JP6031906B2 - 連続溶融金属めっき鋼帯のワイピング方法。 - Google Patents

連続溶融金属めっき鋼帯のワイピング方法。 Download PDF

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Description

本発明は、ガスワイピングノズルを用いてめっき付着量の制御を行う連続溶融金属めっ鋼帯のワイピング方法に関するものである。
連続溶融金属めっき鋼帯のワイピング方法としては、例えば、図4に示すように、一般に溶融金属からなるめっき浴20に鋼帯Xを浸漬させ、シンクロール22で方向転換した後、該鋼帯Xを鉛直上方に引き上げる工程の後に、この鋼帯Xを挟んで対向して設けた鋼帯幅方向に延在するガスワイピングノズル21から加圧気体を鋼帯面に噴出させる、ガスワイピング方式によりめっき付着量を制御する方法がある。
ガスワイピング方式によれば、余剰な溶融金属が掻き取られて溶融金属の付着量(めっき付着量)が制御されるとともに、鋼帯表面に付着した溶融金属が鋼帯幅方向および鋼帯長手方向で均一化される。なお、ガスワイピングノズルは、通常鋼帯幅より長く構成され鋼帯の幅端部より外側まで延びている。このため、ガスワイピング方式の場合、多様な鋼帯幅を有する鋼帯のめっき付着量制御が可能で、鋼帯引き上げ時の幅方向の位置ズレ(蛇行)にも対応できるようになっている。
このようなガスワイピング方式では、鋼帯に衝突した気体噴流の乱れにより溶融金属が周囲に飛び散る、いわゆるスプラッシュが発生し、これが鋼帯表面に付着してめっき鋼帯の表面品質の低下を招くという問題がある。ガスワイピングノズルから鋼帯面に吹き付ける気体圧力を高くすると、このスプラッシュ発生の問題がより顕在化する。
鋼帯の連続製造プロセスにおいて生産量を増加させるには、鋼帯通板速度(ライン速度)を増加させればよい。しかし、ライン速度を増加させると、溶融金属の粘性によりめっき浴から引き出される溶融金属量(以下、初期付着量と称することもある。)も増加する。そのため、最終的なめっき付着量を一定範囲内に制御するためには、ガスワイピングノズルから鋼帯面に吹き付ける気体圧力をより高く設定して初期付着量を多く掻き取る必要がある。このため、スプラッシュ発生量が増加し、良好な表面品質を維持できなくなる。
また、めっき付着量を少なく薄膜化を実現するには、ガスワイピングノズルから鋼帯面に吹き付ける気体圧力を高くすることが有効である。しかし、鋼帯面に吹き付ける気体圧力を高くすると、上述したように、スプラッシュ発生量が増加し、良好な表面品質を維持しにくくなる。
上記のスプラッシュ発生の問題を解決するため、主として鋼帯に付着した溶融金属の付着量を制御するガスワイピングノズル(主ノズル)の上下に補助的なノズル(副ノズル)を設け、副ノズルの作用によって主ノズルの性能を向上させる以下の方法が開示されている。
特許文献1では、噴出口間が0.1〜2.0mmの厚みの仕切り板で仕切られた主ノズルと副ノズルを有し、主ノズルと交差する方向に主ノズルよりも低速のガスを副ノズルから噴射することで、主ノズルから噴射するガスの広がりを抑える方法が開示されている。また、特許文献2では、主ノズルの周囲に火炎や燃焼ガスを噴射して、主ノズルからの噴流と周囲空気とを遮断することで、主ノズルから噴射するガスの流動抵抗を低下できる方法が開示されている。特許文献3では、副ノズルのガス温度が500℃以下、かつ主ノズルと交差する方向に主ノズルよりも高温のガスを副ノズルから噴射することで、主ノズルと副ノズルからの噴流が混合しにくくなる方法が開示されている。
いずれの先行技術も、副ノズルから噴射されるガスの効果によって主ノズルから噴射されるガスの拡散を抑制することによりポテンシャルコア(流速が一様で乱れのない領域)を延長できるため、気体圧力を過剰に高めなくても効率的に溶融金属の掻き取りを行うことが可能となる。このため、同じめっき付着量を得る場合でも、従来技術に比べて気体圧力の設定を下げたり、ガスワイピングノズルと鋼帯の距離を大きくしたりすることでスプラッシュの発生を抑制できるとされている。
