JP2002252976A - スイッチング電源装置 - Google Patents

スイッチング電源装置

Info

Publication number
JP2002252976A
JP2002252976A JP2001050309A JP2001050309A JP2002252976A JP 2002252976 A JP2002252976 A JP 2002252976A JP 2001050309 A JP2001050309 A JP 2001050309A JP 2001050309 A JP2001050309 A JP 2001050309A JP 2002252976 A JP2002252976 A JP 2002252976A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
switching
circuit
inductor
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001050309A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisanori Cho
寿典 長
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2001050309A priority Critical patent/JP2002252976A/ja
Publication of JP2002252976A publication Critical patent/JP2002252976A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力電圧が変動する場合であっても、正しい
動作タイミングを得ることができるスイッチング電源装
置を提供する。 【解決手段】 スイッチング動作により直流入力を交流
に変換するスイッチング回路2と、交流を直流出力に変
換する出力整流回路5及び出力平滑回路6と、スイッチ
ング回路2のスイッチング動作を制御する制御回路7と
を備え、制御回路7が、インダクタ17に流れるインダ
クタ電流が連続状態であるか不連続状態であるかを判断
する第1の手段と、連続状態であると判断された場合に
は所定のアルゴリズムに基づいてスイッチング回路2の
スイッチング動作を制御し、不連続状態であると判断さ
れた場合には少なくとも1スイッチング周期に亘ってス
イッチング回路2からの電力の出力を停止させる第2の
手段とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング電源
装置に関し、さらに詳細には、正しい動作タイミングを
得ることができるスイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、スイッチング電源装置とし
て、いわゆるDC/DCコンバータが知られている。代
表的なDC/DCコンバータは、スイッチング回路を用
いて直流入力を一旦交流に変換した後、トランスを用い
てこれを変圧(昇圧または降圧)し、さらに、出力回路
を用いてこれを直流に変換する装置であり、これによっ
て入力電圧とは異なる電圧を持った直流出力を得ること
ができる。
【0003】ここで、DC/DCコンバータに用いられ
る出力回路として、チョークインプット方式平滑回路が
用いられることがある。DC/DCコンバータの出力回
路としてチョークインプット方式平滑回路を用いた場
合、その動作モードとしては、いわゆる「連続状態」に
おける動作モードと「不連続状態」における動作モード
の2つの動作モードが存在する。ここで、連続状態と
は、出力回路を構成するインダクタに電流が常に流れて
いる状態をいい、接続された負荷が大きい場合(出力電
流が大きい場合)にこの状態となる。一方、不連続状態
とは、出力回路を構成するインダクタに電流が間欠的に
流れている状態をいい、接続された負荷が小さい場合
(出力電流が小さい場合)にこの状態となる。
【0004】一般に、この種のDC/DCコンバータに
おいては、出力電圧やインダクタ電流等を監視すること
により、出力電圧が一定値となるようにスイッチング回
路の動作制御がなされるが、かかる制御に必要とされる
アルゴリズムは、出力回路が連続状態であるか不連続状
態であるかによって変える必要がある。すなわち、不連
続状態において連続状態と同様のアルゴリズムによって
スイッチング回路の動作を制御すると、出力電圧が上昇
し、所望の値から大きく外れてしまう。このため従来よ
り、スイッチング電源装置においては、出力回路が連続
状態であるか不連続状態であるかを判断し、その結果に
基づき、連続状態と不連続状態で異なるアルゴリズムを
用いて動作制御を行っていた。
【0005】このようなアルゴリズムの切り替えを行う
例としては、特開平11−206119号公報に記載さ
れたスイッチング電源装置がある。
【0006】同公報に記載されたスイッチング電源装置
では、出力回路が連続状態であるか不連続状態であるか
を判断し、その結果、連続状態であると判断された場合
には出力電圧やインダクタ電流等に基づいて所定の演算
を行うことによって動作タイミングを決定し、一方、不
