JP4561067B2 - 酸素上吹き精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶銑や溶鋼等の溶融金属に酸素ガスを主体とするガスを吹き付け、溶融金属を酸化精錬する酸素上吹き精錬方法に関するものである。
酸素ガスを主体とするガスを溶融金属表面に上吹きして溶融金属を酸化精錬する酸素上吹き精錬方法は、種々の反応容器で適用されており、その反応効率を高める手段が検討されてきた。特に、鉄鋼製造工程で用いられる転炉においては、脱炭反応の効率を高めたり、マンガン鉱石等の還元を増大するために種々検討されており、その結果、脱燐処理及び脱硫処理が施された予備処理溶銑を使用することで、転炉におけるスラグ量を少なくすることができ、スラグ中へ移行する有価金属、特に鉄やマンガンの量を削減可能であることが見出され、多くの製鉄所で予備処理溶銑を用いた酸素上吹き精錬が実施されるに至っている。
しかしながら、予備処理溶銑を用いた転炉での酸素上吹き精錬においても、実際には、スラグ量が少なくなった分だけ、スラグ中の酸化鉄濃度の変化幅が大きくなり、又、マンガン酸化物濃度も高くなる傾向にあり、スラグ量の低減化に基づく歩留まり向上効果が十分に発揮されず、スラグ極少精錬の本来のメリットが出てこないと云う問題が発生している。
この転炉精錬におけるスラグ中の酸化鉄濃度を決定する要因は、幾つか考えられるものの、大別すると以下の3点に集約される。第1の要因は、酸素ガスを吹き付けて行う精錬(以下、「酸素吹錬」と記す)の終点時における溶鋼中炭素(以下、「[C]」とも記す)の含有量であり、その必要最小限までの脱炭処理である。良く知られているように、[C]濃度が低下すると、熱力学の法則に基づいて溶鋼中の酸素濃度が上昇し、その結果、スラグ中の酸化鉄濃度及びマンガン酸化物濃度が増加する。第2の要因は、酸素ガスの供給速度(以下、「送酸速度」と記す)であり、送酸速度が過大になると反応界面への[C]の供給が遅れ、部分的に[C]の欠乏した鉄が酸素と反応し、酸化鉄が多く生成されるようになる。第3の要因は、鉄浴の撹拌であり、特に上・底吹きの撹拌力が最終の酸化鉄濃度を大きく左右することが良く知られている。撹拌力が強くなれば、前に述べた反応界面への[C]の供給が活発になり、酸化鉄の生成が抑制される。これら3つの要因は、既に述べた内容からも伺えるように相互の関連が深い。
ところで、転炉の酸素吹錬では、反応上の原理により、酸素吹錬末期には反応界面での[C]の欠乏状態に応じて送酸速度を低下させることが必要である。具体的には、[C]濃度が4質量%(以下、「%」と記す)程度から0.5%程度までの期間(「脱炭最盛期」と呼ぶ)は、溶銑トン当たり毎分3Nm3 (以下、「Nm3 /min・T」と記す)以上の送酸速度で吹錬しても、脱炭反応は遅れることなく、安定した精錬が可能である。しかし、[C]濃度が約0.5%以下になると反応界面への[C]の供給が遅れるようになるため、酸素吹錬の末期には、脱炭最盛期の2/3以下となる約2.0Nm3 /min・T程度以下まで送酸速度を落としている。
反応原理上は、この送酸速度を脱炭の進行と合わせて段階的或いは連続的に減少させ、酸素の供給速度と反応界面への[C]の供給速度とのマッチングを適正化することにより、溶鋼の過酸化を抑制しつつ最高脱炭速度を維持することが可能であり、更に、酸素吹錬の末期には底吹きガス吹き込み量を増大させ、溶鋼の撹拌を強化して、反応界面への[C]の供給を加速すると同時に、反応生成物であるCOガスの分圧を低下させ、脱炭反応を促進させることも可能である。
このような原理に基づいた最適操業がありながら、最も肝心の上吹き酸素の供給方法に関しては解決されていない。底吹き撹拌を強化しても、上吹きランスからの送酸速度を落とすと、上吹き酸素のジェットの運動エネルギーはそれなりに減少し、酸素ジェットの運動エネルギーに基づく攪拌力が減少するため、反応界面への[C]の供給と酸素の供給とのアンバランスが生じ、脱炭反応に支障が生じる。このように、上吹き酸素ジェットの運動エネルギーの確保は極めて重要な事項であるにも拘わらず、抜本的な解決に至っていない。
これは、酸素ジェットの基本構成或いは設計概念は、酸素製鋼法が生まれた時に決定され、以来その構成と概念が維持されていることに起因する。ノズルの孔数等は転炉の炉容拡大に伴って増えてきたが、設計の基本は変わっていない。即ち、その基本とは、最高送酸速度で供給する時に、最高の効率で酸素ガスを鉄浴に供給するためのラバールノズルを用い、マッハ2程度の超音速ジェットを発生させることである。しかしながら、転炉における脱炭精錬のためには、前述したように送酸速度を最大値の2/3程度以下まで減少させて酸素吹錬する必要があり、このような送酸速度の全域で上吹き酸素ジェットの運動エネルギーを確保することはできない。
