JP4564239B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡挿入部の先端部に取り付けられる光学アダプタを備えた内視鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工業用の内視鏡装置は、例えば航空機エンジンのブレード検査や電力配管の内部検査など、様々な用途に用いられている。この工業用の内視鏡装置は、医療用のものに比較して、先端に撮像部を有する内視鏡挿入部の長さが長く、しかも、検査目的に応じて前記撮像部に装着される光学アダプタが交換可能である点が特徴的となっている。
【0003】
この種の内視鏡装置は、下記特許文献1に示されているように、検査対象に挿入される内視鏡と、この内視鏡に内蔵されたライトガイドに照明光を供給する光源装置と、内視鏡の先端に内蔵されたCCD(電荷結合素子)からの電気信号に基づいて画像信号を生成する制御装置と、前記画像信号を表示するテレビモニタなどを備えて概略構成されている。
前記内視鏡の先端には、前記CCDに結像させる光学系を備えた光学アダプタが着脱可能に取り付けられているが、この光学アダプタは、立体観察やテレ/ワイド観察など、観察目的に応じて複数種類があり、観察目的に応じてユーザーが最適なものを選んで用いるようになっている。
【0004】
このような内視鏡装置を用いて検査対象の計測を行う際に、前記制御装置がCCDからの電気信号を画像信号に変換する際に、装着されている光学アダプタの種類や光学特性を前もって把握しておく必要がある。この光学アダプタの光学特性は、工場生産時に、マスターとなる内視鏡装置に装着された状態で取得された各種補正係数や、その時の取り付け位置情報などから構成されており、光学アダプタに与えられた識別番号に基づいて管理されている。
したがって、ユーザーは、光学アダプタを選択した際に、この光学アダプタに付けられている識別番号を内視鏡装置に入力することで、対応する光学特性を呼び出して制御装置に読み込ませるものとしている。そして、精度の高い計測を行うことが可能となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−201706号公報(図1,図2等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この従来の内視鏡装置は、以下に説明する問題を有していた。
すなわち、光学アダプタを装着または交換する場合、ユーザーは、これから装着する光学アダプタの識別番号を確認した後、内視鏡装置にその識別番号を入力する必要があるが、人手で行う関係上、間違った識別番号を入力してしまう虞があるという問題である。この場合、他の光学アダプタのデータが前記制御装置に読み込まれてしまうため、当然、計測結果にも誤りが生じることになる。
しかしながら、内視鏡装置側も、計測結果に誤りがあることや、識別番号が間違っていること、さらには、どの光学アダプタが装着されたのかを判別することができないので、この誤った計測結果がそのまま記録されてしまうことになる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、用いる光学アダプタを確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことができる手段の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1に記載の内視鏡装置は、先端に受光部を有する内視鏡挿入部と、前記先端に着脱可能に取り付けられ、前記受光部に対して画像を結像させる光学系を有する光学アダプタとを備えた内視鏡装置において、前記光学アダプタが、この光学アダプタを識別するための情報及び光学特性情報を備え、前記内視鏡挿入部の先端に、前記情報を取得する読み込み部が備えられ、前記光学アダプタと前記読み込み部との間で所定の通信手順に基づいて信号を送受信するための送受信部と、前記光学アダプタから転送された前記識別情報および前記光学特性情報を対応させて記憶する記憶部と、前記光学アダプタを通じて取得される光学像の画像情報に対して、前記内視鏡装置に接続された前記光学アダプタに固有の前記光学特性情報に基づき、前記光学アダプタの前記光学系による歪曲収差の補正を施して計測処理を行う演算処理部と、少なくとも前記送受信部と前記記憶部とのそれぞれの動作を制御する制御部と、をさらに備え、前記送受信部は、前記光学アダプタを識別するための情報である識別情報を受信した後に、前記光学特性情報を受信可能であり、前記識別情報を受信した後に、前記識別情報に対応する光学特性情報の問い合わせ要求に基づいて前記光学アダプタに対して前記光学特性情報の問い合わせを行い、前記演算処理部は、前記計測処理にあたって前記制御部に対して前記光学特性情報の参照要求を送信し、前記制御部は、前記参照要求に基づいて前記記憶部に対して、前記内視鏡装置に装着されている前記光学アダプタから送信された前記識別情報に対応する前記光学特性情報を参照し、前記記憶部において前記参照が可能な前記光学特性情報がある場合には前記記憶部に記憶された前記光学特性情報を前記演算処理部に送信し、前記記憶部において前記参照が可能な前記光学特性情報が無い場合には前記送受信部を介して前記光学アダプタから前記光学特性情報を受信して前記演算処理部に送信する、ことを特徴とする
上記請求項1に記載の内視鏡装置によれば、この光学アダプタを内視鏡挿入部の先端に取り付けたまま、これを識別するための情報または光学特性情報の少なくとも一方を読み取るように構成することができる。これにより、光学アダプタの識別を自動化させることができ、ユーザー自らが識別作業を行わずに済むようになる。
【0009】
請求項2に記載の内視鏡装置は、本体と、該本体に接続されるとともに先端に受光部を有する内視鏡挿入部と、前記先端に着脱可能に取り付けられ、前記受光部に対して画像を結像させる光学系を有する光学アダプタとを備えた内視鏡装置において、前記光学アダプタが、この光学アダプタを識別するための情報及び光学特性情報を備え、前記本体が、前記光学アダプタから前記情報を取得する読み込み部を備え、前記光学アダプタと前記読み込み部との間で所定の通信手順に基づいて信号を送受信するための送受信部と、前記光学アダプタから転送された前記識別情報および前記光学特性情報を対応させて記憶する記憶部と、前記光学アダプタを通じて取得される光学像の画像情報に対して、前記内視鏡装置に接続された前記光学アダプタに固有の前記光学特性情報に基づき、前記光学アダプタの前記光学系による歪曲収差の補正を施して計測処理を行う演算処理部と、少なくとも前記送受信部と前記記憶部とのそれぞれの動作を制御する制御部と、をさらに備え、前記送受信部は、前記光学アダプタを識別するための情報である識別情報を受信した後に、前記光学特性情報を受信可能であり、前記識別情報を受信した後に、前記識別情報に対応する光学特性情報の問い合わせ要求に基づいて前記光学アダプタに対して前記光学特性情報の問い合わせを行い、前記演算処理部は、前記計測処理にあたって前記制御部に対して前記光学特性情報の参照要求を送信し、前記制御部は、前記参照要求に基づいて前記記憶部に対して、前記内視鏡装置に装着されている前記光学アダプタから送信された前記識別情報に対応する前記光学特性情報を参照し、前記記憶部において前記参照が可能な前記光学特性情報がある場合には前記記憶部に記憶された前記光学特性情報を前記演算処理部に送信し、前記記憶部において前記参照が可能な前記光学特性情報が無い場合には前記送受信部を介して前記光学アダプタから前記光学特性情報を受信して前記演算処理部に送信する、ことを特徴とする。
上記請求項2に記載の内視鏡装置によれば、光学アダプタを内視鏡挿入部の先端に取り付けたまま、この光学アダプタを識別するための情報または光学特性情報の少なくとも一方を読み込み部に読み取らせることで、光学アダプタの識別を自動的に行わせることができる。これにより、ユーザー自らが識別作業を行わずに済むようになる。
【0011】
請求項に記載の内視鏡装置は、請求項または請求項に記載の内視鏡装置において、
前記光学アダプタから前記読み込み部への前記情報の読み込みが、無線通信を介して行われることを特徴とする。
上記請求項に記載の内視鏡装置によれば、電気接点を必要とせず、非接触で情報の読み取りを行うことができる。
【0012】
請求項に記載の内視鏡装置は、請求項または請求項に記載の内視鏡装置において、前記光学アダプタから前記読み込み部への前記情報の読み込みが、前記光学アダプタ側に設けられた接続端子と、前記読み込み部側に設けられた接続端子との接続を介して行われることを特徴とする。
上記請求項5に記載の内視鏡装置によれば、両接続端子間のメカニカルな接点を介して情報の読み込みを行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の光学アダプタ及び内視鏡装置の各実施形態についての説明を、図面を参照しながら以下に行うが、本発明がこれらのみに限定解釈されるものでないことは勿論である。
【0018】
(第1実施形態)
図1から図8を参照しながら、本発明の第1実施形態の説明を以下に行う。なお、図1は、本実施形態の内視鏡装置の全体構成を示す斜視図である。また、図2は、同内視鏡装置の内部構成を示すブロック図である。また、図3は、同内視鏡装置に備えられている内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。また、図4は、同内視鏡挿入部の先端部分及び光学アダプタを別の断面で見た場合の断面図である。また、図5は、同内視鏡挿入部の先端部分及び光学アダプタ間の接合面を示す図であって、図4のA−A矢視図である。また、図6は、同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。また、図7は、同内視鏡装置に備えられているCPU及び送受信回路間の通信データの受け渡しを説明するための説明図である。また、図8は、同CPU及び送受信回路間で受け渡される通信データのフォーマットを示す図である。
【0019】
まず、図1を参照して本実施形態の内視鏡装置1のシステム構成を説明する。
図1に示すように、この内視鏡装置1は、ステレオ計測用光学アダプタ(光学アダプタ)2と、このステレオ計測用光学アダプタ2が着脱自在に接続される内視鏡挿入部3を有する内視鏡4と、ステレオ計測用光学アダプタ2のマスク形状を取り込むためのキャリブレーション用治具5と、内視鏡4が収納されるコントロールユニット(本体)6と、各種動作制御を実行させるための操作を行うリモートコントローラ7と、内視鏡画像や操作制御内容(例えば処理メニュー)等の表示を行う表示装置である液晶モニタ(以下、LCDと称する)8と、通常の内視鏡画像、あるいはその内視鏡画像をステレオ画像として立体視可能なフェイスマウントディスプレイ(以下、FMDと称する)9と、このFMD9に画像データを供給するFMDアダプタ9aとを備えて概略構成されている。
【0020】
前記内視鏡挿入部3は、その先端部3aに撮像素子(後述)を内蔵した細長いケーブルであり、被検査部に対して挿入することが可能となっている。そして、この内視鏡挿入部3の先端部3aには、前記ステレオ計測用光学アダプタ2の他に、比較計測用光学アダプタ10も着脱自在に接続されるようになっている。
前記キャリブレーション用治具5は、ステレオ計測用光学アダプタ2が装着された内視鏡挿入部3の先端部3aを挿入し、このステレオ計測用光学アダプタ2のマスク形状を取り込むための治具である。
なお、同図の符号11は、後述のCCU17を経由せずに映像を映像信号処理回路に入力するための外部映像入力端子を示している。また、符号12は、外部から電力を取り入れるためのコンセントケーブルを示している。
【0021】
続いて、図2を参照しながら内視鏡装置1の内部構造の詳細説明を以下に行う。
同図に示すように、内視鏡挿入部3の基端部は、コントロールユニット6内の内視鏡ユニット15に接続されている。この内視鏡ユニット15の内部には、撮影時に必要な照明光を供給する光源16や、内視鏡挿入部3に内蔵された湾曲部(図示せず)を電気的に湾曲動作させる電動湾曲装置(図示せず)などが内蔵されている。
