JP4559961B2 - 溶融メッキ鋼線の空冷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融メッキ鋼線の製造に使用する空冷装置に関するものである。
従来、護岸工事用かごマット、金網、養殖用生簀、ワイヤロープ、鋼撚り線など、耐食性が要求される環境下で使用される鋼線には、耐食性を付与する方法として、Znメッキを施す方法が一般的に利用されている。現在では、さらに高耐食性を付与する方法として、二浴法によるZn−Al合金メッキを施す方法が主流となっている。
溶融メッキを施した鋼線(以下、「溶融メッキ鋼線」と言う場合がある)は、溶融メッキ槽から引き上げた後、付着溶融メッキ層を凝固させる必要があり、メッキ層の凝固方法としては強制的に空気を吹き付けて冷却を行なう空気冷却が知られている。
例えば、図7に示すように、鉛直方向に上下に3台の空冷装置840を設置したメッキ鋼線製造装置801が本発明者により提案されている(特許文献1参照)。このメッキ鋼線製造装置801は、溶融メッキ槽820の溶融Zn−Al合金メッキ浴面820aにおけるメッキ絞り部830の上部に、同じ構造の空冷装置840を鉛直方向に上下に3台配設している。メッキを施す前の鋼線Mは、溶融メッキ槽820内で溶融Zn−Al合金メッキされ、次いでシンカローラ850を経て溶融Zn−Al合金メッキ浴面820aから無酸化性の雰囲気ガスで覆われたメッキ絞り部830を通過して立ち上がり、空冷装置840を通過する過程において、強制的に空気を吹き付けてメッキ層を空気冷却された後、トップローラ860を経てドラム(図示せず)に巻き取られるようになっている。このメッキ鋼線製造装置801においては、溶融Zn−Al合金メッキ鋼線810が空冷装置840と、次の空冷装置840との間を移動する際に、強制的に空気を吹き付けられない区間(以下、「不連続部」という場合がある)が設けられている。
特許3542331号公報
かかる3台の空冷装置840による空気冷却では、空冷装置840と次段の空冷装置840との間に不連続部が設けられているので、メッキ層との熱交換により温められた冷却空気をこの不連続部で排出し、空冷装置840ごとに外部から供給された冷却空気で溶融Zn−Al合金メッキ鋼線810を冷却することができる。
しかし、溶融Zn−Al合金メッキ鋼線810が前記不連続部を移動する場合には、溶融Zn−Al合金メッキ鋼線810に対して効率的な冷却が行なえず、冷却区間が途切れてしまう。
また、溶融Zn−Al合金メッキ鋼線810を良好に凝固させるために、鉛直方向に上下3台の同じ構造の空冷装置840を設けているが、例えば、工場の建屋との関係で、トップローラの高さを、約7m程度とされている場合には、最上段の空冷装置を出たばかりの溶融Zn−Al合金メッキ鋼線810は、メッキが凝固していない場合があり、トップローラ860等によりメッキ層が削られる等の問題がある。そのため、さらに冷却装置840を付加しようとしても、建屋の関係で設置高さに制限がある場合には、設置スペースの確保が困難であるといった問題があった。
このような問題点の解決方法として、前記不連続部を設けないように、不連続部のない一つの通し冷却通路を有する空冷装置に、空気圧力室を複数設けることが考えられる。
そこで、本発明者らは、前記不連続部のない一つの通し冷却通路を有する空冷装置に、空気圧力室を複数設けて実施した。
しかしながら、前記一つの通し冷却通路を有する空冷装置に空気圧力室を複数設けて冷却空気を吹き込んでも、空気圧力室の上流側と下流側を個別に任意の風速に調製することが不可能で、上下流側とも同速となる。そのため、冷却通路の空気圧力室下流側が低速空気流、上流側が高速空気流となる理想的な冷却空気を流すことができず、溶融メッキ鋼線の冷却効率が前記従来の空冷装置よりも逆に低下し、メッキ外観良好な厚メッキができないという問題があった。
そこで、本発明の課題は、前記問題点に鑑み、前記不連続部を設けることなく、一台の冷却装置により冷却効率を低下させることなく、溶融メッキ鋼線に対して、連続した冷却を行なうことでメッキ層を良好に凝固させるとともに、冷却効率の向上が可能な空冷装置を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、請求項1記載の発明は、溶融メッキ槽から引き上げられた溶融メッキ鋼線に対して、強制的に空気を吹き付けて冷却する溶融メッキ鋼線製造装置における溶融メッキ鋼線の空冷装置において、内部に溶融メッキ鋼線を挿通する一つの通し冷却通路と、前記冷却通路に沿って間隔的に配置され、前記冷却通路へ空気を吹き出す空気吹出口を設けた複数段の空気圧力室と、を有し、二段目以降の空気圧力室の下流側の冷却通路は、当該空気圧力室から吹き出す空気により、当該冷却通路内に外部空気を吸引して導入するようにした外気導入路を備えることを特徴とする溶融メッキ鋼線の空冷装置である。
請求項1の構成により、一つの通し冷却通路を有する一台の空冷装置内に、空気圧力室から吹き出された冷却空気以外に、外気導入路から外部空気を吸引により導入する。これにより、下段の冷却筒内と上段の冷却筒内との筒内圧力との関連を断ち切ることができ、上段の冷却筒内圧力を下段の冷却筒内圧力より高く自由に設定できる。また、上段の冷却筒には、下段からの冷却空気と、上段からの冷却空気及び外部空気の3種の多量高圧の冷却空気を流すことが可能となる。したがって、上段の冷却筒内の風速の低下をなくすことができる。さらに、外部空気吸引により冷却通路内の温度を下げることができるので、冷却効率を向上することができる。
