JP4561122B2 - 有機薄膜発光トランジスタの製造方法 - Google Patents

有機薄膜発光トランジスタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機物を用いた有機薄膜トランジスタの有機薄膜層中に、有機エレクトロルミネッセント材料からなる発光層を設け、トランジスタのスイッチング動作により発光のON/OFFが制御される有機薄膜発光トランジスタの製造方法に関するものである。
薄膜トランジスタ(TFT)は表示装置用のスイッチング素子として広く用いられている。従来、TFTはアモルファスや多結晶のシリコンを用いて作成されていた。しかしこうしたシリコンを用いたTFTの作成に用いられるCVD装置は非常に高額であり、TFTを用いた表示装置などの大型化は製造コストの大幅な増加を伴うという問題点があった。またアモルファスや多結晶のシリコンを成膜するプロセスは極めて高い温度で行われるため、基板として使用可能な材料が限られており、軽量な樹脂基板等が使用できないといった制限があった。こうした問題点を解決する手段として有機物を用いたTFTが提唱されている。有機物でTFTを形成する際に用いる成膜方法である真空蒸着法や塗布法等は、大型化が容易で安価に実現可能であると共に、そのプロセス温度が低いことから基板として用いる材料を選択する際の制限が少ないといった利点を有しており、有機物を用いたTFTの実用化が期待されている。実際、近年有機物を用いたTFTは盛んに報告されるようになり、多くの報告例がある(例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12、非特許文献13、非特許文献14、非特許文献15、特許文献1参照)。TFTの有機化合物層に用いる有機物としては、共役系ポリマーやチオフェンなどの多量体(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)、あるいは金属フタロシアニン化合物(例えば、特許文献7参照)、またペンタセンなどの縮合芳香族炭化水素(例えば、特許文献8、特許文献9参照)などが単体あるいは他の化合物との混合物の状態で用いられている。
このような有機TFTには、キャリアが横方向に移動する横型とキャリアが縦方向に移動する縦型とがある。図8、図9は、それぞれ従来の横型有機TFT、縦型有機TFTの構造を示す断面図である。横型有機TFTは、図8に示すように、基板1上にゲート電極である第3の電極4を設け、その上にゲート絶縁膜13を介して第1の電極2と第2の電極3を配し、その両電極間に活性層となる有機半導体層5を設けたものである。また、縦型有機TFTは、図9に示すように、基板1上に形成された第1の電極2上に第1の有機半導体層5−1を形成し、その上に第3の電極4を配置した後、第2の有機半導体層5−2を形成し、その上に第2の電極3を形成したものである。
こうした有機物を用いたトランジスタの有機薄膜層中に、有機エレクトロルミネッセント材料からなる発光層を設け、トランジスタのスイッチング動作により発光のON/OFFが制御される有機薄膜発光トランジスタは、無機TFTと有機エレクトロルミネッセント(EL)素子を組み合わせた場合に比べ、一貫した有機薄膜成膜プロセス中でTFTと発光部の両方を形成することができることからプロセスの単純化が可能で低コスト化が期待でき、薄型自発光表示装置用の発光素子として有望である。例えば、特許文献10には、静電誘導型TFT構造の有機TFTの有機半導体層と発光層を同一の化合物で構成した有機薄膜発光トランジスタが開示されている。また、特許文献11には、横型MOS構造の有機TFTの有機半導体層に発光層の機能付与した有機薄膜発光トランジスタが開示されている。
図10は、静電誘導型TFT構造の有機半導体層と発光層とを異なる化合物で構成した従来の有機薄膜発光トランジスタの構成を示す断面図である。この従来の有機薄膜発光トランジスタは、図9に示される縦型有機TFTの第2の有機半導体層5−2と第2の電極3との間に有機材料からなる発光層9を配したものである。
このように盛んに研究が続けられている有機TFTおよび有機薄膜発光トランジスタのうちキャリアが有機薄膜の膜厚方向に移動する縦型有機TFT構造を有するもの(例えば、特許文献12、特許文献13、非特許文献14参照)は、従来多く用いられて来た図8に示す構造に代表されるような有機薄膜の面方向にキャリアが移動するタイプのTFT素子と比較してチャネル長が短いことから高速応答性に優れているという特徴を有している。縦型有機TFTのうち静電誘導型トランジスタ(SIT)構造を有するトランジスタは、従来、図9に示すように、ゲート電極(第3の電極4)が埋設された有機半導体層をソース電極(第1の電極2)およびドレイン電極(第2の電極3)にて挟み込んだ構造を有していた。この構造はソース電極の一部がゲート電極と相対する配置となり、ソース電極のうちゲート電極と対向した部分が有効に働かないばかりかゲート−ソース間の漏れ電流が大きく、トランジスタのon/off比を低下させる原因となっていた。また、図9の構造を作成するためには第1の有機半導体層を作成した後にその上にゲート電極を作製しなければならず、有機半導体層に用いる材料の耐熱性が低いことによりゲート電極およびゲート電極を包む絶縁膜を作成するための材料、プロセスが大きく制限されるという問題点があった。適切なゲート電極材料が選択できない、或いは十分な絶縁性を有するゲート絶縁膜が作成できないために、トランジスタのon/off比は低いままとなっており、十分な性能の有機薄膜発光トランジスタは得られていなかった。これを解決する手段としてゲート電極と有機半導体層とが接する界面を全て絶縁層により覆う方法が、提案されている(例えば、特許文献14参照)。しかし、ゲート電極と有機半導体層の間に設けられる絶縁体層を形成する際、ゲート電極に用いる金属が酸化されることで絶縁体層を形成する金属である場合以外はゲート電極部に選択的に絶縁体層を形成することができないため、不必要な箇所に形成された絶縁体層により有効なソース電極面積が減少、素子に注入できる電流が低下し、最大輝度が低下するという問題点があった。
また、従来のSIT構造を用いて有機薄膜発光トランジスタを形成すると、図10に示されるように、発光層において生じた光やその背面電極(第2の電極3)での反射光がゲート電極により遮蔽されるために、その一部しか外部に取り出せず発光効率が低下するという問題点があった。これを解決する手法としてはゲート電極として光透過性の導電体を用いる方法が考えられるが、光透過性の導電体は形成時のプロセス温度が高いために成膜時に有機半導体層の劣化が避けられず十分な性能が得られていなかった。