連続状態であると判断された場合には、あらかじめ備え
られたテーブルを参照することによって動作タイミング
を決定している。
【0007】ここで、出力回路が連続状態であるか不連
続状態であるかの判断は、実際に検出された出力電圧を
用いて算出された値(電流指令値)と、あらかじめ定め
られた定数とを比較することによって行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同公報
に記載されたスイッチング電源装置においては、入力電
圧があらかじめ定められた電圧と常に一致しているとの
前提のもとに上記テーブルが作成されているため、実際
の入力電圧が上記電圧値と異なる場合には、かかるテー
ブルからは必ずしもスイッチング回路の正しい動作タイ
ミングを得ることができなかった。
【0009】上述した問題は、実際の入力電圧があらか
じめ定められた電圧とほぼ等しい場合には生じないもの
の、入力電圧を供給する電源によっては、実際の入力電
圧が大きく変動する場合があり、このように変動が大き
い場合には、スイッチング回路の正しい動作タイミング
を得ることは困難となる。
【0010】したがって、本発明の目的は、入力電圧が
変動する場合であっても、正しい動作タイミングを得る
ことができるスイッチング電源装置を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
スイッチング動作により直流入力を交流に変換する直流
−交流変換手段と、少なくともインダクタを有し前記交
流を直流出力に変換する交流−直流変換手段と、前記直
流−交流変換手段の前記スイッチング動作を制御する制
御回路とを備え、前記制御回路が、前記インダクタに流
れるインダクタ電流が連続状態であるか不連続状態であ
るかを判断する第1の手段と、前記インダクタ電流が連
続状態であると判断された場合には所定のアルゴリズム
に基づいて前記直流−交流変換手段の前記スイッチング
動作を制御し、前記インダクタ電流が不連続状態である
と判断された場合には少なくとも1スイッチング周期に
亘って前記直流−交流変換手段からの電力の出力を停止
させる第2の手段とを含むことを特徴とするスイッチン
グ電源装置によって達成される。
【0012】本発明によれば、不連続状態と判断された
場合、少なくとも1スイッチング周期に亘って前記直流
−交流変換手段からの電力の出力を停止させているの
で、入力電圧があらかじめ定められた値とは異なる場
合、特に、入力電圧が変動している場合であっても、適
切なスイッチングタイミングを得ることが可能となる。
さらに、本発明によれば、テーブルが不要であることか
ら、制御回路に必要とされる回路規模を小さくすること
が可能となる。また、必要以上に出力に電力を伝送する
ことがなくなるので、不連続状態や無負荷状態において
も出力電圧を安定化することが可能となる。
【0013】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第2の手段による前記電力の出力の停止が、指令電圧
値をゼロとすることにより行われる。
【0014】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記交流−直流変換手段が、前記交流を変圧するト
ランスと、前記トランスの出力を整流する出力整流回路
と、前記インダクタを含み前記出力整流回路の出力を平
滑する出力平滑回路とを備える。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
るスイッチング電源装置を示す回路図である。
【0017】図1に示されるように、本実施態様にかか
るスイッチング電源装置は、直流入力電源1に接続され
たスイッチング回路2と、スイッチング回路2の一方の
出力に接続されたインダクタ3と、スイッチング回路2
の他方の出力とインダクタ3との間に接続された1次巻
線を有するメイントランス4と、メイントランス4の2
次巻線に接続された出力整流回路5と、出力整流回路5
に接続された出力平滑回路6と、制御回路7と、ドライ
ブ回路8とを備え、出力平滑回路6の出力は負荷9に接
続されている。
【0018】スイッチング回路2は、直流入力電源1間
に直列に接続されたスイッチ素子11及び12と、同じ
く直流入力電源1間に直列に接続されたスイッチ素子1
3及び14とを備え、スイッチ素子11及び12の節点
はインダクタ3を介してメイントランス4の1次巻線の
一端に接続されるとともに、スイッチ素子13及び14
の節点はメイントランス4の1次巻線の他端に直接接続
されている。図1に示されるように、本実施態様におい
ては、スイッチ素子11〜14として、nチャンネル型
のMOSFETを用いている。
【0019】インダクタ3は、スイッチ素子11〜14
が有する寄生容量とともに共振回路を構成する。これに
より、スイッチ素子11〜14のターンオンはZVS
(Zero Voltage Switching)が
可能となるので、スイッチングロスが低減されるととも
に、ノイズの発生が抑えられる。
【0020】メイントランス4は、1次巻線と2次巻線
との巻数比が1:mであるトランスであり、図1に示さ