また、一つの通し冷却通路内の上下において、風速を変化させるとともに、一つの通し冷却通路内で連続して冷却することができるので、空冷装置内で溶融メッキ鋼線のメッキ層を凝固することができる。これにより、製品として溶融メッキ鋼線の表面に傷がつくことによる外観不良の発生を防ぐことができる。
請求項2記載の発明は、前記二段目以降の空気圧力室の下流側の冷却通路は、上流側よりも大きい断面積から略同じ断面積に少なくともそれぞれ当該冷却通路の出口までの区間において漸減させてなることを特徴とする請求項1記載の溶融メッキ鋼線の空冷装置である。
請求項2の構成により、冷却通路の断面積を漸減し、かつ外気を吸引により取り入れることで、冷却通路内の風速が遅くなることを抑制することができる。これにより、溶融メッキ鋼線を効率よく冷却でき、空冷装置内で溶融メッキ鋼線のメッキ層を凝固させることができる。
また、断面積を漸減することで、溶融メッキ鋼線に吹き付けられる冷却空気の風速を高めることができる。これにより、溶融メッキ鋼線を効率よく冷却でき、空冷装置内で溶融メッキ鋼線のメッキ層を凝固させることができる。
よって、製品としての溶融メッキ鋼線の表面に傷がつくことを防ぐことができる。
請求項3記載の発明は、前記空気圧力室は、前記冷却通路を囲むように設けられるとともに、前記各空気圧力室には、加圧源からの空気吹込管がそれぞれ接続され、前記外気導入路は、二段目以降の前記空気圧力室の上方に開口し、外部より吸引される前記外部空気を前記空気吹出口の周囲から前記冷却通路内に導入する外気吹出口を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の溶融メッキ鋼線の空冷装置である。
請求項3の構成により、空気圧力室に加圧源を接続することで、空気圧力室に冷却空気を圧力の高い状態で供給できる。圧力の高い状態で供給された冷却空気は、空気加圧室から圧力に応じた速度で冷却通路内に吹き出すことができる。
また、外気導入路から吸引されたフレッシュで低温な外部空気を空気吹出口の周囲から冷却通路内に導入することで、冷却通路内の圧力損失等を防止するとともに、温度を下げることができる。これにより、空気加圧室から吹き出された冷却空気とともに、溶融メッキ鋼線を効率よく冷却することができる。
請求項4記載の発明は、前記空気圧力室は、前記冷却通路を形成する冷却筒と、前記冷却筒の周囲に設けられる前記空気圧力室の周壁、上壁及び底壁とにより囲まれる空間で構成されるとともに、二段目以降の空気圧力室の前記上壁に、前記空気吹込管から吹き込まれた冷却空気を前記空気吹出口から冷却通路に吹き出す空気吹出管と、吸引される前記外部空気を前記冷却通路に導入する前記外気吹出口を有する外気吹出管とを同心状に配設したことを特徴とする請求項3記載の溶融メッキ鋼線の空冷装置である。
請求項4の構成により、冷却筒と冷却通路を一体として設けることで、不連続部のない一つの通し冷却通路を構成することができる。また空気加圧室の上壁に、空気吹出管と外気吹出管とを同心状に配置することで、空気圧力室から冷却筒内に吹き出される冷却空気の乱流を防ぐとともに、溶融メッキ鋼線をほぼ均等に冷却することができる。
請求項5記載の発明は、前記外気吹出管は前記空気吹出管の外側に設置され、かつ、外気吹出管の高さが前記空気吹出管よりも高いことを特徴とする請求項4記載の溶融メッキ鋼線の空冷装置である。
請求項5の構成により、外気吹出管と空気吹出管との高低差によって、外気と外気吹出口との差圧を発生させることができる。これにより、外気吸引管から外気を効率よく吸引することができる。また、外気を吸引することで、冷却通路内への風量を増やすことができるとともに、圧力損失分を補うこともできる。さらに、冷却通路内の温度を下げることができる。
請求項6記載の発明は、前記冷却通路内において、前記二段目以降の空気圧力室より下流側の冷却空気の風速を、当該空気圧力室よりの上流側の風速と同速以上とすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の溶融メッキ鋼線の空冷装置である。
請求項6の構成により、冷却通路内で各段ごとに冷却空気の風速を変えることができる。風速を高めることで、溶融メッキ鋼線を早く冷却することができる。これにより、冷却筒内で溶融メッキ鋼線のメッキ層を早く凝固させることができるので、トップローラ等によって表面に傷がつくことを防ぐことができる。
請求項7記載の発明は、前記空気圧力室が二段配置であり、二段目の空気圧力室が、前記冷却通路全長の略中央の位置に設けられることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の溶融メッキ鋼線の空冷装置である。
請求項7の構成により、二段目の空気圧力室を冷却通路全長の略中央に設けることで、全冷却通路の半分程度を高速冷却空気が流れる冷却筒とすることができ、効率的な溶融メッキ鋼線の冷却が可能となる。
本発明は次の効果を奏する。
1.本発明の溶融メッキ鋼線の空冷装置によれば、不連続部のない一つの通し冷却通路で冷却を行なうことができるので、冷却区間が途切れることがない。これにより、従来は冷却筒を出た後でもメッキ層が凝固していない場合があったが、本発明においては冷却筒内で凝固させることができる。したがって、トップローラ等によって溶融メッキ鋼線の表面が傷つくことがなく、品質を向上させることができる。
