JP2623415B2 - 溶融めっき線の冷却装置 - Google Patents

溶融めっき線の冷却装置

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JP2623415B2
JP2623415B2 JP25892292A JP25892292A JP2623415B2 JP 2623415 B2 JP2623415 B2 JP 2623415B2 JP 25892292 A JP25892292 A JP 25892292A JP 25892292 A JP25892292 A JP 25892292A JP 2623415 B2 JP2623415 B2 JP 2623415B2
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俊夫 宮本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属浴中から上方
へ導出された線材表面の溶融金属めっき層を冷却凝固す
る溶融めっき線の冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融金属めっき線の製造工程では、線材
を溶融金属めっき浴中に通し線材表面に溶融金属のめっ
き層を施した後、この未凝固の金属めっき層を冷却凝固
させる工程がある。従来より、めっき層の冷却凝固手段
としては大気による自然冷却が一般的であるが、溶融め
っき線の製造線速が高速化してくるに伴い大気による自
然冷却では長い冷却間隔を必要とすることから、めっき
層を短間隔で急速に冷却凝固させる手段が種々提案され
るようになった。それら冷却手段としては、例えば冷媒
により冷却した冷却気体雰囲気中へ溶融めっき線を通す
ことにより未凝固のめっき層を冷却凝固する手段、或い
は噴霧液滴中に溶融めっき線を通すことにより未凝固の
めっき層を冷却凝固する手段等が挙げられる。
【0003】図4は、溶融めっき線の冷却装置として、
冷媒により冷却した気体を用いる例を示したものであ
る。線材W1は、溶融金属2の収容されためっき浴槽1
に導入され、めっき浴槽1中をターンシーブS1よって
上方へと導かれ、めっき浴槽1の出口に設けられた絞り
具3により過剰の溶融金属が扱かれ所定の溶融金属めっ
き厚さに整えられてめっき浴槽1から上方へ導出され
る。この未凝固のめっき層の施されためっき線W2は、
引き続いてめっき浴槽1の上方に配置された中空体冷却
装置100の中空路102へと導かれ中空路102中の
冷気雰囲気を通過することにより、めっき線W2の未凝
固のめっき層が冷却凝固される。得られためっき線W3
は上方ターンシーブS2を経て巻枠(図示せず)に巻き
取られる。この中空体冷却装置100の構造は、未凝固
状態のめっき線W2が下方から上方へと通過する中空路
102と中空路102の周壁103を形成する冷媒10
6の収容される中空筒状容器101とからなり、中空筒
状容器101には下部に冷媒106の送入口104、上
部に冷媒106の送出口105を設け冷媒106を還流
している。中空筒状容器101を循環する冷媒106に
は、例えば、−196°Cの液体窒素が使用され、この
場合中空路102中の空気は中空筒状容器101の内周
壁103を介して約−5℃程度に冷却される。
【0004】また図5は、溶融めっき線の冷却装置に噴
霧液滴を使用した例を示したものである。図4と同様に
して溶融金属めっき浴中で溶融状態のめっき層の施され
ためっき線W2はめっき浴槽から上向きに引き上げられ
た後、噴霧液滴冷却装置200を通過することにより、
未凝固のめっき層が冷却凝固される。噴霧液滴冷却装置
200は、めっき線W2を通す容器201内に、めっき
線W2の通過路に向かって冷水を霧状の液滴203で噴
射する噴霧ノズル202が一対相対向して配置され、冷
却の必要度合いに応じ、この噴霧ノズル202がめっき
線W2の走行方向に複数段配置して構成されている。そ
して、噴霧液滴冷却装置200を通過するめっき線W2
の円周方向にわたって噴霧ノズル202から霧状液滴2