特開2003−101104号公報 特開平8−228034号公報 特開平8−228035号公報 特開平9−232589号公報 特開平10−125924号公報 特開平10−190001号公報 特開2000−174277号公報 特開平5−55568号公報 特開2001−94107号公報 特開2003−187983号公報 特開2003−282256号公報 特開2003−124472号公報 特開2003−115624号公報 特開2003−209122号公報 F. Ebisawa ら,Journal of Applied Physics,54巻,3255頁,1983年 A. Assadi ら,Applied Physics Letter,53巻,195頁,1988年 G. Guillaud ら,Chemical Physics Letter,167巻,503頁,1990年 X. Peng ら,Applied Physics Letter,57巻,2013頁,1990年 G. Horowitz ら, Synthetic Metals, 41−43巻,1127頁,1991年 S. Miyauchi ら,Synthetic Metals,41−43巻,1991年 H. Fuchigami ら,Applied Physics Letter,63巻,1372頁,1993年 H. Koezuka ら,Applied Physics Letter,62巻,1794頁,1993年 F. Garnier ら,Science,265巻,1684頁,1994年 A. R. Brown ら,Synthetic Metals,68巻,65頁,1994年 A. Dodabalapur ら,Science,268巻,270頁,1995年 T. Sumimoto ら,Synthetic Metals,86巻,2259頁,1997年 K. Kudo ら,Thin Solid Films,331巻,51頁,1998年 K. Kudo ら,Synthetic Metals,102巻,900頁,1999年 K. Kudo ら,Synthetic Metals,111−112巻,11頁、2000年
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決することであって、その目的は、第1に、ゲート電極により発光層の出射光が遮光されることがないようにすることである。第2に、ソース−ゲート間のリーク電流を低減できるようにしてトランジスタのon/off比の増大を図ることである。第3に、ゲート電極の周囲に不必要な絶縁膜が形成されることがないようにして有効なソース電極面積が減少することがないようにすることである。第4に、有機膜の形成途中に無機膜の形成工程が挿入されることがないようにすることである。第5に、有機膜上において高温での成膜工程を行わなくてもよいようにすることである。
上記の目的を達成するため、本発明によれば、互いに離れた第1の電極および第2の電極と、これらに接し挟持される少なくとも発光層および有機半導体層を含む有機薄膜層と、第1および第2の電極の両方から離れて前記有機半導体層中に存在する光透過性を有する導電体からなる第3の電極を有し、第3の電極に印加される電圧により第1、第2の電極間に流れる電流を制御する静電誘導型トランジスタ構造を備え、前記第3の電極と前記有機半導体層とが、前記第3の電極の底面下に形成された第1の絶縁体層、前記第3の電極の上表面上に形成された第2の絶縁体層、および、前記第3の電極の側面を被覆する第3の絶縁体層により分離されると共に、第1の電極と第3の電極との間が第3の電極と同一パターンに形成された第1の絶縁体層により満たされている有機薄膜発光トランジスタの製造方法であって、
(1)第1の電極となる第1の導電体層上に第1の絶縁体層、第3の導電体層および第2の絶縁体層を順次堆積する工程と、
(2)前記第2の絶縁体層、第3の導電体層および第1の絶縁体層をパターニングして前記第1、第2の絶縁体層に挟まれた第3の電極を形成する工程と、
(3)前記第3の電極側面を被覆する第3の絶縁体層を形成する工程と、
(4)前記第1の電極上および前記第2の絶縁体層上を覆う有機半導体層を堆積する工程と、
を有することを特徴とする有機薄膜発光トランジスタの製造方法、が提供される。
本発明によれば、ゲート電極となる第3の電極が光透過性を有する導電体層から形成されていることにより、発光層で生じた光や第2の電極からの反射光がゲート電極により遮光されることがなくなり、高効率な発光が実現できる。そして、ソース電極となる第1の電極と第3の電極との間が絶縁体層により満たされ、かつ、第3の電極と有機半導体層とが絶縁膜により分離されている構造とすることにより、ゲート−ソース間でのもれ電流が抑制され、高いon/off比が実現される。
また、本発明によれば、有機薄膜層を形成する前にゲート電極を形成することができるため、光透過性を有する導電体および絶縁体層の形成プロセスの選択自由度は大きく上昇し、ゲート電極、ゲート絶縁膜および有機薄膜層を高品質に形成することが可能となり、高効率、高性能な有機薄膜発光トランジスタが得られる。またこうしてゲート電極およびゲート絶縁膜を有機薄膜層成膜前に形成しておくことで、有機薄膜層を1回の成膜プロセスによって形成することができ、これにより有機薄膜層が複雑な工程で形成されることによる素子性能の不安定化を防止でき、安定性の高い素子を得ることができる。また、第1の絶縁体層や第2の絶縁体層を第3の電極と同一パターンに形成することにより、絶縁体層の形成面積を最小限に留めることが可能になり、有効なソース電極面積が減少させることがなくなり、高輝度の有機薄膜発光トランジスタを提供することができる。
発明を実施するため最良の形態
以下、本発明の有機薄膜発光トランジスタの製造方法について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法により製造された有機薄膜発光トランジスタの第1の構造を示す断面図である。図1示されるように、基板1上には第1の電極2が形成され、その上には、第1の絶縁物層6、第3の電極4および第2の絶縁物層7からなる積層体が形成されており、この積層体の側面には第3の絶縁物層8が形成されている。この積層体を覆うように有機半導体層5が形成されており、有機半導体層5の上には、有機材料からなる発光層9と第2の電極3とが形成されている。
図2は、本発明の製造方法により製造された有機薄膜発光トランジスタの第2の構造を示す断面図である。図2において、図1に示される第1の構造の部分と同等の部分には同一の参照符号を付し重複する説明は省略する(他の構造についても同様である)。本構造の、第1の構造と相違する点は、第3の絶縁物層8が第3の電極4の側面のみに形成されている点である。
図3は、本発明の参考例の有機薄膜発光トランジスタの構造を示す断面図である。本参考例の、図2に示される第2の構造と相違する点は、第2の絶縁物層7が除去され、第3の絶縁物層8が第3の電極4の側面および上表面の全体を被覆するように形成されている点である。
