JPH0642998Y2 - トイレットペーパー保持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はトイレットペーパー保持
装置に関する。さらに詳しくは、ロール型トイレットペ
ーパーと切り離しトイレットペーパーの収納ボックスの
いずれにも兼用できるトイレットペーパー保持装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来のトイレットペーパーは水洗トイレ
に使用しうる紙の製紙工程の便宜および販売時や使用場
所での扱いの便宜から、ロール型のもの（以下、トイレ
ットペーパーロールという）が一般的である。そのため
トイレットペーパー用ホルダーも、ロールを回転自在に
保持でき、かつ交換が容易なように、左右のアームから
互いに向き合うように突出し、上向きに回動しうる一対
の支持棒を備えているものが用いられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、近時、便器
内のノズルから温水が噴出する洗浄器つきの便器が普及
してきているが、かかる便器では本来洗浄水の水分をと
るだけの分量で足りるにもかかわらず、つい今までの習
慣から余分にほどき出して使用しがちになる。本考案者
はこのような無駄な使用を解消することと、従来とは違
う高級感を演出し、さらに使い勝手を良くするため、１
枚１枚四つ切りにして切り離したトイレットペーパー
（以下、カットペーパーという）とそれを収納する収納
ボックスを提案している。この収納ボックスは、厚手の
紙や硬質合成樹脂製あるいは金属製シート材から作られ
た箱内にカットペーパーを積層して収納し、該ボックス
の下端から１枚ずつ抜きだすことができるようにしたも
のである。しかしそのような箱状の収納ボックスを従来
から用いられているトイレットヘーパー用ホルダーに加
えて取付けると、トイレ内壁面が雑多な感じとなって、
美観を損ない。また、従来のホルダーの下面に取付ける
とペーパーの取出し位置が低くくなりすぎて使いづらい
という問題を発生する。他方、従来から用いられている
トイレットペーパー用ホルダーを取り外してしまうと、
トイレットペーパーロールしか入手できないときにきわ
めて不便である。

【０００４】そこで、本考案は前記問題を解消し、トイ
レ内の美観を損わず、使い勝手がよいように、ボックス
タイプとロールタイプに兼用できるようにしたトイレッ
トペーパー保持装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案の保持装置は、 (a) 後壁の両端から前方に延びる左右のアームと、 (b) 該アームの内面に、たがいに対向するように突出す
る水平位置と上を向くように回動した垂直位置とを取り
得るように、それぞれその基端が回動自在に支持された
左右の支持棒と、 (C) 前記支持棒を水平位置の方向に常時付勢する付勢手
段とを有し、かつ (d) 前記支持棒の先端の水平位置における下面に先端側
に向って薄くなるテーパ面が形成されており、一方向係
止手段が設けられていることを特徴とする。 前記一方向係止手段としては、たとえば支持棒の先端側
に向って傾斜している傾斜歯、あるいは一方向回転ロー
ラなどを使用しうる。

【０００６】

【作用】従来のトイレットペーパーロールを取りつける
ばあいは、ロールを下側から挿入し、支持棒を上向きに
回動させ、巻き芯の両端に支持棒の先端を引っかけ、支
持棒を水平に戻す。それによりトイレットペーパーロー
ルは支持棒上に回転自在に保持される。

【０００７】カットペーパーの収納ボックスを取りつけ
るばあいは、同じようにボックスの上端で支持棒の下面
を押し上げながら、下から上へ挿入する。さらに支持棒
が上向きに回動し、一方向係止手段がボックスの側面を
摺動するように上向きに押し上げ、一方向係止手段が側
面の中央近辺に達したときボックスをしたむきに引き戻
す。上向きに引き上げるときは、一方向係止手段とボッ
クスとの間に摺動抵抗があっても、支持棒は上向きに逃
げることができるので、摩擦抵抗が減少し、そのまます
べらせることができる。しかし、下向きに引き戻すとき
は、摺動抵抗が大きく、しかも支持棒が下向きに回動す
ると左右の支持棒の一方向係止手段同士の間隔が狭くな
ろうとするので、ボックスを強く挟み込み、ますます摺
動抵抗が増加し、ロックされることになる。そのためボ
ックスは支持棒によってしっかりと挟着保持されること
になる。

