JP4562906B2 - ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体及びその製造方法並びにトラクションドライブ用流体 - Google Patents

ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体及びその製造方法並びにトラクションドライブ用流体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体製造方法関する。さらに詳しくは、特に、高温でのトラクション係数が高く、かつ低温粘度特性に優れ、トラクションドライブ用流体として有用な新規なビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体経済的かつ効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車や各種産業機械における無段変速式動力伝達に使用されるトラクションドライブ装置の駆動用潤滑剤には、トラクションドライブ用流体が用いられている。
このトラクションドライブ用流体に要求されるトラクション係数は、一般に トラクションドライブ装置の大きさに依存すると言われており、小型、軽量のトラクションドライブ装置の開発が進むにつれ、より高いトラクション係数を有するトラクションドライブ用流体が求められている。
【0003】
例えば、自動車用トラクション式CVT(無段変速機)では、トルク伝達容量が大きく、小型であるため、それに用いるトラクションドライブ用流体としては、使用温度範囲で最低値となる高温(例えば、140℃付近)でのトラクションオイルのトラクション係数がCVTの設計値よりも十分に高いことが必須である。
【0004】
また,トラクションドライブ用流体としては、トラクション係数が高いこと以外にも種々の性能が求められる。
例えば、寒冷地においても優れた始動性を保つために、−40℃においても、例えば20万mPa・s以下の低い粘度であることが要求される。
一方、高温で使用した場合でも、基油の揮発が抑制され、十分な油膜が保持される必要がある。
【0005】
上記の性能のうち、特に高温でのトラクション係数を高くすることと低温での粘度を低くすることとは相反する性能で、両方を満足するトラクションオイルの開発が望まれてはいたものの、その開発は非常に困難を窮めた。このような背景のもとに、本発明者らは鋭意研究を実施し、高温トラクション係数に優れる化合物群を見出したが(特公平7−103387号公報)、低温粘度特性に関しては必ずしも充分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたもので、高温でのトラクション係数が高く、かつ低温粘度特性に優れ、トラクションドライブ用流体として有用な新規な化合物及びかかる化合物を経済的かつ効率的に製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体がトラクションドライブ用流体として特に優れた性能を示すこと、また特定の原料と特定の反応条件とにより上記ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を経済的かつ効率的に製造できることを見出した。
【0010】
本発明は、以上の知見に基づき完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
〔1〕2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−メチレン−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンから選ばれる1種又は2種以上のビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合物を、酸触媒の存在下60℃以下で二量化し、生成した二量体を、水素化触媒の存在下170〜280℃で水素化することからなるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法であって、
該ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体が、exo−2−メチル−exo−3−メチル−endo−2−〔(endo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと、exo−2−メチル−exo−3−メチル−endo−2−〔(endo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物、及びendo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(endo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−endo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(endo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−endo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物から選ばれる1又は2以上の混合物からなるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体であるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法
〔2〕2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−メチレン−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンから選ばれる1種又は2種以上のビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合物を、酸触媒の存在下60℃以下で二量化し、生成した二量体を、水素化触媒の存在下220〜280℃で水素化することからなるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法であって、
該ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体が、exo−2−メチル−exo−3−メチル−endo−2−〔(endo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、exo−2−メチル−exo−3−メチル−endo−2−〔(endo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及びendo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物からなるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体であるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法
