスタTr2のソース側と、EL素子E1 のカソード端子側には、順方向電圧もしくは逆方向電圧を印加させるために、選択スイッチSW1およびSW2が接続されている。
図3(a)に示す構成において、EL素子E1 を発光駆動させる場合においては、スイッチSW1は高電位VHan側に、スイッチSW2は低電位VLca側に選択され、これによりEL素子E1 には点灯駆動用トランジスタTr2を介して順方向電圧が印加される。それ故、既に説明したとおり、キャパシタC1 に蓄積された電荷に応じた発光駆動電流がEL素子E1 に流され、EL素子E1 はこれにほぼ比例した輝度で発光動作がなされる。
一方、図3(a)に示す構成において、EL素子E1 に逆バイアス電圧を印加させる場合においては、スイッチSW1およびSW2は、それぞれ図に示す状態とは逆方向に切り換えられる。すなわち、スイッチSW1は低電位VLca側に、スイッチSW2は高電位VHan側に選択され、これによりEL素子E1 には点灯駆動用トランジスタTr2を介して逆バイアス電圧が印加される。
この時、点灯駆動用トランジスタTr2のドレインとソース間のインピダンスは非常に高い状態になされるものの、前記ダイオードD1 がトランジスタTr2のドレインおよびソース間に接続されているので、このダイオードD1 が前記逆バイアスによる順方向電圧を受けてオン状態となり、トランジスタTr2をバイパスする素子として機能する。したがって、EL素子E1 にはダイオードD1 を介して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
次に図3(b)に示す構成は、前記特許文献3において図1として示されたものであり、Pチャンネルにより構成された点灯駆動用トランジスタTr2のソースとドレイン間に、同じくPチャンネルにより構成された逆バイアス印加用トランジスタTr3のソースとドレインが接続され、このトランジスタTr3のゲートはソースに接続されている。この構成により、トランジスタTr3は等価的には一方向性素子、すなわちダイオードとして機能する。このトランジスタTr3により形成された等価的なダイオードは、図3(a)に基づいて説明したダイオードD1 と同様の作用効果を得ることができる。
次に図3(c)に示す構成は、Nチャンネルにより構成された点灯駆動用トランジスタTr2のソースとドレイン間に、同じくNチャンネルにより構成された逆バイアス印加用トランジスタTr4のドレインとソースがそれぞれ接続され、このトランジスタTr4のゲートはトランジスタTr4をオン・オフ駆動させる信号ラインに接続されている。そして、点灯駆動用トランジスタTr2のドレインにEL素子のカソード端子が直列接続され、これが図3(a)および図3(b)と同様に、スイッチSW1およびSW2との間に接続されている。
この図3(c)に示す構成において、EL素子E1 を発光駆動させる場合においては、スイッチSW1およびSW2は図に示した状態になされる。この時、逆バイアス印加用トランジスタTr4のゲートには、前記信号ラインを介してトランジスタTr4をカットオフ状態に制御するゲート制御電圧が供給される。したがって、EL素子E1 はキャパシタC1 に蓄積された電荷に応じた発光輝度で点灯される。
一方、EL素子E1 に逆バイアス電圧を印加させる場合においては、スイッチSW1およびSW2は、図に示す状態とは逆方向に切り換えられる。この時、逆バイアス印加用トランジスタTr4のゲートには、前記信号ラインを介してトランジスタTr4をオン状態に制御するゲート制御電圧が供給される。したがって、EL素子E1 には逆バイアス印加用トランジスタTr4を介して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
ところで、図3(a)に示した構成においては、EL素子に逆バイアス電圧を有効に印加させるために、逆バイアス電圧によってオン状態になされるダイオードが使用されている。しかしながら、この種の発光表示パネルにおいては、EL素子をアクティブ駆動させるTFTと同じプロセスパラメータで前記したダイオードを形成させることは非常に難しく、ダイオードとしての特性を十分に保証することが困難である。
また、図3(b)に示した構成においては、逆バイアス電圧印加用トランジスタTr3をTFTにより構成することができるので、前記した走査選択用トランジスタTr1および点灯駆動用トランジスタTr2の形成時と同じプロセスパラメータで、これを同一画素内に形成させることが可能である。しかしながら、TFTのプロセスパラメータ等のばらつきによっては、前記逆バイアス電圧印加用トランジスタTr3にリーク(漏れ)電流が発生し、このリーク電流はEL素子を点灯駆動させる電流値に比較して無視できない状態に達する場合が生ずる。
図4は、このTFTのVgs−Id(ゲート・ソース間電圧対ドレイン電流)特性の一例を示すものであり、点灯駆動用トランジスタTr2等を構成するTFTの特性は、少ない電源数でモジュールを構成したいとする要請から、図4に示すように“Vgs”がほぼ0VでTFTがオフする閾値レベル(Th0)とすることが望まれる。それ故、図3(b)に示すように前記した逆バイアス印加用トランジスタTr3を、点灯駆動用トランジスタTr2等と同様のVgs−Id特性とした場合、TFTのプロセスパラメータのばらつきによっては、Vgsがほぼ0Vの状態であってもドレイン電流がリークするという問題が発生する。
このために、図3(b)に示した構成によると、EL素子を非点灯の状態に制御しているにもかかわらず、逆バイアス印加用トランジスタTr3を介してEL素子にリーク電流が流れ(以下、オフリークとも言う)、結果としてEL素子が薄く点灯するという問題を招来させる。このために、表示パネルの製造歩留まりが低下したり、TFT製造時のプロセスパラメータの管理が難しくなるなどの問題点を有している。
さらに、図3(c)に示した構成においても、逆バイアス印加用のトランジスタTr4をTFTにより構成することができるので、同様に前記した走査選択用トランジスタTr1および点灯駆動用トランジスタTr2の形成時と同じプロセスパラメータで、これを同一画素内に形成させることが可能である。そして、逆バイアス印加用のトランジスタTr4のゲートには、独立してオン・オフ制御用の電圧を供給することができるので、前記したオフリークの問題は解消させることができる。
しかしながら、図3(c)に示す構成によると、逆バイアス印加用トランジスタTr4のゲートに対してゲート制御電圧を供給するための専用の信号線が新たに必要となる。このために、表示パネルのエリアパフォーマンスを悪くし、結果として、表示パネルにおけるEL素子の開口率を低下させるという技術的な課題が発生する。
この発明は、EL素子に逆バイアス電圧の印加手段を具備させた前記した各画素構成の問題点に着目してなされたものであり、EL素子に対して逆バイアス電圧を印加させるための素子を、EL素子をアクティブ駆動させるTFTと同じ製造プロセスで形成させることができる表示パネルの駆動装置を提供することを課題とするものである。
加えて、この発明はEL素子に対して逆バイアス電圧を印加するためのTFTを駆動させるための信号線を新たに設けることなく、逆バイアス電圧の印加時および非印加時において、前記トランジスタのオンおよびオフ動作が確実になし得る表示パネルの駆動装置を提供することを課題とするものである。
前記した課題を解決するためになされたこの発明にかかる駆動装置の好ましい形態は、請求項1に記載のように、点灯駆動用トランジスタと発光素子とが直列接続されることにより構成された発光表示画素を多数備えたアクティブマトリクス型発光表示パネルの駆動装置であって、前記発光素子に対して順方向電圧を加える点灯モードと、前記発光素子に対して逆バイアス電圧を加える逆バイアス電圧印加モードとが選択されるように構成され、前記逆バイアス電圧印加モードの選択によりオン動作されて前記発光素子に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス印加用トランジスタが具備され、前記逆バイアス印加用トランジスタのソースが前記点灯駆動用トランジスタにおける前記発光素子が接続されている側の端子に接続され、前記逆バイアス印加用トランジスタのドレインが前記点灯駆動用トランジスタにおける前記発光素子が接続されていない側の端子に接続され、前記逆バイアス印加用トランジスタのゲートは、当該逆バイアス印加用トランジスタのソースもしくはドレインに接続されていて、前記逆バイアス印加用トランジスタと前記点灯駆動用トランジスタが共にNチャンネル型であり、前記逆バイアス印加用トランジスタのオン・オフ動作の閾値レベルは、前記点灯駆動用トランジスタの前記閾値レベルよりも、より高いレベルに設定された構成とされる。
