JPH04235264A - 溶融めっき装置 - Google Patents
溶融めっき装置Info
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- JPH04235264A JPH04235264A JP41893090A JP41893090A JPH04235264A JP H04235264 A JPH04235264 A JP H04235264A JP 41893090 A JP41893090 A JP 41893090A JP 41893090 A JP41893090 A JP 41893090A JP H04235264 A JPH04235264 A JP H04235264A
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Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融めっき装置に関し、
更に詳しくは気化したとき非酸化性ガスとなる低沸点液
体を用いて溶融めっき線を急冷する溶融めっき装置に関
する。
更に詳しくは気化したとき非酸化性ガスとなる低沸点液
体を用いて溶融めっき線を急冷する溶融めっき装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】銅線、銅合金線或は銅覆鋼線等の被めっ
き線の外周に錫或ははんだ等の金属を溶融めっきした溶
融めっき線は、配線材、電子部品のリード部材等に広く
用いられている。このうち、特に電子部品のリード部材
として用いられる場合、溶融めっき線のめっき層の厚さ
は、被めっき線の線径が0.4〜1.0mmφにおいて
約3〜12μm必要とされ、しかも被めっき線の外周上
に均一な厚さでめっきされていることが特に必要とされ
る。
き線の外周に錫或ははんだ等の金属を溶融めっきした溶
融めっき線は、配線材、電子部品のリード部材等に広く
用いられている。このうち、特に電子部品のリード部材
として用いられる場合、溶融めっき線のめっき層の厚さ
は、被めっき線の線径が0.4〜1.0mmφにおいて
約3〜12μm必要とされ、しかも被めっき線の外周上
に均一な厚さでめっきされていることが特に必要とされ
る。
【0003】従来の溶融めっき装置について図2を用い
て説明する。従来の装置は、焼鈍ずみの被めっき線1を
酸性フラックス浴槽(図示せず)で清浄化した後溶融め
っき浴槽3に導入し、続いて該めっき浴槽3中の滑車4
及びめっき厚調整用ダイス5を通過させ一定厚のめっき
層を設けた後、他の接触物がない状態で上方の滑車7迄
の自然空冷の冷却スパンLを走行させることにより溶融
めっき線6を冷却し、溶融状態のめっき層を冷却,固化
させるという装置であった。また溶融めっき線の冷却方
法としては、図3に示すように溶融めっき線6の周囲に
筒囲い9を設け、ブロワー30から強制的に風を送り溶
融めっき線を冷却しようとする強制空冷式のものもあっ
た。
て説明する。従来の装置は、焼鈍ずみの被めっき線1を
酸性フラックス浴槽(図示せず)で清浄化した後溶融め
っき浴槽3に導入し、続いて該めっき浴槽3中の滑車4
及びめっき厚調整用ダイス5を通過させ一定厚のめっき
層を設けた後、他の接触物がない状態で上方の滑車7迄
の自然空冷の冷却スパンLを走行させることにより溶融
めっき線6を冷却し、溶融状態のめっき層を冷却,固化
させるという装置であった。また溶融めっき線の冷却方
法としては、図3に示すように溶融めっき線6の周囲に
筒囲い9を設け、ブロワー30から強制的に風を送り溶
融めっき線を冷却しようとする強制空冷式のものもあっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、生産能
率を高めるため溶融めっき線の線速度を高速化したり、
溶融めっき浴の温度を高温化する場合或は厚めっきや太