特開2006−328487号公報 特開2002−348650号公報 特開2009−203500号公報
特許文献1のガスワイピングノズルについて、本発明者らが検討したところ、噴射されるガスの冷却効果によって溶融金属の粘度が上昇し、その結果、初期付着量が増加することがわかった。このため、スプラッシュを充分に低減することは困難であり、更に、噴射されるガスの冷却効果によってZnO、FeAl、Al等を含むトップドロスと称する浮遊物がめっき浴面上で多量に生成し、その結果、鋼板にトップドロスが付着して品質を損なってしまうという問題があることがわかった。
特許文献2のように、主ノズルの周囲に高温ガスを噴射しても、主ノズルから噴射されるガスの温度が低いために溶融金属が冷却凝固し、特許文献1と同様にトップドロスがめっき浴面上で多量に生成し、その結果、鋼板にトップドロスが付着して品質を損なってしまう。
特許文献3では、ガス量の多い主ノズルのガス温が低いため、副ノズルのガス温を上昇させても、副ノズルのガスと主ノズルのガスが混ざってしまうと、副ノズルのガス温上昇効果が薄れてしまう。その結果、所望のスプラッシュ減少効果が得られない。
すなわち、従来の技術では、スプラッシュの低減は可能であるものの、めっき層のさらなる薄膜化やトップドロスに起因する表面欠陥との両立は困難であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、ガスワイピングノズルを用いてめっき付着量の制御を行う溶融金属めっき鋼帯のワイピング方法において、めっき付着量を少なくしめっき層の薄膜化を実現するとともに、スプラッシュおよびトップドロスに起因するめっき表面欠陥の発生を抑え、高品質の溶融金属めっき鋼帯をより安定して製造することができる溶融金属めっき鋼帯のワイピング方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために発明者らが鋭意検討した結果、副ノズルだけでなく主ノズルから噴射される気体の温度も積極的に上げることが有効であるという知見を得た。これにより、めっき浴から引き出される溶融金属の冷却を防止し粘度の上昇を抑えられるため、初期付着量が低減可能となり、同じ気体圧力の設定でもめっき付着量を少なくしめっき層を一層薄膜化できる。しかも、主ノズルおよび副ノズルの気体温度を両方とも溶融金属の融点以上にすることで、溶融金属の凝固に伴うトップドロスの発生も抑えられることがわかった。さらに、気体として不活性ガスを用いることで溶融金属の酸化を防止しトップドロスを低減できることや、主ノズルと副ノズルの気体密度比率を一定値以上とすることで効果的な溶融金属の掻き取りが可能となることもわかった。本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
[1]溶融金属めっき浴に連続的に金属ストリップを浸漬するとともに、該溶融金属めっき浴から上方へ引き出された直後の前記金属ストリップ面にガスワイピングノズルから気体を吹きつけてめっき付着量を制御する溶融金属めっき鋼帯のワイピング方法であって、前記ガスワイピングノズルは、主ノズルと、該主ノズルの上側及び下側に、主ノズルから噴射される気体の噴射方向と交差する方向に傾斜し前記主ノズルから噴射される気体よりも低速の気体を噴射する副ノズルとを備え、前記主ノズルおよび前記副ノズルから噴射される気体の温度は溶融金属の融点以上であることを特徴とする連続溶融金属めっき鋼帯のワイピング方法。
[2]前記主ノズル及び副ノズルから噴射される気体は不活性ガスであることを特徴とする[1]に記載の連続溶融金属めっき鋼帯のワイピング方法。
