JP4265926B2 - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば紙おむつ、失禁パット等の衛生材料等に好適に用いられる吸水性樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より紙おむつ、失禁パット等の衛生材料等には、その構成材料として体液を吸収させる目的で吸水性樹脂が幅広く使用されている。
この様な吸水性樹脂として、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸エステル共重合体の鹸化物、アクリロニトリル(共)重合体もしくはアクリルアミド(共)重合体の加水分解物など多くが知られている。
【0003】
これらの吸水性樹脂の中では、その性能面やコスト面から、現在はアクリル酸/アクリル酸ナトリウムの架橋共重合体が主流となっている。しかし、このアクリル酸/アクリル酸ナトリウム架橋共重合体には、通常100ppm以上のモノマーが残存しており、その低減が強く求められている。
【0004】
そして、従来から吸水性樹脂の残存モノマーを低減させる方法が数多く提案されている。例えば(1)反応条件の変更により重合率を向上させる方法、(2)重合後のポリマーに添加剤を加えて残存モノマーを低減させる方法、(3)残存モノマーを抽出する方法、(4)微生物を加えて残存モノマーを分解する方法、(5)高温で残存モノマーを揮発させる方法、(6)特定の中和方法で得られた単量体を用いる方法などが知られているが、低減効果が不十分であったり、安全上問題があったり、工業的に困難であったりして、実用的に充分な効果が認められる方法は見出されていなかった。
【0005】
近年、原料のアクリル酸由来の不純物を低減することで、吸水性樹脂の残存モノマーが低減できる方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
この方法によれば、重合時の残存モノマーが低減できるだけでなく、重合後の熱処理時の残存モノマー増加も抑制できる。しかしながら、原料のアクリル酸由来の不純物を低減するには、蒸留精製直後のアクリル酸を使用すること、かつ、中和工程では少なくとも一時期は中和率100モル%を超える状態を経過させ、得られた単量体はできるだけ速やかに使用することなど、制約が大きく工業的に実施するには設備等の追加が必須となり経済的には好ましくない。
【0006】
また近年、平均寿命が伸びたことに伴い高齢者向けの紙おむつの需要が増している。高齢者向けの紙おむつは乳幼児向けに比べて、一回当たり排泄量が多いこと、また、紙おむつにかかる荷重が大きいことから、高荷重下での優れた吸収特性が求められているが、この要求に対して充分応えるだけの特性を有する吸水性樹脂は得られていない。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−56931号公報
【特許文献2】
特開平6−122707号公報
【特許文献3】
特開2000−26538号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように残存モノマーの少ない吸水性樹脂を得ることは、種々の制約があり困難なものであり、さらに高荷重下での吸水特性を持たせることは達成されていなかった。本発明の目的は、上記の欠点すなわち、効果上の問題、安全上の問題、工業化の問題、経済上の問題等を解決して、残存モノマーが少なく、かつ高荷重下での吸水特性に優れた吸水性樹脂の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の課題を達成するために鋭意検討を行った結果、不飽和ニトリル及び又は不飽和アミドの加水分解によって生成した不飽和カルボン酸アンモニウムを用いて吸水性樹脂を製造することにより、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は次に記載するような構成を有するものである。
【0010】
(1)不飽和ニトリル及び/又は不飽和アミドを微生物によって加水分解することによって生成した不飽和カルボン酸アンモニウムを重合用原料単量体として用いることを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
(2)該微生物が20重量%以上の濃度の不飽和カルボン酸アンモニウム水溶液を生産できる微生物であることを特徴とする上記(1)に記載の吸水性樹脂の製造方法。
(3)該微生物がアシネトバクター属の微生物である上記(1)または(2)に記載の吸水性樹脂の製造方法。
(4) 該微生物がアシネトバクターsp.AK226菌株(微工研菌寄第8271号)またはアシネトバクターsp.AK227菌株(微工研菌寄第8272号)であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の吸水性樹脂の製造方法。
(5)不飽和ニトリルがアクリロニトリル及び/またはメタクリロニトリルである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の吸水性樹脂の製造方法。
(6)吸水性樹脂が(メタ)アクリル酸アンモニウム単位、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩単位、及び(メタ)アクリル酸単位を主要構成成分とし、それらの合計が50モル%〜100モル%であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の吸水性樹脂の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明では、不飽和ニトリル及び又は不飽和アミドの加水分解によって生成した不飽和カルボン酸アンモニウムを原料として用いることが必須である。この不飽和カルボン酸アンモニウムに、一部不飽和カルボン酸アミドが含有されていても構わない。
