JP2007108380A - 表示装置および表示装置の駆動方法 - Google Patents

表示装置および表示装置の駆動方法 Download PDF

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哲郎 山本
Katsuhide Uchino
勝秀 内野
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Abstract

【課題】異なる電源電位をそれぞれ別々の電源線で供給したのでは、電源線の配線本数が多くなってしまう。
【解決手段】駆動TFT32、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT34〜36の5個のトランジスタと1個のキャパシタ37という少ない構成素子数で、有機EL素子31の特性変動に対する補償機能と、駆動TFT32のVth変動に対する補償機能とを実現した上で、1本の電源線23を兼用して3種類の電源電位Vcc/Vss/Vofsを選択的に供給することで、電源線の配線本数を削減する。
【選択図】図10

Description

本発明は、表示装置および表示装置の駆動方法に関し、特に電気光学素子を含む画素回路が行列状(マトリクス状)に配置されてなる表示装置および当該表示装置の駆動方法に関する。
近年、電気光学素子として、電流値に応じて発光輝度が変化するいわゆる電流駆動型の発光素子、例えば有機EL(electro luminescence) 素子を含む画素回路が行列状に多数配置されてなる有機EL表示装置が開発され、商品化が進められている。有機EL表示装置は、有機EL素子が自発光素子であることから、液晶セルを含む画素回路によって光源(バックライト)からの光強度を制御する液晶表示装置に比べて、画像の視認性が高い、バックライトが不要、応答速度が速い等の特長を持っている。
有機EL表示装置では、液晶表示装置と同様、その駆動方式として単純(パッシブ)マトリクス方式とアクティブマトリクス方式とを採ることができる。ただし、単純マトリクス方式の表示装置は、構造が簡単であるものの、大型でかつ高精細な表示装置の実現が難しいなどの問題がある。そのため、近年、発光素子に流れる電流を、当該発光素子と同じ画素回路内に設けた能動素子、例えば絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(一般には、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT))によって制御するアクティブマトリクス方式の表示装置の開発が盛んに行われている。
能動素子として薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と記述する)を用いた画素回路において、当該TFTとしてNチャネル型のトランジスタを用いることができれば、TFTの作成に当たって、従来のアモルファスシリコン(a−Si)プロセスを用いることが可能になる。そして、a−Siプロセスを用いることで、TFT基板の低コスト化を図ることができる。
ところで、一般的に、有機EL素子の電流−電圧(I−V)特性は、時間が経過すると劣化(経時劣化)する。Nチャネル型のTFTを用いた画素回路では、有機EL素子を電流駆動するTFT(以下、「駆動TFT」と記述する)のソースが有機EL素子に接続されることになるために、有機EL素子のI−V特性が経時変化すると、駆動TFTのゲート・ソース間電圧Vgsが変化し、その結果有機EL素子の発光輝度も変化する。
このことについてより具体的に説明する。駆動TFTのソース電圧は、当該駆動TFTと有機EL素子との動作点で決まる。有機EL素子のI−V特性が劣化すると、駆動TFTと有機EL素子との動作点が変動してしまうために、駆動TFTに同じゲート電圧を印加したとしても、駆動TFTのソース電圧が変化する。これにより、駆動TFTのソース・ゲート間電圧Vgsが変化し、当該駆動TFTに流れる電流値が変化するために、有機EL素子に流れる電流値も変化し、その結果有機EL素子の発光輝度が変化する。
また、Nチャネル型のTFTを用いた画素回路では、有機EL素子のI−V特性の経時劣化に加えて、駆動TFTの閾値電圧Vthが経時的に変化したり、当該閾値電圧Vthが画素ごとに異なったりする。駆動TFTの閾値電圧Vthが異なると、駆動TFTに流れる電流値にバラツキが生じるために、駆動TFTに同じゲート電圧を印加しても、有機EL素子の発光輝度が変化する。
従来は、有機EL素子のI−V特性が経時劣化したり、駆動TFTの閾値電圧Vthが経時変化したりしても、それらの影響を受けることなく、有機EL素子の発光輝度を一定に保つようにするために、有機EL素子の特性変動に対する補償機能および駆動TFTのVth変動に対する補償機能を画素回路の各々に持たせる構成を採っていた(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に係る従来技術について以下に説明する。
特開2004−361640号公報
図45は、従来例に係るアクティブマトリクス型表示装置および当該表示装置に用いられる画素回路の構成を示す回路図である。本従来例に係るアクティブマトリクス型表示装置は、電流駆動型の発光素子、例えば有機EL素子を含む画素回路101が行列状に多数配置されてなる画素アレイ部102を有している。ここでは、図面の簡略化のために、ある1つの画素回路101についてその具体的な回路構成を示している。
この画素アレイ部102において、画素回路101の各々に対して各行毎に走査線103、第1,第2駆動線104,105およびオートゼロ線106がそれぞれ配線され、また各列毎にデータ線107が配線されている。この画素アレイ部102の周囲には、走査線103を駆動する書き込み走査回路108と、第1,第2駆動線104,105を駆動する第1,第2駆動走査回路109,110と、オートゼロ線106を駆動するオートゼロ回路111と、輝度情報に応じたデータ信号をデータ線107に供給するデータ線駆動回路112とが配置されている。
画素回路101は、有機EL素子201と、駆動トランジスタ202、キャパシタ(保持容量)203,204、サンプリングトランジスタ205およびスイッチングトランジスタ206〜209を構成素子として有している。駆動トランジスタ202、サンプリングトランジスタ205およびスイッチングトランジスタ204〜209としては、例えばNチャネル型の電界効果TFT(薄膜トランジスタ)が用いられている。以下、駆動トランジスタ202、サンプリングトランジスタ205およびスイッチングトランジスタ206〜209を、駆動TFT202、サンプリングTFT205およびスイッチングTFT206〜209と記述するものとする。
有機EL素子201は、カソード電極が接地電位GNDに接続されている。駆動TFT202は、有機EL素子201を発光駆動するトランジスタであり、ソースが有機EL素子201のアノード電極に接続されてソースフォロア回路を形成している。キャパシタ203は保持容量であり、一端がTFT駆動202のゲートに、他端が駆動TFT202のソースと有機EL素子201のアノード電極との接続ノードN101にそれぞれ接続されている。
サンプリングTFT205は、一端がデータ線107に、他端が駆動TFT202のゲートに、ゲートが走査線103にそれぞれ接続されている。キャパシタ204は、一端がノードN104に、他端が駆動TFT202のゲートとキャパシタ203の一端との接続ノードN102にそれぞれ接続されている。スイッチングTFT206は、ドレインが接続ノードN101に、ソースが電源電位Vssにそれぞれ接続されている。
スイッチングTFT207は、ドレインが正側電源電位Vccに、ソースが駆動TFT202のドレインに、ゲートが第2駆動線105にそれぞれ接続されている。スイッチングTFT208は、一端が駆動TFT202のドレインとスイッチングTFT207のソースとの接続ノードN103に、他端が接続ノードN102に、ゲートがオートゼロ線106にそれぞれ接続されている。スイッチングTFT209は、一端が所定電位Vofsに、他端がノードN104に、ゲートがオートゼロ線106にそれぞれ接続されている。
続いて、上記構成の画素回路101をマトリクス状に2次元配置してなるアクティブマトリクス型有機EL表示装置の回路動作について、図46のタイミングチャートを用いて説明する。
図46には、ある行の画素回路101を駆動する際に、書き込み走査回路108から走査線103を介して画素回路101に与えられる書き込み信号WS、第1,第2駆動走査回路109,110から第1,第2駆動線104,105を介して画素回路101に与えられる第1,第2駆動信号DS1,DS2およびオートゼロ回路111からオートゼロ線106を介して画素回路101に与えられるオートゼロ信号AZのタイミング関係を示している。
通常の発光状態では、書き込み走査回路108から出力される書き込み信号WS、第1駆動走査回路109から出力される駆動信号DS1およびオートゼロ回路111から出力されるオートゼロ信号AZが“L”レベルにあり、第2駆動走査回路110から出力される駆動信号DS2が“H”レベルにあるために、サンプリングTFT205およびスイッチングTFT206,208,209はオフした状態にあり、スイッチングTFT207がオンした状態にある。
このとき、駆動TFT202は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。その結果、有機EL素子201には駆動TFT202から、下記の式(1)で与えられる一定電流Idsが供給される。
Ids=1/2・μ(W/L)Cox(Vgs−|Vth|)2 …(1)
ここで、Vthは駆動TFT202の閾値電圧、μはキャリアの移動度、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Coxは単位面積当たりのゲート容量、Vgsはゲート・ソース間電圧である。
次に、スイッチングTFT207がオンした状態で第1駆動走査回路109から出力される駆動信号DS1およびオートゼロ回路111から出力されるオートゼロ信号AZが共に“H”レベルになり、スイッチングTFT206,208,209がオン状態となる。これにより、有機EL素子201のアノード電極には電源電位Vssが印加され、駆動TFT202のゲートには電源電位Vccが印加される。
この際、電源電位Vssが有機EL素子201のカソード電圧Vcat(本例では、接地電位GND)と有機EL素子201の閾値電圧Vthelとの和(Vcat+Vthel)よりも小さいのであれば、有機EL素子201は非発光状態となり、非発光期間に入る。以下、Vss≦Vcat+Vthelとし、VssはGNDレベルであるとする。このとき、スイッチングTFT206,208がオンすることで、ゲート・ソース間電圧Vgsに応じた一定電流Idsは、Vcc→スイッチングTFT207→駆動TFT202→ノードN101→スイッチングTFT202→Vssの経路を通って流れる。
次に、第2駆動走査回路110から出力される駆動信号DS2が“L”レベルになることで、スイッチングTFT207がオフ状態となり、駆動TFT202の閾値電圧Vthをキャンセル(補正)する閾値キャンセル期間に入る。このとき、駆動TFT202は、ゲートとドレインがスイッチングTFT208を介して接続されているために飽和領域で動作する。また、駆動TFT202のゲートには、キャパシタ203,204が並列に接続されているために、駆動TFT202のゲート・ソース間の電圧Vgsは、時間の経過とともに緩やかに減少してゆく。
そして、一定期間が経過した後、駆動TFT202のゲート・ソース間電圧Vgsは当該駆動TFT202の閾値電圧Vthとなる。このとき、キャパシタ204には(Vofs−Vth)の電圧が、キャパシタ203にはVthの電圧がそれぞれ充電される。その後、サンプリングTFT205およびスイッチングTFT207がオフし、スイッチングTFT206がオンした状態において、オートゼロ回路111から出力されるオートゼロ信号AZが“H”レベルから“L”レベルに遷移すると、スイッチングTFT208,209がオフ状態となり、閾値キャンセル期間の終了となる。このとき、キャパシタ204には(Vofs−Vth)の電圧が、キャパシタ203にはVthの電圧がそれぞれ保持される。
次に、サンプリングTFT205およびスイッチングTFT208,209がオフし、スイッチングTFT206がオン、スイッチングTFT207がオフした状態で、書き込み走査回路108から出力される書き込み信号WSが“H”レベルになると、この書き込み期間では、サンプリングTFT205がオン状態となり、データ線107を通して与えられる入力信号電圧Vinの書き込み期間となる。サンプリングTFT205がオンすることで、当該TFT205の一端、キャパシタ204の一端およびTFT209のソースの接続ノードN104に入力信号電圧Vinを取り込み、当該接続ノードN104の電圧変化量ΔVを、キャパシタ204を介して駆動TFT202のゲートにカップリングさせる。
このとき、駆動TFT202のゲート電圧Vgは閾値電圧Vthという値であり、カップリング量ΔVはキャパシタ203の容量値C1、キャパシタ204の容量値C2および駆動TFT202の寄生容量値C3によって下記の式(2)のように決定される。
ΔV={C2/(C1+C2+C3)}・(Vin−Vofs)…(2)
したがって、キャパシタ203,204の容量値C1,C2を駆動TFT202の寄生容量値C3に比べて十分大きく設定すれば、駆動TFT202のゲートへのカップリング量ΔVは、駆動TFT202の閾値電圧Vthの影響を受けずに、キャパシタ203,204の容量値C1,C2のみによって決定される。
書き込み走査回路108から出力される書き込み信号WSが“H”レベルから“L”レベルに遷移し、サンプリングTFT205がオフすることで、入力信号電圧Vinの書き込み期間が終了する。この書き込み期間の終了後、サンプリングTFT205およびスイッチングTFT208,209がオフした状態で第1駆動走査回路109から出力される駆動信号DS1が“L”レベルになることで、スイッチングTFT206がオフ状態となり、その後、第2駆動走査回路110から出力される駆動信号DS2が“H”レベルになることで、スイッチングTFT207がオン状態となる。
スイッチングTFT207がオンすることで、駆動TFT202のドレイン電位が電源電位Vccまで上昇する。駆動TFT202のゲート・ソース間電圧Vgsが一定であるために、駆動TFT202は一定電流Idsを有機EL素子201に供給する。このとき、接続ノードN101の電位は、有機EL素子201に一定電流Idsが流れる電圧Vxまで上昇し、その結果、有機EL素子201は発光する。
上述した一連の動作を行う画素回路101においても、有機EL素子201は発光時間が長くなるとそのI−V特性が変化してしまう。そのため、接続ノードN101の電位も変化する。
しかしながら、駆動TFT202のゲート・ソース間電位Vgsが一定値に保たれているために、有機EL素子201に流れる電流値は変化しない。したがって、有機EL素子201のI−V特性が劣化しても、一定電流Idsが常に流れ続けるために、有機EL素子201の発光輝度が変化することはない。また、閾値キャンセル期間におけるスイッチングTFT208の作用により、駆動TFT202の閾値電圧Vthをキャンセルし、当該閾値電圧Vthのバラツキの影響を受けない一定電流Idsを有機EL素子201に流すことができるために、高画質の画像を得ることができる。
上述したように、従来技術では、画素回路101の各々に、有機EL素子201のI−V特性の変動に対する補償機能および駆動TFT202の閾値電圧Vthの変動に対する補償機能を持たせたことで、有機EL素子201のI−V特性が経時劣化したり、駆動TFT202の閾値電圧Vthが経時変化したりしたとしても、それらの影響を受けることなく、有機EL素子201の発光輝度を一定に保つことができるが、その反面、画素回路101の各々が6個のトランジスタ202,205〜209と2個のキャパシタ203,204とで構成されており、構成素子数が多いという欠点がある。
