JP4564933B2 - 垂直磁気記録媒体とその磁気特性評価法、及び磁気記録再生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体、磁気記録媒体の磁気特性を評価する方法、及び磁気記録再生装置に関するものである。
磁気記録媒体の記録磁性膜は、通常、微小な磁性粒子が磁性を持たない粒界によって分断された構造となっている。近年は粒界を酸化物などの非金属材料で構成する方法が模索されており、IEEE Trans. Magn., vol.36, p.2393, (2000)やIEEE Trans. Magn., vol.38, p.1976 (2002)などに典型例が見られる。この構造によって各磁性粒子の磁化方向の独立性が高まり、記録磁性膜における磁化反転単位が小さくなるので、記録密度の向上が可能となる。
さらに記録密度を向上させていくためには、記録磁性膜における磁化反転単位を小さくするだけでなく、記録された磁化情報の保持を可能とする熱揺らぎ耐性を有し、有限の大きさの記録ヘッド磁界によっても記録が可能であることが必要である。
垂直磁気記録方式は、記録ビット間の磁化遷移領域に記録ビットからの反磁界が働かず、記録磁化状態が安定化される方向に働くため、従来の面内磁気記録方式と比べて高密度記録に有利と考えられている。さらに、垂直磁気記録媒体は、面内磁気記録媒体と比較して、磁性膜厚が厚い場合にも記録時・再生時の分解能の劣化を抑えることが出来ることから、熱揺らぎ耐性においても有利と考えられている。しかし、特に比較的記録密度の低い箇所では、磁化遷移領域から離れた部分にある磁化への反磁界の作用が大きく、再生出力が大きく低下することが報告されている。従って、垂直磁気記録でも、熱揺らぎ耐性の検討を行うことが必要になっている。
垂直磁気記録媒体の熱揺らぎ耐性を向上させるためには、磁性粒子の持つ磁気異方性エネルギーを高めることが有効であるが、この場合は書き込みに必要な磁界が増加する。記録ヘッドから発生させることが出来る磁束密度は有限であるため、書き込み磁界が増加すると記録ヘッドを用いた場合の記録が困難になり、記録再生性能が著しく低下する恐れがある。また、記録磁性膜の磁性粒子を大きくすることでも熱揺らぎ耐性を高めることは可能であるが、この場合は一般に、磁化遷移領域の微細なジグザグ形状が大きくなり、媒体ノイズが増大する恐れがある。
このように、熱揺らぎ耐性を高めるための手段は、しばしば高記録密度領域における記録再生性能の劣化を伴う。
IEEE Trans. Magn., vol.36, p.2393, 2000 IEEE Trans. Magn., vol.38, p.1976, 2002
図1に、典型的な垂直磁気記録媒体における垂直磁性層の磁化曲線の概念図を示す。さらに図1には、磁化曲線の特徴を表すためのパラメータとして飽和磁界Hs、保磁力Hc、反転開始磁界Hnの三つ磁界パラメータと保磁力Hcにおける磁化曲線の傾きαを示した。垂直磁性層に磁気記録を行うためには、Hsよりも大きなヘッド磁界を発生させる必要がある。また、垂直磁性層に記録された磁化情報が磁界を取り去ったあとにも安定であり続けるためには、Hnは正値である必要がある。したがって、大まかに言って(Hs-Hn)が小さい媒体、すなわち磁化曲線の保磁力Hc付近での傾きαが大きいほど、記録しやすく減磁しにくい磁気記録媒体と言える。
ところが、垂直磁性層のαが小さいほど記録再生性能が向上する傾向がある。そのような事例は、特開2002−197636号公報や特開2005−251264号公報などに示されている。いずれの例においても、製膜プロセスの最適化により、αが減少し、これに対応して記録再生時の信号対雑音比が向上したという結果が得られている。これらの現象は、記録磁性膜中の磁性粒子間に働く交換相互作用が減少している事と関係があると考えられる。記録再生性能が向上するのは、磁性粒子の磁化方向の独立性が高まり、小さい記録磁区を形成しやすくなったためである。αの減少は、交換相互作用の働きが弱まることによって磁性粒子同士の磁化方向が揃い難くなった事を意味しており、飽和記録に必要な磁界が増加や飽和磁化状態の熱安定性の低下を招く。
したがって、磁性粒子間に働く交換相互作用を減少させるだけでは、記録しやすさと熱揺らぎ耐性を両立させながら、優れた記録再生性能を有する垂直磁気記録媒体を得ることは困難である。ある程度の交換相互作用を許容し、また垂直磁性層の磁化反転磁界を均一化することで、αの増大を抑えつつ、所望の記録再生性能を実現する必要がある。しかし、交換相互作用が強すぎれば、記録再生特性の劣化は不可避であるし、磁化反転磁界も容易に均一化出来るというものではない。
本発明は垂直磁気記録媒体における上記の課題を解決するために考案されたものであり、垂直磁性層内の交換相互作用の強さと磁化反転磁界の分散量を適切に調節することによって、記録媒体の記録しやすさと熱揺らぎ耐性を保ちつつ、高密度記録に好適な垂直磁気記録媒体を得ようとするものである。また、本発明は、前記の磁気特性の調節の行うために不可欠な、静磁気特性の定量的な評価手法を提供するものである。