い線径の線材にめっきを施すような場合には、溶融めっ
き線の持つ熱容量が大きくなり、溶融めっき線のめっき
層が冷却,固化する迄には時間がかかるようになり、こ
のため図2に示すような自然空冷の場合は冷却スパンL
を長くとらねばならなかった。ところがこの冷却スパン
Lを長くとればとる程溶融めっき線の揺れ振動は大きく
なり、溶融めっき層の厚さに偏りを生じ、そのまま冷却
,固化されるため、めっき層が偏肉するという問題点が
あった。また、図3に示すような強制空冷式のものに於
いても、冷却スパンLをある程度短縮することは可能で
あっても、溶融めっき線の揺れ振動を十分に抑えること
は難しく、振動によるめっき層の偏肉に対して大きな効
果は得られなかった。
率を高めるため溶融めっき線の線速度を高速化したり、
溶融めっき浴の温度を高温化する場合或は厚めっきや太
い線径の線材にめっきを施すような場合には、溶融めっ
き線の持つ熱容量が大きくなり、溶融めっき線のめっき
層が冷却,固化する迄には時間がかかるようになり、こ
のため図2に示すような自然空冷の場合は冷却スパンL
を長くとらねばならなかった。ところがこの冷却スパン
Lを長くとればとる程溶融めっき線の揺れ振動は大きく
なり、溶融めっき層の厚さに偏りを生じ、そのまま冷却
,固化されるため、めっき層が偏肉するという問題点が
あった。また、図3に示すような強制空冷式のものに於
いても、冷却スパンLをある程度短縮することは可能で
あっても、溶融めっき線の揺れ振動を十分に抑えること
は難しく、振動によるめっき層の偏肉に対して大きな効
果は得られなかった。
【0005】更に、別の問題としてこの冷却,固化迄の
時間が長く緩慢な冷却になればなる程、めっき層表面の
酸化層が厚くなったり、或はめっき層の金属結晶粒が粗
大化してきてめっき層表面に凹凸を生じめっき層の耐摩
耗性を悪化させ、電子部品製造時のリード線接続工程で
摩耗カスが発生し、ガイドやチャック等に付着してきて
トラブル発生の原因となるなどの不都合があった。
時間が長く緩慢な冷却になればなる程、めっき層表面の
酸化層が厚くなったり、或はめっき層の金属結晶粒が粗
大化してきてめっき層表面に凹凸を生じめっき層の耐摩
耗性を悪化させ、電子部品製造時のリード線接続工程で
摩耗カスが発生し、ガイドやチャック等に付着してきて
トラブル発生の原因となるなどの不都合があった。
【0006】本発明は上記従来技術が有する問題点を解
決するために為されたものであり、液体窒素等,気化し
たとき非酸化性ガスとなる低沸点液体を溶融めっき線の
冷却器の冷媒に用い、強制冷却することにより冷却スパ
ンLを短くし線振動によるめっき層の偏肉を防止し、か
つ急冷することによりめっき金属の結晶粒を微細化させ
、耐摩耗性の良い溶融めっき線を得ると共に、冷媒とし
て用いた低沸点液体を酸化防止用雰囲気ガスとして有効
利用できる溶融めっき装置を提供することを目的とする
。
決するために為されたものであり、液体窒素等,気化し
たとき非酸化性ガスとなる低沸点液体を溶融めっき線の
冷却器の冷媒に用い、強制冷却することにより冷却スパ
ンLを短くし線振動によるめっき層の偏肉を防止し、か
つ急冷することによりめっき金属の結晶粒を微細化させ
、耐摩耗性の良い溶融めっき線を得ると共に、冷媒とし
て用いた低沸点液体を酸化防止用雰囲気ガスとして有効
利用できる溶融めっき装置を提供することを目的とする
。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、非酸化性ガス雰囲気の焼鈍炉と溶融めっき
浴槽を通過してくる溶融めっき線の経路に、前記溶融め
っき線の通路部と、気化したとき非酸化性ガスとなる低
沸点液体の流入口、流出口及び該低沸点液体の気化ガス
を排気する排気口とを設けた中空筒状冷却器を配設し、
前記中空筒状冷却器に低沸点液体を流通させることによ
り、前記溶融めっき線通路部壁面で低沸点液体を気化さ
せ前記溶融めっき線通路の空気を急冷させるよう構成す
