JPS5937345B2 - 溶融金属メッキ方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は例えば溶融亜鉛メッキの如き溶融金属メッキ方
法の改良に関するものである。

従来公知の溶融金属メッキ方法は溶融金属中に被メッキ
材を浸漬する方法である。

例えば公知の通常の鋼ストリップの連続溶融亜鉛メッキ
ラインにおいては種々の熱処理の後にメッキポット内の
約４５０℃の溶融亜鉛浴中に鋼ストリップを浸漬し、該
亜鉛浴の出口に設置したエグジットロール及びその後面
に備えた流体噴射装置によつてメッキ付着量の制御を行
つている。これら公知の溶融金属メッキ方法及び装置に
おいては例えば近時の自動車工業において要求せられる
片面メッキを行うことは極めて困難であり、又差厚メッ
キ或は薄メッキにおいてもエグジットロール及び流体噴
射等の手段によつては十分な制御が困難であるため特に
薄メッキには限界があつた。

本発明はこれらの欠点を解決したもので 溶融金属メッキラインにおいて熱処理炉に連結して設置
したメッキ装置の内部を保護雰囲気ガスでみたし、電磁
ポンプによつて該メッキ装置内の溶融金属の溜ポットか
ら循環供給せしめた溶融金属を、被メッキ材の鋼ストリ
ップ表面及び／又はメッキロールの噛合部分及び／又は
メッキロールに流出又は噴射せしめて被メッキ材の鋼ス
トリップの両面又は片面に、溶融金属メッキし、該メッ
キ装置内でメッキ付着量制御を行ラことを特徴とする溶
融金属メッキ方法にある。

本発明の方法によれば溶融金属メッキに適切な条件に保
持されたメッキ装置内の保護雰囲気内で溶融金属メッキ
に適切な条件に保持された溶融金属を被メッキ材の所望
の片面のみに流下又は噴射して十分な溶融金属メッキ時
間を与え、被メッキ材の他の片面に該メッキ装置内の保
護雰囲気と同質の保護雰囲気ガスを噴射して溶融金属の
付着を防止することにより容易に片面溶融金属メッキを
行うことが出来るものである。更に本発明は必要に応じ
てメッキ後に非メッキ面を保護する保護雰囲気内で、メ
ッキ面のみにメッキ後の必要な処理、例えば溶融亜鉛メ
ッキにおけるガルバニール処理を行い、又非メッキ面の
表面に所期の性状を与えるため保護雰囲気内で冷却を行
うことにより容易に非メッキ面に優れた表面性状を有す
る片面溶融金属メッキ成品を製造することが出来る。

又本発明の方法によれば溶融金属の流下量又は噴射量及
び噴射圧と、メツキロールの圧下と、メツキ付着量調整
用保護雰囲気ガスの噴射量及び噴射圧を被メツキ材の各
面においてそのいずれかを夫々独立に適正に制御するこ
とによつて容易に所望の溶融金属差厚メツキ成品を製造
することが出来、更に溶融金属メツキの片面メツキ、両
面メツキ、差厚メツキ、ガルバニール片面処理等の各種
のメツキ処理を同一般備において簡単な切替操作で適用
処理することが出来る。