前述したように、転炉での酸素供給量は転炉精錬の各時期によって大きく異なっている。酸素吹錬における本質的な問題は、最大送酸量(約3Nm3 /min・T)近傍でラバールノズルが最適設計されており、酸素吹錬の途中でランスやノズルを交換しない限り、最少送酸量(約0.5〜1.5Nm3 /min・T)の条件下においては、酸素ジェットのラバールノズルからの噴出速度やそれ以降の拡がり特性が最適条件から外れることである。そのため、最少送酸量とした酸素吹錬の末期には、酸素ジェットが等方的に拡散し、浴面への衝突がよりソフトブローになる。酸素吹錬の末期には、ランス高さを変えなくとも送酸量が低下することでソフトブローになるが、それ以上にジェットの等方拡散が助長され、極端なソフトブローになることが、従来の酸素吹錬における最も解決すべき重要な問題点である。
酸素吹錬では、特殊な場合として脱燐や非常昇熱を実施するために、意図的にソフトブロー化してスラグ中の酸化鉄濃度を増やすこともあるが、前述した低[C]域の特性を重視する転炉精錬のように、大半の酸素吹錬では、鉄以外の炭素等の酸化除去すべき元素を優先的に除去するための酸素効率を最大にする酸素吹錬方法が望ましい。この酸化除去すべき元素の酸化物生成傾向が最も強い条件としては、ハードブローが基本的に有利である。この観点から判断すると、現在世界中で用いられている送酸用ランスノズルは、酸素吹錬末期の脱炭精錬には適していないことが明らかである。
酸素吹錬末期の酸素効率を高める手段として、Arガスを酸素ガスに混合添加し、ジェットの噴出速度を高め、鉄浴に対してハードブローで精錬する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。本来、酸素ガスの単独使用では、脱炭反応時のCOガスの分圧(Pco)は1気圧(1013 hPa)以下には下がらないが、この方法では、酸素ガスをArガスで希釈することによってCOガスの分圧(Pco)を1以下に下げ、脱炭反応を促進させることも意図している。しかしながら、上吹きされる酸素ガスを希釈するためには、送酸量に応じた大量のArガスが必要であり、Arガスは高価であり、この方法の実用化は、経済性から判断して極めて困難と云わざるを得ない。
転炉における脱炭精錬に限らず、酸素ガスを上吹きして行う溶銑の脱燐処理や脱珪処理或いは溶鋼の真空脱炭処理でも、酸素の反応効率を高める手段が要望されている。しかしながら、これらの処理では、取鍋、混銑車及び真空槽と云った、フリーボードが小さい反応容器を使用するため、ガス吹き込みによる攪拌を強化できないうえに、送酸速度もソフトブローにせざるを得ない条件であり、又、脱燐や脱珪の溶銑予備処理の本来の問題として脱炭反応に対して優先的に反応させる観点から、低送酸速度の条件下で行う必要があり、そのためソフトブローになりやすい問題等々があり、酸素の反応効率を高めるための有効な手段は未だ提案されていないのが現状である。
一方、電気炉においては、炉側壁に設置されたランスや排滓用のゲートから挿入された水冷ランス等を用いてスラグ中に酸素ガスを吹き込み、鉄浴の脱炭と、この脱炭反応で生成したCOガスの二次燃焼とを同時に行なっている。最近では、炭材や重油等の各種燃料を大量に用いたり、鉄源として溶銑や還元鉄等の炭素を含有するものを用い、これら炭材等の燃焼熱を利用することで、電力原単位の削減が図られている。この場合、転炉脱炭精錬と同様に、鉄浴中の炭素を燃焼するためには、大量の酸素を添加することが必要となり、転炉設備と同様に超音速噴流を発生させるノズルも適用されるようになっている(例えば、特許文献2参照)。このプロセスにおいても、脱炭反応を優先させることが、鉄やマンガン等の歩留まり低下を抑制するうえで重要であるが、未だ有効な手段は提案されていない。
特開昭55−107716号公報 特開平7−310115号公報
