JP4565451B2 - デジタルコンバータ及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、昇圧チョッパを用いたデジタルコンバータに関し、特に、高価な回路素子を使用することなく、高効率で低損失のPWM制御が実現できる装置及びその制御方法に関するものである。
出願人は先に、高価なコイルを使用しなくても精密なPWM制御が実現できる装置について提案している(特許文献1)。
特願2004−268135
この特許文献1に記載の発明は、コイル及びスイッチング素子を備えた昇圧チョッパと、コイルに入力電流を供給する整流回路と、スイッチング素子を所定の制御サイクルでPWM制御するコンピュータ回路とを有するデジタルコンバータにおいて、コイルへの入力電流が制御サイクル中に途切れない連続モードか、制御サイクルの途中で途絶える不連続モードかを判定しつつ、その判定結果に基づいて異なるアルゴリズムでPWM制御を行うようにしている。
この発明によれば、簡易な構成でありながら、入力電流の広い範囲で精密なPWM制御が可能となる。また、全てをソフトウェア制御で実現できるため、ハードウェア制御の場合のような力率改善回路を省略でき、また一般のコイルも使用できるので低コストで装置全体を小型化できるという利点がある。
しかしながら、電源の大電流化に伴い、スイッチング素子の熱損失も増加し、その発熱が問題となっている。また、上記の発明は、殆ど全てをソフトウェアで処理する関係からPWM制御のキャリア周波数を極端に上げることはできず、入力電流に重畳するリップル分も問題である。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、高価な回路素子を使用することなく、高効率で低損失のデジタルコンバータ及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るデジタルコンバータは、実質的に同一のコイル及びスイッチング素子を直列接続したN個の回路を並列接続して構成された昇圧チョッパと、前記各コイルに入力電流を供給する整流回路と、前記各スイッチング素子を所定の制御サイクルでPWM制御するコンピュータ回路とを備えて構成されたデジタルコンバータであって、前記コイルへの入力電流が制御サイクル中に途切れない連続モードか、制御サイクルの途中で途絶える不連続モードかを判定しつつ、その判定結果に基づいて異なるアルゴリズムで前記PWM制御を実行する一方、前記各スイッチング素子は、順次、位相が360/N度ずれて駆動され、連続モードか不連続モードかの判定は、今回の制御サイクルにおける、前記コイルの充電開始電流、前記昇圧チョッパへの交流入力電圧、及び前記昇圧チョッパの直流出力電圧の各計測値と、今回の制御サイクルにおけるPMW波の制御時間と、前記コイルのインダクタンス値とに基づいて決定されるようになっている。
本発明は、好ましくは、前記各スイッチング素子のOFF動作時に充電される単一のコンデンサから、前記昇圧チョッパの直流出力電圧が得られるよう構成されている。本発明で、連続モードか不連続モードかの判定は、毎回の制御サイクルで行っても良いし、複数回の制御サイクルに一回行ったのでも良い。何れにしても、連続モードか不連続モードかの判定は、今回の制御サイクルにおける、コイル充電開始電流Iv(n−2)、昇圧チョッパへの交流入力電圧Vac(n−1)、及び昇圧チョッパの直流出力電圧Vdc(n−1)の各計測値と、今回の制御サイクルにおけるPMW波の制御時間Ton(n−1)とコイルのインダクタンス値とに基づいて決定される。
PMW波の制御時間は、実施例では、制御オン時間Ton(n−1)を意味しているが、特に限定されるものではなく、スイッチング素子のOFF時間をPWM制御する場合であれば、制御オフ時間がこれに該当する。また、コイルのインダクタンス値は、コイル電流の計測値に対応して補正されるのが好ましい。
また、本発明は、好ましくは、連続モードか不連続モードかの判定結果に対応する演算式を用いて、PMW波の制御時間Ton(n)を決定すべきである。更に好ましくは、次回の制御サイクルにおけるPMW波の制御時間Ton(n)は、次回の制御サイクルにおける、コイル平均電流の予測値Iav(n)を演算要素にして決定される。ここで、コイル平均電流の予測値Iav(n)は、前記交流入力電圧の予測値Vac(n)と積算パラメータβとの積算で決定され、前記積算パラメータβは、直流出力電圧Vdcの目標値Voとの偏差VerrによるPI(Proportional-Integral)制御で決定されるのが好ましい。
並列接続される回路の個数Nは、特に限定されないが、各スイッチング素子の重複ON動作を回避する趣旨から、制御オン時間Tonは、角度に換算してTon<360/Nに制限するのが好ましい。この意味から、上記の個数Nは、1<N≦3であるのが好適である。
また、本発明のコンピュータ回路は、アナログ入力信号をデジタル変換するAD変換部と、各種レジスタへの設定データに基づいて任意のパルス幅のパルス波を自動的に出力可能なタイマ部とを有するワンチップマイコンであるのが好ましい。前記AD変換部は、前記タイマ部からの指令に基づいて、一群のアナログ入力信号をデジタル変換する構成、言い換えると、CPUからの指令を経ることなく動作する構成を採るのが好ましい。更に好ましくは、前記AD変換部は、必要なデジタル変換処理が終われば、その旨をCPUに通知する構成を採るべきである。
また、本発明は、請求項1〜5に記載の各技術的要素を具備するデジタルコンバータの制御方法である。
