JP4565636B2 - 高加圧下高吸収倍率吸水性樹脂の製造法 - Google Patents
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Description
そこで、このような吸水性樹脂の吸水諸特性をバランス良く改良する方法として吸水性樹脂の表面近傍を架橋する技術が知られており、これまでに様々な方法が提案されている。
また、上記方法の応用例として残留モノマーを低減させる目的で特定組成の中和単量体を上記架橋剤と混合し加熱処理しながら表面架橋する方法(例えば特許文献20、21)も知られている。
即ち、本発明は次の[1]〜[4]である。
−7.5T+1245≦t≦−6T+1200(150≦T<160) (1)
−3.5T+605≦t≦−6T+1200(160≦T<170) (2)
−0.5T+95≦t≦−13T+2390(170≦T<180) (3)
−0.5T+95≦t≦−2T+410(180≦T<190) (4)
0<t≦−1.5T+315(190≦T≦200) (5)
−6T+1020≦t≦−15T+2550(150≦T<160) (6)
−3T+540≦t≦−3T+630(160≦T<170) (7)
−2.4T+438≦t≦−8.8T+1616(170≦T<180) (8)
−0.5T+96≦t≦−1.35T+273.5(180≦T<190) (9)
−0.1T+20≦t≦−1.35T+273.5(190≦T≦200) (10)
[3]不飽和カルボン酸アンモニウム塩55モル%以上100モル%以下、不飽和カルボン酸アルカリ金属塩0モル%以上45モル%未満、不飽和カルボン酸0モル%以上45モル%未満、その他単量体0モル%以上45モル%未満、ラジカル重合性架橋剤0.005〜3モル%、およびカルボン酸反応性架橋剤0.1〜3モル%を含む溶液を重合用原料溶液として用い重合し、得られた重合物を、乾燥工程および加熱処理工程を含む後処理工程に供する吸水性樹脂の製造方法であって、該加熱処理が、下記数式(11)または(12)で示される条件下で行われることを特徴とする上記[1]の吸収性樹脂の製造方法。
−1.2T+232≦t≦−2.8T+538(185≦T<190) (11)
−0.6T+118≦t≦−0.8T+158(190≦T≦195) (12)
但し、不飽和カルボン酸アンモニウム塩、不飽和カルボン酸アルカリ金属塩、不飽和カルボン酸及びその他単量体の総和を100モル%とし、ラジカル重合性架橋剤およびカルボン酸反応性架橋剤のモル%は前記で定義した100モル%に対する外割である。
また、上記数式(1)〜(12)において、Tは加熱処理温度[℃]、tは加熱処理時間[min]である。)
本発明では、重合用原料として、不飽和カルボン酸アンモニウム塩およびその他の単量体、架橋剤等を含む溶液を用い重合反応を行い、その後、乾燥工程、加熱処理工程を含む製造方法であって、該加熱処理工程において、特定の加熱処理条件で実施することが必須である。
以下重合用原料である、不飽和カルボン酸アンモニウム塩、およびその他の単量体、架橋剤等のそれぞれについて説明する。
本発明の不飽和カルボン酸アンモニウム塩とは、不飽和結合とカルボン酸アンモニウム基の両方を有する化合物のことをいう。これは、不飽和結合とカルボン酸アンモニウム基をそれぞれ多数含んでも構わない。不飽和結合とは、炭素原子間の結合に二重結合(エチレン結合)或いは三重結合(アセチレン結合)を含むものをいう。この様な、アンモニウム塩を生成する不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸などが代表的な例として挙げられる。これらの不飽和カルボン酸のアンモニウム塩の中で、重合性と重合体の吸収性の点からアクリル酸アンモニウムおよびメタクリル酸アンモニウムが好ましい。
本発明における不飽和カルボン酸アンモニウムは、如何なる製法で製造されたものでも構わない。例えば、(a)不飽和ニトリルおよび/または不飽和アミドを微生物による加水分解反応に供する方法、(b)不飽和カルボン酸をアンモニアで中和する方法が上げられる。
以下、上記(a)、(b)の方法について説明する。
微生物による加水分解反応に供される不飽和ニトリルとは、分子内に不飽和結合とシアン基を両方含む化合物のことをいう。不飽和結合とシアン基をそれぞれ多数含んでいてもかまわない。不飽和結合とは炭素原子間の結合に二重結合(エチレン結合)あるいは三重結合(アセチレン結合)を含むものをいう。このような化合物の例として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトンニトリル、ケイ皮酸ニトリルなどがあげられる。なかでもアクリロニトリル及びメタクリロニトリルが好ましく、特にアクリロニトリルが好ましい。
