JP3637874B2 - 溶融亜鉛系めっき鋼板のスパングル微細化装置および表裏異種スパングル溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融亜鉛系めっき鋼板表面のスパングル模様を微細化する装置および表裏異種スパングル溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融亜鉛めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき浴に浸漬した鋼板を上方に引き上げ、ガスワイピングノズルから高圧気体を鋼板に吹き付けてめっき付着量を調整して製造される。鋼板表面に付着した溶融亜鉛が凝固する際に樹枝状結晶が成長し、溶融亜鉛めっき鋼板の表面にスパングル模様ができる。
【0003】
溶融亜鉛めっき鋼板のスパングルは、前記スパングル模様をそのまま残したレギュラースパングルと、前記スパングル模様を微細化したミニマムスパングルに大別される。ミニマムスパングルには、金属光沢を保持したもの(以下、ブライトミニマムスパングルという)と、めっき表面に凹凸を付与して金属光沢を消去したもの(以下、ゼロスパングルという)がある。
【0004】
スパングルを微細化するには、ガスワイピングノズル上方に配設されているスプレー装置を備えるスパングル微細化装置を使用する。スプレー装置には、冷却媒体を鋼板表面に噴射するノズルが鋼板幅方向に複数配設されている。
【0005】
ブライトミニマムスパングルにするには、スプレー装置に配設するノズルに液状の冷却媒体を加圧気体で噴霧するノズル(2流体式ノズル)を使用し、液体の冷却媒体を加圧気体で小さな粒径の粒子にして溶融状態のめっき層表面に噴射し、冷却媒体粒子の冷却効果と核生成サイト増加効果の相乗効果によって、スパングルを金属光沢を保持したまま微細化する。冷却媒体には水や薬液が使用される。加圧気体には、通常空気が使用される。
【0006】
ゼロスパングルにするには、スプレー装置に配設するノズルに冷却媒体を直接スプレーするノズル(1流体式ノズル)を使用し、冷却媒体を加圧してブライトミニマムスパングルにする場合よりも粒子が大きい冷却媒体を溶融状態のめっき層表面に噴射し、めっき層表面に凹凸を付与して金属光沢を消去する。冷却媒体には、通常水が使用される。
【0007】
同一ラインで前記2種類のミニマムスパングルの溶融めっき鋼板を製造する場合、2流体式ノズルが配設されたスプレー装置(2流体式ミストスプレー装置)を備えるスパングル微細化装置と1流体式ノズルが配設されたスプレー装置(1流体式スプレー装置)を各1基併設し、さらに両者をお互いに独立にパスライン外に退避可能に配設し、一方の装置使用時は他方の装置をパスライン外に退避させていた。しかし、一方の装置を他方の装置に切り替える際に迅速な切り替えができないため、切り替え時に歩留まりロスが発生するという問題があった。
【0008】
1基のスパングル微細化装置に1流体式スプレー装置と2流体式ミストスプレー装置を併設すると、1流体式スプレー装置と2流体式ミストスプレー装置の切り替えを迅速に行うことができるので、従来技術で発生する切り替えに伴う歩留まりロスを防止できる。しかし、これまで、1つのケーシング内に前記した2種類のスプレー装置を併設することについては十分に検討されていない。
【0009】
なお、特開平1−208442号公報には、同一ケーシング内に薬液噴霧ノズルおよびその下方に水用ヘッダーを併設したゼロスパングル亜鉛めっき鋼板の製造装置が開示されている。この装置は、薬液噴霧ノズルを用いてゼロスパングル(本明細書におけるブライトミニマムスパングル)亜鉛めっき鋼板のみを製造する装置であり、2種類のスパングルの亜鉛めっき鋼板を製造する装置ではない。水スプレーヘッダーは、薬液噴霧ノズルによるスパングルの微細化を安定して行えるようにめっき被覆の凝固位置の調整に使用され、スパングルの微細化を行うためのものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記事情を考慮し、1基のスパングル微細化装置に1液式スプレー装置と2液式ミストスプレー装置を併設し、金属光沢を保持したミニマムスパングル(ブライトミニマムスパングル)と金属光沢を消去したミニマムスパングル(ゼロスパングル)の各スパングルの溶融亜鉛系めっき鋼板の製造を効率よく行うことができる溶融亜鉛系めっき鋼板のスパングル微細化装置を提供することを目的とする。