図4は、本発明の製造方法により製造された有機薄膜発光トランジスタの第3の構造を示す断面図である。本構造の、図1に示される第1の構造と相違する点は、発光層9と第2の電極3との間に電子輸送層10が挿入されている点である。
図5は、本発明の製造方法により製造された有機薄膜発光トランジスタの第4の構造を示す断面図である。本構造の、図4に示される第構造と相違する点は、有機半導体層5と発光層9との間に正孔輸送層11が挿入され、発光層9と電子輸送層10の間に正孔ブロッキング層12が挿入されている点である。
この第構造から電子輸送層10と正孔ブロッキング層12を省略することができる。
また、電子輸送層10に代えて電子注入層を用いてもよい。あるいは、電子輸送層10に加えて電子注入層を形成してもよい。あるいは、電子注入と電子輸送の両方の機能を備えた電子輸送・注入層を用いてもよい。
また、正孔輸送層11に代えて正孔注入層を用いてもよい。あるいは、正孔輸送層11に加えて正孔注入層を形成してもよい。あるいは、正孔注入と正孔輸送の両方の機能を備えた正孔輸送・注入層を用いてもよい。
また、正孔ブロッキング層12に代えて、再結合により形成される励起子を発光層中に閉じ込めるための励起子ブロッキング層を用いてもよい。あるいは、正孔ブロッキング層11に加えて励起子ブロッキング層を形成してもよい。あるいは、正孔ブロッキングと励起子ブロッキングの両方の機能を備えた正孔・励起子ブロッキング層を用いてもよい。
次に、図6(a)〜図7(f)を参照して、図1に示した有機薄膜発光トランジスタの第1の構造の製造方法について説明する。まず、基板1上にITOなどの導電性材料を堆積して第1の電極2を形成する〔図6(a)〕。次に、絶縁材料を堆積して第1の絶縁物層6を形成し〔図6(b)〕、続いてITOなどの光透過性導電材料を堆積して電極材料層4aを形成し、さらに絶縁材料を堆積して第2の絶縁物層7を形成する〔図6(c)〕。次に、第2の絶縁物層7、電極材料層4aおよび第1の絶縁物層6をフォトリソグラフィ法とRIEなどによりパターニングして、絶縁物層に挟まれた第3の電極4を形成する〔図6(d)〕。次いで、絶縁材料の堆積と異方性RIEなどにより、第3の電極4等の側面に第3の絶縁物層8を形成する〔図7(e)〕。続いて、有機半導体層5と発光層9と第2の電極3を順次堆積し、パターニングして第1の構造の有機薄膜発光トランジスタを得る〔図7(f)〕。
図7(e)に示される第3の絶縁物層8の形成工程において、絶縁材料の堆積と異方性エッチングを行う方法に代えて、堆積物の放射方向に対して基板面を傾けて堆積を行う斜方真空蒸着や斜方スパッタリングを行うこともできる。この際に基板を回転させるようにしてもよい。また、斜方真空蒸着や斜方スパッタリングを行う前に、第1の電極2上や第2の絶縁物層7上にリフトオフ用の薄膜を形成しておき、絶縁物層の堆積後にリフトオフ用薄膜を除去するようにしてもよい。
図7(e′)は、図2に示される第2の構造の製造方法を説明するための断面図である。図6(d)までの工程が完了した後、電着溶液内に浸漬し、対向電極を陰極、第3の電極4を陽極として電着を行って、第3の絶縁物層8を形成する。その後の工程は、第1の構造の場合と同様である。
基板1は、光透過性のあるものであれば無機、有機を問わずいかなる材料のものにより形成されたものであってもよい。
本発明の第1、第2の電極に用いられる材料としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫(NESA)、金、銀、白金、銅、インジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金等の金属や合金の他、導電性ポリマーなどの有機材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また本発明の第3の電極に用いられる光透過性を有する導電体としては前述のITOおよびNESAの他、酸化インジウム亜鉛(IZO)などが挙げられるが、透過率70%以上の十分な光透過性と十分な導電性を有していればこれに限定されるものではない。また、本発明の第1〜3の絶縁体層に用いられる材料としては、SiO、SiNx、アルミナ等の無機絶縁体や絶縁性ポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の有機薄膜層中の有機半導体層に用いられる有機半導体材料は、通常有機薄膜トランジスタに用いられる材料であれば、どのようなものでも用いることができる。例えば、一般式[化1]〜[化7]であらわされる化合物や置換または無置換の炭素数14〜34の芳香族炭化水素などが例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004561122
(式中、 R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基を表す。またR1〜R6は、それらのうちの2つで環を形成していてもよい。また、L1は置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基を表す。nは1〜3の整数であり、mは0〜2で表される整数である。Mは(n+m)価の金属イオンを表す。)
Figure 0004561122
(式中、 R〜R18はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基を表す。またR〜R18は、それらのうちの隣り合う2つで環を形成していてもよい。また、Lは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアルケニレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基、置換若しくは無置換のアラルキレン基を表す。lは0または1の値を取る数である。また、sは1〜2の整数である。Mは(s+1)価の金属イオンを表す。)
Figure 0004561122
(式中、 R19〜R40はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基を表す。またR19〜R40は、それらのうちの隣り合う2つで環を形成していてもよい。また、Ar〜Arは置換若しくは無置換の炭素数6〜20の芳香族炭化水素を表す。tは0〜3の値を取る整数である。)
Figure 0004561122
(式中、 R41〜R56はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基を表す。またR41〜R56は、それらのうちの隣り合う2つで環を形成していてもよい。)
Figure 0004561122
(式中、 R57〜R62はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基を表す。またR57〜R62は、それらのうちの隣り合う2つで環を形成していてもよい。)
Figure 0004561122