該不純物の具体的例としては、アクリル酸の場合では、アクリル酸の二量体であるβ−アクリロイルオキシプロピオン酸およびアクリル酸の水和物であるβ−ヒドロキシプロピオン酸、及びそれらの塩等が挙げられる。
不飽和カルボン酸をアンモニアで中和する方法に供される不飽和カルボン酸は、前述の不飽和カルボン酸と同様のものが使用される。
この不飽和カルボン酸はどのような製法で作られたものでもよい。このような不飽和カルボン酸に、不純物が多量に含まれている場合は、生成して不純物を低減させることが好ましい。
精製の方法は、不純物の量を規定量以下に低減することができれば、どのような方法でもよく、手段は特に制限されるものではない。方法としては例えば、特開平6−56931号公報記載のように蒸留で行ってもよい。不純物の量は1000ppm以下まで低減させることが好ましく、さらに好ましくは500ppm以下、更に好ましくは300ppm以下、最も好ましくは100ppm以下である。不純物が多いと、得られた吸水性樹脂の残存モノマーが多く、さらにその後の製造工程によって残存モノマーが増加するという現象を示し、さらにはポリマーの諸物性が不十分となる場合もあり好ましくない。
本発明における不飽和カルボン酸アルカリ金属塩とは、不飽和結合とカルボン酸アルカリ金属基の両方を有する化合物のことをいう。これは、不飽和結合とカルボン酸アルカリ金属基をそれぞれ多数含んでも構わない。不飽和結合とは、炭素原子間の結合に二重結合(エチレン結合)或いは三重結合(アセチレン結合)を含むものをいう。この様な、アルカリ金属塩を生成する不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸などが代表的な例として挙げられる。これらの不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩の中で、重合性と重合体の吸収性の点からアクリル酸アルカリ金属塩およびメタクリル酸アルカリ金属塩が好ましい。また、アルカリ金属としては、生成した樹脂の吸収倍率を向上させるには、リチウムが好ましく、衛生材料として使用する際の安全性からは、ナトリウムが好ましい。
本発明における不飽和カルボン酸とは、不飽和結合とカルボン酸基の両方を有する化合物のことをいう。これは、不飽和結合とカルボン酸基をそれぞれ多数含んでも構わない。不飽和結合とは、炭素原子間の結合に二重結合(エチレン結合)或いは三重結合(アセチレン結合)を含むものをいう。この様な、不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸などが代表的な例として挙げられる。これらの不飽和カルボン酸の中で、重合性と重合体の吸収性の点からアクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。
本発明におけるその他単量体とは、主として単官能性不飽和単量体であり、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸等に代表される酸基含有の親水性単官能性不飽和単量体およびその塩、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等に代表されるアミド基含有の親水性単官能性不飽和単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等に代表されるエステル化された親水性不飽和単量体、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびその四級塩等に代表されるN原子含有親水性単官能性不飽和単量体、スチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソブテン、エチレン、プロピレン、アルキル(メタ)アクリレート、などの疎水性単官能性不飽和単量体を挙げることができる。
本発明では、重合に際して単官能性不飽和単量体以外にラジカル重合性架橋剤を用いて内部に架橋構造を導入することが望ましい。ラジカル重合性架橋剤は、重合性不飽和基及び/又は反応性基を一分子中に複数有する化合物であればよい。親水性の高い化合物を内部架橋剤として用いると樹脂の吸水性能を向上させるので、好ましい。なお、単官能性不飽和単量体が自己架橋型の化合物の場合は、ラジカル重合性架橋剤を用いなくても内部架橋構造を形成することが可能である。