2.本発明の溶融メッキ鋼線の空冷装置によれば、外気吸引管を設けているので、長い冷却通路内での圧力損失等の影響を改善することができる。また、冷却通路内の温度を下げることができるので、従来よりも効率よく、かつ、早く溶融メッキ鋼線を冷却することができる。したがって、作業性を向上させることができる。
3.本発明においては、複数段の空気加圧室を設けたことで、空気加圧室から調整した圧力に応じた速度で、冷却空気を冷却通路内に吹き出すことができる。また、冷却通路内における風速を変えることができる。これによって冷却通路内に風速の異なる区間を設けることができ、溶融メッキ鋼線のメッキ層を速く凝固させることができる。したがって、作業性を向上させることができる。
4.従来は工場の建屋との関係で、トップローラの高さを約7m程度とされている場合に、最上段の空冷装置を出たばかりの溶融メッキ鋼線のメッキが凝固していない場合があった。しかし、本発明によれば、厚メッキを施した溶融メッキ鋼線を冷却筒内で凝固させることができるので、トップローラの高さを下げることができる。また、例えば、冷却空気にミストを混入することで、線径の太い鋼線に厚メッキを施した場合においても、冷却筒内で凝固させることができる。これにより、設置スペースの確保が容易になるとともに、作業性を向上させることができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
参照する図面において、図1は、本実施形態に係る空冷装置を備える溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線の製造装置を示す概略図である。図2は、本実施形態に係る一段目の空気圧力室の縦断面図である。図3は、本実施形態に係る二段目の空気圧力室の拡大外観図である。図4は、本実施形態に係る二段目の空気圧力室の縦断面図である。図5は、本実施形態に係る二段目の空気圧力室の内部説明図である。図6は、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線の組織断面図である。
≪溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の製造装置1≫
図1に示すように、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の製造装置1は、鋼線Mに溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキを施す溶融メッキ槽20と、溶融メッキ槽20の出口に配置されたメッキ絞り部30と、メッキ絞り部30を経て引き上げられる溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の進行方向に沿って鉛直に配置された空冷装置40と、空冷装置40の出口の直上に配置されたトップローラ60を、主に備えている。
より詳細に製造装置1について説明すると、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の製造装置1は、溶融メッキ槽20の溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ浴面20aに配設されるメッキ絞り部30の上方に、内部に不連続部のない一つの通し冷却通路47を有する空冷装置40を備えている。鋼線M(例えば、線径φが5.0mm)は、溶融メッキ槽20内で溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキされた後、シンカローラ50を経て溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ浴面20aから無酸化性の雰囲気ガスで覆われたメッキ絞り部30を通過して立ち上がり、空冷装置40の冷却通路47内を通過する過程において、下段と中段の二段箇所に設けられた第1及び第2空気圧力室41,42から吹込まれた冷却空気を強制的に吹きられ付けてメッキ層が冷却される。その後、トップローラ60を経てドラム(図示せず)に巻き取られるようになっている。
<メッキ槽20>
図1に示すように、溶融メッキ槽20は、鋼線Mにメッキを施すための浴槽である。溶融メッキ槽20は溶融Zn,溶融Zn−Al,溶融Zn−Al−Mn合金等の溶融非鉄金属で満たされており、鋼線Mが溶融メッキ槽20中に入線することで鋼線Mにメッキが施される。
また、溶融メッキ槽20の数は限定されず、複数設けてもよい。また、溶融メッキ槽20内のメッキ浴組成は、Zn以外にAlやSn等でもよく、Al、Snとその他の金属による溶融合金メッキとしてもよい。
例えば、本実施形態においては、浴槽を2つ設け、第一浴槽を溶融Zn浴(図示せず)、第二浴槽をZn、Al及びMnの溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金浴とすることもできる。このように、二浴法とすることで、さらに耐食性の高いメッキ鋼線を製造することができる。
なお、本実施形態においては、鋼線M(線径φが5.0mm)に対して、線径ミリ数値の160〜210倍である、800〜1050g/m程度の厚メッキが施される。