るとともに、前記低沸点液体の流出口に低沸点液体をガ
ス化する気化器と、該気化器で気化した非酸化性冷ガス
を大気温度まで昇温させる熱交換器と、該熱交換器を経
由した非酸化性ガスを焼鈍炉に供給する導管とを備えて
いる溶融めっき装置である。
に本発明は、非酸化性ガス雰囲気の焼鈍炉と溶融めっき
浴槽を通過してくる溶融めっき線の経路に、前記溶融め
っき線の通路部と、気化したとき非酸化性ガスとなる低
沸点液体の流入口、流出口及び該低沸点液体の気化ガス
を排気する排気口とを設けた中空筒状冷却器を配設し、
前記中空筒状冷却器に低沸点液体を流通させることによ
り、前記溶融めっき線通路部壁面で低沸点液体を気化さ
せ前記溶融めっき線通路の空気を急冷させるよう構成す
るとともに、前記低沸点液体の流出口に低沸点液体をガ
ス化する気化器と、該気化器で気化した非酸化性冷ガス
を大気温度まで昇温させる熱交換器と、該熱交換器を経
由した非酸化性ガスを焼鈍炉に供給する導管とを備えて
いる溶融めっき装置である。
【0008】前記溶融めっき装置は、前記溶融めっき浴
槽の溶融めっき線の導出される溶融めっき浴面に接して
非酸化性ガス室を設け、該ガス室に前記熱交換器を経由
した非酸化性ガスを供給することが出来る。また前記中
空筒状冷却器は、溶融めっき線通路部の壁部を一重壁構
造とし、また他の壁部を内部真空層とした二重壁とし、
更にこの二重壁の外周を断熱材で囲包した構造とすれば
断熱上好ましく空中湿度の凝固による水滴付着がなくな
る。また前記気化器で気化した非酸化性冷ガスの一部を
流量調節バルブを設けた分岐管を経由し、ノズルから前
記溶融めっき線に吹き付けることも可能である。更に前
記低沸点液体として液体窒素を用いればより好ましい。
槽の溶融めっき線の導出される溶融めっき浴面に接して
非酸化性ガス室を設け、該ガス室に前記熱交換器を経由
した非酸化性ガスを供給することが出来る。また前記中
空筒状冷却器は、溶融めっき線通路部の壁部を一重壁構
造とし、また他の壁部を内部真空層とした二重壁とし、
更にこの二重壁の外周を断熱材で囲包した構造とすれば
断熱上好ましく空中湿度の凝固による水滴付着がなくな
る。また前記気化器で気化した非酸化性冷ガスの一部を
流量調節バルブを設けた分岐管を経由し、ノズルから前
記溶融めっき線に吹き付けることも可能である。更に前
記低沸点液体として液体窒素を用いればより好ましい。
【0009】
【作用】液体流入口17より中空筒状冷却器16に流入
された低沸点液体は、液体流出口19の高さまで貯留さ
れて液体溜り18を形成するが、溶融めっき線通路部壁
13’に接している低沸点液体は溶融めっき線通路部1
5の空気と熱交換して気化し、気化熱を奪い溶融めっき
線経路の空気を急冷させ、通路部15を走行する溶融め
っき線6を強制冷却し、溶融状態のめっき層を冷却,固
化させる。このとき、低沸点液体の気化ガスは、ガス溜
り20を経て排気口21より大気中に放出される。
された低沸点液体は、液体流出口19の高さまで貯留さ
れて液体溜り18を形成するが、溶融めっき線通路部壁
13’に接している低沸点液体は溶融めっき線通路部1
5の空気と熱交換して気化し、気化熱を奪い溶融めっき
線経路の空気を急冷させ、通路部15を走行する溶融め
っき線6を強制冷却し、溶融状態のめっき層を冷却,固
化させる。このとき、低沸点液体の気化ガスは、ガス溜
り20を経て排気口21より大気中に放出される。
【0010】液体流出口19より流出された低沸点液体
は気化器23に流入され、金属製のフィン23’により
大気との間で熱交換されて非酸化性の冷ガスとして取り
出される。なお、この冷ガスの一部を流量調整バルブB
を設けた分岐管24の先端のノズル22より溶融めっき
線6に吹付けることによりめっき層の冷却に効率よく活
用することができる。
は気化器23に流入され、金属製のフィン23’により
大気との間で熱交換されて非酸化性の冷ガスとして取り
出される。なお、この冷ガスの一部を流量調整バルブB