また、内視鏡挿入部3の先端部3a内には、後述のCCD(撮像素子)36が内蔵されており、このCCD36から出力される撮像信号が、画像処理部であるカメラコントロールユニット(以下、CCUと称する)17に入力されるようになっている。このCCU17は、入力された撮像信号を例えばNTSC信号等の映像信号に変換して、コントロールユニット6内の主要処理回路群へ供給するように構成されている。
【0022】
コントロールユニット6内に搭載される前記主要処理回路群は、CPU18、ROM19、RAM20、PCカードインターフェイス(以下、PCカード I/Fと称する)21a、USBインターフェイス(以下、USB I/Fと記載)21b、RS−232Cインターフェイス(以下、RS−232C I/Fと記載)21c、音声信号処理回路22、映像信号処理回路23、そして識別回路51を備えて構成されている。
【0023】
前記CPU18は、主要プログラムに基づいて各種機能を実行/動作させる制御部と、計測処理を行う演算処理部とを兼ね備えたマイクロプロセッサーである。そして、このCPU18は、ROM19に格納されているプログラムを実行し、目的に応じた処理を行うことでシステム全体の動作制御を行うようになっている。
前記RS−232C I/F21cは、リモートコントローラ7による操作に基づいてCCU17、内視鏡ユニット15を動作制御するのに必要な通信を行うためのインターフェイスであり、CCU17、内視鏡ユニット15、そしてリモートコントローラ7のそれぞれに接続されている。これにより、リモートコントローラ7で、CCU17及び内視鏡ユニット15への動作指示及び制御を行うことが可能となっている。
【0024】
前記USB I/F21bは、コントロールユニット6とパーソナルコンピュータ25との間を電気的に接続するためのインターフェイスである。このUSBI/F21bを介してコントロールユニット6とパーソナルコンピュータ25を接続した場合には、パーソナルコンピュータ25側からも、内視鏡画像の表示指示や計測時における画像処理などの各種の制御指示をコントロールユニット6に対して行うことが可能となり、さらには、コントロールユニット6及びパーソナルコンピュータ25間での各種処理に必要な制御情報やデータ等の入出力も可能としている。
【0025】
前記PCカード I/F21aには、PCMCIAメモリーカード26やコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリーカード27等の外部記憶媒体が着脱自在に装着されるようになっている。そして、この外部記憶媒体を装着した場合には、CPU18の制御により、前記外部記憶媒体に記憶された制御処理情報や画像情報等のデータを、PCカード I/F21aを介してコントロールユニット6内に取り込んだり、または、PCカード I/F21aを介して制御処理情報や画像情報等のデータを前記外部記憶媒体に供給して記録することができるようになっている。
【0026】
前記映像信号処理回路23は、CCU17から供給された内視鏡画像とグラフィック表示された操作メニューとを合成した合成画像を表示する機能を有しており、CCU17からの映像信号と、CPU18により生成された操作メニューの表示信号とを合成処理し、さらに、LCD8の画面上に表示するのに必要な処理を施してからLCD8に供給する。これにより、LCD8には、内視鏡画像と操作メニューとの合成画像が表示される。なお、映像信号処理回路23は、単に内視鏡画像、あるいは操作メニュー等の画像を単独で表示させるための処理を行うことも可能となっている。
【0027】
前記コントロールユニット6には、CCU17を経由せずに映像信号処理回路23に映像を入力する前記外部映像入力端子11が別に設けられている。この外部映像入力端子11に映像信号が入力された場合、映像信号処理回路23は、CCU17からの内視鏡画像に優先して前記映像信号に基づく合成画像を出力する。
【0028】
前記音声信号処理回路22には、マイク28により集音されて前記外部記憶媒体に記録される音声信号や、前記外部記憶媒体の再生により得られる音声信号や、CPU18により生成された音声信号が供給されるようになっている。そして、この音声信号処理回路22は、供給された音声信号を再生するために必要な処理(増幅処理等)を施した後、スピーカ22aに出力する。これにより、スピーカ22aから音声信号が再生される。
前記リモートコントローラ7には、図示しないジョイスティック、レバースイッチ、フリーズスイッチ、ストアースイッチ及び計測実行スイッチ等が少なくとも上面に設けられており、各種のリモコン操作を行えるようになっている。
【0029】
続いて、本実施形態の前記ステレオ計測用光学アダプタ2と、これが接続される前記内視鏡挿入部3の先端部3aの詳細についての説明を行う。本実施形態では、ステレオ計測用光学アダプタ2の識別手段としてICチップを用いた場合を示している。
【0030】
図3に示すように、前記先端部3aは、前記ステレオ計測用光学アダプタ2(以下、単に光学アダプタ32と称する)が接続される接続部31となっている。
すなわち、この接続部31において、光学アダプタ32の基端側にあるねじ33aが接続部31の取り付けねじ33にねじ込まれて固定されている。
接続部31には、撮像ユニット34が設けられており、CCDケーブル35を介して前記CCU17に接続されている。撮像ユニット34には、撮像素子であるCCD(受光部)36が設けられている。このCCD36は、整合回路37を介してCCDケーブル35に接続されている。さらに、接続部31には、前記光源16に接続されたライトガイド38(以下LG38と称する)が設けられている。
【0031】
一方、光学アダプタ32には、CCD36に対応する部分(対向する位置)に観察光学系(対物レンズ)39が設けられており、観察画像をCCD36の受光面上に結像させることが可能となっている。また、光学アダプタ32の、LG38に対応する部分には、照明光学系40が設けられており、LG38を介して前記光源16から供給された光を、観察に適した光線にして観察対象を照明するものとなっている。なお、本実施形態の光学アダプタ32は、観察対象を立体視できるステレオ計測用光学アダプタであるので、前記観察光学系39を2組備えているが、以下の説明においては、説明を簡単に行うために1組として説明する。
【0032】
図4に示すように、光学アダプタ32には、これが用いられる内視鏡装置1に自らを識別させるための識別用ICチップ41が一体に内蔵されている。この識別用ICチップ41は、その周囲をエポキシ樹脂等の非金属物質からなる支持体42に包まれた状態で、光学アダプタ32内に固定されている。この識別用ICチップ41は、動作するためのエネルギーを受けるとともに信号の送受信も行うアンテナを有し、データの記憶媒体として128ビットのROMを有するICであり、例えば2.45GHzの高周波信号で動作するようになっている。
一方、接続部31側には、識別用ICチップ41に対応する部分にアンテナ43が設けられており、アンテナ線44を介して後述の識別回路51に接続されている。このアンテナ線43及びCCDケーブル35は、内視鏡挿入部3を通って接続部31まで導かれている。
なお、この図4は、図3とは別の断面で見た場合の断面図であり、その位置が分かり易いように観察光学系39も図示している。
【0033】
図5は、光学アダプタ32及び接続部31間の当接面を接続部31側から見たものである。光学アダプタ32には、観察光学系39と照明光学系40の脇に、識別用ICチップ41が支持体42で固定されている。支持体42は、楕円形となっていて、識別用ICチップ41が楕円形の片方の焦点位置付近に設けられている。一方、前記アンテナ43は、図4で示したように識別用ICチップ41に当接する位置に設けられている。
【0034】
前記識別回路51は、図6に示す送受信回路52である。この送受信回路52は、前記CPU18に接続されている。また、この送受信回路52は、前記アンテナ線44を介して前記アンテナ43に接続されている。
【0035】
以上説明の構成を有する本実施形態の内視鏡装置1を用いたステレオ計測方法について、以下に説明を行う。
このステレオ計測では、光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)の識別用ICチップ41に記憶されている識別情報(ID)や光学データ(光学特性情報)等を読み込む第1の処理と、内視鏡挿入部3の先端部3aに光学アダプタ32を装着したときのCCD36及び観察光学系39間の相対位置情報を読み込む第2の処理と、前記相対位置情報及び、工場生産時にマスターとなる内視鏡装置にこの光学アダプタ32を取り付けた際に求めた、CCD(マスターとなる内視鏡装置の撮像素子)及び観察光学系39間の相対位置情報から、CCD36及び観察光学系39間の位置誤差を求める第3の処理と、前記位置誤差から前記光学データを補正する第4の処理と、補正後の光学データをもとに計測画像の座標変換を行う第5の処理と、座標変換で得られる2画像のマッチングにより任意点の三次元座標を求める第6の処理とを少なくとも実行することにより行われる。
なお、上記第1の処理から第4の処理にかけてを、まとめてキャリブレーション処理と呼ぶ。
【0036】
CPU18は、上記キャリブレーション処理を光学アダプタ32に対して一度実行し、その結果得られる補正後の光学データを前記外部記憶媒体(PCMCIAメモリーカード26やコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリーカード27等)に計測環境データとして記録させる制御を行う。この時、上記キャリブレーション処理を実行した日時に関する情報も、前記計測環境データの一部として記録される。このキャリブレーション処理を行った後にステレオ計測を実行する場合には、前記外部記憶媒体から前記計測環境データをRAM20上にロードすることで、CPU18が上記第5、第6の処理を実行する。
【0037】
なお、上記第2の処理においては、光学アダプタ32に設けられているマスク(図示略)の形状・位置をCCD36で取り込むことで行う。すなわち、内部に白い空間が形成された前記キャリブレーション用治具5内に、光学アダプタ32を装着した前記先端部3aを挿入し、CCD36に白画像を取り込ませることで行う。
【0038】
上記キャリブレーション処理実行後の計測では、まず内視鏡装置1に電源を投入し、光源16からの光を、LG38を介して前記先端部3aに導く。LG38から出た光は、光学アダプタ32の照明レンズ40から観察対象に照射される。
観察対象から反射して戻ってきた光、すなわち観察画像は、観察光学系39を通ってCCD36上に結像される。CCD36にて電気信号に変換された観察画像は、整合回路37、CCDケーブル35を通ってCCU17に送られる。CCU17では、CCD36からの電気信号を通常のビデオ信号に変換する。なお、CCD36の動作に必要な電気信号は、映像信号処理回路23で生成され、CCDケーブル35を介してCCD36に供給される。
【0039】
図7は、前記送受信回路52による、識別用ICチップ41及びCPU18間のデータの受け渡しを示している。この送受信回路52は、図6に示すようにCPU18と双方向の通信回線で接続されており、CPU18で作られた送信用信号を高周波変調した後、アンテナ線44を介して接続部31のアンテナ43に送信するようになっている。
【0040】
送信用信号を受けたアンテナ43は、電磁波を識別用ICチップ41に向けて発信し、この電磁波が識別用ICチップ41に届くことにより、CPU18からの指令が伝達される。これにより、図7に示すID(識別番号)の問い合わせが完了する。
このとき、識別用ICチップ41の回りはエポキシ樹脂の支持体42で囲まれているので、電磁波が良好に識別用ICチップ41に到達するようになっている。支持体42は、楕円形であり、しかも識別用ICチップ41が偏芯して取り付けられているので、この識別用ICチップ41の一方側の肉厚が薄くても、他方側の厚い肉厚を通して良好に電磁波を到達させることができるようになっている。
【0041】
CPU18からのIDの問い合わせを受けた場合、識別用ICチップ41は、IDを返信データとして送信する。すなわち、識別用ICチップ41からの送信データは、逆のルートを通って一旦、前記送受信回路52に送られる。この送信データは、送受信回路52で復調された後、CPU18に送られることで、図7に示すID返信が完了する。
【0042】