[3]前記主ノズルから噴射される気体の気体密度ρ0と、前記副ノズルから噴射される気体密度ρ1との比S(S=ρ0/ρ1)が、1.80以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載の連続溶融金属めっき鋼帯のワイピング方法。
本発明によれば、めっき付着量を少なくしめっき層の薄膜化を実現するとともに、スプラッシュおよびトップドロスに起因するめっき表面欠陥の発生を抑え、高品質の溶融金属めっき鋼帯をより安定して製造することができる。
本発明の実施に使用するガスワイピングノズルの一実施形態を示す縦断面図である。 図1に示すガスワイピングノズルの噴射口先端部の拡大図である。 従来の単一ノズル形式のガスワイピングノズルと本発明のガスワイピングノズルの作用を説明する図である。 溶融金属めっき鋼帯の製造設備を説明する概略図である。
まず、本発明で使用するガスワイピングノズルについて説明する。図1は本発明のガスワイピングノズルの一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1のガスワイピングノズルの噴射口先端部の拡大図である。図1および図2において、Aはガスワイピングノズル、Xは鋼帯、mは鋼帯Xの表面に付着した溶融金属である。
ガスワイピングノズルAは、主ノズル1とその上側及び下側に設けられる副ノズル2a、2bとを備え、副ノズル2a、2bの気体噴射方向は主ノズル1の気体噴射方向(通常、鋼帯X面に対してほぼ直角方向である。)と交差する方向に傾斜し、主ノズル1からの気体噴流(以下、主噴流という。)に副ノズル2a、2bからの気体噴流(以下、副噴流という。)が合流するように構成されている。図2中のγ、γは主ノズル1の気体噴流の噴射方向に対する副ノズル2a、2bの気体噴流の噴射方向の傾斜角である。
主ノズル1は上下の第1ノズル部材3a、3bを備え、この第1ノズル部材3a、3bの先端間が気体噴射口(ノズルスリット)4を形成している。また、この主ノズル1を構成する第1ノズル部材3a、3bの外側(上方および下方)には第2ノズル部材5a、5bが配置され、このうち第2ノズル部材5aと第1ノズル部材3aとにより副ノズル2aが形成され、第2ノズル部材5bと第1ノズル部材3bとにより副ノズル2bが形成されている。そして、第1ノズル部材3aと第2ノズル部材5aの先端部間と、第1ノズル部材3bと第2ノズル部材5bの先端部間が、各々気体噴射口(ノズルスリット)6a、6bを形成している。このような主ノズル1と副ノズル2a、2bからなるノズル本体の縦断面形状は、先端に向かって先細りするテーパ形状となっている。
このガスワイピングノズルAでは、主に主ノズル1からの主噴流で鋼帯表面の溶融金属の掻き取りが行われ、一方、副ノズル2a、2bからは主噴流よりも低速の副噴流が噴射される。この副噴流の効果により主ノズルから噴射されるガスの拡散が抑制されるため、鋼帯表面で気体噴流の衝突圧力が上昇し、また鋼帯通板方向の衝突圧力分布の圧力勾配が急峻になる。すなわち、従来のガスワイピングノズルと比べて、気体噴流が衝突する領域での衝突圧力が上昇することによりめっき掻き取り力が向上する。さらに、従来のガスワイピングノズルよりも狭い領域で効率的にめっきを掻き取れるため、同じめっき付着量を得る場合でも、気体圧力の設定を下げたり、ガスワイピングノズルと鋼帯の距離を大きくしたりすることでスプラッシュの発生を抑制できる。