の製造方法。
〔3〕2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−メチレン−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンから選ばれる1種又は2種以上のビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合物を、酸触媒の存在下60℃以下で二量化し、生成した二量体を、水素化触媒の存在下170〜220℃で水素化することからなるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法であって、
該ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体が、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(endo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−endo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、及びendo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(endo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−endo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物からなるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体であるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法
]酸触媒がルイス酸である前記〔〕〜〔〕のいずれかに記載のビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体、その誘導体の製造方法及びトラクションドライブ用流体について詳細に説明する。
1.ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体
本発明は、特定の構造を有するビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体であり、具体的にはexo−2−メチル−exo−3−メチル−endo−2−〔(endo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、exo−2−メチル−exo−3−メチル−endo−2−〔(endo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(endo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−endo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、及びendo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(endo−2−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−endo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンから選ばれた1又は2以上のビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体である。
これらの化合物は、それぞれ下記の(I)〜(VI)の化学構造式で表される。
【0012】
【化1】
Figure 0004562906
【0013】
これらのビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体は、高温でのトラクション係数が高く、かつ低温粘度特性に優れており、寒冷地から高温地帯まで、全世界でトラクションドライブ用流体(トラクションCVT用潤滑剤)として有効に利用することができる。また、トラクションCVTを一層小型化する上で、極めて利用価値の高い化合物である。
【0014】
また、これらの化合物は、いずれも後述する一般式(VII)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体に含まれるものであり、以下に述べるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法において、同時に又は、製造条件を一部変更することによって同様にして製造される。
また、これらの化合物の化学構造は、マスクロマトグラム、 1H−NMR、13C−NMR、13C−13C−NMR、 1H−13C−NMRの各スペクトログラムの解析によって特定される。
【0015】
これらの化合物は、単独であっても、任意の2以上の混合物であってもよい。
これらの化合物の混合物としては、例えば、性状が極めて近似しているため混合物として製造、入手することが容易なものとして、式(I)と(II)、式(III)と(IV)及び式(V)と(VI)との各2種の化合物の混合物が挙げられる。
また、一つの製造条件で効率的に得られるものとして、例えば、式(I)から(IV)、及び式(III)から(VI)の各化合物の4種の混合物が挙げられる。さらに、式(I)から(VI)の混合物も同様である。
上記各混合物の混合割合は任意であり、あらゆる混合割合のものを挙げることができる。
【0016】
2.ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法
本発明は、原料となる2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−メチレン−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンから選ばれた1種又は2種以上のビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合物を、酸触媒の存在下60℃以下で二量化し、生成した二量体を、水素化触媒の存在下170〜280℃で水素化することにより、上記式(I)から(VI)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の混合物を主成分とするビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を製造する方法である。
【0017】
本発明においては、上記の製造条件で、さらに条件を選択することにより異性化反応を制御し、式(I)から(VI)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の任意の割合の混合物を得ることができる。
例えば、上記の方法で二量体を製造した後、水素化触媒の存在下220〜280℃で水素化することにより、上記式(I)から(IV)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の混合物を主成分とするビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を効率的に製造できる。