を設けた分岐管24の先端のノズル22より溶融めっき
線6に吹付けることによりめっき層の冷却に効率よく活
用することができる。
【0011】従って、溶融めっき線の冷却スパンLを非
常に短くできるので溶融めっき線の冷却中に生じていた
めっき層の偏りが生じなくなり、偏肉のない溶融めっき
線が得られる。また溶融めっき線の冷却は急速に短時間
で行われるので、めっき層の金属の結晶は粗大化せず、
表面が平滑になり、耐摩耗性が良好となる。更に大部分
の非酸化性冷ガスは大気との熱交換器25により大気温
度まで昇温され、導管26を通り焼鈍炉10及び溶融め
っき浴槽3の非酸化性ガス室2に送られ、これら焼鈍炉
10及び非酸化性ガス室2の酸化防止用雰囲気ガスとし
て有効利用する事が出来る。
常に短くできるので溶融めっき線の冷却中に生じていた
めっき層の偏りが生じなくなり、偏肉のない溶融めっき
線が得られる。また溶融めっき線の冷却は急速に短時間
で行われるので、めっき層の金属の結晶は粗大化せず、
表面が平滑になり、耐摩耗性が良好となる。更に大部分
の非酸化性冷ガスは大気との熱交換器25により大気温
度まで昇温され、導管26を通り焼鈍炉10及び溶融め
っき浴槽3の非酸化性ガス室2に送られ、これら焼鈍炉
10及び非酸化性ガス室2の酸化防止用雰囲気ガスとし
て有効利用する事が出来る。
【0012】
【実施例】本発明の溶融めっき装置について、実施例及
び比較例を挙げて説明する。なお、本発明はこの実施例
に限定されるものではない。 実施例 実施例について図1を用いて説明する。本発明の要部を
なす中空筒状冷却器16は、外径90mmφ,冷媒室外
径60mmφ、通路部径30mmφ,高さ300mmの
中空筒状体を用い、溶融めっき線の通る通路を通路部1
5とした。溶融めっき線通路部壁13’は一重壁構造と
し、この一重壁に小さなフィン8を設け、他の壁部は内
部真空層のステンレス製の二重壁13とし、液体流入口
17, 液体流出口19,排気口21,約500mlの
液体溜り18及び約100 mlのガス溜り20を設け
た。また、この中空筒状冷却器16の外周を約50mm
厚のガラスウール断熱材14で囲包した。
び比較例を挙げて説明する。なお、本発明はこの実施例
に限定されるものではない。 実施例 実施例について図1を用いて説明する。本発明の要部を
なす中空筒状冷却器16は、外径90mmφ,冷媒室外
径60mmφ、通路部径30mmφ,高さ300mmの
中空筒状体を用い、溶融めっき線の通る通路を通路部1
5とした。溶融めっき線通路部壁13’は一重壁構造と
し、この一重壁に小さなフィン8を設け、他の壁部は内
部真空層のステンレス製の二重壁13とし、液体流入口
17, 液体流出口19,排気口21,約500mlの
液体溜り18及び約100 mlのガス溜り20を設け
た。また、この中空筒状冷却器16の外周を約50mm
厚のガラスウール断熱材14で囲包した。
【0013】前記中空筒状冷却器16の液体流出口19
を気化器23と連結した。この気化器23は金属製のフ
ィン23’により低沸点液体を大気と熱交換させガス化
させた。気化器23より一部の非酸化性冷ガスを分岐し
、流量調整バルブBを設けた分岐管24の先端のノズル
22より溶融めっき線6に吹付けた。また気化器23か
ら取り出した大部分の非酸化性冷ガスを大気との熱交換
器25で大気温度まで加熱し、導管26を経由し、非酸
化性ガス雰囲気の焼鈍炉10及び溶融めっき浴槽3の溶
融めっき線の導出される溶融めっき浴面に接している非
酸化性ガス室2に送った。
を気化器23と連結した。この気化器23は金属製のフ
ィン23’により低沸点液体を大気と熱交換させガス化
させた。気化器23より一部の非酸化性冷ガスを分岐し
、流量調整バルブBを設けた分岐管24の先端のノズル
22より溶融めっき線6に吹付けた。また気化器23か
ら取り出した大部分の非酸化性冷ガスを大気との熱交換