このように各プロセスにおいて反応効率向上のために適正化が検討されてきたが、底吹きガス等で攪拌を高めるには限界や制約があるうえに、酸素吹錬もソフトブローにせざるを得ない状況があるため、例えば転炉及び電気炉においては、溶鋼の過酸化による鋼品質の劣化、鉄及びマンガン等の有価金属の歩留まり低下による製造コストの上昇、更には、スラグ中酸化鉄の増加による耐火物の損傷拡大等の問題点を余儀なくされていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、溶銑や溶鋼等の溶融金属に酸素ガスを主体とするガスを吹き付けて溶融金属を酸化精錬する際に、低送酸速度の条件下でも、或いは、転炉脱炭精錬の末期のように送酸速度が大幅に低減される場合であっても、酸素吹錬の途中でノズルやランスを交換せずに、溶融金属の過酸化を生じさせることなく、溶融金属中の酸化除去すべき元素を優先的に酸化除去することができる酸素上吹き精錬方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討・研究を行った。その結果、転炉脱炭精錬末期の低送酸速度の条件下等におけるソフトブローに起因する種々の問題点を解決するには、上吹きランスから噴出される酸素ガスを主体としたガスの流路とは別系統の流路から、この酸素ガスを主体とした噴流に近接させて、吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質を溶融金属湯面に向けて供給することで解決できるとの知見が得られた。
即ち、脱炭期、特に低炭期の吹錬においては、従来、上吹きガスとして酸素ガス単独か或いは酸素ガスとArガスとの混合ガスが用いられてきたが、低送酸速度下において上吹きガスの噴流を強く鉄浴に作用させて攪拌するには、酸素ガスとは別系統で且つ酸素ガスに近接させて吸熱反応又は還元反応を生じさせる気体或いは液体を供給することが有効であることを見出した。この場合、同一上吹きランスを用いて最大送酸速度で酸素吹錬を実施するときには、従来通りのランス高さで酸素ガスを供給することができる。
この2種類のジェットのノズルからの吐出挙動の詳細は解明されていないが、本発明者等が検討した結果、ノズルの条件を適切にすれば、酸素ガスと吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質とを、ほとんど別々に且つ近接して浴面に吹き付けることができ、更に、浴面では、酸素ガスによる高レベルの酸化反応のみならず、吸熱反応又は還元反応も同時に起こることが分かった。これにより、酸素ガスの衝突面と、吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質の衝突面とで、酸素ポテンシャルのレベルや温度上昇レベルに大きな差が発生し、この近接したサイト(位置)におけるこれらの特性差が、両サイトの攪拌混合を著しく増加させることが分かった。
この攪拌混合は、溶融金属浴内の不均一度が増大することに起因するため、酸素ガス単独の場合や酸素ガスにArガスを混合した場合に比較して、比較にならないほどの攪拌強化が可能となる。これは、酸素ガス単独の場合や酸素ガスにArガスを混合した場合には、浴内に不均一性が生じないためである。又、攪拌用の底吹きガス流量を増加させた場合と異なり、攪拌力が酸素ガスの反応サイトに直接作用するので、酸素ガスの過酸化反応を抑制する効果が極めて大きくなる。又、送酸速度や酸素ガスの浴への作用は変わらなくても、酸素ガスの反応を高めることができ、低炭域の優先脱炭のみならず、溶銑中の燐及び珪素の酸化反応を高めることも可能であることが分かった。
本発明は、上記検討結果に基づいてなされたものであり、第1の発明に係る酸素上吹き精錬方法は、反応容器内の溶銑又は溶鋼に対して上吹きランスの先端に設けたノズルから、酸素ガスを主体とするガスとして、酸素ガス、酸素ガスとArガスとの混合ガス、酸素ガスと窒素ガスとの混合ガスのうちの何れか1種のガスを供給し、溶銑又は溶鋼を酸化精錬する酸素上吹き精錬方法において、前記酸素ガスを主体とするガスを供給している全期間又は一部期間に、吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質として、CO2 ガス、水蒸気、炭化水素系ガス、水、炭化水素系液体のうちの何れか1種以上を、前記上吹きランスの先端の中心部に設けたノズルから、当該ノズルの周囲に設けたノズルから供給する酸素ガスを主体とするガスの噴流に近接させて供給し、且つ、各々のノズルからの吐出流速を150m/秒以上とするともに、中心部のノズルからの噴流と周囲のノズルからの噴流とが干渉しないように中心部のノズルと周囲のノズルとの軸心間の角度を10度以上として供給し、酸素ガスの鉄浴での衝突面に近接した浴面で、前記吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質を衝突させて吸熱反応又は還元反応を生じさせることを特徴とするものである。