れるように2つの2次巻線を備えている。これら2つの
2次巻線の中点は、負荷9の負側端子に接続される。以
下、メイントランス4の1次巻線に発生する電圧をV1
と定義する。
【0021】出力整流回路5は、メイントランス4の2
次巻線の端部にそれぞれアノードが接続された2つのダ
イオード15及び16を備えており、これら2つのダイ
オードのカソードは共通接続されている。以下、これら
2つのダイオード15及び16の共通カソード接続点を
「整流点」と呼び、ここに現れる電圧をV2と定義す
る。
【0022】出力平滑回路6は、上記整流点と負荷9の
正側端子との間に接続されたインダクタ17と、負荷9
の両端間に接続されたコンデンサ18とを備える。以
下、負荷9の両端間に現れる電圧を「出力電圧(V
o)」と呼び、負荷9に流れる電流を「出力電流(I
o)」と呼ぶ。また、インダクタ17に流れる電流を
「インダクタ電流IL」と呼ぶ。図1に示されるよう
に、負荷9の負側端子とメイントランス4との間には、
インダクタ電流ILを検出する電流検出回路19が設け
られている。
【0023】制御回路7は、出力電圧Voをサンプル/
ホールドするサンプル/ホールド回路21と、電流検出
回路19により検出されたインダクタ電流ILをサンプ
ル/ホールドするサンプル/ホールド回路22と、これ
らサンプル/ホールド回路21及び22に保持されたア
ナログ値をそれぞれデジタル値に変換するA/Dコンバ
ータ24及び25と、これらA/Dコンバータ24及び
25からのデジタル出力に基づいて所定の演算を行う演
算部27と、演算部27による演算結果に基づき、スイ
ッチ素子11〜14に与えるべき位相制御信号(gs1
1〜gs14)を生成する位相制御信号生成部28とを
備える。サンプル/ホールド回路21及び22によるサ
ンプリングは、演算部27により生成されるサンプリン
グ信号Sに応答して行われる。
【0024】図2は、ドライブ回路8の内部構成を概略
的に示す回路図である。
【0025】図2に示されるように、ドライブ回路8は
4つのドライバ31〜34からなる。ドライバ31〜3
4は、それぞれ対応する位相制御信号(gs11〜gs
14)を受けてスイッチング回路2のスイッチ素子11
〜14を駆動可能な電圧、電流レベルに増幅した位相制
御信号(GS11〜GS14)を生成し、これを対応す
るスイッチ素子11〜14のゲートにそれぞれ供給す
る。
【0026】図3は、本実施態様にかかるスイッチング
電源装置の基本動作を示す動作波形図である。
【0027】本実施態様にかかるスイッチング電源装置
の基本的な動作は次の通りである。すなわち、GS11
及びGS14がいずれもハイレベルである期間、すなわ
ちスイッチ素子11及び14がともにオンしている期間
においてメイントランス4の1次巻線に直流入力電源1
からの入力電圧Vinを一方向に印加し、GS12及び
GS13がいずれもハイレベルである期間、すなわちス
イッチ素子12及び13がともにオンしている期間にお
いてメイントランス4の1次巻線に直流入力電源1から
の入力電圧Vinを逆方向に印加することによって、メ
イントランス4の1次巻線に発生する電圧V1を交流波
形とする。かかる交流波形の波高値は、メイントランス
4の2次巻線においてm倍とされ、さらに出力整流回路
5によって整流される。
【0028】ここで、図3においてGS11及びGS1
4がいずれもハイレベルである期間、並びに、GS12
及びGS13がいずれもハイレベルである期間の初期に
おいて、電圧V1、V2の電圧が発生せず、インダクタ
電流ILが下がり続けているのは、インダクタ17のエ
ネルギー回生が終了していないためである。
【0029】図3に示されるように、整流点の電圧V2
の波形は、波高値がVin×mである所定の幅を持った
パルス波形となり、その時間平均値が出力電圧Voとな
る。したがって、出力電圧Voの値を制御するために
は、GS11及びGS14の位相並びにGS12及びG
S13の位相を制御すればよい。さらに、インダクタ電
流ILの波形は、整流点の電圧波形V2及びインダクタ
17のインダクタンスにより決まるリプル電流を出力電
流Ioに重畳した波形となる。
【0030】図3に示されるように、インダクタ電流I
Lの波形の下端が0A(アンペア)以上であれば、イン
ダクタ17には常に電流が流れていることになる。すな
わち、かかる状態は連続状態である。負荷9が十分に大
きい場合にはこの連続状態となる。一方、負荷9が小さ
い場合には、出力電流Ioが低下するため、インダクタ
電流ILの波形の下端が0Aとなる場合がある。
【0031】図4は、インダクタ電流ILの波形の下端
が0Aである状態を示す波形図である。図4に示される
ように、インダクタ電流ILの波形の下端が0Aとなっ
た場合における出力電流Ioの値をIcpと定義する。
【0032】出力電流Ioの値がIcpよりもさらに低
下すると、インダクタ17にはインダクタ電流ILが間
欠的に流れるようになる。すなわち、不連続状態とな
る。
【0033】図5は、インダクタ電流ILが不連続状態
である場合を示す波形図である。
【0034】すなわち、出力電流Ioの値がIcpであ
る場合(図4)を境として、出力電流Ioがこれよりも
大きい場合にはインダクタ電流ILは連続状態(図3)