また、本発明は、鋼板の一方の面がブライトミニマムスパングルで他方の面がゼロスパングルからなる表裏異種スパングル溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、1基のスパングル微細化装置に1液式スプレー装置と2液式ミストスプレー装置を併設したところ、前記各スプレー装置を単独で配設した場合には起こらないノズル詰まりや冷却媒体の液滴落下が起こり、表面むらが発生しやすくなることが明らかになった。さらに前記ノズル詰まりや液滴落下に起因する表面むらの発生を防止し、良好な外観のミニマムスパングルの溶融亜鉛めっき鋼板を製造できる最適の装置構成について種々検討し、本発明に至った。
【0012】
上記課題を解決する本発明の手段は次のとおりである。
(1)溶融亜鉛系めっき浴から引き上げられ上方へ進行する鋼板に面して、その幅方向に、該鋼板表面の溶融めっき層に冷却媒体を噴射してスパングルを微細化するスプレー装置を備える溶融亜鉛系めっき鋼板のスパングル微細化装置において、スプレー装置として、冷却媒体を気体で噴射するノズルが鋼板幅方向に複数配設された2流体式ミストスプレー装置と、加圧冷却媒体を直接噴射するノズルが鋼板幅方向に複数配設された1流体式スプレー装置が併設され、且つ前記1流体式スプレー装置は前記2流体式ミストスプレー装置の上方に配設されることを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板のスパングル微細化装置。
(2)2流体式ミストスプレー装置のノズルと鋼板との距離をa、1流体式スプレー装置のノズルと鋼板との距離をbとした場合、aとbは、a<bを満足することを特徴とする前記(1)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板のスパングル微細化装置。
【0013】
(3)1流体式スプレー装置の下方に、1流体式スプレー装置のノズルから滴下する冷却媒体液滴を該スプレー装置後方に誘導する整流板を備えることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板のスパングル微細化装置。
(4)2流体式ミストスプレー装置の下方に2流体式ミストスプレー装置のノズルから滴下する冷却媒体液滴を該ミストスプレー装置後方に誘導する整流板を備えることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶融亜鉛めっき鋼板のスパングル微細化装置。
【0014】
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の溶融亜鉛系めっき鋼板のスパングル微細化装置を用いて、一方の鋼板面には2流体式ミストスプレー装置を用いてスパングルを微細化し、他方の鋼板面には1流体式スプレー装置を用いてスパングルを微細化することを特徴とする表裏異種スパングル溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るスパングル微細化装置の要部断面図である。図1において、11、12は2流体式ミストスプレー装置、13、14はそれぞれ2流体式ミストスプレー装置11、12のノズルから滴下する液滴が鋼板1に沿って下方に滴下するのを防止し、該液滴を該2流体式ミストスプレー装置11、12の後方(鋼板1から遠ざかる方向。以下同じ。)に誘導する整流板、15は1流体式スプレー装置、16は1流体式スプレー装置のノズルから滴下する液滴が鋼板1に沿って下方に滴下するのを防止し、該液滴を該1流体式スプレー装置15の後方に誘導する整流板、17〜19はガイド板である。
【0016】
2流体ミストスプレー装置11、12、1流体式スプレー装置15、整流板13、14および16、ガイド板17〜19は鋼板1を挟んで各々1対ずつ配設されている。
【0017】