03が噴霧され、めっき線W2の未凝固のめっき層が冷
却凝固されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、溶融めっき線
の線速度を高速化していったとき、上述のいずれの冷却
装置の場合も冷却能力の点で充分なものでなかった。即
ち、上述前者の冷媒により冷却した気体を用いる冷却装
置では、めっき線は冷却気体中で冷却される、所謂固体
(めっき線)と気体(冷却気体)間の熱伝達を利用して
行われるものであるので、熱伝達効率は悪く冷却効率に
劣り、本発明者等がめっき作業性等を考慮して定めた所
定の冷却装置の長さ(冷却距離)ではめっき線速の高速
化に限界があり、本発明者等の目標とするめっき線速を
得ることは困難であった。また、上述後者の噴霧液滴を
使用する冷却装置では、噴霧液滴中でめっき線の冷却が
なされる点で上述前者の冷却気体を用いるものに比べれ
ば、めっき線との間の熱伝達効率は高く、冷却効率に向
上が見られるものの、上述前者のもの同様本発明者等が
めっき作業性等を考慮して定めた所定の冷却装置の長さ
(冷却距離)で本発明者等の目標とするめっき線速を得
ることは依然困難であった。かように、上述のいずれの
従来冷却装置の場合も、本発明者等が意図する所定冷却
間隔で所定のめっき線速を得るためには、未だ不充分な
ものであった。
【0006】ここでめっき層の冷却凝固距離を出来得る
限り短くする必要性について簡単に触れると、本発明が
対象とする溶融めっき浴槽から線材を上方へ導出するこ
とによりめっきを施すめっき装置の場合、めっき線の冷
却装置はめっき浴槽の上方に配設されるのでめっき設備
の設置面積の省スペース化が図れるが、その反面冷却距
離が上方へ長くなることによりその間で走行めっき線に
揺れを生じ易くなり、未凝固のめっき層に偏りを生じた
り、走行途中でめっき層と装置部が触れてめっき層に擦
れ傷を生じるといった品質上の悪影響をもたらす恐れが
多くなる一方、冷却距離が上方へと延びることにより高
所での線掛け作業となり製造作業性を著しく悪くするな
どの問題を生じ、冷却装置の長さは出来得る限り短くす
る必要があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、出来得る限り短
くかつ冷却効率の高い冷却装置を提供し、溶融めっき線
の製造線速の高速化を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、本発明
は、線材を溶融金属浴槽中に通し該浴槽浴面から上方へ
導出することにより形成される該線材表面の溶融めっき
層を冷却凝固させる溶融めっき線の冷却装置であって、
底面に溶融めっき線の外径より大きな孔径の溶融めっき
線導入孔と上面に溶融めっき線の外径より細径乃至略同
程度の外径の溶融めっき線導出孔と前記底面近傍に冷却
液流入口と前記上面近傍に冷却液流出口とを設けてなる
冷却容器と、底面近傍に冷却液送出口と上面近傍に冷却
液送入口と空気抜き口とを設けてなる冷却液貯留槽と、
該冷却液貯留槽に配設した熱交換器と、前記冷却容器の
冷却液流入口と前記冷却液貯留槽の冷却液送出口とを液
送ポンプと開閉バルブを介して連接する冷却液往路管
と、前記冷却容器の冷却液流出口と前記冷却液貯留槽の
冷却液送入口とを連接する冷却液復路管とから成り、前
記冷却液貯留槽で所定温度に冷却した冷却液を前記冷却
液往路管と前記冷却液復路管を通して前記冷却容器に循
環供給することにより前記冷却容器を通過する線材のめ
っき層を冷却凝固することを特徴とする溶融めっき線の
冷却装置を提供する。
【0009】第2の観点では、上記冷却容器の溶融めっ
き線導出孔が溶融めっき線の外径より細径乃至略同程度
の外径の孔径を有するサイジング用ダイスからなる上記
溶融めっき線の冷却装置を提供する。
【0010】第3の観点では、上記冷却液が水である上
記溶融めっき線の冷却装置を提供する。
【0011】第4の観点では、上記冷却液が防錆剤を含
む水溶液である上記溶融めっき線の冷却装置を提供す
る。
【0012】第5の観点では、上記冷却液が潤滑剤を含
む水溶液である上記溶融めっき線の冷却装置を提供す