以上説明した本発明によれば、高価な回路素子を使用することなく、高効率で低損失のデジタルコンバータを実現できる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図1は、ソフトウェア制御によるデジタルコンバータ1を示す回路構成図であり、モータ制御システムの一部として組み込まれている。このデジタルコンバータ1では、単相交流電圧(例えば200V)が全波整流回路2で整流されて脈流となった後、ワンチップマイコン3によってPWM(Pulse Width Modulation)制御がされる昇圧チョッパ4によって所定の直流電圧Vdc(例えば350V)に変換される。そして、三相モータMは、ワンチップマイコン3に制御されるインバータ回路5によって駆動される。
全波整流回路2の(+)出力端子とアースラインとの間には、リップル抑制用のコンデンサCinが接続され、全波整流回路2の(−)出力端子とアースラインとの間には、昇圧チョッパ4の電流検出用のシャント抵抗rが接続されている。
この実施例では、3個の昇圧チョッパ4a〜4cが並列接続されて構成されており、各昇圧チョッパ4a〜4cは、120度ずつ位相が遅れてON動作するよう制御されている。すなわち、昇圧チョッパ4は、位相の異なる3種類のPWM波(PWM1〜PWM3)でON動作するスイッチング素子Q1〜Q3と、各スイッチング素子Q1〜Q3に対応するコイルL1〜L3及びダイオードD1〜D3と、各ダイオードD1〜D3の導電時に充電される単一の平滑コンデンサCとを中心に構成されている。
スイッチング素子Q1〜Q3として、この実施例では、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を使用しているが全て同一素子である。この点は、コイルL1〜L3及びダイオードD1〜D3についても同様であり、各コイルL1〜L3及びダイオードD1〜D3とも同一素子である。
図示の通り、各コイルL1〜L3とスイッチング素子Q1〜Q3とは直列接続され、各コイルL1〜L3には、共通して全波整流回路2の脈流出力(Vac)が供給されている。また、各スイッチング素子Q1〜Q3のゲート端子には、位相の異なる三種類のPWM波(PWM1〜PWM3)が供給され、各コレクタ端子は、ダイオードD1〜D3のアノード端子に接続されている。そして、各スイッチング素子Q1〜Q3のエミッタ端子は、アースラインに接続され、各ダイオードD1〜D3のカソード端子は、共通して平滑コンデンサCに接続され、平滑コンデンサCの他端はアースラインに接続されている。
実施例の昇圧チョッパ4は、上記の通り構成されているので、何れかのスイッチング素子QiがON動作すると、脈流入力電圧Vacが、スイッチング素子Qiと、これに直列接続されたコイルLiとで短絡されることになり、コイルLiに充電電流が流れることになる。本実施例の場合、各スイッチング素子Q1〜Q3は、120度位相が遅れてON動作するので、各コイルLiには、120度位相の遅れた充電電流が流れることになる(図17参照)。
そして、何れかのコイルLiに充電電流が流れている状態で、コイルLiに対応するスイッチング素子QiがON状態からOFF状態に変わると、対応するダイオードDiがON状態となって、コイルLiの放電電流が、コイルLi→ダイオードDi→平滑コンデンサCの経路で流れ、平滑コンデンサCは充電される。この動作は、120度位相が遅れつつ各コイルL1〜L3において実行されるので、平滑コンデンサCからは、平滑された直流電圧Vdcが得られることになる。
全波整流回路2の(−)出力端子に接続されたシャント抵抗rからは、各昇圧チョッパ4の動作電流が検出されるが、この実施例では、A/Dコンバータ(AD1,AD4)の動作タイミングを規定することで、スイッチング素子Q1のON動作時の電流のみを検出するようにしている(図7(a)(c)参照)。言い換えると、本実施例では、シャント抵抗rを通して、第一コイルL1の充電電流を検出している。
図示の通り、ワンチップマイコン3には、信号入力部IN1〜IN3を通して、それぞれ第一コイルL1の充電電流Iと、入力交流電圧Vacと、出力直流電圧Vdcとが入力されており、内蔵されたA/DコンバータAD1〜AD4によって、それぞれ入力信号がデジタル変換されている。なお、A/DコンバータAD1とA/DコンバータAD4は、第一コイルL1の充電電流Iを異なるタイミングで取得している。
信号入力部IN1は、シャント抵抗rの両端電圧を受けるOPアンプ回路で構成されており、シャント抵抗rと合わせて、電流検出センサとして機能している。また、信号入力部IN2及び信号入力部IN3は、抵抗分圧回路とOPアンプ増幅回路とで構成されている。
このような信号入力部IN1〜IN3及びA/DコンバータAD1〜AD4を通して取得されたデータは、ワンチップマイコン3によって演算処理されPWM信号のON時間(以下、制御オン時間という)が算出される。そして、ワンチップマイコン3から出力されたPWM信号(PWM1〜PWM3)は、各バッファ回路DRを通してスイッチング素子Q1〜Q3のゲート端子に供給される。また、ワンチップマイコン3は、信号入力部IN4と信号出力部OUT2を介してインバータ回路5に接続されて、三相モータMをインバータ制御している。
以下、ワンチップマイコン3の具体的な制御動作を説明するに先立って、第1の昇圧チョッパ4aに関して、その制御原理から説明する。図2は、ワンチップマイコン3から出力される第1のPWM波(PWM1)と、第1の昇圧チョッパ4aのコイルL1に流れる電流の関係を図示したタイムチャートである。以下、第1の昇圧チョッパ4aに関して説明するが、コイルL1〜L3のインダクタンス値は全て同一であり、他の昇圧チョッパ4b、4cの回路動作も同じである。
図示の通り、コイルL1にはコイル充電電流とコイル放電電流による三角波が流れるが、コイルL1に蓄えられたエネルギーが十分であって連続的に電流が流れる連続モード(図2(a)参照)と、エネルギーが不十分であるため、電流が途中で途切れる不連続モード(図2(b)参照)とがある。