器25で大気温度まで加熱し、導管26を経由し、非酸
化性ガス雰囲気の焼鈍炉10及び溶融めっき浴槽3の溶
融めっき線の導出される溶融めっき浴面に接している非
酸化性ガス室2に送った。
【0014】次に、上記構造の本発明の中空筒状冷却器
16の作動について示す。まず液体流入口17より液体
窒素を約5l/hrの流速で供給した。すると液体窒素
は液体溜り18に貯留された後、液体流出口19より流
出し、気化器23に流入されガス化された。このとき通
路部15の温度を測定したところ約−100℃であった
。また、冷窒素ガスの温度はノズル22に於いて約−2
0℃であった。
16の作動について示す。まず液体流入口17より液体
窒素を約5l/hrの流速で供給した。すると液体窒素
は液体溜り18に貯留された後、液体流出口19より流
出し、気化器23に流入されガス化された。このとき通
路部15の温度を測定したところ約−100℃であった
。また、冷窒素ガスの温度はノズル22に於いて約−2
0℃であった。
【0015】次に、この中空筒状冷却器16用いた溶融
めっき装置により溶融めっき線を製造した例を示す。0
.8mmφの被めっき硬銅線1を線速60m/minで
走行させ、前記非酸化性ガス雰囲気の焼鈍炉10に導き
焼鈍及び表面浄化処理を施し、次に温度300℃の溶融
錫めっき浴3’に導き、滑車4より上方に垂直に引き上
げ前記非酸化性ガス室2を通過させ、ダイスを用いない
方式で約7μm厚の溶融めっきを施し、続いて、非酸化
性ガス室2上面から約10cmの空気層を隔てて垂直に
設けた本発明の中空筒状冷却器16の溶融めっき線通路
部15を走行させて、溶融めっき線6を強制冷却し、次
いでノズル22より冷窒素ガスを溶融めっき線6に吹付
けて強制冷却し、溶融状態のめっき層を中空筒状冷却器
16上方約10cmの位置に設けた上部滑車7迄の間で
完全に冷却,固化した。従って冷却スパンLは0.6m
で良く、走行中の線の揺れは全くみられなかった。
めっき装置により溶融めっき線を製造した例を示す。0
.8mmφの被めっき硬銅線1を線速60m/minで
走行させ、前記非酸化性ガス雰囲気の焼鈍炉10に導き
焼鈍及び表面浄化処理を施し、次に温度300℃の溶融
錫めっき浴3’に導き、滑車4より上方に垂直に引き上
げ前記非酸化性ガス室2を通過させ、ダイスを用いない
方式で約7μm厚の溶融めっきを施し、続いて、非酸化
性ガス室2上面から約10cmの空気層を隔てて垂直に
設けた本発明の中空筒状冷却器16の溶融めっき線通路
部15を走行させて、溶融めっき線6を強制冷却し、次
いでノズル22より冷窒素ガスを溶融めっき線6に吹付
けて強制冷却し、溶融状態のめっき層を中空筒状冷却器
16上方約10cmの位置に設けた上部滑車7迄の間で
完全に冷却,固化した。従って冷却スパンLは0.6m
で良く、走行中の線の揺れは全くみられなかった。
【0016】図1に於いて、ノズル22が1個の場合を
示したが、複数個にして溶融めっき線の周囲から均一に
吹付けても良い。また、図1は本発明の中空筒状冷却器
16をダイレス方式の溶融めっき線の冷却に用いた場合
を示したが、従来例のようなダイスを用いた溶融めっき
線の冷却にも勿論同様に用いることができる。
示したが、複数個にして溶融めっき線の周囲から均一に
吹付けても良い。また、図1は本発明の中空筒状冷却器
16をダイレス方式の溶融めっき線の冷却に用いた場合
を示したが、従来例のようなダイスを用いた溶融めっき
線の冷却にも勿論同様に用いることができる。
【0017】比較例
従来の溶融めっき装置を用い溶融めっき線を製造した例
について図2を用いて説明する。0.8mmφの被めっ
き硬銅線1を線速60m/minで走行させ焼鈍及び酸
性フラックス浴槽を用いた表面浄化処理(図示せず)を
施し、次に温度300℃の溶融錫めっき浴3’に導き、
滑車4より上方に垂直に引き上げ、めっき厚調整ダイス
5を通過させ約7μm厚溶融めっきを施し、次に他の接
触物がない状態で上方の滑車7迄の冷却域スパンLを走
