JPH04224667A - 連続溶融めっき装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、連続的に送給されるス
トリップを溶融金属浴内を通過させて溶融金属をストリ
ップ表面に付着させ、溶融金属浴通過後の上向き進行位
置に設けたワイピング装置によりストリップに付着して
いる余剰な溶融金属を払拭し、前記ワイピング装置通過
後のめっき層が未だ溶融状態にある位置に設けた浴上サ
ポートロールの外周に冷却水を塗布しながらめっき層を
冷却するめっき装置に関するものであり、詳しくは、浴
上サポートロールのロール周面への溶融金属の付着を防
止しかつ当該ロールがめっき面と接触することにより生
ずるめっき面性状の悪化を防止する装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、溶融金属めっきラインで広く利用
されているめっき装置は、図４に示すように溶融金属め
っき浴２にシンクロール３などの搬送手段を用いて連続
的に通板し、溶融金属めっき浴２から引き出したストリ
ップ１の表裏面側からガスを噴出するいわゆるガスワイ
ピング装置４によって余分な溶融金属を払拭するように
している。

【０００３】このような連続溶融金属めっき装置では、
めっき厚の精度を良くする条件として、溶融金属めっき
浴２から引き出した直後のストリップ１の表裏面にガス
ワイピング装置４からガスを均一に噴射し、それによっ
て均一な払拭を行うことが望まれるが、溶融金属めっき
浴中２に浸漬配置された浴中サポートロール５とそのは
るか数十ｍ上方に配置されたトップロール（図示せず）
の間では、ストリップ１の走行に伴う振動および形状不
良が顕著に現れる。特に高生産性を要求される最近の設
備では、高速化及び大型化等に伴って、ガスワイピング
装置４部でのストリップ１の振動が大きくなり、よって
ガスワイピングノズル７とストリップ１の間隔が周期的
に変動して均一なワイピングが困難なため、均一なめっ
き厚を得ることができない。

【０００４】さらに、めっき金属の付着量を少なくした
めっき製品を製造しようとすると、でき得るかぎりワイ
ピングノズル７をストリップ１に近づけてワイピングす
ることが望まれるが、前述の如くストリップ１にＣ反り
などの形状不良や振動があると、近づけることができず
、めっき付着量を少なくすることができない。そこで従
来から、ワイピング直後のストリップ１を機械的に支持
する方法として浴上サポートロール６が用いられてきた
。

【０００５】しかし、この浴上サポートロール６をワイ
ピング直後の未だ凝固していないめっき面に接触すると
、めっき面にまだらあるいは筋模様の発生及び浴上サポ
ートロール６に溶融金属が付着して、それがめっき面に
スリ疵および押し疵を発生させる等の品質低下をもたら
すため、ワイピングノズル７に近接して取り付けること
ができず、かなり離れた位置（例えばワイピング点から
１〜２ｍ程度上方）に設置せざるを得なかった。

【０００６】特にめっき付着量が厚い場合、ストリップ
１に付着して未だ溶融状態のめっき層が一部下方に流れ
そのまま凝固してめっき表面に波打ち模様（以下湯じわ
と呼ぶ）が生ずるが、これの改善対策として特開昭５９
−１２６７６８号公報「連続溶融めっき装置」が提案さ
れている。この装置は図５に示すように、ワイピング後
の未だ溶融状態にある位置にコーティングロール８（浴
上サポートロール相当）を設置し、このコーティングロ
ール８表面に冷却水を塗布しながらめっき層に当接させ
て、めっき層を連続的に冷却して湯じわを防止しようと
するものである。

【０００７】冷却水の供給はコーティングロール８の直
下に配置したパン９に冷却水を満たし、ピックアップロ
ール１０によってひき揚げ転写するかあるいはピックア
ップロール１０の代わりにスリットタイプのスプレーノ
ズル１１で冷却水を噴射して、その余剰な冷却水をパン
９で受ける構成としている。このようにいずれの方式で
もパン９が必要であるため装置の構成がかなり複雑でか
つ大きなものとなり、コーティングロール８をワイピン
グノズル７に極めて近接して設置することができない。

【０００８】ところが、ワイピング点直上に取り付けた
浴上サポートロールによってワイピング点でのストリッ
プ形状制御と通過位置制御を十分に行うには、でき得る
かぎりワイピング点に近いところに浴上サポートロール
を設置する必要がある。したがって、この装置ではスト
リップ１の形状・通過位置制御が不十分であり、かつワ
イピングノズル７をストリップ１に近づけられないため
、均一なワイピングおよびめっき付着量を薄くすること
が困難である。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
特開昭５９−１２６７６８号公報「連続溶融めっき装置
」はその構成上、湯じわの防止対策としては有効である
けれども、ワイピングノズルに極めて近づけて設置する
ことが困難であって前述したワイピング点でのストリッ
プの形状・通過位置制御の効果はほとんどなく、めっき
面の美麗さは向上するがめっき付着量の均一化並びに薄
いめっき付着量製品の製造には対応しきれない問題があ
る。