そこで、本発明は、有機EL素子等の電気光学素子の特性変動に対する補償機能と、当該電気光学素子を駆動するTFTのVth変動(画素ごとのバラツキ)に対する補償機能とを、より少ない構成素子数で画素回路の各々に持たせた上で、画素回路の配線本数の削減を可能にした表示装置および表示装置の駆動方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、駆動トランジスタ、サンプリングトランジスタおよび第1乃至第3スイッチングトランジスタの5個のトランジスタと1個のキャパシタとで画素回路の各々を構成する。そして、個々のトランジスタの駆動タイミングを工夫することで、電気光学素子の特性変動に対する補償機能と、電気光学素子を駆動する駆動トランジスタの閾値変動に対する補償機能とを実現する。また、画素回路に供給する複数種類の電源電位を適宜組み合わせて、1本の電源線で複数の電源電位を選択的に画素回路に供給する。
本発明によれば、画素回路のより少ない構成素子数で、電気光学素子の特性変動に対する補償機能と、電気光学素子を駆動する駆動トランジスタの閾値変動に対する補償機能とを実現できる。また、電源線の配線本数を削減できることで、配線の占める割合を小さく抑えることができるために、高精細化や高歩留まり化を図る上で有利となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
先ず、本願出願人によって特願2004−164681号明細書にて提案済みの先願に係る画素回路、即ち有機EL素子の特性変動に対する補償機能と、駆動TFTのVth変動(画素ごとのバラツキ)に対する補償機能とを、より少ない構成素子数で実現した画素回路について参考例として説明する。
[参考例]
図1は、本参考例に係るアクティブマトリクス型表示装置および当該表示装置に用いられる画素回路の構成を示す回路図である。本参考例に係るアクティブマトリクス型表示装置は、電流値に応じて発光輝度が変化する電気光学素子、例えば有機EL素子31を含む画素回路11が行列状(マトリクス状)に2次元配置されてなる画素アレイ部12を有している。ここでは、図面の簡略化のために、ある1つの画素回路11についてその具体的な回路構成を示している。
この画素アレイ部12において、画素回路11の各々に対して各行毎に走査線13、駆動線14および第1,第2オートゼロ線15,16がそれぞれ配線され、また各列毎にデータ線17が配線されている。この画素アレイ部12の周囲には、走査線13を駆動する書き込み走査回路18と、駆動線14を駆動する駆動走査回路19と、第1,第2オートゼロ線15,16を駆動する第1,第2オートゼロ回路20,21と、輝度情報に応じたデータ信号をデータ線17に供給するデータ線駆動回路22とが配置されている。
本例では、書き込み走査回路18および駆動走査回路19が画素アレイ部12を挟んで一方側(例えば、図の右側)に配置され、その反対側に第1,第2オートゼロ回路20,21が配置された構成となっている。ただし、これらの配置関係は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。また、書き込み走査回路18、駆動走査回路19および第1,第2オートゼロ回路20,21は、スタートパルス信号spに応答して動作を開始し、クロックパルスckに同期して書き込み信号WS、駆動信号DSおよび第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2を適宜出力する。
(画素回路)
画素回路11は、有機EL素子31に加えて、駆動トランジスタ32、サンプリングトランジスタ33、スイッチングトランジスタ34〜36およびキャパシタ(保持容量)37を回路の構成素子として有する構成となっている。すなわち、本参考例に係る画素回路11は、5個のトランジスタ32〜36と1個のキャパシタ37とからなり、図45の従来例に係る画素回路101に比べて、トランジスタ数およびキャパシタ数が1個ずつ少ない回路構成となっている。
この画素回路11において、駆動トランジスタ32、サンプリングトランジスタ33およびスイッチングトランジスタ34〜36として、Nチャネル型のTFT(薄膜トランジスタ)が用いられている。以下、駆動トランジスタ32、サンプリングトランジスタ33およびスイッチングトランジスタ34〜36を、駆動TFT32、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT34〜36と記述するものとする。
有機EL素子31は、カソード電極が第1の電源電位(本例では、接地電位GND)に接続されている。駆動TFT32は、有機EL素子31を電流駆動する駆動トランジスタであり、ソースが有機EL素子31のアノード電極に接続されてソースフォロア回路を形成している。サンプリングTFT33は、ソースがデータ線17に、ドレインが駆動TFT32のゲートに、ゲートが走査線13にそれぞれ接続されている。
スイッチングTFT34は、ドレインが第2の電源電位(本例では、正側電源電位Vcc)に、ソースが駆動TFT32のドレインに、ゲートが駆動線14にそれぞれ接続されている。スイッチングTFT35は、ドレインが所定の電位Vofsに、ソースがサンプリングTFT33のドレイン(駆動TFT32のゲート)に、ゲートが第1オートゼロ線15にそれぞれ接続されている。
スイッチングTFT36は、ドレインが駆動TFT32のソースと有機EL素子31のアノード電極との接続ノードN11に、ソースが第3の電源電位Vss(本例では、Vss=GND)にそれぞれ接続されている。なお、第3の電源電位Vssとして、負の電源電位を用いることも可能である。キャパシタ37は、一端が駆動TFT32のゲートとサンプリングTFT33のドレインとの接続ノードN12に、他端が駆動トランジスタTFT32のソースと有機EL素子31のアノード電極との接続ノードN11にそれぞれ接続されている。
上述した接続関係にて各構成素子が接続されてなる画素回路11において、各構成素子は次のような作用をなす。すなわち、サンプリングTFT33は、オン(導通)状態となることにより、データ線17を通して供給される入力信号電圧Vsigをサンプリングする。このサンプリングされた信号電圧Vsigは、キャパシタ37に保持される。スイッチングTFT34は、オン状態になることにより、電源電位Vccから駆動TFT32に電流を供給する。
駆動TFT32は、キャパシタ37に保持された信号電圧Vsigに応じて有機EL素子31を電流駆動する。スイッチングTFT35,36は、適宜オン状態になることにより、有機EL素子31の電流駆動に先立って駆動TFT32の閾値電圧Vthを検知し、あらかじめその影響をキャンセルするために当該検知した閾値電圧Vthをキャパシタ37に保持する。
この画素回路11では、正常な動作を保証するための条件として、第3の電源電位Vssは、所定の電位Vofsから駆動TFT32の閾値電圧Vthを差し引いた電位よりも低く設定されている。すなわち、Vss<Vofs−Vthのレベル関係となっている。また、有機EL素子31のカソード電圧Vcat(本例では、接地電位GND)に有機EL素子31の閾値電圧Vthelに加えたレベルは、電源電位Vofsから駆動TFT32の閾値電圧Vthを差し引いたレベルよりも高く設定されている。すなわち、Vcat+Vthel>Vofs−Vthのレベル関係となっている。
続いて、上記構成の画素回路11を行列状に2次元配置してなるアクティブマトリクス型有機EL表示装置の回路動作について、図2のタイミングチャートおよび図3〜図8の動作説明図を用いて説明する。
図2には、ある行の画素回路11を駆動する際に、書き込み走査回路18から走査線13を介して画素回路11に与えられる書き込み信号WS、駆動走査回路19から駆動線14を介して画素回路11に与えられる駆動信号DSおよび第1,第2オートゼロ回路20,21から第1,第2オートゼロ線15,16を介して画素回路11に与えられる第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2のタイミング関係、ならびに駆動TFT32のゲート電圧およびソース電圧の変化をそれぞれ示している。
ここで、書き込み信号WS、駆動信号DSおよび第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2は、“H”レベルの状態がアクティブ状態、“L”レベルの状態が非アクティブ状態とする。また、図3〜図8の動作説明図では、図面の簡略化のために、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT34〜36についてはスイッチのシンボルを用いて図示するものとする。
(発光期間)
通常の発光状態では、書き込み走査回路18から出力される書き込み信号WSおよび第1,第2オートゼロ回路20,21から出力される第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2が“L”レベルにあり、駆動走査回路19から出力される駆動信号DSが“H”レベルにあるために、図3に示すように、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT35,36はオフした状態にあり、スイッチングTFT34がオンした状態にある。このとき、駆動TFT32は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。その結果、スイッチングTFT34を通して駆動TFT32から、有機EL素子31に対して先述した式(1)で与えられる一定電流Idsが供給される。
(非発光期間)
スイッチングTFT34がオンした状態において、時刻t1で第1,第2オートゼロ回路20,21から出力される第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2が共に“H”レベルになることで、図4に示すように、スイッチングTFT35,36がオン状態となる。スイッチングTFT35,36は、どちらが先にオンしても良い。これにより、駆動TFT32のゲートにはスイッチングTFT35を介して所定の電位Vofsが印加され、有機EL素子31のアノード電極にはスイッチングTFT36を介して電源電位Vssが印加される。
このとき、先述したように、Vss<Vcat+Vthelの関係にあるために、有機EL素子31は非発光状態となる。したがって、有機EL素子31には電流が流れず、非発光状態になる。また、駆動TFT32は、そのゲート・ソース間電圧VgsがVofs−Vssという値をとる。これにより、当該値、即ちVofs−Vssに応じた電流Ids′が、図4に点線で示す経路、即ちVcc→スイッチングTFT33→駆動TFT32→ノードN11→スイッチングTFT34→Vssの経路を通って流れる。
(閾値キャンセル期間)
時刻t2で第2オートゼロ回路21から出力されるオートゼロ信号AZ2が“L”レベルになることで、図5に示すように、スイッチングTFT35がオフ状態となり、駆動TFT32の閾値電圧Vthをキャンセル(補正)する閾値キャンセル期間に入る。
スイッチングTFT35がオフ状態になることで、駆動TFT32を流れる電流Idsの電流路が遮断される。ここで、有機EL素子31は、図6に等価回路で示すように、ダイオード31Aとキャパシタ31Bで表される。そして、有機EL素子31に印加される電圧Velが、先述したように、Vel<Vcat+Vthel(有機EL素子31のリーク電流が駆動TFT32を流れる電流よりもかなり小さい)の関係にある限り、駆動TFT32を流れる電流はキャパシタ37とキャパシタ31Bとを充電する。
このとき、ノードN11の電位、即ち駆動TFT32のソース電圧Velは、図9に示すように、時間が経過するにつれて徐々に上昇する。一定時間が経過し、ノードN11とノードN12との間の電位差、即ち駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsがちょうど閾値電圧Vthになったところで、駆動TFT32はオン状態からオフ状態になる。そして、N11−N12間の電位差Vthは、閾値キャンセル(補正)用の電位としてキャパシタ37に保持される。このとき、Vel=Vofs−Vth<Vcat+Vthelとなっている。
その後、スイッチングTFT34,35がオンし、スイッチングTFT36がオフした状態で、駆動走査回路19から出力される駆動信号DSが時刻t3で、第1オートゼロ回路20から出力されるオートゼロ信号AZ1が時刻t4で順に“H”レベルから“L”レベルに遷移することで、スイッチングTFT34,35が順にオフ状態となり、閾値キャンセル期間の終了となる。このとき、スイッチングTFT34がスイッチングTFT35よりも先にオンすることで、駆動TFT32のゲート電圧の変動を抑えることが可能となる。
(書き込み期間)
次に、スイッチングTFT34,35,36がオフした状態から、時刻t5で書き込み走査回路18から出力される書き込み信号WSが“H”レベルになることで、サンプリングTFT33がオン状態となり、入力信号電圧Vsigの書き込み期間に入る。この書き込み期間では、入力信号電圧VsigがサンプリングTFT33によってサンプリングされ、キャパシタ37に書き込まれる。
このとき、信号電圧Vsigは、キャパシタ37に保持されている閾値電圧Vthに足し込まれる形で保持される。その結果、駆動TFT32の閾値電圧Vthのバラツキが常にキャンセルされた形となる。すなわち、キャパシタ37にあらかじめ閾値電圧Vthを保持しておくことで、当該閾値電圧Vthのバラツキのキャンセル(補正)、即ち閾値キャンセルが行われることになる。
ここで、キャパシタ37の容量値をC1、有機EL素子31のキャパシタ31Bの容量値をCel、駆動TFT32の寄生容量値をC2とすると、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsは、下記の式(3)で与えられる値となる。
Vgs={Cel/(Cel+C1+C2)}
・(Vsig−Vofs)+Vth …(3)
一般に、有機EL素子31のキャパシタ31Bの容量値Celは、キャパシタ37の容量値C1および駆動TFT32の寄生容量値C2に比べて大きい。したがって、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧VgsはほぼVsig+Vthとなる。
そして、時刻t6で書き込み走査回路18から出力される書き込み信号WSが“H”レベルから“L”レベルに遷移し、サンプリングTFT33がオフすることで、入力信号電圧Vsigの書き込み期間が終了する。
(発光期間)
この書き込み期間の終了後、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT35,36がオフした状態において、時刻t7で駆動走査回路19から出力される駆動信号DSが“H”レベルになることで、図8に示すように、スイッチングTFT34がオン状態となり、発光期間に入る。
スイッチングTFT34がオンすることで、駆動TFT32のドレイン電圧が電源電位Vccまで上昇する。駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsが一定であるので、駆動TFT32は一定電流Ids”を有機EL素子31に供給する。このとき、有機EL素子31のアノード電圧Velは、有機EL素子31に一定電流Ids”が流れる電圧Vxまで上昇する。その結果、有機EL素子31は発光動作を開始する。
有機EL素子31に電流が流れると、当該有機EL素子31において電圧降下が生じるために、ノードN11の電位が上昇する。これに連動してノードN12の電位も上昇するために、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧VgsはノードN11の電位上昇に関わらず、常にVsig+Vthに維持される。その結果、有機EL素子31は、入力信号電位Vsigに応じた輝度で発光を続けることになる。
上述した参考例に係る画素回路11においても、有機EL素子31の発光時間が長くなると、当該有機EL素子31のI−V特性が変化してしまう。そのため、有機EL素子31のアノード電極と駆動TFT32のソースとの接続ノードN11の電位も変化する。しかしながら、駆動TFT32のゲート・ソース間電位Vgsが一定値に保たれているために、有機EL素子31に流れる電流は変化しない。したがって、有機EL素子31のI−V特性が劣化しても、一定電流Idsが常に流れ続けるために、有機EL素子31の発光輝度が変化することはない(有機EL素子31の特性変動に対する補償機能)。