となり、これよりも小さい場合にはインダクタ電流IL
は不連続状態(図5)となる。インダクタ電流ILの連
続状態と不連続状態との境界を規定する出力電流量Ic
pは、不連続点(臨界点)と呼ばれる。
【0035】さて、出力電圧Voを所望の一定値に保持
するためには、スイッチング回路2の動作タイミングを
制御する必要があるが、かかる制御は、インダクタ電流
ILが連続状態である場合と不連続状態である場合とで
異なる制御が必要とされる。以下、スイッチング回路2
の動作タイミングの制御方法について、詳細に説明す
る。
【0036】図6は、スイッチング回路2の動作タイミ
ングを決定するアルゴリズムを示すフローチャートであ
る。かかるアルゴリズムに沿った演算は、演算部27内
において、ソフトウェア的に若しくはハードウェア的に
実行される。
【0037】まず、演算部27が所定のタイミングにて
サンプリング信号Sを発生させると、これに応答して、
サンプル/ホールド回路21及び22によるサンプリン
グが行われる。上述のとおり、サンプル/ホールド回路
21は出力電圧Voをサンプリングし、サンプル/ホー
ルド回路22は電流検出回路19により検出されたイン
ダクタ電流ILをサンプリングする。尚、サンプリング
信号Sは、波形位相制御信号生成部28が生成する波形
位相制御信号の1周期の整数倍ごとに発生させればよ
い。これらサンプル/ホールド回路21及び22にそれ
ぞれ保持されたアナログ値である出力電圧Vo及びイン
ダクタ電流ILは、それぞれA/Dコンバータ24及び
25によってデジタル信号に変換され、演算部27に供
給される。
【0038】かかるデジタル信号を受けた演算部27に
おいては、まず、式(1)に基づいて電流指令値ir
(n+1)が計算される(ステップS1)。ここで、電
流指令値ir(n+1)とは、サンプリング点(n+
1)におけるインダクタ電流ILの制御目標値である。
【0039】
【数1】 ここで、nはサンプリング点を示す任意の正の整数であ
る。したがって、△Vo(n−1)とは、サンプリング
点(n−1)において得られた検出値を元に演算された
△Voの値を指す。尚、Vrefは、要求される出力電
圧値(基準電圧値)であり、K1及びK2はいずれも回
路定数である。
【0040】このようにして電流指令値ir(n+1)
が求められると、次に、式(2)に基づいて入力電圧推
定値tpv(n)が計算される(ステップS2)。ここ
で、入力電圧推定値tpvとは、サンプリング点n−1
において検出された値を元に演算された値のことで、T
sw/Vs(n)で表すことができる。ここで、Tsw
は、スイッチング周期の1/2、Vs(n)は、入力電
圧Vin(n)にトランスの2次側巻数mを掛けたもの
で、m×Vin(n)である。
【0041】
【数2】 ここで、Kは回路定数であり、ie(n−1)は推定電
流値である。推定電流値ie(n)とは、サンプリング
点(n)において予想されるインダクタ電流ILの値で
ある。式(2)では、サンプリング点(n−2)にて得
られた検出値を元に演算された推定電流値ie(n−
1)と、サンプリング点(n−2)にて得られた検出値
を元に演算された入力電圧推定値tpv(n−1)とを
用いているので、初期状態のように推定電流値ie(n
−1)や入力電圧推定値tpv(n−1)が存在しない
場合には、推定電流値ie(n−1)が0(ゼロ)、入
力電圧推定値tpv(n−1)が所定の値として計算さ
れる。
【0042】このようにして入力電圧推定値tpv
(n)が求められると、次に、電流指令値ir(n+
1)と規定値idとが比較される(ステップS3)。
【0043】かかる比較は、インダクタ電流ILが連続
状態であるか不連続状態であるかを判断するために行わ
れ、電流指令値ir(n+1)が規定値idよりも大き
ければ連続状態であると判断され、電流指令値ir(n
+1)が規定値idよりも小さければ不連続状態である
と判断される。ここで、規定値idは、スイッチング電
源装置の仕様によって定められた定格入力電圧範囲内の
任意の1点の値より算出した不連続点(臨界点)であ
り、本実施態様においては、仕様によって定められた標
準入力電圧値を用いて算出されている。
【0044】かかる判断の結果、電流指令値ir(n+
1)が規定値idよりも大きい(連続状態)と判断され
れば、次に、式(3)に基づいて推定電流値ie(n)
が計算される(ステップS4)。
【0045】
【数3】 ここで、vir(n)は指令電圧値、すなわちサンプリ
ング点(n)における出力電圧Voの制御目標値であ
る。式(5)では、サンプリング点(n−2)にて得ら
れた検出値を元に演算された指令電圧値vir(n−
1)を用いているので、初期状態のように指令電圧値v
ir(n−1)が存在しない場合には、これが0(ゼ
ロ)として計算される。
【0046】このようにして推定電流値ie(n)が求
められると、次に、式(4)に基づいて指令電圧値vi
r(n)が計算される(ステップS5)。
【0047】
【数4】 そして、指令電圧値vir(n)が求められると、次
に、式(5)に基づいて位相phase(n)が計算さ
れる(ステップS6)。
【0048】
【数5】 ここで、位相phase(n)は、サンプリング点