以下本発明を実施例に基き図面によつて詳細に説明する
。

実施例として鋼ストリツプの連続亜鉛メツキの一例にお
いて、第１図及び第２図は本発明の方法の一例を示す説
明図、第３乃至５図は本発明の種々の溶融金属の流下又
は噴射法を示す説明図、第６図は本発明の溶融金属片面
メツキ法の一例を示す説明図、第７図は本発明の溶融金
属片面メツキ法の他の例を示す説明図、第８図は本発明
の溶融金属片面メツキガルバニール処理方法の一例を示
す説明図、第９乃至１１図は本発明の種種の溶融金属差
厚メツキ方法を示す説明図である。第１図において被メ
ツキ材鋼ストリツプ１５は溶融亜鉛メツキに最適な条件
を具備するよう熱処理炉において処理された後、連結部
１３を通つて、溶融亜鉛メツキに最適な条件を具備した
雰囲気ガス（熱処理の最終段階の雰囲気ガスと同じ）を
みたしたメツキ装置１に入り、キヤリヤロール１４を経
て必要に応じて設けたメツキロール２において溶融亜鉛
（必要な他の金属を含む、以下同じ）廖溶融金属流下又
は噴射装置３，３′，Ｖから流下又は噴射され、鋼スト
リツプは溶融亜鉛メツキされ、絞り装置例えば絞りロー
ル５及び保護雰囲気ガス噴射装置４の噴射保護雰囲気ガ
スによつて溶融亜鉛メツキ付着量が調整され、メツキ装
置１の出口においてシール６′によつてシールされた絞
り兼シールロール６を通つて、メツキ装置１から適正な
距離に設けられた流体（ガス或は空気等）噴射装置１に
よつて更に必要に応じてメツキ付着量が調整される。例
えばメツキロール２の下方に設けた保護雰囲気ガス噴射
装置８から保護雰囲気ガスがメツキロール２の噛込部に
噴射され、メツキロール２から落下するメツキに過剰に
落下又は噴射せられた過剰の溶融亜鉛がメツキロール２
に入る前の鋼ストリツプ１５に付着するのを防止する。
第２図は第１図のメツキロール２附近の側面説明図で、
メツキに過剰に流下又は噴射せられた過剰の溶融亜鉛は
メツキロール２にそつて両側方に流下し、保護雰囲気ガ
ス噴射装置８から噴射される保護雰囲気ガスがメツキ前
の鋼ストリツブ１５を保護する。第１図においてメツキ
装置１の下部に流下した溶融亜鉛は溜ポツト９に滞溜し
、例えば電磁ポンプ１０によつて適正な位置に設けた溶
融亜鉛供給ポツト１１に送られ、液面計１６の指示によ
り新規に亜鉛供給装置１７から供給され溶解される新溶
融亜鉛（他の必要な含有物を含む）と混合し、電磁ポン
プ１２によつて溶融亜鉛流下又は噴射装置３，３′，３
１ｆＶＣ供給され、鋼ストリツプ及び／又はメツキロー
ルと鋼ストリツプの中間部に流下又は噴射される。溶融
金属流下又は噴射装置３，３′，Ｖ及び保護雰囲気ガス
噴射装置８はメツキラィン速度、メツキ付着速度等の必
要に応じ単数又は複数設置するが、通常は複数設置して
メツキ条件に応じて使用数を定める。又該溶融金属流下
又は噴射装置３，３′，Ｖは第２図に示すようなスリツ
ト型装置に限定されず、種々の型式、例えばセラミツク
等構成する材料を適正に選ぺば通常公知の型式のノズル
或は保護雰囲気ガスで溶融亜鉛を噴霧させるノズル等を
単数又は複数使用することが出来、装置のノズルの型式
、取付数等には拘束されない。メツキロール２は必要に
応じて複数に設置してもよく、保護雰囲気ガス噴射装置
４及び８の噴射する保護雰囲気ガスはメツキ装置１内に
みたす保護雰囲気ガスと同じでメツキ条件に最適な如く
調整せられる。又第１図に示すような両面メツキでは保
護雰囲気ガス噴射装置４及び絞りロール５は省略して絞
り兼シールロール６と流体噴射装置７のみでメツキ付着
量を調整することも出来る。溜ポツト９、溶融亜鉛供給
ポツト１１及び附属機器、配管等は通常の方法で保温或
は加熱せられる。第３図は溶融金属薄メツキを行う場合
の本発明の一例を示す説明図で溶融亜鉛はメツキロール
２、或はメツキロール２とメツキ補助ロール１８の噛合
部に流下又は噴射され、メツキロール２を介して鋼スト
リツプ１５に溶融亜鉛メツキせられる溶融金属薄メツキ
を得るに適した方法である。メツキ補助ロール１８はメ
ツキに過剰の溶融亜鉛がメツキロール２からあふれず両
端から流下するのを助け、保護雰囲気ガス噴射装置８′
と共にメツキ前の鋼ストリツプを保護するもので第１図
には図示してないが第１図の装置に付加して設置し、メ
ツキ目的によつて使い分けることが出来る。第４図は溶
融亜鉛をメツキロール２の上方、他のメツキロール２′
の下方から噴射する本発明の方法の一例を示す。第５図
は鋼ストリツプをメツキ装置の上方から導入せしめた一
例を示したもので本発明の方法は鋼ストリツプを垂直上
方から、又は垂直下方から又は水平に或は傾斜してメツ
キ装置を通過させて溶融亜鉛を流下又は噴射させること
ができメツキ装置内の鋼ストリツプの導入方法及び通過
方法に拘束されるものではない。第６図は第１図の例に
おいて鋼ストリツプの何れか片面のみに溶融亜鉛を流下
又は噴射させて片面メツキを行う場合を例示したもので
、鋼ストリツプの非メツキ面には保護雰囲気ガス噴射装
置８仮び８〃によつて保護雰囲気ガスが噴射され、該非
メツキ面に亜鉛が付着することが防止せられる。保護雰
囲気ガス噴射装置８′及びｖは第１図には図示の都合上
示してないが第１図の装置及び他の装置において片面メ
ツキを行うものには付加して設置せられる。第６図にお
いて鋼ストリツプの何れか所望の片面にのみ溶融亜鉛が
溶融亜鉛流下又は噴射装置３，３′，Ｖから流下又は噴
射せられ、該溶融亜鉛の流下量又は噴射量及び噴射圧と
絞りロール５の圧下量と保護雰囲気ガス噴射装置４の噴
射量、噴射圧及び噴射方法とを適正に調整することによ
り適正な所期のメツキ厚を得ることが出来ると共に非メ
ツキ面は保護雰囲気ガスによつて保護せられて完全な非
メツキ面が得られる。