の発明に係る酸素上吹き精錬方法は、第1の発明において、吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質を、不活性ガス又は非酸化性ガスで希釈して供給するか、或いは、不活性ガス又は非酸化性ガスを搬送用ガスとして用い、搬送用ガスと共に供給することを特徴とするものである。
の発明に係る酸素上吹き精錬方法は、第1又は第2の発明において、前記反応容器が、転炉、取鍋、混銑車、真空脱ガス炉、AOD炉、アーク電気炉のうちの何れか1つであり、当該反応容器に収容した溶銑又は溶鋼の溶解、還元、脱炭、脱珪、脱燐のうちの何れか1つ以上を目的として酸化精錬することを特徴とするものである。
の発明に係る酸素上吹き精錬方法は、第1又は第2の発明において、前記反応容器が、転炉又は真空脱ガス炉であり、当該反応容器に収容した溶銑又は溶鋼の脱炭を目的として酸化精錬を実施し、脱炭反応の進行に伴って溶銑又は溶鋼の炭素濃度が1.0質量%以下に低下した時点以降に、吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質の供給を開始することを特徴とするものである。
本発明によれば、転炉脱炭吹錬末期等の低送酸速度下において、吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質を、酸素ガスを主体としたガスの噴流とは別系統の流路を介して、酸素ガスを主体とするガスの噴流に近接させて供給するので、浴面では、酸素ガスによる高レベルの酸化反応のみならず、吸熱反応又は還元反応も同時に起こり、これにより、酸素ガスの衝突面と、吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質の衝突面とで、酸素ポテンシャルのレベルや温度上昇レベルに大きな差が発生し、これらの特性差に起因して溶融金属を激しく攪拌することが可能となり、その結果、ノズルやランスを交換しなくても、酸素効率が大幅に改善されるので、処理時間を大幅に短縮することができる。
更に、酸素効率の改善に伴って酸素ガスの余剰分が減少するので、溶融金属の過酸化が抑制され、溶融金属中の酸化除去すべき元素を優先的に酸化除去することが可能となる。特に、溶銑の転炉脱炭精錬においては、マンガンの酸化ロスの低減、脱酸剤原単位の削減、更には、転炉炉体耐火物の延命化が達成され、溶鋼の品質向上と相まって工業上有益な効果がもたらされる。
以下、本発明に係る酸素上吹き精錬方法を、転炉における溶銑の脱炭精錬に適用した場合を例として、添付図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明方法に基づく脱炭精錬を実施する際に用いた転炉設備の1例を示す概略断面図、図2は、図1に示す上吹きランスの概略拡大断面図である。
図1に示すように、転炉設備は、溶銑4を収容する転炉本体1と、この転炉本体1内に挿入され、転炉本体1内に酸素ガスを主体とするガスを吹き込むための、上下方向に移動可能な上吹きランス2とを備え、転炉本体1の炉底には、撹拌用ガスを吹き込むための底吹き羽口3が設けられている。上吹きランス2から供給するための、酸素ガスを主体とするガスとしては、酸素ガスそのもの、又は、酸素ガスとArガスや窒素ガス等の適宜のガスとの混合ガスを使用することができる。又、撹拌用ガスとしては、窒素ガス等の非酸化性ガス及びArガス等の不活性ガスを使用することができる。転炉本体1の上部には、精錬後の溶湯を出湯するための出湯口(図示せず)が設けられ、又、転炉本体1の上方には、生石灰、鉄鉱石等の副原料を転炉本体2内に装入するための副原料投入装置(図示せず)が設置されている。
上吹きランス2は、図2に示すように円筒状のランス本体6と、このランス本体6の下端に溶接等により接続されたランスノズル7とで構成されており、ランス本体6は、外管8、中管9、内管10、最内管11の同心円状の4種の鋼管、即ち四重管で構成されている。銅製のランスノズル7には、その中心部に鉛直下向き方向のノズル12が設置され、又、ノズル12の周囲には、吐出方向を鉛直斜め下向き方向とする複数個のノズル13が設置されている。これらのノズル12及びノズル13は、その断面が縮小する部分と拡大する部分の2つの円錐体で構成された、所謂ラバールノズルの形状を採っている。