また、この発明にかかる駆動装置の他の好ましい形態は、点灯駆動用トランジスタと発光素子とが直列接続されることにより構成された発光表示画素を多数備えたアクティブマトリクス型発光表示パネルの駆動装置であって、前記発光素子に対して順方向電圧を加える点灯モードと、前記発光素子に対して逆バイアス電圧を加える逆バイアス電圧印加モードとが選択されるように構成され、前記逆バイアス電圧印加モードの選択によりオン動作されて前記発光素子に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス印加用トランジスタが具備され、少なくとも前記逆バイアス印加用トランジスタのソースが前記発光素子における前記点灯駆動用トランジスタが接続されている側の端子に接続されていて、前記逆バイアス印加用トランジスタがPチャンネル型であり、前記点灯駆動用トランジスタがNチャンネル型であり、かつ前記逆バイアス印加用トランジスタのオン・オフ動作の閾値レベルが、画素内の他のPチャンネル型トランジスタの前記閾値レベルよりも、より深いレベルに設定された構成とされる。
さらに、この発明にかかる駆動装置の他の好ましい形態は、点灯駆動用トランジスタと発光素子とが直列接続されることにより構成された発光表示画素を多数備えたアクティブマトリクス型発光表示パネルの駆動装置であって、前記発光素子に対して順方向電圧を加える点灯モードと、前記発光素子に対して逆バイアス電圧を加える逆バイアス電圧印加モードとが選択されるように構成され、前記逆バイアス電圧印加モードの選択によりオン動作されて前記発光素子に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス印加用トランジスタが具備され、少なくとも前記逆バイアス印加用トランジスタのソースが前記発光素子における前記点灯駆動用トランジスタが接続されている側の端子に接続されていて、前記逆バイアス印加用トランジスタがNチャンネル型であり、前記点灯駆動用トランジスタがPチャンネル型であり、かつ前記逆バイアス印加用トランジスタのオン・オフ動作の閾値レベルが、画素内の他のNチャンネル型トランジスタの前記閾値レベルよりも、より高いレベルに設定された構成とされる。
以下、この発明にかかる発光表示パネルの駆動装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いられる各図おいては、前記した図1〜図3に基づいて説明した各部に相当する同一機能部分を同一符号で示している。また、以下の説明に用いられる各図における選択スイッチSW1およびSW2の状態は、EL素子E1 に順方向電圧を印加させる状態、すなわち点灯モードの状態を示しており、EL素子E1 に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス電圧印加モードとする場合には、選択スイッチSW1およびSW2は図示とは逆の状態に切り換えられる。
さらに、以下に説明する図5〜図8に示す実施の形態においては、コンダクタンスコントロール駆動方式の画素構成において、主に点灯駆動用トランジスタTr2とEL素子E1 、およびこれに対して付加された構成部分を示しており、したがって既に説明した図1に示す走査選択用トランジスタTr1の記載は省略した構成で示している。
先ず図5に示す構成は、この発明に係る好ましい実施の形態を示すものであり、この実施の形態においては点灯駆動用トランジスタTr2にPチャンネル型TFTが使用されている。また逆バイアス電圧印加モードの選択によりオン動作されて、発光素子としてのEL素子E1 に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス印加用トランジスタTr5もPチャンネル型TFTが使用されている。
そして、逆バイアス印加用トランジスタTr5のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されていて、逆バイアス印加用トランジスタTr5のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr5のゲートは、それ自身のドレインに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr5はソースからドレインに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
一方、この実施の形態においては、前記した点灯駆動用トランジスタTr2のオン・オフ動作の閾値レベルに対して、逆バイアス印加用トランジスタTr5の閾値レベルは、より深いレベルとなるように設定されている。図19は、その閾値レベルの設定状況を説明するものであり、図5に示すPチャンネル型の各トランジスタTr2,Tr5におけるVgs−Id(ゲート・ソース間電圧対ドレイン電流)特性を示している。ここで、特性Aは逆バイアス印加用トランジスタTr5のVgs−Id特性を示すものであり、また特性Bは点灯駆動用トランジスタTr2のVgs−Id特性を示すものである。
図19に示されたように、逆バイアス印加用トランジスタTr5(特性A)のオン・オフ動作の閾値レベルTh1は、点灯駆動用トランジスタTr2(特性B)の閾値レベルTh2に対して、より深いレベルとなるように設定されている。この様に閾値レベルを設定する手段としては、イオン打ち込み法や半導体膜の成膜時に不純物ガスを作用させるなどの方法で、ゲート絶縁層上の半導体膜に不純物を導入するチャンネルドープ法を利用することができる。
したがって、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr5は、選択スイッチSW1およびSW2が図に示す点灯モードになされた状態においては、より深いオン電圧として作用するので、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr5のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、すでに説明したようにトランジスタTr5を介してEL素子E1 に順方向電流を流すオフリークが発生するのを避けることができる。また、選択スイッチSW1およびSW2が、図とは逆方向に切り換えられて逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr5は十分にオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
図6に示す構成は、この発明に係る好ましい実施の形態を示すものであり、この実施の形態においても点灯駆動用トランジスタTr2および逆バイアス印加用トランジスタTr6は、共にPチャンネル型TFTが使用されている。そして、この図6に示す実施の形態においては、EL素子E1 のアノード端子が選択スイッチSW1側に、またEL素子E1 に直列接続された点灯駆動用トランジスタTr2のドレインが選択スイッチSW2側に接続されている。
そして、この実施の形態においては、逆バイアス印加用トランジスタTr6のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されていて、逆バイアス印加用トランジスタTr6のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr6のゲートは、それ自身のソースに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr6はドレインからソースに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
この実施の形態においても、前記した点灯駆動用トランジスタTr2のオン・オフ動作の閾値レベルに対して、逆バイアス印加用トランジスタTr6の閾値レベルは、より深いレベルとなるように設定されている。すなわち、逆バイアス印加用トランジスタTr6のVgs−Id特性は、図19に示す特性Aのように設定され、また点灯駆動用トランジスタTr2のVgs−Id特性は、図19に示す特性Bのように設定されている。
したがって、この図6に示した実施の形態においても、図5に示した実施の形態と同様の作用により、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr6を介してEL素子E1 に順方向電流を流すオフリークが発生するのを避けることができる。また逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr6は十分にオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