本発明の磁気記録媒体は、基板と、基板上に形成された垂直磁性層を有する磁気記録媒体であって、後述する方法によって求められるパラメータσhsw[%]とDn[nm]について、以下の式(1)及び式(2)を満たす。ここでパラメータσhsw[%]は垂直磁性層の磁化反転磁界の分散の大きさを表す指標であると考えられる。また、パラメータDn[nm]は、垂直磁性層内の交換相互作用の強さを表す指標であると考えられる。
Figure 0004564933
垂直磁性層の磁気特性を、式(1)に示す条件を満たすように選択することにより、有限の記録ヘッド磁界勾配の下でも磁化遷移位置の乱れが小さくなり、高密度記録に好適な垂直磁気記録媒体が得ることが出来る。また、垂直磁性層の磁気特性を、式(2)に示す条件を満たすように選択することにより、必要記録ヘッド磁界の低減と熱揺らぎ耐性の向上を図ることが出来る。これによって飽和記録を容易に行えるようになり、磁化飽和領域のノイズも低減される。
したがって、式(1)及び式(2)の双方を満たす範囲に上記パラメータを収めることで、高密度記録に必要な記録再生性能を有し、記録しやすさと熱揺らぎ耐性を兼ね備える垂直磁気記録媒体を得ることが可能となる。
垂直磁性層は、コバルトプラチナ系合金磁性層を含むことが好ましい。このような垂直磁性層は、その合金組成を調整して適当な添加物を加えることにより、さらに複数の異なる合金組成の磁性層を組み合わせる事により、比較的容易に式(1)及び(2)の条件を満足させることが出来る。
また、垂直磁性層は、少なくともその一部が酸化物もしくは窒化物を主原料とする結晶粒界を有するグラニュラー磁性膜であることが望ましい。グラニュラー磁性膜はその製法を最適化することによって、比較的容易に式(1)及び(2)の条件を満足させることが出来る。
また、本発明の垂直磁気記録媒体は、垂直磁性層と下地層との間に、軟磁性裏打ち層を設けた構造をしていることがさらに望ましい。軟磁性裏打ち層を設けることで記録磁気ヘッドからの記録磁界がより大きくなり、記録磁界の不足による記録再生性能の低下を防ぐことが出来る。
<静磁気特性の評価法>
以上に示したような磁気特性の制御を行うにあたって、その磁気特性を定量的に評価する手法が必要である。以下、前記の指標Dn及びσhswの具体的な決定法を述べ、交換相互作用の強さや磁化反転磁界の分散を、どうしてそれらの指標によって表すことが出来るのかを説明する。
本発明では、一般的な磁力計であるVSM(試料振動式磁力計)を用いることにより、上記の式(1)及び式(2)に示した磁気特性条件を検定する。まず、垂直磁性膜の磁化曲線A及びBを次の手順で測定する。以下の磁化曲線の測定においては、試料の温度を室温(摂氏20度から25度)に保持し、磁界印加方向は記録磁性膜面に対して垂直方向とし、所定の外部印加磁界Hを試料に印加する時間は1秒以上4秒以下とする。試料にはVSM測定に適した大きさ(例えば5〜10 mm角)に切り出したものを用いる。
<磁化曲線A>
A1 垂直磁性層の磁化を飽和させるのに十分な磁界をマイナス方向に印加する
A2 プラス方向に様々な磁界Hを印加する
A3 磁界Hを取り去った後、磁化Mを測定する
A4 測定された磁化MをHの関数として磁化曲線Aを得る
この磁化曲線Aは一般にリマネンス(残留)磁化曲線と呼ばれるものである。H=0における磁化Mの大きさの絶対値は残留飽和磁化Mrと呼ばれる。また、この磁化曲線AにおいてM=0となる外部印加磁界Hは保磁力Hcである(残留保磁力Hcrとも呼ばれる)。
<磁化曲線B>
B1 垂直磁性層の磁化を飽和させるのに十分な磁界をプラス方向に印加する
B2 残留磁化が-Mr/2となる磁界(磁化曲線Aによって予め推定可能)をマイナス方向に印加する
B3 プラス方向に様々な磁界Hを印加する
B4 磁界Hを取り去った後、磁化Mを測定する
B5 測定された磁化MをHの関数として磁化曲線Bを得る
図2に、磁化曲線A及びBの例を示す。磁化曲線A及びBの持つ意味について図3と図4を用いて説明する。一般に記録磁性膜として用いられる垂直磁性層は多数の微小な反転単位(磁性粒子)によって構成されており、これらの磁性粒子はそれぞれ固有の磁化反転磁界Hswを有している。図3は、磁性粒子の反転単位Hswの確率密度関数Fの一例を表す図である。また、ここでHswの上側確率が75%であるような磁化反転磁界をHsw-、Hswの上側確率が25%であるような磁化反転磁界をHsw+と定義する。なお、Hswの上側確率が50%であるような磁化反転磁界は定義より保磁力Hcである。
図4は、図2に示した磁化曲線の各位置における磁化状態を説明する図である。図4では確率密度関数の内部を白抜きもしくは斜線で表しているが、白抜きはその領域の反転磁界Hswを持つ磁性粒子の磁化方向がマイナス、斜線はその領域の反転磁界Hswを持つ磁性粒子の磁化方向がプラスであることを示している。