識別用ICチップ41が保持している光学データも、同様の手順によりCPU18に取り込まれる。すなわち、まずCPU18が光学データの問い合わせを行うための送信用信号を生成し、これを送受信回路52が高周波変調した後、アンテナ線44を介して接続部31のアンテナ43に送信する。
送信用信号を受けたアンテナ43は、電磁波を識別用ICチップ41に向けて発信し、この電磁波が識別用ICチップ41に届くことにより、CPU18からの指令が伝達される。これにより、図7に示す光学データの問い合わせが完了する。
【0043】
そして、CPU18からの光学データ問い合わせを受けた識別用ICチップ41は、光学データを返信データとして送信する。すなわち、識別用ICチップ41からの送信データは、逆のルートを通って前記送受信回路52に送られる。この送信データは、送受信回路52で復調された後、CPU18に送られることで、図7に示す光学データ返信に関する一連の通信が完了する。
上記ID、光学データの他に読み込むデータがある場合にも、同様の手順により取り込みが行われる。
【0044】
図8に、識別用ICチップ41及びCPU18間でやり取りされる通信データフォーマットの一例を示す。ID問い合わせは、CPU18から識別用ICチップ41におくられる‘ID‘の2文字データである。ここで、[EOF]は、データの終わりを示す区切り記号である。また、光学データの問い合わせは、‘DATA‘の4文字データである。識別用ICチップ41からCPU18に送られてくるIDのデータは4桁の数字で、光学アダプタ32の外部に刻印されている数字と同じ数字である。識別用ICチップ41からCPU18に送られてくる光学データは、画角を示す120の数字と、画面中心のx座標とy座標を示す3桁の数字が2つで、それぞれカンマで区切られている。
【0045】
識別用ICチップ41からCPU18に送られる光学データは、CPU18が計測時の演算に用いるものであり、各光学アダプタ固有の光学特性を定数で表したものである。この光学データとしては、例えば特開平10−248806号公報の段落番号[0014]に記載されている(a)〜(d)の4項目がある。光学データに含まれる要素としては、これ以外にある場合もあるが、識別用ICチップ41からCPU18への読み込み動作は上述に同じである。
また、この光学データによる画像の座標変換計算(歪曲収差の補正計算)の詳細については、上記特許公報の数式(1),(2)等に記載されているので、ここではその説明を省略する。
【0046】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、下記の効果を得ることが可能となる。
本実施形態の内視鏡装置1は、その光学アダプタ32が、観察光学系39の光学データを記録した識別用ICチップ41を一体に備えるとともに、内視鏡挿入部3の先端部3aにアンテナ43を備える構成を採用した。この構成によれば、光学アダプタ32の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることができるようになる。したがって、用いる光学アダプタを確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
すなわち、本実施形態の内視鏡装置1は、用いる光学アダプタ32の光学特性値が光学アダプタ32に付属しているので、コントロールユニット6側に光学アダプタ32の光学データを予め保持しておく必要がない。したがって、識別用ICチップ41さえ備えていれば、どの光学アダプタを持ってきても、光学データの登録や選択を行うキャリブレーション処理が自動的に行われる。ひとたび登録されれば、次回からはIDを検出するだけで対応する環境データをRAM20にロードでき、すぐさま計測を実行することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態の内視鏡装置1は、識別用ICチップ41及びCPU18間の情報のやり取りを、無線通信により非接触で行う構成を採用した。この構成によれば、光学アダプタ32側に電気接点を用いる必要がないので、容易に組み立てることが可能である。また、非接触式であることから、接触式に比較して高い耐久性を確保することも可能としている。
【0048】
(第2実施形態)
次に、図9及び図10を参照しながら、本発明の第2実施形態の説明を以下に行う。図9は、本実施形態の内視鏡装置の要部を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。また、図10は、同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
なお、以下の説明においては、上記第1実施形態との相違点を中心に説明を行うものとし、上記第1実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
本実施形態は、上記第1実施形態に比較して、前記識別用ICチップ41及び前記CPU18間の情報のやり取りを、非接触でなくメカニカル接点を用いて行う点が特に特徴的となっている。
すなわち、図9に示すように、本実施形態の識別用ICチップ(以下、前記識別用ICチップ41と区別するために新たな符号61を与えて説明する。)は、エポキシ樹脂からなる支持体63で固定された一対のIC側接点62を備えている。さらに、この識別用ICチップ61は、その内部にROMやRAMを持ったCPUを積んでおり、コントロールユニット6側の通信回線から供給されたエネルギーを利用して外部と通信を行うとともに、前記キャリブレーション処理に必要な光学情報を外部に供給する役目を有している。
一方、内視鏡挿入部3の接続部31(先端部3a)側には、前記光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)側に設けられた識別用ICチップ61の各IC側接点62と当接することで電気信号を伝える一対の内視鏡側接点64が、エポキシ樹脂からなる接点支持体65で固定されている。これら内視鏡側接点64は、2芯の通信線66を介して前記CCU17に接続されている。
【0050】
また、本実施形態では、図10に示すように、前記識別回路51として、前記送受信回路52の代わりにシリアル通信回路72を採用している。このシリアル通信回路72は、CPU18からの通信信号を、2芯の通信線66を介して各内視鏡側接点64に送信する。さらに、通信信号は、これら内視鏡側接点64に接続された各IC側接点62を介して前記識別用ICチップ61へと送信される。
一方、識別用ICチップ61からCPU18に向かう通信信号は、逆のルートを通って送信される。
【0051】
上記構成を有する本実施形態の内視鏡装置1は、前記先端部3aに光学アダプタ32を装着することで、各IC側接点62が各内視鏡側接点64にメカニカルに接続され、自動的に接続が完了する。この後に行われる前記キャリブレーション処理は、上記第1実施形態で説明した流れと略同様である。
【0052】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることが可能となる。したがって、用いる光学アダプタ32の種類を確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
さらに、本実施形態の内視鏡装置1は、識別用ICチップ61からCPU18への通信データの読み込みを、各IC側接点62及び各内視鏡側接点64間の接続を介して行う構成を採用した。この構成によれば、メカニカルな接点を介して通信データの読み込みを行うので、無線式の場合に比較して、比較的大きなICチップを識別用ICチップ61に用いることができるようになる。これにより、光学アダプタ32側に保持させるデータ量を増大させることが可能となっている。
【0053】
(第3実施形態)
次に、図11〜図13を参照しながら、本発明の第3実施形態の説明を以下に行う。図11は、本実施形態の内視鏡装置1の要部を示す図であって、前記内視鏡挿入部3の先端部3a、及びこれに装着されている光学アダプタ32を示す断面図である。また、図12は、同内視鏡装置1に備えられている電気回路のブロック図である。また、図13は、同内視鏡装置1の電気回路の電圧を示すグラフであって、横軸が周波数、縦軸が電圧を示している。
なお、以下の説明においては、上記第1実施形態との相違点を中心に説明を行うものとし、上記第1実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0054】
本実施形態は、上記第1実施形態に比較して、前記識別用ICチップ41及び前記アンテナ43の組み合わせの代わりに、高周波コイルの組み合わせを用い、これらを共振させた際に生じる共振周波数の違いにより、装着された光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)を識別するように構成した点が特に特徴的となっている。
【0055】
すなわち、図11に示すように、前記光学アダプタ32内には、前記識別用ICチップ41の代わりに、エポキシ樹脂からなる支持体80で固定されたコイル81が内蔵されている。
一方、内視鏡挿入部3の接続部31(先端部3a)側には、光学アダプタ32を先端部3aに接続した際にコイル81と対応する位置に、アンテナコイル83が設けられている。このアンテナコイル83は、同図に示すアンテナ線84を介して前記CCU17に接続されている。
【0056】
また、本実施形態では、図12に示すように、前記識別回路51として、前記送受信回路52の代わりにアンテナ共振回路92を採用している。このアンテナ共振回路92は、CPU18からの指令を受けた場合に所定の周波数でアンテナコイル83を励磁する。同時に、アンテナ共振回路92は、この時の電圧をモニターしてその電圧をCPU18に送り返す役目もなす。
【0057】
図13に示すように、前記コイル81としてインダクタンスの大きなコイルαを採用した場合には、共振周波数が低くなる。逆に、前記コイル81としてインダクタンスの小さなコイルβを採用した場合には、共振周波数が高くなる。したがって、この共振周波数の高さに応じて増減する電圧を調べることで、接続した光学アダプタ32の種類を識別することができる。いわゆるディップメータの原理と同じ動作を利用して識別作業を行う。
【0058】
この光学アダプタ32の識別動作について具体例を挙げて説明すると、まず、CPU18が、アンテナ共振回路92に対してアンテナコイル83を例えば0.1MHzで励磁するように指令を出す。すると、アンテナ共振回路92は、アンテナコイル83を0.1MHzで励磁させるとともに、その時に発生した電圧をCPU18に送り返す。CPU18は、その電圧を記憶するとともに、今度は0.2MHzで励磁するように指令を出す。この様にして、0.33MHz、0.35MHz、0.7MHz、1MHzと順に700MHzまで励磁周波数を変えながら、各周波数における電圧を記憶していく。
【0059】
続いて、CPU18は、その結果から最も電圧が低くなる周波数を探し出し、共振周波数を特定する。このようにして求められる共振周波数は、装着された光学アダプタ32を識別するための識別番号の役目を果たすことができる。したがって、コントロールユニット6側に、共振周波数に対応する光学アダプタ32の種類及びその光学データを予め備えておく(前記外部記憶媒体に備えておく)ことで、前記キャリブレーション処理を行うのに必要な光学データを選定することが可能となる。この後に行われる前記キャリブレーション処理は、上記第1実施形態で説明した流れと略同様である。
【0060】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることが可能となる。したがって、用いる光学アダプタ32の種類を確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
さらに、本実施形態の内視鏡装置1は、光学アダプタ32の識別作業を、コイル81及びアンテナコイル83間に生じる共振周波数を読み取ることで行う構成を採用した。この構成によれば、電気接点を用いる必要がなく、光学アダプタ32にコイル81を設けるだけで済むので、容易に組み立てることが可能である。
また、非接触で情報を取得できることから、接触式に比較して高い耐久性を確保することも可能としている。
【0061】
(第4実施形態)