図7に示す構成は、請求項1に記載した発明に対応する実施の形態を示すものであり、この実施の形態においては点灯駆動用トランジスタTr2および逆バイアス印加用トランジスタTr7は、共にNチャンネル型TFTが使用されている。そして、この図7に示す実施の形態においては、EL素子E1 のカソード端子が選択スイッチSW2側に、またEL素子E1 に直列接続された点灯駆動用トランジスタTr2のドレインが選択スイッチSW1側に接続されている。
この図7に示す実施の形態においては、逆バイアス印加用トランジスタTr7のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されていて、逆バイアス印加用トランジスタTr7のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr7のゲートは、それ自身のソースに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr7はソースからドレインに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
一方、この実施の形態においては、前記した点灯駆動用トランジスタTr2のオン・オフ動作の閾値レベルに対して、逆バイアス印加用トランジスタTr7の前記閾値レベルは、より高いレベルとなるように設定されている。図20は、その閾値レベルの設定状況を説明するものであり、図7に示すNチャンネル型の各トランジスタTr2,Tr5におけるVgs−Id(ゲート・ソース間電圧対ドレイン電流)特性を示している。ここで、特性Cは点灯駆動用トランジスタTr2のVgs−Id特性を示すものであり、また特性Dは逆バイアス印加用トランジスタTr7のVgs−Id特性を示すものである。
図20に示されたように、逆バイアス印加用トランジスタTr7(特性D)のオン・オフ動作の閾値レベルTh4は、点灯駆動用トランジスタTr2(特性C)の閾値レベルTh3に対して、より高いレベルとなるように設定されている。
したがって、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr7は、選択スイッチSW1およびSW2が図7に示す点灯モードになされた状態においては、より高いオン電圧として作用するので、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr7のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、トランジスタTr7を介してEL素子に順方向電流を流すオフリークが発生するのを避けることができる。また、選択スイッチSW1およびSW2が、図7とは逆方向に切り換えられて逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr7は十分にオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
図8に示す構成は、請求項1に記載した発明に対応する実施の形態を示すものであり、この実施の形態においても点灯駆動用トランジスタTr2および逆バイアス印加用トランジスタTr8は、共にNチャンネル型TFTが使用されている。そして、この図8に示す実施の形態においては、EL素子E1 のアノード端子が選択スイッチSW1側に、またEL素子E1 に直列接続された点灯駆動用トランジスタTr2のソースが選択スイッチSW2側に接続されている。
この図8に示す実施の形態においては、逆バイアス印加用トランジスタTr8のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されていて、逆バイアス印加用トランジスタTr8のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr8のゲートは、それ自身のドレインに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr8はドレインからソースに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
この実施の形態においても、前記した点灯駆動用トランジスタTr2のオン・オフ動作の閾値レベルに対して、逆バイアス印加用トランジスタTr8の前記閾値レベルは、より高いレベルとなるように設定されている。すなわち、逆バイアス印加用トランジスタTr8のVgs−Id特性は、図20に示す特性Dのように設定され、また点灯駆動用トランジスタTr2のVgs−Id特性は、図20に示す特性Cのように設定されている。
したがって、この図8に示した実施の形態においても、図6に示した実施の形態と同様の作用により、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr8を介してEL素子E1 に順方向電流を流すオフリークが発生するのを避けることができる。また逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr8は十分にオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
図9に示す構成は、コンダクタンスコントロール駆動方式を採用したこの発明に係る好ましい実施の形態を示すものである。この実施の形態においてはEL素子E1 のアノード端子が選択スイッチSW1側に、またEL素子E1 に直列接続された点灯駆動用トランジスタTr2のソースが選択スイッチSW2側に接続されている。そして、点灯駆動用トランジスタTr2にNチャンネル型TFTが用いられ、逆バイアス印加用トランジスタTr9、および走査選択用トランジスタTr1にはPチャンネル型TFTが使用されている。
また、前記逆バイアス印加用トランジスタTr9のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されていて、逆バイアス印加用トランジスタTr9のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr9のゲートは、それ自身のソースに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr9はドレインからソースに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
この実施の形態においては、Pチャンネル型TFTにより構成された逆バイアス印加用トランジスタTr9のオン・オフ動作の閾値レベルが、画素内の他のPチャンネル型TFTトランジスタ、例えば走査選択用トランジスタTr1の閾値レベルよりも、より深いレベルに設定されている。すなわち、図19において逆バイアス印加用トランジスタTr9のVgs−Id特性は、特性Aとなるように設定され、走査選択用トランジスタTr1のVgs−Id特性は、特性Bとなるように設定される。
この様に逆バイアス印加用トランジスタTr9(特性A)のオン・オフ動作の閾値レベルTh1は、点灯駆動用トランジスタTr9(特性B)の閾値レベルTh2に対して、より深いレベルとなるように設定されているので、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr9のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr9を介してEL素子E1 に順方向電流を流すオフリークが発生するのを避けることができる。また逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr9は十分なオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
図10に示す構成は、コンダクタンスコントロール駆動方式を採用したこの発明に係る好ましい実施の形態を示すものである。この実施の形態においてはEL素子E1 のカソード端子が選択スイッチSW2側に、またEL素子E1 に直列接続された点灯駆動用トランジスタTr2のソースが選択スイッチSW1側に接続されている。そして、点灯駆動用トランジスタTr2にPチャンネル型TFTが用いられ、逆バイアス印加用トランジスタTr10 、および走査選択用トランジスタTr1にはNチャンネル型TFTが使用されている。