ノズル12は、吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質(以下、「吸熱・還元物質」と記す)を吹き込むためのノズルで、一方、ノズル13は、酸素ガスを主体とするガスを吹き込むためのノズルである。この場合、ノズル13の設置孔数や口径等の制約は特にないが、上吹きランス2の送酸圧力等の制約により、必要とする送酸速度から必然的に設置孔数及び口径は決定されるため、これらを満足する範囲内で設定することとする。尚、ラバールノズルでは、縮小部分を絞り部、拡大部分をスカート部、絞り部からスカート部に遷移する部位であり、最も狭くなった部位をスロートと呼んでいる。又、図2におけるθは、ノズル12とノズル13との軸心間の角度である。
外管8と中管9との間隙、及び、中管9と内管10との間隙は、上吹きランス2を冷却するための冷却水の流路となっており、上吹きランス2の上部に設けられた給水継手(図示せず)から供給された冷却水は中管9と内管10との間隙を通ってランスノズル7の部位まで至り、ランスノズル7の部位で反転して外管8と中管9との間隙を通って上吹きランス2の上部に設けられた排水継手(図示せず)から排出される。給排水の経路を逆としてもよい。
内管10と最内管11との間隙は、ノズル13への酸素ガスを主体とするガスの供給流路となっており、上吹きランス2の上端部から内管10と最内管11との間隙に供給された酸素ガスを主体とするガスは、ノズル13から溶銑4に向かって噴出されるようになっている。最内管11の内部は、ノズル12への吸熱・還元物質の供給流路となっており、上吹きランス2の上端部から最内管11内に供給された吸熱・還元物質は、最内管11を通り、ノズル12から溶銑4の湯面に向かって噴出されるようになっている。ノズル12から噴出される流量及びノズル13から噴出される流量は、各々独立した流量計(図示せず)により独立して流量制御されている。尚、本発明では、浴面への異なる作用を、近接して付加することが特徴であるので、ノズル12とノズル13の機能は逆であってもよく、この場合には、ノズル13から吸熱・還元物質が供給される。
吸熱・還元物質としては、浴に到達したと同時に反応するものであれば、気体、液体、固体のどの状態の物質でも用いることができるが、上吹きランス2からの酸素ガスを主体とするガスの噴流との混合を抑制しながら、浴面に高速で添加できるものが望ましい。この観点から判断して、気体物質は、ノズル12からの吐出噴流の広がり角度を考慮しつつノズル13との軸心間の角度θを調整することで、酸素ガスと近接した浴面上に容易に供給することが可能であり、制御が容易な点で好ましい。この場合、酸素ジェットの広がり角度は約10度であるので、ノズル12及びノズル13からの噴流の混合を抑制する観点から、中心部のノズル12と、ノズル12の周囲のノズル13との軸心間の角度θを10度以上とすることが好ましい。
気体状態の吸熱・還元物質としては、安価であり且つ吸熱効果又は還元効果が大きいことから、CO2 ガス、水蒸気、炭化水素系ガスのうちの何れか1つ以上を用いることが好ましい。これらの吸熱・還元物質を単独で供給してもよいが、大量に供給する必要はなく、又、ノズル12からのジェットのエネルギーを高める観点から、不活性ガス又は非酸化性ガスで希釈して供給することが好ましい。
液体状態の吸熱・還元物質としては、安価であり且つ吸熱効果又は還元効果が大きいことから、水又は炭化水素系液体を用いることが好ましい。これら液体状態の吸熱・還元物質を単独で供給することは困難であるので、霧化し、不活性ガス又は非酸化性ガスを搬送用ガスとし、搬送用ガスと共に供給することが好ましい。又、固体状態の吸熱・還元物質としては、吸熱効果又は還元効果が大きいことから、炭素含有粉状固体、水素含有粉状固体、炭化水素系粉状固体を用いることが好ましい。固体状態の吸熱・還元物質も、単独で供給することは困難であるので、不活性ガス又は非酸化性ガスを搬送用ガスとし、搬送用ガスと共に供給することが好ましい。
尚、本発明を実施する場合、上吹きランス2は必ずしも四重管とする必要はなく、通常の三重管のランスを複数個配置し、それぞれの上吹きランスから溶銑4の湯面の同一箇所に向かって酸素ガスを主体とするガスと吸熱・還元物質とを別々に供給してもよい。又、上吹きランスからの酸素ガスの衝突位置近傍の浴中に、インジェクションランスや底吹きノズル等を介して吸熱・還元物質を吹き込むようにしてもよい。