磁化曲線AのP点は、一旦、マイナス方向の磁界によって飽和させた後、磁界を取り去った状態であるから、図4(a)に示すように全ての磁化はマイナス方向に向いている。磁化曲線AにそってP→Q→Rと移っていく場合を考える。Q点では反転磁界Hswの小さい側から1/4だけ磁化がプラス方向に反転して図4(b)のようになる。Q点において垂直磁性膜内の磁性粒子にかかる実効的な磁界はHsw-であると考えられる。R点では全ての磁化がプラス方向に反転して図4(c)のようになる。
一方、磁化曲線BではP’→Q’→Rの順に状態が遷移する。P’点ではB1〜B2の手続きにより、Hsw<Hsw+であるような磁化はマイナス方向に、Hsw>Hsw+であるような磁化はプラス方向に向くので、図4(d)のようになっている。Q’点ではHswの小さい側から1/4だけ磁化がプラス方向に反転して図4(e)のようになる。Q’点においても垂直磁性膜内の磁性粒子にかかる実効的な磁界はHsw-であると考えられる。その後、プラス方向に加える磁界を大きくしていくと、磁化曲線Aと同様にR点に辿り着く。
以上の説明によれば、Q点とQ’点を測定する前に垂直磁性層にかかっていた磁界HはいずれもHsw-となり、一致するはずである。ところが、図2に示したQ点の磁界HaとQ’点の磁界Hbを実験により測定するとHa>Hbとなる。このような矛盾が生じるのは垂直磁性層内に内部磁界が存在し、外部からの印加磁界Hと平均的な実効磁界Hintが異なっているためであると考えられる。このような内部磁界は主として各磁性粒子と周囲の磁性粒子との間に働く静磁相互作用によるものであり、概ね垂直磁性層の平均磁化Mに比例して変化し、一般に反磁界などと呼ばれる。平均磁化Mに対する反磁界の大きさの比例係数(反磁界係数)を、以下Ndと書く。
Q点とQ’点の内部磁界の差(Ha-Hb)を平均磁化Mの差(Mr/2)で割る事により、反磁界係数Ndを得る。
Figure 0004564933
各磁性粒子に働く、平均的な実効磁界Hintは外部印加磁界Hと反磁界係数Nd、垂直磁性層の平均磁化Mを用いて、次のように推定される。
Figure 0004564933
この関係を磁化曲線に適用して、反磁界による影響の補正を行った磁化曲線を得ることが出来る。例えば、磁化曲線AがM=MA(Hext)で表される時、式(4)の関係式を用いて、M=MA’(Hint)を得る。この操作は一般に反磁界ずれ補正(shearing correction)と呼ばれるものである(近角聰信著「物理学選書18 強磁性体の物理(上)」(裳華房)P.16参照)。ただし、「強磁性体の物理(上)」では、既知である試料の形状から計算によって反磁界係数Ndを決定している点が上記方法と異なる。図5は、反磁界ずれ補正前後の磁化曲線Aの形状変化を模式的に表したものである。
反磁界ずれ補正を施した磁化曲線A’は、垂直磁気記録媒体向け垂直磁性層の場合、測定ノイズ分を適当に補正・平滑化することによって-Mrから+Mrまでの単調増加関数MA’(H)となる。この単調増加関数MA’(H)を適当に規格化する事により、磁化反転磁界Hswの確率分布関数が得られる。すなわち、図3に示した確率密度関数F(H)を次式によって得ることが出来る。
Figure 0004564933
この関数F(H)を用いて、反転磁界Hswの平均値(保磁力Hc)及び反転磁界Hswの標準偏差σHswを、それぞれ式(6)及び式(7)のように定義する。
Figure 0004564933
ここで積分範囲[Hn, Hs]の下限Hnは実質的に前記反磁界ずれ補正後の磁化曲線A’が増加しはじめる磁界であり、上限Hsは前記反磁界ずれ補正後の磁化曲線A’が実質的に飽和する磁界とする。式(1)における磁化反転磁界の分散の大きさを表す指標としては、標準偏差σHswの平均値Hcに対する比率を用いることとする。
Figure 0004564933
次に、前述の手順を追って得られた反磁界係数Ndの物理的な意味について図6を用いて説明する。垂直磁性層の厚さtmagに対して実質的に無限に広がった垂直磁性層61について、ある磁性粒子を中心とした直径Dnの円形領域66の外側のみに磁化M62が存在する場合、これらの磁化から当該磁性粒子が受ける反磁界は、前記直径Dnの円形領域の中心部(C点)65に発生する磁界によって近似できる。C点における磁界は垂直磁性層61に対して垂直方向であり、その磁界強度は次式により求められる。
Figure 0004564933
ここでΩ+とΩ-はC点からそれぞれプラス面とマイナス面の円形領域(磁極が発生していない部分)を望む角度で、Ω+-である。Ω+とΩ-は次式で表される。
Figure 0004564933
式(10)を式(9)に代入して、式(11)を得る。
Figure 0004564933
式(11)より、図6において、円形領域66の中心にある磁性粒子に対して働く反磁界67は、円形領域外部の磁化Mに比例し、その反磁界係数Ndは以式で表される。
Figure 0004564933

式(12)をDnについて解いて、式(13)を得る。
Figure 0004564933