次に、図14及び図15を参照しながら、本発明の第4実施形態の説明を以下に行う。図14は、本実施形態の内視鏡装置1の要部を示す図であって、前記内視鏡挿入部3の先端部3a、及びこれに装着されている光学アダプタ32を示す断面図である。また、図15は、同内視鏡装置1に備えられている電気回路のブロック図である。
なお、以下の説明においては、上記第1実施形態との相違点を中心に説明を行うものとし、上記第1実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0062】
本実施形態は、上記第1実施形態に比較して、前記識別用ICチップ41の代わりに抵抗体を用い、その抵抗値を求めることで光学アダプタ32の種類を識別するように構成した点が特に特徴的となっている。
【0063】
すなわち、図14に示すように、前記光学アダプタ32内には、前記識別用ICチップ41の代わりに識別用抵抗101が内蔵されている。この識別用抵抗101は、エポキシ樹脂からなる支持体103で固められた一対の抵抗側接点102を備えている。
一方、内視鏡挿入部3の接続部31(先端部3a)側には、光学アダプタ32を先端部3aに接続した際に識別用抵抗101と接続されて電気信号を伝達する一対の内視鏡側接点104が設けられている。この内視鏡側接点104は、エポキシ樹脂からなる支持体105で接続部31に固定されており、また、同図に示す通信線106を介して前記CCU17に接続されている。
【0064】
また、本実施形態では、図15に示すように、前記識別回路51として、前記送受信回路52の代わりに抵抗値検出回路112を採用している。この抵抗値検出回路112は、通信線106を介して識別用抵抗101に所定(一定)の電流を流すとともに、その時に生じる電圧値をCPU18へ送る役目を有している。
この時に求められる電圧値は、装着された光学アダプタ32を識別するための識別番号の役目を果たすことができる。したがって、コントロールユニット6側に、電圧値に対応する光学アダプタ32の種類及びその光学データを予め備えておく(前記外部記憶媒体に備えておく)ことで、前記キャリブレーション処理を行うのに必要な光学データを選定することが可能となる。この後に行われる前記キャリブレーション処理は、上記第1実施形態で説明した流れと略同様である。
【0065】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることが可能となる。したがって、用いる光学アダプタ32の種類を確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
さらに、本実施形態の内視鏡装置1は、光学アダプタ32の識別作業を、識別用抵抗101の抵抗値で左右される電圧値を読み取ることで行う構成を採用した。この構成によれば、識別用抵抗101の抵抗値を細かく設定できるので、光学アダプタ32の種類が多くても容易に識別できるように構成することが可能となる。
【0066】
(第5実施形態)
次に、図16及び図17を参照しながら、本発明の第5実施形態の説明を以下に行う。図16は、本実施形態の内視鏡装置の要部を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
また、図17は、同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
なお、以下の説明においては、上記第1実施形態との相違点を中心に説明を行うものとし、上記第1実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0067】
本実施形態は、上記第1実施形態に比較して、光学アダプタ32の判別にメカニカルスイッチを採用した点が特に特徴的となっている。
すなわち、図16に示すように、本実施形態の光学アダプタ32には、これを接続する前記接続部31に向かって突出した識別突起121が設けられている。
一方、内視鏡挿入部3の接続部31(先端部3a)側には、光学アダプタ32を先端部3aに接続した際に識別突起121が当接する識別スイッチ(メカニカルスイッチ)122が、エポキシ樹脂からなるスイッチ支持体123で固定されている。この識別スイッチ122は、同図に示す信号線124を介して前記CCU17に接続されている。なお、同図では識別スイッチ122を1つだけ図示しているが、実際には2つ設けられている。
【0068】
また、本実施形態では、図17に示すように、前記識別回路51として、前記送受信回路52の代わりにスイッチ検出回路132を採用している。このスイッチ検出回路132は、識別スイッチ122のON/OFF信号をCPU18に伝達する役目をなす。識別スイッチ122は2つ設けられているので、それぞれのON/OFF信号の組み合わせで4種類の状態を判別できるが、実際には、そのうちの1つは光学アダプタ32が装着されてない状態であるので、これを差し引いて3種類の光学アダプタ32を識別することが可能となる。
【0069】
したがって、このようにして求められるON/OFF信号の組み合わせは、装着された光学アダプタ32を識別するための識別番号の役目を果たすことができる。したがって、コントロールユニット6側に、ON/OFF信号に対応する光学アダプタ32の種類及びその光学データを予め備えておく(前記外部記憶媒体に備えておく)ことで、前記キャリブレーション処理を行うのに必要な光学データを選定することが可能となる。この後に行われる前記キャリブレーション処理は、上記第1実施形態で説明した流れと略同様である。
【0070】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることが可能となる。したがって、用いる光学アダプタ32の種類を確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
さらに、本実施形態の内視鏡装置1は、光学アダプタ32側に設けるものが識別突起121のみで良いので、容易かつ安価に採用することも可能としている。
【0071】
(第6実施形態)
次に、図18及び図19を参照しながら、本発明の第6実施形態の説明を以下に行う。図18は、本実施形態の内視鏡装置1の要部を示す図であって、前記内視鏡挿入部3の先端部3a、及びこれに装着されている光学アダプタ32を示す断面図である。また、図19は、同内視鏡装置1に備えられている電気回路のブロック図である。
なお、以下の説明においては、上記第1実施形態との相違点を中心に説明を行うものとし、上記第1実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0072】
本実施形態は、上記第1実施形態に比較して、前記識別用ICチップ41及びアンテナ43の組み合わせの代わりに磁石141及びホール素子143の組み合わせを用い、磁石141の強さや極性を求めることで光学アダプタ32の種類を識別するように構成した点が特に特徴的となっている。
【0073】
すなわち、図18に示すように、本実施形態の光学アダプタ32には、非磁性体のエポキシ樹脂からなる支持体142で固定された磁石141が設けられている。
一方、内視鏡挿入部3の接続部31(先端部3a)側には、光学アダプタ32を先端部3aに接続した際に磁石143に対応する位置にホール素子143が固定されている。このホール素子143は、同図に示す接続ケーブル144を介して前記CCU17に接続されている。
【0074】
また、本実施形態では、図19に示すように、前記識別回路51として、前記送受信回路52の代わりに磁束検出回路152を採用している。この磁束検出回路152は、ホール素子143を駆動させ、そこで検出された磁束レベルをCPU18へ送る役目をなす。したがって、光学アダプタ32を接続部31に取り付けると、磁石141が発する磁場により、ホール素子141が検出する磁束密度が変化する。このようにして求められる磁束密度(磁石141の強さや極性)は、装着された光学アダプタ32を識別するための識別番号の役目を果たすことができる。したがって、コントロールユニット6側に、磁束密度に対応する光学アダプタ32の種類及びその光学データを予め備えておく(前記外部記憶媒体に備えておく)ことで、前記キャリブレーション処理を行うのに必要な光学データを選定することが可能となる。この後に行われる前記キャリブレーション処理は、上記第1実施形態で説明した流れと略同様である。
【0075】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることが可能となる。したがって、用いる光学アダプタ32の種類を確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
さらに、本実施形態の内視鏡装置1は、電気接点を用いる必要がないので、容易に組み立てることが可能である。また、非接触で情報を取得できることから、接触式に比較して高い耐久性を確保することも可能としている。
【0076】
(第7実施形態)
次に、図20及び図21を参照しながら、本発明の第7実施形態の説明を以下に行う。図20は、本実施形態の内視鏡装置1の要部を示す図であって、前記内視鏡挿入部3の先端部3a、及びこれに装着されている光学アダプタ32を示す断面図である。また、図21は、同内視鏡装置1に備えられている電気回路のブロック図である。
なお、以下の説明においては、上記第1実施形態との相違点を中心に説明を行うものとし、上記第1実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0077】
本実施形態は、上記第1実施形態に比較して、前記識別用ICチップ41及びアンテナ43の組み合わせの代わりに、文字/画像情報表示部161及び受像素子163の組み合わせを用い、文字/画像情報に基づいて光学アダプタ32の種類を識別するように構成した点が特に特徴的となっている。
【0078】
すなわち、図20に示すように、本実施形態の光学アダプタ32には、細長い棒状の部材の側面に文字/画像情報が書かれた文字/画像情報表示部161が固定部材162で固定されている。
一方、内視鏡挿入部3の接続部31(先端部3a)側には、光学アダプタ32を先端部3aに接続した際に文字/画像情報表示部161に対向する位置にCCD素子等の受像素子163が固定部材164で固定されている。この受像素子163は、同図に示す信号線165を介して前記CCU17に接続されている。
【0079】
また、本実施形態では、図21に示すように、前記識別回路51として、前記送受信回路52の代わりに読み取り制御回路172を採用している。この読み取り制御回路172は、受像素子163と通信し、そこで検出した文字/画像情報をCPU18へ送る役目をなす。したがって、光学アダプタ32を接続部31に取り付けると文字/画像情報表示部161が受像素子163に対向するので、受像素子163が文字/画像情報を読み込んでデジタル信号に変換する。そして、このデジタル信号は信号線165を経由してCPU18に送信される。
【0080】
このようにして求められる文字/画像情報は、装着された光学アダプタ32を識別するための識別番号の役目を果たすことができる。したがって、コントロールユニット6側に、文字/画像情報に対応する光学アダプタ32の種類及びその光学データを予め備えておく(前記外部記憶媒体に備えておく)ことで、前記キャリブレーション処理を行うのに必要な光学データを選定することが可能となる。この後に行われる前記キャリブレーション処理は、上記第1実施形態で説明した流れと略同様である。
【0081】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることが可能となる。したがって、用いる光学アダプタ32の種類を確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
【0082】
(第8実施形態)
次に、図22〜図27を参照しながら、本発明の第8実施形態の説明を以下に行う。図22は、本実施形態の内視鏡装置1の内部構成を示すブロック図である。また、図23は、同内視鏡装置1に備えられている識別部の位置を示す斜視図である。また、図24は、同識別部を示す断面図である。また、図25は、同内視鏡装置1に備えられている電気回路のブロック図である。また、図26は、同内視鏡装置1の要部を示す図であって、前記内視鏡挿入部3の先端部3a、及びこれに装着されている光学アダプタ32を示す断面図である。