次に、ガスワイピングノズルの形態や噴射するガスの条件による作用について、実験結果に基づいて説明する。図3は、従来の単一ノズル形式のガスワイピングノズル(副ノズルを有しないガスワイピングノズル)と、本発明のガスワイピングノズル(図1)の衝突圧力分布曲線を比較して示したものである。図3において、(a)は主噴流のみから成る従来型単一ノズル形式のワイピングガス(気体温度50℃)の衝突圧力分布曲線、(b)は図1のガスワイピングノズルで主噴流と副噴流の気体温度が50℃である場合の衝突圧力分布曲線、(c)は図1のガスワイピングノズルで主噴流と副噴流の気体温度が500℃である場合の衝突圧力分布曲線、(d)は図1のガスワイピングノズルで主噴流と副噴流の気体温度が500℃であり、かつ主噴流の気体密度ρ0と副噴流の気体密度ρ1の比SがS=1.80を満たす場合の衝突圧力分布曲線である。(d)において、主ノズルから噴射される気体は、空気、副ノズルから噴射される気体は、ヘリウムを30%含有する空気である。また、本発明における気体密度は、下記式(1)から求めた。なお、噴射するガスの圧力および温度は、ガスワイピングノズル先端での圧力および温度を示す。また、δ0は便覧値から求めた。
δ1=δ0×(101.3+P1)/101.3・・・(1)
ただし、δ0:気体の温度T1における気体の密度(kg/m
δ1:気体の密度(kg/m)(操業状態)
P1:気体の圧力(kPa(G))(操業状態)
とする。
図3において、bはノズルスリット幅(スリットギャップ)、yは気体噴流中心(y=0)からの鉛直方向距離であり、横軸のy/bは両者の比率を示す。y<0は気体噴流中心より下方側(溶融めっき槽側)、y>0は気体噴流中心より上方側(反溶融めっき槽側)を意味する。また、縦軸の衝突圧力比とは、(a)の衝突圧力分布曲線の最大圧力を基準(1.0)としたときの、他の条件における衝突圧力の比率を示す。
図3に示されるように、図1のガスワイピングノズルを使用した(b)の衝突圧力分布曲線は、従来の単一ノズル形式のガスワイピングノズルによる(a)の衝突圧力分布に比べて衝突圧力分布曲線の圧力勾配が急峻に変化するとともに衝突圧力比の最大値が上昇している。(a)に比べて(b)のめっき掻き取り力が向上していることがわかる。
本発明のガスワイピングノズルで主噴流と副噴流の温度を500℃にした(c)は、(b)と同等の衝突圧力分布になっている。つまり、気体温度が上昇してもめっき掻き取り力は損なわれず、加えてめっき浴から引き出される溶融金属の冷却を防止し粘度の上昇を抑えられるため、初期付着量の低減が可能となり、同じ気体圧力の設定でもめっき付着量を少なくしめっき層を一層薄膜化できる。本発明では、主ノズルおよび副ノズルから噴射される気体の温度は融点(溶融亜鉛の融点は420℃)以上であることを特徴とする。これにより、初期付着量の低減のみならず、溶融金属の凝固により発生してめっき浴面に堆積するトップドロスも減少できる。本発明において、主ノズルおよび副ノズルから噴射される気体の温度は、より好ましくは、500℃以上である。
本発明では、主ノズルおよび副ノズルから噴射される気体は不活性ガスにすることが好ましい。不活性ガスにすることにより、凝固反応だけでなく酸化反応で発生するトップドロスも減少可能になる。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等が挙げられるが、これらに限定されるものでない。
図3において、主噴流と副噴流の温度が500℃を満たし、かつ主噴流の気体密度が副噴流の気体密度よりも高い(d)は、(c)に比べて衝突圧力分布曲線の形状が急峻で衝突圧力が上昇している。すなわち、(c)よりも(d)のめっき掻き取り力が更に向上していることがわかる。これは、副噴流の比重が主噴流よりも小さいために、副噴流は最小限の混合で主噴流の外側を流れ主噴流の拡散を抑えるとともに、比重が軽い分だけ衝突圧力が低下することで上記のような衝突圧力分布曲線の変化が生じたと考えられる。主噴流の気体密度が大きい、または副噴流の気体密度が小さいほど圧力勾配を急峻にする効果は大きく、本発明では、主噴流の気体密度ρ0と副噴流の気体密度ρ1の比S(S=ρ0/ρ1)が1.80以上だとその効果が顕著となり、さらに好ましい。