垂直磁気記録媒体に用いられる垂直磁性層は、膜厚に対して実質的に無限遠の広がりを持ち、磁性粒子が密に詰まった薄膜磁性体である。ある磁性粒子を中心とした直径Dnの円形領域の外側の磁性粒子による反磁界は、垂直磁性層内の全ての磁性粒子に対して必ず存在する。したがって、実験的に得られる反磁界係数Ndから、式(13)によって算出されるDnは、垂直磁性層中の磁性粒子に対して静磁相互作用だけが作用している(交換相互作用が及んでいない)領域の平均内径であると解釈することが出来る。よって、式(13)により求められる直径Dnは、結晶粒界等によって区切られた物理的な磁性粒子の平均的な直径よりも大きくなる。
一方、ある磁性粒子とその磁性粒子を中心とした直径Dnの円形領域の内側にある磁性粒子との相互作用の総和は、垂直磁性層の平均磁化Mに関係なく‘平均’ではゼロとなり、式(11)のように平均磁化Mに比例する‘平均場’としては作用しない。近傍の磁性粒子間では、磁性粒子の磁化方向を互いに反対方向に向けようとする静磁相互作用と磁性粒子の磁化方向を揃えようとする交換相互作用が働き、両者が互いに反対方向に働いた結果、‘平均’としてみた場合には両者が打ち消しあう。
ただし、垂直磁性層内の磁性粒子を取り巻く局所的な構造のばらつきに起因して、個々の磁性粒子を見た場合には静磁相互作用が強い場合も、交換相互作用が強い場合もあり、相互作用磁界がある分布を持っている。局所的な構造のばらつきとしては、磁性粒子自身の直径や形状の違い、磁性粒子間に働く交換相互作用及び静磁相互作用の強弱などが考えられる。式(7)によって得られるσHswはこの相互作用磁界の分布の広がりを表すものと解釈できる。
本発明に示した評価方法は一般的な磁力計であるVSMを用いており、記録磁性膜の有するユニバーサルな磁気特性を抽出できる事が特徴である。すなわち、どのVSMを用いても、記録磁性膜の有する磁気特性を対等に比較することが可能である。これに対して、記録媒体の記録再生性能を磁気ヘッド等を用いて比較する場合には、用いる磁気ヘッドの特徴や記録再生時の諸条件によって優劣が逆転することがあり、公平な比較が困難である。
本発明に示した磁気特性を満たす媒体を設計する事により、垂直磁気記録媒体において、垂直磁性層に記録された磁化情報の熱安定性を保ちつつ、比較的小さな書込み磁界しか発生することが出来ない磁気ヘッドを用いた記録再生手段によっても、高い媒体SNR(信号対雑音比)を実現し、優れた記録再生特性を得ることが可能となる。高密度記録を行うためには磁気ヘッドの磁極を微細化するなどの方法により記録磁界勾配を高める必要があるために、磁気ヘッドからの最大発生磁界は減少する。しかし、本発明の垂直磁気記録媒体を用いることによって、高密度記録に適した磁気ヘッドによって高い媒体SNRで記録することが可能となる。これにより、磁気記録再生装置の更なる高密度化が実現される。
以下、具体的な実施例に基づき、図面を参照しながら、本発明がもたらす作用効果について説明する。これらの実施例は本発明の一般的な原理を表すことを目的に述べられるものであり、本発明を何ら制限するものではない。
図7に、本発明に係る垂直磁気記録媒体の基本的な構造を、断面図で模式的に表した。この垂直磁気記録媒体は、非磁性基体71上に、軟磁性裏打ち層72、シード層73、中間層74、垂直磁性層75、保護層76、及び液体潤滑膜77を順次形成した構造となっている。
非磁性基体71には、表面が平滑な様々な基体を用いることが出来る。例えば、現在磁気記録媒体に用いられている、NiPメッキを施したアルミ合金基板や強化ガラス基板を用いることが出来る。この他にも、光ディスク媒体に用いられているポリカーボネイト等の樹脂からなるプラスチック基板を用いることも出来る。ただし、プラスチック基板には基板自体の強度が小さいこと、高温で変形しやすいなどの制約がある。
軟磁性裏打ち層72としては、微結晶構造のFeTaC,FeSiAl(センダスト)合金、アモルファス構造のCo合金であるCoNbZr,CoTaZr合金などを用いることが出来る。軟磁性裏打ち層72は、使用する記録ヘッドからの漏洩磁束を吸い寄せることで、垂直磁性層75を透過する磁束密度を上げるために配置するものであり、この目的を達成できるように軟磁性合金の飽和磁束密度や膜厚を設計する。最適な膜厚は磁気ヘッドの構造や特性によっても異なるが、生産性との兼ね合いから概ね20nm以上200nm以下とされる。記録ヘッドからの磁束密度を必要な大きさに維持できる場合には、軟磁性裏打ち層72を省略することも可能である。また、軟磁性裏打ち層72を複数層で構成することも可能である。二層の軟磁性層間にRu層を挟んで反強磁性結合させて軟磁性裏打ち層72からの漏洩磁束による再生ノイズを抑制する構造や、軟磁性層の下部にMnIr合金などの反強磁性材料を設けることで記録時以外の軟磁性層の磁化方向を固定化する構造などが知られている。