また、入力信号電圧Vsigが書き込まれる前に駆動TFT32の閾値電圧Vthをあらかじめキャパシタ37に保持しておくことで、閾値キャンセル期間におけるスイッチングTFT34〜36およびキャパシタ37の作用により、駆動TFT32の閾値電圧Vthをキャンセルし、当該閾値電圧Vthのバラツキの影響を受けない一定電流Idsを常に有機EL素子31に流すことができるために、高画質の画像を得ることができる(駆動TFT32のVth変動に対する補償機能)。
ここで、参考例に係る画素回路11において、電源線の配線本数に着目すると、電源電位Vcc、電源電位Vssおよび所定の電位Vofsをそれぞれ供給する3本の電源線が必要である。そして、隣接する3個の画素回路をR(赤),G(緑),B(青)に対応させて、当該3個の画素回路を1表示単位としたカラー表示装置を考えた場合に、参考例に係る画素回路11では、1表示単位あたり、データ線17を含めて12本(=4本×3)の配線が必要となる。
このように、1表示単位あたりの配線本数が多いと、画素アレイ部12と共にその周辺の駆動回路18〜22を同一の基板上に一体形成してなる表示パネルにおいて、配線の占める割合が非常に大きくなるために、表示パネルの高精細化や高歩留まり化を図る上で不利となる。
そこで、本発明は、有機EL素子31の特性変動に対する補償機能と、駆動TFT32のVth変動に対する補償機能とを、より少ない構成素子数(5個のトランジスタ32〜36と1個のキャパシタ37)で実現した画素回路を行列状に2次元配置してなるアクティブマトリクス型有機EL表示装置において、1表示単位あたりの配線本数を削減することで、表示パネルの高精細化や高歩留まり化を図るようにしている。以下に、その具体的な4つの実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図10は、本発明の第1実施形態に係るアクティブマトリクス型表示装置および当該表示装置に用いられる画素回路の構成を示す回路図である。本実施形態に係るアクティブマトリクス型表示装置は、電流値に応じて発光輝度が変化する電気光学素子、例えば有機EL素子31を含む画素回路11Aが行列状に2次元配置されてなる画素アレイ部12を有している。
ここでは、図面の簡略化のために、ある1つの画素回路11Aについてその具体的な回路構成を示している。また、画素回路11Aが5個のトランジスタ32〜36と1個のキャパシタ37からなる点で、参考例に係る画素回路11と同じであることから、同等部分には同一符号を付して示している。
画素回路11Aの各々に対して各行毎に走査線13、駆動線14、第1,第2オートゼロ線15,16および電源線23がそれぞれ配線され、また各列毎にデータ線17が配線されている。この画素アレイ部12の周囲には、走査線13を駆動する書き込み走査回路18と、駆動線14を駆動する駆動走査回路19と、第1,第2オートゼロ線15,16を駆動する第1,第2オートゼロ回路20,21と、輝度情報に応じたデータ信号をデータ線17に供給するデータ線駆動回路22と、電源線23に対して後述する3種類の電源電位を選択的に供給する電源供給回路24とが配置されている。
ここで、書き込み走査回路18が特許請求の範囲における第1の駆動手段に相当し、駆動走査回路19が特許請求の範囲における第3の駆動手段に相当し、第1オートゼロ回路20が特許請求の範囲における第2の駆動手段に相当し、第2オートゼロ回路21が特許請求の範囲における第4の駆動手段に相当する。
本例では、書き込み走査回路18および第1,第2オートゼロ回路20,21が画素アレイ部12を挟んで一方側(例えば、図の左側)に配置され、その反対側に駆動走査回路19および電源供給回路24が配置された構成となっている。ただし、これらの配置関係は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。また、書き込み走査回路18、駆動走査回路19および第1,第2オートゼロ回路20,21は、スタートパルス信号spに応答して動作を開始し、クロックパルスckに同期して書き込み信号WS、駆動信号DSおよび第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2を適宜出力する。
画素回路11Aにおいて、有機EL素子31は、カソード電極が第1の電源電位(本例では、接地電位GND)に接続されている。駆動TFT32は、有機EL素子31を電流駆動する駆動トランジスタであり、ソースが有機EL素子31のアノード電極に接続されてソースフォロア回路を形成している。サンプリングTFT33は、ソースがデータ線17に、ドレインが駆動TFT32のゲートに、ゲートが走査線13にそれぞれ接続されている。
スイッチングTFT34は、電源線23と駆動TFT32のドレインとの間に接続され、ゲートが駆動線14に接続されている。スイッチングTFT35は、電源線23とサンプリングTFT33のドレイン(駆動TFT32のゲート)との間に接続され、ゲートが第1オートゼロ線15に接続されている。
スイッチングTFT36は、駆動TFT32のソースと有機EL素子31のアノード電極との接続ノードN11と電源線23との間に接続され、ゲートが第2オートゼロ線16に接続されている。キャパシタ37は、一端が駆動TFT32のゲートとサンプリングTFT33のドレインとの接続ノードN12に、他端が駆動トランジスタTFT32のソースと有機EL素子31のアノード電極との接続ノードN11にそれぞれ接続されている。
ここで、電源供給回路24からは電源線23に対して、第2の電源電位Vcc(本例では、正の電源電位)と、当該第2の電源電位よりも低い第3の電源電位Vss(本例では、Vss=GND)と、所定の電位Vofs(本例では、第2の電源電位Vccと第3の電源電位Vssとの間の電位)とが選択的に供給される。
上述した接続関係にて各構成素子が接続されてなる画素回路11Aにおいて、各構成素子は次のような作用をなす。すなわち、サンプリングTFT33は、オン(導通)状態となることにより、データ線17を通して供給される入力信号電圧Vsigをサンプリングする。このサンプリングされた信号電圧Vsigは、キャパシタ37に保持される。スイッチングTFT34は、電源供給回路24から電源線23に電源電位Vccが供給されているときにオン状態になることで、電源線23から駆動TFT32に電流を供給する。
駆動TFT32は、キャパシタ37に保持された信号電圧Vsigに応じて有機EL素子31を電流駆動する。スイッチングTFT35,36は、電源供給回路24から電源線23に所定の電位Vofs/電源電位Vssが供給されているときに適宜オン状態になることで、有機EL素子31の電流駆動に先立って駆動TFT32の閾値電圧Vthを検知し、あらかじめその影響をキャンセルするために当該検知した閾値電圧Vthをキャパシタ37に保持する。
この画素回路11Aでは、正常な動作を保証するための条件として、第3の電源電位Vssは、所定の電位Vofsから駆動TFT32の閾値電圧Vthを差し引いた電位よりも低く設定されている。すなわち、Vss<Vofs−Vthのレベル関係となっている。また、有機EL素子31のカソード電圧Vcat(本例では、接地電位GND)に有機EL素子31の閾値電圧Vthelに加えたレベルは、電源電位Vssよりも高く設定されている。すなわち、Vcat+Vthel>Vssのレベル関係となっている。
続いて、上記構成の画素回路11Aを行列状に2次元配置してなるアクティブマトリクス型有機EL表示装置において、本発明に係る駆動方法による駆動の下に実行される回路動作について、図11のタイミングチャートおよび図12〜図18の動作説明図を用いて説明する。
図11には、ある行の画素回路11Aを駆動する際に、書き込み走査回路18から走査線13を介して画素回路11Aに与えられる書き込み信号WS、駆動走査回路19から駆動線14を介して画素回路11Aに与えられる駆動信号DSおよび第1,第2オートゼロ回路20,21から第1,第2オートゼロ線15,16を介して画素回路11Aに与えられる第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2のタイミング関係、ならびに電源線23の電位、駆動TFT32のゲート電圧およびソース電圧の変化をそれぞれ示している。
ここで、書き込み信号WS、駆動信号DSおよび第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2は、“H”レベルの状態がアクティブ状態、“L”レベルの状態が非アクティブ状態とする。また、図12〜図18の動作説明図では、図面の簡略化のために、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT34〜36についてはスイッチのシンボルを用いて図示するものとする。
(発光期間)
通常の発光状態では、書き込み走査回路18から出力される書き込み信号WSおよび第1,第2オートゼロ回路20,21から出力される第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2が“L”レベルにあり、駆動走査回路19から出力される駆動信号DSが“H”レベルにあるために、図12に示すように、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT35,36はオフした状態にあり、スイッチングTFT34がオンした状態にある。
このとき、電源線23には電源供給回路24から電源電位Vccが供給されている。すなわち、電源線23の電位が電源電位Vccになっている。また、駆動TFT32は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。その結果、電源線23からスイッチングTFT34および駆動TFT32を通して、有機EL素子31に対して先述した式(1)で与えられる一定電流Idsが供給される。
(非発光期間)
次に、時刻t1で駆動信号DSが“L”レベルになることで、図13に示すように、スイッチングTFT34がオフする。これにより、駆動TFT32を流れる一定電流Idsの電流路が遮断されるために、有機EL素子31には電流が流れず、当該有機EL素子31は消光する(非発光状態となる)。このとき、ノードN11の電位、即ち駆動TFT32のソース電圧は、有機EL素子31のカソード電圧Vcatと当該有機EL素子31の閾値電圧Vthelの和、即ちVcat+Vthelになる。
次に、時点t2で電源線23の電位が電源電位Vssに切り替わり、しかる後時点t3で第2オートゼロ信号AZ2が“H”レベルになることで、図46に示すように、スイッチングTFT36がオンする。これにより、電源線23からスイッチングTFT36を通してノードN11に電源電位Vssが与えられる。このとき、先述したように、Vss<Vcat+Vthelの関係にあるために、有機EL素子31は逆バイアス状態となる。したがって、有機EL素子31には電流が流れないために、当該有機EL素子31は消光状態(非発光状態)を維持する。
次いで、時点t4で第2オートゼロ信号AZ2が“H”レベルから“L”レベルに遷移し、続いて時点t5で電源線23の電位が電源電位Vssが所定の電位Vofsに切り替わる。次に、時点t6で第1オートゼロ信号AZ1が“H”レベルになることで、スイッチングTFT35がオンする。これにより、図15に示すように、電源線23からスイッチングTFT35を通して所定の電位Vofsが駆動TFT32のゲートに与えられる。
ここで、スイッチングTFT35がオンする前の駆動TFT32のゲート電圧をVg1、キャパシタ36の容量値をC1、駆動TFT32の寄生容量値をC2、有機EL素子31の寄生容量値をCelとすると、駆動TFT32のゲートに所定の電位Vofsが与えられることで、ノードN11、即ち駆動TFT32のソースには、キャパシタ36によるカップリングにより、下記の式(3)で与えられるカップリンク量Vcoが入ることになる。
Vco={(C1+C2)/(Cel+C1+C2)}
・(Vofs−Vg1) …(4)
また、駆動TFT32のソース電圧Vgsは、下記の式(4)で与えられる値となる。
Vgs={(C1+C2)/(Cel+C1+C2)}
・(Vofs−Vg1)+Vss …(5)
(閾値キャンセル期間)
スイッチングTFT35がオンした状態において、時点t7で駆動信号DSが“H”レベルになることで、図16に示すように、スイッチングTFT34がオンする。このとき、上記カップリング量Vcoを加味した上で、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsが当該駆動TFT32の閾値電圧Vthよりも大ならば、駆動TFT32がオン状態になるために、電源線23→スイッチングTFT34→駆動TFT32→ノードN11→キャパシタ36の経路(図16に一点鎖線で示す経路)で電流が流れる。
ここで、有機EL素子31は、図16に等価回路で示すように、ダイオード31Aとキャパシタ(寄生容量)31Bで表される。そして、有機EL素子31に印加される電圧Velが、先述したように、Vel<Vcat+Vthel(有機EL素子31のリーク電流が駆動TFT32を流れる電流よりもかなり小さい)の関係にある限り、駆動TFT32を流れる電流は、キャパシタ37とキャパシタ31Bとを充電する。
このとき、ノードN11の電位、即ち駆動TFT32のソース電圧Velは、図19に示すように、時間が経過するにつれて初期ソース電圧から徐々に上昇する。一定時間が経過し、ノードN11とノードN12との間の電位差、即ち駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsがちょうど閾値電圧Vthになったところで、駆動TFT32はオフ状態になる。
そして、N11−N12間の電位差Vthは、閾値キャンセル(補正)用の電位としてキャパシタ37に保持される。このとき、Vel=Vofs−Vth<Vcat+Vthelとなっている。その後、時点t8で駆動信号DSが“H”レベルから“L”レベルに遷移することで、スイッチングTFT34がオフ状態となり、閾値キャンセル期間の終了となる。
(書き込み期間)
時点t9で第1オートゼロ信号AZ1が“L”レベルになり、次いで時点t10で電源線23の電位が所定の電位Vofsが電源電位Vccに切り替わる。そして、時点t11で書き込み信号WSが“H”レベルになることで、サンプリングTFT33がオン状態となり、階調に応じた所望の電圧値の入力信号電圧Vsigの書き込み期間に入る。この書き込み期間では、図17に示すように、入力信号電圧VsigがサンプリングTFT33によってサンプリングされ、キャパシタ37に書き込まれる。
このとき、信号電圧Vsigは、キャパシタ37に保持されている閾値電圧Vthに足し込まれる形で保持される。その結果、駆動TFT32の閾値電圧Vthのバラツキが常にキャンセルされた形となる。すなわち、キャパシタ37にあらかじめ閾値電圧Vthを保持しておくことで、当該閾値電圧Vthのバラツキのキャンセル(補正)、即ち閾値キャンセルが行われることになる。
このとき、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsは、下記の式(6)で与えられる値となる。
Vgs={Cel/(Cel+C1+C2)}
・(Vsig−Vofs)+Vth …(6)
一般に、有機EL素子31のキャパシタ31Bの容量値(寄生容量値)Celは、キャパシタ37の容量値C1および駆動TFT32の寄生容量値C2に比べて大きい。したがって、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧VgsはほぼVsig+Vthとなる。そして、時刻t12で書き込み信号WSが“L”レベルになることで、サンプリングTFT33がオフし、入力信号電圧Vsigの書き込み期間が終了する。
(発光期間)
この書き込み期間の終了後、スイッチングTFT35,36がオフした状態において、時刻t13で駆動信号DSが“H”レベルになることで、図18に示すように、スイッチングTFT34がオン状態となり、発光期間に入る。スイッチングTFT34がオンすることで、駆動TFT32のドレイン電圧が電源電位Vccまで上昇する。駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsが一定であるので、駆動TFT32は一定電流Ids”を有機EL素子31に供給する。このとき、有機EL素子31のアノード電圧Velは、有機EL素子31に一定電流Ids”が流れる電圧Vxまで上昇する。その結果、有機EL素子31は発光動作を開始する。