なお、以下の説明においては、上記第1実施形態との相違点を中心に説明を行うものとし、上記第1実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0083】
上記第1実施形態〜第7実施形態では、光学アダプタ32から情報を取得する識別部(アンテナ43,内視鏡側接点64,アンテナコイル83,内視鏡側接点104,識別スイッチ122,ホール素子143,受像素子163)を内視鏡挿入部3側に設けるものとしたが、本実施形態では、図22〜図24に示すように本体側(コントロールユニット6側)に設けた点が特に特徴的となっている。
【0084】
すなわち、図23及び図24に示すように、コントロールユニット6のパネル上に識別部200が配置されており、この識別部200に光学アダプタ32が取り付けられた内視鏡挿入部3を差し込んで識別作業を行うようになっている。識別部200は、光学アダプタ32が差し込まれる凹所210と、この凹所210内に備えられたアンテナ203とを備えて構成されている。
アンテナ203は、図24に示すように、凹所210内に挿入された光学アダプタ32の識別用ICチップ201に対応するように配置されている。また、このアンテナ203は、図25に示すように、アンテナ線204を介して前記識別回路51に接続されている。なお、本実施形態では、この識別回路51として前記送受信回路52が用いられている。
【0085】
一方、前記接続部31側には、前記アンテナ43やアンテナ線44が内蔵されていないので、その分、この接続部31を含めて内視鏡挿入部3の外径寸法を細線化することが可能となっている。
【0086】
図26に示すように、光学アダプタ32には、これが用いられる内視鏡装置1に自らの種類を識別させるための前記識別用ICチップ201が一体に内蔵されている。
この識別用ICチップ201は、動作するためのエネルギーを受けるとともに信号の送受信も行うアンテナを有し、なおかつ、データの記憶媒体として128ビットのROMを有するICであり、例えば2.45GHzの高周波信号で動作するようになっている。そして、この識別用ICチップ201は、その周囲をエポキシ樹脂等の非金属物質からなる支持体202に包まれた状態で、光学アダプタ32内に固定されている。支持体202は、前記支持体42と同様に楕円形を有しており、その楕円形の片方の焦点位置付近に識別用ICチップ201が設けられている。
【0087】
上記構成を有する本実施形態の内視鏡装置1は、光学アダプタ32を交換または新たに装着した場合、そのまま光学アダプタ32ごと先端部3aを凹所210内に挿入することで、自動的に前記キャリブレーション処理を行うことができる。
すなわち、凹所210内に光学アダプタ32を挿入した状態で、まずCPU18がID(識別番号)の問い合わせを行うための送信用信号を生成し、これを送受信回路52が高周波変調した後、アンテナ線204を介して識別部200のアンテナ203に送信する。
送信用信号を受けたアンテナ203は、電磁波を識別用ICチップ201に向けて発信するので、この電磁波が識別用ICチップ201に届くことで、CPU18からの指令が伝達される。これによりIDの問い合わせが完了する。
【0088】
そして、CPU18からの光学データ問い合わせを受けた識別用ICチップ201は、IDデータを返信データとして送信する。すなわち、識別用ICチップ201からの送信データは、逆のルートを通って前記送受信回路52に送られる。この送信データは、送受信回路52で復調された後、CPU18に送られることで、IDデータの返信に関する一連の通信が完了する。
【0089】
識別用ICチップ201が保持している光学データも、同様の手順によりCPU18に取り込まれる。すなわち、まずCPU18が光学データの問い合わせを行うための送信用信号を生成し、これを送受信回路52が高周波変調した後、アンテナ線44を介して接続部31のアンテナ203に送信する。
送信用信号を受けたアンテナ203は、電磁波を識別用ICチップ201に向けて発信し、この電磁波が識別用ICチップ201に届くことにより、CPU18からの指令が伝達される。これにより光学データ問い合わせが完了する。
【0090】
そして、CPU18からの光学データ問い合わせを受けた識別用ICチップ201は、光学データを返信データとして送信する。すなわち、識別用ICチップ201からの送信データは、逆のルートを通って前記送受信回路52に送られる。この送信データは、送受信回路52で復調された後、CPU18に送られることで、光学データ返信に関する一連の通信が完了する。
上記ID、光学データの他に読み込むデータがある場合にも、同様の手順により取り込みが行われる。
なお、識別用ICチップ201及びCPU18間でやり取りされる通信データフォーマットは、上記第1実施形態と同様である。
【0091】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、下記の効果を得ることが可能となる。
本実施形態の内視鏡装置1は、その光学アダプタ32が、観察光学系39の光学データを記録した識別用ICチップ201を一体に備えるとともに、コントロールユニット6側に識別部200を備える構成を採用した。この構成によれば、光学アダプタ32の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることができるようになる。したがって、用いる光学アダプタ32の種類を確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
【0092】
すなわち、本実施形態の内視鏡装置1は、用いる光学アダプタ32の光学特性値が光学アダプタ32に付属しているので、コントロールユニット6側に光学アダプタ32の光学データを予め保持しておく必要がない。したがって、識別用ICチップ201さえ備えていれば、どの光学アダプタを持ってきても、光学データの登録や選択を行うキャリブレーション処理が自動的に行われる。ひとたび登録されれば、次回からはIDを検出するだけで対応する環境データを前記RAM20にロードでき、すぐさま計測を実行することが可能となる。
【0093】
また、本実施形態の内視鏡装置1は、識別用ICチップ201及びCPU18間の情報のやり取りを、無線通信により非接触で行う構成を採用した。この構成によれば、電気接点を用いる必要がないので、容易に組み立てることが可能である。また、非接触式であることから、接触式に比較して高い耐久性を確保することも可能としている。
【0094】
(第9実施形態)
次に、図27〜図29を参照しながら、本発明の第9実施形態の説明を以下に行う。図27は、本実施形態の内視鏡装置の要部を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。また、図28は、同内視鏡装置1の光学アダプタを識別部に挿入した状態を示す断面図である。また、図29は、同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
なお、以下の説明においては、上記第8実施形態との相違点を中心に説明を行うものとし、上記第8実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0095】
本実施形態は、上記第8実施形態に比較して、前記識別用ICチップ201及び前記CPU18間の情報のやり取りを、非接触でなくメカニカル接点を用いて行う点が特に特徴的となっている。
すなわち、図27に示すように、本実施形態の識別用ICチップ(以下、前記識別用ICチップ201と区別するために新たな符号211を与えて説明する。
)は、エポキシ樹脂からなる支持体213で固定された一対のIC側接点212を備えている。さらに、この識別用ICチップ211は、その内部にROMやRAMを持ったCPUを積んでおり、コントロールユニット6側の通信回線から供給されたエネルギーを利用して外部と通信を行うとともに、前記キャリブレーション処理に必要な光学情報を外部に供給する役目を有している。
【0096】
一方、本実施形態の識別部200は、図28に示すように、先端部3aに装着された光学アダプタ32が差し込まれる凹所221と、この凹所221内に備えられた第1通信接点222及び第2通信接点223とを備えて構成されている。
凹所221は、コントロールユニット6のパネル面に設けられた穴であり、比較的太い外径寸法の光学アダプタ32を挿入する第1挿入穴221aと、これよりも奥側に位置するとともに細い外径寸法の光学アダプタ32を挿入する第2挿入穴221bとで構成されている。
【0097】
第1挿入穴221a内には、一対の前記第1通信接点222がエポキシ樹脂からなる接点支持体222aで固定されており、太い内視鏡挿入部3に装着された光学アダプタ32を挿入した場合に、識別用ICチップ211の各IC側接点212と当接して導通が取れるようになっている。そして、これら第1通信接点222は、2芯の通信線224を介して前記CCU17に接続されている。
第2挿入穴221b内には、一対の前記第2通信接点223がエポキシ樹脂からなる接点支持体223aで固定されており、細い内視鏡挿入部3に装着された光学アダプタ32を挿入した場合に、識別用ICチップ211の各IC側接点212と当接して導通が取れるようになっている。そして、これら第2通信接点223も、2芯の通信線224を介して前記CCU17に接続されている。
【0098】
また、本実施形態では、図29に示すように、前記識別回路51として、前記送受信回路52の代わりにシリアル通信回路225を採用している。このシリアル通信回路225は、CPU18からの通信信号を、2芯の通信線224を介して各第1通信接点222及び第2通信接点223に送信する。さらに、通信信号は、これら第1通信接点222及び第2通信接点223の何れか一方に接続された各IC側接点212を介して前記識別用ICチップ211へと送信される。一方、識別用ICチップ211からCPU18に向かう通信信号は、逆のルートを通って送信される。
【0099】
上記構成を有する本実施形態の内視鏡装置1は、光学アダプタ32が装着された前記先端部3aを第1挿入穴221aまたは第2挿入穴221bに挿入することで、各IC側接点212が各第1通信接点222または第2通信接点223にメカニカルに接続され、自動的に接続が完了する。この後に行われる前記キャリブレーション処理は、上記第1実施形態で説明した流れと略同様である。
【0100】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、上記第8実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることが可能となる。したがって、用いる光学アダプタ32の種類を確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
さらに、本実施形態の内視鏡装置1は、識別用ICチップ211からCPU18への通信データの読み込みを、各IC側接点212と、各第1通信接点222または第2通信接点223との間の接続を介して行う構成を採用した。この構成によれば、メカニカルな接点を介して通信データの読み込みを行うので、無線式の場合に比較して、比較的大きなICチップを識別用ICチップ211に用いることができるようになる。これにより、光学アダプタ32側に保持させるデータ量を増大させることが可能となっている。
【0101】
(第10実施形態)
次に、図30〜図33を参照しながら、本発明の第10実施形態の説明を以下に行う。図30は、本実施形態の内視鏡装置1の要部を示す図であって、内視鏡挿入部3の先端部3a、及びこれに装着されている光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)を示す断面図である。また、図31は、光学アダプタ32が装着された内視鏡挿入部3を識別部200に挿入した状態を示す断面図である。また、図32は、同内視鏡装置1に備えられている電気回路のブロック図である。また、図33は、同内視鏡装置1の電気回路の電圧を示すグラフであって、横軸が周波数、縦軸が電圧を示している。
なお、以下の説明においては、上記第8実施形態との相違点を中心に説明を行うものとし、上記第8実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0102】