(式中、 R63〜R80はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基を表す。またR63〜R80は、それらのうちの隣り合う2つで環を形成していてもよい。)
Figure 0004561122
(式中、Ar〜Arはそれぞれ独立に炭素数6から20の置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基あるいは置換もしくは無置換の芳香族複素環基である。また、Ar〜Arが有する置換基は互いに結合して環を形成してもよい。またXは炭素数6から34の置換もしくは無置換の縮合芳香族炭化水素からなる1〜4価の基である。nは1〜4の整数を表す。)
各一般式ついてR〜R80はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基を表す。またR〜R80は、それらのうちの隣り合う2つで環を形成していてもよい。
nは1〜3の整数であり、mは0〜2で表される整数である。lは0または1の値を取る数である。また、sは1〜2の整数である。tは0〜3の値を取る整数である。Mは(n+m)価あるいは(s+1)価の金属イオンを表す。
Xは炭素数6から34の置換もしくは無置換の芳香族炭化水素からなる1〜4価の基である。炭素数6から34の無置換の芳香族炭化水素基の例としてはベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニレン、フルオレン、フェナンスレン、ナフタセン、トリフェニレン、ピレン、ジベンゾ[cd,jk]ピレン、ペリレン、ベンゾ[a]ペリレン、ジベンゾ[a,j]ペリレン、ジベンゾ[a,o]ペリレン、ペンタセン、テトラベンゾ[de,hi,op,st]ペンタセン、テトラフェニレン、テリレン、ビスアンスレン、9,9’−スピロビフルオレンが挙げられる。これらの芳香族炭化水素が有する置換基としてはハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基が挙げられる。
Ar〜Arはそれぞれ独立に炭素数6から20の置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基である。炭素数6から20の無置換の芳香族炭化水素基の例としてはフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスレニル基、ピレニル基、ペリレニル基等が挙げられる。前記の炭素数6から20の芳香族炭化水素基の有する置換基としてはハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基が挙げられる。
炭素数14〜34の縮合芳香族炭化水素の例としてはアントラセン、フェナンスレン、ナフタセン、ペンタセン、ピレン、クリセン、ピセン、ペンタフェン、ヘキサセン、ペリレン、ベンゾ[a]ペリレン、ジベンゾ[a,j]ペリレン、ジベンゾ[a,o]ペリレン、テリレン、ビスアンスレン、ピランスレン、テトラベンゾ[de,hi,op,st]ペンタセン、コロネン等が挙げられる。これらの縮合芳香族炭化水素が有する置換基としてはハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基が挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。前記の置換若しくは無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、2,3−ジヨードt−ブチル基等が挙げられる。前記の置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基の例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−イル基、m−ターフェニル−イル基、トリル基、p−t−ブチルフェニル基、4''−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基等が挙げられる。また、前記の置換若しくは無置換の芳香族複素環基としてはピロリル基、ピラジニル基、インドリル基、イソインドリル基、フリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、カルバゾリル基、フェナンスリジニル基、アクリジニル基、フェナンスロリン−2−イル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、オキサゾリル基、フラザニル基、チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、4−t−ブチル1−インドリル基、等が挙げられる。前記の置換若しくは無置換のアミノ基は−NXと表され、 X、 Xの例としてはそれぞれ独立に、水素原子あるいは前述の置換若しくは無置換のアルキル基、前述の置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基が挙げられる。
前記の置換若しくは無置換のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、1−メチルビニル基、スチリル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2−ジフェニルビニル基、フェニルアリル基、シクロヘキシリデンメチン基等が挙げられる。前記の置換若しくは無置換のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。前記の置換若しくは無置換のアルコキシ基は、−OYで表される基であり、Yの例としては前述の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられる。また前記の置換若しくは無置換のアラルキル基としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、p−メチルベンジル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基等が挙げられる。前記の置換若しくは無置換のアリールオキシ基は、−OZと表され、Zとしては前述の置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基あるいは前述の置換若しくは無置換の芳香族複素環基が挙げられる。前記の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基は−COOYと表され、Yとしては前述の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられる。Mで表される金属原子の例としてはアルミニウム、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、セリウム、コバルト、銅、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、水銀、インジウム、ランタン、マグネシウム、モリブデン、ニオブ、アンチモン、スカンジウム、スズ、タンタル、トリウム、チタニウム、ウラン、タングステン、ジルコニウム、バナジウム、亜鉛等が挙げられる。