る。
【0013】第6の観点では、上記冷却液貯留槽の空気
抜き口に減圧真空ポンプを配設した上記溶融めっき線の
冷却装置を提供する。
【0014】第7の観点では、上記冷却容器の冷却液送
出口と前記冷却液貯留槽の冷却液送入口とを連接する冷
却液復路管の途中にダイアフラムポンプを配設した上記
溶融めっき線の冷却装置を提供する。
【0015】
【作用】本発明の冷却装置は、その冷却容器中に所定温
度に保持された冷却用液体を循環流通させ、溶融めっき
浴から上方へ導出された未凝固の溶融めっき線をこの冷
却容器の冷却用液体流中に導き急冷凝固させるもので、
溶融めっき線即ち固体と液体流との熱伝達を利用するも
のであるから、従来の気体や霧状液滴に比べ極めて熱伝
達効率が高く冷却能力に優れる。
【0016】また、この冷却容器は、導入される溶融め
っき線の外径より充分大きな孔径の溶融めっき線導入孔
をその底面に設け、その上面に溶融めっき線の外径より
細径乃至略同程度の外径の溶融めっき線導出孔を設ける
とともに、冷却容器の底面近傍に冷却用液体の流入口、
上面近傍に冷却用液体の流出口を設け、冷却用液体を冷
却容器の底部から上部方向に液送ポンプ等により強制的
に循環流通させる構成としたので、溶融めっき線を冷却
容器の導入孔から導出孔へ走行させたとき、冷却容器の
溶融めっき線導出孔が封止された状態となるので溶融め
っき線導入孔から冷却用液体が漏れだし溶融めっき浴に
滴下する恐れがなくまた溶融めっき線の未凝固のめっき
層が冷却容器の導入孔で擦れる心配もない。
【0017】更には、溶融めっき線導入孔から溶融めっ
き線と一緒に空気が巻き込まれ、この空気が冷却用液体
中に微細気泡を形成し、冷却用液体が気液混相体となる
ため、溶融めっき線の十分な冷却能力を有しながらめっ
き線の表面洗浄の効果を一層高める。
【0018】かかる作用により、冷却装置の長さを最大
限に短くして溶融めっきの線速の高速化と高品質化を図
ることが可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図3に沿っ
て説明する。
【0020】図1は本発明の第1実施例を示す装置の概
要図である。
【0021】先ず、めっき線の工程について簡単に説明
すると、供線装置(図示せず)から導出された被めっき
線材W1は溶融めっき金属2の収容されためっき浴槽1
中に導入され、浴槽1中のターンシーブS1を介して上
方へと引き上げられ、浴槽1の液面上に設けられた絞り
具3を通って過剰の溶融金属が扱かれ所定の溶融金属め
っき厚さに整えられた後、めっき浴槽1から上方へ導出
される。導出された未凝固状態のめっき線材W2は、め
っき浴槽1の直上に設置された冷却装置4の冷却容器5
を通過して、冷却容器5内の冷却液CLにより未凝固め
っき層が冷却固化され、上方ターンシーブS2を経て巻
取装置(図示せず)に巻き取られ、めっき線W3が得ら
れる。
【0022】次に、冷却装置4につき詳述する。冷却装
置4は、大別して未凝固状態のめっき線材W2の通過す
る冷却容器5と冷却液CLを貯留する冷却液貯留槽10
とから構成され、冷却液貯留槽10と冷却容器5の間を
冷却液CLが循環される。かかる冷却容器5は、その底
面および上面の同軸線上に被めっき線W2の通過する導
入孔6と導出孔7がそれぞれ設けられ、導入孔6は被め
っき線W2の外径より十分大きな孔径に形成し、導出孔
7は被めっき線W2の外径より細径乃至は略同径に形成
してある。また、冷却容器5の底面近傍および上面近傍
に冷却液CLの流入口8および流出口9が設けられてい
る。一方、冷却液貯留槽10は、底面近傍に冷却液CL
を冷却容器5へ送出する送出口11および上面近傍に冷
却容器5から還送された冷却液CLを流入させる送入口
12と還送された冷却液CL中に含有される空気を外部
へ排出するための空気抜き口13とが設けられている。
更に、冷却液貯留槽10には冷却液CLを所定温度に冷
却・保冷するための熱交換器14が設けられている。そ
して、冷却液貯留槽10の冷却液送出口11と冷却容器
5の冷却液流入口8とを液送ポンプ15,開閉バルブ1
6および流量計17を介して冷却液往路管18により連