また、逆バイアス印加用トランジスタTr10 のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されていて、逆バイアス印加用トランジスタTr10 のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr10 のゲートは、それ自身のソースに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr10 はソースからドレインに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
この図10に示す実施の形態においては、Nチャンネル型TFTにより構成された逆バイアス印加用トランジスタTr10 のオン・オフ動作の閾値レベルが、画素内の他のNチャンネル型TFT、例えば走査選択用トランジスタTr1の閾値レベルよりも、より高いレベルに設定されている。すなわち、図20において逆バイアス印加用トランジスタTr10 のVgs−Id特性は、特性Dとなるように設定され、走査選択用トランジスタTr1のVgs−Id特性は、特性Cとなるように設定される。
この様に逆バイアス印加用トランジスタTr10 (特性D)のオン・オフ動作の閾値レベルTh4が、走査選択用トランジスタTr1の(特性C)の閾値レベルTh3に対して、より高いレベルとなるように設定されているので、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr10 のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr10 を介してEL素子E1 に順方向電流を流すオフリークが発生するのを避けることができる。また逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr10 は十分なオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
以上説明した実施の形態は、いずれもコンダクタンスコントロール駆動方式の画素構成を対象としたものであるが、次の図11および図12に示す形態はカレントミラー動作により電荷保持用キャパシタへの書き込み処理を行なうカレントミラー駆動方式の画素構成を対象としたものである
この図11に示す構成においては、Pチャンネル型の点灯駆動用トランジスタTr2にゲートが共通接続された同じくPチャンネル型のミラー動作トランジスタTr21 が対称的に備えられており、両トランジスタTr2,Tr21 のソースが共通接続されて、そのソースとゲートと間に電荷保持用のキャパシタC1 が接続されている。
また、前記ミラー動作トランジスタTr21 のゲートとドレイン間には同じくPチャンネル型TFTで構成された走査選択用トランジスタTr1が接続されており、この走査選択用トランジスタTr1のオン動作により、トランジスタTr2,Tr21 はカレントミラーとして機能する。また、走査選択用トランジスタTr1のオン動作と共にPチャンネル型TFTにより構成された書き込み用トランジスタTr22 もオン動作されるように構成されており、これにより、書き込み用トランジスタTr22 を介して書き込み用電流源Id が接続されるように構成されている。
これにより、アドレス期間においては電源VHanから、スイッチSW1、トランジスタTr21 ,Tr22 を介して書き込み用電流源Id に至る電流経路が形成される。またカレントミラーの作用により、電流源Id に流れる電流に対応した電流が、点灯駆動用トランジスタTr2を介してEL素子E1 に供給される。前記した動作によりキャパシタC1 には書き込み用電流源Id に流れる電流値に対応したトランジスタTr21 のゲート電圧が書き込まれる。そして、キャパシタC1 に前記ゲート電圧値が書き込まれた後には、走査選択用トランジスタTr1はオフ状態になされ、点灯駆動用トランジスタTr2は、キャパシタC1 に蓄積された電荷に基づいて所定の電流をEL素子E1 に供給するように作用し、これにより、EL素子E1 の発光駆動が継続される。
図11に示す実施の形態においては、さらにPチャンネルで構成された逆バイアス印加用トランジスタTr11 具備され、当該トランジスタTr11 のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されている。また、逆バイアス印加用トランジスタTr11 のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr11 のゲートは、それ自身のドレインに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr11 はソースからドレインに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
この図11に示した実施の形態においても、点灯駆動用トランジスタTr2のオン・オフ動作の閾値レベルに対して、逆バイアス印加用トランジスタTr11 の閾値レベルは、より深いレベルとなるように設定されている。すなわち、逆バイアス印加用トランジスタTr11 のVgs−Id特性は、図19に示す特性Aのように設定され、また点灯駆動用トランジスタTr2のVgs−Id特性は、図19に示す特性Bのように設定されている。
したがって、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr11 は、選択スイッチSW1およびSW2が図に示すように点灯モードになされた状態においては、より深いオン電圧として作用するので、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr11 のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、トランジスタTr11 を介してEL素子E1 に順方向電流を流すオフリークが発生するのを避けることができる。また、選択スイッチSW1およびSW2が、図とは逆方向に切り換えられて逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr11 は十分にオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
なお、図11に示す実施の形態においてはカレントミラーとして機能する一対のトランジスタTr2,Tr21 と逆バイアス印加用トランジスタTr11 とが、共にPチャンネル型TFTにより構成されているが、これらトランジスタTr2,Tr21 ,Tr11 は共にNチャンネル型TFTにより構成することもできる。この場合においては、カレントミラーを構成する点灯駆動用トランジスタTr2のオン・オフ動作の閾値レベルに対して、逆バイアス印加用トランジスタTr11 の閾値レベルは、より高いレベルとなるように設定される。
すなわち、逆バイアス印加用トランジスタTr11 のVgs−Id特性は、図20に示す特性Dのように設定され、また点灯駆動用トランジスタTr2のVgs−Id特性は、図20に示す特性Cのように設定される。これにより、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr11 がオフリークが発生するのを避けることができる。また逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr11 は十分にオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
図12はカレントミラー駆動方式の画素構成を対象としたこの発明に係る好ましい実施の形態を示すものである。この実施の形態においては、走査選択用トランジスタTr1、点灯駆動用トランジスタTr2、ミラー動作トランジスタTr21 にPチャンネル型TFTが用いられ、逆バイアス印加用トランジスタTr10 および書き込み用トランジスタTr22 にNチャンネル型TFTが用いられている。
また、逆バイアス印加用トランジスタTr12 のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されていて、逆バイアス印加用トランジスタTr12 のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr12 のゲートは、それ自身のソースに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr12 はソースからドレインに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