このような構成の転炉設備を用いて溶銑4を脱炭精錬するに際しては、先ず、転炉本体1内に溶銑4を装入する。用いる溶銑4としてはどのような成分であっても処理することができ、転炉本体1での脱炭精錬の前に脱硫処理や脱燐処理が施されていてもよい。転炉本体2には、生石灰を投入してスラグ5を生成させる。生石灰の装入量は、装入された溶銑4の珪素濃度及び燐濃度に応じて設定する。次いで、上吹きランス2から、3Nm3 /min・T程度の送酸速度で酸素ガスを吹き付け、溶銑4の酸化精錬を開始する。ノズル13から吐出された酸素ジェットは、溶銑湯面と衝突して溶銑4と反応し、脱炭反応によってCOガスが生成する。発生したCOガスは、浴面上を覆う形で存在するスラグ5中を通過し、転炉本体1の炉口から排出され、排ガス処理設備(図示せず)に吸引される。溶銑4の炭素濃度が1.0〜0.5%程度まで低下したならば、送酸速度を0.5〜1.5Nm3 /min・T程度まで低下させて脱炭処理を継続し、[C]濃度が例えば0.03〜0.15%程度の所定の値になるまで脱炭する。
この脱炭吹錬の全期間又は送酸速度を変更した以降、若しくは送酸速度を変更した以降の一部期間に、ノズル12から吸熱・還元物質を供給する。吸熱・還元物質を供給することによる攪拌強化の効果は、ノズル13からの酸素ジェットのみでも十分な攪拌強度が得られる吹錬の前半時期は余り意味がないので、送酸速度を減少させた以降、即ち[C]濃度が1.0%以下になった以降で吸熱・還元物質を供給することが好ましい。この場合、ノズル12からの噴流ジェットのエネルギーを確保するために、ノズル12からの吐出流速を150m/秒以上とすることが好ましい。又、ノズル13からの酸素ジェットのエネルギーを確保するために、ノズル13からの酸素ガスの吐出流速も150m/秒以上とすることが好ましい。
このように、吸熱・還元物質を供給しつつ溶銑4を脱炭精錬することで、上吹きランス2を交換することなく、送酸速度が低下した吹錬末期でも、溶銑4及びスラグ5の攪拌強度を高めることが可能となり、その結果、鉄の過酸化を生じさせることなく、脱炭反応のみならず、脱燐反応等のその他の間接的な反応も優先的に行うことができ、鉄歩留まりの向上が達成される。又、酸素ガス単体の浴面での動圧自体は高める必要がないので、スピッティングの発生も増加することはない。
本発明で使用する酸素ガス及び吸熱・還元物質の純度は、反応を促進させる条件に合致するものであれば、基本的に制限はない。但し、余りに純度が低いと、不純物ガスの顕熱が増大する等により、酸素ガス及び吸熱・還元物質の本来の特性を低下させるので好ましくない。又、本発明は溶融金属の精錬に関するものであるため、溶解時の溶融条件や製品の品質からの制約があり、例えば、鋼の品質に窒素が重要な場合には、酸素ガスの純度はできる限り高いことが望ましい。酸素ガスとしては、通常、空気の液化による分離法(深冷法)によって製造される、不純物を数10ppm以下とした酸素ガスや、吸着法(PSA法;Pressure Swing Absorption 法)によって製造される、数%の窒素ガスを含む酸素ガスが使用されているが、鋼の品質に窒素が重要な場合には、分離法によって製造される酸素ガスを用いることが好ましい。
上記説明では、転炉脱炭精錬に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、転炉だけでなく予備処理炉や二次精錬炉等の他の精錬過程へも適用することができる。例えば、溶銑鍋や混銑車に収容された溶銑に対して脱珪処理や脱燐処理を施す際、低珪素濃度域において脱炭を抑制して優先的に脱珪を行う場合や、脱燐のための酸素ガス流量を変動させる場合に、攪拌強度を落とすことなく、高送酸速度域から低送酸速度域まで酸素ガスの供給調整幅を拡げることができ、容易に反応の効率を高めることができる。
二次精錬炉としては真空脱ガス炉の真空槽内における上吹き送酸脱炭に本発明を適用することができる。この場合には、酸素ガスの浴面に衝突する際の攪拌を高めることが可能となり、酸素と溶鋼中の[C]との反応を促進し、脱炭酸素効率を高め、優先的に脱炭反応を行うことができる。又、電気炉においても、溶銑、冷銑、炭材、高炭素濃度の鉄スクラップ等を使用する際には、転炉での脱炭精錬のような機能が必要であり、多くの場合、転炉よりも攪拌力が弱いので、酸素吹錬末期の過酸化防止のためには上吹き送酸速度を低下させる必要性が高く、従って、少なくともこの時期に本発明を適用することができる。このように、送酸、攪拌、原料装入、排ガス処理等の機能を有し、溶解、還元、脱炭、脱珪、脱燐のための酸素上吹き精錬を行う反応容器であれば、本発明を適用することができる。