本実施形態は、上記第8実施形態に比較して、前記識別用ICチップ201及び前記アンテナ203の組み合わせの代わりに、高周波コイルの組み合わせを用い、これらを共振させた際に生じる共振周波数の違いにより、装着された光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)を識別するように構成した点が特に特徴的となっている。
【0103】
すなわち、図30に示すように、前記光学アダプタ32内には、前記識別用ICチップ201の代わりに、エポキシ樹脂からなる支持体232で固定されたコイル231が内蔵されている。
一方、本実施形態の識別部200は、図31に示すように、先端部3aに装着された光学アダプタ32が差し込まれる凹所241と、この凹所241内に備えられたアンテナコイル242とを備えて構成されている。
【0104】
凹所241は、コントロールユニット6のパネル面に設けられた穴である。そして、この凹所241内には、光学アダプタ32を挿入した際にコイル231と対応する位置に、前記アンテナコイル242が設けられている。このアンテナコイル242は、同図に示すアンテナ線243を介して前記CCU17に接続されている。
【0105】
また、本実施形態では、図32に示すように、前記識別回路51として、前記送受信回路52の代わりにアンテナ共振回路252を採用している。このアンテナ共振回路252は、CPU18からの指令を受けた場合に所定の周波数でアンテナコイル242を励磁する。同時に、アンテナ共振回路252は、この時の電圧をモニターしてその電圧をCPU18に送り返す。
【0106】
図33に示すように、前記コイル231としてインダクタンスの大きなコイルαを採用した場合には、共振周波数が低くなる。逆に、前記コイル231としてインダクタンスの小さなコイルβを採用した場合には、共振周波数が高くなる。
したがって、この共振周波数の高さに応じて増減する電圧を調べることで、接続した光学アダプタ32の種類を識別することができる。いわゆるディップメータの原理と同じ動作を利用して識別作業を行う。
【0107】
この光学アダプタ32の識別動作について具体例を挙げて説明すると、まず、CPU18が、アンテナ共振回路252に対してアンテナコイル242を例えば0.1MHzで励磁するように指令を出す。すると、アンテナ共振回路252は、アンテナコイル242を0.1MHzで励磁し、その時に発生した電圧をCPU18に送り返す。CPU18は、その電圧を記憶するとともに、今度は0.2MHzで励磁するように指令を出す。この様にして、0.33MHz、0.35MHz、0.7MHz、1MHzと順に700MHzまで励磁周波数を変えながら、各周波数における電圧を記憶していく。
【0108】
続いて、CPU18は、その結果から最も電圧が低くなる周波数を探し出し、共振周波数を特定する。このようにして求められる共振周波数は、装着された光学アダプタ32を識別するための識別番号の役目を果たすことができる。したがって、コントロールユニット6側に、共振周波数に対応する光学アダプタ32の種類及びその光学データを予め備えておく(前記外部記憶媒体に備えておく)ことで、前記キャリブレーション処理を行うのに必要な光学データを選定することが可能となる。この後に行われる前記キャリブレーション処理は、上記第1実施形態で説明した流れと略同様である。
【0109】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、上記第8実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることが可能となる。したがって、用いる光学アダプタ32の種類を確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
さらに、本実施形態の内視鏡装置1は、光学アダプタ32の識別作業を、コイル231及びアンテナコイル242間に生じる共振周波数を読み取ることで行う構成を採用した。この構成によれば、電気接点を用いる必要がなく、光学アダプタ32にコイル231を設けるだけで済むので、容易に組み立てることが可能である。また、非接触で情報を取得できることから、接触式に比較して高い耐久性を確保することも可能としている。
【0110】
(第11実施形態)
次に、図34〜図36を参照しながら、本発明の第11実施形態の説明を以下に行う。図34は、本実施形態の内視鏡装置1の要部を示す図であって、前記内視鏡挿入部3の先端部3a、及びこれに装着されている光学アダプタ32を示す断面図である。また、図35は、光学アダプタ32が装着された内視鏡挿入部3を識別部200に挿入した状態を示す断面図である。また、図36は、同内視鏡装置1に備えられている電気回路のブロック図である。
なお、以下の説明においては、上記第8実施形態との相違点を中心に説明を行うものとし、上記第8実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0111】
本実施形態は、上記第8実施形態に比較して、前記識別用ICチップ41の代わりに抵抗体を用い、その抵抗値を求めることで光学アダプタ32の種類を識別するように構成した点が特に特徴的となっている。
【0112】
すなわち、図34に示すように、前記光学アダプタ32内には、前記識別用ICチップ41の代わりに、識別用抵抗261が内蔵されている。この識別用抵抗261には、エポキシ樹脂からなる支持体263で固められた一対の抵抗側接点262が設けられている。
【0113】
一方、本実施形態の識別部200は、図35に示すように、先端部3aに装着された光学アダプタ32が差し込まれる凹所281と、この凹所281内に備えられた第1通信接点282及び第2通信接点283とを備えて構成されている。
凹所281は、コントロールユニット6のパネル面に設けられた穴であり、比較的太い外径寸法の光学アダプタ32を挿入する第1挿入穴281aと、これよりも奥側に位置するとともに細い外径寸法の光学アダプタ32を挿入する第2挿入穴281bとで構成されている。
【0114】
第1挿入穴281a内には、一対の前記第1通信接点282がエポキシ樹脂からなる接点支持体282aで固定されており、太い内視鏡挿入部3に装着された光学アダプタ32を挿入した場合に、識別用ICチップ261の各IC側接点262と当接して導通が取れるようになっている。そして、これら第1通信接点282は、2芯の通信線284を介して前記CCU17に接続されている。
第2挿入穴281b内には、一対の前記第2通信接点283がエポキシ樹脂からなる接点支持体283aで固定されており、細い内視鏡挿入部3に装着された光学アダプタ32を挿入した場合に、識別用ICチップ261の各IC側接点262と当接して導通が取れるようになっている。そして、これら第2通信接点283も、2芯の通信線284を介して前記CCU17に接続されている。
【0115】
また、本実施形態では、図36に示すように、前記識別回路51として、前記送受信回路52の代わりに抵抗値検出回路252を採用している。この抵抗値検出回路252は、通信線284を介して識別用抵抗261に所定(一定)の電流を流すとともに、その時に生じる電圧値をCPU18へ送る役目を有している。
このようにして求められる電圧値は、装着された光学アダプタ32を識別するための識別番号の役目を果たすことができる。したがって、コントロールユニット6側に、電圧値に対応する光学アダプタ32の種類及びその光学データを予め備えておく(前記外部記憶媒体に備えておく)ことで、前記キャリブレーション処理を行うのに必要な光学データを選定することが可能となる。この後に行われる前記キャリブレーション処理は、上記第8実施形態で説明した流れと略同様である。
【0116】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、上記第8実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることが可能となる。したがって、用いる光学アダプタ32の種類を確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
さらに、本実施形態の内視鏡装置1は、光学アダプタ32の識別作業を、識別用抵抗261の抵抗値によって左右される電圧値を読み取ることで行う構成を採用した。この構成によれば、識別用抵抗261の抵抗値を細かく設定できるので、光学アダプタ32の種類が多くても容易に識別できるように構成することが可能となる。
【0117】
(第12実施形態)
次に、図37〜図39を参照しながら、本発明の第12実施形態の説明を以下に行う。図37は、本実施形態の内視鏡装置1の要部を示す図であって、内視鏡挿入部3の先端部3a、及びこれに装着されている光学アダプタ32を示す断面図である。また、図38は、光学アダプタ32が装着された内視鏡挿入部3を識別部200に挿入した状態を示す断面図である。また、図39は、同内視鏡装置1に備えられている電気回路のブロック図である。
なお、以下の説明においては、上記第8実施形態との相違点を中心に説明を行うものとし、上記第8実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0118】
本実施形態は、上記第8実施形態に比較して、光学アダプタ32の判別にメカニカルスイッチを採用した点が特に特徴的となっている。
すなわち、図37に示すように、本実施形態の光学アダプタ32には、これが挿入される識別部200の内周面に面して第1識別凹部301及び第2識別凹部302が形成されている。
一方、本実施形態の識別部200は、図38に示すように、先端部3aに装着された光学アダプタ32が差し込まれる凹所303と、この凹所303内に備えられた第1識別スイッチ(メカニカルスイッチ)304及び第2識別スイッチ(メカニカルスイッチ)305とを備えて構成されている。
【0119】
凹所303は、コントロールユニット6のパネル面に設けられた穴であり、比較的太い外径寸法の光学アダプタ32を挿入する第1挿入穴303aと、これよりも奥側に位置するとともに細い外径寸法の光学アダプタ32を挿入する第2挿入穴303bとで構成されている。
【0120】
第1挿入穴303a内には、一対の前記第1識別スイッチ304がエポキシ樹脂からなるスイッチ支持体304aで固定されており、太い内視鏡挿入部3に装着された光学アダプタ32を挿入した場合に、第1識別凹部301及び第2識別凹部302が当接するようになっている。そして、これら第1識別スイッチ304は、当接する第1識別凹部301及び第2識別凹部302の凹部深さによりスイッチのON/OFFが決定される。また、第1識別スイッチ304は、同図に示す信号線306を介して前記CCU17に接続されている。
第2挿入穴303b内には、一対の前記第2識別スイッチ305がエポキシ樹脂からなるスイッチ支持体305aで固定されており、細い内視鏡挿入部3に装着された光学アダプタ32を挿入した場合に、第1識別凹部301及び第2識別凹部302が当接するようになっている。そして、これら第2識別スイッチ304も、当接する第1識別凹部301及び第2識別凹部302の凹部深さによりスイッチのON/OFFが決定される。また、これら第2識別スイッチ305も、2芯の通信線306を介して前記CCU17に接続されている。
【0121】
また、本実施形態では、図39に示すように、前記識別回路51として、前記送受信回路52の代わりにスイッチ検出回路312を採用している。このスイッチ検出回路312は、第1識別スイッチ304及び第2識別スイッチ305のON/OFF信号をCPU18に伝達する役目をなす。
これら第1識別スイッチ304及び第2識別スイッチ305は、それぞれ2つづつ設けられているので、ON/OFF信号の組み合わせで4種類の状態を判別できるが、実際には、そのうちの1つは光学アダプタ32が装着されてない状態であるので、これを差し引いて3種類の光学アダプタ32を識別することが可能となる。
【0122】