接し、また冷却容器5の冷却液流出口9と冷却液貯留槽
10の冷却液送入口12とを冷却液復路管19により連
接して、冷却容器5と冷却液貯留槽10の冷却液循環路
を形成する。かかる構成により、冷却液CLは、冷却液
貯留槽10と冷却容器5との間を、液送ポンプ15によ
り定流量で循環する。
【0023】さて、冷却装置4を用いてのめっき線の冷
却手順は、先ず冷却容器5のめっき線導入孔6とめっき
線導出孔7に引出し線を空通し走行させながら、次に開
閉バルブ16を開き、液送ポンプ15を駆動させ、冷却
液CLを冷却液貯留槽10と冷却容器5間に循環させ
る。流量は流量計17を見ながら所要流量に調節され
る。しかる後、上述のめっき浴工程を通過しためっき線
W2の走行に移行する。この場合、めっき線W2は、め
っき線W2の外径より十分大きな孔径のめっき線導入孔
6を走行し、めっき線導入孔6とめっき線W2との間に
は大きな間隙を生ずることになる。しかし、冷却容器5
中の冷却用液体CLは液送ポンプ15により冷却容器5
の冷却液流入口8から冷却液流出口9へと強制的に循環
流通されており、しかもめっき線導出孔7がめっき線W
3により封止さる状態となるので、めっき線導入孔6と
めっき線W2との間隙から冷却用液体CLが漏れだすこ
とはなく、逆にこの間隙から大気を吸引することにな
り、吸引された空気は冷却用液体CL中に気泡BLとな
って巻き込まれる。この結果、冷却用液体CLは気液混
相流となりめっき線に対する十分な冷却能力を有しなが
らめっき線の表面洗浄の効果を高める。そして、この冷
却用液体CL中に気泡BLとなって巻き込まれた空気は
冷却液貯留槽10へ還送されたとき冷却液貯留槽10の
空気抜き口13から外部へ排出される。なお、冷却用液
体CLには通常の水が使用されるが、防錆剤を含有する
水溶液を用いればめっき線の黄変防止に効果があり、潤
滑剤を含有させれば冷却容器5のめっき線導出孔7にお
けるめっき線W3の走行を円滑にし、めっき線の断線防
止に効果がある。また、冷却容器5のめっき線導出孔7
には、例えばゴム材等に孔を穿設したものを用いてもよ
いが、サイジング用ダイスを用いればめっき線W3の仕
上がり外径が正確に設定され品質安定上の効果を有す
る。
【0024】図2は本発明の第2の実施例を示す装置の
概要図である。
【0025】図2の本発明の第2の実施例の冷却装置4
1は、上記の本発明の第1の実施例の冷却装置4の冷却
液貯留槽10に設けた空気抜き口13に代えて減圧真空
ポンプ20を配設したもので、その他の構成および作用
は上記第1の実施例の冷却装置4と何等変更はない。従
って、説明の重複を避け、第2の実施例の冷却装置41
に新規に配設した減圧真空ポンプ20につき説明する。
冷却液貯留槽10内に開口する減圧真空ポンプ20を設
けこれを駆動すれば、冷却液貯留槽10内が減圧される
ことになる。従って、液送ポンプ15を停止した場合で
も、冷却容器5内に残留した冷却用液体CLがめっき線
導入孔6とめっき線W2との間隙から漏れだすことはな
い。また、冷却容器5を冷却液貯留槽10の位置より高
い位置に設置した場合であっても、冷却液貯留槽10か
ら冷却容器5へ循環される冷却用液体CLは何等の支障
なく循環供給され、冷却装置41を設置するときのスペ
ース上の制約が少なくなる。
【0026】図3は本発明の第3の実施例を示す装置の
概要図である。
【0027】図3の本発明の第3の実施例の冷却装置4
2は、上記の本発明の第1の実施例の冷却装置4におい
て、冷却容器5の冷却液流出口9と冷却液貯留槽10の
冷却液送入口12とを連接する冷却液復路管19の途中
にダイアフラムポンプ21を新たに配設したもので、そ
の他の構成は上記第1の実施例の冷却装置4と何等変更
のない点は、上記第2の実施例の場合と同様である。ダ
イアフラムポンプ21は液体、気体或いはその混合体の
いずれであれ搬送することが出来るので、ダイアフラム
ポンプ21を冷却液復路管19の途中に設置すれば、上
記第2の実施例の場合と同様、液送ポンプ15を停止し
た場合にも冷却容器5内に残留する冷却用液体CLがめ
っき線導入孔6とめっき線W2との間隙から漏れだすこ