行させて大気により自然冷却させ、溶融状態のめっき層
を冷却,固化させた。このとき冷却スパンLの長さは約
3.5m必要であり、線はかなり揺れている状態であっ
た。
について図2を用いて説明する。0.8mmφの被めっ
き硬銅線1を線速60m/minで走行させ焼鈍及び酸
性フラックス浴槽を用いた表面浄化処理(図示せず)を
施し、次に温度300℃の溶融錫めっき浴3’に導き、
滑車4より上方に垂直に引き上げ、めっき厚調整ダイス
5を通過させ約7μm厚溶融めっきを施し、次に他の接
触物がない状態で上方の滑車7迄の冷却域スパンLを走
行させて大気により自然冷却させ、溶融状態のめっき層
を冷却,固化させた。このとき冷却スパンLの長さは約
3.5m必要であり、線はかなり揺れている状態であっ
た。
【0018】溶融めっき線の特性試験
実施例及び比較例で得られた溶融めっき線について、め
っき層の偏肉率及びめっき表面の耐摩耗性を試験した。 めっき層の偏肉率は、溶融めっき線の断面を研磨してか
ら光学顕微鏡を用いてめっき厚を測定し、下記の数式に
より算出した。この結果を表1に示す。なお、Tは最大
めっき厚さ、tは最小めっき厚さを示す。
っき層の偏肉率及びめっき表面の耐摩耗性を試験した。 めっき層の偏肉率は、溶融めっき線の断面を研磨してか
ら光学顕微鏡を用いてめっき厚を測定し、下記の数式に
より算出した。この結果を表1に示す。なお、Tは最大
めっき厚さ、tは最小めっき厚さを示す。
【0019】
【数1】偏肉率(%)=(T−t)÷T×100
【00
20】また、めっき表面の耐摩耗性は、溶融めっき線を
標準密度が0.55g/cm3のプレスフェルト2枚の
間に挟み、荷重100gを負荷してから60m/min
の線速で引き抜いたときに発生しためっき金属粉の重量
から算出した。この結果を表1に示す。なお、注(1)
は冷却域Lの最大振幅箇所を測定した値、注(2)はn
=10の平均値、また注(3)はめっき金属粉発生量(
1000m当り)を示す。
20】また、めっき表面の耐摩耗性は、溶融めっき線を
標準密度が0.55g/cm3のプレスフェルト2枚の
間に挟み、荷重100gを負荷してから60m/min
の線速で引き抜いたときに発生しためっき金属粉の重量
から算出した。この結果を表1に示す。なお、注(1)
は冷却域Lの最大振幅箇所を測定した値、注(2)はn
=10の平均値、また注(3)はめっき金属粉発生量(
1000m当り)を示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明の溶融めっき装置は、気化したと
き非酸化性ガスとなる低沸点液体が熱交換気化するとき
の気化熱を用いた中空筒状冷却器により、溶融めっき線
通路部壁を通して該通路部の空気を急冷できるので、溶
融めっき線のめっき層は急速に冷却、固化される。従っ
て、従来3〜4mもの距離を必要としていた冷却スパン
Lを1m以下に短縮することができるので、冷却スパン
Lにおける溶融めっき線の揺れ振動が防止され、めっき
厚の偏肉のない品質良好な溶融めっき線を製造すること
が出来る。また、めっき層はめっき後直ちに急冷固化さ
れるので、めっき層表面に酸化層は殆ど生成されず、ま
ためっき層表面は平滑化され、めっき層の耐摩耗性の良
好な溶融めっき線が得られる。更に、溶融めっき線の冷
却に用いた低沸点液体は気化させ、焼鈍炉及び溶融めっ
き浴槽の非酸化性ガス室の酸化防止用雰囲気ガスとして
有効利用することが出来るので産業に寄与する効果は極
めて大である。
き非酸化性ガスとなる低沸点液体が熱交換気化するとき
の気化熱を用いた中空筒状冷却器により、溶融めっき線
通路部壁を通して該通路部の空気を急冷できるので、溶
融めっき線のめっき層は急速に冷却、固化される。従っ
て、従来3〜4mもの距離を必要としていた冷却スパン
Lを1m以下に短縮することができるので、冷却スパン
Lにおける溶融めっき線の揺れ振動が防止され、めっき