中間層74としては、その上に形成される垂直磁性層75の結晶性や微細構造を制御する目的で、垂直磁性層75に適用される材料に合わせた物が選ばれる。垂直磁性層75としてCoPt系合金やCo/Pd人工格子膜からなる垂直磁化膜を選んだ場合には、これらの容易磁化方向を膜面垂直に向けるために面心立法格子(fcc)構造もしくは六方最密充填(hcp)構造を有する金属または合金がしばしば用いられる。垂直磁性層75としてCoCrPt-SiO2グラニュラー磁性膜を用いた場合には、中間層74にRu層を用いることで比較的容易に優れた記録再生特性が得られることが知られている。軟磁性裏打ち層72と中間層74の間にシード層73を設けても良い。シード層73は中間層74の結晶成長を促したり、軟磁性裏打ち層72との混合を防いだりする事により、媒体の記録再生性能の向上にしばしば効果的である。
垂直磁性層75としては、大きな磁気異方性を有する強磁性材料であって、その磁化容易軸が膜面に対して垂直方向である(垂直磁化膜である)ものを用いる。強磁性材料としては、例えば、CoPtやFePt合金、及びそれらにCr,Ni,Cu,Nb,Ta,B等の元素を添加した合金のほか、SmCo5合金、[Co/Pd]n多層膜などを用いることが出来るが、これらに限定されるものではない。これらの材料からなる複数の磁性層によって垂直磁性層75を構成しても良いし、垂直磁性層75が全体として垂直磁化膜として機能するのであれば、全ての磁性層が垂直磁化膜でなくても構わない。また、強磁性材料に非磁性材料を添加する等の手法により、磁性結晶粒子とそれを取り巻く非磁性の粒界を持つグラニュラー構造を有するグラニュラー磁性膜とすることもある。この時、非磁性粒界材料としては、酸化物や窒化物を用いることが出来る。例えば、Si,Ti,Ta,Nb,Mg,Cr,Al,Hf,Zr等の酸化物もしくは窒化物が好ましい。
保護層76には、例えば、カーボンを主体とする硬度の高い薄膜が用いられる。さらに、ヘッドと媒体が接触した場合の潤滑性を高める目的で、保護層76の表面に、PFPE(パーフルオロポリエーテル)油等のフッ素系高分子オイルからなる液体潤滑膜77を塗布する。液体潤滑膜77の塗布方法としては、ディップ法、スピンコート法などがある。
非磁性基体71上に積層される各層の作製には、液体潤滑膜77を除いて、半導体や磁気記録媒体、光記録媒体の作製に用いられている様々な薄膜形成技術を用いることが出来る。薄膜形成技術としては、DCスパッタリング法、RFスパッタリング法、真空蒸着法などが良く知られている。これらの中でも、製膜速度が比較的速く、材料によらずに純度の高い膜を得られ、スパッタ条件(導入ガス圧、放電電力)の変更によって薄膜の微細構造や膜厚を制御することが可能なスパッタリング法が大量生産に好適である。特に、グラニュラー磁性膜を製膜する際には、導入ガス中に酸素や窒素などの反応性ガスを混ぜること(反応性スパッタリング法)により、粒界形成をさらに促進させることが可能である。
上述の垂直磁気記録媒体は、以下のような磁気記録再生装置に適用することが出来る。
図11に、本発明に係る磁気記録再生装置(HDD)の構造と構成部品の概略図を示す。図11(a)は平面図、図11(b)はそのAA’断面図である。
この磁気記録再生装置において、本発明に係る垂直磁気記録媒体111は、これを回転駆動するスピンドルモーター112に装着されており、所定の回転数で回転駆動される。磁気記録媒体111にアクセスして記録再生動作を行う磁気ヘッドを搭載したスライダー113は、金属製の板ばねからなるサスペンション114の先端に取付けられており、サスペンション114は磁気ヘッドの位置を制御するためのアクチュエーター115に取り付けられている。さらに、装置内に備えられた電子回路116により、記録媒体とヘッドの動作制御や記録再生信号の処理などを行う。
本実験例では、非磁性基体71として磁気ディスク用強化ガラス基板を用いた。洗浄したガラス基板上に、インライン型スパッタリング装置を用いてDCスパッタリングにより多層薄膜を形成した。まず、薄膜のガラス基板への密着性を確保するため、Ni65Ta35ターゲット(下付の数字は組成比を原子%で示したもの、以下同じ)を用いて厚さ30 nmのNiTaアモルファス合金からなる表面コートを施した。続けて、CoTa3Zr5ターゲットを用いて軟磁性アモルファス膜50nmを、Ruターゲットを用いて反強磁性結合膜0.7nmを、そして再びCoTa3Zr5ターゲットを用いて軟磁性アモルファス膜50nmを製膜して、3層スタック構造の軟磁性裏打ち層72を形成した。以上の各層の製膜時のプロセスガスにはArを用い、Arガス圧は1Paとした。続いて、PtCr25ターゲットを用いて2PaのArガス圧下で厚さ8nmのPtCr合金シード層73を、5PaのArガス圧下で厚さ7nmのRu中間層74を、それぞれ製膜した。