【0018】
また、上記の方法で,水素化触媒の存在下170〜220℃で水素化することにより、上記式(III)から(VI)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の混合物を主成分とするビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を効率的に製造できる。
【0019】
ここで原料として用いる2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンには、exo−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンとendo−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンが存在し、また、3−メチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンは、exo−3−メチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンとendo−3−メチル−2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンが存在し、これらのいずれであってもよい。
【0020】
また、これら2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−メチレン−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの原料化合物のうち2種以上を混合して用いる場合の混合割合は特に制限はなく、あらゆる混合割合で使用できる。なかでも、これら3者を混合した原料化合物を使用することが好ましい。
【0021】
本発明では、まず、原料化合物を酸性触媒の存在下で二量化する。酸性触媒としては、フッ化水素酸,ポリリン酸等の鉱酸類、トリフリック酸等の有機酸、塩化アルミニウム,塩化第二鉄,四塩化スズ,四塩化チタン,三フッ化ホウ素,三フッ化ホウ素錯体,三臭化ホウ素,臭化アルミニウム,塩化ガリウム,臭化ガリウム等のルイス酸、トリエチルアルミニウム,塩化ジエチルアルミニウム,二塩化エチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物などを挙げることができる。
【0022】
これらの触媒の中で、より低い温度で二量化することができる点で、三フッ化ホウ素,三フッ化ホウ素錯体,四塩化スズ,四塩化チタン,塩化アルミニウムなどのルイス酸触媒が好ましい。なかでも、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体,三フッ化ホウ素水錯体,三フッ化ホウ素アルコール錯体などの三フッ化ホウ素錯体が更に好ましい。
【0023】
これらの触媒の使用量としては、特に制限はないが、通常は原料オレフィンに対して0.1〜100質量%、好ましくは0.5〜20質量%の範囲である。
この二量化反応では、溶媒は必ずしも必要としないが、反応時の原料オレフィンや触媒の取り扱い上あるいは反応の進行を調節する上で用いてもよい。このような溶媒としては、各種ペンタン,各種ヘキサン,各種オクタン,各種ノナン,各種デカン等の飽和炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン,デカリン等の脂環式炭化水素、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、塩化メチレン,ジクロルエタン等のハロゲン含有化合物、ニトロメタン,ニトロベンゼン等のニトロ化合物などを挙げることができる。
【0024】
この二量化反応は、通常、60℃以下、好ましくは40℃以下の反応温度で行う。反応温度が60℃を超えると、反応生成物である二量体が立体的に異性化することがあり、異性化反応を抑えるためにはより低温で二量化を行うのが好ましい。一方、二量化下限温度としては、反応が進行する限り特に限定されないが、経済的には、−70℃以上が好ましく、−30℃以上が更に好ましい。
【0025】
二量化反応の反応圧力については、反応温度、触媒の種類、溶媒の有無又は用いる種類により適切な条件が設定されるが、通常常圧が好ましい。また、反応時間としては、通常0.5〜10時間の範囲が好ましい。
本発明では、このようにして得られた二量体を、通常水素化触媒の存在下で水素化する。
【0026】
この水素化触媒としては、通常担体に金属成分を担持したもの用いることができる。具体的にはケイソウ土,アルミナ,シリカアルミナ,活性炭などの無機酸化物担体に、周期律表の第8〜10族元素、例えば、ニッケル,ルテニウム,パラジウム,白金,ロジウム,イリジウムなどの金属を担持した水素化触媒が挙げられる。これらのなかでも、生成物の選択性の点から、ニッケル/ケイソウ土,ニッケル/シリカアルミナ等のニッケル系触媒が好ましい。また、必要により水素化反応の助触媒としてゼオライト,シリカアルミナ,活性白土等の固体酸を使用してもよい。
【0027】
特に、本発明のビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を製造する上では、水素化触媒としてニッケル/ケイソウ土触媒を用いるのが好ましい。
この触媒の使用割合は、前記二量化生成物に対して0.1〜100質量%、好ましくは1〜20質量%の範囲で使用する。
【0028】
また、この水素化反応は、前記二量化反応と同様に、無溶媒下でも進行するが、溶媒を用いることが好ましく、好ましい溶媒としては、各種ペンタン,各種ヘキサン,各種オクタン,各種ノナン,各種デカン等の飽和炭化水素やシクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン,デカリン等の脂環式炭化水素などを挙げることができる。
【0029】
水素化反応の反応温度としては、前述のように170〜280℃が好ましく,180〜270℃がより好ましい。反応温度が170℃未満であると、異性化反応が十分起こらず、生成物の粘度指数が低下して目的物を得られないことがあり,一方、反応温度が280℃より高いと、分解反応が起こりはじめ生成物の収率が下がることがある。ここで、反応温度を220〜280℃、より好ましくは230〜270℃で水素化反応をすれば、式(I)から(IV)で表される化学構造の化合物を収率良く製造でき、反応温度を170〜220℃、より好ましくは180〜220℃の範囲で水素化反応を行えば、式(III)〜(VI)で表される化学構造の化合物を収率良く製造できる。
【0030】
また、水素化反応の反応圧力については、特に制限はないが、常圧から20MPa(G)、好ましくは常圧から10MPa(G)の範囲で行う。また水素圧としては、0.5〜9MPa(G)とするのが好ましく、1〜8MPa(G)とするのがさらに好ましい。また、反応時間は、通常1〜10時間である。