<メッキ絞り部30>
図1に示すように、メッキ絞り部30は、溶融メッキ槽20の溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ浴面20aに配設されており、無酸化性の雰囲気ガスが充満されている。この無酸化性ガスは、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ浴面20aの酸化を防止するとともに、酸化物が溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10に付着するのを防いでいる。さらに、無酸化性ガスは、溶融メッキ槽20中のシンカローラ50によって立ち上げられた溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10のメッキ層の偏肉や外観を損なわないようにしている。
<空冷装置40>
空冷装置40は、図1に示すように、メッキ絞り部30の上方に配置され、その内部に不連続部のない一つの通し冷却通路47を有する空冷装置である。本実施形態の空冷装置40では、図示しない外部の空気供給手段(加圧源)によって、空気吹込管44,44から下段と中段の二箇所に設けられた第1及び第2空気圧力室41,42に冷却空気が供給されている。また供給される冷却空気量はバルブVによって、適宜コントロールされ、第1及び第2空気圧力室41,42に供給する圧力を調整している。
なお、本実施形態においては、冷却通路47内の冷却空気の流れに関し、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の入口側が特許請求の範囲記載の『上流側』に相当し、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の出口側が特許請求の範囲記載の『下流側』に相当する。
[空気圧力室41,42の構造]
空気圧力室41,42は、冷却通路47内に冷却空気を吹込むためのものである。図2に示すように、第1空気圧力室41は、第1冷却筒43a(冷却通路47)内への冷却空気の供給口として、空気吹出口45aのみを備えた構造である。また、図3及び図4に示すように、第2空気圧力室42は、第2冷却筒43b(冷却通路47)内への冷却空気の供給口として、空気吹出口45bを備えた構造である。
図2及び図4を参照して、空気圧力室41,42の構造をより詳細に説明すると、第1空気圧力室41と第2空気圧力室42は、冷却空気の供給を受けるための空気吹込管44と、第1空気圧力室41と第2空気圧力室42からそれぞれ冷却通路47内へ冷却空気を吹き出させる空気吹出口45a,45bとをそれぞれ備えている。この空気吹出口45a,45bには、図示しない少なくとも一つのブロアなどの加圧源から空気吹込管44,44を介して冷却空気が供給されるようになっている。さらに、図3及び図4に示すように、第2空気圧力室42は、第2空気圧力室42の上方に第2冷却筒43bへの空気の供給口として、外気吸引管46が複数設けられるとともに、第1空気圧力室41から吹き出された冷却空気と溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10とが通過する冷却通路47とを備えている。そして、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10は、通し冷却通路47の中心となるように配設され、60m/分の早さで冷却通路47内を引き上げられている。
[冷却筒43a,43bの構造]
図1及び図2に示すように、第1冷却筒43aは、第1空気圧力室41の上壁41aと接続された直管(例えば直径100mm)で形成された管体である。
一方、図1、図3及び図4に示すように、第2空気圧力室42の上方に連なる第2冷却筒43bは、第2空気圧力室42の上壁42aの接続部においては、周壁42bと同径に形成されており、漸次その径が縮小されて絞り部49を形成している。つまり、この絞り部49は、冷却通路47の断面積を漸減する区間として形成されている。そして、絞り部49区間の上方は、その出口まで、第1冷却筒43aと同径(直径100mm)に形成されている。
図2に示すように、第1空気圧力室41は、第1空気圧力室41の上壁41a、周壁41b及び底壁41cと、ガイド筒431とから構成される空間である。第1空気圧力室41において、図示しない加圧源から冷却空気が第1空気圧力室41に供給されると、供給された冷却空気は第1空気圧力室41の上壁41aに設けられた空気吹出口45aを経て第1冷却筒43a内に吹き出される。吹き出された冷却空気は、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10を冷却しながら、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10とともに第1冷却筒43a(冷却通路47)内を上昇していく。
具体的には、第1空気圧力室41には、第1空気圧力室41の周壁41bの一側に設けられた空気吹込管44から3KPaの気圧で第1空気圧力室41に冷却空気が送り込まれ、空気吹出口45aから第1冷却筒43a(冷却通路47)内に風速が25m/s〜40m/s程度の速さで冷却空気が吹き出ている。また、第1空気圧力室41の空気吹出口45aから吹き出された主冷却空気流aによって、ガイド筒431から、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10を冷却するように外気が副冷却空気流bとして第1冷却筒43a内に吸引されている。