ラジカル重合性架橋剤の使用は、カルボン酸反応性架橋剤の使用量に応じて変化させることができる。即ち、カルボン酸反応性架橋剤を比較的多く使用する場合は、ラジカル重合性架橋剤は少なくても(0モル%を含む)架橋体が維持できるし、カルボン酸反応性架橋剤を少量(0モル%を含む)しか使用しない場合は、比較的多めのラジカル重合性架橋剤を使用する必要が生じる。ラジカル重合性架橋剤の量が少ないと重合体の可溶分が著しく多くなり、ラジカル重合性架橋剤の量が多いとゲルが硬くなり吸水性能が著しく低下する。
本発明におけるカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上含有する化合物(以下、「カルボン酸反応性架橋剤」ともいう)としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル化合物;(ポリ)グリセリン、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ポリオキシエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等に代表される各種多価アルコール類;エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンジアミンなどの多価アミン類;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス(3−(1−アジリジニル)プロピオネート)等に代表される多価アジリジン化合物、1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン等に代表される各種アルキレンカーボネート化合物、グリオキサールに代表される各種多価アルデヒド化合物、2,4−トリレンジイソシアネートに代表される多価オキサゾリン化合物、エピクロルヒドリンに代表されるのハロエポキシ化合物;亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等に代表される多価イオンなどがあげられる。
カルボン酸反応性架橋剤の重合用原料溶液中の含有量は、ラジカル重合性単量体総モル量(これは、不飽和カルボン酸アンモニウム、不飽和カルボン酸アルカリ金属塩、不飽和カルボン酸及びその他単量体のそれぞれのモル量の総和である。)を100モル%とした場合に、外割で0モル%以上5モル%未満である。
カルボン酸反応性架橋剤の使用量の好ましい量としては0.1〜3モル%、更に好ましくは0.5〜2モル%の範囲である。カルボン酸反応性架橋剤の量が少なすぎる場合は重合体の可溶分が著しく多くなり、カルボン酸反応性架橋剤の量が多すぎる場合はゲルが硬くなり過ぎ吸収性能が低下する。
また、上記単官能性不飽和単量体と内部架橋剤の他、必要に応じて、発泡剤、連鎖移動剤、界面活性剤、キレート剤等を添加して重合してもよい。
本発明のラジカル重合反応に用いられる開始剤としては、通常、過酸化物と還元剤を混合することで、ラジカル反応を開始させることができる。
過酸化物としては、どのような過酸化物でも使用可能であるが、親水性の高い過酸化物を使用することが好ましく、例えばヒドロパーオキサイド類、過酸塩類、等が好適な過酸化物として使用される。ヒドロパーオキサイド類とは、一般式ROOH(Rは水素、アルキル基、そのほかの有機および/または無機原子団)で表される化合物のことをいう。このような化合物の例としては、過酸化水素、メチルヒドロパーオキサイド、アリルヒドロパーオキサイド、ベンジルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、tert-ブチルヒドロパーオキシドなどがあげられる。過酸塩類として、代表的なものは、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩等が挙げられる。
これら過酸化物は1種のみを使用してもよいし、2種またはそれ以上のものを複数組み合わせて使用してもよい。
ヒドロパーオキシドの中では、過酸化水素を用いることが好ましい。
ラジカル重合性不飽和単量体の重合方法には特に制限はないが、溶液重合、逆相懸濁重合などの公知の方法が好ましく使用される。反応器の形式は特に限定するものではなく回分式もしくは連続式のいずれでもかまわない。重合開始方法は特に限定しないが、ラジカル重合開始剤による重合、放射線、電子線などの照射による重合、光増感剤による紫外線重合を行うこともできる。
重合開始温度は0〜70℃で行うことができる。ラジカル重合性単量体溶液中のラジカル重合性単量体濃度は10〜70%が好ましく、経済的、反応制御のしやすさなどの観点からは30〜50%が最も好ましい。