このようにして得られる前記式(I)から(VI)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体は、高温でのトラクション係数が高く、かつ低温粘度特性に優れており、寒冷地から高温地帯まで、全世界でトラクションドライブCVT油として利用することができる。
【0031】
3.トラクションドライブ用流体
本発明のトラクションドライブ用流体は、上述したビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体、すなわち、式(I)から(VI)で表される立体構造を有するビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を少なくとも一つを含有するトラクションドライブ用流体である。さらに、本発明のトラクションドライブ用流体は、次の(1)から(7)の物性を有する合成油である。
(1)合成油の数平均分子量が、210以上、好ましくは215〜290である。数平均分子量が210未満であると、高温で使用する際に揮発量が多くなることがあり好ましくない。
(2)合成油の40℃における動粘度が、10〜25mm2 /s、好ましくは12〜24mm2 /sである。40℃における動粘度が、10mm2 /s未満であると、高温で粘度が低くなり過ぎて十分な潤滑油膜厚が得られなくなる恐れがある。一方、25mm2 /sを超えると、−40℃における低温粘度が高くなり、寒冷地で使用した場合にトラクションドライブ装置が始動しにくくなる。
(3)合成油の粘度指数が、60以上、好ましくは65以上である。粘度指数が60未満であると、−40℃における低温粘度が高くなり、寒冷地で使用した場合にトラクションドライブ装置が始動しにくくなる。
(4)合成油の流動点が、−40℃以下、好ましくは−45℃以下である。流動点が−40℃より高いと、寒冷地で使用した場合にトラクションドライブ装置が始動しにくくなる。
(5)−40℃における低温粘度が、150,000mPa・s以下、好ましくは130,000mPa・s以下である。−40℃における低温粘度が150,000mPa・sを超えると寒冷地で使用した場合にトラクションドライブ装置が始動しにくくなる。
(6)合成油の20℃における密度が、0.93g/cm3 以上、好ましくは0.93 〜1.50g/cm3 である。20℃における密度が0.93g/cm3 未満であると、高温におけるトラクション係数が低くなることがある。
(7)合成油の140℃におけるトラクション係数が、2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンの値の90%以上、好ましくは2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンの値以上である。140℃におけるトラクション係数が2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンの値の90%未満であると、140℃でのトルク伝達容量が十分でなくなる恐れがある。
【0032】
本発明の合成油を構成する化合物は、式(I)から(VI)で表される立体構造を有するビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を含有するが、その含有量割合としては、(1)から(7)の物性を満足すれば特に制限はないが、通常、合成油を基準に20質量%以上、さらには50質量%以上、特に70質量%以上であることが好ましい。
【0033】
また、上記式(I)から(VI)で表される立体構造を有するビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体以外であって、本発明の合成油を構成してもよい化合物としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合物、ビシクロ[3.2.1]オクタン環化合物、ビシクロ[3.3.0]オクタン環化合物、ビシクロ[2.2.2]オクタン環化合物から選ばれる少なくとも一種の脂環化合物の二量体の水素化物が好ましい化合物として挙げることができる。
【0034】
これらの化合物のなかでも、下記の一般式(VII)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合物の二量体の水素化物(但し、式(I)から(VI)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を除く)が更に好ましい。この化合物は、式(I)から(VI)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体とは立体構造が異なる異性体であり、式(I) から(VI)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を製造する際、副生物として得られる場合がある。
【0035】
【化2】
Figure 0004562906
【0036】
(式中、R1 及びR2 はそれぞれ水素原子あるいは炭素数1〜3のアルキル基を示し、R3 は側鎖にメチル基、エチル基が置換していてもよいメチレン基、エチレン基又はトリメチレン基を示し、nは0又は1を示し、p及びqはそれぞれ1〜3の整数を示す。)
上記一般式(VII)で表される水素化物は、原料となるオレフィンを二量化し、水素化し、次いで蒸留して製造することができる。
【0037】
上記の原料となるオレフィンとしては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のアルケニル置換ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;メチレン置換、エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のアルキリデン置換ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等のアルケニル置換ビシクロ[2.2.1]ヘプタン;メチレン置換、エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等のアルキリデン置換ビシクロ[2.2.1]ヘプタン;ビシクロ[3.2.1]オクテン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ[3.2.1]オクテン等のアルケニル置換ビシクロ[3.2.1]オクテン;メチレン置換、エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ[3.2.1]オクテン等のアルキリデン置換ビシクロ[3.2.1]オクテン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ[3.2.1]オクタン等のアルケニル置換ビシクロ[3.2.1]オクタン;メチレン置換、エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ[3.2.1]オクタン等のアルキリデン置換ビシクロ[3.2.1]オクタン;ビシクロ[3.3.0]オクテン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ[3.3.0]オクテン等のアルケニル置換ビシクロ[3.3.0]オクテン;メチレン置換、エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ[3.3.0]オクテン等のアルキリデン置換ビシクロ[3.3.0]オクテン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ[3.3.0]オクタン等のアルケニル置換ビシクロ[3.3.0]オクタン;メチレン置換、エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ[3.3.0]オクタン等のアルキリデン置換ビシクロ[3.3.0]オクタン;ビシクロ[2.2.2]オクテン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ[2.2.2]オクテン等のアルケニル置換ビシクロ[2.2.2]オクテン;メチレン置換、エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ[2.2.2]オクテン等のアルキリデン置換ビシクロ[2.2.2]オクテン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ[2.2.2]オクタン等のアルケニル置換ビシクロ[2.2.2]オクタン;メチレン置換、エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ[2.2.2]オクタン等のアルキリデン置換ビシクロ[2.2.2]オクタンなどを挙げることができる。
【0038】
なかでも、前記の一般式(VII)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合物の二量体の水素化物を得るには、対応する原料オレフィン性環化合物として、具体的には、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;2−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタン;2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン;2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;2−メチレン−7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン;2,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;2−メチレン−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン;2,5−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;2−メチレン−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン;2,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;2−メチレン−1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン;1,2−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;2−メチレン−4−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン;2,4−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;2−メチレン−3,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン;2,3,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;2−メチレン−3,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン;2−メチレン−3,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン;2,3,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;2−メチレン−3−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン;2−メチル−3−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどを挙げることができる。
【0039】
なお、前記の二量化とは、同種のオレフィンの二量化のみならず、異種の複数のオレフィンの共二量化をも意味する。
上述のオレフィンの二量化反応は、通常触媒の存在下で必要に応じて溶媒を添加して行う。
この二量化反応に用いる触媒としては、通常、酸性触媒が使用される。具体的な酸触媒としては、前記式(I)から(VI)で表される立体構造を有するビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を製造する際に用いたものと同様なものを用いることができる。また、触媒の使用量、反応条件についても同様である。
【0040】
次いで得られた二量体を水素化触媒の存在下で水素化する。この水素化触媒としては、前記式(I)から(VI)で表される立体構造を有するビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を製造する際に用いたものと同様なものを用いることができる。また、触媒の使用量、水素化反応における溶媒の使用についても同様である。
【0041】
水素化反応の反応温度としては、特に制限はなく、通常100〜300℃、好ましくは200〜300℃、特に好ましくは220〜280℃である。反応温度が100℃未満では、粘度指数が不十分な化合物が生成されることがあり、反応温度が300℃を超えると、生成物が分解し収率が低下することがある。
水素化反応の反応圧力については、前記式(I)から(VI)で表される立体構造を有するビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を製造する際の反応圧力と同様である。
【0042】
本発明の式(I)から(VI)で表される立体構造を有するビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体以外の化合物としては、さらに、分子中にシクロヘキシル基又はデカリル基のいずれかを少なくとも2個以上有する化合物が挙げられる。この化合物の代表例としては、例えば、2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタン、2,4−ジシクロヘキシルペンタン、1,3−ジシクロヘキシル−3−メチルブタンなどが挙げられる。
【0043】