本発明の有機半導体層に用いられる化合物の具体例を下記[化8]〜[化62]に挙げるが特にこれに限定されるものではない。
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本発明の発光層に用いる化合物としては通常、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層に用いられるものであればどのようなものでも用いることができる。例えば、前記の[化8]、[化22]の他、1,3−ビス(p−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾールイル)フェニル(OXD−7)[化63]、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(BPPC)[化64]、1,4ビス(p−トリル−p−メチルスチリルフェニル)ナフタレン[化65]などである。
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また、電荷輸送材料に蛍光材料をドープした層を発光材料として用いることもできる。例えば、前記のAlq3[化8]などのキノリノール金属錯体に4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)[化66]、2,3−キナクリドン[化67]などのキナクリドン誘導体、3−(2’−ベンゾチアゾール)−7−ジエチルアミノクマリン[化68]などのクマリン誘導体をドープした層、あるいは電子輸送材料ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリン)−4−フェニルフェノール−アルミニウム錯体[化69]にペリレン[化70]等の縮合多環芳香族をドープした層、あるいは正孔輸送材料4,4’−ビス(m−トリルフェニルアミノ)ビフェニル (TPD)[化71]にルブレン[化72]等をドープした層等を用いることができる。
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本発明に用いられる正孔輸送/注入層に用いる材料は特に限定されず、通常正孔輸送/注入材料として使用されている化合物であれば何を使用してもよい。例えば、ビス(ジ(p−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン[化73]、TPD[化71]、N,N‘−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4‘−ジアミン(NPB[化62])等のトリフェニルジアミン類や、スターバースト型分子([化74]〜[化76]等)等が挙げられる。
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本発明に用いられる電子輸送/注入層に用いる材料は特に限定されず、通常電子輸送/注入材として使用されている化合物であれば何を使用してもよい。例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(Bu−PBD)[化77]、OXD−7[化63]等のオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体([化78]、[化79]等)、キノリノール系の金属錯体([化8]、[化69]、[化80]〜[化83]等)が挙げられる。
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本発明の正孔ブロッキング層、励起子ブロッキング層に用いる材料は特に限定されず、通常、正孔ブロッキング材料あるいは励起子ブロッキング材料として用いる化合物であれば何を使用してもよい。例えば、前述の電子輸送/注入材料や正孔輸送/注入材料などを、発光層に用いる材料や電極材料との酸化、還元電位の関係やその界面およびバルク特性等を考慮して組み合わせることで、正孔ブロッキング層あるいは励起子ブロッキング層とすることができる。
本発明の有機薄膜発光トランジスタの各電極および絶縁体層の形成方法は特に限定されない。従来公知の真空蒸着法、スピンコーティング法、スパッタリング法、CVD法の他、塗布法や塗布焼結法等、一般的な薄膜形成法を用いることが可能である。本発明の有機TFTに用いる、有機化合物を含有する有機薄膜層は、溶媒に溶かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、インクジェット法等の湿式法の他、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)等の方法で形成することができる。このうち第3の絶縁体層については、絶縁層を形成する材料が溶解或いは分散した溶液に第3の電極の露出部を浸した状態で電圧を印加し、電極上に選択的に析出させる電気泳動法を用いた場合、第1の電極の有効面積を減らすことなく光透過性の導電体からなる第3の電極表面に絶縁体層を形成することができる。この場合、第3の絶縁体層に用いられる材料としては十分な絶縁性と電気泳動性を有するものであればどのようなものでも用いることができる。例としては、天然油脂系、合成油脂系、アルキッド樹脂系、ポリエステル樹脂系、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系等の種々の有機高分子材料が挙げられる。
本発明のエッチング法は、用いる電極材料および絶縁体材料に合わせて適宜選択される。例えば、第1、第2の絶縁体層がSiOなどのシリコン系絶縁体の場合、フッ酸による湿式エッチングやフッ素系のガスを用いたドライエッチング法が使用可能であるが、これに限定されるものではない。
本発明で用いられるパターニング法としては、メタルマスクなどを用いる他、フォトリソグラフィ法を用いて作製したレジストマスクなども使用することができるが、所定の形状のパターニングができる手法であれば、特に限定されない。
本発明の有機薄膜発光トランジスタの有機層の膜厚は特に制限されないが、一般に膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、逆に厚すぎるとチャネル長が長くなることや、高い印加電圧が必要となり有機薄膜発光トランジスタの性能劣化の要因となる。通常は数10nmから1μmの範囲が好ましい。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