上記重合後に得られる重合体が含水ゲルである場合、乾燥を行ってもよい。この乾燥方法は特に限定されるものではないが、例えば共沸脱水、流動乾燥、熱風乾燥、真空乾燥などが好ましく用いられ、特に熱風乾燥、真空乾燥が好ましい。含水率としては30重量%以下、好ましくは10重量%以下まで乾燥する。乾燥はどのような形態の含水ゲルで行ってもよいが、粗解砕して表面積を増やしてから乾燥するのが好ましい。乾燥温度は70℃〜180℃の範囲が好ましく、特に好ましくは100〜140℃である。
本発明の加熱処理は、下記数式(1)〜(5)を満たす条件下で行われるものであり、
−7.5T+1245≦t≦−6T+1200(150≦T<160) (1)
−3.5T+605≦t≦−6T+1200(160≦T<170) (2)
−0.5T+95≦t≦−13T+2390(170≦T<180) (3)
−0.5T+95≦t≦−2T+410(180≦T<190) (4)
0<t≦−1.5T+315(190≦T≦200) (5)
−6T+1020≦t≦−15T+2550(150≦T<160) (6)
−3T+540≦t≦−3T+630(160≦T<170) (7)
−2.4T+438≦t≦−8.8T+1616(170≦T<18 (8)
−0.5T+96≦t≦−1.35T+273.5(180≦T<190 (9)
−0.1T+20≦t≦−1.35T+273.5(190≦T≦200) (10)
−1.2T+232≦t≦−2.8T+538(185≦T<190) (11)
−0.6T+118≦t≦−0.8T+158(190≦T≦195) (12)
(ただし、上記数式(1)〜(12)においてT[℃]は加熱処理温度、t[min]は加熱処理時間である。)
前記加熱処理工程の前に重合体に表面架橋剤を添加しても構わない。これは公知の方法が用いられ、重合体の乾燥物に直接表面架橋剤を添加する方法や重合体の乾燥物を溶媒に分散させ表面架橋剤を添加する方法などが挙げられる。なお、前者の方法を用いる場合、均一な表面架橋剤の添加のために、酸化珪素微粉末などの無機化合物や界面活性剤を共存させてもよい。
勿論、特に好ましい架橋方法としては予め所定量のカルボン酸反応性架橋剤、およびラジカル重合性架橋剤を本発明の単量体に添加して重合を行ない、重合と同時に重合製架橋剤による架橋反応を行った後に加熱処理を行い、カルボン酸反応性架橋剤の架橋反応をさせることが好ましい。
この様にして得られる吸水性樹脂に、必要に応じて消臭剤、香料、各種無機粉末、発泡剤、顔料、染料、抗菌剤、親水性短繊維、可塑剤、粘着剤、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、キレート剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、水、塩類等を添加してもかまわない。
上記無機粉末の使用量は、通常は吸水性樹脂100重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。吸水性樹脂と無機粉末の混合方法に特に制限はなく、ドライブレンド法、湿式混合法等で行われる。
本発明では、必要に応じて粉砕や分級等の操作によって最終的に吸水性樹脂の粒子径が調整される。その形状は、球状、鱗片状、不定形破砕状、顆粒状など種種の形状であってもよいが、その重量平均粒子径は10〜3000μmである。粒子1g当たりの吸収速度を向上させるためには、40〜2000μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは、50〜1500μm、さらにさらに好ましくは100〜850μm、最も好ましくは300〜700μmである。
アンモニウム塩を含む吸収性樹脂は、加熱処理によりアンモニアガスを放出するため、比較的小粒子径の粒子では、加熱処理温度が高く、加熱処理時間が長い場合は、粒子1g当たりのアンモニウム塩含量が著しく低下し、吸収倍率の低下を招くことがあるので、比較的大粒子径の粒子が好ましいことがある。
本発明の製造方法に基づいて得られる吸水性樹脂と親水性繊維を主成分とする吸収体を含む吸収層を、トップシートとバックシートの間に挟んだ吸収性物品を得ることができる。このような吸収性物品の具体的な例としては、紙おむつや生理用ナプキン、失禁パッド等の各種衛生材料が挙げられる。
内径25mm、外径35mm、高さ30mmのアクリル樹脂製の円筒であって、該円筒の底部分をナイロン400メッシュによってふさがれた専用容器に、吸水性樹脂0.16gを底のメッシュ上に均一に仕込み、該専用容器を内径120mm高さ28mmのSUS製シャーレの中に入った0.9重量%塩化ナトリウム水溶液60gに静かに浸漬した。1時間後に専用容器を引き上げ、専用容器側面の水分をふき取り、専用容器底面の水分を所定の濾紙上に3秒間静置することで水切りを行った後、専用容器重量を測定し、以下の式(13)で加圧下吸水倍率を算出した。