(n)において位相制御信号生成部28により生成すべ
き位相制御信号(gs11とgs14)の位相及び位相
制御信号(gs12とgs13)の位相を決定する情報
であり、位相制御信号生成部28はこれを受けて位相制
御信号(gs11とgs14)の位相及び位相制御信号
(gs12とgs13)の位相を決定する。
【0049】一方、ステップS3における判断の結果、
電流指令値ir(n+1)が規定値idよりも小さい
(不連続状態)と判断されれば、推定電流値ie(n)
及び指令電圧値vir(n)を0(ゼロ)とする(ステ
ップS7)。
【0050】そして、上述と同様にして、式(5)に基
づき位相phase(n)が計算され(ステップS
6)、かかる位相phase(n)に基づいて位相制御
信号(gs11〜gs14)を生成するための制御信号
が生成される。
【0051】この場合、指令電圧値vir(n)がゼロ
であるため、位相phase(n)はTswと等しくな
る。上述のとおり、Tswは位相制御信号生成部28に
より生成される位相制御信号の周期であるので、位相p
hase(n)がTswと等しいということは、位相制
御信号gs11とgs14の重なり部分が無くなるとと
もに、位相制御信号gs12とgs13の重なり部分が
無くなることを意味する。これにより、スイッチング回
路2からは少なくとも1スイッチング周期に亘って電力
が出力されなくなる。
【0052】図7(a)は、従来のスイッチング電源装
置における出力電流Ioと出力電圧Voとの関係を示す
グラフであり、図7(b)は、本実施態様にかかるスイ
ッチング電源装置における出力電流Ioと出力電圧Vo
との関係を示すグラフである。いずれも、出力電圧Vo
が14.5Vに固定されるよう制御している。
【0053】図7(a)に示されるように、従来のスイ
ッチング電源装置においては、出力電流Ioがある値を
とる場合に出力電圧Voが大きく変動していることが分
かる。これは、不連続点付近においてスイッチング回路
2の制御量、つまり位相phase(n)が不適切であ
るために、スイッチング電源装置の出力が発振したため
である。これに対して、図7(b)に示されるように、
本実施態様にかかるスイッチング電源装置においては、
出力電流Ioの広い範囲に亘って出力電圧Voが極めて
安定していることが分かる。
【0054】このように、本実施態様においては、イン
ダクタ電流ILが連続状態である場合及び不連続状態で
あるにおいて、それぞれ適切な位相phase(n)を
得ることができる。すなわち、本実施態様においては、
インダクタ電流ILが不連続状態であると判断された場
合、推定電流値ie(n)及び指令電圧値vir(n)
を0(ゼロ)としているので、必要以上に出力へ電力を
伝送することがなくなる。つまり、入力及び出力の条件
によらず適切な適切な位相phase(n)を得ること
ができる。
【0055】これにより、本実施態様にかかるスイッチ
ング電源装置おいては、入力電圧が変動する場合であっ
ても、スイッチング回路2に入力される位相制御信号
(GS11〜GS14)の正確な値を得ることができる
ので、インダクタ電流ILが連続状態である場合及び不
連続状態である場合のいずれにおいても、出力電圧Vo
を所望の値(Vref)に安定させることができる。さ
らに、本実施態様にかかるスイッチング電源装置おいて
は、演算部27にテーブルを設ける必要がないことか
ら、演算部27に必要とされる回路規模を小さくするこ
とが可能となる。
【0056】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0057】すなわち、本発明の適用が可能なスイッチ
ング電源装置としては、図1に示した回路構成からなる
スイッチング電源装置に限らず、他の回路構成からなる
スイッチング電源装置についても適用可能である。他の
回路構成からなるスイッチング電源装置の一例を図8に
示す。本発明を、図8に示される回路構成からなるスイ
ッチング電源装置に適用した場合には、スイッチ素子1
0のオン期間をtonに基づいて定めればよい。もちろ
ん、これ以外の回路構成を有するスイッチング電源装置
にも本発明は適用可能であり、回路構成に応じ、スイッ
チング回路に対する制御を、位相phase、オン期間
tonのみならず、デューティ、オフ期間、周波数等の
信号を用いて行っても構わない。
【0058】さらに、上記実施態様にかかるスイッチン
グ電源装置においては、サンプル/ホールド回路22は
インダクタ電流ILの値をサンプリングし、これに基づ
いて演算部27による演算が行われているが、インダク
タ電流ILの代わりに、スイッチング回路2に流れる入
力電流、出力電流、又はスイッチ素子11〜14そのも
のに流れる電流(スイッチング電流)の値をサンプリン
グし、これに基づいて同様の演算を行っても構わない。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
入力電圧が変動する場合であっても、正しい動作タイミ
ングを得ることができるスイッチング電源装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施態様にかかるスイッチン
グ電源装置を示す回路図である。