有機EL素子31に電流が流れると、当該有機EL素子31において電圧降下が生じるために、ノードN11の電位が上昇する。これに連動してノードN12の電位も上昇するために、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧VgsはノードN11の電位上昇に関わらず、常にVsig+Vthに維持される。その結果、有機EL素子31は、入力信号電位Vsigに応じた輝度で発光を続けることになる。
本画素回路11Aにおいても、有機EL素子31の発光時間が長くなると、当該有機EL素子31のI−V特性が変化してしまう。そのため、有機EL素子31のアノード電極と駆動TFT32のソースとの接続ノードN11の電位も変化する。しかしながら、駆動TFT32のゲート・ソース間電位Vgsが一定値に保たれているために、有機EL素子31に流れる電流は変化しない。したがって、有機EL素子31のI−V特性が劣化しても、一定電流Idsが常に流れ続けるために、有機EL素子31の発光輝度が変化することはない(有機EL素子31の特性変動に対する補償機能)。
また、入力信号電圧Vsigが書き込まれる前に駆動TFT32の閾値電圧Vthをあらかじめキャパシタ37に保持しておくことで、閾値キャンセル期間におけるスイッチングTFT34〜36およびキャパシタ37の作用により、駆動TFT32の閾値電圧Vthをキャンセルし、当該閾値電圧Vthのバラツキの影響を受けない一定電流Idsを常に有機EL素子31に流すことができるために、高画質の画像を得ることができる(駆動TFT32のVth変動に対する補償機能)。
上述したように、本実施形態に係る画素回路11Aおよび当該画素回路11Aを行列状に2次元配置してなるアクティブマトリクス型有機EL表示装置によれば、前述した参考例に係る有機EL表示装置の場合と同様に、駆動TFT32、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT34〜36の5個のトランジスタと1個のキャパシタ37という少ない構成素子数で、有機EL素子31の特性変動に対する補償機能と、駆動TFT32のVth変動に対する補償機能とを実現できる。
そして、電源電位Vcc、電源電位Vssおよび所定の電位Vofsを画素回路11Aに供給する電源線として1本の電源線23を兼用し、これら3種類の電源電位Vcc/Vss/Vofsの供給を電源供給回路24による制御の下に適宜切り替えることで、参考例に係る有機EL表示装置の場合に比べて電源線の配線本数を削減できる。すなわち、1つの画素回路11Aについて、参考例に係る有機EL表示装置では、電源電位Vcc、電源電位Vss、所定の電位Vofsの各電源線の計3本の配線が必要であったのに対して、本実施形態に係る有機EL表示装置では、電源線23の1本の配線で済む。
ここで、隣接する3個の画素回路をR,G,Bに対応させて、当該3個の画素回路を1表示単位としたカラー表示装置を考えた場合に、電源線について1表示単位あたり、参考例に係る有機EL表示装置では9本(=3本×3)の配線が必要であったのに対して、本実施形態に係る有機EL表示装置では3本(=1本×3)の配線で済む。このように、配線の本数を削減できることで、表示パネルにおいて、配線の占める割合を小さく抑えることができるために、表示パネルの高精細化や高歩留まり化を図る上で有利となる。
また、閾値キャンセル期間(閾値補正期間)を、参考例に係る有機EL表示装置では、第2オートゼロ信号AZ2と駆動信号DSとによって決定していたのに対して、本実施形態に係る有機EL表示装置では、駆動信号DSのみ(即ち、スイッチングTFT34のオン/オフ)で決定するようにしている。そのため、閾値キャンセル期間が受ける駆動線14の配線抵抗や寄生容量等に起因する駆動信号DSの波形なまりの影響を小さく抑えることができるために、表示パネルの大型化、高精細化に有利となる。
ここで、上記構成の画素回路11Aにおいて、スイッチングTFT35をオフした時点t9から書き込みを開始する時点t11までの時間について考える。
スイッチングTFT34のオフ時のリーク電流が大きいと、当該リーク電流が駆動TFT32に流れ、さらに有機EL素子31に流れることで、スイッチングTFT34がオフする時点t8から書き込みを開始する時点t11までの期間において駆動TFT32のソース電圧が上昇し、時点t9から時点t11までの期間において駆動TFT32のゲート電圧が上昇してしまう。そして、そのリーク電流の大小によって信号電圧Vsigを書き込む前に、駆動TFT32のゲート電圧にバラツキが生じ、有機EL素子31の発光輝度がばらつくために、均一な画質を得ることができない。
ところが、本実施形態に係る駆動タイミングでは、スイッチングTFT34がオフする時点t8から書き込みを開始する時点t11までの期間が、前述した参考例に係る駆動タイミング(図2を参照)における同じ期間、即ちスイッチングTFT34がオフする時刻t3から書き込みを開始する時点t5までの期間に比べて非常に短くなっているために、その分だけスイッチングTFT34のオフ時のリーク電流が有機EL素子31に流れる時間を短くできる。
一般に、スイッチングTFT34のオフ時のリーク電流によって駆動TFT32のゲート電圧およびソース電圧が上昇する量は、リーク電流が流れる時間に比例して大きくなることから、スイッチングTFT34のオフ時のリーク電流が有機EL素子31に流れる時間を短くできることで、スイッチングTFT34のリーク電流による駆動TFT32のソース電圧の変動を小さく抑えることができるために、画像ムラの無い均一な画質を得ることができる。
一方、駆動TFT32のゲート電圧のバラツキについては、電源線23の電位を所定の電位Vofsから電源電位Vccに切り替えるタイミングを、書き込み信号WSが“L”レベルから“H”レベルに遷移するタイミングt4の後に設定するとともに、スイッチングTFT35を駆動する第1オートゼロ信号AZ1が“H”レベルから“L”レベルに遷移するタイミングを、書き込み信号WSが“L”レベルから“H”レベルに遷移するタイミングt4の後に設定する、即ち第1オートゼロ信号AZ1のアクティブ期間と書き込み信号WSのアクティブ期間とをオーバーラップさせた駆動タイミングとする。
このように、第1オートゼロ信号AZ1と書き込み信号WSとのアクティブ期間をオーバーラップさせ、書き込み信号WSが“H”レベルになる信号電圧Vsigの書き込み前に、第1オートゼロ信号AZ1の“L”レベル期間を無くすことで、駆動TFT32のゲート電圧は書き込み動作まで所定の電位Vofsに維持されたままとなる。これにより、スイッチングTFT34のリーク電流によって駆動TFT32のゲート電圧が変動することが無くなるために、画像ムラの無い均一な画質を得ることができる。
[第2実施形態]
図20は、本発明の第2実施形態に係るアクティブマトリクス型表示装置および当該表示装置に用いられる画素回路の構成を示す回路図である。本実施形態に係るアクティブマトリクス型表示装置において、画素回路11Bが5個のトランジスタ32〜36と1個のキャパシタ37からなる点で、参考例に係る画素回路11と同じであることから、同等部分には同一符号を付して示している。
画素回路11Bの各々に対して各行毎に走査線13、駆動線14、第1,第2オートゼロ線15,16および電源線23がそれぞれ配線され、また各列毎にデータ線17が配線されている。この画素アレイ部12の周囲には、走査線13を駆動する書き込み走査回路18と、駆動線14を駆動する駆動走査回路19と、第1,第2オートゼロ線15,16を駆動する第1,第2オートゼロ回路20,21と、輝度情報に応じたデータ信号をデータ線17に供給するデータ線駆動回路22と、電源線23に対して後述する2種類の電源電位を選択的に供給する電源供給回路24とが配置されている。
ここで、書き込み走査回路18が特許請求の範囲における第1の駆動手段に相当し、駆動走査回路19が特許請求の範囲における第2の駆動手段に相当し、第1,第2オートゼロ回路20,21が特許請求の範囲における第3,第4の駆動手段に相当する。
また、書き込み走査回路18、駆動走査回路19、第1,第2オートゼロ回路20,21および電源供給回路24の動作や画素アレイ部12に対する配置関係については、第1実施形態に係る有機EL表示装置の場合と同じである。
画素回路11Bにおいて、有機EL素子31は、カソード電極が第1の電源電位(本例では、接地電位GND)に接続されている。駆動TFT32は、有機EL素子31を電流駆動する駆動トランジスタであり、ソースが有機EL素子31のアノード電極に接続されてソースフォロア回路を形成している。サンプリングTFT33は、ソースがデータ線17に、ドレインが駆動TFT32のゲートに、ゲートが走査線13にそれぞれ接続されている。
スイッチングTFT34は、電源線23と駆動TFT32のドレインとの間に接続され、ゲートが駆動線14に接続されている。スイッチングTFT35は、所定の電位VofsとサンプリングTFT33のドレイン(駆動TFT32のゲート)との間に接続され、ゲートが第1オートゼロ線15に接続されている。
スイッチングTFT36は、駆動TFT32のソースと有機EL素子31のアノード電極との接続ノードN11と電源線23との間に接続され、ゲートが第2オートゼロ線16に接続されている。キャパシタ37は、一端が駆動TFT32のゲートとサンプリングTFT33のドレインとの接続ノードN12に、他端が駆動トランジスタTFT32のソースと有機EL素子31のアノード電極との接続ノードN11にそれぞれ接続されている。
ここで、電源供給回路24からは電源線23に対して、第2の電源電位Vcc(本例では、正の電源電位)と、当該第2の電源電位よりも低い第3の電源電位Vss(本例では、Vss=GND)とが選択的に供給される。
上述した接続関係にて各構成素子が接続されてなる画素回路11Bにおいて、各構成素子は次のような作用をなす。すなわち、サンプリングTFT33は、オン状態となることにより、データ線17を通して供給される入力信号電圧Vsigをサンプリングする。このサンプリングされた信号電圧Vsigは、キャパシタ37に保持される。スイッチングTFT34は、電源供給回路24から電源線23に電源電位Vccが供給されているときにオン状態になることで、電源線23から駆動TFT32に電流を供給する。
駆動TFT32は、キャパシタ37に保持された信号電圧Vsigに応じて有機EL素子31を電流駆動する。スイッチングTFT35,36は、適宜オン状態になることにより、有機EL素子31の電流駆動に先立って駆動TFT32の閾値電圧Vthを検知し、あらかじめその影響をキャンセルするために当該検知した閾値電圧Vthをキャパシタ37に保持する。このとき、電源線23には電源供給回路24から電源電位Vssが供給されている。
この画素回路11Bでは、正常な動作を保証するための条件として、第3の電源電位Vssは、所定の電位Vofsから駆動TFT32の閾値電圧Vthを差し引いた電位よりも低く設定されている。すなわち、Vss<Vofs−Vthのレベル関係となっている。また、有機EL素子31のカソード電圧Vcat(本例では、接地電位GND)に有機EL素子31の閾値電圧Vthelに加えたレベルは、電源電位Vssよりも高く設定されている。すなわち、Vcat+Vthel>Vssのレベル関係となっている。
続いて、上記構成の画素回路11Bを行列状に2次元配置してなるアクティブマトリクス型有機EL表示装置において、本発明に係る駆動方法による駆動の下に実行される回路動作について、図21のタイミングチャートおよび図22〜図27の動作説明図を用いて説明する。
図21には、ある行の画素回路11Bを駆動する際に、書き込み走査回路18から走査線13を介して画素回路11Bに与えられる書き込み信号WS、駆動走査回路19から駆動線14を介して画素回路11Bに与えられる駆動信号DSおよび第1,第2オートゼロ回路20,21から第1,第2オートゼロ線15,16を介して画素回路11Bに与えられる第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2のタイミング関係、ならびに電源線23の電位、駆動TFT32のゲート電圧およびソース電圧の変化をそれぞれ示している。
ここで、書き込み信号WS、駆動信号DSおよび第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2は、“H”レベルの状態がアクティブ状態、“L”レベルの状態が非アクティブ状態とする。また、図22〜図27の動作説明図では、図面の簡略化のために、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT34〜36についてはスイッチのシンボルを用いて図示するものとする。
(発光期間)
通常の発光状態では、書き込み走査回路18から出力される書き込み信号WSおよび第1,第2オートゼロ回路20,21から出力される第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2が“L”レベルにあり、駆動走査回路19から出力される駆動信号DSが“H”レベルにあるために、図22に示すように、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT35,36はオフした状態にあり、スイッチングTFT33がオンした状態にある。
このとき、電源線23には電源供給回路24から電源電位Vccが供給されている。すなわち、電源線23の電位が電源電位Vccになっている。また、駆動TFT32は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。その結果、電源線23からスイッチングTFT34および駆動TFT32を通して、有機EL素子31に対して先述した式(1)で与えられる一定電流Idsが供給される。
(非発光期間)
次に、時刻t1で駆動信号DSが“L”レベルになることで、図23に示すように、スイッチングTFT34がオフする。これにより、駆動TFT32を流れる一定電流Idsの電流路が遮断されるために、有機EL素子31には電流が流れず、当該有機EL素子31は消光する(非発光状態となる)。このとき、ノードN11の電位、即ち駆動TFT32のソース電圧は、有機EL素子31のカソード電圧Vcatと当該有機EL素子31の閾値電圧Vthelの和、即ちVcat+Vthelになる。
時点t2で第1オートゼロ信号AZ1が“H”レベルになり、スイッチングTFT35がオンすることで、図24に示すように、駆動TFT32のゲートにスイッチングTFT35を通して所定の電位Vofsが与えられる。次に、時点t3で電源線23の電位が電源電位Vccから電源電位Vssに切り替わり、その後時点t4で第2オートゼロ信号AZ2が“H”レベルになり、スイッチングTFT36がオンすることで、図24に示すように、電源線23からスイッチングTFT36を通してノードN11に電源電位Vssが与えられる。このとき、先述したように、Vss<Vcat+Vthelの関係にあるために、有機EL素子31は逆バイアス状態となり、消光状態(非発光状態)を維持する。
その後、時点t5で第2オートゼロ信号AZ2が“L”レベルになり、スイッチングTFT36がオフする。次いで、時点t6で電源線23の電位が電源電位Vssから電源電位Vccに切り替わる。
(閾値キャンセル期間)
そして、時点t7で駆動信号DSが“H”レベルになることで、スイッチングTFT34がオンする。このとき、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsが当該駆動TFT32の閾値電圧Vthよりも大ならば、駆動TFT32がオン状態になるために、図25に示すように、電源線23→スイッチングTFT34→駆動TFT32→ノードN11→キャパシタ36の経路(図中、一点鎖線で示す経路)で電流が流れ、閾値キャンセル(閾値補正)動作が開始される。
ここで、有機EL素子31がダイオード31Aとキャパシタ31Bで表されるために、有機EL素子31に印加される電圧Velが、先述したように、Vel<Vcat+Vthel(有機EL素子31のリーク電流が駆動TFT32を流れる電流よりもかなり小さい)の関係にある限り、駆動TFT32を流れる電流は、キャパシタ37とキャパシタ31Bとを充電する。