したがって、このようにして求められるON/OFF信号の組み合わせは、装着された光学アダプタ32を識別するための識別番号の役目を果たすことができる。これにより、コントロールユニット6側に、ON/OFF信号に対応する光学アダプタ32の種類及びその光学データを予め備えておく(前記外部記憶媒体に備えておく)ことで、前記キャリブレーション処理を行うのに必要な光学データを選定することが可能となる。この後に行われる前記キャリブレーション処理は、上記第1実施形態で説明した流れと略同様である。
【0123】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることが可能となる。したがって、用いる光学アダプタ32の種類を確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
さらに、本実施形態の内視鏡装置1は、光学アダプタ32側に第1識別凹部301及び第2識別凹部302を形成するだけで良いので、容易かつ安価に採用することも可能としている。
【0124】
(第13実施形態)
次に、図40〜図42を参照しながら、本発明の第13実施形態の説明を以下に行う。図40は、本実施形態の内視鏡装置1の要部を示す図であって、前記内視鏡挿入部3の先端部3a、及びこれに装着されている光学アダプタ32を示す断面図である。また、図41は、光学アダプタ32が装着された内視鏡挿入部3を識別部200に挿入した状態を示す断面図である。また、図42は、同内視鏡装置1に備えられている電気回路のブロック図である。
なお、以下の説明においては、上記第8実施形態との相違点を中心に説明を行うものとし、上記第8実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0125】
本実施形態は、上記第8実施形態に比較して、前記識別用ICチップ41及びアンテナ43の組み合わせの代わりに磁石311及びホール素子322の組み合わせを用い、磁石311の強さや極性を求めることで光学アダプタ32の種類を識別するように構成した点が特に特徴的となっている。
【0126】
すなわち、図40に示すように、本実施形態の光学アダプタ32には、非磁性体のエポキシ樹脂からなる支持体312で固定された磁石311が設けられている。
一方、本実施形態の識別部200は、図41に示すように、先端部3aに装着された光学アダプタ32が差し込まれる凹所321と、この凹所321内に備えられた前記ホール素子322とを備えて構成されている。
【0127】
凹所321は、コントロールユニット6のパネル面に設けられた穴である。そして、この凹所321内には、光学アダプタ32を挿入した際に磁石311と対応する位置に、前記ホール素子322が設けられている。このホール素子322は、同図に示す接続ケーブル323を介して前記CCU17に接続されている。
【0128】
また、本実施形態では、図42に示すように、前記識別回路51として、前記送受信回路52の代わりに磁束検出回路252を採用している。この磁束検出回路252は、ホール素子322を駆動させ、そこで検出された磁束レベルをCPU18へ送る役目をなす。したがって、光学アダプタ32が取り付けられた接続部31を凹所321内に挿入すると、磁石311が発する磁場により、ホール素子322が検出する磁束密度が変化する。このようにして求められる磁束密度(磁石311の強さや極性)は、装着された光学アダプタ32を識別するための識別番号の役目を果たすことができる。したがって、コントロールユニット6側に、磁束密度に対応する光学アダプタ32の種類及びその光学データを予め備えておく(前記外部記憶媒体に備えておく)ことで、前記キャリブレーション処理を行うのに必要な光学データを選定することが可能となる。この後に行われる前記キャリブレーション処理は、上記第1実施形態で説明した流れと略同様である。
【0129】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、上記第8実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることが可能となる。したがって、用いる光学アダプタ32の種類を確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
さらに、本実施形態の内視鏡装置1は、電気接点を用いる必要がないので、容易に組み立てることが可能である。また、非接触で情報を取得できることから、接触式に比較して高い耐久性を確保することも可能としている。
【0130】
(第14実施形態)
次に、図43〜図45を参照しながら、本発明の第14実施形態の説明を以下に行う。図43は、本実施形態の内視鏡装置1の要部を示す図であって、前記内視鏡挿入部3の先端部3a、及びこれに装着されている光学アダプタ32を示す断面図である。また、図44は、光学アダプタ32が装着された内視鏡挿入部3を識別部200に挿入した状態を示す断面図である。また、図45は、同内視鏡装置1に備えられている電気回路のブロック図である。
なお、以下の説明においては、上記第8実施形態との相違点を中心に説明を行うものとし、上記第8実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0131】
本実施形態は、上記第8実施形態に比較して、前記識別用ICチップ41及びアンテナ43の組み合わせの代わりに、文字/画像情報表示部341及び受像素子362の組み合わせを用い、文字/画像情報に基づいて光学アダプタ32の種類を識別するように構成した点が特に特徴的となっている。
【0132】
すなわち、図43に示すように、本実施形態の光学アダプタ32の側面342には、細長い棒状または平面状の部材の側面に文字/画像情報を書いた文字/画像情報表示部341が固定されている。
一方、本実施形態の識別部200は、図44に示すように、先端部3aに装着された光学アダプタ32が差し込まれる凹所351と、この凹所351内に備えられた前記受像素子362とを備えて構成されている。
【0133】
凹所351は、コントロールユニット6のパネル面に設けられた穴である。そして、この凹所351内には、光学アダプタ32を挿入した際に文字/画像表示部341と対応する位置に、前記受像素子362が設けられている。この受像素子362は、同図に示す信号線363を介して前記CCU17に接続されている。
【0134】
また、本実施形態では、図45に示すように、前記識別回路51として、前記送受信回路52の代わりに読み取り制御回路372を採用している。この読み取り制御回路372は、受像素子362と通信し、そこで検出した文字/画像情報をCPU18へ送る役目をなす。したがって、光学アダプタ32が取り付けられた接続部31を凹所351内に挿入すると、文字/画像情報表示部341が受像素子362に対向するので、受像素子362が文字/画像情報を読み込んでデジタル信号に変換する。そして、このデジタル信号は信号線363を経由してCPU18に送信される。
【0135】
このようにして求められる文字/画像情報は、装着された光学アダプタ32を識別するための識別番号の役目を果たすことができる。したがって、コントロールユニット6側に、文字/画像情報に対応する光学アダプタ32の種類及びその光学データを予め備えておく(前記外部記憶媒体に備えておく)ことで、前記キャリブレーション処理を行うのに必要な光学データを選定することが可能となる。この後に行われる前記キャリブレーション処理は、上記第1実施形態で説明した流れと略同様である。
【0136】
以上説明の本実施形態の内視鏡装置1によれば、上記第8実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。すなわち、光学アダプタ32(ステレオ計測用光学アダプタ2)の識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることが可能となる。したがって、用いる光学アダプタ32の種類を確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となっている。
さらに、本実施形態の内視鏡装置1は、電気接点を用いる必要がないので、容易に組み立てることが可能である。また、非接触で情報を取得できることから、接触式に比較して高い耐久性を確保することも可能としている。
【0137】
なお、上記第1実施形態から第14実施形態の内視鏡においては、内視鏡挿入部3の先端の撮像素子としてCCD36を用いたが、これに限定されるものではなく、C−MOSイメージセンサーを用いるものとしても良い。さらには、光ファイバーを束ねたもので受光部を構成しても良い。
また、光学アダプタ32のID(識別番号)のみを光学アダプタ32から読み込むとともに、このIDに対応する光学データをコントロールユニット6に取り込むに際し、この光学データの読み込みを、上記各実施形態では前記外部記憶媒体から読み込むものとした。しかしながら、この外部記憶媒体に限らず、コントロールユニット6内にハードディスクドライブを備え、これに予め光学データを備えておくものとしても良い。さらには、インターネットなどの通信回線を介してコントロールユニット6内に光学データを取り込むようにしても良い。
【0138】
【発明の効果】
本発明の光学アダプタは、自らを識別するための情報または光学特性情報の少なくとも一方の情報が一体に備えられている構成を採用した。この構成によれば、光学アダプタの識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることができるようになる。したがって、用いる光学アダプタを確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となる。
【0139】
また、本発明の内視鏡装置は、光学アダプタが、自らを識別するための情報または光学特性情報の少なくとも一方の情報を備えるとともに、内視鏡挿入部の先端に、読み込み部を備える構成を採用した。この構成によれば、光学アダプタの識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることができるようになる。したがって、用いる光学アダプタを確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となる。
【0140】
また、本発明の内視鏡装置は、光学アダプタが、自らを識別するための情報または光学特性情報の少なくとも一方の情報を備えるとともに、本体が、読み込み部を備える構成を採用した。この構成によれば、光学アダプタの識別作業を、ユーザーの確認動作を要することなく自動化させることができるようになる。したがって、用いる光学アダプタを確実に識別してユーザーの誤操作を防ぐことが可能となる。
【0141】
また、本発明の内視鏡装置は、前記光学アダプタから前記読み込み部への前記情報の読み込みを、無線通信を介して行う構成を採用した。この構成によれば、電気接点を用いる必要がなく、読み込み部側に受信アンテナを設けるだけで済むので、容易に組み立てることが可能である。また、非接触で情報を取得できることから、接触式に比較して高い耐久性を確保することも可能としている。
【0142】
また、本発明の内視鏡装置は、前記光学アダプタから前記読み込み部への前記情報の読み込みが、これらに設けられた各接続端子間の接続を介して行う構成を採用した。この構成によれば、前記情報を記録する手段として例えばICチップを用いる場合、メカニカルな接点を介して情報の読み込みを行うので、比較的大きなICチップを用いることができ、光学アダプタに保持させる情報量を増大させることが可能となる。
【0143】
また、前記光学アダプタから前記読み込み部への前記情報の読み込みが、これらに設けられた各コイル間の共振周波数を読み取ることで行う構成を採用した。この構成によれば、電気接点を用いる必要がなく、コイルを設けるだけで済むので、容易に組み立てることが可能である。また、非接触で情報を取得できることから、接触式に比較して高い耐久性を確保することも可能としている。
【0144】
また、前記光学アダプタから前記読み込み部への情報の読み込みを、光学アダプタ側に設けられた抵抗体の電気抵抗値を読み取ることで行う構成を採用した。この構成によれば、光学アダプタの種類が多くても容易に識別することが可能となる。
【0145】
また、前記光学アダプタから前記読み込み部への前記情報の読み込みを、光学アダプタ側に形成された凹凸形状を読み取ることで行う構成を採用した。この構成によれば、光学アダプタ側は凹凸形状を加工するだけでよいので、容易かつ安価に実施することが可能となる。