又、上記説明では、撹拌用ガスとして非酸化性ガス及び不活性ガスを使用しているが、底吹き羽口3の形状を変えることで種々のガス種との組み合わせが可能である。例えば、酸素ガス用の内管と冷却ガス用の外管からなる二重管方式の底吹き羽口があり、この場合には、攪拌用ガスとして酸素ガスを用いることができる。攪拌用ガスとして酸素ガスを用いることにより、低コストで大量のガスを底吹きできる場合もあるが、低流量域においては、非酸化性ガス及び不活性ガスの場合と比べて浴内の反応や熱的挙動に大差はない。底吹き羽口3の溶損並びに底吹きガスの吹き抜けを防止するためには、底吹き羽口3からの吐出流速を所定値以上にすること及び底吹き羽口3の1本当たりの流量を浴深さに応じて低下することが重要であることが知られており、従って、処理容器の容量や浴深さに応じて底吹き羽口3の個数や口径を設定することが重要である。
容量が1トンの小型試験転炉における溶銑の脱炭精錬に本発明方法を適用した。用いた上吹きランスは、前述した図2に示すような、中心位置に1つ、その周囲に3つの合計4つのノズルを有する上吹きランスで、各ノズルのスロート径は3.2mm、出口径は3.8mmである。このノズルは、酸素ガス圧力が5kg/cm2 (4904 hPa)で、且つ周囲の3つのノズルからの全酸素流量が75Nm3 /hrの条件下で最適化されたラバールノズルである。周囲の3つのノズルは、傾角を18度とし、円周方向の相互のノズル角度を120度とした。
珪素をほとんど含有せず、炭素濃度が約4.2%である約1トンの溶銑を転炉に装入して脱炭精錬を行った。脱炭精錬は、周囲の3つのノズルから酸素ガスを150Nm3 /hrの送酸速度で14分間酸素吹錬した後、周囲の3つのノズルからの送酸速度を75〜95Nm3 /hrに減少させ、吸熱・還元物質としてのガス或いは液体を中心孔ノズルから供給して末期吹錬を行った。吸熱・還元物質としては、気体の水蒸気、CO2 ガス、C38 ガス(プロパンガス)、及び、液体の水とし、気体の場合には、Arガスで希釈して供給し、水の場合には、Arガスを搬送用ガスとして、霧化した灯油と混合して供給した。
又、比較のために、酸素ガス単独を供給した場合、酸素ガスとArガスとの混合ガスを供給した場合、及び、水蒸気を吐出直前で混合した酸素ガスと水蒸気との混合ガスを供給した場合について、酸素吹錬を行った。
表1に操業結果を示す。表1に示すように、本発明例では、比較例に比べて脱炭酸素効率が向上し、マンガン歩留まりも高位に安定した。尚、表1に示す総酸素流量は、送酸速度と、吸熱・還元物質からの酸素量とを含めた酸素ガス流量である。C38 ガスの場合には、酸素ガスとの反応分があるとの前提から有効酸素量が減じられると仮定して総酸素流量を定めている。
Figure 0004561067
図3には、末期吹錬の送酸方法として、周囲の3つのノズルからの送酸量が75Nm3 /hrで、中心のノズルからのArガスと水蒸気との総流量が40Nm3 /hrの場合(本発明例1〜4)において、吹錬末期の吹錬時間、並びに吹錬の初期と終点との[C]から一次の速度式を仮定して求まる脱炭速度定数K(min-1)を示す。図3には、Arガスと酸素ガスとの混合ガスを使用した比較例5も示したが、本発明例では、比較例に比べて脱炭速度が高まり、末期吹錬時間を短縮できることが分かった。
図4には、吸熱・還元物質からの酸素量を含めた総酸素流量と脱炭速度定数Kとの関係を示した。図4からも明らかなように、比較例に対して本発明例では、基準となる総酸素流量が75Nm3 /hrの場合に比べ、吸熱・還元物質からの酸素量によって総酸素流量が増加するにつれ、脱炭速度定数Kが増加することが分かった。その増加は単に酸素ガス流量を増加するに比べて大きな値を示すことが分かった。
これらの結果から、酸素吹錬末期に吸熱・還元物質を、酸素ガスを主体としたガスの噴流とは別系統の流路を介して、酸素ガスを主体とするガスの噴流に近接させて供給することで、ノズルを交換しなくても上吹きジェットを浴に効率的に作用することができ、脱炭吹錬終点におけるスラグの酸化を低減し、マンガン歩留まりの増加が可能となることが分かった。
容量が100トンの電気炉において、鉄スクラップを溶解して得た溶湯を脱炭精錬する際に、本発明方法を適用した。用いた上吹きランスは、前述した図2に示すような、中心位置に1つ、その周囲に3つの合計4つのノズルを有する上吹きランスである。