【図2】ドライブ回路8の内部構成を概略的に示す回路
図である。
【図3】本発明の好ましい実施態様にかかるスイッチン
グ電源装置の基本動作を示す動作波形図である。
【図4】インダクタ電流ILの波形の下端が0Aである
状態を示す波形図である。
【図5】インダクタ電流ILが不連続状態である場合を
示す波形図である。
【図6】スイッチング回路2の動作タイミングを決定す
るアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図7】(a)は、従来のスイッチング電源装置におけ
る出力電流Ioと出力電圧Voとの関係を示すグラフで
あり、(b)は、本実施態様にかかるスイッチング電源
装置における出力電流Ioと出力電圧Voとの関係を示
すグラフである。
【図8】他の回路構成からなるスイッチング電源装置の
一例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 直流入力電源 2 スイッチング回路 3 インダクタ 4 メイントランス 5 出力整流回路 6 出力平滑回路 7 制御回路 8 ドライブ回路 9 負荷 10〜14 スイッチ素子 15,16 ダイオード 17 インダクタ 18 コンデンサ 19 電流検出回路 21,22 サンプル/ホールド回路 24,25 A/Dコンバータ 27 演算部 28 位相制御信号生成部 31〜34 ドライバ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング動作により直流入力を交流
    に変換する直流−交流変換手段と、少なくともインダク
    タを有し前記交流を直流出力に変換する交流−直流変換
    手段と、前記直流−交流変換手段の前記スイッチング動
    作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路が、前記
    インダクタに流れるインダクタ電流が連続状態であるか
    不連続状態であるかを判断する第1の手段と、前記イン
    ダクタ電流が連続状態であると判断された場合には所定
    のアルゴリズムに基づいて前記直流−交流変換手段の前
    記スイッチング動作を制御し、前記インダクタ電流が不
    連続状態であると判断された場合には少なくとも1スイ
    ッチング周期に亘って前記直流−交流変換手段からの電
    力の出力を停止させる第2の手段とを含むことを特徴と
    するスイッチング電源装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の手段による前記電力の出力の
    停止が、指令電圧値をゼロとすることにより行われるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装
    置。
  3. 【請求項3】 前記交流−直流変換手段が、前記交流を
    変圧するトランスと、前記トランスの出力を整流する出
    力整流回路と、前記インダクタを含み前記出力整流回路
    の出力を平滑する出力平滑回路とを備えることを特徴と
    する請求項1または2に記載のスイッチング電源装置。
JP2001050309A 2001-02-26 2001-02-26 スイッチング電源装置 Pending JP2002252976A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001050309A JP2002252976A (ja) 2001-02-26 2001-02-26 スイッチング電源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001050309A JP2002252976A (ja) 2001-02-26 2001-02-26 スイッチング電源装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002252976A true JP2002252976A (ja) 2002-09-06

Family

ID=18911288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001050309A Pending JP2002252976A (ja) 2001-02-26 2001-02-26 スイッチング電源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002252976A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007202342A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Diamond Electric Mfg Co Ltd デジタルコンバータ及びその制御方法
JP2008289317A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Fuji Electric Holdings Co Ltd 並列多重チョッパの制御装置