【0146】
また、前記光学アダプタから前記読み込み部への前記情報の読み込みが、光学アダプタ側に設けられた磁性体の磁束レベルを読み取ることで行う構成を採用した。この構成によれば、光学アダプタの種類が多くても容易に識別することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の内視鏡装置の第1実施形態を示す図であって、全体構成を示す斜視図である。
【図2】 同内視鏡装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】 同内視鏡装置に備えられている内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図4】 同内視鏡挿入部の先端部分及び光学アダプタを別の断面で見た場合の断面図である。
【図5】 同内視鏡挿入部の先端部分及び光学アダプタ間の接合面を示す図であって、図4のA−A矢視図である。
【図6】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【図7】 同内視鏡装置に備えられているCPU及び識別用ICチップ間の通信データの受け渡しを説明するための説明図である。
【図8】 同CPU及び識別用ICチップ間で受け渡される通信データのフォーマットを示す図である。
【図9】 本発明の内視鏡装置の第2実施形態を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図10】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【図11】 本発明の内視鏡装置の第3実施形態を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図12】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【図13】 同内視鏡装置の電気回路の電圧を示すグラフであって、横軸が周波数、縦軸が電圧を示している。
【図14】 本発明の内視鏡装置の第4実施形態を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図15】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【図16】 本発明の内視鏡装置の第5実施形態を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図17】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【図18】 本発明の内視鏡装置の第6実施形態を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図19】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【図20】 本発明の内視鏡装置の第7実施形態を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図21】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【図22】 本発明の内視鏡装置の第8実施形態を示す図であって、内部構成を示すブロック図である。
【図23】 同内視鏡装置に備えられている識別部の位置を示す斜視図である。
【図24】 同内視鏡装置の識別部を示す断面図である。
【図25】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【図26】 同内視鏡装置に備えられている内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図27】 本発明の内視鏡装置の第9実施形態を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図28】 同内視鏡装置の光学アダプタを識別部に挿入した状態を示す断面図である。
【図29】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【図30】 本発明の内視鏡装置の第10実施形態を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図31】 同内視鏡装置の光学アダプタを識別部に挿入した状態を示す断面図である。
【図32】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【図33】 同内視鏡装置の電気回路の電圧を示すグラフであって、横軸が周波数、縦軸が電圧を示している。
【図34】 本発明の内視鏡装置の第11実施形態を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図35】 同内視鏡装置の光学アダプタを識別部に挿入した状態を示す断面図である。
【図36】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【図37】 本発明の内視鏡装置の第12実施形態を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図38】 同内視鏡装置の光学アダプタを識別部に挿入した状態を示す断面図である。
【図39】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【図40】 本発明の内視鏡装置の第13実施形態を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図41】 同内視鏡装置の光学アダプタを識別部に挿入した状態を示す断面図である。
【図42】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【図43】 本発明の内視鏡装置の第14実施形態を示す図であって、内視鏡挿入部の先端部分、及びこれに装着されている光学アダプタを示す断面図である。
【図44】 同内視鏡装置の光学アダプタを識別部に挿入した状態を示す断面図である。
【図45】 同内視鏡装置に備えられている電気回路のブロック図である。
【符号の説明】
1・・・内視鏡装置
2・・・ステレオ計測用光学アダプタ(光学アダプタ)
3・・・内視鏡挿入部
3a・・・先端部(先端)
32・・・光学アダプタ
36・・・CCD(受光部)
43,203・・・アンテナ(読み込み部)
62・・・IC側接点(光学アダプタ側に設けられた接続端子)
64・・・内視鏡側接点(読み込み部、読み込み部側に設けられた接続端子)
81,231・・・コイル(光学アダプタ側に設けられたコイル)
83,242・・・アンテナコイル(読み込み部、読み込み部側に設けられたコイル)
101,262・・・識別用抵抗(抵抗体)
104・・・内視鏡側接点(読み込み部)
121・・・識別突起(凹凸形状)
122・・・識別スイッチ(読み込み部)
141,311・・・磁石(磁性体)
163,362・・・受像素子(読み込み部)
212・・・IC側接点(光学アダプタ側に設けられた接続端子)
222・・・第1通信接点(読み込み部、読み込み部側に設けられた接続端子)
223・・・第2通信接点(読み込み部、読み込み部側に設けられた接続端子)
282・・・第1通信接点(読み込み部)
283・・・第2通信接点(読み込み部)
304・・・第1識別スイッチ(読み込み部)
305・・・第2識別スイッチ(読み込み部)

Claims (4)

  1. 先端に受光部を有する内視鏡挿入部と、前記先端に着脱可能に取り付けられ、前記受光部に対して画像を結像させる光学系を有する光学アダプタとを備えた内視鏡装置において、
    前記光学アダプタが、この光学アダプタを識別するための情報及び光学特性情報を備え、
    前記内視鏡挿入部の先端に、前記情報を取得する読み込み部が備えられ、
    前記光学アダプタと前記読み込み部との間で所定の通信手順に基づいて信号を送受信するための送受信部と、
    前記光学アダプタから転送された前記識別情報および前記光学特性情報を対応させて記憶する記憶部と、
    前記光学アダプタを通じて取得される光学像の画像情報に対して、前記内視鏡装置に接続された前記光学アダプタに固有の前記光学特性情報に基づき、前記光学アダプタの前記光学系による歪曲収差の補正を施して計測処理を行う演算処理部と、
    少なくとも前記送受信部と前記記憶部とのそれぞれの動作を制御する制御部と、
    をさらに備え、
    前記送受信部は、
    前記光学アダプタを識別するための情報である識別情報を受信した後に、前記光学特性情報を受信可能であり、
    前記識別情報を受信した後に、前記識別情報に対応する光学特性情報の問い合わせ要求に基づいて前記光学アダプタに対して前記光学特性情報の問い合わせを行い、
    前記演算処理部は、前記計測処理にあたって前記制御部に対して前記光学特性情報の参照要求を送信し、
    前記制御部は、
    前記参照要求に基づいて前記記憶部に対して、前記内視鏡装置に装着されている前記光学アダプタから送信された前記識別情報に対応する前記光学特性情報を参照し、
    前記記憶部において前記参照が可能な前記光学特性情報がある場合には前記記憶部に記憶された前記光学特性情報を前記演算処理部に送信し、前記記憶部において前記参照が可能な前記光学特性情報が無い場合には前記送受信部を介して前記光学アダプタから前記光学特性情報を受信して前記演算処理部に送信する、
    ことを特徴とする内視鏡装置。
  2. 本体と、該本体に接続されるとともに先端に受光部を有する内視鏡挿入部と、前記先端に着脱可能に取り付けられ、前記受光部に対して画像を結像させる光学系を有する光学アダプタとを備えた内視鏡装置において、
    前記光学アダプタが、この光学アダプタを識別するための情報及び光学特性情報を備え、
    前記本体が、前記光学アダプタから前記情報を取得する読み込み部を備え
    前記光学アダプタと前記読み込み部との間で所定の通信手順に基づいて信号を送受信するための送受信部と、
    前記光学アダプタから転送された前記識別情報および前記光学特性情報を対応させて記憶する記憶部と、
    前記光学アダプタを通じて取得される光学像の画像情報に対して、前記内視鏡装置に接続された前記光学アダプタに固有の前記光学特性情報に基づき、前記光学アダプタの前記光学系による歪曲収差の補正を施して計測処理を行う演算処理部と、
    少なくとも前記送受信部と前記記憶部とのそれぞれの動作を制御する制御部と、
    をさらに備え、
    前記送受信部は、
    前記光学アダプタを識別するための情報である識別情報を受信した後に、前記光学特性情報を受信可能であり、
    前記識別情報を受信した後に、前記識別情報に対応する光学特性情報の問い合わせ要求に基づいて前記光学アダプタに対して前記光学特性情報の問い合わせを行い、
    前記演算処理部は、前記計測処理にあたって前記制御部に対して前記光学特性情報の参照要求を送信し、
    前記制御部は、
    前記参照要求に基づいて前記記憶部に対して、前記内視鏡装置に装着されている前記光学アダプタから送信された前記識別情報に対応する前記光学特性情報を参照し、
    前記記憶部において前記参照が可能な前記光学特性情報がある場合には前記記憶部に記憶された前記光学特性情報を前記演算処理部に送信し、前記記憶部において前記参照が可能な前記光学特性情報が無い場合には前記送受信部を介して前記光学アダプタから前記光学特性情報を受信して前記演算処理部に送信する、
    ことを特徴とする内視鏡装置。
  3. 請求項または請求項に記載の内視鏡装置において、
    前記光学アダプタから前記読み込み部への前記情報の読み込みが、無線通信を介して行われることを特徴とする内視鏡装置。
  4. 請求項または請求項に記載の内視鏡装置において、
    前記光学アダプタから前記読み込み部への前記情報の読み込みが、前記光学アダプタ側に設けられた接続端子と、前記読み込み部側に設けられた接続端子との接続を介して行われることを特徴とする内視鏡装置。
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