【００１０】本発明は、これらの問題を解決した連続溶
融めっき装置を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、連続的に送給
されるストリップを溶融金属浴内を通過させて溶融金属
をストリップ表面に付着させ、溶融金属浴通過後の上向
き進行位置に設けたワイピング装置によりストリップに
付着している余剰な溶融金属を払拭し、前記ワイピング
装置通過後の位置に設けた浴上サポートロールを有する
めっき装置において、前記浴上サポートロールの表面に
極めて薄い水膜を形成することにより、前記浴上サポー
トロールとめっき面との間に極めて薄い水膜を形成する
とともに余剰な冷却水を発生しないようにしたことを特
徴とする連続溶融めっき装置に関するものである。

【００１２】また、前記浴上サポートロールに水膜を形
成する手段が、噴霧状の冷却水を噴射する二流体噴霧ノ
ズルであることを特徴とする連続溶融めっき装置であり
、更に、前記浴上サポートロールに水膜を形成する手段
が、パイプの周囲に冷却水が浸透できる含水層を巻き付
け、このパイプ内に給水してパイプ周囲に設けた穴から
含水層を給水状態にして、このロールを浴上サポートロ
ールに平行に配置して接触させた給水ロールであること
を特徴とする連続溶融めっき装置である。

【００１３】

【作　　用】本発明は、ワイピング点におけるストリッ
プのＣ反り矯正等の形状制御及び振動の抑制・防止によ
る通過位置制御を、ワイピング点に極めて近いところに
配置した浴上サポートロールによって達成しようとする
際に障害となる、浴上サポートロールへの溶融金属の浴
上サポートロールへの巻き付き及びまだ未凝固状態のめ
っき面と浴上サポートロールが接触することによるめっ
き面のまだら模様と筋模様の発生を防止するためのもの
であって、めっき面と浴上サポートロールとの接触部に
極めて薄い水膜を形成して、未凝固のめっき液と浴上サ
ポートロール表面が直接に接しないようにして、前記模
様の発生の防止と浴上サポートロールへのめっき金属の
付着を阻止するものである。

【００１４】浴上サポートロール表面を湿潤状態にして
めっき面と浴上サポートロールとの接触部に薄い水膜を
形成するための手段は、すでに特開昭５９−１２６７６
８号公報「連続溶融めっき装置」で提案されているが、
本発明は浴上サポートロール表面への冷却水の塗布を、
例えば二流体の噴霧状態（例えば水と空気の混合したも
の）で必要量だけ吹き付けるようにしたものであり、こ
のようにすることによって極めて薄い水膜をほぼ均一に
浴上サポートロール表面に塗布可能とするとともに余剰
な冷却水を発生させないため、その構成を極めて簡単か
つ小形化にしてワイピング点に近接して配置可能とした
ものである。

【００１５】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は浴上サポートロール表面を湿潤状態にするための
ノズル１２の配置を示した側面図であり、図２はその正
面図である。図１、２において、ストリップ１を挟んで
対向配置されたワイピングノズル７の直上に浴上サポー
トロール６が取り付けられており、この浴上サポートロ
ール６は通常ストリップ１の走行に伴って回転させられ
るアイドルロールである。

【００１６】そして、浴上サポートロール６表面を湿潤
状態にするために、二流体噴霧ノズル１２がサポートロ
ール６に近接して取り付けられている。浴上サポートロ
ール６表面をほぼ均一に湿潤状態にするには、二流体噴
霧ノズルのように水滴の大きさが非常に小さく、かつ吐
出する水量も比較的少ない型式のノズルが最適である。 その理由は、例えば一流体式のノズル１３では、図６に
示すように、吹き付ける水量が多すぎて滴下する状態に
なり易く、また吹き付ける水滴が二流体噴霧ノズルに比
べて大きくなりがちで大きすぎるとその水膜の厚みのバ
ラツキが大きくなり易くなり、その結果浴上サポートロ
ール６表面での水膜の厚みのバラツキが大きくなる。ま
た、浴上サポートロール６とめっき面（ストリップ１）
の接触部で水溜まり１４が発生し易い状態となって、め
っき面に極端なまだら模様等を発生させ易くなるからで
ある。

【００１７】ノズル１２の取り付け位置は、ワイピング
ガス流れ（図１の矢印Ｂ）の影響を受けにくい位置に取
り付けることが肝要で、この場合には浴上サポートロー
ル６のほぼ真上に配置している。また、浴上サポートロ
ール６表面の冷却を促進する点では、できるだけ浴上サ
ポートロール６とストリップ１との接触直後にスプレー
した方がよい。

【００１８】また、ノズル１２は、図２に示すように、
浴上サポートロール６全幅にわたってほぼ均一にスプレ
ーできるように、浴上サポートロール６と平行に複数個
並べている。しかしながら、湿潤状態は厳密な均一性を
必要とせず、ほぼ同等な漏れ具合を確保していればよい
。 ここで図１中矢印Ａは浴上サポートロール６の回転方向
を、矢印Ｂはワイピングガスのストリップ１に衝突後の
流れを示す。

