JPS63111164A - 溶融金属のめつき付着量調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、調帯を溶融金属浴中に浸漬通板させてめっ
き処理する際、とくにめっき付着量の均一化とラインス
ピードの大幅な向上を図るのに好適な溶融金属のめっき
付着量調整装置に関するものである。

（従来の技術） 各種の溶融金属めっき鋼帯は、亜鉛又は亜鉛−アルミニ
ウム合金もしくはアルミニウム、鉛さらにこれらの金属
をベースにしてマグネシウム、チタニウム、ニオビウム
、すす、けい素および希土類元素などを含有する溶融金
属のめっき浴に銅帯を浸漬し、該銅帯に空気、窒素ある
いは水蒸気などのガスを吹付け、めっき後の過剰溶融金
属を払拭することによって製造される。

この溶融金属の付着量調整は、例えば日本鉄鋼協会編「
第３版　鉄鋼便覧　第■巻」丸善（昭５７−５−３１）
　ｐ、４２６の図１０・４２（ｂ）に示されているよう
に、ガスワイピングノズルからのガス吹付けによって行
う。

熔融金属の付着量を適正範囲に調整するのは、各めっき
金属が比較的高価であること、過剰付着に起因する品質
特性上の弊害が発生すること、鋼帯幅方向および綱帯長
手方向についても付着量の適正化、均一化が求められる
こと、などによる。

また生産性の観点から、めっき鋼帯を高速で製造するこ
とも要求され、すなわちめっき付着量が幅方向、長手方
向に均一の鋼帯を高速で製造する必要がある。しかし高
速で製造を行うと、過剰付着する金属量は低速の場合よ
りさらに多くなるため、ガスワイピングによる払拭効率
を高める必要がある。これにはノズルからのガス圧を高
め（ガス流速を速め）る、溶融金属の粘度を下げる、な
どの手段が考えられるが、ガス流によりスプラッシュ（
溶融金属の飛沫）が飛散し、めっき鋼帯に付着して欠陥
となること、また粘度を下げるためには溶融金属の温度
を高める必要があって熱エネルギー的に損失が大きくな
ること、などの問題がある。

そこで、ノズルを鋼帯に可能な限り近づけてノズル開口
部からのガス流速の最も速いところを銅帯に吹きつける
ことが有効である。しかし従来は、鋼帯の振動が大きく
、また鋼帯の形状に不良（いわゆるＣぞり、ペコッキな
ど）が生じることから、ノズルと鋼帯との間の距離を小
さくすることが不可能であった。

鋼帯の振動は、ノズルをはさむ上下部のロール間の距離
があまりにも大きいこと、浴中浸漬ロールの軸と軸受け
とのクリヤランスが大きくがたつくことなどに起因する
と考えられている。また、鋼帯の形状不良はめっき鋼帯
製造ライン内の張力調整が有効に機能していないこと、
ラインに通板する以前に既に不良であることなどに起因
すると考えられている。

（発明が解決しようとする問題点） ノズルと銅帯間の距離を可能な限り近付けてガスワイピ
ングの効果を高め、さらにめっき厚みを均一にするため
に、鋼帯の振動を抑制し、鋼帯の形状不良、特に巾方向
のわん曲（Ｃぞり）を矯正して溶融金属の付着量を調整
する装置を提供することが、この発明の目的であり、よ
って高速ラインでのめっき付着量調整を可能にすると同
時に、鋼帯巾方向および長手方向のめっき付着量を均一
にしようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 溶融金属めっき鋼帯の幅方向および長手方向におけるめ
っき厚さの不均一はガスワイピングノズル部での調帯の
振動や形状不良、とくにＣぞりに起因することが大きい
。このような調帯の振動を抑制し、形状不良を矯正する
ためには、ガスワイピングノズルを挟む上方と下方にそ
れぞれサポートロールユニットを配設し、これらの配置
間隔を可能な限り小さくすることが有効である。

上記サポートロールユニット間の距離を小さくするには
とくにガスワイピングノズルによるめっき付着量調整後
に、銅帯表面に付着し未だ凝固していない溶融金属を、
上方のサポートロールユニットのロール面に接触した時
点で冷却凝固させるべく該ロールに急冷機構を備える必
要がある。