この図12に示す実施の形態においては、Nチャンネル型TFTにより構成された逆バイアス印加用トランジスタTr12 のオン・オフ動作の閾値レベルが、画素内の他のNチャンネル型TFT、この実施の形態においては書き込み用トランジスタTr22 の閾値レベルよりも、より高いレベルに設定されている。すなわち、図20において逆バイアス印加用トランジスタTr12 のVgs−Id特性は、特性Dとなるように設定され、書き込み用トランジスタTr22 のVgs−Id特性は、特性Cとなるように設定される。
この様に逆バイアス印加用トランジスタTr12 (特性D)のオン・オフ動作の閾値レベルTh4が、書き込み用トランジスタTr22 (特性C)の閾値レベルTh3に対して、より高いレベルとなるように設定されているので、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr12 のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr12 がオフリークするのを避けることができる。また逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr12 は十分なオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
なお、図12に示した実施の形態においては点灯駆動用トランジスタTr2にPチャンネル型TFTを用い、逆バイアス印加用トランジスタTr12 にNチャンネル型TFTを用いた構成にされているが、これは点灯駆動用トランジスタTr2にNチャンネル型TFTを用い、逆バイアス印加用トランジスタTr12 にPチャンネル型TFTを用いた構成とすることもできる。この場合においては、Pチャンネル型TFTにより構成された逆バイアス印加用トランジスタTr12 のオン・オフ動作の閾値レベルが、画素内の他のPチャンネル型TFTトランジスタの閾値レベルよりも、より深いレベルに設定される。
これにより、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr12 のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr12 がオフリークするのを避けることができる。また、逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr12 は十分なオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
次に示す図13および図14に示す形態は電流プログラミング駆動方式の画素構成に採用した例を示している。図13に示す構成においては、スイッチSW1とSW2との間に、共にPチャンネル型TFTで構成された電源供給用トランジスタTr24 および点灯駆動用トランジスタTr2と、EL素子E1 の直列回路が挿入された構成とされている。
また、前記点灯駆動用トランジスタTr2のソースとゲート間には電荷保持用のキャパシタC1 が接続され、同トランジスタTr2のゲートとドレインとの間にはPチャンネル型の走査選択用トランジスタTr1が接続されている。また、点灯駆動用トランジスタTr2のソースにはPチャンネル型TFTにより構成された書き込み用トランジスタTr25 を介して書き込み用電流源Id が接続されるように構成されている。
図13に示した構成においては、アドレッシング時において走査選択用トランジスタTr1および書き込み用トランジスタTr25 の各ゲートに制御信号が供給され、これらはオン状態になされる。これに伴い点灯駆動用トランジスタTr2もオンされ、点灯駆動用トランジスタTr2を介して書き込み用電流源Id からの電流が流れる。この時、書き込み用電流源Id からの電流に対応した電圧がキャパシタC1 に保持される。
一方、EL素子の点灯動作時には走査選択用トランジスタTr1および書き込み用トランジスタTr25 は、共にオフ状態になされ、電源供給用トランジスタTr24 がオンされる。これにより、点灯駆動用トランジスタTr2のソース側に、スイッチSW1を介して点灯駆動用電源VHanが印加され、EL素子E1 のカソードにはスイッチSW2を介してVLcaが印加される。点灯駆動用トランジスタTr2のドレイン電流は、前記キャパシタC1 に保持された電荷によって決定され、EL素子E1 はこれにより点灯駆動される。
図13に示す実施の形態においては、さらにPチャンネル型TFTで構成された逆バイアス印加用トランジスタTr13 が具備され、当該トランジスタTr13 のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されている。また、逆バイアス印加用トランジスタTr13 のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr13 のゲートは、それ自身のドレインに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr13 はソースからドレインに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
この図13に示した実施の形態においても、点灯駆動用トランジスタTr2のオン・オフ動作の閾値レベルに対して、逆バイアス印加用トランジスタTr13 の閾値レベルは、より深いレベルとなるように設定されている。すなわち、逆バイアス印加用トランジスタTr13 のVgs−Id特性は、図19に示す特性Aのように設定され、また点灯駆動用トランジスタTr2のVgs−Id特性は、図19に示す特性Bのように設定されている。
したがって、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr13 は、選択スイッチSW1およびSW2が図に示すように点灯モードになされた状態においては、より深いオン電圧として作用するので、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr13 のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、トランジスタTr13 を介してEL素子E1 に順方向電流を流すオフリークが発生するのを避けることができる。また、選択スイッチSW1およびSW2が、図とは逆方向に切り換えられて逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr13 は十分にオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
なお、図13に示す電流プログラミング駆動方式の画素構成においては、点灯駆動用トランジスタTr2と逆バイアス印加用トランジスタTr13 とが、共にPチャンネル型TFTにより構成されているが、これらトランジスタTr2,Tr13 は共にNチャンネル型TFTにより構成することもできる。この場合においては、点灯駆動用トランジスタTr2のオン・オフ動作の閾値レベルに対して、逆バイアス印加用トランジスタTr13 の閾値レベルは、より高いレベルとなるように設定される。
すなわち、逆バイアス印加用トランジスタTr13 のVgs−Id特性は、図20に示す特性Dのように設定され、また点灯駆動用トランジスタTr2のVgs−Id特性は、図20に示す特性Cのように設定される。これにより、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr13 がオフリークするのを避けることができる。また逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr13 は十分にオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
図14は電流プログラミング駆動方式の画素構成を対象とした実施の形態を示すものである。この実施の形態においては、点灯駆動用トランジスタTr2、電源供給用トランジスタTr24 、書き込み用トランジスタTr25 にPチャンネル型TFTが用いられ、走査選択用トランジスタTr1、逆バイアス印加用トランジスタTr14 にNチャンネル型TFTが用いられている。