不飽和ニトリル及び又は不飽和アミドの加水分解条件には特に制限はないが、微生物を用いた加水分解が好ましく、該微生物としては、20重量%以上の濃度の不飽和カルボン酸アンモニウム水溶液を生産できる微生物が好ましい。
【0012】
このような微生物としては、アシネトバクター属、アルカリゲネス属、コリネバクテリウム属、ロドコッカス属、ゴルドナ属からなる群から選ばれた少なくとも一種を使用することが好ましい。上記微生物の中ではアシネトバクター属の微生物が好ましく、その中でも該微生物がアシネトバクターsp.AK226菌株(微工研菌寄第8271号)またはアシネトバクターsp.AK227菌株(微工研菌寄第8272号)であることが最も好ましい。なお、アシネトバクターsp.AK226菌株(微工研菌寄第8271号)およびアシネトバクターsp.AK227菌株(微工研菌寄第8272号)の微生物学的性質は、特公昭63−2596号公報に示す通りである。
【0013】
不飽和ニトリルとしては、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルが好ましく、特にアクリロニトリルが好ましい。不飽和アミドの例としては、アクリルアミド及びメタクリルアミドが挙げられる。
【0014】
また、本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂は、(メタ)アクリル酸アンモニウム単位、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩単位、及び(メタ)アクリル酸単位を主要構成成分とすることが好ましい。
【0015】
本発明では、重合に際して単官能性不飽和単量体として(メタ)アクリル酸アンモニウムだけを用いてもよいし、一部を(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩に変換してもよい。また、必要に応じて(メタ)アクリル酸アンモニウム以外の単官能性不飽和単量体を加えてもよい。重合に際しての好ましい単官能性不飽和単量体組成は、(メタ)アクリル酸アンモニウムが10〜100モル%、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩が0〜90モル%、及びそれら以外の単官能性不飽和単量体が0〜50モル%である。
【0016】
さらに好ましくは、(メタ)アクリル酸アンモニウムが20〜95モル%、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩が5〜80モル%、及びそれら以外の単官能性不飽和単量体が0〜40モル%であり、最も好ましくは、(メタ)アクリル酸アンモニウムが30〜90モル%、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩が10〜70モル%、及びそれら以外の単官能性不飽和単量体が0〜30モル%である。
【0017】
それら以外の単官能性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸などの酸基含有の親水性単官能性不飽和単量体およびその塩、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジンなどのノニオン性の親水性単官能性不飽和単量体、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびその四級塩などの親水性単官能性不飽和単量体、スチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソブテン、エチレン、プロピレン、アルキル(メタ)アクリレート、などの疎水性単官能性不飽和単量体を挙げることができる。
【0018】
これらの中でも(メタ)アクリル酸(塩)、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸(塩)、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0019】
本発明において重合に用いられる単官能性不飽和単量体混合水溶液を調製する方法は、特に制限されるものではないが、好ましい実施態様の一例を以下に示す。
アクリロニトリルを加水分解して得られたアクリル酸アンモニウム水溶液に所定量のアルカリ金属水酸化物の水溶液を添加して、アクリル酸アンモニウムとアクリル酸アルカリ金属の混合水溶液とする。さらに必要に応じて、それら以外の単官能性不飽和単量体を添加し、単官能性不飽和単量体混合水溶液を調製する。
上記のようにして調製された単官能性不飽和単量体混合水溶液中には、アクリル酸アンモニウムから脱離したアンモニアが溶存するので、必要に応じてアンモニアを許容される濃度まで除去する。
【0020】
上記で示したアクリル酸アンモニウム水溶液、及びアクリル酸アンモニウムとアクリル酸アルカリ金属の混合水溶液は、アクリロニトリルを加水分解して得られるものであるので、アクリル酸由来の不純物であるβ−アクリロイルオキシプロピオン酸やβ−ヒドロキシプロピオン酸及びそれらの塩を実質的に含有していないことが大きな特徴である。
【0021】
本発明では、重合に際して単官能性不飽和単量体以外に内部架橋剤を用いて内部に架橋構造を導入することが望ましい。内部架橋剤は、重合性不飽和基及び又は反応性基を一分子中に複数有する化合物であればよい。なお、単官能性不飽和単量体が自己架橋型の化合物の場合は、内部架橋剤を用いなくても内部架橋構造を形成することが可能である。
【0022】