本発明では、前記の(1)〜(7)の物性を満足する合成油をトラクションドライブ用流体の基油として使用するが、(1)〜(7)の物性の範囲から逸脱しないように、該合成油にさらに他の液状物を混合して使用してもよい。例えば、高温トラクション係数を損なわない程度にポリα−オレフィン油(PAO),ジエステル等の低粘度基油を混合したり、低温粘度を損なわない程度に脂環化合物系のトラクション基油,ジシクロペンタジエン系水添石油樹脂等の高温トラクション係数改良基材を混合することができる。なお、その混合する液状物の量は、最終合成油を基準に15質量%以下とすることが好ましい。
【0044】
また、上記の合成油を主成分とする基油に、必要により酸化防止剤,防錆剤,清浄分散剤,流動点降下剤,粘度指数向上剤,極圧剤,耐摩耗剤,油性剤,消泡剤,腐食防止剤などの各種添加剤を適量配合することができる。
【0045】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例になんら制限されるものではない。
〔実施例1〕
(原料オレフィンの調製)
2リットルのステンレス製オートクレーブに、クロトンアルデヒド561g(8モル)及びジシクロペンタジエン352g(2.67モル)を仕込み、170℃で3時間攪拌して反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、ラネーニッケル触媒〔川研ファインケミカル社製;M−300T〕18gを加え、水素圧0.9MPa(G)、反応温度150℃で4時間水素化を行った。冷却後、触媒を濾別した後、濾液を減圧蒸留し、105℃/2.67kPa(20mmHg)留分565gを得た。この留分をマススペクトル,核磁気共鳴スペクトルで分析した結果、この留分は2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び3−ヒドロキシメチル−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンであることが確認された。
【0046】
次いで、外径20mm,長さ500mmの石英ガラス製流通式常圧反応管に、γ−アルミナ〔日揮化学社製,N612N〕20gを入れ、反応温度285℃,重量空間速度(WHSV)1.1hr-1で脱水反応を行い、2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンと3−メチレン−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン55質量%及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン30質量%を含有する2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンと3−ヒドロキシメチル−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの脱水反応生成物490gを得た。
【0047】
(二量体水素化物の調製)
1リットルの四つ口フラスコに三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体8g、及び上記で得たオレフィン化合物400gを入れ、メカニカルスターラーを用いて攪拌しながら、20℃で4時間二量化反応を行った。この反応混合物を希NaOH水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、1リットルオートクレーブに水素化用ニッケル/ケイソウ土触媒〔日揮化学社製,N−113〕12gを加え、水素圧3MPa(G),反応温度250℃、反応時間6時間の条件で水素化反応を行った。
反応終了後、濾過により触媒を除き、濾液を減圧で蒸留することにより、目的とする二量体水素化物240gを得た。この二量体水素化物の一般性状及びトラクション係数の測定結果を第1表に示す。
【0048】
この二量体水素化物を、理論段数120段の回転バンド式蒸留装置にて2回精密蒸留分離することにより、149.2℃/0.67kPa(5mmHg)成分(A成分)1gを得た。A成分を分析したところ、純度98質量%のexo−2−メチル−exo−3−メチル−endo−2−〔(endo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとexo−2−メチル−exo−3−メチル−endo−2−〔(endo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンであることがわかった。A成分の構造式は前記式(I),(II)に示した通りである。
【0049】
この構造解析で使用した、マスクロマトグラム、 1H−NMR、13C−NMR、13C−13C−NMR、 1H−13C−NMRの各スペクトログラムを図1〜5に示す。
また、上記と同様に精密蒸留分離することにより、133.6℃/0.27kPa(2mmHg)成分(B成分)1gを得た。B成分を分析したところ、純度99質量%のendo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとendo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンであることがわかった。
B成分の構造式は前記式(III),(IV)に示した通りである。
【0050】
この構造解析で使用した、マスクロマトグラム、 1H−NMR、13C−NMR、13C−13C−NMR、 1H−13C−NMRの各スペクトログラムを図6〜10に示す。
なお、実施例1で調製した二量体水素化物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、A成分20質量%、B成分60質量%を含有していた。
【0051】
〔実施例2〕
実施例1の精密蒸留で得られた、A成分65質量%、B成分25質量%含有する留分の一般性状及びトラクション係数の測定結果を第1表に示す。
【0052】
〔実施例3〕
実施例1において、水素化反応を、250℃、6時間で実施した代わりに200℃、2時間で実施したこと以外は同様にして二量体の水素化物240gを得た。この二量体水素化物を、理論段数120段の回転バンド式蒸留装置にて2回精密蒸留分離することにより、前記のB成分1gを得た。
【0053】
また、上記と同様に精密蒸留分離することにより、138.6℃/0.27kPa(2mmHg)成分(C成分)1gを得た。C成分を分析したところ、純度100質量%のendo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(endo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−endo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとendo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(endo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−endo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンであることがわかった。C成分の構造式は前記式(V),(VI)に示した通りである。