垂直磁性層75は三層構造とした。第一磁性層としてはCoCr14Pt17−Ta25(2.5mol%)複合ターゲットを用いて、厚さ10nmのグラニュラー磁性膜をスパッタ法により製膜した。製膜工程においては、プロセスガスとして5PaのArと酸素の混合ガス(酸素ガス分圧:1.5%)を用いた。また、製膜時には基板に負バイアス電圧(0〜−250V)を印加した。さらに、第一磁性層の製膜直前にはランプヒーターを用いて真空中で基板の加熱を行った。基板加熱後に放射温度計を用いて基板温度を測定したところ、基板温度は60℃から140℃の間であった。表1に示すように、様々な条件で第一磁性層を製膜したが、基板温度が高く、バイアス電圧が高い場合に高性能な記録媒体が得られることが多かった。第二磁性層としてはCoCr26−SiO2(7mol%)複合ターゲットを用いて、5PaのArガス中で、厚さ2nmのグラニュラー磁性膜をスパッタ法により製膜した。この第二磁性層は厚さ2nmと薄いものの記録再生性能の改善に有効であった。つづいて、第三磁性層として、厚さ3nmから9.8nmの[Co/Pd]n人工格子膜を製膜した。人工格子膜中のPd層の厚さは0.8nmとし、Co層の厚さは0.2nmから0.6nmまで変化させた。人工格子膜の周期構造は、独立したカソードに取り付けられたCoターゲット及びPdターゲットを用い、交互に放電させることで形成した。プロセスガスとして2PaのKrガスもしくはArガスを用いた。人工格子膜をスパッタ製膜する時にKrガスを用いることにより、記録媒体の記録再生性能は著しく向上した。最後に窒素ガス10%を添加した1.5PaのArガス圧下でカーボンターゲットを放電させ、5nmの保護層76を形成した。
表1に、本実験例で試作した媒体の垂直磁性膜75の製膜条件(基板バイアス、基板加熱温度、人工格子膜の構造と厚さ、人工格子膜の製膜ガス)を示す。試作した媒体を6mm角に切り出し、VSMによって磁気特性の測定を行った。所定の手順により、前記磁化曲線A及び磁化曲線Bを測定し、式(3)から式(8)を用いて第一のパラメータσhswを決定し、式(3)及び式(13)を用いて第二のパラメータDnを決定した。表1に、これら静磁気特性パラメータの測定結果を示す。
試作した媒体の記録再生特性を日立DECO製の媒体・ヘッド評価装置RH4160を用いて評価した。記録再生測定を行う媒体に対しては、多層スパッタ薄膜の形成後、ディップ法を用いてPFPE系潤滑剤を塗布し、表面をバーニッシュして突起部や異物を除去し、グライドヘッドを用いてヘッド浮上特性に問題が無いことを予め確認した。磁気ヘッドには、記録素子として主磁極幅160nmの垂直記録用素子、再生素子として電極間隔140nm、シールドギャップ長55nmのGMR素子を用いたヘッドを用いた。ディスクの回転速度を調整する事により、磁気ヘッドの浮上量を8nmに制御した。媒体にテスト用の擬似ランダム記録パターンを線記録密度1MBPI(bit per inch)で記録及び再生し、その再生エラーレートによって記録再生性能の評価を行った。上記磁気ヘッドを用いて、前述の手順で試作した記録媒体のエラーレートを測定したところ、記録媒体によって最も低いエラーレートが得られる記録再生条件はそれぞれ異なっていた。本実験では、可能な限り記録及び再生条件の最適化を行うことで得られたエラーレートによって記録再生性能を評価している。すなわち、エラーレートを測定したときに適用した記録再生条件は媒体ごとに異なっている。
また、媒体に一定の記録周波数500kFCIで記録を行った後に、同じ場所に記録周波数125kFCIで再び記録を行い、500kFCIで記録された信号の再生出力の減少率(オーバーライト値)を測定し、記録及び消去のしやすさの評価を行った。オーバーライト値の評価を行う際には、上記磁気ヘッドの記録電流の大きさを仕様値の条件である50mAに設定した。表1に、上記測定法によるエラーレート及びオーバーライト値を示す。
Figure 0004564933
図8は、静磁気特性の二つのパラメータを、二次元平面上にプロットした図である。図8中の丸い点に対応する試作媒体A群の記録再生特性を調べたところ、全ての媒体でバイトエラーレートが10-4.3以下となり、記録媒体として適用可能な値が得られた。それ以外のひし型の点に対応する試作媒体B群では、10-2.2以下のバイトエラーレートを得ることは出来なかった。一般に、情報記録装置は、エラー訂正符号を用いて記録及び再生の過程において発生したエラーを修正する仕組みを持っている。しかし、エラーレートが10-4を越えるような状況では、エラー訂正のために必要な付加的な符号の量が大きくなりすぎるために、実質的な記録密度が著しく減少する。よって、本実験の記録密度において、A群の媒体を記録媒体に適用することは可能であり、B群の媒体は不可能であると判断される。
図8中に示すように、A群に属する試作媒体はいずれも前記の式(1)及び式(2)を満たしており、B群に属する試作媒体は同条件を満たしていなかった。以上から、式(1)及び式(2)に表される条件を満たすことにより、高密度記録を行うために好適な垂直磁気記録媒体が得られたことが分かる。
図9に、試作した媒体について測定した式(1)の左辺で表されるパラメータ(σhsw/27+Dn/90)を横軸にとり、このパラメータとエラーレートの関係を示す。試作媒体A群のデータ点は丸、試作媒体B群のデータ点は菱型で表した。試作媒体A群は式(1)を満たしており、すべて横軸の値が1より小さく、エラーレートが小さかった。しかし、試作媒体B群の中にも式(1)を満たしているもの(斜線で塗りつぶされた菱型)があるが、エラーレートは低くなっていない。