このとき、駆動TFT32のソース電圧Velは、時間が経過するにつれて初期ソース電圧から徐々に上昇する(図19を参照)。一定時間が経過し、ノードN11とノードN12との間の電位差、即ち駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsがちょうど閾値電圧Vthになったところで、駆動TFT32はオフ状態になる。
そして、N11−N12間の電位差Vthは、閾値キャンセル(補正)用の電位としてキャパシタ37に保持される。このとき、Vel=Vofs−Vth<Vcat+Vthelとなっている。その後、時点t8で駆動信号DSが“H”レベルから“L”レベルに遷移することで、スイッチングTFT34がオフ状態となり、閾値キャンセル期間の終了となる。その後、時点t9で第1オートゼロ信号AZ1が“L”レベルになり、スイッチングTFT35がオフする。
(書き込み期間)
時点t10で書き込み信号WSが“H”レベルになり、サンプリングTFT33がオン状態となることで、階調に応じた所望の電圧値の入力信号電圧Vsigの書き込み期間に入る。この書き込み期間では、図26に示すように、入力信号電圧VsigがサンプリングTFT33によってサンプリングされ、キャパシタ37に書き込まれる。
このとき、信号電圧Vsigは、キャパシタ37に保持されている閾値電圧Vthに足し込まれる形で保持される。その結果、駆動TFT32の閾値電圧Vthのバラツキが常にキャンセルされた形となる。すなわち、キャパシタ37にあらかじめ閾値電圧Vthを保持しておくことで、当該閾値電圧Vthのバラツキのキャンセル(補正)、即ち閾値キャンセルが行われることになる。
このとき、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsは、先述した式(6)で与えられる値となる。一般に、有機EL素子31のキャパシタ31Bの容量値Celは、キャパシタ37の容量値C1および駆動TFT32の寄生容量値C2に比べて大きい。したがって、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧VgsはほぼVsig+Vthとなる。そして、時刻t11で書き込み信号WSが“L”レベルになることで、サンプリングTFT33がオフし、入力信号電圧Vsigの書き込み期間が終了する。
(発光期間)
この書き込み期間の終了後、スイッチングTFT35,36がオフした状態において、時刻t12で駆動信号DSが“H”レベルになることで、図27に示すように、スイッチングTFT34がオン状態となり、発光期間に入る。スイッチングTFT34がオンすることで、駆動TFT32のドレイン電圧が電源電位Vccまで上昇する。駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsが一定であるので、駆動TFT32は一定電流Ids”を有機EL素子31に供給する。このとき、有機EL素子31のアノード電圧Velは、有機EL素子31に一定電流Ids”が流れる電圧Vxまで上昇する。その結果、有機EL素子31は発光動作を開始する。
本画素回路11Bにおいても、有機EL素子31の発光時間が長くなると、当該有機EL素子31のI−V特性が変化してしまう。そのため、有機EL素子31のアノード電極と駆動TFT32のソースとの接続ノードN11の電位も変化する。しかしながら、駆動TFT32のゲート・ソース間電位Vgsが一定値に保たれているために、有機EL素子31に流れる電流は変化しない。したがって、有機EL素子31のI−V特性が劣化しても、一定電流Idsが常に流れ続けるために、有機EL素子31の発光輝度が変化することはない(有機EL素子31の特性変動に対する補償機能)。
また、入力信号電圧Vsigが書き込まれる前に駆動TFT32の閾値電圧Vthをあらかじめキャパシタ37に保持しておくことで、閾値キャンセル期間におけるスイッチングTFT34〜36およびキャパシタ37の作用により、駆動TFT32の閾値電圧Vthをキャンセルし、当該閾値電圧Vthのバラツキの影響を受けない一定電流Idsを常に有機EL素子31に流すことができるために、高画質の画像を得ることができる(駆動TFT32のVth変動に対する補償機能)。
上述したように、本実施形態に係る画素回路11Bおよび当該画素回路11Bを行列状に2次元配置してなるアクティブマトリクス型有機EL表示装置によれば、前述した参考例に係る有機EL表示装置の場合と同様に、駆動TFT32、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT34〜36の5個のトランジスタと1個のキャパシタ37という少ない構成素子数で、有機EL素子31の特性変動に対する補償機能と、駆動TFT32のVth変動に対する補償機能とを実現できる。
そして、電源電位Vccおよび電源電位Vssを画素回路11Bに供給する電源線として1本の電源線23を兼用し、これら2種類の電源電位Vcc/Vssの供給を電源供給回路24による制御の下に適宜切り替えることで、参考例に係る有機EL表示装置の場合に比べて電源線の配線本数を削減できる。すなわち、1つの画素回路11Bについて、参考例に係る有機EL表示装置では、電源電位Vcc、電源電位Vss、所定の電位Vofsの各電源線の計3本の配線が必要であったのに対して、本実施形態に係る有機EL表示装置では、所定の電位Vofsを供給する電源線と電源線23の2本の配線で済む。
ここで、隣接する3個の画素回路をR,G,Bに対応させて、当該3個の画素回路を1表示単位としたカラー表示装置を考えた場合に、電源線について1表示単位あたり、参考例に係る有機EL表示装置では9本(=3本×3)の配線が必要であったのに対して、本実施形態に係る有機EL表示装置では6本(=2本×3)の配線で済む。このように、配線の本数を削減できることで、表示パネルにおいて、配線の占める割合を小さく抑えることができるために、表示パネルの高精細化や高歩留まり化を図る上で有利となる。
また、本実施形態に係る有機EL表示装置においても、閾値キャンセル期間を、駆動信号DSのみ(即ち、スイッチングTFT34のオン/オフ)で決定するようにしていることから、閾値キャンセル期間が受ける駆動線14の配線抵抗や寄生容量等に起因する駆動信号DSの波形なまりの影響を小さく抑えることができるために、表示パネルの大型化、高精細化に有利となる。
さらに、本実施形態に係る有機EL表示装置でも、スイッチングTFT34がオフする時点t8から書き込みを開始する時点t10までの期間が、前述した参考例に係る駆動タイミング(図2を参照)における同じ期間、即ちスイッチングTFT34がオフする時刻t3から書き込みを開始する時点t5までの期間に比べて非常に短くなっているために、その分だけスイッチングTFT34のオフ時のリーク電流が有機EL素子31に流れる時間を短くできる。これにより、スイッチングTFT34のリーク電流による駆動TFT32のソース電圧の変動を小さく抑えることができるために、画像ムラの無い均一な画質を得ることができる。
また、駆動TFT32のゲート電圧のバラツキについても、スイッチングTFT35を駆動する第1オートゼロ信号AZ1が“L”レベルになるタイミングを、書き込み信号WSが“H”レベルになるタイミングt4の後に設定する、即ち第1オートゼロ信号AZ1のアクティブ期間と書き込み信号WSのアクティブ期間とをオーバーラップさせた駆動タイミングに設定し、書き込み信号WSが“H”レベルになる信号電圧Vsigの書き込み前に、第1オートゼロ信号AZ1の“L”レベル期間を無くすことで、駆動TFT32のゲート電圧は書き込み動作まで所定の電位Vofsに維持されたままとなり、スイッチングTFT34のリーク電流によって駆動TFT32のゲート電圧が変動することが無くなるために、画像ムラの無い均一な画質を得ることができる。さらに、本発明では電源ラインが2値をもつので、既存のゲートドライバや垂直スキャナを用いることができ、低コスト化が実現可能である。
[第3実施形態]
図28は、本発明の第3実施形態に係るアクティブマトリクス型表示装置および当該表示装置に用いられる画素回路の構成を示す回路図である。本実施形態に係るアクティブマトリクス型表示装置において、画素回路11Cが5個のトランジスタ32〜36と1個のキャパシタ37からなる点で、参考例に係る画素回路11と同じであることから、同等部分には同一符号を付して示している。
画素回路11Cの各々に対して各行毎に走査線13、駆動線14、第1,第2オートゼロ線15,16および電源線23がそれぞれ配線され、また各列毎にデータ線17が配線されている。この画素アレイ部12の周囲には、走査線13を駆動する書き込み走査回路18と、駆動線14を駆動する駆動走査回路19と、第1,第2オートゼロ線15,16を駆動する第1,第2オートゼロ回路20,21と、輝度情報に応じたデータ信号をデータ線17に供給するデータ線駆動回路22と、電源線23に対して後述する3種類の電源電位を選択的に供給する電源供給回路24とが配置されている。
ここで、書き込み走査回路18が特許請求の範囲における第1の駆動手段に相当し、駆動走査回路19が特許請求の範囲における第3の駆動手段に相当し、第1オートゼロ回路20が特許請求の範囲における第2の駆動手段に相当し、第2オートゼロ回路21が特許請求の範囲における第4の駆動手段に相当する。
また、書き込み走査回路18、駆動走査回路19、第1,第2オートゼロ回路20,21および電源供給回路24の動作や画素アレイ部12に対する配置関係については、第1実施形態に係る有機EL表示装置の場合と同じである。
画素回路11Cにおいて、有機EL素子31は、カソード電極が第1の電源電位(本例では、接地電位GND)に接続されている。駆動TFT32は、有機EL素子31を電流駆動する駆動トランジスタであり、ソースが有機EL素子31のアノード電極に接続されてソースフォロア回路を形成している。サンプリングTFT33は、ソースがデータ線17に、ドレインが駆動TFT32のゲートに、ゲートが走査線13にそれぞれ接続されている。
スイッチングTFT34は、電源線23と駆動TFT32のドレインとの間に接続され、ゲートが駆動線14に接続されている。スイッチングTFT35は、電源線23とサンプリングTFT33のドレイン(駆動TFT32のゲート)との間に接続され、ゲートが第1オートゼロ線15に接続されている。ここで、電源線23には、電源供給回路24から第2の電源電位Vcc(本例では、正の電源電位)と、所定の電位Vofsとが選択的に供給される。
スイッチングTFT36は、駆動TFT32のソースと有機EL素子31のアノード電極との接続ノードN11と第3の電源電位Vss(本例では、Vss=GND)との間に接続され、ゲートが第2オートゼロ線16に接続されている。キャパシタ37は、一端が駆動TFT32のゲートとサンプリングTFT33のドレインとの接続ノードN12に、他端が駆動トランジスタTFT32のソースと有機EL素子31のアノード電極との接続ノードN11にそれぞれ接続されている。
上述した接続関係にて各構成素子が接続されてなる画素回路11Cにおいて、各構成素子は次のような作用をなす。すなわち、サンプリングTFT33は、オン状態となることにより、データ線17を通して供給される入力信号電圧Vsigをサンプリングする。このサンプリングされた信号電圧Vsigは、キャパシタ37に保持される。スイッチングTFT34は、電源供給回路24から電源線23に電源電位Vccが供給されているときにオン状態になることで、電源線23から駆動TFT32に電流を供給する。
駆動TFT32は、キャパシタ37に保持された信号電圧Vsigに応じて有機EL素子31を電流駆動する。スイッチングTFT35,36は、適宜オン状態になることで、有機EL素子31の電流駆動に先立って駆動TFT32の閾値電圧Vthを検知し、あらかじめその影響をキャンセルするために当該検知した閾値電圧Vthをキャパシタ37に保持する。このとき、電源線23には電源供給回路24から所定の電位Vofsが供給されている。
この画素回路11Cでは、正常な動作を保証するための条件として、第3の電源電位Vssは、所定の電位Vofsから駆動TFT32の閾値電圧Vthを差し引いた電位よりも低く設定されている。すなわち、Vss<Vofs−Vthのレベル関係となっている。また、有機EL素子31のカソード電圧Vcat(本例では、接地電位GND)に有機EL素子31の閾値電圧Vthelに加えたレベルは、電源電位Vssよりも高く設定されている。すなわち、Vcat+Vthel>Vssのレベル関係となっている。
続いて、上記構成の画素回路11Cを行列状に2次元配置してなるアクティブマトリクス型有機EL表示装置において、本発明に係る駆動方法による駆動の下に実行される回路動作について、図29のタイミングチャートおよび図30〜図35の動作説明図を用いて説明する。
図29には、ある行の画素回路11Cを駆動する際に、書き込み走査回路18から走査線13を介して画素回路11Cに与えられる書き込み信号WS、駆動走査回路19から駆動線14を介して画素回路11Cに与えられる駆動信号DSおよび第1,第2オートゼロ回路20,21から第1,第2オートゼロ線15,16を介して画素回路11Cに与えられる第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2のタイミング関係、ならびに電源線23の電位、駆動TFT32のゲート電圧およびソース電圧の変化をそれぞれ示している。
ここで、書き込み信号WS、駆動信号DSおよび第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2は、“H”レベルの状態がアクティブ状態、“L”レベルの状態が非アクティブ状態とする。また、図30〜図35の動作説明図では、図面の簡略化のために、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT34〜36についてはスイッチのシンボルを用いて図示するものとする。
(発光期間)
通常の発光状態では、書き込み走査回路18から出力される書き込み信号WSおよび第1,第2オートゼロ回路20,21から出力される第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2が“L”レベルにあり、駆動走査回路19から出力される駆動信号DSが“H”レベルにあるために、図30に示すように、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT35,36はオフした状態にあり、スイッチングTFT33がオンした状態にある。
このとき、電源線23には電源供給回路24から電源電位Vccが供給されている。すなわち、電源線23の電位が電源電位Vccになっている。また、駆動TFT32は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。その結果、電源線23からスイッチングTFT34および駆動TFT32を通して、有機EL素子31に対して先述した式(1)で与えられる一定電流Idsが供給される。
(非発光期間)
次に、時刻t1で駆動信号DSが“L”レベルになることで、図31に示すように、スイッチングTFT34がオフする。これにより、駆動TFT32を流れる一定電流Idsの電流路が遮断されるために、有機EL素子31には電流が流れず、当該有機EL素子31は消光する(非発光状態となる)。このとき、ノードN11の電位、即ち駆動TFT32のソース電圧は、有機EL素子31のカソード電圧Vcatと当該有機EL素子31の閾値電圧Vthelの和、即ちVcat+Vthelになる。
時点t2で電源線23の電位が電源電位Vccから所定の電位Vofsに切り替わり、次いで時点t3で第1オートゼロ信号AZ1が“H”レベルになり、スイッチングTFT35がオンすることで、図32に示すように、電源線23から所定の電位VofsがスイッチングTFT35を介して駆動TFT32のゲートに与えられる。
続いて、時点t4で第2オートゼロ信号AZ2が“H”レベルになり、スイッチングTFT36がオンすることで、図32に示すように、電源電位VssがスイッチングTFT36を通してノードN11、即ち駆動TFT32のソースに与えられる。このとき、先述したように、Vss<Vcat+Vthelの関係にあるために、有機EL素子31は逆バイアス状態となり、消光状態を維持する。その後、時点t5で第2オートゼロ信号AZ2が“L”レベルになり、スイッチングTFT36がオフする。