【0054】
この構造解析で使用した、マスクロマトグラム、 1H−NMR、13C−NMR、13C−13C−NMR、 1H−13C−NMRの各スペクトログラムを図11〜15に示す。
なお、実施例3で調製した二量体水素化物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、B成分45質量%、C成分45質量%を含有していた。
【0055】
〔実施例4〕
実施例3の精密蒸留で得られた、B成分88質量%、C成分10質量%を含有する留分の一般性状及びトラクション係数の測定結果を第1表に示す。
【0056】
〔実施例5〕
実施例1において、二量化反応の触媒を、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体8gの代わりに、四塩化スズ32gを用いたこと以外は同様にして二量体の水素化物140gを得た。この二量体水素化物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、A成分20質量%、B成分60質量%を含有しており、その一般性状及びトラクション係数の測定結果を第1表に示す。
【0057】
〔比較例1〕
実施例1において、水素化反応を250℃、6時間実施した代わりに、160℃、4時間で実施したこと以外は同様にして二量体の水素化物240g得た。この二量体水素化物をマススペクトル,核磁気共鳴スペクトルで分析した結果、前記式(VII)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体であることがわかった。その一般性状及びトラクション係数の測定結果を第1表に示す。
【0058】
〔比較例2〕
1リットルのステンレス製オートクレーブに、クロトンアルデヒド350.5g(5モル)及びジシクロペンタジエン198.3g(1.5モル)を仕込み、170℃で2時間攪拌して反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、5%ルテニウム−カーボン触媒〔NEケムキャット社製〕22gを加え、水素圧7MPa(G)、反応温度180℃で4時間水素化を行った。冷却後、触媒を濾別した後、濾液を減圧蒸留し、70℃/0.12kPa(0.9mmHg)留分242gを得た。この留分をマススペクトル,核磁気共鳴スペクトルで分析した結果、この留分は2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンと3−ヒドロキシメチル−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンであることが確認された。
【0059】
次いで、外径20mm,長さ500mmの石英ガラス製流通式常圧反応管に、γ−アルミナ〔日化精工社製,ノートンアルミナSA−6273〕15gを入れ、反応温度270℃,重量空間速度(WHSV)1.07hr-1で脱水反応を行い、2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンと3−メチレン−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン65質量%及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン28質量%を含有する2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンと3−ヒドロキシメチル−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの脱水反応生成物196gを得た。
【0060】
(二量体水素化物の調製)
500ミリリットルの四つ口フラスコに活性白土〔水澤化学社製;ガレオンアースNS〕9.5g及び上記で得たオレフィン化合物190gを入れ、145℃で3時間攪拌して二量化反応を行った。この反応混合物から活性白土を濾過した後、1リットルオートクレーブに水素化用ニッケル/ケイソウ土触媒〔日揮化学社製,N−113〕6gを加え、水素圧4MPa(G),反応温度160℃,反応時間4時間の条件で水素化反応を行った。反応終了後、濾過により触媒を除き、濾液を減圧で蒸留することにより、沸点126〜128℃/0.03kPa(0.2mmHg)留分の二量体水素化物116gを得た。この二量体水素化物をマススペクトル,核磁気共鳴スペクトルで分析した結果、前記式(VII)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体であることがわかった。その一般性状及びトラクション係数の測定結果を第1表に示す。
【0061】
〔比較例3〕
実施例1において、二量化反応の触媒を、三フッ化ホウ素ジエチルエ−テル錯体8gの代わりに、116%ポリリン酸20gを用い、二量化反応を、20℃で実施した代わりに、100℃で実施したこと以外は同様にして二量体の水素化物280g得た。この二量体水素化物をマススペクトル,核磁気共鳴スペクトルで分析した結果、前記式(VII)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体であることがわかった。その一般性状及びトラクション係数の測定結果を第1表に示す。
【0062】
なお、上記の実施例及び比較例におけるトラクション係数の測定は、二円筒摩擦試験機にて行った。すなわち、接している同じサイズの円筒(直径52mm、厚さ6mmで被駆動側は曲率半径10mmのタイコ型、駆動側はクラウニングなしのフラット型)の一方を一定速度で、他方の回転速度を連続的に変化させ、両円筒の接触部分に錘により98.0Nの荷重を与えて、両円筒間に発生する接線力、即ちトラクション力を測定し、トラクション係数を求めた。この円筒は軸受鋼SUJ−2鏡面仕上げでできており、平均周速6.8m/s、最大ヘルツ接触圧は1.23Gpaであった。また、流体温度(油温)140℃でのトラクション係数を測定するにあたっては、油タンクをヒーターで加熱することにより、油温を40℃から140℃まで昇温させ、すべり率5%におけるトラクション係数を求めた。
【0063】
【表1】
Figure 0004562906
【0064】
【表2】
Figure 0004562906
【0065】
【発明の効果】
本発明は新規化合物であるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を提供する。また、本発明の製造方法により、前記ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を経済的かつ効率的な製造できる。また、本発明のビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体又は、トラクションドライブ用流体は、特に、高温でのトラクション係数が高く、かつ低温粘度特性に優れており、寒冷地から高温地まで全世界でトラクションドライブCVT油として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】:A成分のマスクロマトグラム
【図2】:A成分の 1H−NMRスペクトログラム