内部架橋剤としては、例えば、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら内部架橋剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい
【0023】
内部架橋剤の使用量は、単官能性不飽和単量体の合計量に対して、好ましくは0.005〜3モル%、さらに好ましくは0.01〜1.5モル%である。
また、上記単官能性不飽和単量体と内部架橋剤の他、必要に応じて、発泡剤、連鎖移動剤、界面活性剤、キレート剤等を添加して重合してもよい。
【0024】
また、重合反応開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2‘−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などのラジカル開始剤、或いは、紫外線や電子線などの活性エネルギー線などを用いることができる。例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸などの還元剤を併用してレドックス重合を行ってもよい。これらの重合開始剤の使用量は、単官能性不飽和単量体の合計量に対して、好ましくは0.001〜2モル%、さらに好ましくは0.01〜0.5モル%である。
【0025】
単官能性不飽和単量体の重合方法には特に制限はないが、水溶液重合、逆相懸濁重合が好ましく用いられる。反応温度、反応時間等の反応条件は、単官能性不飽和単量体の種類、濃度等に応じて適宜選定すればよく、特に限定されるものではない。
【0026】
上記重合後に得られる重合体が含水ゲルである場合、乾燥が必要となるが、乾燥温度としては、80〜250℃、好ましくは100〜220℃である。この乾燥方法は特に限定されるものではないが、例えば共沸脱水、流動乾燥、静置熱風乾燥などが好ましく用いられ、含水率としては30重量%以下、好ましくは10重量%以下まで乾燥する。
【0027】
乾燥後の重合体は、必要に応じて粉砕や分級等の操作によって粒子径が調整される。その形状は、球状、鱗片状、不定形破砕状、顆粒状など種種の形状であってもよいが、その重量平均粒子径は200〜850μm、好ましくは300〜800μm、さらに好ましくは400〜700μmである。
【0028】
本発明においては、所定の粒子径にコントロールされた乾燥後の重合体を更に表面架橋剤の存在下で処理して表面近傍を架橋することがより好ましい。
【0029】
表面架橋剤としては、公知のものが使用できる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の各種多価アルコール類、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の各種多価エポキシ化合物、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン等の各種多価アミン化合物、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス(3−(1−アジリジニル)プロピオネート)等の多価アジリジン化合物、1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン等の各種アルキレンカーボネート化合物、グリオキサール等の各種多価アルデヒド化合物、2,4−トリレンジイソシアネート等の多価オキサゾリン化合物、エピクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物及び塩化物などの多価金属塩、その他、これらの官能基を併せ持った化合物も例示することができる。
【0030】
このような表面架橋剤のうち、多価アルコール類、多価グリシジル化合物類、多価アミン類、アルキレンカーボネートからなる群より選ばれた1種または2種以上を用いることが好ましい。なお、表面架橋剤の使用量は、乾燥後の重合体粒子の固形分100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。
【0031】
乾燥後の重合体粒子と表面架橋剤とを混合する場合、溶媒として水を使用することが好ましい。水の使用量は、乾燥後の重合体粒子の固形分100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。またその際、必要に応じて溶媒として親水性有機溶媒を使用してもよい。
この様な有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等の低級アルコール類、アセトン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。親水性有機溶媒の使用量は、乾燥後の重合体粒子の固形分100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部である。
【0032】
乾燥後の重合体粒子と表面架橋剤とを混合する方法には特に制限は無く、公知の方法で行うことができるが、例えば、上記の親水性有機溶媒に重合体粒子を分散させた後、表面架橋剤を混合してもよいが、混合方法自体は特に限定されるものではない。種々の混合方法の中でも、重合体粒子に直接、噴霧または滴下して混合する方法が好ましい。
【0033】
乾燥後の重合体粒子と表面架橋剤とを混合する際に用いられる装置としては、均一かつ確実な混合を達成するために、大きな混合力を有していることが好ましい。この様な混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、ロータリーディスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が挙げられる。
【0034】