図10に、試作した媒体について測定したDnとオーバーライト値の関係を示す。前述のように、このオーバーライト値は磁気ヘッドの最大発生磁界における値であり、この値が大きくなっている媒体は記録及び消去が困難であると考えられる。試作媒体A群はどれも−39dB以下のオーバーライト値を示していることから、−39dB以下のオーバーライト値を示していれば、正常な記録を行い、記録媒体本来の性能を発揮出来るものと推測される。図10においてDnが20nm以下で式(2)を満たさない場合は、オーバーライト値が急激に大きくなっている。図9と同様に、試作媒体B群うち式(1)を満たしている媒体に対応するデータ点を斜線で塗りつぶした菱型で示した。これらの試作媒体は、いずれもDnが20nm以下と式(2)を満たしておらず、オーバーライト値も−35dB以上となった。これらの媒体では記録磁界の不足により正常な記録が困難になり、その結果として記録再生性能が試作媒体A群と比べて低くなったものと推測される。
以上から分かるように、式(1)と式(2)の双方の条件を満たすように垂直磁性層75の磁気特性を制御する事により、所望の記録再生性能を満足しつつ、限られた大きさのヘッド磁界によっても記録が可能な垂直磁気記録媒体を得ることが出来た。
垂直磁気記録媒体の典型的な磁化曲線(メジャーループ)と磁化曲線を特徴付けるパラメータを説明する図である。 本発明の静磁気特性測定法について、VSMを用いて測定した磁化曲線A及び磁化曲線Bの一例を表す図である。 垂直磁気記録媒体の垂直磁性層における磁化反転磁界Hswの確率密度関数F (Hsw)の概念図である。 本発明の静磁気特性測定法について、図2の磁化曲線A及び磁化曲線Bの各位置における磁化状態を、図3の確率密度関数F (Hsw)を用いて説明する図である。 本発明の静磁気特性測定法について、磁化曲線Aに対する反磁界ずれ補正の一例を表す図である。 垂直磁性層において、ある磁性粒子にかかる反磁界(静磁相互作用)について模式的に表した図である。 本発明に係る垂直磁気記録媒体の典型的な断面構造を表す図である。 実験例で試作した媒体から得られたσhswとDnを二次元平面上にプロットした図である。 実験例で試作した媒体のσhsw/27+Dn/90と線記録密度1MBPIでのエラーレートの関係を表す図である。 実験例で試作した媒体のDnとオーバーライト値の関係を表す図である。 本発明に係る磁気記録再生装置(HDD)の構造と構成部品を表す図である。
符号の説明
61 垂直磁性層
62 垂直磁性層内の磁化
63 垂直磁性層の上面に発生するプラス磁極
64 垂直磁性層の底面に発生するマイナス磁極
65 磁性粒子の中心位置(C点)
66 磁性粒子65を中心とした直径Dnの円形領域
67 磁性粒子の中心位置(C点)に働く反磁界
71 非磁性基体
72 軟磁性裏打ち層
73 シード層
74 中間層
75 垂直磁性層
76 保護層
77 液体潤滑膜
111 垂直磁気記録媒体
112 スピンドルモーター
113 磁気ヘッドスライダー
114 ヘッド・サスペンション
115 ヘッド・アクチュエーター
116 動作制御及び信号処理の電子回路

Claims (5)

  1. 基板と、当該基板上に形成されたCoCrPtグラニュラー層と[Co/Pd] n 人工格子膜を備える垂直磁性層を有する磁気記録媒体において、
    以下のA1〜A4に示す手順によって磁化曲線Aを測定し、
    A1 前記垂直磁性層の磁化を飽和させるのに十分な磁界をマイナス方向に印加する
    A2 プラス方向に様々な磁界Hを印加する
    A3 磁界Hを取り去った後、磁化Mを測定する
    A4 測定された磁化MをHの関数として磁化曲線Aを得る
    以下のB1〜B5に示す手順によって磁化曲線Bを測定し、
    B1 垂直磁性層の磁化を飽和させるのに十分な磁界をプラス方向に印加する
    B2 前記垂直磁性層の残留飽和磁化の絶対値をMrとして、残留磁化が-Mr/2となる磁界をマイナス方向に印加する
    B3 プラス方向に様々な磁界Hを印加する
    B4 磁界Hを取り去った後、磁化Mを測定する
    B5 測定された磁化MをHの関数として磁化曲線Bを得る
    前記磁化曲線AとM=-Mr/2の交点における外部磁界Haと、前記磁化曲線BとM=0の交点における外部磁界Hbから、次式により反磁界係数Ndを求め、
    Figure 0004564933

    前記反磁界係数Ndを用いて前記磁化曲線Aの反磁界ずれ補正を行った磁化曲線A’を確率分布関数とする磁化反転磁界Hswの平均値Hc及び標準偏差σHswから、次式によりσhsw [%]を決定し、
    Figure 0004564933

    前記反磁界係数Ndと前記垂直磁性層の膜厚tmag[nm]から、次式によりDn[nm]を決定した時、
    Figure 0004564933

    前記σhsw [%]と前記Dn [nm]が、