【図3】:A成分の13C−NMRスペクトログラム
【図4】:A成分の13C−13C二次元NMRスペクトログラム
【図5】:A成分の 1H−13C二次元NMRスペクトログラム
【図6】:B成分のマスクロマトグラム
【図7】:B成分の 1H−NMRスペクトログラム
【図8】:B成分の13C−NMRスペクトログラム
【図9】:B成分の13C−13C二次元NMRスペクトログラム
【図10】:B成分の 1H−13C二次元NMRスペクトログラム
【図11】:C成分のマスクロマトグラム
【図12】:C成分の 1H−NMRスペクトログラム
【図13】:C成分の13C−NMRスペクトログラム
【図14】:C成分の13C−13C二次元NMRスペクトログラム
【図15】:C成分の 1H−13C二次元NMRスペクトログラム

Claims (4)

  1. 2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−メチレン−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンから選ばれる1種又は2種以上のビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合物を、酸触媒の存在下60℃以下で二量化し、生成した二量体を、水素化触媒の存在下170〜280℃で水素化することからなるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法であって、
    該ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体が、exo−2−メチル−exo−3−メチル−endo−2−〔(endo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと、exo−2−メチル−exo−3−メチル−endo−2−〔(endo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物、及びendo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(endo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−endo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(endo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−endo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物から選ばれる1又は2以上の混合物からなるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体であるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法
  2. 2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−メチレン−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンから選ばれる1種又は2種以上のビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合物を、酸触媒の存在下60℃以下で二量化し、生成した二量体を、水素化触媒の存在下220〜280℃で水素化することからなるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法であって、
    該ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体が、exo−2−メチル−exo−3−メチル−endo−2−〔(endo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、exo−2−メチル−exo−3−メチル−endo−2−〔(endo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及びendo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物からなるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体であるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法
    の製造方法。
  3. 2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−メチレン−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンから選ばれる1種又は2種以上のビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合物を、酸触媒の存在下60℃以下で二量化し、生成した二量体を、水素化触媒の存在下170〜220℃で水素化することからなるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法であって、
    該ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体が、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(exo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−exo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、endo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(endo−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−endo−2−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、及びendo−2−メチル−exo−3−メチル−exo−2−〔(endo−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−endo−3−イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物からなるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体であるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法
  4. 酸触媒がルイス酸である請求項1〜のいずれかに記載のビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体の製造方法。
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