厚の偏肉のない品質良好な溶融めっき線を製造すること
が出来る。また、めっき層はめっき後直ちに急冷固化さ
れるので、めっき層表面に酸化層は殆ど生成されず、ま
ためっき層表面は平滑化され、めっき層の耐摩耗性の良
好な溶融めっき線が得られる。更に、溶融めっき線の冷
却に用いた低沸点液体は気化させ、焼鈍炉及び溶融めっ
き浴槽の非酸化性ガス室の酸化防止用雰囲気ガスとして
有効利用することが出来るので産業に寄与する効果は極
めて大である。
【図1】本発明の溶融めっき装置の一実施例を示す一部
縦断概略図である。
縦断概略図である。
【図2】第1の従来例の溶融めっき装置を示す概略図で
ある。
ある。
【図3】第2の従来例の溶融めっき装置を示す概略図で
ある。
ある。
1 被めっき線
2 非酸化性ガス室
3 溶融めっき浴槽
3’ 溶融めっき浴
4 7 滑車
6 溶融めっき線
8 小フィン
10 焼鈍炉
13 二重壁
13’ 溶融めっき線通路部壁
14 断熱材
15 溶融めっき線通路部
16 中空筒状冷却器
17 液体流入口
18 液体溜り
19 液体流出口
20 ガス溜り
21 排気口
22 ノズル
23 気化器
23’ 金属製フィン
24 分岐管
25 熱交換器
26 導管
B バルブ
L 冷却スパン
Claims (5)
- 【請求項1】非酸化性ガス雰囲気の焼鈍炉と溶融めっき
浴槽を通過してくる溶融めっき線の経路に、前記溶融め
っき線の通路部と、気化したとき非酸化性ガスとなる低
沸点液体の流入口、流出口及び該低沸点液体の気化ガス
を排気する排気口とを設けた中空筒状冷却器を配設し、
前記中空筒状冷却器に低沸点液体を流通させることによ
り、前記溶融めっき線通路部壁面で低沸点液体を気化さ
せ前記溶融めっき線通路の空気を急冷させるよう構成す
るとともに、前記低沸点液体の流出口に低沸点液体をガ
ス化する気化器と、該気化器で気化した非酸化性冷ガス
を大気温度まで昇温させる熱交換器と、該熱交換器を経
由した非酸化性ガスを焼鈍炉に供給する導管とを備えた
ことを特徴とする溶融めっき装置。 - 【請求項2】 前記溶融めっき浴槽の溶融めっき線の
導出される溶融めっき浴面に接して非酸化性ガス室を設
け、該ガス室に前記熱交換器を経由した非酸化性ガスを
供給することを特徴とする請求項1記載の溶融めっき装
置。 - 【請求項3】 前記中空筒状冷却器は、溶融めっき線
通路部の壁部を一重壁構造とし、また他の壁部を内部真
空層とした二重壁とし、更にこの二重壁の外周を断熱材
で囲包したことを特徴とする請求項1または2記載の溶
融めっき装置。 - 【請求項4】 前記気化器で気化した非酸化性の冷ガ
スの一部は流量調節バルブを設けた分岐管を経由し、ノ
ズルから前記溶融めっき線に吹き付けられることを特徴
とする請求項1、2または3記載の溶融めっき装置。 - 【請求項5】 前記低沸点液体は、液体窒素であるこ
とを特徴とする請求項1、2、3または4記載の溶融め
っき装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2418930A JP2567737B2 (ja) | 1990-12-29 | 1990-12-29 | 溶融めっき装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2418930A JP2567737B2 (ja) | 1990-12-29 | 1990-12-29 | 溶融めっき装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04235264A true JPH04235264A (ja) | 1992-08-24 |
JP2567737B2 JP2567737B2 (ja) | 1996-12-25 |
Family
ID=18526680