【００１９】なお、浴上サポートロール６の表面に極め
て薄い水膜を形成する手段として、上記実施例では二流
体噴霧ノズルを使用しているが、浴上サポートロール６
の表面をほぼ均一に湿潤状態にすることが可能でかつ必
要な冷却水量のみを供給できる方法であればいかなる手
段を用いてもよい。例えば図３に示すように、パイプ１
５の周囲に冷媒である水が浸透できる含水層（例えばス
ポンジ）１６を巻き付け、パイプ１５内に給水してパイ
プ１５周囲に設けた穴（図示せず）から含水層１６を給
水状態にしてこの給水ロール１７を浴上サポートロール
６に平行に配置して接触させることによって浴上サポー
トロール６の表面を均一にかつ必要な水膜を形成した湿
潤状態にする装置等が考えられる。

【００２０】次に、本発明の連続溶融亜鉛めっき装置の
具体的実施例を説明する。めっき条件を示す。 めっき条件 ライン速度　　　　：５０ｍ／ｍｉｎ　〜　１６０ｍ／
ｍｉｎ　ストリップ寸法：　０．７ｍｍ（厚）×１１６
０ｍｍ（幅）亜鉛付着量　　　　：６０ｇ／ｍ２（片面
）浴上サポートロールの取り付け位置：ワイピング点か
ら　２５０ｍｍ上 浴上サポートロールへのスプレー条件 使用ノズル　　　　：二流体噴霧ノズル（圧縮空気＋水
）この条件において、めっき面の品質低下である筋模様
及びまだら模様が発生せず、かつ浴上サポートロールに
亜鉛が付着しない浴上サポートロールへの適正な吹き付
け水量は１×１０−４〜８０×１０−４ｍｌ／ｃｍ２　
の範囲であった。

【００２１】

【発明の効果】本発明の装置により、以下の効果を得る
ことができる。■サポートロールへの溶融金属の巻き付
き及び未凝固なめっき面との接触によるめっき面のまだ
ら模様等、サポートロールをワイピング点に近づけて配
置するのを阻害していた要因を解消でき、サポートロー
ルをワイピング点に極めて近接して取り付けることが可
能となり、ワイピング点でのストリップ形状不良および
振動による不均一なめっき厚が解消でき、高品質な製品
を高い生産性で製造することが可能となる。

【００２２】■ワイピング点でのストリップ形状不良及
び振動が解消できるため、これに起因して発生していた
スプラッシュを少なくでき、スプラッシュのワイピング
ノズルへの付着の防止及びノズル詰まりによるライン停
止が削減できる。またスプラッシュのめっき面への付着
による品質低下も改善できる。■ワイピング点でのスト
リップ形状不良及び振動が解消できるため、ワイピング
ノズルをストリップに極めて近づけることが可能となり
、めっき付着量の少ない高品質な製品が製造可能となる
。

【００２３】■めっき金属粉末の発生を解消でき、作業
環境を改善することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の側面図である。

【図２】本発明の一実施例の正面図である。

【図３】本発明の他の実施例の側面図である。

【図４】従来の典型的な連続溶融亜鉛めっき装置の構成
図である。

【図５】従来装置によるめっき面の湯じわ防止方法の説
明図である。

【図６】不適切なノズルを使用した場合の問題点の説明
図である。

【符号の説明】

１　　ストリップ ２　　溶融金属めっき浴 ３　　シンクロール ４　　ガスワイピング装置 ５　　浴中サポートロール ６　　浴上サポートロール ７　　ガスワイピングノズル ８　　コーティングロール ９　　パン １０　　ピックアップロール １１　　スリットスプレーノズル １２　　二流体噴霧ノズル １３　　一流体噴霧ノズル １４　　水溜まり １５　　パイプ １６　　含水層 １７　　給水ロール Ａ　　浴上サポートロールの回転方向 Ｂ　　ワイピングガス流れ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　連続的に送給されるストリップを溶融
   金属浴内を通過させて溶融金属をストリップ表面に付着
   させ、溶融金属浴通過後の上向き進行位置に設けたワイ
   ピング装置によりストリップに付着している余剰な溶融
   金属を払拭し、前記ワイピング装置通過後の位置に設け
   た浴上サポートロールを有するめっき装置において、前
   記浴上サポートロールの表面に極めて薄い水膜を形成す
   ることにより、前記浴上サポートロールとめっき面との
   間に極めて薄い水膜を形成するとともに余剰な冷却水を
   発生しないようにしたことを特徴とする連続溶融めっき
   装置。
2. 【請求項２】　　浴上サポートロールに水膜を形成する
   手段が、噴霧状の冷却水を噴射する二流体噴霧ノズルで
   あることを特徴とする請求項１記載の連続溶融めっき装
   置。
3. 【請求項３】　　浴上サポートロールに水膜を形成する
   手段が、パイプの周囲に冷却水が浸透できる含水層を巻
   き付け、このパイプ内に給水してパイプ周囲に設けた穴
   から含水層を給水状態にして、このロールを浴上サポー
   トロールに平行に配置して接触させた給水ロールである
   ことを特徴とする請求項１記載の連続溶融めっき装置。