JP4559587B2 - 固体型リチウムポリマー電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は固体型リチウムポリマー電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より高分子を電解質とするリチウム電池に関する多くの研究がある。有機電解液を使用するリチウム1次電池に関してはすでに市販されている。例えば二酸化マンガンを正極活物質として、リチウム、リチウムーアルミニウム合金負極を負極活物質に用いたリチウム1次電池が知られている。
【0003】
又、リチウム2次電池に関しても近年市販され、急激に市場が伸びている。その電池構成材料や組立について多くの提案がなされている。例えば正極活物質としてLiCoO2,LiNiO2,LiMn2O4,V2O5,V6O13,TiS2等が用いられ、負極活物質としてリチウム、リチウムーアルミニウム合金、カーボン(ハードカーボン、天然黒鉛、メソフェーズカーボンマイクロビーズ、メソフェーズカーボンファイバー)等を用いる2次電池が提案されている。
【0004】
これらのリチウム電池は電解液としてリチウムイオンの移動出来るプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1.2ージメトキシエタン、ジエチルカーボネート等の1種以上の非プロトン性有機溶媒にLiClO4,LiBF4,LiAsF6,LiPF6,LiCF3SO3,LiN(CF3SO2)2等のリチウム塩を溶解させた電解液が使用されている。しかし可燃性があるため発火や爆発の危険性がある。またリチウムやリチウム合金負極を使用した時、負極上で生成するリチウムデンドライトが正極に達して短絡する危険性がある。
【0005】
これらの問題点を解決するため電解液をポリマーでゲル化したリチウムポリマー電池の開発が進められているが、まだ電解液漏れの問題や60℃以上の高温環境下での使用に耐えるものではない。そこで、完全固体電解質ポリマーを用いた固体型リチウム電池の研究が進められているが、高分子電解質の電導度がまだ低く、また実用に耐えうる正極、負極の開発が進んでいないため実用化に至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点を解決して小型軽量で充放電容量の大きい固体型リチウムポリマー電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(a)電解質、および該電解質に分散されている正極活物質微粒子と導電性微粒子からなる正極シートであって、該電解質が数平均分子量400〜20,000のポリエチレンオキシドおよび該ポリエチレンオキシドに溶解したリチウム塩からなる正極シート、
(b)エチレンオキシド (29〜95モル%)、重合度1〜12のエチレンオキシド単位の側鎖を有するグリシジルエーテル(4〜70モル%)及びアリルグリシジルエーテル(0.1〜5モル%)からなる重量平均分子量が10万〜200万のコポリマーにリチウム塩を溶解した高分子固体電解質の膜、および
(c)リチウム、リチウム含有合金シート、またはそれらを金属箔やメッシュ等の集電体に保持した負極シート
からなり、
(a)(b)(c)をこの順に積層してなるリチウムポリマー電池に関する。
【0008】
本発明の電池は、正極シート(a)、高分子固体電解質の膜(b)および負極シート(c)からなる。高分子固体電解質の膜(b)は、正極シート(a)と負極シート(c)の間に挟まれている。
【0009】
高分子固体電解質膜(b)としてイオン電導度の大きい重量平均分子量が10万〜200万のエチレンオキシド(30 〜95モル%)と側鎖にエチレンオキシド単位の重合度(1〜12)を有するグリシジルエーテル(5〜70モル%)及びアリルグリシジルエーテル(0.1〜5モル%)のコポリマーにリチウム塩を溶解した高分子固体電解質の膜を使用できる。コポリマーは、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであってよい。
【0010】
高分子固体電解質の膜(b)におけるコポリマーは、式(2):
【化2】
[式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基及びテトラヒドロピラニル基より選ばれる基、
qは1〜12、
k、l、mは正の整数である。]
で示されるものであることが好ましい。