整流板13、14、16及びガイド板17〜19は、いずれも下方に向かうと鋼板との距離が遠くなるように下方外側に傾斜状に配設されている。前記各々の部材は、下から上へ進行する鋼板の通路を有する箱状構造に構成されたケーシング10内部に配設されている。ケーシング10の一方の鋼板端部に対面する側の側壁は扉状に開閉可能に配設されている。
【0018】
20はドレン管、21は排気ダクト、22は排気管でフレキシブル管で構成され、排気ブロア23に接続される。
【0019】
本装置は、図示されていない昇降装置で上下に昇降可能に配設され、またケーシング10側壁の扉状部を開き、図示されていない移動装置で鋼帯幅方向のパスライン外に移動可能に配設されている。
【0020】
本装置でゼロスパングルの溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合、1流体式スプレー装置15を用いて高圧の冷却媒体を直接1流体式ノズルでプスレーして溶融状態のめっき層表面に噴射する。本装置では、冷却媒体として水を使用するように配設されている。噴射された水は、2流体式ミストスプレー装置11、12のノズルから噴射された粒子より大きい。この粒子が溶融状態のめっき層表面に衝突すると、めっき層が急激に冷却され、同時にその表面に凹凸が形成され、金属光沢のないミニマムスパングル(ゼロスパングル)になる。高圧水のスプレー条件は通常の条件でよい。例えば、高圧水のスプレー条件としては、1流体式ノズルと鋼板1と距離は150〜200mm、吐出圧力は10〜20kgf/cm2、スプレー角度は水平面に対して5〜20度上向きの条件を例示できる。
【0021】
スパングルの微細化に有効に使用されなかった水粒子は排気ブロア23で吸引されてスパングル微細化装置の系外に排出され、または粒子同士が凝集してあるいは凝集することなく落下する。落下した粒子は、ケーシング10内壁またはケーシング10内部に配設されている各部材に付着した後、流下し、あるいは液滴になって落下する。液滴がケーシング10下部の鋼板通路から落下して溶融状態のめっき層表面に付着すると、外観むらになる。
【0022】
1流体式スプレー装置15のノズルには多量の水粒子が付着する。そのため、このノズルから滴下する液滴がケーシング10の下部の鋼板通路から落下しないようにすることが、良好な外観のゼロスパングルを得る上で特に重要である。
【0023】
本装置では、1流体式スプレー装置15の下方に該1流体スプレー装置15のノズルから滴下した液滴を該1流体式スプレー装置15の後方に誘導する整流板16が配設されている。
【0024】
図2は1流体式ミストスプレー装置15のノズルとその下方に配設されている整流板16を示す側面の要部拡大図である。
【0025】
本装置では、整流板16と鋼板1との間隔が上方に向かって狭くなるように配設され、整流板16と鋼板1との距離はノズルと鋼板1との距離よりも小さく配設されている。そのため、ガスワイピングノズルから噴射され鋼板1に衝突後上昇するガス流れが整流板16と鋼板1間で速くなり、1流体式スプレー装置15のノズルから落下した液滴は整流板16と鋼板1間に落下せず、整流板16上を該1流体式スプレー装置15後方に流れ、さらにドレン管20に流入して系外に排出される。整流板16と鋼板1との距離がノズルと鋼板1との距離よりも小さく配設されていることによって、前記の作用が一層向上する。
【0026】
ガイド板17と19に付着したものは、2流体式ミストスプレー装置11、12の後方に流れ、落下してドレン管20を経て系外に排出される。ガイド板18に付着したものはガイド板18に沿って流下し、ドレン管20に排出される。前記2流体式ミストスプレー装置11、12に付着した液滴は、後記のブライトミニマムスパングルで説明するように、整流板13、14に落下し、前記2流体式ミストスプレー装置11、12後方に流れ、ドレン管20を経て系外に排出される。
【0027】
以上説明したように、ゼロスパングルの溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合、水滴が整流板16と鋼板1間を落下することがなく、またケーシング10下部の鋼板通路から落下することもなくなるので、水滴落下に起因する外観むらが発生しにくくなる。