本実施例では、何れの動作モードにあるかに応じて、異なるPWM制御を行っているので、先ず、動作モードを判定する判定式を説明する。図2のタイムチャートにおいて、今現在が、制御サイクル(n−1)であるとする。そして、この制御サイクル(n−1)中の計測値に基づいて、次の制御サイクル(n)における制御オン時間Ton(n)を決定することを考える。なお、交流入力電圧の周波数は50Hz又は60Hzであるが、十分迅速に制御するため、本実施例では、制御周期Tを45.6μSにしている。
以下、コイルL1のインダクタンス値をLとして、回路方程式を説明する。コイル充電時(スイッチング素子ON)における回路方程式は、Vac(n−1)=L×{Ip(n−1)−Iv(n−2)}/Ton(n−1)・・・(式1)となる。ここで、Iv(n−2)はコイル充電開始電流、Ip(n−1)はコイル充電ピーク電流、Ton(n−1)は制御オン時間であり、それぞれ制御サイクル(n−1)における値である。また、Vac(n−1)は制御サイクル(n−1)における入力電圧であるが、電源周波数に対して、制御周期T(=45.6μS)が十分短いのでVac(n−1)を一定値とみなすことができる。
一方、コイル放電時(スイッチング素子OFF)における回路方程式は、Vdc(n−1)−Vac(n−1)=L×{Ip(n−1)−Iv(n−1)}/Toff(n−1)・・・(式2)となる。ここで、Vdc(n−1)はコンデンサCの両端電圧、Iv(n−1)は今回の制御サイクル終了時のコイル電流(次回の制御サイクルのコイル充電開始電流)、Toff(n−1)はOFF時間であり、それぞれ制御サイクル(n−1)における値である。
(式1)及び(式2)からIp(n−1)を消去してIv(n−1)について解くと、Iv(n−1)=Iv(n−2)+T/L×[{Vac(n−1)−Vdc(n−1)}+Ton(n−1)×Vdc(n−1)]・・・(式3)となる。なお、制御周期Tは、T=Ton(n−1)+Toff(n−1)である。
上記の(式3)において、Iv(n−1)>0であれば連続モード、Iv(n−1)=0であれば不連続モードとなる。但し、(式3)は、今回の制御サイクル(n−1)におけるコイル充電開始電流Iv(n−2)を用いて、次回の制御サイクル(n)におけるコイル充電開始電流Iv(n−1)を求めているので、充電開始電流Iv(n−2)が正確でないと、連続モードか不連続モードかの判定が狂うことになる。すなわち、Iv(n−2)を一つ手前の制御サイクルにおける制御オン時間(Ton(n−2))などに基づく予測演算によって決定したのでは、(式3)の演算によって誤差が累積されることになり、制御の指示値自体が目標から外れて発散してしまうおそれがある。そこで、この実施例では、制御サイクルごとに、コイル充電開始時の入力電流AD1を計測するようにしている。
但し、制御サイクル開始時から入力電流の取得時までに不可避的に時間遅れTsが生じるので(図8(c)参照)、この時間遅れTsを考慮して計測値AD1を補正してコイル充電開始電流Iv(n−2)としている。今、制御サイクル(n−1)のTsのタイミングにおける電流計測値をAD1とすると、コイル充電電流の傾斜(Δi/Δt)は、L×Δi/Δt=eの関係からΔi/Δt=e/Lである。ここで、eは電圧、iは電流、tは時間である。
したがって、時間遅れTsにおける電流増加量は、Vac(n−1)/L×Tsと算出することができ、この値を用いると、Iv(n−2)=AD1−Vac(n−1)/L×Ts・・・(式4)となる。そして、この(式4)を(式3)に代入すると、Iv(n−1)=AD1−[Vac(n−1)×Ts+T×{Vdc(n−1)−Vac(n−1)}−Ton(n−1)×Vdc(n−1)]/L・・・(式5)となり、今回の制御サイクル(n−1)の最終タイミング(=次回の制御サイクルの開始タイミング)における入力電流値Iv(n−1)を、今回の制御サイクル(n−1)の開始タイミングにおける入力電流の計測値AD1に基づいて正確に決定することができる。
そして、このようにして求めた次回制御サイクルのコイル充電開始電流Iv(n−1)が正か否かに応じて、連続モードか不連続モードかを正確に判定でき、それに応じた最適な制御が可能となる。すなわち、今回の制御サイクル(n−1)における、交流入力電圧Vac(n−1)、直流出力電圧Vdc(n−1)、及び入力電流AD1の各計測値と、前回の制御サイクルで決定された制御オン時間Ton(n−1)とに基づいて、連続モード用の制御をすべきか、不連続モード用の制御をすべきかを確定できる。なお、以上の(式1)〜(式5)の算出手順については、図11〜図12に補充説明をしている。
ところで、直流出力電圧Vdc(n−1)は、必ずしも、制御サイクル毎に更新される必要はないので、本実施例では、1mS毎に値が更新されるVdc(i)を使用している(図9のステップST30参照)。したがって、本実施例の判別式は、正確には、Iv(n−1)=AD1−[Vac(n−1)×Ts+T×{Vdc(i)−Vac(n−1)}−Ton(n−1)×Vdc(i)]/L・・・(式5’)となる。
更にまた、直流出力電圧として、図9のステップST38の処理で算出される過去0.5秒間の平均値Vdcを使用しても良い。この場合には、Iv(n−1)=AD1−[Vac(n−1)×Ts+T×{Vdc−Vac(n−1)}−Ton(n−1)×Vdc]/L・・・(式5’’)の判別式が採用される。
<不連続モード>
続いて、各制御サイクル中のコイル平均電流Iavに基づいて、制御オン時間Ton(n)を算出する方法について説明する。先ず、不連続モードにおける制御オン時間Ton(n)を算出する(図2(b)参照)。
コイル充電時における回路方程式は、Vac(n)=L×{Ip(n)−Iv(n−1)}/Ton(n)となるが、不連続モードゆえに、Iv(n−1)=0であり、結局、Vac(n)=L×Ip(n)/Ton(n)・・・(式6)となる。ここで、Vac(n)は交流入力電圧、Ip(n)はコイル充電ピーク時の電流値、Iv(n−1)はコイル充電開始時の電流値、Ton(n)は制御オン時間である。