実施例1の製造方法を説明するための有機TFT素子の構造を図1に示す。ガラス基板上にスパッタリング法によりITOを第1の電極として150nm成膜した。続いてスパッタリング法により、この上に第1の絶縁体層としてSiOを100nmの膜厚に形成した後、第3の電極となる導電体層としてITOをスパッタリング法により100nmの膜厚で形成した。さらに再度スパッタリング法によりSiOを100nmの膜厚に成膜した。こうして得られた多層膜上にフォトレジストを250nmの膜厚にスピンコート法によって成膜した後、ゲート電極パターンとして線幅10μm、間隔10μmの櫛歯状のフォトマスクを通して露光現像し、ピッチ20μm、L/S比=1のレジストマスクパターンを得た。これを反応型イオンエッチング装置中で、CF:流量20SCCM、プロセス圧力2.0Pa、RF出力100Wの条件下で5分間処理した。続いてCH:流量6SCCM、水素:流量30SCCM、プロセス圧力2.7Pa、RF出力100Wの条件下で20分間処理した後、酸素アッシングを2分間行った。これをさらにCF:流量20SCCM、プロセス圧力2.0Pa、RF出力100Wの条件下で5分30秒処理した。こうして得られた基板に化学気相成長(CVD)法によりSiO薄膜を60nmの膜厚に堆積し、反応型イオンエッチング装置中で、CHF:流量30SCCM、プロセス圧力1.3Pa、RF出力90Wの条件下で7分間間処理して第3の電極側面に第3の絶縁体層を形成した。この基板に有機薄膜層として化合物[化62]を真空蒸着法により350nmの膜厚に成膜した。この上に発光層として化合物[化8]を70nmの膜厚に成膜した。さらに第2の電極としてマグネシウム−銀合金を真空蒸着法によって200nm形成して有機薄膜発光トランジスタを作製した。この素子のゲート電極に周波数50Hz、最大電圧8.5Vの矩形波電圧を、ソース−ドレイン間に10Vの直流電圧を印加し、発光強度の応答立ち上がり時間(全変化量の10%変化時から90%の変化時までの時間)を測定したところ、1μs以下であった。この素子に−3Vのゲート電圧、10Vのソース/ドレイン間電圧を印加したところ発光効率は14cd/A、最高輝度は20000cd/mであった。
第1、第2の絶縁体層としてSiNx層を用いる他は、実施例1と同様にして有機薄膜発光トランジスタを作製した。この素子のゲート電極に周波数50Hz、最大電圧8.5Vの矩形波電圧を、ソース−ドレイン間に10Vの直流電圧を印加し、発光強度の応答立ち上がり時間(全変化量の10%変化時から90%の変化時までの時間)を測定したところ、1μs以下であった。この素子に−3Vのゲート電圧、10Vのソース/ドレイン間電圧を印加したところ発光効率は15cd/A、最高輝度は20000cd/mであった。
実施例3の製造方法を説明するための素子構造を図4に示す。発光層を化合物[化65]からなる膜厚50nmの薄膜とし、これと第2の電極の間に化合物[化8]からなる膜厚20nmの電子輸送層を真空蒸着法にて形成する他は、実施例1と同様にして有機薄膜発光トランジスタを作製した。この素子のゲート電極に周波数50Hz、最大電圧8.5Vの矩形波電圧を、ソース−ドレイン間に10Vの直流電圧を印加し、発光強度の応答立ち上がり時間(全変化量の10%変化時から90%の変化時までの時間)を測定したところ、1μs以下であった。この素子に−3Vのゲート電圧、10Vのソース/ドレイン間電圧を印加したところ発光効率は3cd/A、最高輝度は8000cd/mであった。
第3の電極となる導電体層としてIZOをスパッタリング法により100nmの膜厚で形成する他は実施例1と同様にして有機薄膜発光トランジスタを作製した。この素子のゲート電極に周波数50Hz、最大電圧8.5Vの矩形波電圧を、ソース−ドレイン間に10Vの直流電圧を印加し、発光強度の応答立ち上がり時間(全変化量の10%変化時から90%の変化時までの時間)を測定したところ、1μs以下であった。この素子に−3Vのゲート電圧、10Vのソース/ドレイン間電圧を印加したところ発光効率は14cd/A、最高輝度は21000cd/mであった。
実施例5の製造方法を説明するための有機TFT素子の構造を図2に示す。ガラス基板上にスパッタリング法によりITOを第1の電極として150nm成膜した。続いてスパッタリング法により、この上に第1の絶縁体層としてSiOを100nmの膜厚に形成した後、第3の電極としてITOをスパッタリング法により基板を350℃に加熱しながら100nmの膜厚で形成した。さらに再度スパッタリング法によりSiOを100nmの膜厚に成膜した。こうして得られた多層膜上にフォトレジストを250nmの膜厚にスピンコート法によって成膜した後、ゲート電極パターンとして線幅10μm、間隔10μmの櫛歯状のフォトマスクを通して露光現像し、ピッチ20μm、L/S比=1のレジストマスクパターンを得た。これを反応型イオンエッチング装置中で、CF:流量20SCCM、プロセス圧力2.0Pa、RF出力100Wの条件下で5分間処理した。続いてCH:流量6SCCM、水素:流量30SCCM、プロセス圧力2.7Pa、RF出力100Wの条件下で20分間処理した後、酸素アッシングを2分間行った。これをさらにCF:流量20SCCM、プロセス圧力2.0Pa、RF出力100Wの条件下で5分30秒処理した。こうして得られた基板を対向電極と共にアクリル樹脂750重量部、メラミン樹脂250重量部、トリエチルアミン60重量部から調整した電着溶液に浸漬し、対向電極が陰極、第3の電極が陽極となるように通電した。電着後、ガラス基板を取り出し十分洗浄した後、100℃で重量減少がなくなるまで乾燥させた。形成された第3の絶縁体層の乾燥後の膜厚は50nmであった。この基板に有機薄膜層として化合物[化62]を真空蒸着法により350nmの膜厚に成膜した。この上に発光層として化合物[化8]を70nmの膜厚に成膜した。さらに第2の電極としてマグネシウム−銀合金を真空蒸着法によって200nm形成して有機薄膜発光トランジスタを作製した。この素子のゲート電極に周波数50Hz、最大電圧8.5Vの矩形波電圧を、ソース−ドレイン間に10Vの直流電圧を印加し、発光強度の応答立ち上がり時間(全変化量の10%変化時から90%の変化時までの時間)を測定したところ、1μs以下であった。この素子に−3Vのゲート電圧、10Vのソース/ドレイン間電圧を印加したところ発光効率は13cd/A、最高輝度は25000cd/mであった。
発光層を化合物[化65]からなる膜厚50nmの薄膜とし、これと第2の電極の間に化合物[化8]からなる膜厚20nmの電子輸送層を真空蒸着法にて形成する他は、実施例5と同様にして有機薄膜発光トランジスタを作製した。この素子のゲート電極に周波数50Hz、最大電圧8.5Vの矩形波電圧を、ソース−ドレイン間に10Vの直流電圧を印加し、発光強度の応答立ち上がり時間(全変化量の10%変化時から90%の変化時までの時間)を測定したところ、1μs以下であった。この素子に−3Vのゲート電圧、10Vのソース/ドレイン間電圧を印加したところ発光効率は2.5cd/A、最高輝度は10000cd/mであった。