【0028】
本装置でブライトミニマムスパングルの溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合、2流体式ミストスプレー装置11及び12を用いて冷却媒体を霧化して溶融状態のめっき層表面に噴射する。
【0029】
2流体式ミストスプレー装置11、12は、冷却媒体として薬液(例えばリン酸塩水溶液)を使用し、該水溶液を加圧空気を用いて2液流体ミストスプレー装置に配設されているノズルでスプレーし、溶融状態のめっき層表面に噴射する。薬液粒子の冷却効果と核生成サイト増加効果の相乗効果によって、スパングルを金属光沢を保持したまま微細化する。
【0030】
薬液の濃度、供給圧力および加圧空気圧力等のスプレー条件は、ブライトミニマムスパングルにするために採用されている通常の条件でよい。例えば、スプレー条件としては、2流体式ノズルと鋼板1と距離は80〜150mm、水溶液圧力は1.0〜2.0kgf/cm2、加圧空気圧力は2〜4kgf/cm2、スプレー角度は水平面に対して0〜5度上向きの条件を例示できる。
【0031】
スパングルの微細化に有効に使用されなかった薬液粒子の排出については、以下の点を除き、前記で説明したゼロスパングルの溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合と本質的に異ならない。
【0032】
ゼロスパングルの場合、1流体式スプレー装置15から滴下する液滴の処理が重要であったが、ブライトミニマムスパングルの場合、2流体式ミストスプレー装置11、12のノズルに多量の液滴が付着するので、このノズルから滴下する液滴が、ケーシング10下部の鋼板通路から落下しないようにすることが、良好な外観のブライトミニマムスパングルを得る上で特に重要である。
【0033】
本装置では、2流体式ミストスプレー装置11、12の下方に、それぞれ該2流体式ミストスプレー装置11、12のノズルから滴下した液滴を該2流体式ミストスプレー装置11、12の後方に誘導する整流板13、14が配設されている。
【0034】
図3は2流体式ミストスプレー装置11のノズルとその下方に配設されている整流板13を示す側面の要部拡大図である。本装置では、図3に示すように2流体式ミストスプレー装置11先端に配設されているノズル11aの直下に整流板3の端部が配設され、整流板13は下方に向かうと鋼板1との距離が遠くなるように配設され、整流板13と鋼板1との距離は2流体式スプレー装置11のノズルと鋼板1との距離よりも小さく配設され、整流板14と鋼板1との距離は2流体式スプレー装置12のノズルと鋼板1との距離よりも小さく配設されている。
【0035】
そのため、2流体式ミストスプレー装置11のノズル11aから落下した液滴は整流板13上面に落下した後、2流体式ミストスプレー装置11後方に流れ、さらにドレン管20に流入して系外に排出される。整流板13の鋼板1に対面する側に付着した小さな液滴は集合合体して大きな液滴なるが、この液滴は整流板13の下面に沿って2流体式ミストスプレー装置11後方に流れ、さらにドレン管20に流入して系外に排出される。そのため、液滴がケーシング10下部の鋼板通路から落下しにくくなる。2流体式ミストスプレー装置12のノズルから滴下する液滴についても前記と同様である。
【0036】
したがって、ブライトミニマムスパングルの溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合も、薬液の液滴が整流板13、14と鋼板1間を通って、ケーシング10下部の鋼板通路から落下することがないので、液滴落下に起因する外観むらが発生しにくくなる。
【0037】
本装置では、2流体式ミストスプレー装置11、12が上下に2基配設されている。1基でもさしつかえないが、複数基配設することによって、鋼板速度を上昇しても高光沢で均一性に優れるブライトミニマムスパングルを得ることができる。
【0038】