一方、コイル放電時における回路方程式は、Vdc(n)−Vac(n)=L/Tcut(n)×{Ip(n)−Iv(n)}となる。なお、Tcut(n)は、コイル充電ピーク状態の電流値Ip(n)が、放電されてゼロになるまでの時間である(図2(b)参照)。ここでは不連続モードの回路方程式を問題にしているので、Iv(n)=0となり、Vdc(n)−Vac(n)=L/Tcut(n)×Ip(n)・・・(式7)となる。また、この制御サイクルにおける入力電流の平均値Iav(n)は、Iav(n)={Ip(n)×Ton(n)+Ip(n)×Tcut(n)}/(2×T)・・・(式8)となる。
そして、これら(式6)〜(式8)をTon(n)について解くと、Ton(n)×Ton(n)={2×T×L×Iav(n)×(Vdc(n)−Vac(n))}/{Vac(n)×Vdc(n)}・・・(式9)と算出される。なお、(式9)の算出過程は、図13〜図14に示した。
<連続モード>
続いて、連続モードにおける制御オン時間Ton(n)を算出する(図2(a)参照)。コイル充電時における回路方程式は、Vac(n)=L×{Ip(n)−Iv(n−1)}/Ton(n)・・・(式10)となる。一方、コイル放電時における回路方程式は、Vdc(n)−Vac(n)=L/Toff(n)×{Ip(n)−Iv(n)}・・・(式11)となる。ここで、Toff(n)=T−Ton(n)であり、コイル放電開始から次回の制御サイクルにおけるコイル充電開始までの時間である。
そして、この制御サイクルにおける平均電流Iav(n)は、Iav(n)=[{Ip(n)+Iv(n−1)}×Ton(n)+{Ip(n)+Iv(n)}×Toff(n)]/{2×T}・・・(式12)となる。ここで、Ip(n),Iv(n)を消去しつつ(式10)〜(式12)をToff(n)について解くと、Toff(n)×Toff(n)=[2×T×L×{Iv(n−1)−Iav(n)}/Vdc(n)]+T×T×Vac(n)/Vdc(n)・・・(式13)となるので、結局、Ton(n)は、Ton=T−Toff(n)・・・(式14)と算出される。なお、(式14)その他の算出過程は、図15〜図16に補充説明している。
本実施例では、不連続モードか連続モードかに応じて、(式9)か又は(式14)を用いて制御オン時間Ton(n)を算出するが、その演算には、次回の制御サイクル(n)における、交流入力電圧Vac(n)、直流出力電圧Vdc(n)、及び平均入力電流Iav(n)の予測パラメータが必要となる。
交流入力電圧Vac(n)については、今回の交流入力電圧の計測値Vac(n−1)と、前回の交流入力電圧の計測値Vac(n−2)に基づいて予測することとし、具体的には、今回の計測値Vac(n−1)に、制御サイクル(n−2)と制御サイクル(n−1)計測値の差分を加算して以下の通りとする。Vac(n)=2×Vac(n−1)−Vac(n−2)・・・(式15)
一方、直流出力電圧Vdc(n)については、直流電圧についての過去の計測値の平均値Vdcを採用する。平均値Vdcの算出法は適宜に決定されるが、この実施例では0.5秒毎に実行される平均化処理によって過去0.5秒間の計測値を平均化して、直流出力電圧Vdcとしている(図9のステップST38参照)。この直流出力電圧Vdcは、メモリの適当なワークエリアに格納されており、このワークエリアの値Vdcが0.5秒毎に更新されるようになっている。
したがって、この場合には、不連続モードで、Ton(n)×Ton(n)={2×T×L×Iav(n)×(Vdc−Vac(n))}/{Vac(n)×Vdc}・・・(式9’)となり、一方、連続モードでは、Toff(n)×Toff(n)=[2×T×L×{Iv(n−1)−Iav(n)}/Vdc]+T×T×Vac(n)/Vdc・・・(式13’)、Ton=T−Toff(n)・・・(式14’)となる。
但し、0.5秒間の平均値Vdcを使用するのに変えて、A/DコンバータAD3の出力値AD3を1mS毎に取得したVdc(i)の値を使用しても良い。この場合には、不連続モードで、Ton(n)×Ton(n)={2×T×L×Iav(n)×(Vdc(i)−Vac(n))}/{Vac(n)×Vdc(i)}・・・(式9’’)となり、一方、連続モードでは、Toff(n)×Toff(n)=[2×T×L×{Iv(n−1)−Iav(n)}/Vdc(i)]+T×T×Vac(n)/Vdc(i)・・・(式13’’)、Ton=T−Toff(n)・・・(式14’’)となる。なお、図3では、便宜上、Vdc(i)を使用する場合を実線で示し、直流出力電圧Vdcを使用する場合を破線で示している。
また、平均入力電流Iav(n)の予測値は、交流入力電圧Vac(n)の予測値との関係からIav(n)=β×Vac(n)とする。ここでゲインβは、直流出力電圧の基準値(目標値)Voと、上記の平均化された直流出力電圧Vdcとを比較しながら、その差VerrがゼロになるようにPI制御によって調整する。
すなわち、Verr=Vo−Vdc・・・(式16)であり、Vo=Vac(pk)+α・・・(式17)である。ここで、直流出力電圧の基準値Voは、交流入力電圧(脈流)の波高値Vac(pk)に、コイルLによる昇圧量αを加算したものに設定する。このように設定することによって、入力電圧値に応じた効率の高い変換が可能となる。また、コイルLによる昇圧量を小さくできるので、大型化しない適当なサイズで安価で軽量のコイルを選択することが可能となる。なお、コイルLのインダクタンス最適値は、一般に、L=Vac×Vac×(Vdc−Vac)/{γ×Pac×Vdc/T}の設計式に基づいて決定されるが、本実施例では、入力電圧値Vacに対応して出力電圧値Vdcを設定するので、コイルのインダクタンス値がほぼ最適値を常に維持する。なお、上記の設計式において、γは入力電流のリプル含有率、Tは制御周期、Pacは最大入力電力、Vacは入力電圧の瞬時値である。