参考例
参考例を説明するための有機TFT素子の構造を図3に示す。ガラス基板上にスパッタリング法によりITOを第1の電極として150nm成膜した。続いてスパッタリング法により、この上に第1の絶縁体層としてSiOを100nmの膜厚に形成した後、第3の電極となる導電体層としてITOをスパッタリング法により100nmの膜厚で形成した。こうして得られた多層膜上にフォトレジストを250nmの膜厚にスピンコート法によって成膜した後、ゲート電極パターンとして線幅10μm、間隔10μmの櫛歯状のフォトマスクを通して露光現像し、ピッチ20μm、L/S比=1のレジストマスクパターンを得た。これを反応型イオンエッチング装置中で、CH:流量6SCCM、水素:流量30SCCM、プロセス圧力2.7Pa、RF出力100Wの条件下で20分間処理した後、酸素アッシングを2分間行った。これをさらにCF:流量20SCCM、プロセス圧力2.0Pa、RF出力100Wの条件下で5分30秒処理した。こうして得られた基板を、対向電極と共にアクリル樹脂750重量部、メラミン樹脂250重量部、トリエチルアミン60重量部から調整した電着溶液に浸漬し、対向電極が陰極、第3の電極が陽極となるように通電した。電着後、ガラス基板を取り出し十分洗浄した後、100℃で重量減少がなくなるまで乾燥させた。形成された第3の絶縁体層の乾燥後の膜厚は50nmであった。この基板に有機薄膜層として化合物[化62]を真空蒸着法により350nmの膜厚に成膜した。この上に発光層として化合物[化8]を70nmの膜厚に成膜した。さらに第2の電極としてマグネシウム−銀合金を真空蒸着法によって200nm形成して有機薄膜発光トランジスタを作製した。この素子のゲート電極に周波数50Hz、最大電圧8.5Vの矩形波電圧を、ソース−ドレイン間に10Vの直流電圧を印加し、発光強度の応答立ち上がり時間(全変化量の10%変化時から90%の変化時までの時間)を測定したところ、1μs以下であった。この素子に−3Vのゲート電圧、10Vのソース/ドレイン間電圧を印加したところ発光効率は14cd/A、最高輝度は22000cd/mであった。
実施例7の製造方法を説明するための有機TFT素子の構造を図1に示す。ガラス基板上にスパッタリング法によりITOを第1の電極として150nm成膜した。続いてスパッタリング法により、この上に第1の絶縁体層としてSiOを100nmの膜厚に形成した後、第3の電極となる導電体層としてITOをスパッタリング法により100nmの膜厚で形成した。さらに再度スパッタリング法によりSiOを100nmの膜厚に製膜した。こうして得られた多層膜上にフォトレジスト(製)を250nmの膜厚にスピンコート法によって製膜した後、ゲート電極パターンとしてピッチ2μmの位相シフトマスクを通して露光現像し、ピッチ1μm、L/S比=1のレジストマスクパターンを得た。これを反応型イオンエッチング装置中で、CF:流量20SCCM、プロセス圧力2.0Pa、RF出力100Wの条件下で5分間処理した。続いてCH:流量6SCCM、水素:流量30SCCM、プロセス圧力2.7Pa、RF出力100Wの条件下で20分間処理した後、酸素アッシングを2分間行った。これをさらにCF:流量20SCCM、プロセス圧力2.0Pa、RF出力100Wの条件下で5分30秒処理した。こうして得られた基板に第3の絶縁体層として基板回転を伴う斜方真空蒸着により第3の電極側面のみにSiO薄膜を50nmの膜厚で形成した。この基板に有機薄膜層として化合物(55)を真空蒸着法により350nmの膜厚に製膜した。この上に発光層として化合物(1)を70nmの膜厚で製膜した。さらに第2の電極としてマグネシウム−銀合金を真空蒸着法によって200nm形成して有機薄膜発光トランジスタ素子を作製した。この素子のゲート電極に周波数50Hz、最大電圧8.5Vの矩形波電圧を、ソース−ドレイン間に10Vの直流電圧を印加し、発光強度の応答立ち上がり時間(全変化量の10%変化時から90%の変化時までの時間)を測定したところ、1μs以下であった。この素子に−3Vのゲート電圧、10Vのソース/ドレイン間電圧を印加したところ発光効率は13.5cd/A、最高輝度は24000cd/mであった。
比較例1
比較例の有機TFT素子の構造を図10に示す。ガラス基板上にスパッタリング法によりITOを第1の電極として150nm成膜した。この上に第1の有機薄膜層として化合物[化62]を真空蒸着法により100nmの膜厚に成膜した。その上に櫛歯状のパターンのメタルマスクを用いてアルミニウムを100nmの膜厚に同様に真空蒸着法により付着し、第3の電極を形成した。さらにその上に第2の有機薄膜層として化合物[化62]を真空蒸着法により100nmの膜厚に形成した。この上に発光層として化合物[化8]を70nmの膜厚に成膜した。さらに第2の電極としてマグネシウム−銀合金を真空蒸着法によって200nm形成して有機薄膜発光トランジスタを作製した。この素子のゲート電極に周波数50Hz、最大電圧8.5Vの矩形波電圧を、ソース−ドレイン間に10Vの直流電圧を印加したところゲート−ソース間に大きな電流が流れ発光輝度の明確な応答は観測されなかった。矩形波電圧を3Vにしたところ、発光強度の応答立ち上がり時間(全変化量の10%変化時から90%の変化時までの時間)を測定した1μs以下であった。この素子に−3Vのゲート電圧、10Vのソース/ドレイン間電圧を印加したところ発光効率は6cd/A、最高輝度は10000cd/mであった。
比較例2
(図1参照)ガラス基板上にスパッタリング法によりITOを第1の電極として150nm成膜した。続いてスパッタリング法により、この上に第1の絶縁体層としてSiOを100nmの膜厚に形成した後、第3の電極としてアルミニウムを蒸着法により100nmの膜厚で形成した。さらに再度スパッタリング法によりSiOを100nmの膜厚に成膜した。こうして得られた多層膜上にフォトレジストを250nmの膜厚にスピンコート法によって成膜した後、ゲート電極パターンとして線幅10μm、間隔10μmの櫛歯状のフォトマスクを通して露光現像し、ピッチ20μm、L/S比=1のレジストマスクパターンを得た。これを反応型イオンエッチング装置中で、CF:流量20SCCM、プロセス圧力2.0Pa、RF出力100Wの条件下で5分間処理した。これを、リン酸60部、硝酸12.6部、酢酸18.6部の混合液を40℃に温めたエッチング液に10秒間浸した後、流水で洗液が中性になるまで洗浄した。これをさらに反応型イオンエッチング装置に入れ、CF:流量20SCCM、プロセス圧力2.0Pa、RF出力100Wの条件下で5分30秒処理した。こうして得られた基板にSiO膜の堆積と異方性エッチングにより、膜厚30nmの第3の絶縁体層を第3の電極側面に形成した。この基板に有機薄膜層として化合物[化62]を真空蒸着法により350nmの膜厚に成膜した。この上に発光層として化合物[化8]を70nmの膜厚に成膜した。さらに第2の電極としてマグネシウム−銀合金を真空蒸着法によって200nm形成して有機薄膜発光トランジスタを作製した。この素子のゲート電極に周波数50Hz、最大電圧8.5Vの矩形波電圧を、ソース−ドレイン間に10Vの直流電圧を印加し、発光強度の応答立ち上がり時間(全変化量の10%変化時から90%の変化時までの時間)を測定したところ、1μs以下であった。この素子に−3Vのゲート電圧、10Vのソース/ドレイン間電圧を印加したところ発光効率は8cd/A、最高輝度は12000cd/mであった。