    σhsw/27+Dn/90<1、及びDn>20
    を満たすことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 請求項1記載の磁気記録媒体において、前記垂直磁性層は、酸化物もしくは窒化物を主原料とする結晶粒界を有するグラニュラー磁性膜であることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 請求項1記載の磁気記録媒体において、前記基板と前記垂直磁性層との間に、軟磁性裏打ち層を有することを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 基板上に形成されたCoCrPtグラニュラー層と[Co/Pd] n 人工格子膜を備える垂直磁性層を有する磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を駆動する媒体駆動部と、前記磁気記録媒体に対して記録再生動作を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体の所望トラック位置に位置決めするヘッド駆動部とを備え、
    前記磁気記録媒体は、
    以下のA1〜A4に示す手順によって磁化曲線Aを測定し、
    A1 前記垂直磁性層の磁化を飽和させるのに十分な磁界をマイナス方向に印加する
    A2 プラス方向に様々な磁界Hを印加する
    A3 磁界Hを取り去った後、磁化Mを測定する
    A4 測定された磁化MをHの関数として磁化曲線Aを得る
    以下のB1〜B5に示す手順によって磁化曲線Bを測定し、
    B1 前記垂直磁性層の磁化を飽和させるのに十分な磁界をプラス方向に印加する
    B2 前記垂直磁性層の残留飽和磁化の絶対値をMrとして、残留磁化が-Mr/2となる磁界をマイナス方向に印加する
    B3 プラス方向に様々な磁界Hを印加する
    B4 磁界Hを取り去った後、磁化Mを測定する
    B5 測定された磁化MをHの関数として磁化曲線Bを得る
    前記磁化曲線AとM=-Mr/2の交点における外部磁界Haと、前記磁化曲線BとM=0の交点における外部磁界Hbから、次式により反磁界係数Ndを求め、
    Figure 0004564933

    前記反磁界係数Ndを用いて前記磁化曲線Aの反磁界ずれ補正を行った磁化曲線A’を確率分布関数とする磁化反転磁界Hswの平均値Hc及び標準偏差σHswから、次式によりσhsw [%]を決定し、
    Figure 0004564933

    前記反磁界係数Ndと前記垂直磁性層の膜厚tmag[nm]から次式によりDn[nm]を決定した時、
    Figure 0004564933

    前記σhsw [%]と前記Dn [nm]が、
    σhsw/27+Dn/90<1、及びDn>20
    を満たすことを特徴とする磁気記録再生装置。
  5. CoCrPtグラニュラー層と[Co/Pd] n 人工格子膜を備える垂直磁性層を有する磁気記録媒体の評価方法であって、
    以下のA1〜A4に示す手順によって磁化曲線Aを測定し、
    A1 前記垂直磁性層の磁化を飽和させるのに十分な磁界をマイナス方向に印加する
    A2 プラス方向に様々な磁界Hを印加する
    A3 磁界Hを取り去った後、磁化Mを測定する
    A4 測定された磁化MをHの関数として磁化曲線Aを得る
    以下のB1〜B5に示す手順によって磁化曲線Bを測定し、
    B1 前記垂直磁性層の磁化を飽和させるのに十分な磁界をプラス方向に印加する
    B2 前記垂直磁性層の残留飽和磁化の絶対値をMrとして、残留磁化が-Mr/2となる磁界をマイナス方向に印加する
    B3 プラス方向に様々な磁界Hを印加する
    B4 磁界Hを取り去った後、磁化Mを測定する
    B5 測定された磁化MをHの関数として磁化曲線Bを得る
    前記磁化曲線AとM=-Mr/2の交点における外部磁界Haと、前記磁化曲線BとM=0の交点における外部磁界Hbから、次式により反磁界係数Ndを求め、
    Figure 0004564933

    前記反磁界係数Ndを用いて前記磁化曲線Aの反磁界ずれ補正を行った磁化曲線A’を確率分布関数とする磁化反転磁界Hswの平均値Hc、及び標準偏差σHswから次式によりσhsw [%]を決定し、
    Figure 0004564933

    前記反磁界係数Ndと前記垂直磁性層の膜厚tmag[nm]から、次式によりDn[nm]を決定し、
    Figure 0004564933

    前記σhsw [%]と前記Dn [nm]が、
    σhsw/27+Dn/90<1、及びDn>20
    を満たすか否かを判定することを特徴とする磁気記録媒体の評価方法。
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