図3は、上記した制御動作を説明する制御ブロック図である。図示の通り、連続モードか不連続モードかを各制御サイクル毎に判定し、不連続モードであれば(式9’/式9’’)を使用し、連続モードであれば(式14’/式14’’)を使用して制御オン時間Tonを算出する。そして、算出された制御オン時間Tonに等しいパルス幅を有するPWM波によって、第1の昇圧チョッパ4aのスイッチング素子Q1をON動作させる。その他の昇圧チョッパ4b,4cについても同様であり、位相が120度ずつ遅れたPWM波によってスイッチング素子Q2,Q3をON動作させる。
以上、図2と図3に基づいて、PWM制御の制御原理を説明したので、次に、図3の制御動作を実現するワンチップマイコン3について具体的に説明する。
図4は、ワンチップマイコン3の内部構成図を例示したものであり、ここでは、シングルチップRISCマイコンSH7046(株ルネサステクノロジー)を使用している。このワンチップマイコン3は、CPUコア30と、クロック発生部31と、AD変換部32と、マルチファンクションタイマパルスユニット(MTU)33とを内蔵している。この実施例のクロック発生部31は、50MHzのシステムクロックを発振しており、システムクロックを二分周した25MHzの周辺クロックPΦがMTU33に供給されている。そして、この周辺クロックPΦは、その後分周されることなく、そのまま計数クロック(周波数25MHz)としてMTU33のカウンタに供給される。
図5は、AD変換部32の内部構成を概略的に図示したものである。このAD変換部32は、8チャネルのアナログ入力端子AN8〜AN15を有しており、入力されたアナログ信号は、逐次比較方式によりAD変換され、AD変換後のデジタルデータ(分解能10ビット)は、データレジスタADDR8〜ADDR15に格納される。
この実施例では、昇圧チョッパ4の動作状態を示す各アナログ信号は、信号入力部IN1〜IN3を経由して、上記したAD変換部32に供給されており、AD変換部32は、実質的に、4チャネルのA/DコンバータAD1〜AD4として機能している。4チャネルのA/DコンバータAD1〜AD4は、連続スキャンモードで動作するよう設定されており、MTU33からAD変換開始トリガ(図5参照)を受けると、A/DコンバータAD1〜AD4がその順番にAD変換動作を実行するようになっている。
そして、すべてのAD変換動作が完了すると、CPUコア30に対して、割込み信号(ADI割込み)を出力するよう設定されている。したがって、CPUコア30は、ADI割込みに起因する割込み処理プログラムにおいて、AD変換された入力データに基づく演算処理を行い、前述した制御オン時間Tonを算出することになる。
図6は、MTU(マルチファンクションタイマパルスユニット)33の内部構成を図示したものである。このMTU33は、5チャネル(channel_0〜channel_4)の16ビットタイマにより構成されており、各種のレジスタへの設定データに基づいて、任意のパルス幅のPWM波を出力できるようになっている。
本実施例の場合、MTU33の各設定は、以下の通りである。
<AD変換部32に関連する設定>
TGRA_0(チャネル0のジェネラルレジスタA)のコンペアマッチによりAD変換開始トリガを発生させる。なお、このAD変換開始トリガによって、ワンチップマイコン3のAD変換部32がAD変換の動作を開始するのは、前述した通りである。
<CPUコア30への割込み要求の設定>
TGRA_0(チャネル0のジェネラルレジスタA)のコンペアマッチによりCPUコアに割込み要求信号を発生させる。この割込み要求信号に応じて、CPUコア30は、TGRA_0〜TGRA_2(チャネル0〜2のジェネラルレジスタA)、及びTGRB_0〜TGRB_2(チャネル0〜2のジェネラルレジスタB)に設定値を書込む。この設定値は、MTU33から出力される3相のPWM波の立ち上がりタイミング、及び立下りタイミングを規定する数値である。
<MTU33の動作に関する設定>
[設定(1)] チャネル0〜4のうち、チャネル0〜2を「同期動作」に設定する。そして、チャネル0のカウンタクリア要因を「TGRA_0(チャネル0のジェネラルレジスタA)のコンペアマッチ」に設定し、チャネル1,2のカウンタクリア要因を「同期クリア」に設定する。したがって、チャネル0〜2のタイマカウンタTCNT_0〜TCNT_2は、TGRA_0のコンペアマッチ時に同期してクリアされる。
[設定(2)] チャネル0〜2を「PWMモード1」に設定する。PWMモード1では、TGRA(ジェネラルレジスタA)とTGRB(ジェネラルレジスタB)とをペアで使用することになり、TIOCA端子(MTU33のPWM出力端子)からTGRAとTGRBのコンペアマッチによるPWM波が出力される。
[設定(3)] TGRA_0〜TGRA_2(チャネル0〜2のジェネラルレジスタA)、及び、TGRB_0〜TGRB_2(チャネル0〜2のジェネラルレジスタB)に、TGRA_0のコンペアマッチによる割込み要求に応じて、CPUコア30が設定値を書き込む。具体的には、TGRA_0〜TGRA_2(チャネル0〜2のジェネラルレジスタA)には、1140、380、760を書込み、TGRB_0〜TGRB_2(チャネル0〜2のジェネラルレジスタB)には、Ton、380+Ton、760+Tonを書込む。なお、Tonは、制御サイクル毎に算出される制御オン時間である。
[設定(4)] TIOCA端子(MTU33のPWM出力端子)の出力レベルは、TGRA(ジェネラルレジスタA)のコンペアマッチ時と、TGRB(ジェネラルレジスタB)のコンペアマッチ時に変化する。そして、TIOCA_0〜TIOCA_2の各出力は、各チャネルのTIOR(タイマIOコントロールレジスタ)への初期設定により、TGRA_0〜TGRA_2のコンペアマッチでHレベルに立ち上がり、TGRB_0〜TGRB_2のコンペアマッチでLレベルに立下るよう設定する。
[設定(5)] タイマカウンタTCNTの計数クロックは、周辺クロックPΦと同じ25MHz(周期40nS)とする。