1流体式スプレー装置と2流体式スプレー装置を併設する場合、2流体式ミストスプレー装置を1流体式スプレー装置の上方に配設すると、2流体式ミストスプレー装置のノズル詰まりが発生しやすくなる。これは、1流体式スプレー装置では、粒子が高速でめっき表面に衝突したときに、めっき層の一部が亜鉛粉となってめっき層表面から離脱し、離脱した亜鉛粉が、ガスワイピングノズルから鋼板に噴射された後鋼板に沿って上昇する流れによって上昇し、2流体式スプレーのノズルに付着しやすくなるためと考えられる。
【0039】
前記ノズル詰まりを防止するには、1流体式スプレー装置15を、2流体式ミストスプレー装置11、12の上方に配設することが有利である。さらに望ましくは、2流体式ミストスプレー装置のノズルと鋼板との距離をa、1流体式スプレー装置のノズルと鋼板との距離をbとした場合、a<bの関係を満足させることである。本装置では、前記観点から、1流体式スプレー装置15が、2流体式ミストスプレー装置11、12の上方に配設されている。
【0040】
図4は溶融亜鉛めっき設備の要部装置の配置を示す図である。図4において、1は鋼板、2は焼鈍炉、3は溶融亜鉛めっき浴、4はシンクロール、5はガスワイピングノズル、6はスパングル微細化装置である。本発明の実施の形態にかかるスパングル微細化装置は、図4の溶融亜鉛めっき設備のスパングル微細化装置6に配設される。図4において、鋼板1は、焼鈍炉2で表面清浄、熱処理され、溶融亜鉛めっき浴3に浸漬され、シンクロール4に巻掛けられて進行方向が鉛直上方にされ、溶融亜鉛めっき浴3から引き上げられ、ガスワイピング装置5で付着量調整後、スパングル微細化装置6で所要のミニマムスパングルに調整される。
【0041】
本装置を使用すると、表裏同種のスパングルを有する溶融亜鉛めっき鋼板の製造に好適である。一方、本装置を用いると、一方の鋼板面は2流体式ミストスプレー装置を用いてスパングルをブライトスパングルとし、他方の鋼板面は1流体式スプレー装置を用いてスパングルをゼロスパングルとすることで、表裏異種スパングル溶融亜鉛めっき鋼板を製造できる。ブライトスパングル面は表面が平滑で、ゼロスパングル面は一定値以上の表面粗さを確保でき、塗装性、滑り性、防眩性に優れる。この様な鋼板は前記特性が要求される用途、例えば片面塗装のスチールケースに使用できる。
【0042】
以上、本発明の実施の形態を溶融亜鉛めっき鋼板について説明したが、本発明の溶融亜鉛系めっき鋼板は溶融亜鉛めっき鋼板に限定されず、アルミニウムを5質量%程度を含む所謂5%Al−Zn合金めっき鋼板、アルミニウムを55質量%程度含む所謂55%Al−Zn合金めっき鋼板などの溶融Al−Zn合金めっき鋼板を含む。
【0043】
【実施例】
(実施例1)
図4に示した溶融亜鉛めっき設備において、スパングル微細化設備として1流体式スプレー装置(1段)と2流体式ミストスプレー装置(2段)を併設した装置(本発明装置)を用いて亜鉛めっきし、スパングル種別をブライトミニマムスパングルからゼロスパングル、またはゼロスパングルからブライトミニマムスパングルに変更した際に発生した格落ち量を調査した(本発明例)。
【0044】
比較のために、1流体式スプレー装置(1段)を配設したスパングル微細化設備と2流体式ミストスプレー装置(2段)を配設したスパングル微細化設備を用いて亜鉛めっきし、前記双方の装置のパスライン内への出し入れによってスパングル種別の変更を行った場合に発生した格落ち量を調査した。調査結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
本発明例では、ブライトミニマムスパングルとゼロスパングルの切り替えを迅速に行うことができるので、比較例に比べて格落ち量が著しく少ない。
(実施例2)
図4に示した溶融亜鉛めっき設備において、図1で説明したスパングル微細化設備を配設し、種々の鋼板について亜鉛めっきし、スパングル種別を予め指定されているブライトミニマムスパングルまたはゼロスパングルのいずれかに調整した場合に発生したノズル詰まり及び/又は液滴滴下に起因する外観むらの格落ち量を調査した。月別の格落ち量の推移を図5に示す。従来例は、図1の装置において、下方に1流体式スプレー装置(1段)、上方に2流体式ミストスプレー装置(2段)を配設した場合である。本発明例は従来例に比べて格落ち量が大幅に低減されていることがわかる。