なお、本実施形態においては、空気吹出口45aの数や形は明記していないが、必要に応じて適宜設計変更が可能である。
また、ガイド筒431内においても溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10は副冷却空気流bによって冷却されるため、ガイド筒431は第1冷却筒43aの一部として構成しても良い。
次に、図4に示すように、第2空気圧力室42は、上壁42a、周壁42b及び底壁42cと、第1冷却筒43aとから構成される空間を有している。第2空気圧力室42において、図示しない加圧源から冷却空気が第2空気圧力室42に供給されると、供給された冷却空気は第2空気圧力室42の上壁42aに設けられた空気吹出管45cを経て、空気吹出口45bから第2冷却筒43b内に吹き出される。吹き出された冷却空気は、下段の第1冷却筒43aの冷却通路47を通過して上昇してきた溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の冷却により温められた冷却空気とともに、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10を引き続き冷却しながら第2冷却筒43b(冷却通路47)内を上昇していく。
具体的には、第2空気圧力室42には、周壁42bの一側に設けられた空気吹込管44から10KPaの気圧で第2空気圧力室42に空気が送り込まれ、空気吹出管45cを経て、空気吹出口45bから第2冷却筒43b(冷却通路47)内に風速が40m/s〜60m/s程度の速さで冷却空気が吹き出ている。
さらに、図3、図4及び図5に示すように、第2空気圧力室42の上方には、外気吹出管48cに連通される外気吸引管46(外気吸引口46a)が外部に向かって突出して設けられている。外気吹出管48cは、外気と外気吹出口48bの差圧によって、外部から外気吸引管46を経て吸引された外部空気を第2冷却筒43b内に導入させるためのものである。外気吸引口46aから吸引された外部空気は、第2空気圧力室42の空気吹出口45bから吹き出された冷却空気同様、冷却通路47を通過して上昇してきた冷却空気とともに、引き続き溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10をフレッシュで低温な外部空気で冷却しながら第2冷却筒43b(冷却通路47)内を上昇していく。
この外気吸引管46から吸引された外部空気によって、第2冷却筒43b(冷却通路47)内を流れる冷却空気量及び速度を増やすことができるとともに、圧力損失等の影響をなくすことができる。
例えば、第1冷却筒43aから連通している冷却通路47を、比較のため、第2空気圧力室42の直近下方で切断し、約1m程度の不連続部を設けた従来の場合と本実施形態の場合とでは、図1に示すA地点及びB地点の温度は次のようになった。
表1からもわかるように、A地点での冷却空気の温度はほぼ同じ温度であった。一方、B地点における冷却空気の温度は、本実施形態においては、不連続部を設けた従来の空冷装置よりも約9℃低かった。つまり、冷却筒が連続していない従来の空冷装置よりも、本実施形態の方が効率良く冷却できることを意味している。
また、線径ミリ数値の160〜210倍の厚メッキ(800〜1050g/m)を施した溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10にたいして、従来の空冷装置を用いて冷却した場合には、B地点において、メッキ層が凝固していない場合があった。しかし、本実施形態においては、B地点において既に溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10のメッキ層は冷却されて凝固していた。つまり、空冷装置40内で厚メッキを施した溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10のメッキ層の凝固が完了していたことになる。これは、従来の空冷装置において不連続部となって、冷却されなかった区間が、本実施形態では連続して冷却し続けることができるようになったからであると考えられる。したがって、A地点で既にメッキが凝固しているので、トップローラ60等によって溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の表面に傷がつくことがなく、品質が向上する。
ここで、表1に示すように、第1空気圧力室41と第2空気圧力室42に、それぞれ異なる圧力をかけて冷却空気を供給し、第1空気圧力室41の空気吹出口45aから吹き出された冷却空気(図2参照)と、第2空気圧力室42の空気吹出口45bから吹き出された冷却空気(図4参照)との風速が異なるようにしてある。これは、風速に相対差を設けることで、第1空気圧力室41の空気吹出口45aから吹き出された相対的に低速の冷却空気によって、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の高温で流動性が高く、メッキ外観が崩れやすい付着メッキ層をゆっくり冷却し、次いで第2空気圧力室42の空気吹出口45bから吹き出された冷却空気と、外気吹出口48bから吹き出された相対的に高速の冷却空気によって、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の低温で流動性が低く、メッキ外観が崩れにくい付着メッキ層を冷却するためである。これにより、冷却を効率的に行なうとともに、メッキ層組織中にできる共析相を塊状化させて、耐食性を向上させる。