MTU33は、上記のように設定されて動作する。図7(a)は、MTU33の動作に関連して、各チャネル0〜2のタイマカウンタTCNT(TCNT_0〜TCNT_2)と、各ジェネラルレジスタ(TGRA_0〜TGRA_2,TGRB_0〜TGRB_2)との関係、及び、各TIOCA端子(TIOCA_0〜TIOCA_2)から出力されるPWM波を図示したものである。
先に説明した通り、本実施例では、固定値1140に設定されたTGRA_0のコンペアマッチ時に、チャネル0〜2のタイマカウンタTCNT_0〜TCNT_2が同期してクリアされる。そのため、各タイマカウンタTCNTは、0〜1139を循環する1140進カウンタとして機能する。一方、タイマカウンタTCNTの計数クロックは、25MHz(周期40nS)であるから、タイマカウンタは、45.6μS(=1140×40nS)を一周期(制御周期T)として循環動作することになり、PWM制御のキャリア周波数は約22KHzとなる。
チャネル0〜チャネル2のTGRA(ジェネラルレジスタA)には、チャネル0のTGRA(TGRA_0)のコンペアマッチ時(つまり各タイマカウンタTCNTの同期クリア時)に生じる割込みにより、CPUコア30によって、それぞれ1140、380、760が書込まれる。同様に、チャネル0〜チャネル2のTGRB(ジェネラルレジスタB)には、チャネル0のTGRA(TGRA_0)のコンペアマッチ時に生じる割込みにより、それぞれTon、380+Ton、760+Tonが書込まれる。
以上の設定のため、タイマカウンタTCNTがクリアされるのに合わせて、TIOCA_0(チャネル0のTIOCA端子)はHレベルに立ち上がる。その後、チャネル0のタイマカウンタTCNT_0が進行して、TGRB_0(チャネル0のジェネラルレジスタB)の値であるTonに一致すると、TIOCA_0はLレベルに立下がる。
チャネル1やチャネル2についても同様であり、TIOCA_1(チャネル1のTIOCA端子)は、タイマカウンタTCNT_1=380のタイミングで、TGRA_1のコンペアマッチにより、Hレベルに立ち上がり、タイマカウンタTCNT_1=380+Tonのタイミングで、TGRB_1のコンペアマッチにより、Lレベルに立下がる。また、TIOCA_2(チャネル2のTIOCA端子)は、タイマカウンタTCNT_2=760のタイミングで、TGRA_2のコンペアマッチによりHレベルに立ち上がり、タイマカウンタTCNT_2=760+Tonのタイミングで、TGRB_2のコンペアマッチによりLレベルに立下がる。
したがって、各チャネルの出力端子であるTIOCA_0〜TIOCA_2から、パルス幅TonのPWM波が120度ずつ遅れた位相で出力されることになり(図7(a)参照)、スイッチング素子Q1〜Q3は、位相のずれた三相のPWM波に基づいてON動作することになる。
図7(b)は、TGRA_0(チャネル0のジェネラルレジスタA)のコンペアマッチに基づくCPUコア30の割込み処理を図示したものである。先に説明した通り、各制御周期の最初のタイミングで(TGRA_0のコンペアマッチ時)、CPUコア30は、MTU33のTGRA_0〜TGRA_2(ジェネラルレジスタA)及びTGRB_0〜TGRB_2(ジェネラルレジスタB)に、パルス幅が制御オン時間Tonとなる設定値を書込む。なお、この制御オン時間Tonは、一つ手前の制御サイクルにおいて算出された値である。
図7(c)は、TGRA_0(チャネル0のジェネラルレジスタA)のコンペアマッチによるAD変換開始トリガに関して図示したものである。図示の通り、各制御周期の最初のタイミングで(TGRA_0のコンペアマッチ時)、AD変換開始トリガがMTU33からAD変換部32に供給され、これに呼応して、A/DコンバータAD1〜AD4が連続スキャンモードで動作して、この順番にAD変換動作を実行する。そして、A/DコンバータAD4がAD変換を終了すると、CPUコア30に対して、AD変換終了割込み信号を出力する。
以上の通り、MTU33は、CPUコア30及びAD変換部32と協働して、位相が120度ずつ異なる3つのPWM波を、約50μSの制御周期Tで出力する。図8〜図9は、図3の制御動作を実現するワンチップマイコン3の処理内容を示すフローチャートである。図3に示す制御処理は、45.6μS毎に繰り返されるMTU33によるPWM波の出力動作(図7(a)、図8(a)参照)と、1mS毎に起動されるタイマ割込みTM_INT(図9)と、AD変換動作が完了すると起動されるAD変換終了割込みAD_INT(図8(b))とを中心に構成されている。
以下、図8(a)に基づいて、MTU33の動作内容を確認する。タイマカウンタTCNTは、45.6μS(=計数クロックの1140個分)毎に同期してクリアされる。このクリア時にCPUコア30に割込みがかかり、CPUコア30は、TGRA_0〜TRGA_2及びTGRB_0〜TRGB_2への書込み処理によって各PWM波の立下りタイミングを規定する(図7(b)参照)。また、タイマカウンタTCNTのクリア時に、AD変換部33に対してAD変換開始トリガが供給される(図7(c)参照)。その他、タイマカウンタTCNTのクリア後に、三種類のPWM波が再生成される点も前述した通りである。
その後、連続スキャンモードで動作するA/DコンバータAD1〜AD4のAD変換処理を完了すると、CPUコア30に、AD変換終了割込みがかかる。なお、図8(c)に示すように、制御サイクルが開始されてから最初のAD変換が開始されるまでに時間遅れTsがあり、また、1番目のAD変換開始から4番目のAD変換開始までに遅延時間Tdがある。
<AD変換終了割込みAD_INT>