また、逆バイアス印加用トランジスタTr14 のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されていて、逆バイアス印加用トランジスタTr14 のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr14 のゲートは、それ自身のソースに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr14 はソースからドレインに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
この図14に示す実施の形態においては、Nチャンネル型TFTにより構成された逆バイアス印加用トランジスタTr14 のオン・オフ動作の閾値レベルが、画素内の他のNチャンネル型TFT、この実施の形態においては走査選択用トランジスタTr1の閾値レベルよりも、より高いレベルに設定されている。すなわち、図20において逆バイアス印加用トランジスタTr14 のVgs−Id特性は、特性Dとなるように設定され、走査選択用トランジスタTr1のVgs−Id特性は、特性Cとなるように設定される。
この様に逆バイアス印加用トランジスタTr14 (特性D)のオン・オフ動作の閾値レベルTh4が、走査選択用トランジスタTr1(特性C)の閾値レベルTh3に対して、より高いレベルとなるように設定されているので、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr14 のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr14 がオフリークするのを避けることができる。また逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr14 は十分なオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
なお、図14に示した実施の形態においては点灯駆動用トランジスタTr2にPチャンネル型TFTを用い、逆バイアス印加用トランジスタTr14 にNチャンネル型TFTを用いた構成にされているが、これは点灯駆動用トランジスタTr2にNチャンネル型TFTを用い、逆バイアス印加用トランジスタTr14 にPチャンネル型TFTを用いた構成とすることもできる。この場合においては、Pチャンネル型TFTにより構成された逆バイアス印加用トランジスタTr14 のオン・オフ動作の閾値レベルが、画素内の他のPチャンネル型TFTトランジスタの閾値レベルよりも、より深いレベルに設定される。
これにより、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr14 のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr14 がオフリークするのを避けることができる。また、逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr14 は十分なオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
図15および図16に示す形態はこの発明を電圧プログラミング駆動方式の画素構成に採用した例を示している。図15に示す構成においては、Pチャンネル型TFTで構成された点灯駆動用トランジスタTr2に対して、同じくPチャンネル型TFTで構成されたスイッチング用トランジスタTr26 が直列接続され、さらに前記トランジスタTr26 にEL素子E1 が直列接続されている。そして、前記点灯駆動用トランジスタTr2のソースがスイッチSW1に、EL素子E1 のカソード端子がスイッチSW2に接続されている。
また、電荷保持用のキャパシタC1 は点灯駆動用トランジスタTr2のゲートとソース間に接続され、またPチャンネル型TFTで構成された走査選択用トランジスタTr1は、点灯駆動用トランジスタTr2のゲートとドレイン間に接続されている。加えて、この電圧プログラミング駆動方式の画素構成においては、点灯駆動用トランジスタTr2のゲートに対して、Pチャンネル型TFTで構成された書き込み用トランジスタTr27 およびキャパシタC2 を介して、図示せぬデータラインよりデータ信号が供給されるように構成されている。
前記した電圧プログラミング駆動方式の画素構成においては、アドレッシング時において走査選択用トランジスタTr1およびスイッチング用トランジスタTr26 がオンされ、これに伴い点灯駆動用トランジスタTr2のオン状態が確保される。次の瞬間にトランジスタTr26 がオフされることにより、点灯駆動用トランジスタTr2のドレイン電流は走査選択用トランジスタTr1を介して点灯駆動用トランジスタTr2のゲートに回り込む。これにより、点灯駆動用トランジスタTr2のゲート・ソース間電圧が、トランジスタTr2のスレッショルド電圧に等しくなるまで、ゲート・ソース間電圧が押し上げられ、この時点で点灯駆動用トランジスタTr2はオフする。
そして、この時のゲート・ソース間のスレッショルド電圧がキャパシタC1 に保持され、このキャパシタ電圧によってEL素子E1 の駆動電流が制御される。すなわち、この電圧プログラミング駆動方式においては、点灯駆動用トランジスタTr2におけるスレッショルド電圧のばらつきを補償するように作用する。
図15に示す実施の形態においては、さらにPチャンネル型TFTで構成された逆バイアス印加用トランジスタTr15 が具備され、当該トランジスタTr15 のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されている。また、逆バイアス印加用トランジスタTr15 のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr15 のゲートは、それ自身のドレインに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr15 はソースからドレインに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
この図15に示した実施の形態においても、点灯駆動用トランジスタTr2のオン・オフ動作の閾値レベルに対して、逆バイアス印加用トランジスタTr15 の閾値レベルは、より深いレベルとなるように設定されている。すなわち、逆バイアス印加用トランジスタTr15 のVgs−Id特性は、図19に示す特性Aのように設定され、また点灯駆動用トランジスタTr2のVgs−Id特性は、図19に示す特性Bのように設定されている。
したがって、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr15 は、選択スイッチSW1およびSW2が図に示すように点灯モードになされた状態においては、より深いオン電圧として作用するので、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr15 のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、すでに説明したようにトランジスタTr15 を介してEL素子E1 に順方向電流を流すオフリークが発生するのを避けることができる。また、選択スイッチSW1およびSW2が、図とは逆方向に切り換えられて逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr15 は十分にオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
なお、図15に示す電圧プログラミング駆動方式の画素構成においては、点灯駆動用トランジスタTr2と逆バイアス印加用トランジスタTr15 とが、共にPチャンネル型TFTにより構成されているが、これらトランジスタTr2,Tr15 は共にNチャンネル型TFTにより構成することもできる。この場合においては、点灯駆動用トランジスタTr2のオン・オフ動作の閾値レベルに対して、逆バイアス印加用トランジスタTr15 の閾値レベルは、より高いレベルとなるように設定される。
すなわち、逆バイアス印加用トランジスタTr15 のVgs−Id特性は、図20に示す特性Dのように設定され、また点灯駆動用トランジスタTr2のVgs−Id特性は、図20に示す特性Cのように設定される。これにより、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr15 がオフリークするのを避けることができる。また逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr15 は十分にオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