なお、本実施形態のように、冷却空気流として、冷却通路47内の風速を2流速とすることが好ましいが、冷却通路47内の風速は同速であってもよく、この場合においても共析相を塊状化させることができる。
ここで共析相とは、メッキ層組織中に電位の異なる微細なα−Al相とβ−Zn相とが混在する層のことであり、常にβ−Znマトリックス相に優先して腐食される。従って、顕微鏡写真では共析相は腐食液により早く腐食されるため黒色で示される。一方β−Znマトリックス相は腐食されにくいため、白色のままである。例えば図6に示すように、本実施形態におけるZn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の場合、メッキ層71組織中には、耐食性の悪い共析相75aと耐食性の良いβ−Znマトリックス相75bとが共存している。共析相75aは常にβ−Znマトリックス相75bに優先して腐食されることが知られており、腐食は共析相75aに沿って異種金属接触腐食効果により内部へと進行していく。したがって、図6(c)に示すように、水冷却の場合、共析相75aが微細かつ近距離にあるほど腐食は早く進むこととなる。したがって、空冷によりメッキ層71組織中の共析相を塊状化することで、共析相間の距離を長くとれ、共析相に沿って内部へと進む腐食をある程度防止することができる。
図6は、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の組織断面図である。図6(a)は、本実施形態に示す空冷装置40を用いて空気冷却した溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の組織断面図であり、図6(b)は特許文献1(特許3542331号公報)に開示された空冷装置840(図7参照)を用いて空気冷却した溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線の組織断面図である。また、図6(c)は、水冷却を行なった場合の溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線の組織断面図である。
図6(a)参照して説明すると、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10は、鋼線(地鉄)73上に、Zn、Al、Mn、Feを含む中間層72を介して、Zn、Al、Mnからなるメッキ層71を備えている。
中間層72は、メッキ浴組成物の組成に由来するZn、Al、Mn及び鋼線である地鉄由来の拡散成分のFeで形成されている。
メッキ層71は、Zn、Al、MnからなるZn−10%Al−Mn合金で形成されており、前記した溶融メッキ組成物を構成する金属成分が固化したものである。このメッキ層71中には図6(a)に示すように、α−Al相とβ−Zn相とが混在してなる共析相75aがβ−Znマトリックス相75b中に塊状で分散した構造をとっている。
なお、Mnは中間層72及びメッキ層71中に均等に分散し、固溶体を作り固溶されていると推察される。
ここで、図6(a)と図6(b)を比較してもわかるように、本実施形態における空冷装置40を用いても、従来の空冷装置840同様、メッキ層71組織中の共析相75aが塊状化している。つまり、本実施形態においても、十分に共析相を塊状化させられるだけの冷却能力があるということがわかる。
図4に戻って第2空気圧力室42の説明を続ける。
本実施形態の第2空気圧力室42の上方においては、空気吹出管45cと外気吹出管48cを二重管式として設けるとともに、上壁42aに同心円状に8個設置されている(図5参照)。
本実施形態の外気導入路48aは、特許請求の範囲に記載の『外気導入路』に相当し、外気吸引管46、外気吹出管48cにより形成される通路を含む。なお、図4に示す、外気導入路48aは、空気吹出管45cと外気吹出管48cを二重管式として設けることで形成され、外気吸引口46aから吸引された外部空気は、当該外気導入路48aを通過して第2冷却筒43b内に導入される。さらに、空気吹出口45bの高さは、外気吹出口48bの高さよりも低くなっている。言い換えれば、空気吹出管45cの高さは、外気吹出管48cの高さよりも低い。これは、外気と外気吹出口48b内の差圧によって外気吸引管46から外気を吸引するのに好適なためである。
なお、本実施形態においては空気吹出管45cと外気吹出管48cとを二重管式として設けたが、外気と第2冷却筒43b内の差圧によって外気吸引管46から外気を吸引できれば、二重管式の構造は限定されず、また二重管式に限定されない。
また、本実施形態では外気吹出管48cを空気吹出管45cの外側に配置したが、これに限られるものではなく、空気吹出管45cを外気吹出管48cの外側に配置し、さらに空気吹出管45cの外側に、外気吹出管48cの高さよりも高い壁を設けても良い。この構成においても、外気と外気吹出口48bの差圧によって、外気吸引管46から空気を吸引できる。