全てのA/DコンバータについてAD変換動作が終了すると、図8(b)に示す割込み処理AD_INTによって制御演算が実行される。先ず、A/DコンバータAD1,AD4の出力値AD1,AD4(コイルLへの入力電流)を取得する(ST10)。次に、平均演算(AD1+AD4)/2によって、制御サイクル(n−1)における入力電流の平均値Iav(n−1)を算出する(ST11)。なお、図8(c)に示すように、入力電流値は、サンプリング点によって変化するので、入力電流の平均値(平均電流)としての精度は高くないが、この平均値Iav(n−1)は、次に説明するインダクタンス値の補正に使用するだけであるから、特に問題は生じない。
入力電流の平均値Iav(n−1)が求まれば、回路に実装されているコイルL1のインダクタンス値を電流値Iav(n−1)に基づいて特定する。コイルL1は、図10に示すように、そこに流れる直流重畳電流(平均電流)に応じて、そのインダクタンス値が変化する場合が多い。そこで、この実施例では、回路に実装されているコイルL1の特性を予めメモリに格納しておき、入力電流の平均値Iav(n−1)に応じたインダクタンス値を、各演算式で使用するようにしている。
そのため、大型で高価なコイルを使用しなくても高精度の制御が可能となる。なお、制御精度を更に高めるためには、平均演算(AD1+AD4)/2によって求まった電流値Iav(n−1)を、その制御サイクル(n−1)における制御オン時間Ton(n−1)に応じて補正しても良い(図3参照)。すなわち、2つのサンプリング点AD1,AD4が、コイル充電電流AD1とコイル放電電流AD4に分かれる場合もあれば、制御オン時間Ton(n−1)が長いために、共にコイル充電電流となる場合もあるので(図8(c)参照)、この点を踏まえて平均電流を補正すれば、より精密な制御を実現できる。
続いて、A/DコンバータAD2の出力値AD2(交流入力電圧Vac(n−1))を取得する(ST13)。そして、電圧予測式Vac(n)=2×Vac(n−1)−Vac(n−2)に基づいてVac(n)を算出する(ST14)。次に、A/DコンバータAD3の出力値AD3(直流出力電圧Vdc(n−1))を取得する(ST15)。
続いて、Iav(n)=β×Vac(n)の計算によって、入力電流指令値Iav(n)を算出する(ST16)。なお。必要な積算パラメータβの値は、図9に示すタイマ割込み処理TM_INTにおいて1mS毎に更新されて適宜なワークエリアに格納されている。
次に、A/DコンバータAD1からの取得値AD1と、ステップST12の処理で補正されたコイルのインダクタンス値Lと、ステップST13の処理で取得された交流入力電圧値Vac(n−1)と、この制御サイクルにおける制御オン時間Ton(n−1)と、直流出力電圧値Vdc(i)とに基づいて、(式5’)の判別式に基づいて、コイル充電開始電流Iv(n−1)を算出する(ST17)。そして、コイル充電開始電流Iv(n−1)の値(正か否か)に応じて、連続モードとして制御すべきか不連続モードとして制御すべきかを決定する(ST17)。なお、(式5’)に代えて(式5’’)の判別式を用いても良いのは、前述の通りである。
ここでIv(n−1)≦0であって不連続モードであった場合には、Iv(n−1)=0に設定すると共に(ST19)、(式9’)または(式9’’)の演算式に基づいて制御オン時間Ton(n)を算出する(ST20)。一方、Iv(n−1)>であって連続モードであった場合には、(式14’)(式14’’)の演算式に基づいて制御オン時間Ton(n)を算出する(ST21)。
そして、算出された制御オン時間Ton(n)について、それが制御上限値と制御下限値を超えていないことを条件に、次回の制御サイクル(n)の制御オン時間としてPWM用バッファ領域にTon(n)の値を設定する(ST22,23)。このようにしてPWM用バッファに書込まれたTon(n)は、次の制御サイクル開始時の割込み時に使用され、MTU33のTGRB_0〜TGRB_2(チャネル0〜2のジェネラルレジスタB)に、Ton,380+Ton,760+Tonが書込まれる。
但し、算出された制御オン時間Ton(n)が、上限値か下限値を超えている場合には、PWM用バッファに、それぞれ制御上限値又は制御下限値を設定する。上限値は、制御周期Tに対してT/3であり、この場合にはT/3未満の値である制御上限値を使用する。このような制限を設けるのは、もしTon≧T/3の状態で動作させると、複数の昇圧チョッパが重複して動作することになり、発熱の抑制など本発明の目的が阻害されるからである。
<タイマ割込みTM_INT>
続いて、上記したAD変換終了割込みAD_INTとは独立して、1mS毎に開始されるタイマ割込みTM_INTについて図9のフローチャートに基づいて説明する。
タイマ割込みTM_INTでは、先ず、A/DコンバータAD3の出力であるVdc(i)を取得する(ST30)。なお、A/DコンバータAD3は45.6μS毎にAD変換動作を実行するが、タイマ割込みINT1では、AD変換された出力直流電圧を1mS毎に取得することになる。以下、取得した直流電圧をVdc(i)と表現する。
次に、SUM←SUM+Vdc(i)の演算を実行して、取得した出力直流電圧Vdc(i)の値をワークエリアの平均算出バッファSUMに加算する(ST31)。また、A/DコンバータAD2の出力である交流入力電圧Vac(i)を取得して(ST32)、交流入力電圧Vac(i)と、メモリに保存されている波高最大値Vac(pk)とを対比する(ST33)。
そして、Vac(i)>Vac(pk)であれば、Vac(pk)←Vac(i)の演算によって、メモリに記憶されている波高最大値Vac(pk)の値を更新する(ST34)。このようにして交流入力電圧の波高値Vac(pk)を求めた後、カウンタCTをデクリメント処理(−1)し(ST35)、カウンタ値CTがゼロか否かを判定する(ST36)。
ここで、カウンタ値CTがCT=0となると、平均算出バッファSUMの値を1/500倍することで、出力直流電圧Vdc(i)の平均値を求める(ST37)。そして、この平均値によって直流出力電圧Vdcを特定する(ST38)。