上記のような方法で得られる乾燥後の重合体粒子と表面架橋剤の混合物に加熱処理を行い、重合体粒子の表面近傍を架橋する。この加熱処理の温度は、使用する表面架橋剤の種類にもよるが、100〜250℃の範囲である。好ましくは120〜240℃、更に好ましくは140〜230℃である。加熱処理温度が低すぎると充分な表面架橋反応が起こらず吸水性樹脂としての性能が不足し、加熱処理温度が高すぎると重合体の熱劣化が起こり吸水樹脂としての性能が不足する。
【0035】
上記加熱処理工程を経て、重合体中の一部のアクリル酸アンモニウム単位からアンモニアが脱離し、(メタ)アクリル酸単位を含有する吸水性樹脂が得られる。
この様にして得られる吸水性樹脂としては、(メタ)アクリル酸アンモニウム単位が9〜99モル%、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩単位が0〜90モル%、(メタ)アクリル酸単位が1〜50モル%、及びそれら以外の単官能性不飽和単量体単位が0〜50モル%であることが好ましい。
【0036】
更に好ましくは、(メタ)アクリル酸アンモニウム単位が15〜90モル%、(メタ)アクリル酸金属塩単位が5〜80モル%、(メタ)アクリル酸単位が5〜45モル%、及びそれら以外の単官能性不飽和単量体単位が0〜40モル%であり、さらに好ましくは、(メタ)アクリル酸アンモニウム単位が20〜80モル%、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩単位が10〜70モル%、(メタ)アクリル酸単位が10〜40モル%、及びそれら以外の単官能性不飽和単量体単位が0〜30モル%である。
【0037】
上記加熱処理は、通常の乾燥機や加熱炉を使用することができ、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。
【0038】
この様にして得られる吸水性樹脂に、必要に応じて消臭剤、香料、各種無機粉末、発泡剤、顔料、染料、抗菌剤、親水性短繊維、可塑剤、粘着剤、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、キレート剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、水、塩類等を添加してもかまわない。
【0039】
上記無機粉末としては、例えば、水及び親水性有機溶媒に対して不活性な各種無機化合物の微粒子、粘土鉱物の微粒子等が挙げられる。特に無機粉末としては、水に対して適度な親和性を有し、かつ、水に不溶或いは難溶のものが好ましく、例えば、二酸化珪素や酸化チタン等の金属酸化物、天然ゼオライトや合成ゼオライト等の珪酸(塩)、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト等が挙げられる。
上記無機粉末の使用量は、通常は吸水性樹脂100重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。吸水性樹脂と無機粉末の混合方法に特に制限はなく、ドライブレンド法、湿式混合法等で行われる。
【0040】
本発明では、必要に応じて粉砕や分級等の操作によって最終的に吸水性樹脂の粒子径が調整される。その形状は、球状、鱗片状、不定形破砕状、顆粒状など種種の形状であってもよいが、その重量平均粒子径は200〜850μm、好ましくは300〜800μm、さらに好ましくは400〜700μmである。
【0041】
本発明の製造方法に基づいて得られる吸水性樹脂と親水性繊維を主成分とする吸収体を含む吸収層を、トップシートとバックシートの間に挟んだ吸収性物品を得ることができる。このような吸収性物品の具体的な例としては、紙おむつや生理用ナプキン、失禁パッド等の各種衛生材料が挙げられる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、実施例に記載の諸物性値を得るために行った吸水性樹脂の試験方法を以下に述べる。
【0043】
(1)残存モノマー
吸水性樹脂1.00gをビーカーに移し、0.9%生理食塩水200mlを加え、攪拌子を入れて500rpmで60分間攪拌する。攪拌停止後5分間放置し、上層液中の残存モノマーをHPLCで測定する。
【0044】
(2)吸水倍率
吸水性樹脂0.20gを不織布製のティーバッグ式袋(60×40mm)に均一に入れ、23℃の0.9%生理食塩水中に浸漬する。30分後にバッグを取り出し、10分間吊るして水切り後、重量を測定する。同様の操作を吸水性樹脂を用いずに行い、重量を測定し、次式に従って吸水倍率を算出する。
【0045】
【数1】
【0046】
(3)荷重下の吸水倍率
吸水性樹脂0.16gを内径25mm、高さ30mmで底部に250メッシュのナイロン不織布を備えたアクリル樹脂製円筒に入れ、円筒の中にスムーズに動くシリンダーを入れて測定装置とし、重量を測定する。測定装置のシリンダーの上部に荷重を載せて所定荷重とし、0.9%生理食塩水60gを入れた内径120mmのシャーレに入れる。60分後に取り出して荷重を取り除いた後の装置の重量を測定し、次式に従って加圧下吸水倍率を算出する。
【0047】
【数2】
【0048】
(4)アクリル酸アンモニウム単位の定量
ケルダール法により吸水性樹脂中の全窒素原子量を求めアクリル酸アンモニウム構造単位量(モル%)を求めた。
【0049】
【製造例1】
特公昭63−2596号公報実施例4に記載の方法に準拠して得られた粗アクリル酸アンモニウム水溶液をUF、及びイオン交換樹脂処理して、28.5重量%のアクリル酸アンモニウム水溶液を得た。
【0050】
【実施例1】