さらに、外気と外気吹出口48bの差圧によって外気吸引管46から外気を吸引できれば、空気吹出口45bと外気吹出口48bの高さは設計的に、適宜変更可能である。
図4に示すように、本実施形態の第2空気圧力室42の空気吹込管44から供給された冷却空気は、上壁42aに設けられた空気吹出管45cを経て、空気吹出口45bから第2冷却筒43b(冷却通路47)内に吹き出される。空気吹出口45bから吹き出された冷却空気は、外気吹出口48bから吹き出された空気とともに第2冷却筒43bの絞り部49の形状に沿って上昇していく。
図4に示すように、冷却通路47は第2空気圧力室42の上方で、いったん通路が第2空気圧力室42の周壁42bと同じ外径t’まで広がる。ところで、冷却通路が広がったままでは、新たに第2空気圧力室42から風速の速い冷却空気が吹き込まれても、冷却通路断面積が増え、風速が速くならない。そこで、広がった冷却通路47は、冷却通路の外径t’が外径tとなるように、絞り部49によって漸減されている。図3及び図4に示す曲線状の絞り部49は円錐型としてもよい
なお、周壁42bは、第2冷却筒43bと同一部材を延長して一体に形成するようにしても良い。
この絞り部49によって、第2冷却筒43b内の外径が絞り込まれることで、第2空気圧力室42の設置に伴う冷却通路断面積増加による風速の低下を防ぐことができる。さらに、外気吸引管46からの空気の導入と併せることによって、風速を速め、冷却空気の温度を下げることができるとともに、冷却通路47内に2流速を設けることができる。これにより、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10の冷却効率をあげることができる。
本実施形態においては、図1に示すように、第2空気圧力室42が空冷装置40の全高さの略中央に設けられている。これは、第2空気圧力室42が第1空気圧力室41に接近した間隔であった場合には、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10のメッキがいまだ凝固していないので、風速の速い風を当てるとメッキが飛び散ってしまう虞がある上に、急冷となるため共析相が微粒分散してしまう危険性があるからである。また、第2空気圧力室42をトップローラ60の直近付近に設けた場合には、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10が第1空気圧力室41から吹き込まれた冷却空気のみで冷却されることになる。そのため、冷却効率が逆に悪く、メッキが凝固しない場合があり、トップローラ60等で表面に傷がつく虞がある。したがって、効率よく溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10を冷却するためには、冷却通路47の略中央、具体的には、冷却通路47の中程から上下1mの範囲内に設けるのが好ましい。
なお、空気圧力室を複数段設ける場合には、冷却通路47に略均等となるように設けることが好ましい。
『その他の実施形態』
溶融メッキ鋼線の製造工場では建屋との関係で、トップローラ60の高さがメッキ浴面20aから約7m程度であり、鋼線Mの線径φが5.0mmまでの場合には、空気冷却のみで厚メッキを施した溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10のメッキを凝固させることができる。しかし、鋼線Mの線径φが5.0mmより太い場合には、鋼線Mの熱容量が多くなるため、厚メッキを施した溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10のメッキが凝固しにくい。
そこで、第1空気圧力室41と第2空気圧力室42の空気吹込管44にそれぞれノズルを設け、当該ノズルからミストを噴射して、冷却空気に混入して冷却することも可能である。
例えば、鋼線Mの線径φが6.0mmの場合には、第1空気圧力室41の空気吹込管44にノズルを設け、当該ノズルからミストを噴射して、冷却を行なう。
第1空気圧力室41は、メッキ層から近い位置にあるため、溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線10のメッキはいまだ高温である。したがって、直接水をかける水冷却と異なり、ミストを混入した冷却空気によって冷却を行なっても急冷とならず、共析相が微粒分散することもない。
鋼線Mの線径φが8.0mmの場合、線径φが6.0mmのときに比べ、付着するメッキ量が増えるため、冷却に時間がかかる。また、鋼線Mの熱容量が太物のため多く、メッキ層の温度が下がりにくい。したがって、第1空気圧力室41の空気吹込管44にノズルを設けてミストを噴射しただけでは、メッキを凝固させることができない。そこで、第1空気圧力室41及び第2空気圧力室42の両方の空気吹込管44,44にそれぞれノズルを設け、当該ノズルからミストを噴射して、冷却を行なう。なお、第1空気圧力室41及び第2空気圧力室42の空気吹込管44,44にそれぞれ設けたノズルからミストを噴射しても急冷とはならず、共析相が微粒分散することもない。