内径25mm、外径35mm、高さ30mmのアクリル樹脂製の円筒であって、該円筒の底部分をナイロン400メッシュによってふさがれた専用容器に、吸水性樹脂0.16gを底のメッシュ上に均一に仕込み、外径24.5mmの所定重量(278.33)を持った、円柱状分銅型重りを上からゆっくりとはめ込むことで、0.8psiの垂直下方向への加圧下条件を設定し、該専用容器を内径120mm高さ28mmのSUS製シャーレの中に入った0.9重量%塩化ナトリウム水溶液60gに静かに浸漬した。1時間後に専用容器を引き上げ、専用容器側面の水分をふき取り、専用容器底面の水分を所定の濾紙上に3秒間静置することで水切りを行った後、専用容器重量を重りごと測定し、以下の式(14)で加圧下吸水倍率を算出した。
特級試薬のアクリル酸と、同じく特級試薬の28重量%のアンモニア水と蒸留水を用いて、氷冷下、40重量%アクリル酸アンモニウム水溶液(pH=7.0)を調製した。該40重量%アクリル酸アンモニウム水溶液中に存在する重合禁止剤を除去するため、該40重量%アクリル酸アンモニウム水溶液を活性炭で処理し、重合禁止剤フリーの40重量%アクリル酸アンモニウム水溶液を得た。
実施例1と同様の方法で得られた表面架橋前吸水性樹脂2gを、10×14cmのアルミ製シャーレ上に乗せ、窒素流通下160℃、0.5〜700minの条件下で加熱処理(表面架橋処理)を実施した。得られた加熱処理後吸水性樹脂に対して、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率を測定した。無加圧下吸水倍率の結果を表1に、加圧下吸水倍率の結果を表2に示す。
実施例1と同様の方法で得られた表面架橋前吸水性樹脂2gを、10×14cmのアルミ製シャーレ上に乗せ、窒素流通下170℃、0.5〜700minの条件下で加熱処理(表面架橋処理)を実施した。得られた加熱処理後吸水性樹脂に対して、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率を測定した。無加圧下吸水倍率の結果を表1に、加圧下吸水倍率の結果を表2に示す。
実施例1と同様の方法で得られた表面架橋前吸水性樹脂2gを、10×14cmのアルミ製シャーレ上に乗せ、窒素流通下180℃、0.5〜700minの条件下で加熱処理(表面架橋処理)を実施した。得られた加熱処理後吸水性樹脂に対して、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率を測定した。無加圧下吸水倍率の結果を表1に、加圧下吸水倍率の結果を表2に示す。
実施例1と同様の方法で得られた表面架橋前吸水性樹脂2gを、10×14cmのアルミ製シャーレ上に乗せ、窒素流通下190℃、0.5〜700minの条件下で加熱処理(表面架橋処理)を実施した。得られた加熱処理後吸水性樹脂に対して、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率を測定した。無加圧下吸水倍率の結果を表1に、加圧下吸水倍率の結果を表2に示す。
実施例1と同様の方法で得られた表面架橋前吸水性樹脂2gを、10×14cmのアルミ製シャーレ上に乗せ、窒素流通下200℃、0.5〜700minの条件下で加熱処理(表面架橋処理)を実施した。得られた加熱処理後吸水性樹脂に対して、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率を測定した。無加圧下吸水倍率の結果を表1に、加圧下吸水倍率の結果を表2に示す。
実施例1と同様の方法で得られた表面架橋前吸水性樹脂2gを、10×14cmのアルミ製シャーレ上に乗せ、窒素流通下140℃、0.5〜700minの条件下で加熱処理(表面架橋処理)を実施した。得られた加熱処理後吸水性樹脂に対して、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率を測定した。無加圧下吸水倍率の結果を表1に、加圧下吸水倍率の結果を表2に示す。
実施例1と同様の方法で得られた表面架橋前吸水性樹脂2gを、10×14cmのアルミ製シャーレ上に乗せ、窒素流通下210℃、0.5〜700minの条件下で加熱処理(表面架橋処理)を実施した。得られた加熱処理後吸水性樹脂に対して、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率を測定した。無加圧下吸水倍率の結果を表1に、加圧下吸水倍率の結果を表2に示す。
Claims (4)