図16は電圧プログラミング駆動方式の画素構成を対象とした他の実施の形態を示すものである。この実施の形態においては、走査選択用トランジスタTr1、点灯駆動用トランジスタTr2、スイッチング用トランジスタTr26 にPチャンネル型TFTが用いられ、逆バイアス印加用トランジスタTr16 、書き込み用トランジスタTr27 にNチャンネル型TFTが用いられている。
また、逆バイアス印加用トランジスタTr16 のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されていて、逆バイアス印加用トランジスタTr16 のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr16 のゲートは、それ自身のソースに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr16 はソースからドレインに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
この図16に示す実施の形態においては、Nチャンネル型TFTにより構成された逆バイアス印加用トランジスタTr16 のオン・オフ動作の閾値レベルが、画素内の他のNチャンネル型TFT、この実施の形態においては書き込み用トランジスタTr27 の閾値レベルよりも、より高いレベルに設定されている。すなわち、図20において逆バイアス印加用トランジスタTr16 のVgs−Id特性は、特性Dとなるように設定され、書き込み用トランジスタTr27 のVgs−Id特性は、特性Cとなるように設定される。
この様に逆バイアス印加用トランジスタTr16 (特性D)のオン・オフ動作の閾値レベルTh4が、書き込み用トランジスタTr27 (特性C)の閾値レベルTh3に対して、より高いレベルとなるように設定されているので、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr16 のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr16 がオフリークするのを避けることができる。また逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr16 は十分なオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
なお、図16に示した実施の形態においては点灯駆動用トランジスタTr2にPチャンネル型TFTを用い、逆バイアス印加用トランジスタTr16 にNチャンネル型TFTを用いた構成にされているが、これは点灯駆動用トランジスタTr2にNチャンネル型TFTを用い、逆バイアス印加用トランジスタTr16 にPチャンネル型TFTを用いた構成とすることもできる。この場合においては、Pチャンネル型TFTにより構成された逆バイアス印加用トランジスタTr16 のオン・オフ動作の閾値レベルが、画素内の他のPチャンネル型TFTトランジスタの閾値レベルよりも、より深いレベルに設定される。
これにより、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr16 のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr16 がオフリークするのを避けることができる。また、逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr16 は十分なオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
図17および図18に示す形態はこの発明をいわゆるスレッショルド電圧補正駆動方式の画素構成に採用した例を示している。図17に示す構成においては、Pチャンネル型TFTで構成された点灯駆動用トランジスタTr2に対して、EL素子E1 が直列接続され、点灯駆動用トランジスタTr2のソースがスイッチSW1に、EL素子E1 のカソード端子がスイッチSW2に接続されている。
また点灯駆動用トランジスタTr2のゲート・ソース間に電荷保持用のキャパシタC1 が接続され、さらにPチャンネル型TFTで構成された走査選択用トランジスタTr1のドレインと点灯駆動用トランジスタTr2のゲートとの間にはPチャンネル型TFTで構成された2つのトランジスタTr28 とTr29 の並列接続体が挿入されている。
なお、2つのトランジスタTr28 とTr29 の並列接続体においては、それぞれのゲートとドレインが短絡状態になされており、実質的にトランジスタTr28 とTr29 のソース・ゲート間が逆並列に接続された構成にされている。したがって、トランジスタTr28 とTr29 は走査選択用トランジスタTr1から点灯駆動用トランジスタTr2のゲートに向かってスレッショルド特性を与える電圧生成素子として機能する。すなわち、トランジスタTr28 とTr29 からなる電圧生成素子は、点灯駆動用トランジスタTr2のスレッショルド電圧に相当する電圧をレベルシフトして、点灯駆動用トランジスタTr2のゲートに供給することになる。
この構成によると、1つの画素内に形成された互いのトランジスタにおけるスレッショルド特性は非常に近似した特性になされるので、点灯駆動用トランジスタTr2のスレッショルド特性を効果的にキャンセルさせることができる。
図17に示す実施の形態においては、さらにPチャンネルで構成された逆バイアス印加用トランジスタTr17 が具備され、当該トランジスタTr17 のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されている。また、逆バイアス印加用トランジスタTr17 のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr17 のゲートは、それ自身のドレインに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr17 はソースからドレインに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
この図17に示した実施の形態においても、点灯駆動用トランジスタTr2のオン・オフ動作の閾値レベルに対して、逆バイアス印加用トランジスタTr17 の閾値レベルは、より深いレベルとなるように設定されている。すなわち、逆バイアス印加用トランジスタTr17 のVgs−Id特性は、図19に示す特性Aのように設定され、また点灯駆動用トランジスタTr2のVgs−Id特性は、図19に示す特性Bのように設定されている。
したがって、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr17 は、選択スイッチSW1およびSW2が図に示すように点灯モードになされた状態においては、より深いオン電圧として作用するので、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr17 のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、トランジスタTr17 を介してEL素子E1 に順方向電流を流すオフリークが発生するのを避けることができる。また、選択スイッチSW1およびSW2が、図とは逆方向に切り換えられて逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr17 は十分にオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
なお、図17に示すスレッショルド電圧補正駆動方式の画素構成においては、点灯駆動用トランジスタTr2と逆バイアス印加用トランジスタTr17 とが、共にPチャンネル型TFTにより構成されているが、これらトランジスタTr2,Tr17 は共にNチャンネル型TFTにより構成することもできる。この場合においては、点灯駆動用トランジスタTr2のオン・オフ動作の閾値レベルに対して、逆バイアス印加用トランジスタTr17 の閾値レベルは、より高いレベルとなるように設定される。