本発明において、主ノズルおよび副ノズルに供給する噴射用気体の密度差を付与する方法は、特に限定されない。例えば主噴流と副噴流の気体温度差をつける、又は/及び噴射する気体を変更することが挙げられる。気体の温度を変更する方法としては、熱交換器で加熱昇温して供給する方法、焼鈍炉の燃焼排ガスと空気を混合する方法が考えられる。気体を変更する方法としては、主ノズルから噴射される気体と副ノズルから噴射される気体を異なる気体にすればよく、例えば、主ノズルに空気、副ノズルにヘリウムを使用する方法がある。しかし、噴射用気体の加熱方法はこれらに限定されるものでない。
また、本発明において、副ノズルの傾斜角度としては、ノズル詰まりの点から17〜23度が好ましい。
溶融亜鉛めっき鋼帯の製造ラインにおいて、溶融亜鉛めっき鋼帯の製造試験を行った。ガスワイピングノズルは、図1に示す主ノズルおよび主ノズルの上下に副ノズルを備えるものを用い、溶融亜鉛めっき浴面からのガスワイピングノズル高さ:400mm、ガスワイピングノズル−鋼帯間距離:8mm、ノズルギャップは主ノズル、副ノズルともにすべて0.8mm、主ノズル先端と副ノズル先端の仕切りの厚さは0.5mm、主ノズルのガス噴射方向は鋼帯面に直角、副ノズルのガスの噴射方向は、主ノズルのガス噴射方向に対する傾斜角度を上下とも20°とした。
板厚0.8mm×板幅1000mmの鋼帯を、ライン速度160m/min又は120m/minで通板し、主ノズル及び副ノズルから噴射するガス圧力、ガス温度、ガス種を変化させ、めっき付着量、スプラッシュ発生量およびトップドロス量を調査した。なお、溶融亜鉛めっき浴温度は460℃とした。
主ノズル、副ノズルへの噴射用ガス供給は、常温のガスを熱交換器で所定温度まで加熱し、ブロアで所定圧力に加圧したものを供給した。
めっき付着量(g/m)は、蛍光X線量を測定し検量線から片面あたりのめっき付着量(g/m)を求めた。スプラッシュ発生量は、各製造条件で通過した鋼帯長さに対する、検査工程でスプラッシュ欠陥ありと判定された鋼帯長さの比率(%)である。トップドロス発生量は、1時間通板後に浴面に浮上しているトップドロスを柄杓で掬い上げ測定した重量(kg/h)である。試験結果を表1に示す。
Figure 0006031906
参考例1〜4、発明例〜7および比較例1〜3は、ライン速度160m/minで、付着量が一定(42g/m)の場合であって、主ノズルと副ノズルのガス圧力およびガス温度を変更したものである。なお、比較例1は特許文献3の発明例、比較例2は特許文献2の発明例に相当する。比較例3は参考例1の比較例に相当し、参考例1のガス温度500℃より低い、ガス温度400℃の例である。
比較例1、比較例2ともに副ノズルのガス温度を上昇するだけでは、トップドロス発生量は低減できなかった。これは副ノズルから噴出されるガスと主ノズルから噴出されるガスがノズル出口で混合され、鋼板衝突位置では溶融亜鉛の融点(420℃)を下回ったためと考えられる。比較例3では主ノズル及び副ノズルの温度を400℃に上昇させたが、こちらも溶融亜鉛の融点以下であるため、効果はみられなかった。
これに対して、主ノズル及び副ノズルの温度を両方とも溶融亜鉛の融点以上とする参考例1〜3は、比較例1〜3に比べてスプラッシュ発生量およびトップドロス発生量が低減されている。これは、ガス温度を溶融亜鉛の融点以上にしたことにより、溶融金属の冷却を防止し粘度の上昇を抑えられたため、初期付着量が低減し、その結果、比較例よりも主ノズルのガス圧力を下げることが可能となり、スプラッシュ発生量が低くなったものと考えられる。また、溶融金属の凝固が防止できたため、トップドロス発生量も低くなったものと考えられる。主ノズルと副ノズルのガス温度が上昇するほど、めっき付着量一定となるガス圧力を下げることができると考えられるため、ガス温度を上昇させた参考例2では、さらにスプラッシュ発生量およびトップドロス発生量が低減した。また、参考例3では、主ノズルおよび副ノズルのガス種を不活性ガスである窒素にしたため、参考例1や参考例2に比べてトップドロス発生量も低減した。