製造例1で得た濃度28.5重量%のアクリル酸アンモニウム水溶液71.4gをナスフラスコにとり40重量%水酸化ナトリウム水溶液9.1gを加え、40mmHg、30℃にて発生するアンモニアを留去した。このものを3.6gの活性炭(武田薬品工業株式会社製 粒状白鷺 WH2C 8/32)にて20℃で1時間処理後、濾過により活性炭を除去しナトリウム塩40モル%、アンモニウム塩60モル%の単量体水溶液を得た。なお、単量体中にβ−ヒドロキシプロピオン酸(塩)、及びβ−アクリロイルオキシプロピオン酸(塩)は検出されなかった(検出限界:0.1ppm)。
【0051】
このようにして得られた単量体水溶液69.2gにN,N’−メチレンビスアクリルアミド0.111gを加え窒素ガスで30分間脱気後、攪拌機、温度計を備えた窒素置換された300mlのセパラブルフラスコに入れた。次いで、内温を30℃に保ち、過硫酸アンモニウム0.357gとアスコルビン酸0.0003gをそれぞれ2gのイオン交換水に溶かし添加した。すぐに反応が開始し、温度が上昇した。反応開始10分後、70℃のウォーターバスにて3時間加熱後、冷却してゲル重合体を取り出した。
【0052】
得られたゲル重合体を1cm角に裁断後100℃にてロータリー真空ポンプを用い1mmHg以下にて4時間真空乾燥を行った。得られたゲル状重合体を小さく粉砕し、上記と同様にしてさらに3時間真空乾燥を行った後、18から50メッシュで分級して乾燥した重合体を得た。
このようにして得られた乾燥後の重合体5gに対し、20℃にて架橋剤としてグリセリン0.05g、イオン交換水0.15g、イソプロピルアルコール1.5gからなる表面架橋剤含有液を滴下し混合した。得られた混合物を180℃で45分加熱することにより実施例1の吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂の諸物性を表1に示す。
【0053】
【実施例2】
40重量%水酸化ナトリウム水溶液添加量を6.9gとすること以外は実施例1と同様にして行い吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂の諸物性を表1に示す。
【0054】
【実施例3】
40重量%水酸化ナトリウム水溶液添加量を4.6gとすること以外は実施例1と同様にして行い吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂の諸物性を表1に示す。
【0055】
【実施例4】
40重量%水酸化ナトリウム水溶液添加量を11.4gとすること以外は実施例1と同様にして行い吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂の諸物性を表1に示す。
【0056】
【比較例1】
撹拌機を備えたフラスコにイオン交換 水320gを仕込んだ。フラスコ内の中和反応系の温度を20〜40℃に保ちながら、和光純薬試薬特級を蒸留精製した直後のアクリル酸144gを加え、次いで40重量%水酸化ナトリウム水溶液40g、25%アンモニア水109gを順に滴下して、中和率100モル(ナトリウム塩20%、アンモニウム塩ウム塩80%)、濃度30.5%の単量体水溶液613gを得た。この様にして得た単量体水溶液69.2gを使用する以外は、実施例1と同様にして行った。得られた樹脂の諸物性を表1に示す。なお、単量体中のβ−ヒドロキシプロピオン酸(塩)の量は50ppm、β−アクリロイルオキシプロピオン酸(塩)の量は540ppmであった。
【0057】
【比較例2】
比較例1において40重量%水酸化ナトリウム水溶液140g滴下して、中和率70モル(ナトリウム塩70%)、濃度33.1%の単量体水溶液604gを得た。この様にして得た単量体水溶液69.2gを使用する以外は、実施例1と同様にして行った。得られた樹脂の諸物性を表1に示す。なお、単量体中のβ−ヒドロキシプロピオン酸(塩)の量は50ppm、β−アクリロイルオキシプロピオン酸(塩)の量は550ppmであった。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、残存モノマーが少なく、かつ高荷重下での吸水特性に優れた吸水性樹脂を得ることができる。
Claims (6)
- 不飽和ニトリル及び/又は不飽和アミドを微生物によって加水分解することによって生成した不飽和カルボン酸アンモニウムを重合用原料単量体として用いることを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
- 該微生物が20重量%以上の濃度の不飽和カルボン酸アンモニウム水溶液を生産できる微生物であることを特徴とする請求項1に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 該微生物がアシネトバクター属の微生物である請求項1または2に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 該微生物がアシネトバクターsp.AK226菌株(微工研菌寄第8271号)またはアシネトバクターsp.AK227菌株(微工研菌寄第8272号)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 不飽和ニトリルがアクリロニトリル及び/またはメタクリロニトリルである請求項1〜4のいずれかに記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 吸水性樹脂が、(メタ)アクリル酸アンモニウム単位、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩単位、及び(メタ)アクリル酸単位を主要構成成分とし、それらの合計が50モル%〜100モル%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吸水性樹脂の製造方法。
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