このようにして直流出力電圧Vdcが求めれば、平均算出バッファSUMとカウンタCTの値を初期設定し(ST39)、Vo←Vac(pk)+αの演算によって出力直流電圧の基準値(目標値)Voを算出する(ST40)。αは、入力交流電圧の波高値Vac(pk)と比較した場合の、コイルLにおける昇圧分である。そして、出力基準電圧Voと、計測値から得られる出力平均電圧Vdcとの差を算出する(ST41)。具体的には、Verr(i)←Vo−Vdcの演算を行う。
以上の結果に基づき、PI制御による指令値βを算出してタイマ割込み処理INT1を終える(ST42)。ここで、指令値βの算出は、β=Verr(i)×Kp+{Verr(i)×Ki+Verr(i−1)’×Ki}の演算式によるが、Verr(i−1)’×Kiは、前回(i−1)の積分制御値であって、Verr(i−1)’×Ki=Verr(i−1)×Ki+Verr(i−2)’×Kiとして算出されていた値である。
なお、以上説明したAD変換終了割込み(図8(b))の内容は、制御ブロック図3に「INT1」と記載している。また、AD変換部33の動作には「A/D」と記載し、MTU33の動作には「MTU」と記載している。
以上の通り、実施例に係るデジタルコンバータ1では、3つの昇圧チョッパ4a〜4cが並列接続され、各スイッチング素子Q1〜Q3が、順次、遅れてON動作するので、スイッチング素子を分散して実装することによって発熱を効果的に分散することが可能となる。また、これらに関連して、各スイッチング素子の電流容量スペックを落すこともできる。
また、入力電流のリップルが低減されるので、入力側のコンデンサCinを小型化することもできる。図16は、この関係を図示したものであり、各コイルL1〜L3の電流IL1〜IL3と、これらの総和である整流回路2の出力電流IALLとの関係を示している。
また、各コイルL1〜L3のインダクタンス値を低減することもできる。すなわち、昇圧チョッパが単一である場合より、昇圧チョッパが並列動作する分だけ、Vdc(n)やIav(n)が相対的に大きくなるので、例えば、(式9)や(式14)よりインダクタンス値Lを小さくすることができる。
その他、ハードウェア制御回路が存在せず、全てをソフトウェア制御で実現できるため、力率改善回路などを省略でき、低コストで小型化が可能となる。また一般のコイルを使用して、そのインダクタンス値をリアルタイムに補正して演算式に反映させるので、低コストでありながら高精度の制御が可能となる。更に、本実施例では、瞬時応答による制御を行っているので負荷変動に対してもリニアに対応できる。また、(式9)、(式14)に示すように、フィードフォワードによる制御が主体となるので目標値に対する発散を抑制でき制御遅れも少ない。
実施例に係るデジタルコンバータを示す回路ブロック図である。 制御周期とコイルの充放電動作との関係を説明するタイムチャートである。 実施例に係るデジタルコンバータの制御動作を説明する制御ブロック図である。 ワンチップマイコンの内部構成を示すブロック図である。 AD変換部の内部構成を示すブロック図である。 MTUの内部構成を示すブロック図である。 MTUの動作を説明するタイムチャートである。 MTUとAD変換割込みの動作内容を示すフローチャートである。 タイマ割込みの動作内容を示すフローチャートである。 コイルのインダクタンス値と平均電流との関係を示す特性図である。 (式5)の導出過程を説明する図面である。 (式5)の導出過程を説明する図面である。 (式9)の導出過程を説明する図面である。 (式9)の導出過程を説明する図面である。 (式14)の導出過程を説明する図面である。 (式14)の導出過程を説明する図面である。 リップルの低減を説明する図面である。
符号の説明
L1〜L3 コイル
Q1〜Q3 スイッチング素子
1 デジタルコンバータ
2 整流回路
3 コンピュータ回路(ワンチップマイコン)
4a〜4c 昇圧チョッパ

Claims (6)

  1. 実質的に同一のコイル及びスイッチング素子を直列接続したN個の回路を並列接続して構成された昇圧チョッパと、前記各コイルに入力電流を供給する整流回路と、前記各スイッチング素子を所定の制御サイクルでPWM制御するコンピュータ回路とを備えて構成されたデジタルコンバータであって、
    前記コイルへの入力電流が制御サイクル中に途切れない連続モードか、制御サイクルの途中で途絶える不連続モードかを判定しつつ、その判定結果に基づいて異なるアルゴリズムで前記PWM制御を実行する一方、
    前記各スイッチング素子は、順次、位相が360/N度ずれて駆動され、
    連続モードか不連続モードかの判定は、今回の制御サイクルにおける、前記コイルの充電開始電流、前記昇圧チョッパへの交流入力電圧、及び前記昇圧チョッパの直流出力電圧の各計測値と、今回の制御サイクルにおけるPMW波の制御時間と、前記コイルのインダクタンス値とに基づいて決定されるようになっていることを特徴とするデジタルコンバータ。
  2. 前記各スイッチング素子のOFF動作時に充電される単一のコンデンサから、前記昇圧チョッパの直流出力電圧が得られるよう構成された請求項1に記載のデジタルコンバータ。
  3. 前記PWM制御における各スイッチング素子の制御オン時間Tonは、角度換算でTon<360/Nに制限されている請求項1又は2に記載のデジタルコンバータ。
  4. 前記コンピュータ回路は、アナログ入力信号をデジタル変換するAD変換部と、各種レジスタへの設定データに基づいて任意のパルス幅のパルス波を自動的に出力可能なタイマ部とを有するワンチップマイコンである請求項1〜の何れかに記載のデジタルコンバータ。
  5. 前記AD変換部は、前記タイマ部からの指令に基づいて、一群のアナログ入力信号をデジタル変換するよう構成されている請求項に記載のデジタルコンバータ。
  6. 請求項1〜のいずれかの動作を実現するデジタルコンバータの制御方法。
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