(閾値キャンセル期間)
そして、時点t6で駆動信号DSが“H”レベルになることで、スイッチングTFT34がオンする。このとき、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsが当該駆動TFT32の閾値電圧Vthよりも大ならば、駆動TFT32がオン状態になるために、図33に示すように、電源線23→スイッチングTFT34→駆動TFT32→ノードN11→キャパシタ36の経路(図中、点線で示す経路)で電流が流れ、閾値キャンセル(閾値補正)動作が開始される。
ここで、有機EL素子31がダイオード31Aとキャパシタ31Bで表されるために、有機EL素子31に印加される電圧Velが、先述したように、Vel<Vcat+Vthel(有機EL素子31のリーク電流が駆動TFT32を流れる電流よりもかなり小さい)の関係にある限り、駆動TFT32を流れる電流は、キャパシタ37とキャパシタ31Bとを充電する。
このとき、駆動TFT32のソース電圧Velは、時間が経過するにつれて初期ソース電圧から徐々に上昇する(図19を参照)。一定時間が経過し、ノードN11とノードN12との間の電位差、即ち駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsがちょうど閾値電圧Vthになったところで、駆動TFT32はオフ状態になる。
そして、N11−N12間の電位差Vthは、閾値キャンセル(補正)用の電位としてキャパシタ37に保持される。このとき、Vel=Vofs−Vth<Vcat+Vthelとなっている。その後、時点t7で駆動信号DSが“H”レベルから“L”レベルに遷移することで、スイッチングTFT34がオフ状態となり、閾値キャンセル期間の終了となる。
その後、時点t8で第1オートゼロ信号AZ1が“L”レベルになり、スイッチングTFT35がオフする。続いて、時点t9で電源線23の電位が所定の電位Vofsから電源電位Vccに切り替わる。
(書き込み期間)
時点t10で書き込み信号WSが“H”レベルになり、サンプリングTFT33がオン状態となることで、階調に応じた所望の電圧値の入力信号電圧Vsigの書き込み期間に入る。この書き込み期間では、図34に示すように、入力信号電圧VsigがサンプリングTFT33によってサンプリングされ、キャパシタ37に書き込まれる。
このとき、信号電圧Vsigは、キャパシタ37に保持されている閾値電圧Vthに足し込まれる形で保持される。その結果、駆動TFT32の閾値電圧Vthのバラツキが常にキャンセルされた形となる。すなわち、キャパシタ37にあらかじめ閾値電圧Vthを保持しておくことで、当該閾値電圧Vthのバラツキのキャンセル(補正)、即ち閾値キャンセルが行われることになる。
このとき、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsは、先述した式(6)で与えられる値となる。一般に、有機EL素子31のキャパシタ31Bの容量値Celは、キャパシタ37の容量値C1および駆動TFT32の寄生容量値C2に比べて大きい。したがって、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧VgsはほぼVsig+Vthとなる。そして、時刻t11で書き込み信号WSが“L”レベルになることで、サンプリングTFT33がオフし、入力信号電圧Vsigの書き込み期間が終了する。
(発光期間)
この書き込み期間の終了後、スイッチングTFT35,36がオフした状態において、時刻t12で駆動信号DSが“H”レベルになることで、図35に示すように、スイッチングTFT34がオン状態となり、発光期間に入る。スイッチングTFT34がオンすることで、駆動TFT32のドレイン電圧が電源電位Vccまで上昇する。駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsが一定であるので、駆動TFT32は一定電流Ids”を有機EL素子31に供給する。このとき、有機EL素子31のアノード電圧Velは、有機EL素子31に一定電流Ids”が流れる電圧Vxまで上昇する。その結果、有機EL素子31は発光動作を開始する。
本画素回路11Cにおいても、有機EL素子31の発光時間が長くなると、当該有機EL素子31のI−V特性が変化してしまう。そのため、有機EL素子31のアノード電極と駆動TFT32のソースとの接続ノードN11の電位も変化する。しかしながら、駆動TFT32のゲート・ソース間電位Vgsが一定値に保たれているために、有機EL素子31に流れる電流は変化しない。したがって、有機EL素子31のI−V特性が劣化しても、一定電流Idsが常に流れ続けるために、有機EL素子31の発光輝度が変化することはない(有機EL素子31の特性変動に対する補償機能)。
また、入力信号電圧Vsigが書き込まれる前に駆動TFT32の閾値電圧Vthをあらかじめキャパシタ37に保持しておくことで、閾値キャンセル期間におけるスイッチングTFT34〜36およびキャパシタ37の作用により、駆動TFT32の閾値電圧Vthをキャンセルし、当該閾値電圧Vthのバラツキの影響を受けない一定電流Idsを常に有機EL素子31に流すことができるために、高画質の画像を得ることができる(駆動TFT32のVth変動に対する補償機能)。
上述したように、本実施形態に係る画素回路11Cおよび当該画素回路11Cを行列状に2次元配置してなるアクティブマトリクス型有機EL表示装置によれば、前述した参考例に係る有機EL表示装置の場合と同様に、駆動TFT32、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT34〜36の5個のトランジスタと1個のキャパシタ37という少ない構成素子数で、有機EL素子31の特性変動に対する補償機能と、駆動TFT32のVth変動に対する補償機能とを実現できる。
そして、電源電位Vccおよび所定の電位Vofsを画素回路11Cに供給する電源線として1本の電源線23を兼用し、これら2種類の電源電位Vcc/Vofsの供給を電源供給回路24による制御の下に適宜切り替えることで、参考例に係る有機EL表示装置の場合に比べて電源線の配線本数を削減できる。すなわち、1つの画素回路11Cについて、参考例に係る有機EL表示装置では、電源電位Vcc、電源電位Vss、所定の電位Vofsの各電源線の計3本の配線が必要であったのに対して、本実施形態に係る有機EL表示装置では、電源電位Vssを供給する電源線と電源線23の2本の配線で済む。
ここで、隣接する3個の画素回路をR,G,Bに対応させて、当該3個の画素回路を1表示単位としたカラー表示装置を考えた場合に、電源線について1表示単位あたり、参考例に係る有機EL表示装置では9本(=3本×3)の配線が必要であったのに対して、本実施形態に係る有機EL表示装置では6本(=2本×3)の配線で済む。このように、配線の本数を削減できることで、表示パネルにおいて、配線の占める割合を小さく抑えることができるために、表示パネルの高精細化や高歩留まり化を図る上で有利となる。
また、本実施形態に係る有機EL表示装置においても、閾値キャンセル期間を、駆動信号DSのみ(即ち、スイッチングTFT34のオン/オフ)で決定するようにしていることから、閾値キャンセル期間が受ける駆動線14の配線抵抗や寄生容量等に起因する駆動信号DSの波形なまりの影響を小さく抑えることができるために、表示パネルの大型化、高精細化に有利となる。
さらに、有機EL素子31の消光をスイッチングTFT34のオフで決定しているために、電源線23から電源電位Vssの電源線に電流が流れることがない。電源電位Vssの電源線に電流が流れないことで、レイアウト上当該電源線の配線幅を細くすることができるために、より高精細化・高歩留まり化が可能になる。さらに、本発明では電源ラインが2値をもつので、既存のゲートドライバや垂直スキャナを用いることができ、低コスト化が実現可能である。
また、本実施形態に係る有機EL表示装置でも、スイッチングTFT34がオフする時点t7から書き込みを開始する時点t10までの期間が、前述した参考例に係る駆動タイミング(図2を参照)における同じ期間、即ちスイッチングTFT34がオフする時刻t3から書き込みを開始する時点t5までの期間に比べて非常に短くなっているために、その分だけスイッチングTFT34のオフ時のリーク電流が有機EL素子31に流れる時間を短くできる。これにより、スイッチングTFT34のリーク電流による駆動TFT32のソース電圧の変動を小さく抑えることができるために、画像ムラの無い均一な画質を得ることができる。
また、駆動TFT32のゲート電圧のバラツキについても、スイッチングTFT35を駆動する第1オートゼロ信号AZ1が“L”レベルになるタイミングを、書き込み信号WSが“H”レベルになるタイミングt4の後に設定する、即ち第1オートゼロ信号AZ1のアクティブ期間と書き込み信号WSのアクティブ期間とをオーバーラップさせた駆動タイミングに設定し、書き込み信号WSが“H”レベルになる信号電圧Vsigの書き込み前に、第1オートゼロ信号AZ1の“L”レベル期間を無くすことで、駆動TFT32のゲート電圧は書き込み動作まで所定の電位Vofsに維持されたままとなり、スイッチングTFT34のリーク電流によって駆動TFT32のゲート電圧が変動することが無くなるために、画像ムラの無い均一な画質を得ることができる。
[第4実施形態]
図36は、本発明の第4実施形態に係るアクティブマトリクス型有機EL表示装置および当該表示装置に用いられる画素回路の構成を示す回路図である。本実施形態に係る有機EL表示装置は、第3実施形態に係る有機EL表示装置とは、5個のトランジスタ33〜36と1個のキャパシタ37という少ない構成素子数で、有機EL素子31の特性変動に対する補償機能と、駆動TFT32のVth変動に対する補償機能とを実現しつつ、2種類の電源電位Vcc/Vofsの供給を適宜切り替えることによって電源線23を共用するという基本的な構成については同じであり、画素回路の具体的な回路構成およびそれに伴う回路動作が若干相違している。
本実施形態に係る画素回路11Dにおいて、有機EL素子31は、カソード電極が第1の電源電位(本例では、接地電位GND)に接続されている。駆動TFT32は、有機EL素子31を電流駆動する駆動トランジスタであり、ソースが有機EL素子31のアノード電極に接続されてソースフォロア回路を形成している。サンプリングTFT33は、ソースがデータ線17に、ドレインが駆動TFT32のゲートに、ゲートが走査線13にそれぞれ接続されている。
スイッチングTFT34は、電源線23と駆動TFT32のドレインとの間に接続され、ゲートが駆動線14に接続されている。スイッチングTFT35は、駆動TFT32のゲートと当該駆動TFT32のソース(スイッチングTFT34のソース)との間に接続され、ゲートが第1オートゼロ線15に接続されている。ここで、電源線23には、電源供給回路24から第2の電源電位Vcc(本例では、正の電源電位)と、所定の電位Vofsとが選択的に供給される。
スイッチングTFT36は、駆動TFT32のソースと有機EL素子31のアノード電極との接続ノードN11と第3の電源電位Vss(本例では、Vss=GND)との間に接続され、ゲートが第2オートゼロ線16に接続されている。キャパシタ37は、一端が駆動TFT32のゲートとサンプリングTFT33のドレインとの接続ノードN12に、他端が駆動トランジスタTFT32のソースと有機EL素子31のアノード電極との接続ノードN11にそれぞれ接続されている。
上述した接続関係にて各構成素子が接続されてなる画素回路11Dにおいて、各構成素子は次のような作用をなす。すなわち、サンプリングTFT33は、オン状態となることにより、データ線17を通して供給される入力信号電圧Vsigをサンプリングする。このサンプリングされた信号電圧Vsigは、キャパシタ37に保持される。スイッチングTFT34は、電源供給回路24から電源線23に電源電位Vccが供給されているときにオン状態になることで、電源線23から駆動TFT32に電流を供給する。
駆動TFT32は、キャパシタ37に保持された信号電圧Vsigに応じて有機EL素子31を電流駆動する。スイッチングTFT35,36は、適宜オン状態になることで、有機EL素子31の電流駆動に先立って駆動TFT32の閾値電圧Vthを検知し、あらかじめその影響をキャンセルするために当該検知した閾値電圧Vthをキャパシタ37に保持する。このとき、電源線23には電源供給回路24から所定の電位Vofsが供給されている。
この画素回路11Dでは、正常な動作を保証するための条件として、第3の電源電位Vssは、所定の電位Vofsから駆動TFT32の閾値電圧Vthを差し引いた電位よりも低く設定されている。すなわち、Vss<Vofs−Vthのレベル関係となっている。また、有機EL素子31のカソード電圧Vcat(本例では、接地電位GND)に有機EL素子31の閾値電圧Vthelに加えたレベルは、電源電位Vssよりも高く設定されている。すなわち、Vcat+Vthel>Vssのレベル関係となっている。
続いて、上記構成の画素回路11Dを行列状に2次元配置してなるアクティブマトリクス型有機EL表示装置において、本発明に係る駆動方法による駆動の下に実行される回路動作について、図37のタイミングチャートおよび図38〜図44の動作説明図を用いて説明する。
図37には、ある行の画素回路11Dを駆動する際に、書き込み走査回路18から走査線13を介して画素回路11Dに与えられる書き込み信号WS、駆動走査回路19から駆動線14を介して画素回路11Dに与えられる駆動信号DSおよび第1,第2オートゼロ回路20,21から第1,第2オートゼロ線15,16を介して画素回路11Dに与えられる第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2のタイミング関係、ならびに電源線23の電位、駆動TFT32のゲート電圧およびソース電圧の変化をそれぞれ示している。
ここで、書き込み信号WS、駆動信号DSおよび第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2は、“H”レベルの状態がアクティブ状態、“L”レベルの状態が非アクティブ状態とする。また、図38〜図44の動作説明図では、図面の簡略化のために、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT34〜36についてはスイッチのシンボルを用いて図示するものとする。
(発光期間)
通常の発光状態では、書き込み走査回路18から出力される書き込み信号WSおよび第1,第2オートゼロ回路20,21から出力される第1,第2オートゼロ信号AZ1,AZ2が“L”レベルにあり、駆動走査回路19から出力される駆動信号DSが“H”レベルにあるために、図38に示すように、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT35,36はオフした状態にあり、スイッチングTFT33がオンした状態にある。
このとき、電源線23には電源供給回路24から電源電位Vccが供給されている。すなわち、電源線23の電位が電源電位Vccになっている。また、駆動TFT32は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。その結果、電源線23からスイッチングTFT34および駆動TFT32を通して、有機EL素子31に対して先述した式(1)で与えられる一定電流Idsが供給される。
(非発光期間)
次に、時刻t1で駆動信号DSが“L”レベルになることで、図39に示すように、スイッチングTFT34がオフする。これにより、駆動TFT32を流れる一定電流Idsの電流路が遮断されるために、有機EL素子31には電流が流れず、当該有機EL素子31は消光する。このとき、ノードN11の電位、即ち駆動TFT32のソース電圧は、有機EL素子31のカソード電圧Vcatと当該有機EL素子31の閾値電圧Vthelの和、即ちVcat+Vthelになる。