- 不飽和カルボン酸アンモニウム塩55モル%以上100モル%以下、不飽和カルボン酸アルカリ金属塩0モル%以上45モル%未満、不飽和カルボン酸0モル%以上45モル%未満、その他単量体0モル%以上45モル%未満、ラジカル重合性架橋剤0.005〜3モル%、およびカルボン酸反応性架橋剤0.1〜3モル%を含む溶液を重合用原料溶液として用い重合し、得られた重合物を、乾燥工程および加熱処理工程を含む後処理工程に供する吸水性樹脂の製造方法であって、該加熱処理が下記数式(1)〜(5)のいずれかで示される条件下で行われることを特徴とする吸収性樹脂の製造方法。
−7.5T+1245≦t≦−6T+1200(150≦T<160) (1)
−3.5T+605≦t≦−6T+1200(160≦T<170) (2)
−0.5T+95≦t≦−13T+2390(170≦T<180) (3)
−0.5T+95≦t≦−2T+410(180≦T<190) (4)
0<t≦−1.5T+315(190≦T≦200) (5)
(但し、不飽和カルボン酸アンモニウム塩、不飽和カルボン酸アルカリ金属塩、不飽和カルボン酸及びその他単量体の総和を100モル%とし、ラジカル重合性架橋剤およびカルボン酸反応性架橋剤のモル%は前記で定義した100モル%に対する外割である。また、上記数式(1)〜(5)において、Tは加熱処理温度[℃]、tは加熱処理時間[min]である。) - 不飽和カルボン酸アンモニウム塩55モル%以上100モル%以下、不飽和カルボン酸アルカリ金属塩0モル%以上45モル%未満、不飽和カルボン酸0モル%以上45モル%未満、その他単量体0モル%以上45モル%未満、ラジカル重合性架橋剤0.005〜3モル%、およびカルボン酸反応性架橋剤0.1〜3モル%を含む溶液を重合用原料溶液として用い重合し、得られた重合物を、乾燥工程および加熱処理工程を含む後処理工程に供する吸水性樹脂の製造方法であって、該加熱処理が、下記数式(6)〜(10)のいずれかで示される条件下で行われることを特徴とする吸収性樹脂の製造方法。
−6T+1020≦t≦−15T+2550(150≦T<160) (6)
−3T+540≦t≦−3T+630(160≦T<170) (7)
−2.4T+438≦t≦−8.8T+1616(170≦T<180) (8)
−0.5T+96≦t≦−1.35T+273.5(180≦T<190) (9)
−0.1T+20≦t≦−1.35T+273.5(190≦T≦200) (10)
(但し、不飽和カルボン酸アンモニウム塩、不飽和カルボン酸アルカリ金属塩、不飽和カルボン酸及びその他単量体の総和を100モル%とし、ラジカル重合性架橋剤およびカルボン酸反応性架橋剤のモル%は前記で定義した100モル%に対する外割である。また、上記数式(6)〜(10)において、Tは加熱処理温度[℃]、tは加熱処理時間[min]である。) - 不飽和カルボン酸アンモニウム塩55モル%以上100モル%以下、不飽和カルボン酸アルカリ金属塩0モル%以上45モル%未満、不飽和カルボン酸0モル%以上45モル%未満、その他単量体0モル%以上45モル%未満、ラジカル重合性架橋剤0.005〜3モル%、およびカルボン酸反応性架橋剤0.1〜3モル%を含む溶液を重合用原料溶液として用い重合し、得られた重合物を、乾燥工程および加熱処理工程を含む後処理工程に供する吸水性樹脂の製造方法であって、該加熱処理が、下記数式(11)または(12)で示される条件下で行われることを特徴とする吸収性樹脂の製造方法。
−1.2T+232≦t≦−2.8T+538(185≦T<190) (11)
−0.6T+118≦t≦−0.8T+158(190≦T≦195) (12)
(但し、不飽和カルボン酸アンモニウム塩、不飽和カルボン酸アルカリ金属塩、不飽和カルボン酸及びその他単量体の総和を100モル%とし、ラジカル重合性架橋剤およびカルボン酸反応性架橋剤のモル%は前記で定義した100モル%に対する外割である。また、上記数式(11),(12)において、Tは加熱処理温度[℃]、tは加熱処理時間[min]である。) - 重合用原料溶液が、(メタ)アクリル酸アンモニウム塩55モル%以上100モル%以下、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩0モル%以上45モル%未満、(メタ)アクリル酸塩0モル%以上45モル%未満、その他の単量体0モル%以上45モル%未満、ラジカル重合性架橋剤0.005〜3モル%、およびカルボン酸反応性架橋剤0.1〜3モル%を含む溶液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸水性樹脂の製造方法。
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