通常の鉄スクラップに加えて溶銑を30%配合した溶解原料をアークにて溶解し、鉄スクラップの溶け落ち後、直ちに上吹きランスによる送酸脱炭を行った。送酸脱炭は、周囲の3つのノズルから酸素ガスを3000Nm3 /hrの送酸速度で供給すると同時に、中心のノズルから水蒸気とArガスとの混合ガスを500〜1000Nm3 /hrで供給して行った。送酸脱炭開始時の初期炭素濃度は0.6〜0.7%であり、終点の溶湯温度の目標値は1600〜1620℃とした。上吹きランスの先端と湯面との距離(ランス高さと呼ぶ)は1mとした。又、比較のために、酸素ガスのみを供給した送酸脱炭も実施した。
このような条件で、炭素濃度が0.1%となるまで送酸脱炭を行い、送酸時間、酸素使用量、及び酸素吹錬終点時のスラグ中のT.Fe濃度を計測し、更に処理前と処理後の炭素濃度から脱炭酸素効率を評価した。ここで、T.Feとは、スラグ中の全ての鉄酸化物の鉄分の合計値である。
表2に操業結果を示す。表2に示す総酸素流量も、表1と同様に、送酸速度と吸熱・還元物質からの酸素量とを含めた酸素ガス流量である。又、図5に、送酸時間、酸素使用量、酸素吹錬終点時のスラグ中のT.Fe濃度を示す。
Figure 0004561067
表2及び図5からも明らかなように、本発明例では酸素効率が増加し、鉄の酸化を抑制することができ、且つ短時間で脱炭処理できることが分かった。
本発明に基づく脱炭精錬を実施する際に用いた転炉設備の1例を示す概略断面図である。 図1に示す上吹きランスの概略拡大断面図である。 実施例1における、水蒸気量と末期吹錬時間及び脱炭速度定数Kとの関係を示す図である。 実施例1における、総酸素流量と脱炭速度定数Kとの関係を示す図である。 実施例2における、水蒸気流量と送酸時間、酸素使用量、酸素吹錬終点時のスラグ中のT.Fe濃度との関係を示す図である。
符号の説明
1 転炉本体
2 上吹きランス
3 底吹き羽口
4 溶銑
5 スラグ
6 ランス本体
7 ランスノズル
8 外管
9 中管
10 内管
11 最内管
12 ノズル
13 ノズル

Claims (4)

  1. 反応容器内の溶銑又は溶鋼に対して上吹きランスの先端に設けたノズルから、酸素ガスを主体とするガスとして、酸素ガス、酸素ガスとArガスとの混合ガス、酸素ガスと窒素ガスとの混合ガスのうちの何れか1種のガスを供給し、溶銑又は溶鋼を酸化精錬する酸素上吹き精錬方法において、前記酸素ガスを主体とするガスを供給している全期間又は一部期間に、吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質として、CO2 ガス、水蒸気、炭化水素系ガス、水、炭化水素系液体のうちの何れか1種以上を、前記上吹きランスの先端の中心部に設けたノズルから、当該ノズルの周囲に設けたノズルから供給する酸素ガスを主体とするガスの噴流に近接させて供給し、且つ、各々のノズルからの吐出流速を150m/秒以上とするともに、中心部のノズルからの噴流と周囲のノズルからの噴流とが干渉しないように中心部のノズルと周囲のノズルとの軸心間の角度を10度以上として供給し、酸素ガスの鉄浴での衝突面に近接した浴面で、前記吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質を衝突させて吸熱反応又は還元反応を生じさせることを特徴とする酸素上吹き精錬方法。
  2. 吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質を、不活性ガス又は非酸化性ガスで希釈して供給するか、或いは、不活性ガス又は非酸化性ガスを搬送用ガスとして用い、搬送用ガスと共に供給することを特徴とする、請求項1に記載の酸素上吹き精錬方法。
  3. 前記反応容器が、転炉、取鍋、混銑車、真空脱ガス炉、AOD炉、アーク電気炉のうちの何れか1つであり、当該反応容器に収容した溶銑又は溶鋼の溶解、還元、脱炭、脱珪、脱燐のうちの何れか1つ以上を目的として酸化精錬することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の酸素上吹き精錬方法。
  4. 前記反応容器が、転炉又は真空脱ガス炉であり、当該反応容器に収容した溶銑又は溶鋼の脱炭を目的として酸化精錬を実施し、脱炭反応の進行に伴って溶銑又は溶鋼の炭素濃度が1.0質量%以下に低下した時点以降に、吸熱反応又は還元反応を生じさせる物質の供給を開始することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の酸素上吹き精錬方法。
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