とはなく、また冷却容器5を冷却液貯留槽10の位置よ
り高い位置に設置した場合であっても、冷却液貯留槽1
0から冷却容器5への冷却用液体CLの循環供給に支障
を生ずることがない。更には、ダイアフラムポンプ21
は第2実施例の減圧真空ポンプ20に比べ設備費が安
く、消費電力も少なく運転維持費が少なくて済む利点が
ある。
【0028】なお、上記いずれの実施例の場合も、冷却
容器5はめっき浴槽1の垂直上方に配置した場合につい
ての事例を説明したが、冷却容器5はめっき浴槽1と適
宜の傾斜角度を設けて配置して使用できることは勿論で
ある。
【0029】次に、本発明を用いためっき線の製造例を
以下に記す。なお、従来例との比較評価は、めっき浴槽
1浴面から上方ターンシーブS2までの距離を1.2m
に定め、その間に冷却容器を配置し、めっき線が上方タ
ーンシーブS2を通過した後のめっき層表面の荒れの程
度を観察して冷却効果の判定とした。即ち、めっき層の
冷却凝固が不十分であれば、未凝固のままターンシーブ
S2に達しめっき層が荒らされることになる。また、製
造条件は、0.20mmの銅線を260°Cの溶融錫め
っき浴に通し、めっき厚0.8μの錫めっき線を下記表
1の各めっき線速でそれぞれ製造した。
【0030】(製造例−1)冷却装置は、第1実施例の
装置を用いた。このときの冷却容器の寸法は、内径30
mm,長さ400mm,冷却液流入口と冷却液流出口と
の間隔250mm,めっき線導入孔径2.0mm,めっ
き線導出孔径0.20mmであり、冷却容器はめっき浴
槽1浴面からめっき線導入孔まで600mm離間させ垂
直に配置した。また、冷却液には液温25°Cの水を用
い、冷却液貯留槽から液送ポンプにより吐出量5.5L
/minで循環供給した。
【0031】(比較例−1)冷却装置に中空体冷却装置
を用いた。中空体冷却装置の寸法は、中空路内径30m
m,長さ800mmで、めっき浴槽1浴面から中空路入
口までの距離を200mmにして垂直に設立した。冷媒
には別置の冷却機により冷却されたエチレングリコール
25%水溶液を用い、中空路内の雰囲気温度を−5°C
に設定した。
【0032】(比較例−2)冷却装置に噴霧液滴冷却装
置を用いた。めっき浴槽1浴面から垂直上方に300m
mと700mmの位置にそれぞれ噴霧ノズルを相対向し
て設け、各ノズルから噴霧液滴粒径50μ以下の霧状液
滴を発生させ、5°Cの噴霧雰囲気とした。
【0033】製造例−1,比較例−1,比較例−2の走
行線速とめっき表面外観の関係を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】次に、被めっき線に0.45mmの銅線を
用いた場合の製造例を記す。なお、従来例との比較評価
の条件および製造条件は上記例と同一に設定した。
【0036】(製造例−2)冷却装置は、第2実施例の
装置を用いた。冷却容器の寸法はめっき線導入孔の孔径
を2.5mm,めっき線導出孔の孔径を0.45mmと
した以外は製造例−1と同一とした。また、冷却液貯留
槽を減圧真空ポンプで60cmHgに減圧した以外は冷
却液および冷却液循環量も製造例−1と同一とした。
【0037】(製造例−3)冷却装置は、第3実施例の
装置を用いた。冷却容器の寸法は製造例−1と同一とし
た。また、ダイアフラムポンプの吐出量を7L/分に設
定した以外は冷却液および冷却液循環量も製造例−1と
同一とした。
【0038】(比較例−3)比較例−1と同一の装置、
同一冷却条件に設定した。
【0039】(比較例−4)比較例−2と同一の装置、
同一冷却条件に設定した。
【0040】この結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、短い冷却距離で極めて
高い冷却効果を得ることができるので、溶融めっき線の
高速化が図られ、高所作業もなくなりめっき線の線掛け
作業が容易となり、生産性の向上が図られるとともに品
質面でも安定しためっき線を得ることができる。また、
めっき装置の省スペース化の効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷却装置の第1の実施例の説明図であ