JP2013207950A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Denso Corp スイッチング電源
CN109283383A (zh) * 2018-10-19 2019-01-29 深圳市计量质量检测研究院 矩形调制电压的电压波动值测量方法与装置、存储介质

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007202342A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Diamond Electric Mfg Co Ltd デジタルコンバータ及びその制御方法
JP4565451B2 (ja) * 2006-01-27 2010-10-20 ダイヤモンド電機株式会社 デジタルコンバータ及びその制御方法
JP2008289317A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Fuji Electric Holdings Co Ltd 並列多重チョッパの制御装置
JP2013207950A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Denso Corp スイッチング電源
CN109283383A (zh) * 2018-10-19 2019-01-29 深圳市计量质量检测研究院 矩形调制电压的电压波动值测量方法与装置、存储介质
CN109283383B (zh) * 2018-10-19 2020-08-28 深圳市计量质量检测研究院 矩形调制电压的电压波动值测量方法与装置、存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102225011B1 (ko) 공진형 변환기들에서의 버스트 모드 제어
US7796410B2 (en) Switching power supply unit
US8248040B2 (en) Time-limiting mode (TLM) for an interleaved power factor correction (PFC) converter
US7514913B2 (en) Parallel current mode control using a direct duty cycle algorithm with low computational requirements to perform power factor correction
US6714425B2 (en) Power factor corrected SMPS with light and heavy load control modes
US8212539B2 (en) Interleaved converter
US7505287B1 (en) On-time control for constant current mode in a flyback power supply
US6069807A (en) Compensation circuit method of operations thereof and converter employing the same
US20090257258A1 (en) Power supply apparatus and semiconductor integrated circuit device
US20110175587A1 (en) Switching control circuit and switching power-supply apparatus
US20080094859A1 (en) Switching power supply unit
JP4924659B2 (ja) Dc−dcコンバータ
US9160238B2 (en) Power converter with current feedback loop
JP7306316B2 (ja) スイッチング電源装置および電力供給システム
US7075801B2 (en) Dc converter
KR20080051404A (ko) 가변모드 컨버터 제어회로 및 이를 구비한 하프-브리지컨버터
JP4167811B2 (ja) スイッチング電源装置
JP2002252976A (ja) スイッチング電源装置
JP2002252974A (ja) スイッチング電源装置
JP4039362B2 (ja) 直流変換装置
JP5239917B2 (ja) 力率改善コンバータおよび力率改善コンバータ制御器
JPWO2018221031A1 (ja) スイッチング電源装置
JP4234808B2 (ja) スイッチング電源装置
JP2002252975A (ja) スイッチング電源装置
US6798674B2 (en) Half-bridge converter with high power factor

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070731

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071225