時点t2で電源線23の電位が電源電位Vccから所定の電位Vofsに切り替わり、次いで時点t3で第1オートゼロ信号AZ1が“H”レベルになり、スイッチングTFT35がオンすることで、図40に示すように、駆動TFT32のゲートとドレインが接続される。これにより、キャパシタ37→スイッチングTFT35→駆動TFT32→ノードN11の経路(図中、点線で示す経路)で電流が流れる。これにより、駆動TFT32のゲート電圧は時間が経過するにつれて緩やかに下降してゆく。そして、一定時間が経過後、駆動TFT32のゲート電圧はVcat+Vthel+Vthという値になる。
次に、時点t4で第2オートゼロ信号AZ2が“H”レベルになり、スイッチングTFT36がオンすることで、図41に示すように、電源電位VssがスイッチングTFT36を通してノードN11、即ち駆動TFT32のソースに与えられる。このとき、先述したように、Vss<Vcat+Vthelの関係にあるために、有機EL素子31は逆バイアス状態となり、消光状態を維持する。
ここで、駆動TFT32のゲート・ソース間にはキャパシタ37が接続されているために、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsは一定に保たれている。よって、駆動TFT32のソースが電源電位Vssになることで、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧VgsはVss+Vthという値となる。その後、時点t5で第2オートゼロ信号AZ2が“L”レベルになり、スイッチングTFT36がオフする。
(閾値キャンセル期間)
次に、時点t6で駆動信号DSが“H”レベルになり、スイッチングTFT34がオンすることで、図42に示すように、電源線23から所定の電位VofsがスイッチングTFT34,35を通して駆動TFT32のゲートに与えられる。そして、駆動TFT32のゲート電圧がVss+VthからVofsに変化することで、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsは、下記の式(7)で与えられる値となる。
Vgs={Cel/(Cel+C1+C2)}
・(Vofs−Vss−Vth)+Vth …(7)
このとき、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsが当該駆動TFT32の閾値電圧Vthよりも大ならば、駆動TFT32がオン状態になるために、図42に示すように、電源線23→スイッチングTFT34→駆動TFT32→ノードN11→キャパシタ36の経路(図中、点線で示す経路)で電流が流れ、閾値キャンセル(閾値補正)動作が開始される。一定時間が経過し、駆動TFT32のソース電圧がVofs−Vthとなった後、時刻t7で第1オートゼロ信号AZ1が“L”レベルとなり、スイッチングTFT35がオフすることで、閾値キャンセル期間の終了となる。
次いで、時刻t8で駆動信号DSが“L”レベルとなることで、スイッチングTFT34がオフする。スイッチングTFT34がオフすることで、駆動TFT32に電流が流れなくなり、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsが確定する。その後、時刻t9で電源線23の電位が所定の電位Vofsから電源電位Vccに切り替わる。
(書き込み期間)
時点t10で書き込み信号WSが“H”レベルになり、サンプリングTFT33がオン状態となることで、階調に応じた所望の電圧値の入力信号電圧Vsigの書き込み期間に入る。この書き込み期間では、図43に示すように、入力信号電圧VsigがサンプリングTFT33によってサンプリングされ、キャパシタ37に書き込まれる。
このとき、信号電圧Vsigは、キャパシタ37に保持されている閾値電圧Vthに足し込まれる形で保持される。その結果、駆動TFT32の閾値電圧Vthのバラツキが常にキャンセルされた形となる。すなわち、キャパシタ37にあらかじめ閾値電圧Vthを保持しておくことで、当該閾値電圧Vthのバラツキのキャンセル(補正)、即ち閾値キャンセルが行われることになる。
このとき、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsは、キャパシタ37の容量値C1、駆動TFT32の寄生容量値C2、有機EL素子31の寄生容量値Celにより、先述した式(6)で与えられる値となる。一般に、有機EL素子31の寄生容量値Celがキャパシタ37の容量値C1および駆動TFT32の寄生容量値C2に比べて大きいために、駆動TFT32のゲート・ソース間電圧VgsはほぼVsig+Vthとなる。そして、時刻t11で書き込み信号WSが“L”レベルになることで、サンプリングTFT33がオフし、入力信号電圧Vsigの書き込み期間が終了する。
(発光期間)
この書き込み期間の終了後、スイッチングTFT35,36がオフした状態において、時刻t12で駆動信号DSが“H”レベルになることで、図44に示すように、スイッチングTFT34がオン状態となり、発光期間に入る。スイッチングTFT34がオンすることで、駆動TFT32のドレイン電圧が電源電位Vccまで上昇する。駆動TFT32のゲート・ソース間電圧Vgsが一定であるので、駆動TFT32は一定電流Ids”を有機EL素子31に供給する。このとき、有機EL素子31のアノード電圧Velは、有機EL素子31に一定電流Ids”が流れる電圧Vxまで上昇する。その結果、有機EL素子31は発光動作を開始する。
本画素回路11Dにおいても、有機EL素子31の発光時間が長くなると、当該有機EL素子31のI−V特性が変化してしまう。そのため、有機EL素子31のアノード電極と駆動TFT32のソースとの接続ノードN11の電位も変化する。しかしながら、駆動TFT32のゲート・ソース間電位Vgsが一定値に保たれているために、有機EL素子31に流れる電流は変化しない。したがって、有機EL素子31のI−V特性が劣化しても、一定電流Idsが常に流れ続けるために、有機EL素子31の発光輝度が変化することはない(有機EL素子31の特性変動に対する補償機能)。
また、入力信号電圧Vsigが書き込まれる前に駆動TFT32の閾値電圧Vthをあらかじめキャパシタ37に保持しておくことで、閾値キャンセル期間におけるスイッチングTFT34〜36およびキャパシタ37の作用により、駆動TFT32の閾値電圧Vthをキャンセルし、当該閾値電圧Vthのバラツキの影響を受けない一定電流Idsを常に有機EL素子31に流すことができるために、高画質の画像を得ることができる(駆動TFT32のVth変動に対する補償機能)。
上述したように、本実施形態に係る画素回路11Cおよび当該画素回路11Cを行列状に2次元配置してなるアクティブマトリクス型有機EL表示装置によれば、前述した参考例に係る有機EL表示装置の場合と同様に、駆動TFT32、サンプリングTFT33およびスイッチングTFT34〜36の5個のトランジスタと1個のキャパシタ37という少ない構成素子数で、有機EL素子31の特性変動に対する補償機能と、駆動TFT32のVth変動に対する補償機能とを実現できる。
そして、電源電位Vccおよび所定の電位Vofsを画素回路11Cに供給する電源線として1本の電源線23を兼用し、これら2種類の電源電位Vcc/Vofsの供給を電源供給回路24による制御の下に適宜切り替えることで、参考例に係る有機EL表示装置の場合に比べて電源線の配線本数を削減できる。すなわち、1つの画素回路11Cについて、参考例に係る有機EL表示装置では、電源電位Vcc、電源電位Vss、所定の電位Vofsの各電源線の計3本の配線が必要であったのに対して、本実施形態に係る有機EL表示装置では、電源電位Vssを供給する電源線と電源線23の2本の配線で済む。
ここで、隣接する3個の画素回路をR,G,Bに対応させて、当該3個の画素回路を1表示単位としたカラー表示装置を考えた場合に、電源線について1表示単位あたり、参考例に係る有機EL表示装置では9本(=3本×3)の配線が必要であったのに対して、本実施形態に係る有機EL表示装置では6本(=2本×3)の配線で済む。このように、配線の本数を削減できることで、表示パネルにおいて、配線の占める割合を小さく抑えることができるために、表示パネルの高精細化や高歩留まり化を図る上で有利となる。
また、本実施形態に係る有機EL表示装置においても、閾値キャンセル期間を、駆動信号DSのみ(即ち、スイッチングTFT34のオン/オフ)で決定するようにしていることから、閾値キャンセル期間が受ける駆動線14の配線抵抗や寄生容量等に起因する駆動信号DSの波形なまりの影響を小さく抑えることができるために、表示パネルの大型化、高精細化に有利となる。
さらに、本実施形態に係る有機EL表示装置でも、スイッチングTFT34がオフする時点t7から書き込みを開始する時点t10までの期間が、前述した参考例に係る駆動タイミング(図2を参照)における同じ期間、即ちスイッチングTFT34がオフする時刻t3から書き込みを開始する時点t5までの期間に比べて非常に短くなっているために、その分だけスイッチングTFT34のオフ時のリーク電流が有機EL素子31に流れる時間を短くできる。これにより、スイッチングTFT34のリーク電流による駆動TFT32のソース電圧の変動を小さく抑えることができるために、画像ムラの無い均一な画質を得ることができる。
また、駆動TFT32のゲート電圧のバラツキについても、スイッチングTFT35を駆動する第1オートゼロ信号AZ1が“L”レベルになるタイミングを、書き込み信号WSが“H”レベルになるタイミングt4の後に設定する、即ち第1オートゼロ信号AZ1のアクティブ期間と書き込み信号WSのアクティブ期間とをオーバーラップさせた駆動タイミングに設定し、書き込み信号WSが“H”レベルになる信号電圧Vsigの書き込み前に、第1オートゼロ信号AZ1の“L”レベル期間を無くすことで、駆動TFT32のゲート電圧は書き込み動作まで所定の電位Vofsに維持されたままとなり、スイッチングTFT34のリーク電流によって駆動TFT32のゲート電圧が変動することが無くなるために、画像ムラの無い均一な画質を得ることができる。さらに、本発明では電源ラインが2値をもつので、既存のゲートドライバやVスキャナを用いることができ、低コスト化が実現可能である。
上述したように、本実施形態に係る有機EL表示装置は、第3実施形態に係る有機EL表示装置とは、画素回路11Dの具体的な回路構成およびそれに伴う回路動作が若干相違しているのみであり、それ以外の構成については基本的に同じである。したがって、基本的に、第3実施形態に係る有機EL表示装置と同様に作用効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態では、画素回路11の電気光学素子として、有機EL素子を用いた有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの適用例に限られるものではなく、電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の発光素子を用いた表示装置全般に適用可能である。
また、上記実施形態においては、画素回路11を構成する駆動トランジスタ32、サンプリングトランジスタ33およびスイッチングトランジスタ34〜36としてNチャネル型のTFTを用いた場合を例に挙げて説明したが、サンプリングトランジスタ33およびスイッチングトランジスタ34〜36については、必ずしもNチャネル型のTFTである必要はない。
本発明の参考例に係るアクティブマトリクス型表示装置および当該表示装置に用いられる画素回路の構成を示す回路図である。 参考例に係る画素回路の回路動作を説明するためのタイミングチャートである。 参考例に係る画素回路の動作説明図(その1)である。 参考例に係る画素回路の動作説明図(その2)である。 参考例に係る画素回路の動作説明図(その3)である。 参考例に係る画素回路の動作説明図(その4)である。 参考例に係る画素回路の動作説明図(その5)である。 参考例に係る画素回路の動作説明図(その6)である。 参考例に係る画素回路の動作説明に供する特性図である。 本発明の第1実施形態に係るアクティブマトリクス型表示装置および当該表示装置に用いられる画素回路の構成を示す回路図である。 第1実施形態に係る画素回路の回路動作を説明するためのタイミングチャートである。 第1実施形態に係る画素回路の動作説明図(その1)である。 第1実施形態に係る画素回路の動作説明図(その2)である。 第1実施形態に係る画素回路の動作説明図(その3)である。 第1実施形態に係る画素回路の動作説明図(その4)である。 第1実施形態に係る画素回路の動作説明図(その5)である。 第1実施形態に係る画素回路の動作説明図(その6)である。 第1実施形態に係る画素回路の動作説明図(その7)である。 第1実施形態に係る画素回路の動作説明に供する特性図である。 本発明の第2実施形態に係るアクティブマトリクス型表示装置および当該表示装置に用いられる画素回路の構成を示す回路図である。 第2実施形態に係る画素回路の回路動作を説明するためのタイミングチャートである。 第2実施形態に係る画素回路の動作説明図(その1)である。 第2実施形態に係る画素回路の動作説明図(その2)である。 第2実施形態に係る画素回路の動作説明図(その3)である。 第2実施形態に係る画素回路の動作説明図(その4)である。 第2実施形態に係る画素回路の動作説明図(その5)である。 第2実施形態に係る画素回路の動作説明図(その6)である。 本発明の第3実施形態に係るアクティブマトリクス型表示装置および当該表示装置に用いられる画素回路の構成を示す回路図である。 第3実施形態に係る画素回路の回路動作を説明するためのタイミングチャートである。 第3実施形態に係る画素回路の動作説明図(その1)である。 第3実施形態に係る画素回路の動作説明図(その2)である。 第3実施形態に係る画素回路の動作説明図(その3)である。 第3実施形態に係る画素回路の動作説明図(その4)である。 第3実施形態に係る画素回路の動作説明図(その5)である。 第3実施形態に係る画素回路の動作説明図(その6)である。 本発明の第4実施形態に係るアクティブマトリクス型表示装置および当該表示装置に用いられる画素回路の構成を示す回路図である。 第4実施形態に係る画素回路の回路動作を説明するためのタイミングチャートである。 第4実施形態に係る画素回路の動作説明図(その1)である。 第4実施形態に係る画素回路の動作説明図(その2)である。 第4実施形態に係る画素回路の動作説明図(その3)である。 第4実施形態に係る画素回路の動作説明図(その4)である。 第4実施形態に係る画素回路の動作説明図(その5)である。 第4実施形態に係る画素回路の動作説明図(その6)である。 第4実施形態に係る画素回路の動作説明図(その7)である。 従来例に係るアクティブマトリクス型表示装置および当該表示装置に用いられる画素回路の構成を示す回路図である。 従来例に係る画素回路の回路動作を説明するためのタイミングチャートである。
符号の説明
11,11A,11B,11C,11D…画素回路、12…画素アレイ部、13…走査線、14…駆動線、15…第1オートゼロ線、16…第2オートゼロ線、17…データ線、18…書き込み走査回路、19…駆動走査回路、20…第1オートゼロ回路、21…第2オートゼロ回路、22…データ線駆動回路、31…有機EL素子、32…駆動TFT、33…サンプリングTFT、34〜36…スイッチングTFT、37…キャパシタ

Claims (8)

  1. 一端が第1の電源電位に接続された電気光学素子と、
    前記電気光学素子の他端にソースが接続されたNチャネル型の薄膜トランジスタからなる駆動トランジスタと、
    データ線と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続され、前記データ線から輝度情報に応じた入力信号を取り込むサンプリングトランジスタと、
    電源線と前記駆動トランジスタのドレインとの間に接続された第1スイッチングトランジスタと、
    前記電源線と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続された第2スイッチングトランジスタと、
    前記電源線と前記駆動トランジスタのソースとの間に接続された第3スイッチングトランジスタと、
    前記駆動トランジスタのゲートとソースとの間に接続されたキャパシタと