更に鋼ストリツプは片面メツキされた後メツキ装置１に
連結して設置せられ、かつ内部に保護雰囲気ガスをみた
した冷却設備２２に入り、該鋼ストリツプのメツキ面は
保護雰囲気ガス噴射装置４の保護雰囲気ガス噴射によつ
てメツキ付着量を調整され、該鋼ストリツプの非メツキ
面は保護雰囲気ガス噴射装置８′によつて、前記メツキ
面のメツキ付着量調整中の亜鉛の飛散による亜鉛の付着
が防止される。続いて鋼ストリツプは冷却装置２３によ
つてメツキ面及び非メツキ面が外気中に？いて損傷を受
けない適切な温度に冷却されて冷却設備２２を出る。冷
却設備２２の処理の後の処理方法は通常公知の鋼ストリ
ツプの連続亜鉛メツキラィンの場合と同様に行うことが
出来る。冷却装置２３は通常複数で鋼スノｊ トリツプをメツキ後に、メツキ面及び非メツキ面が外気
中において損傷を受けない適切な温度まで冷却するに十
分な能力を有するように設備せられる。

第７図は本発明の片面メツキを行う場合の他の例を示す
説明図で鋼ストリツプ１５は上方から導入されており、
１４′はキヤリヤロールである。

第８図は溶融亜鉛片面メツキにおいてガルバニール処理
を行う本発明の方法の一例で鋼ストリツブ１５は第６図
に説明したようなメツキ装置１において片面メツキされ
た後内部を保護雰囲気ガスでみたし、設メツキ装置１に
連結して設備されたガルバニール処理設備２０に入り、
ガルバニール処理装置２０′によつてメツキ面がガルバ
ニール処理され、非メツキ面は該ガルバニール処理設備
２０内全域において保護雰囲気噴射装置２１によつて保
護雰囲気ガスが噴射されて保護される。該保護雰囲気ガ
スはメツキ面のガルバニール処理に伴う非メツキ面の損
傷を防止するに十分な噴射量及び噴射圧をもつて噴射せ
られる。鋼ストリツプは上記ガルバニール処理後、第６
図において説明したような冷却設備２２によつて冷却さ
れる。冷却設備２２における処理に続く処理は第６図に
おいて説明したものと同様である。第９乃至１１図は本
発明の方法による種々の差厚メツキ方法の例を示す説明
図で、第９図は第１図に示すメツキ装置１において溶融
金属流下又は噴射装置３′＆び３〃の片側を停止して差
厚メツキを行う一例、第１０図は第１図に示すメツキ装
置１において複数のメツキロール２及び２′を設置し鋼
ストリツプ１５の片面側に複数の、他の片面側に単数の
溶融金属流下又は噴射装置３，３′，３／／を噴射せし
めて差厚メツキを行う一例、第１１図は第１図に示すメ
ツキ装置１において複数のメツキロール２及び２′を設
置し、鋼ストリツプ１５の片面側に第３図に示す薄メツ
キに適した溶融亜鉛をメツキロールに流下又は噴射させ
る方法を適用し、他の片面側に複数の溶融金属流下又は
噴射装置３，３′，３〃を流下又は噴射せしめて差厚メ
ツキを行う一例である。