すなわちこの発明は、溶融金属めっき浴中に浸漬通板さ
せてめっき処理を施した銅帯に、ガスワイピングノズル
よりガスを吹き付は該鋼帯に付着した過剰の溶融金属を
払拭することによりめっき付着量を調整する装置におい
て、ガスワイピングノズルを挾む上方と下方にそれぞれ
サポートロールユニットを配設し、このうち上方のサポ
ートロールユニットのロールには鋼帯に付着した所定量
の溶融金属を急速凝固させる冷却手段を設けたことを特
徴とする溶融金属のめっき付着量調整装置である。

以下図面を参照してこの発明の詳細な説明する。

第１図はこの発明に従う溶融金属のめっき付着量調整装
置の一例を模式的に示したものである。

図において、１はガスワイピングノズル、２はノズル１
の下方に設置した下側ポートロールユニット、３はノズ
ル１の上方に配置した上側サポートロールユニットであ
す、このロールユニット３にはめっき処理を終え、所定
の付着量に調整された鋼帯に付着し、未だ凝固していな
い溶融金属を急冷凝固する冷却手段を備えである。４は
銅帯、５はめっき浴、そして６はジンクロールである。

この発明のめっき付着量調整装置は、ガスワイピングノ
ズル１の上方及び下方にそれぞれ配設した上側サポート
ロールユニット３、下側サポートロールユニット２にて
鋼帯４の振動や形状不良を抑制した上でワイピングノズ
ルｌより調帯４０表面に所定のめっき付着量に調整すべ
くガスを吹き付ける。そして鋼帯４が上部ロール３に達
した時点で鋼帯４の表面に付着して未だ凝固完了してい
ない溶融金属を急冷凝固する仕組になっている。

ここで上部サポートロールユニット３における冷却手段
としては、該ユニット３に備えたロール３ａ、　３ｂの
本体内部に冷却水循環用の配管にて冷却水を循環させて
おき、鋼帯４がこのロールに達した時に溶融金属を急冷
凝固させるロール構造のものが望ましく、例えば該ロー
ルのロール本体を肉厚：　３０ｍｍの銅製の中空体とし
て、その表面には表面粗度がＲａ表示で０．５μｍ以下
に調整された厚さ３０μｍ前後の硬質クロムめっきある
いは厚さ３０μｍ前後のフェロニッケルの溶射めっきを
施して溶融金属と反応せずかつ耐摩耗性に優れたロール
を用いることで溶融金属の冷却凝固が可能であり、かつ
表面が平滑で美麗なめっき鋼帯に仕上げ得る。

上記冷却手段では鋼帯４と上部サポートロールユニット
３のロール３ａ、　３ｂとの接触長さを、鋼帯を両側に
挟む２つのロール面ともに約３０ｃｍとした場合、例え
ば調帯表面に付着した４５０℃の溶融亜鉛は１８０ｍ／
分の高速ラインスピードにおいても完全に凝固する。

なおロールの回転方向は、鋼帯の流れ方向として、回転
速度をラインスピードに同調させることが肝要であり、
これによってロール疵の発生を抑制することができる。

また、めっき金属の種類、めっきの厚み、銅帯およびラ
インスピードを変更する場合、それに応じた冷却機能が
ロール面に求められるが、その場合には、銅帯とロール
面との接触長さを変えるか、ロールを循環させる冷却水
の水量調節を行うか、あるいはロール本体内を循環させ
る冷媒を変更するのが望ましい。

（作　用） 上記構成において説明したように、この発明の溶融金属
のめっき付着量調整装置はガスワイピングノズル１の上
方、下方にサポートロールユニット２及び３をそれぞれ
可能な限りその間隔を小さくして配設し、このうち上側
サポートロールユニット３のロールには冷却手段を備え
である、ので鋼帯３の振動や形状不良、特にＣぞりを極
力解消して有利な条件下でガスワイピングを施すことが
できる。すなわち、ガスワイピングノズル１と鋼帯４と
の間隔（第１図中ａ）を狭小としてガスワイピングの効
果を大きくすることができるので同一めっき付着量を得
る場合にも従来に比較してラインスピードを大幅に上昇
させることが可能でかつ、銅帯の幅方向および長手方向
でのめっき付着量の変動を効果的に小さくし得る。

なおこの発明においては、とくに上側ロールユニット３
にて綱帯４に付着した溶融金属を上述の如く急冷凝固さ
せるが、その理由は、高速で回転しているロール面に物
質が付着していると、その物質は遠心力によって、ロー
ル面から飛散する。