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2418930A Expired - Lifetime JP2567737B2 (ja) | 1990-12-29 | 1990-12-29 | 溶融めっき装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2567737B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002212695A (ja) * | 2001-01-15 | 2002-07-31 | Shinko Electric Co Ltd | 制振装置および制振装置の冷却方法 |
JP2002327256A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-15 | Nkk Corp | 連続溶融金属めっき方法および装置 |
JP2018538446A (ja) * | 2015-12-24 | 2018-12-27 | ポスコPosco | 微細で均一なメッキ組織を有するメッキ鋼板およびメッキ鋼板の製造方法 |
CN109440041A (zh) * | 2018-12-29 | 2019-03-08 | 天津华源时代金属制品有限公司 | 一种镀锌丝的加工系统及其加工工艺 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59129760A (ja) * | 1983-01-14 | 1984-07-26 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 連続溶融めつき装置 |
JPS61106759A (ja) * | 1984-10-30 | 1986-05-24 | Fujikura Ltd | 鋼線の溶融銅めつき方法及び銅めつき装置 |
-
1990
- 1990-12-29 JP JP2418930A patent/JP2567737B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59129760A (ja) * | 1983-01-14 | 1984-07-26 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 連続溶融めつき装置 |
JPS61106759A (ja) * | 1984-10-30 | 1986-05-24 | Fujikura Ltd | 鋼線の溶融銅めつき方法及び銅めつき装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002212695A (ja) * | 2001-01-15 | 2002-07-31 | Shinko Electric Co Ltd | 制振装置および制振装置の冷却方法 |
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JP2018538446A (ja) * | 2015-12-24 | 2018-12-27 | ポスコPosco | 微細で均一なメッキ組織を有するメッキ鋼板およびメッキ鋼板の製造方法 |
US11168389B2 (en) | 2015-12-24 | 2021-11-09 | Posco | Plated steel sheet having fine and even plating structure |
CN109440041A (zh) * | 2018-12-29 | 2019-03-08 | 天津华源时代金属制品有限公司 | 一种镀锌丝的加工系统及其加工工艺 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2567737B2 (ja) | 1996-12-25 |
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