本発明の方法においては第１図に示すメツキ装置１に第
３図、第４図、第６図及び第８乃至１１図に示すような
メツキ方法を行うことが出来るように種々の類似の装置
を付加することが出来、複数の溶融金属流下又は噴射装
置ど複数の絞りロールと複数の保護雰囲気噴射装置を設
置し、溶融金属の流下量又は噴射量及び噴射圧と絞りロ
ールの圧下量と保護雰囲気ガス噴射装置の噴射量及び噴
射圧とを被メツキ材の各面において独立に適正に制御し
て溶融金属メツキの片面メツキ又は差厚メツキ又はメツ
キ付着量の適正な制御を行うことが出来る。実施例 本発明の方法による実施例においては公知のゼンジミヤ
式連続亜鉛メツキラインの熱処理装置の出口部スノート
を第１図の接続部１３として第１図及び第８図において
図示しかつ説明したようにメツキ装置１、ガルバニール
処理設備２０、及び冷却設備２２を設置し、メツキ装置
１内の保護雰囲気はゼンジミヤ連続亜鉛メツキラインの
最終熱処理の雰囲気条件と略同条件とし、又流下又は噴
射する溶融亜鉛の条件をゼンジミヤ連続亜鉛メツキライ
ンのメツキ釜内の溶融亜鉛の条件と略同一条件とし、更
に噴射する保護雰囲気ガスをメツキ装置内の雰囲気ガス
と同条件或は温度を高目にして第１図において説明した
方法によつて溶融亜鉛メツキ鋼板を製造した結果公知の
ゼンジミヤ連続亜鉛メツキラィンにおいて製造したもの
と全く同性状の溶融亜鉛メツキ鋼板を製造することが出
来た。

同様にして第６図において説明した方法によつて片面溶
融亜鉛メツキ鋼板を製造した結果非メツキ面は完全に亜
鉛の付着量は零でかつ損傷なく極めて優れた片面溶融亜
鉛メツキ鋼板を製造することが出来た。更に同様にして
第８図において説明した方法によつて片面溶融亜鉛メツ
キガルバニール処理鋼板を製造した結果メツキ面の性状
はゼンジミヤ連続亜鉛メツキラインにおいて製造した溶
融亜鉛メツキガルバニール処理鋼板と全く同性状で、非
メツキ面は完全に亜鉛の付着は零でかつ損傷なく極めて
優れた片面溶融亜鉛メツキガルバニール処理鋼板を製造
することが出来た。

又同様にして第１図、第３図及び第９乃至１１図におい
て説明した方法によつて薄メツキの溶融亜鉛メツキ鋼板
及び差厚メツキの溶融亜鉛メツキ鋼板を製造した結果薄
メツキにおいては２０ｔ／ｄ片面以下の薄メツキ溶融亜
鉛メツキ鋼板を、差厚メツキにおいては各面のメツキ付
着量を２０ｔ／ｄ片面〜３００ｆ／ｄ片面の範囲におい
て自在に制御した差厚メツキの溶融亜鉛メツキ鋼板を製
造することが出来た。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の方法の説明図、第３図、第
４図、第５図は本発明における種々の溶融金属の流下又
は噴射法及び装置を示す説明図、第６図Ａ，ｂは本発明
の溶融金属片面メツキ方法の説明図、第７図は本発明の
溶融金属片面メツキ方法の他の例を示す説明図、第８図
は本発明の溶融金属片面メツキガルバニール処理方法を
示す説明図、第９図、第１０図、第１１図は本発明の種
種の溶融金属差厚メツキ方法を示す説明図である。 １・・・メツキ装置、２，２′・・・メツキロール、３
，３′，ｙ・・溶融金属流下又は噴射装置、４・・・保
護雰囲気ガス噴射装置、５・・・絞りロール、６・・・
シールロール、６′−・・シール、７・・・流体噴射装
置、８，８′，８＆・・保護雰囲気ガス噴射装置、９・
・・溜ポツト、１０・・・電磁ポンプ、１１・・・溶融
金属供給ポツト、１２・・・電磁ポンプ、１３・・・連
結部、１４・・・キヤリヤロール、１５・・・鋼ストリ
ツプ、１６・・・液面計、１７・・・新メツキ材金属供
給装置、１８・・・メツキ補助ロール、１９・・・保護
雰囲気ガス噴射装置、２０・・・ガルバニール処理設備
、２０１・・ガルバニール処理装置、２１・・・保護雰
囲気ガス噴射装置、２２・・・冷却設備、２３・・・冷
却装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 溶融金属メッキラインにおいて熱処理炉に連結して
   設置したメッキ装置の内部を、保護雰囲気ガスでみたし
   、電磁ポンプによつて該メッキ装置内の溶融金属の溜ポ
   ットから循環供給せしめた溶融金属を、被メッキ材の鋼
   ストリップ表面及び／又はメッキロールの噛合部分及び
   ／又はメッキロールに流出又は噴射せしめて被メッキ材
   の鋼ストリップの両面又は片面に、溶融金属メッキし、
   該メッキ装置内でメッキ付着量制御を行うことを特徴と
   する溶融金属メッキ方法。