比較例3
(図2参照)ガラス基板上にスパッタリング法によりITOを第1の電極として150nm成膜した。続いてスパッタリング法により、この上に第1の絶縁体層としてSiOを100nmの膜厚に形成した後、第3の電極としてアルミニウムを蒸着法により100nmの膜厚で形成した。さらに再度スパッタリング法によりSiOを100nmの膜厚に成膜した。こうして得られた多層膜上にフォトレジストを250nmの膜厚にスピンコート法によって成膜した後、ゲート電極パターンとして線幅10μm、間隔10μmの櫛歯状のフォトマスクを通して露光現像し、ピッチ20μm、L/S比=1のレジストマスクパターンを得た。これを反応型イオンエッチング装置中で、CF:流量20SCCM、プロセス圧力2.0Pa、RF出力100Wの条件下で5分間処理した。これを、リン酸60部、硝酸12.6部、酢酸18.6部の混合液を40℃に温めたエッチング液に10秒間浸した後、流水で洗液が中性になるまで洗浄した。これをさらに反応型イオンエッチング装置に入れ、CF:流量20SCCM、プロセス圧力2.0Pa、RF出力100Wの条件下で5分30秒処理した。こうして得られた基板を対向電極と共にアクリル樹脂750重量部、メラミン樹脂250重量部、トリエチルアミン60重量部から調整した電着溶液に浸漬し、対向電極が陰極、第3の電極が陽極となるように通電した。電着後、ガラス基板を取り出し十分洗浄した後、100℃で重量減少がなくなるまで乾燥させた。形成された第3の絶縁体層の乾燥後の膜厚は50nmであった。この基板に有機薄膜層として化合物[化62]を真空蒸着法により350nmの膜厚に成膜した。この上に発光層として化合物[化8]を70nmの膜厚に成膜した。さらに第2の電極としてマグネシウム−銀合金を真空蒸着法によって200nm形成して有機薄膜発光トランジスタを作製した。この素子のゲート電極に周波数50Hz、最大電圧8.5Vの矩形波電圧を、ソース−ドレイン間に10Vの直流電圧を印加し、発光強度の応答立ち上がり時間(全変化量の10%変化時から90%の変化時までの時間)を測定したところ、1μs以下であった。この素子に−3Vのゲート電圧、10Vのソース/ドレイン間電圧を印加したところ発光効率は8cd/A、最高輝度は13000cd/mであった。
本発明の製造方法により製造された有機薄膜発光トランジスタの第1の構造を示す断面図。 本発明の製造方法により製造された有機薄膜発光トランジスタの第2の構造を示す断面図。 本発明の参考例の有機薄膜発光トランジスタの断面図。 本発明の製造方法により製造された有機薄膜発光トランジスタの第3の構造を示す断面図。 本発明の製造方法により製造された有機薄膜発光トランジスタの第4の構造を示す断面図。 本発明の有機薄膜発光トランジスタの製造方法を説明するための工程順の断面図(その1)。 本発明の有機薄膜発光トランジスタの製造方法を説明するための工程順の断面図(その2)。 従来の横型有機TFT素子の断面図。 従来の静電誘導型有機TFT素子の断面図。 従来の有機薄膜発光トランジスタの断面図。
1 基板
2 第1の電極
3 第2の電極
4 第3の電極
4a 電極材料層
5 有機半導体層
5−1 第1の有機半導体層
5−2 第2の有機半導体層
6 第1の絶縁物層
7 第2の絶縁物層
8 第3の絶縁物層
9 発光層
10 電子輸送層
11 正孔輸送層
12 正孔ブロッキング層
13 ゲート絶縁膜

Claims (6)

  1. 互いに離れた第1の電極および第2の電極と、これらに接し挟持される少なくとも発光層および有機半導体層を含む有機薄膜層と、第1および第2の電極の両方から離れて前記有機半導体層中に存在する光透過性を有する導電体からなる第3の電極を有し、第3の電極に印加される電圧により第1、第2の電極間に流れる電流を制御する静電誘導型トランジスタ構造を備え、前記第3の電極と前記有機半導体層とが、前記第3の電極の底面下に形成された第1の絶縁体層、前記第3の電極の上表面上に形成された第2の絶縁体層、および、前記第3の電極の側面を被覆する第3の絶縁体層により分離されると共に、第1の電極と第3の電極との間が第3の電極と同一パターンに形成された第1の絶縁体層により満たされている有機薄膜発光トランジスタの製造方法であって、
    (1)第1の電極となる第1の導電体層上に第1の絶縁体層、第3の導電体層および第2の絶縁体層を順次堆積する工程と、
    (2)前記第2の絶縁体層、第3の導電体層および第1の絶縁体層をパターニングして前記第1、第2の絶縁体層に挟まれた第3の電極を形成する工程と、
    (3)前記第3の電極側面を被覆する第3の絶縁体層を形成する工程と、
    (4)前記第1の電極上および前記第2の絶縁体層上を覆う有機半導体層を堆積する工程と、
    を有することを特徴とする有機薄膜発光トランジスタの製造方法。
  2. 前記第(3)の工程が、第3の絶縁体層の堆積工程と、該第3の絶縁体層に対する異方性エッチングを行う工程とを含むことを特徴とする請求項に記載の有機薄膜発光トランジスタの製造方法。
  3. 前記第(3)の工程が、基板上に直立するパターンの影となる部分に薄膜の形成の行われない斜方蒸着または斜方スパッタリングを行う工程を含むことを特徴とする請求項に記載の有機薄膜発光トランジスタの製造方法。
  4. 前記斜方蒸着または斜方スパッタリングを行う工程の前にリフトオフ用の犠牲膜の形成工程が付加され、前記斜方蒸着または斜方スパッタリングを行う工程の後に前記犠牲膜を除去する工程が付加されることを特徴とする請求項に記載の有機薄膜発光トランジスタの製造方法。
  5. 前記第(3)の工程においては、電気泳動法により前記第3の電極の露出表面に選択的に第3の絶縁体層が形成されることを特徴とする請求項に記載の有機薄膜発光トランジスタの製造方法。
  6. 前記第1の電極と第2の電極との間に挟まれる前記有機薄膜層に含まれる全ての有機化合物膜が順次形成されることを特徴とする請求項からのいずれかに記載の有機薄膜発光トランジスタの製造方法。
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