JP4561118B2 - 紙巻器 - Google Patents
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Description
トイレ利用者は、一方の手で巻紙を必要長さ引き出し、他方の手で蓋を押さえ、この蓋の先端で巻紙を切断するごとくに両手で巻紙及び紙巻器を操作する。
そこで、片手のみで操作可能な紙巻器が求められ、この要望に応える提案がなされている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
図20は従来の技術の基本構成を説明する図であり、壁101に固定する紙巻器ケース102に、巻紙103を支える支軸104及び蓋110を取付け、この蓋110を紙巻器ケース102に揺動可能にピン111で取付けた蓋本体部112と、この蓋本体部112の先端にスイング可能に取付けたシーソ型の揺動片113と、蓋本体部112の基部から延ばした掛止板114と、この掛止板114を一方向へ付勢するトーションばね115と、掛止板114の先端に噛み合わせるために紙巻器ケース102側に取付けた歯付き板116とから構成したものである。
巻紙103は使用に伴って外径が小さくなる。ピン111を回転中心として揺動片113側を下げ、掛止板114側を上げることができるため、巻紙103の外径の変化に対応させることができることを特許文献1は特徴とする。
そこで、新品の巻紙103に交換するときには、トーションばね115に抗して掛止板114を押し下げ、掛止板114を歯付き板116から分離してから、蓋本体部112を図反時計方向に回す必要がある。この様な複雑な操作は片手で行うには無理があり、巻紙103の補充は健常者に委ねることなる。したがって、特許文献1の構造は多いに改善の余地がある。
図21は別の従来技術の基本構成を説明する図であり、大部分の構成要素は図20と同一であるため、符号を流用して説明を省略し、特許文献1と異なる点だけを説明する。
さらに、必然的にロック解除ボタン121が壁101に接近し、同ボタン121の操作が難しくなる。このように、特許文献2の構造も多くの欠点を有する。
前記蓋は、前記紙巻器ケースに渡した非回転軸に掛ける鈎部を備えた第1蓋要素と、前記鈎部と共同して前記非回転軸を挟む押し部を備えた第2蓋要素と、この第2蓋要素にピンで結合するとともに先端を上昇させると前記ピンを中心に傾動して後端が前記巻紙に噛込み、この噛込み部位を支点にして第2蓋要素を移動し前記押し部と鈎部とによる非回転軸の挟持を完成させる第3蓋要素と、からなることを特徴とする。
すなわち、第3蓋要素の先端を巻紙で引上げると第3蓋要素の後端が巻紙に噛込む。この噛込み部位を支点として第3蓋要素は揺動し、この第3蓋要素が第2蓋要素を移動し、押し部を鈎部に近づける。この結果、非回転軸に第1蓋要素並びに第2蓋要素がロックされ、第3蓋要素も非揺動状態になるため、巻紙を第3蓋要素の先端で切断することができる。
また、巻紙を補充するときには、第1・第2蓋要素を上げればよい。
従って、請求項1によれば、片手のみで操作することができ、格別にロック解除操作をすることなく、巻紙を補充することができる紙巻器を提供することができる。
従って、請求項1によれば、片手のみで操作することができ、格別にロック解除操作をすることなく、巻紙を補充することができる紙巻器を提供することができる。
図1は本発明に係る紙巻器の斜視図であり、紙巻器10は、壁11に固定する紙巻器ケース20に、巻紙12を支える支軸13及び上下スイング可能に蓋40を取付け、この蓋40を巻紙12の上に載せる形式とした紙巻器である。
以下、各構成要素を詳しく説明する。
紙巻器ケース20は、奥壁21と、左壁22と、右壁23と、奥壁21の上縁及び左右壁22、23の上縁とを繋ぐブリッジ24とからなる樹脂製品又は金属製品であり、左右壁22、23に窓25、26を開け、この窓25、26に出没する支軸13、13を備える。支軸13は、水平姿勢から略起立姿勢までの間をスイングするスイング片であるが、周知部材であるため、詳細構造は省略する。
非回転軸28を、左右壁22、23を貫通させた後に、半月断面部31に半月穴33を嵌合し、軸固定板32、32を左右壁22、23にビス止めすることで、非回転軸28を回転不能に紙巻器ケース20に固定することができる。
同様に、第2蓋要素44を第3要素48に緩く結合するために、第3要素48に嵌合するピン45、45より大径の第2大径穴59、59を第2蓋要素44に開け、第3要素48に対して第2蓋要素44をある程度移動可能にした。
図4は巻紙の補充説明図であり、想像線で示す巻紙12を図示せぬ片手で上昇させ、支軸13を跳ね上げ、続いて巻紙12の上面で、蓋40を上昇させる。図のように第1〜第3要素42、44、48からなる蓋40が一枚の平板を構成する場合には、押し部43と非回転軸28との間及び非回転軸28と鈎部41との間に僅かな隙間が存在し、蓋40は非回転軸28を中心に上下スイング可能となる。
図7は巻紙を切断する要領を示す図であり、巻紙の先端14を上へ引上げる。すると、第3要素48がピン45を中心に矢印aのごとく回転し、その上向き斜面52の先端が巻紙12に噛込む。この噛込み部位61を支点として、第2蓋要素44を矢印bのごとく移動(この移動には軸57を中心とした回転を含む。)する。
図7に戻って、蓋40がロック状態にあるため、先端の刃部51で巻紙12の先端14を切断することができる。
以上の図4〜図7の操作は、全て片手のみで実施可能であるため、片手が不自由な利用者に好適である。
非回転軸28に対して蓋を回転させようとしてもそのトルク(回転力、以下同じ)が一定未満であれば、スプリング65の力が勝って、蓋の回転は不能となる。すなわち、ロック状態が維持できる。トルクが一定以上になれば、スプリング65に抗して押しピン66が後退し、蓋の回転が発生する。すなわち、ロック解除状態になる。
図13は本発明の参考例の図であり、上記と共通する要素は符号を流用する。
この紙巻器70は、紙巻器ケース20に、巻紙12を支える支軸13及び上下スイング可能に蓋80を取付け、この蓋80の先端にシーソ片81を揺動可能に取付け、シーソ片81の一端を巻紙12の上部に載せた状態でシーソ片81の他端で巻紙12を切断する形式の紙巻器である。
この紙巻器70の要部を以下に詳細に説明する。
ラチェットギヤ86とラチェット爪87とトーションばね88とを組み合わせたものは、ラチェット機構89と呼ばれる。このラチェット機構89は一方向クラッチ機構の好ましい一形態である。
先ず、巻紙12の外径が減少したときには、蓋80が下がり、巻紙12にシーソ片81を常に載せることができる。
Claims (2)
- 壁に固定する紙巻器ケースに、巻紙を支える支軸及び上下スイング可能に蓋を取付け、この蓋を巻紙の上に載せる形式の紙巻器において、
前記蓋は、前記紙巻器ケースに渡した非回転軸に掛ける鈎部を備えた第1蓋要素と、前記鈎部と共同して前記非回転軸を挟む押し部を備えた第2蓋要素と、この第2蓋要素にピンで結合するとともに先端を上昇させると前記ピンを中心に傾動して後端が前記巻紙に噛込み、この噛込み部位を支点にして第2蓋要素を移動し前記押し部と鈎部とによる非回転軸の挟持を完成させる第3蓋要素と、からなることを特徴とする紙巻器。 - 前記非回転軸と前記鈎部と前記押し部との少なくとも一つに、ゴムなどの摩擦材を付設する若しくは前記非回転軸と前記鈎部と前記押し部との少なくとも一つを粗面にすることを特徴とする請求項1記載の紙巻器。
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