    を有する画素回路が行列状に配置されてなる画素アレイ部と、
    前記電源線に対して第2の電源電位、当該第2の電源電位よりも低い第3の電源電位および所定の電位を選択的に供給する電源供給手段と、
    前記電気光学素子の非発光期間において前記電源線に前記第2の電源電位が供給されているときに前記サンプリングトランジスタを導通状態にする第1の駆動手段と、
    前記電気光学素子の非発光期間において前記電源線に前記所定の電位が供給されているときに前記第2スイッチングトランジスタを導通状態にする第2の駆動手段と、
    前記電気光学素子の発光期間と前記電源線に前記所定の電位が供給されている期間に前記第1スイッチングトランジスタを導通状態にする第3の駆動手段と、
    前記電源線に前記第3の電源電位が供給されている期間において前記第2スイッチングトランジスタが非導通状態にあるときに前記第3スイッチングトランジスタを導通状態にする第4の駆動手段と
    を具備することを特徴とする表示装置。
  2. 一端が第1の電源電位に接続された電気光学素子と、
    前記電気光学素子の他端にソースが接続されたNチャネル型の薄膜トランジスタからなる駆動トランジスタと、
    データ線と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続され、前記データ線から輝度情報に応じた入力信号を取り込むサンプリングトランジスタと、
    電源線と前記駆動トランジスタのドレインとの間に接続された第1スイッチングトランジスタと、
    前記電源線と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続された第2スイッチングトランジスタと、
    前記電源線と前記駆動トランジスタのソースとの間に接続された第3スイッチングトランジスタと、
    前記駆動トランジスタのゲートとソースとの間に接続されたキャパシタと
    を有する画素回路が行列状に配置されてなる表示装置の駆動方法であって、
    前記第1スイッチングトランジスタを非導通状態にして前記電気光学素子の発光期間から非発光期間に移行させる第1ステップと、
    前記非発光期間に入った後に前記電源線の電位を第2の電源電位から当該第2の電源電位よりも低い第3の電源電位に切り替える第2ステップと、
    前記電源線の電位が前記第3の電源電位のときに前記第3スイッチングトランジスタを導通状態にする第3ステップと、
    前記第3スイッチングトランジスタが非導通状態になった後に前記電源線の電位を前記第3の電源電位から所定の電位に切り替える第4ステップと、
    前記電源線の電位が前記所定の電位のときに前記第2スイッチングトランジスタを導通状態にする第5ステップと、
    前記第2スイッチングトランジスタの導通期間内において前記第1スイッチングトランジスタを導通状態にする第6ステップと、
    前記第2スイッチングトランジスタが非導通状態になった後に前記電源線の電位を前記所定の電位から前記第2電源電位に切り替える第7ステップと、
    前記非発光期間において前記電源線の電位が前記第2電源電位のときに前記サンプリングトランジスタを導通状態にする第8ステップと
    を有することを特徴とする表示装置の駆動方法。
  3. 一端が第1の電源電位に接続された電気光学素子と、
    前記電気光学素子の他端にソースが接続されたNチャネル型の薄膜トランジスタからなる駆動トランジスタと、
    データ線と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続され、前記データ線から輝度情報に応じた入力信号を取り込むサンプリングトランジスタと、
    電源線と前記駆動トランジスタのドレインとの間に接続された第1スイッチングトランジスタと、
    所定の電位と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続された第2スイッチングトランジスタと、
    前記電源線と前記駆動トランジスタのソースとの間に接続された第3スイッチングトランジスタと、
    前記駆動トランジスタのゲートとソースとの間に接続されたキャパシタと
    を有する画素回路が行列状に配置されてなる画素アレイ部と、
    前記電源線に対して第2の電源電位および当該第2の電源電位よりも低い第3の電源電位を選択的に供給する電源供給手段と、
    前記電気光学素子の非発光期間において前記電源線に前記第2の電源電位が供給されているときに前記サンプリングトランジスタを導通状態にする第1の駆動手段と、
    前記電気光学素子の発光期間と前記非発光期間内で前記電源線に前記第2の電源電位が供給されている一定の期間に前記第1スイッチングトランジスタを導通状態にする第2の駆動手段と、
    前記非発光期間内において前記電源線に前記第2の電源電位が供給されている期間および前記第1スイッチングトランジスタが導通状態にある期間に前記第2スイッチングトランジスタを導通状態にする第3の駆動手段と、
    前記電源線に前記第3の電源電位が供給されている期間において前記第2スイッチングトランジスタが導通状態にあるときに前記第3スイッチングトランジスタを導通状態にする第4の駆動手段と
    を具備することを特徴とする表示装置。
  4. 一端が第1の電源電位に接続された電気光学素子と、
    前記電気光学素子の他端にソースが接続されたNチャネル型の薄膜トランジスタからなる駆動トランジスタと、
    データ線と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続され、前記データ線から輝度情報に応じた入力信号を取り込むサンプリングトランジスタと、
    電源線と前記駆動トランジスタのドレインとの間に接続された第1スイッチングトランジスタと、
    所定の電位と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続された第2スイッチングトランジスタと、
    前記電源線と前記駆動トランジスタのソースとの間に接続された第3スイッチングトランジスタと、
    前記駆動トランジスタのゲートとソースとの間に接続されたキャパシタと
    を有する画素回路が行列状に配置されてなる表示装置の駆動方法であって、
    前記第1スイッチングトランジスタを非導通状態にして前記電気光学素子の発光期間から非発光期間に移行させる第1ステップと、
    前記非発光期間に入った後に前記第2スイッチングトランジスタを導通状態にする第2ステップと、
    前記第2スイッチングトランジスタが導通状態になった後に前記電源線の電位を第2の電源電位から当該第2の電源電位よりも低い第3の電源電位に切り替える第3ステップと、
    前記電源線の電位が前記第3の電源電位のときに前記第3スイッチングトランジスタを導通状態にする第4ステップと、
    前記第3スイッチングトランジスタが非導通状態になった後に前記電源線の電位を前記第3の電源電位から前記第2の電源電位に切り替える第5ステップと、
    前記電源線の電位が前記第2の電源電位のときに前記第1スイッチングトランジスタを導通状態にする第6ステップと、
    前記第1スイッチングトランジスタが非導通状態になった後に前記第2スイッチングトランジスタを非導通状態にする第7ステップと、
    前記第2スイッチングトランジスタが非導通状態になった後に前記サンプリングトランジスタを導通状態にする第8ステップと
    を有する表示装置の駆動方法。
  5. 一端が第1の電源電位に接続された電気光学素子と、
    前記電気光学素子の他端にソースが接続されたNチャネル型の薄膜トランジスタからなる駆動トランジスタと、
    データ線と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続され、前記データ線から輝度情報に応じた入力信号を取り込むサンプリングトランジスタと、
    電源線と前記駆動トランジスタのドレインとの間に接続された第1スイッチングトランジスタと、
    前記電源線と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続された第2スイッチングトランジスタと、
    第3の電源電位と前記駆動トランジスタのソースとの間に接続された第3スイッチングトランジスタと、
    前記駆動トランジスタのゲートとソースとの間に接続されたキャパシタと
    を有する画素回路が行列状に配置されてなる画素アレイ部と、
    前記電源線に対して前記第3の電源電位よりも高い第2の電源電位および所定の電位を選択的に供給する電源供給手段と、
    前記電気光学素子の非発光期間において前記電源線に前記第2の電源電位が供給されているときに前記サンプリングトランジスタを導通状態にする第1の駆動手段と、
    前記非発光期間において前記電源線に前記所定の電位が供給されているときに前記第2スイッチングトランジスタを導通状態にする第2の駆動手段と、
    前記電気光学素子の発光期間に前記第1スイッチングトランジスタを導通状態にするとともに、前記電源線に前記所定の電位が供給されている期間において前記第2スイッチングトランジスタが導通状態にあるときに前記第1スイッチングトランジスタを導通状態にする第3の駆動手段と、
    前記電源線に前記第3の電源電位が供給されている期間において前記第2スイッチングトランジスタが導通状態にあるときに前記第3スイッチングトランジスタを導通状態にする第4の駆動手段と
    を具備することを特徴とする表示装置。
  6. 一端が第1の電源電位に接続された電気光学素子と、
    前記電気光学素子の他端にソースが接続されたNチャネル型の薄膜トランジスタからなる駆動トランジスタと、
    データ線と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続され、前記データ線から輝度情報に応じた入力信号を取り込むサンプリングトランジスタと、
    電源線と前記駆動トランジスタのドレインとの間に接続された第1スイッチングトランジスタと、
    前記電源線と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続された第2スイッチングトランジスタと、
    第3の電源電位と前記駆動トランジスタのソースとの間に接続された第3スイッチングトランジスタと、
    前記駆動トランジスタのゲートとソースとの間に接続されたキャパシタと
    を有する画素回路が行列状に配置されてなる表示装置の駆動方法であって、
    前記第1スイッチングトランジスタを非導通状態にして前記電気光学素子の発光期間から非発光期間に移行させる第1ステップと、
    前記非発光期間に入った後に前記電源線の電位を前記第3の電源電位よりも高い第2の電源電位から所定の電位に切り替える第2ステップと、
    前記電源線の電位が前記所定の電位のときに前記第2スイッチングトランジスタを導通状態にする第3ステップと、
    前記第2スイッチングトランジスタの導通期間において前記第3スイッチングトランジスタを導通状態にする第4ステップと、
    前記第2スイッチングトランジスタの導通期間内であって前記第3スイッチングトランジスタが非導通状態になった後に前記第1スイッチングトランジスタを導通状態にする第5ステップと、
    前記第1スイッチングトランジスタが非導通状態になった後に前記第2スイッチングトランジスタを非導通状態にする第6ステップと、
    前記第2スイッチングトランジスタが非導通状態になった後に前記電源線の電位を前記所定の電位から前記第2の電位に切り替える第7ステップと、
    前記電源線の電位が前記第2の電位に切り替わった後に前記サンプリングトランジスタを導通状態にする第8ステップと
    を有する表示装置の駆動方法。
  7. 一端が第1の電源電位に接続された電気光学素子と、
    前記電気光学素子の他端にソースが接続されたNチャネル型の薄膜トランジスタからなる駆動トランジスタと、
    データ線と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続され、前記データ線から輝度情報に応じた入力信号を取り込むサンプリングトランジスタと、
    電源線と前記駆動トランジスタのドレインとの間に接続された第1スイッチングトランジスタと、
    前記駆動トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第2スイッチングトランジスタと、
    第3の電源電位と前記駆動トランジスタのソースとの間に接続された第3スイッチングトランジスタと、
    前記駆動トランジスタのゲートとソースとの間に接続されたキャパシタと
    を有する画素回路が行列状に配置されてなる画素アレイ部と、
    前記電源線に対して前記第3の電源電位よりも高い第2の電源電位および所定の電位を選択的に供給する電源供給手段と、
    前記電気光学素子の非発光期間において前記電源線に前記第2の電源電位が供給されているときに前記サンプリングトランジスタを導通状態にする第1の駆動手段と、
    前記非発光期間において前記電源線に前記所定の電位が供給されているときに前記第2スイッチングトランジスタを導通状態にする第2の駆動手段と、
    前記電気光学素子の発光期間に前記第1スイッチングトランジスタを導通状態にするとともに、前記電源線に前記所定の電位が供給されている期間において前記第2スイッチングトランジスタが導通状態にあるときに前記第1スイッチングトランジスタを導通状態にしかつ前記第2スイッチングトランジスタが非導通状態になった後に前記第1スイッチングトランジスタを非導通状態にする第3の駆動手段と、
    前記電源線に前記第3の電源電位が供給されている期間において前記第2スイッチングトランジスタが導通状態にあるときに前記第3スイッチングトランジスタを導通状態にする第4の駆動手段と
    を具備することを特徴とする表示装置。
  8. 一端が第1の電源電位に接続された電気光学素子と、
    前記電気光学素子の他端にソースが接続されたNチャネル型の薄膜トランジスタからなる駆動トランジスタと、
    データ線と前記駆動トランジスタのゲートとの間に接続され、前記データ線から輝度情報に応じた入力信号を取り込むサンプリングトランジスタと、
    電源線と前記駆動トランジスタのドレインとの間に接続された第1スイッチングトランジスタと、
    前記駆動トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第2スイッチングトランジスタと、
    第3の電源電位と前記駆動トランジスタのソースとの間に接続された第3スイッチングトランジスタと、
    前記駆動トランジスタのゲートとソースとの間に接続されたキャパシタと
    を有する画素回路が行列状に配置されてなる表示装置の駆動方法であって、
    前記第1スイッチングトランジスタを非導通状態にして前記電気光学素子の発光期間から非発光期間に移行させる第1ステップと、
    前記非発光期間に入った後に前記電源線の電位を前記第3の電源電位よりも高い第2の電源電位から所定の電位に切り替える第2ステップと、
    前記電源線の電位が前記所定の電位のときに前記第2スイッチングトランジスタを導通状態にする第3ステップと、
    前記第2スイッチングトランジスタの導通期間において前記第3スイッチングトランジスタを導通状態にする第4ステップと、
    前記第2スイッチングトランジスタの導通期間内に前記第1スイッチングトランジスタを導通状態にし、前記第2スイッチングトランジスタの導通期間が経過した後に前記第1スイッチングトランジスタを非導通状態にする第5ステップと、
    前記第1スイッチングトランジスタが非導通状態になった後に前記電源線の電位を前記所定の電位から前記第2の電位に切り替える第6ステップと、
    前記電源線の電位が前記第2の電位に切り替わった後に前記サンプリングトランジスタを導通状態にする第7ステップと
    を有する表示装置の駆動方法。
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