【０００８】

【実施例】つぎに図面を参照しながら本考案の保持装置
を説明する。図１に示す保持装置Ａの基本的構成は従来
のトイレットペーパーロール用のワンタッチホルダーと
同じである。すなわち壁に取り着けるべき後壁１と、そ
の後壁１の両側端から前方へ延びる左右のアーム２と、
左右のアーム２の内面から互いに向き合うように水平に
突出する左右の指示棒３とから構成されている。

【０００９】支持棒３は図５に示すようにピン４などで
アーム２に対し回動自在に取り付けられており、水平位
置（実線の状態）と垂直に上方に回動してアーム２の内
部に収容される垂直位置（想像線の状態）との間で動く
ことができる。

【００１０】さらに支持棒３とアーム２との間には、引
張りコイルスプリングからなるスプリング５が張設さ
れ、支持棒３が常時下方（水平位置）にくるように付勢
されている。支持棒３の上面６は通常はトイレットペー
パーロールが回転しやすいよにいくらか円筒面状にされ
ており、下面には先端に向って薄くなるテーパ面７が形
成されている。

【００１１】図１の装置Ａではそのテーパ面７に、先端
側（矢印Ｂ）に向ってはすべりやすく、根元側（矢印
Ｃ）に向ってはすべりにくくする傾斜歯８が設けられて
いる。傾斜歯８は本考案における一方向係止手段を構成
するものである。傾斜歯８は支持棒３と一体に合成樹脂
で形成することもできるが、市販のホルダーないし既設
のホルダーを簡単に改造しうるように、図２に示すよう
に支持棒３とは別体の抵抗板９として形成するのが好ま
しい。そのばあい抵抗板９は接着剤または両面テープな
どで支持棒３のテーパ面７に接着するとよい。なお抵抗
板９は合成樹脂のほか、ゴムなどで形成することもでき
る。

【００１２】図３は支持棒３の先端に被せることができ
るキャップ10の傾斜面に傾斜歯11を設けた実施例を示し
ている。このキャップ10も合成樹脂ないしゴムなどで形
成することができ、接着剤などで取りつけて使用する。
またその材質により、それ自身の弾力性を利用して嵌着
させるだけで固定しうるようにするのもよい。このもの
は取り付け作業が簡単である利点があり、市販のホルダ
ーの付属品として販売してもよい。

【００１３】図４は一方向係止手段のさらに他の実施例
を示している。同図の一方向係止手段は支持棒３の先端
近辺の内部空洞12に回転自在に、かつその一部がテーパ
面から突出するように設けられるラチェットホイール13
と、それの一方向（矢印Ｄ方向）のみの回転を許すため
のストッパ14とから構成されている。ストッパ14は前記
空洞12内に摺動自在に挿入されたピン15と、そのピン15
を先端16がラチェットホイール13と常時係合する方向
（矢印Ｅ）に付勢するためのバネ17とからなる。

【００１４】この例では、ラチェットホイール13の緩い
傾斜面がピン15の先端16と係合しないので、矢印Ｄ方向
に自由に回動でき、逆向きの回転は、歯とピン15の先端
16とが係合するので回転が阻止される。

【００１５】つぎに図５および図６を参照しながら前記
保持装置Ａの使用方法および作用を説明する。保持装置
Ａはトイレの壁面に対し、もっともペーパーを取りやす
い位置に取りつけられる。取付けには後壁１に形成した
長孔18を利用するとよい。図５に示すように収納ボック
ス20またはトイレットペーパーロールは保持装置Ａの下
側から上向き（矢印Ｆ）に挿入する。収納ボックス20の
上端21が支持棒３の下面に当接しても、そのままスプリ
ング５の付勢力に抗して上向きに挿入すると、支持棒３
が上向き（矢印Ｇ）に回動して、ボックス20の挿入を許
容する。そのとき傾斜歯８はすべり方向であるので、と
くに大きな抵抗とならない。したがって、トイレットペ
ーパーロールを挿入するばあいでも、紙が破れたりしな
い。