参考例4と発明例5は、副ノズルのガス種とガス比を変更することによりガス密度比Sについて検討した結果である。なお、副ノズルのガス種の残部は空気である。参考例4は参考例3と同等のスプラッシュ発生量であったが、発明例5はより一層低減されている。これは密度比Sが増加し(1.80以上)、衝突圧力が急峻になったためと考えられる。
発明例6と発明例7は、主ノズルと副ノズルのガス種を変更により、ガス密度比Sをさらに大きくした結果である。発明例6は、参考例1〜4、発明例と比較してスプラッシュ発生量をさらに低減できた。発明例7は、参考例1〜4、発明例と比較してスプラッシュ発生量とトップドロス発生量の両方が低減でき、参考例1〜4、発明例〜7の中で最も顕著な効果を確認できた。これは、ガス密度比Sが最も高く、かつ主ノズル及び副ノズルに不活性ガスを使用しているためと考えられる。
発明例8は、めっき層の薄膜化を目的として、発明例7に対して主ノズルのガス圧を上昇させたものである。ガス圧を上昇させたことにより、発明例7と比べてスプラッシュ発生量は若干増加したものの、同じガス圧である比較例3と比べて付着量は43%減少、トップドロスは54%減少した。すなわち、同じガス圧でも、主ノズルと副ノズルのガス密度比Sを大きくすることで付着量を低減できた。さらに、ガス種を不活性ガスにすることにより、トップドロス発生量もより一層低減可能となった。
また、発明例9は、発明例8と同じ条件で、さらにめっき付着量を薄くするためにライン速度を120mpmに低下させたものである。その結果、付着量は21g/mまで低減できた。比較例4は、比較例2をベースとして、めっきを薄くするためにライン速度を120mpmに低下させ、さらに主ノズルガス圧力を高くしたものである。同じライン速度の発明例9よりも主ノズルガス圧力が高いにもかかわらず付着量は30g/m未満にならず、しかもスプラッシュ発生量およびトップドロス発生量は発明例9に比べて高い結果となった。このことからも、付着量、スプラッシュ発生量およびトップドロス発生量をともに低減するためには、副ノズルだけでなく主ノズルの気体温度も溶融金属の融点以上に上げることが重要であるとわかる。
本発明は、めっき付着量を少なくしめっき層の薄膜化を実現でき、かつスプラッシュおよびトップドロスに起因するめっき表面欠陥の発生を抑えられるので、高品質の溶融金属めっき鋼帯をより安定して製造する方法として利用することができる。
X 鋼帯
A ガスワイピングノズル
m 鋼帯表面に付着した溶融金属
1 主ノズル
2a、2b 副ノズル
3a、3b 第1ノズル部材
4 気体噴射口(主ノズルスリット)
5a、5b 第2ノズル部材
6a、6b 気体噴射口(副ノズルスリット)
20 めっき浴
21 ガスワイピングノズル
22 シンクロール
23 サポートロール
24 ロール

Claims (2)

  1. 溶融金属めっき浴に連続的に金属ストリップを浸漬するとともに、該溶融金属めっき浴から上方へ引き出された直後の前記金属ストリップ面にガスワイピングノズルから気体を吹きつけてめっき付着量を制御する溶融金属めっき鋼帯のワイピング方法であって、前記ガスワイピングノズルは、主ノズルと、該主ノズルの上側及び下側に、主ノズルから噴射される気体の噴射方向と交差する方向に傾斜し前記主ノズルから噴射される気体よりも低速の気体を噴射する副ノズルとを備え、前記主ノズルおよび前記副ノズルから噴射される気体の温度は溶融金属の融点以上であり、前記主ノズルから噴射される気体の気体密度ρ0と、前記副ノズルから噴射される気体密度ρ1との比S(S=ρ0/ρ1)が、1.80以上であることを特徴とする連続溶融金属めっき鋼帯のワイピング方法。
  2. 前記主ノズル及び副ノズルから噴射される気体は不活性ガスであることを特徴とする請求項1に記載の連続溶融金属めっき鋼帯のワイピング方法。
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