る。
【図2】本発明の冷却装置の第2の実施例の説明図であ
る。
【図3】本発明の冷却装置の第3の実施例の説明図であ
る。
【図4】従来の中空体冷却装置の説明図である。
【図5】従来の噴霧液滴冷却装置の説明図である。
【符号の説明】
4 冷却装置 5 冷却容器 6 めっき線導入孔 7 めっき線導出孔 8 冷却液流入口 9 冷却液流出口 10 冷却液貯留槽 11 冷却液送出口 12 冷却液送入口 13 空気抜き口 14 熱交換器 15 液送ポンプ 16 開閉バルブ 17 流量計 18 冷却液往路管 19 冷却液復路管 20 減圧真空ポンプ 21 ダイアフラムポンプ 41 冷却装置 42 冷却装置 W1 被めっき線 W2 めっき線 W3 めっき線 CL 冷却液 BL 気泡 S2 ターンシーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−5641(JP,A) 特開 昭50−56327(JP,A) 特開 昭57−149462(JP,A) 特開 昭60−177170(JP,A) 特開 平4−235264(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線材を溶融金属浴槽中に通し該浴槽浴面
    から上方へ導出することにより形成される該線材表面の
    溶融めっき層を冷却凝固させる溶融めっき線の冷却装置
    であって、底面に溶融めっき線の外径より大きな孔径の
    溶融めっき線導入孔と上面に溶融めっき線の外径より細
    径乃至略同程度の外径の溶融めっき線導出孔と前記底面
    近傍に冷却液流入口と前記上面近傍に冷却液流出口とを
    設けてなる冷却容器と、底面近傍に冷却液送出口と上面
    近傍に冷却液送入口と空気抜き口とを設けてなる冷却液
    貯留槽と、該冷却液貯留槽に配設した熱交換器と、前記
    冷却容器の冷却液流入口と前記冷却液貯留槽の冷却液送
    出口とを液送ポンプと開閉バルブを介して連接する冷却
    液往路管と、前記冷却容器の冷却液流出口と前記冷却液
    貯溜槽の冷却液送入口とを連接する冷却液復路管とから
    成り、前記冷却液貯溜槽で所定温度に冷却した冷却液を
    前記冷却液往路管と前記冷却液復路管を通して前記冷却
    容器に循環供給することにより前記冷却容器を通過する
    線材のめっき層を冷却凝固することを特徴とする溶融め
    っき線の冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記冷却容器の溶融めっき線導出孔が溶
    融めっき線の外径より細径乃至略同程度の外径の孔径を
    有するサイジング用ダイスからなる請求項1記載の溶融
    めっき線の冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記冷却液が水である請求項1又は請求
    項2記載の溶融めっき線の冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却液が防錆剤を含む水溶液である
    請求項1又は請求項2記載の溶融めっき線の冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記冷却液が潤滑剤を含む水溶液である
    請求項1又は請求項2記載の溶融めっき線の冷却装置。
  6. 【請求項6】 前記冷却液貯留槽の空気抜き口に減圧真
    空ポンプを配設した請求項1、請求項2、請求項3、請
    求項4、又は請求項5記載の溶融めっき線の冷却装置。
  7. 【請求項7】 前記冷却容器の冷却液流出口と前記冷却
    液貯留槽の冷却液送入口とを連接する冷却液復路管の途
    中にダイアフラムポンプを配設した請求項1、請求項
    2、請求項3、請求項4、又は請求項5記載の溶融めっ
    き線の冷却装置。
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