【００１６】さらにそのままボックス20を押し上げる
と、支持棒３が左右に開き、支持棒３のテーパ面７をボ
ックス20の側面22に沿ってすべりながら挿入しうる。

【００１７】図６に示すようにボックス20の側面22の中
央近辺が支持棒３の傾斜面７と当接した状態で、ボック
ス20を逆に下向き（矢印Ｇ）に少し押し下げる。そうす
ると傾斜歯８がボックス20の側面22に引っ掛り、あるい
は摩擦抵抗ですべらないので、支持棒３が下向きに回動
する力と相まってボックス20は左右の支持棒３で挟持さ
れる。そのとき支持棒３は下向きに回動するにしたがっ
て、先端間の距離が狭くなるので、一層ロック作用が確
実になる。

【００１８】トイレットペーパーを使用するときは、ボ
ックス20の下面に形成した取り出し開口部から、カット
ペーパーを１枚ずつ抜き取る。このときボックス20に下
向きに力が加わっても、支持棒３から外れることはな
い。

【００１９】なお図６の収納ボックス20の前面の窓24
は、カットペーパーの残量を確認するためのものであ
り、下端の切り欠き25は底面の取り出し開口部に連なる
指入れ孔である。

【００２０】トイレットペーパーロールを装着するばあ
いは、巻き芯の両端に支持棒３の先端を引っかけ、支持
棒３を水平に戻すだけで、従来のホルダーと同様にペー
パーロールを回転自在に保持しうる。

【００２１】

【考案の効果】本考案のトイレットペーパー保持装置
は、従来のトイレットペーパーロールを回転自在に設置
でき、しかもカットペーパーの収納ボックスも確実に保
持することができる。さらにいずれのばあいにも使い切
った後に簡単に交換できる。このように一つの装置でロ
ール式とボックス式の２通りに対応できるのでスペース
をとらず、もっとも使い勝手のよい位置に設置しうる利
点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例にかかわる保持装置の斜視図
である。

【図２】本考案における支持棒の一実施例を示す側面図
である。

【図３】本考案における支持棒の他の実施例を示す側面
図である。

【図４】本考案における支持棒の他の実施例を示す側面
図である。

【図５】図１の保持装置における収納ボックスの取付作
業を示す説明図である。

【図６】同保持装置における収納ボックスの設置状態を
示す正面図である。

【符号の説明】

Ａ 保持装置 １ 後壁 ２ アーム部 ３ 支持棒 ５ スプリング ７ テーパ面 ８ 傾斜歯 ９ 抵抗板 11 傾斜歯 13 ラチェットホイール 14 ストッパ 20 収納ボックス

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 (a) 後壁の両端から前方に延びる左右のアームと、 (b) 該アームの内面に、たがいに対向するように突出
   し、水平位置と上を向くように回動した垂直位置とを取
   り得るように、それぞれその基端が回動自在に支持され
   た左右の支持棒と、 (C) 前記支持棒を水平位置の方向に常時付勢する付勢手
   段とを有し、かつ (d) 前記支持棒の先端の水平位置における下面に先端側
   に向って薄くなるテーパ面が形成されており、 (e) 該テーパ面に、支持棒の先端側への摺動を許容し、
   基端側への摺動を阻止する一方向係止手段が設けられて
   なるトイレットペーパー保持装置。
2. 【請求項２】前記一方向係止手段が、支持棒の先端側に
   向って傾斜している一連の傾斜歯である請求項１記載の
   装置。
3. 【請求項３】前記一方向係止手段が一方向回転ローラで
   ある請求項１記載の装置。