なお、ノズルを片方にのみ設置する場合には、第1空気圧力室41の空気吹込管44に設けることが好ましい。メッキ槽20から引き上げられたばかりのメッキは高温であるため、多少のミストによっても急冷されないためである。そのため、共析相が微粒分散せず、耐食性を確保することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、第1空気圧力室41内と第2空気圧力室42内には、空気の吹き出しによって冷却空気の乱流を防止するための乱流防止用整流板(図示せず)を複数枚設けてもよい。
また、メッキ工程および空気冷却は単線に限られず、複数本の鋼線を同時にメッキし、空冷装置にて空気冷却することも可能である。
さらに、冷却筒と空気圧力室との接合部にネジ式の連設管を設けて、着脱自在に連設可能にすることで、溶融メッキ鋼線の位置確認と点検を容易に行なうことができる。なお、溶融メッキ鋼線の冷却時においては、連設管を閉じることで、一つの通し冷却通路を有する空冷装置として用いることができる。
本実施形態に係る空冷装置を備える溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線の製造装置を示す概略図である。 本実施形態に係る一段目の空気圧力室の縦断面図である。 本実施形態に係る二段目の空気圧力室の拡大外観図である。 本実施形態に係る二段目の空気圧力室の縦断面図である。 本実施形態に係る二段目の空気圧力室の内部説明図である。 溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線の組織断面図であり、(a)は本実施形態に係る空冷装置で冷却した場合の組織断面図、(b)は従来の空冷装置で冷却した場合の組織断面図、(c)は水冷却によって冷却した場合の組織断面図である。 従来の空冷装置を備える溶融メッキ鋼線の製造装置を示す概略図である。
符号の説明
1 製造装置
10 溶融Zn−10%Al−0.05%Mn合金メッキ鋼線
20 溶融メッキ槽
40 空冷装置
41 第1空気圧力室
41a 第1空気圧力室の上壁
41b 第1空気圧力室の周壁
41c 第1空気圧力室の底壁
42 第2空気圧力室
42a 第2空気圧力室の上壁
42b 第2空気圧力室の周壁
42c 第2空気圧力室の底壁
43a 第1冷却筒
43b 第2冷却筒
44 空気吹込管
45a 空気吹出口
45b 空気吹出口
45c 空気吹出管
46 外気吸引管
46a 外気吸引口
47 冷却通路
48a 外気導入路
48b 外気吹出口
48c 外気吹出管
49 絞り部

Claims (7)

  1. 溶融メッキ槽から引き上げられた溶融メッキ鋼線に対して、強制的に空気を吹き付けて冷却する溶融メッキ鋼線製造装置における溶融メッキ鋼線の空冷装置において、
    内部に溶融メッキ鋼線を挿通する一つの通し冷却通路と、
    前記冷却通路に沿って間隔的に配置され、前記冷却通路へ空気を吹き出す空気吹出口を設けた複数段の空気圧力室と、を有し、
    二段目以降の空気圧力室の下流側の冷却通路は、当該空気圧力室から吹き出す空気により、当該冷却通路内に外部空気を吸引して導入するようにした外気導入路を備える
    ことを特徴とする溶融メッキ鋼線の空冷装置。
  2. 前記二段目以降の空気圧力室の下流側の冷却通路は、上流側よりも大きい断面積から略同じ断面積に少なくともそれぞれ当該冷却通路の出口までの区間において漸減させてなることを特徴とする請求項1記載の溶融メッキ鋼線の空冷装置。
  3. 前記空気圧力室は、前記冷却通路を囲むように設けられるとともに、
    前記各空気圧力室には、加圧源からの空気吹込管がそれぞれ接続され、前記外気導入路は、二段目以降の前記空気圧力室の上方に開口し、外部より吸引される前記外部空気を前記空気吹出口の周囲から前記冷却通路内に導入する外気吹出口を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の溶融メッキ鋼線の空冷装置。
  4. 前記空気圧力室は、前記冷却通路を形成する冷却筒と、前記冷却筒の周囲に設けられる前記空気圧力室の周壁、上壁及び底壁とにより囲まれる空間で構成されるとともに、
    二段目以降の空気圧力室の前記上壁に、前記空気吹込管から吹き込まれた冷却空気を前記空気吹出口から冷却通路に吹き出す空気吹出管と、吸引される前記外部空気を前記冷却通路に導入する前記外気吹出口を有する外気吹出管とを同心状に配設したことを特徴とする請求項3記載の溶融メッキ鋼線の空冷装置。
  5. 前記外気吹出管は前記空気吹出管の外側に設置され、かつ、外気吹出管の高さが前記空気吹出管よりも高いことを特徴とする請求項4記載の溶融メッキ鋼線の空冷装置。
  6. 前記冷却通路内において、前記二段目以降の空気圧力室より下流側の冷却空気の風速を、当該空気圧力室よりの上流側の風速と同速以上とすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の溶融メッキ鋼線の空冷装置。
  7. 前記空気圧力室が二段配置であり、
    二段目の空気圧力室が、前記冷却通路全長の略中央の位置に設けられることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の溶融メッキ鋼線の空冷装置。
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