この現象は、塗料をロールコータ法で銅帯表面に塗装す
る場合に、ロールの回転速度（一般にラインスピードと
同義と考えてもよい）を高速にしたときにしばしば認め
られる。鋼帯４に付着した溶融金属も同様であって、こ
のため少なくともロール面から銅帯が離れるまでの間に
該溶融金属を凝固させる必要がある。

（実施例） 連続溶融亜鉛めっきラインにおいて、銅帯を亜鉛めっき
浴（浴温４７０℃、　ＡＩ！濃度０．１６％）に連続的
に誘導し、浸漬めっきした後、第１図に示しためっき付
着量調整装置により下記に示すワイピング条件にてめっ
き付着量を調整して、溶融亜鉛めっき鋼帯を製造した。

サポートロールユニット３におけるロールは、直径６０
０ｍｍφ、ロール巾Ｌ６００　ｍｍ、肉厚３０ｍｍ、ロ
ール表面に約４０μｍ厚さのクロムめっきを施した内部
水冷形の平ロールを適用し、ロール冷却能は４５０〜４
２０℃（亜鉛の凝固点）間の平均冷却速度が４．５００
℃／Ｓとなるように設定した。ロールユニット３の下端
ロール３ａの中心からワイピングノズルＩまでの距離、
ワイピングノズルｌから下側ロールユニット２の上端ロ
ール２ｂの中心までの距離はそれぞれ７００＋ｎｍとし
た。

ワイピング条件： ノズルのスリット間隙：　　０．８ｍｍガス種　　　　
　　　：　空気 ガス温度　　　　　　　　　　　　　：　　　１３０　
℃（ノズルへフダー内）ガス圧　　　　　　　：　　０
．８　ｋｇｆ　／　ａｍ２場面ノズル間距離　　：　　
５００ｍｍガス吹き出し角度　　：９０°（Ｉ帯に直角
）表−１は製造時における銅帯とワイピングノズルとの
間の距離、めっき付着量を６０ｇ／ｍ２（片面当り）と
する場合の達成ラインスピード、およびめっき鋼帯の表
面状況を、従来の設備を適用した場合に得られた結果と
併せて示したものである。

表−１ 表−１に示したように、調帯とノズルとの間の距離ａが
比較例では１０ｍｍであったのに対し、この発明に従う
装置を備えた適合例では６ｍｍまでノズルを近付けるこ
とができた。また同一ガスワイピング条件でのライン速
度が比較例では７５ｍ／ｍｉｎであったのに対し、適合
例では１２０ｍ／ｍｉｎの高速で同一めっき付着量の厚
みとすることができた。更に適合例では鋼帯の幅方向、
長手方向におけるめっき付着量の標準偏差が１．８ｇ／
ｍ２．２．２ｇ／ｍ２となっておりめっき厚みが均一で
その表面は良好であった。

（発明の効果） この発明によればガスワイピングノズルをはさんだ上下
２つのサポートロールユニットを接近して設けることが
可能になったため、ガスワイピングノズル部での鋼帯形
状の矯正と鋼帯の振動抑制によってワイピングノズル−
鋼帯間のクリヤランスを小さくすることができ、ガスワ
イピングの効果が高まった。すなわち、より高速で溶融
めっき鋼帯を製造できるようになり生産性を著しく改善
することが可能となった。まためっき付着量の分布が鋼
帯の幅方向および長手方向に均一となり、さらに湯しわ
などの表面欠陥も非常に小さくすることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に従う溶融金属のめっき付着量調整装
置の説明図である。 １・・・ガスワイピングノズル ２・・・下側サポートロールユニット ３・・・上側サホー１−ロールユニット４・・・鋼帯　
　　　　　　５・・・めっき浴６・・・ジンクロール 第１図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、溶融金属めっき浴中に浸漬通板させてめっき処理を
   施した鋼帯に、ガスワイピングノズルよりガスを吹き付
   け該鋼帯に付着した過剰の溶融金属を払拭することによ
   りめっき付着量を調整する装置において、ガスワイピン
   グノズルを挟む上方と下方にそれぞれサポートロールユ
   ニットを配設し、このうち上方のサポートロールユニッ
   トのロールには鋼帯に付着した所定量の溶融金属を急速
   凝固させる冷却手段を備えたことを特徴とする溶融金属
   のめっき付着量調整装置。