すなわち、逆バイアス印加用トランジスタTr17 のVgs−Id特性は、図20に示す特性Dのように設定され、また点灯駆動用トランジスタTr2のVgs−Id特性は、図20に示す特性Cのように設定される。これにより、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr17 がオフリークするのを避けることができる。また逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr17 は十分にオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
図18はスレッショルド電圧補正駆動方式の画素構成を対象とした他の実施の形態を示すものである。この実施の形態においては、点灯駆動用トランジスタTr2、スレッショルド電圧を生成する2つのトランジスタTr28 とTr29 にPチャンネル型TFTが用いられ、走査選択用トランジスタTr1、逆バイアス印加用トランジスタTr18 にNチャンネル型TFTが用いられている。
また、逆バイアス印加用トランジスタTr18 のソースはEL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されている側の端子、すなわちトランジスタTr2のドレインに接続されていて、逆バイアス印加用トランジスタTr18 のドレインは、EL素子E1 における点灯駆動用トランジスタTr2が接続されていない側の端子、すなわちトランジスタTr2のソースに接続されている。さらに逆バイアス印加用トランジスタTr18 のゲートは、それ自身のソースに接続されている。この構成により、前記した逆バイアス印加用トランジスタTr18 はソースからドレインに向かって電流を流すことができる等価的なダイオードを形成している。
この図18に示す実施の形態においては、Nチャンネル型TFTにより構成された逆バイアス印加用トランジスタTr18 のオン・オフ動作の閾値レベルが、画素内の他のNチャンネル型TFT、この実施の形態においては走査選択用トランジスタTr1の閾値レベルよりも、より高いレベルに設定されている。すなわち、図20において逆バイアス印加用トランジスタTr18 のVgs−Id特性は、特性Dとなるように設定され、走査選択用トランジスタTr1のVgs−Id特性は、特性Cとなるように設定される。
この様に逆バイアス印加用トランジスタTr18 (特性D)のオン・オフ動作の閾値レベルTh4が、走査選択用トランジスタTr1(特性C)の閾値レベルTh3に対して、より高いレベルとなるように設定されているので、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr18 のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr18 がオフリークするのを避けることができる。また逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr18 は十分なオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
なお、図18に示した実施の形態においては点灯駆動用トランジスタTr2にPチャンネル型TFTを用い、逆バイアス印加用トランジスタTr18 にNチャンネル型TFTを用いた構成にされているが、これは点灯駆動用トランジスタTr2にNチャンネル型TFTを用い、逆バイアス印加用トランジスタTr18 にPチャンネル型TFTを用いた構成とすることもできる。この場合においては、Pチャンネル型TFTにより構成された逆バイアス印加用トランジスタTr18 のオン・オフ動作の閾値レベルが、画素内の他のPチャンネル型TFTトランジスタの閾値レベルよりも、より深いレベルに設定される。
これにより、たとえ逆バイアス印加用トランジスタTr18 のVgs−Id特性にばらつきが発生したとしても、点灯モードになされた状態において逆バイアス印加用トランジスタTr18 がオフリークするのを避けることができる。また、逆バイアス印加モードになされた場合においては、逆バイアス印加用トランジスタTr18 は十分なオン動作状態になされ、EL素子E1 に対して効果的に逆バイアス電圧を印加させることができる。
従来のアクティブマトリクス型表示パネルにおける1つの画素に対応する回路構成の一例を示した結線図である。 図1に示した各画素の回路構成を、表示パネルに配列した状態を模式的に示した平面図である。 発光素子に対して逆バイアス電圧を印加する従来の各手段を説明する結線図である。 図3(b)に示す従来の手段を採用した場合の問題点を説明するトランジスタのVgs−Id特性図である。 この発明にかかる駆動装置をコンダクタンスコントロール駆動方式の画素構成に採用した場合の第1の形態を示した画素部の結線図である。 同じく第2の形態を示した画素部の結線図である。 同じく第3の形態を示した画素部の結線図である。 同じく第4の形態を示した画素部の結線図である。 同じく第5の形態を示した画素部の結線図である。 同じく第6の形態を示した画素部の結線図である。 この発明にかかる駆動装置をカレントミラー駆動方式の画素構成に採用した場合の第1の形態を示した画素部の結線図である。 同じく第2の形態を示した画素部の結線図である。 この発明にかかる駆動装置を電流プログラミング駆動方式の画素構成に採用した場合の第1の形態を示した画素部の結線図である。 同じく第2の形態を示した画素部の結線図である。 この発明にかかる駆動装置を電圧プログラミング駆動方式の画素構成に採用した場合の第1の形態を示した画素部の結線図である。 同じく第2の形態を示した画素部の結線図である。 この発明にかかる駆動装置をスレッショルド電圧補正駆動方式の画素構成に採用した場合の第1の形態を示した画素部の結線図である。 同じく第2の形態を示した画素部の結線図である。 Pチャンネル型TFTを対象とした閾値レベルの設定状況を説明する特性図である。 Nチャンネル型TFTを対象とした閾値レベルの設定状況を説明する特性図である。
符号の説明
10 画素
A1 〜An 走査ライン(走査線)
B1 〜Bm データライン(データ線)
C1 キャパシタ
E1 発光素子(有機EL素子)
SW1,SW2 選択スイッチ
Tr1 走査選択用トランジスタ
Tr2 点灯駆動用トランジスタ
Tr5〜Tr18 逆バイアス印加用トランジスタ
VHan 高電位点
VLca 低電位点

Claims (5)

  1. 点灯駆動用トランジスタと発光素子とが直列接続されることにより構成された発光表示画素を多数備えたアクティブマトリクス型発光表示パネルの駆動装置であって、
    前記発光素子に対して順方向電圧を加える点灯モードと、前記発光素子に対して逆バイアス電圧を加える逆バイアス電圧印加モードとが選択されるように構成され、前記逆バイアス電圧印加モードの選択によりオン動作されて前記発光素子に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス印加用トランジスタが具備され、
    前記逆バイアス印加用トランジスタのソースが前記点灯駆動用トランジスタにおける前記発光素子が接続されている側の端子に接続され、前記逆バイアス印加用トランジスタのドレインが前記点灯駆動用トランジスタにおける前記発光素子が接続されていない側の端子に接続され、前記逆バイアス印加用トランジスタのゲートは、当該逆バイアス印加用トランジスタのソースもしくはドレインに接続されていて、
    前記逆バイアス印加用トランジスタと前記点灯駆動用トランジスタが共にNチャンネル型であり、前記逆バイアス印加用トランジスタのオン・オフ動作の閾値レベルは、前記点灯駆動用トランジスタの前記閾値レベルよりも、より高いレベルに設定されていることを特徴とするアクティブマトリクス型発光表示パネルの駆動装置。
  2. 前記各トランジスタと発光素子とによる画素構成が、カレントミラー駆動方式の回路構成になされていることを特徴とする請求項1に記載のアクティブマトリクス型発光表示パネルの駆動装置。
  3. 前記各トランジスタと発光素子とによる画素構成が、電流プログラミング駆動方式の回路構成になされていることを特徴とする請求項1に記載のアクティブマトリクス型発光表示パネルの駆動装置。
  4. 前記各トランジスタと発光素子とによる画素構成が、電圧プログラミング駆動方式の回路構成になされていることを特徴とする請求項1に記載のアクティブマトリクス型発光表示パネルの駆動装置。
  5. 前記発光素子は、有機化合物を発光層に用いた有機EL素子により構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のアクティブマトリクス型発光表示パネルの駆動装置。
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