(実施例3)
図4に示した溶融亜鉛めっき設備において、図1で説明したスパングル微細化設備を配設して亜鉛めっきし(亜鉛付着量:片面あたり60g/m2)、鋼板の一方の面のスパングルを1流体式スプレー装置15を用いてゼロスパングルとし、他方の面を2流体式ミストスプレー装置12、13を用いてブライトミニマムスパングルとしたところ、いずれの面についても外観むらのない良好な外観の異種スパングル溶融亜鉛めっき鋼板が得られた。
【0047】
【発明の効果】
本発明の装置によれば、金属光沢を保持したミニマムスパングル(ブライトミニマムスパングル)と金属光沢を消去したミニマムスパングル(ゼロスパングル)の各スパングルの溶融亜鉛系めっき鋼板の製造を効率よく行うことが可能になる。また、本発明の装置を使用して、鋼板の一方の面がブライトミニマムスパングルで他方の面がゼロスパングルからなる表裏異種スパングル溶融亜鉛系めっき鋼板を製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスパングル微細化装置の要部断面図。
【図2】1流体式スプレー装置のノズルとその下方に配設されている整流板を示す側面の要部拡大図。
【図3】2流体式ミストスプレー装置のノズルとその下方に配設されている整流板を示す側面の要部拡大図。
【図4】溶融亜鉛鍍金設備の要部装置の配置を示す図。
【図5】本発明の外観むらの低減効果を示す図。
【符号の説明】
1 鋼板
2 焼鈍炉
3 溶融亜鉛めっき浴
4 シンクロール
5 ガスワイピングノズル
6 スパングル微細化装置
10 ケーシング
11、12 2流体式ミストスプレー装置
13、14 整流板
15 1流体式スプレー装置
16 整流板
17〜19 ガイド板
20 ドレン管
21 排気ダクト
22 排気管(フレキシブル管)
23 排気ブロア
Claims (5)
- 溶融亜鉛系めっき浴から引き上げられ上方へ進行する鋼板に面して、その幅方向に、該鋼板表面の溶融めっき層に冷却媒体を噴射してスパングルを微細化するスプレー装置を備える溶融亜鉛系めっき鋼板のスパングル微細化装置において、スプレー装置として、冷却媒体を気体で噴射するノズルが鋼板幅方向に複数配設された2流体式ミストスプレー装置と、加圧冷却媒体を直接噴射するノズルが鋼板幅方向に複数配設された1流体式スプレー装置が併設され、且つ前記1流体式スプレー装置は前記2流体式ミストスプレー装置の上方に配設されることを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板のスパングル微細化装置。
- 2流体式ミストスプレー装置のノズルと鋼板との距離をa、1流体式スプレー装置のノズルと鋼板との距離をbとした場合、aとbは、a<bを満足することを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛系めっき鋼板のスパングル微細化装置。
- 1流体式スプレー装置の下方に、1流体式スプレー装置のノズルから滴下する冷却媒体液滴を該スプレー装置後方に誘導する整流板を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の溶融亜鉛系めっき鋼板のスパングル微細化装置。
- 2流体式ミストスプレー装置の下方に2流体式ミストスプレー装置のノズルから滴下する冷却媒体液滴を該ミストスプレー装置後方に誘導する整流板を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融亜鉛系めっき鋼板のスパングル微細化装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の溶融亜鉛系めっき鋼板のスパングル微細化装置を用いて、一方の鋼板面には2流体式ミストスプレー装置を用いてスパングルを微細化し、他方の鋼板面には1流体式スプレー装置を用いてスパングルを微細化することを特徴とする表裏異種スパングル溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
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