【0011】
コポリマーの重量平均分子量は、10万〜200万である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されたものである(標準ポリスチレン換算)。
【0012】
リチウム塩の例は、LiClO4,LiBF4,LiAsF6,LiPF6,LiCF3SO3,LiN(CF3SO2)2等である。リチウム塩の量は、コポリマー100重量部に対して5〜50重量部、例えば10〜40重量部であってよい。
【0013】
架橋させていないコポリマーは製膜したときの機械的強度が弱く電池に組んだとき、短絡する危険性があるので、架橋させた膜の方が有利である。
【0014】
高分子固体電解質の膜(b)は、上記コポリマーを、トルエン、キシレン、ベンゼン、アセトニトリル、エチレングリコール、モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、THF等の溶媒に溶かし、リチウム塩を入れて、キャスティング、コーターによるコーティング等の方法により適当な基材上にコーティングする事によって形成できる。また、コーティングの後、正極または負極に転写する事が可能である。高分子固体電解質の膜(b)の厚みとしては10〜50μmの範囲がよい。
【0015】
高分子固体電解質を不織布に含浸保持して製膜すれば、正極、負極への転写も容易になり、また、膜そのものとして取り扱うことも可能となり実用上のメリットは大きくなる。
【0016】
高分子固体電解質膜(b)の電導度は60℃で10-4S/cmのオーダーが可能であり、高分子電解質で知られている電導度では極めて高い値を示している。
高分子固体電解質膜(b)をリチウム電池の固体電解質に使用すると非常に性能の良い固体型リチウムポリマー電池の製造が可能となり、従来のポリエチレンオキシド系では実現不可能であった比較的低い温度(40〜80℃)での作動が可能となる。電池温度が上がりやすい電気自動車やハイブリッド自動車、ロードレベリング用電池等への応用が可能となる。
【0017】
正極シート(a)は、正極活物質、導電性微粒子および電解質からなる。電解質に正極活物質微粒子および導電性微粒子が分散されている。
【0018】
正極活物質にはLiCoO2,LixMnO2(xは0.1から0.5),LiMn2O4,LiNiO2,V2O5,V6O13,TiS2等が使用できる。3V級の電池を組む時はLixMnO2,V2O5,V6O13がよく、4V級の電池を組む時はLiCoO2, LiMn2O4,LiNiO2 が良い。正極活物質は2.0〜3.5V に電圧平坦部分を有するLixMnO2 (x=0.1〜0.5)が特によい。
【0019】
LixMnO2の製法は芳尾等の文献、電気化学, 63巻, 941(1995)に報告されている。高分子電解質膜との界面抵抗を改善する目的及び電極内のリチウムイオンの拡散を速くする目的のために正極活物質とポリエチレンオキシドを混合する。このポリエチレンオキシドは作動温度で軟化する分子量のものを選ぶ必要がある。
【0020】
導電性微粒子の例は、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチエンブラック)、グラファイトなどである。
【0021】
正極シート(a)において、電解質は、ポリエチレンオキシドおよびリチウム塩からなる。
ポリエチレンオキシドの数平均分子量は、400〜20,000、例えば500〜10,000、特に1,500〜5,000である。数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定したものである。
【0022】
ポリエチレンオキシドは、式(1):
A−O−(CH2−CH2−O)n−B (1)
[式中、A及びBは、同一または異なっていてよく、有機基又は水素原子又はアルカリ金属であり、
nは10〜250である。]
で示されるものであってよい。A及びBが有機基である場合に、その例は、炭素数1〜5のアルキル基であってよい。
【0023】
電池を40〜80℃で使用する場合にはnが10〜250が適当である。特に電池作動中の電解質の安定性や作製の容易さなどからnが35〜120の範囲がよい。分子量の異なるポリエチレンオキシドを適当な比率で混ぜて用いてもよい。このポリエチレンオキシドは40〜80℃の範囲で軟化するが、接触している高分子固体電解質膜を膨潤させることなく、安定に作動させることが可能である。
【0024】
正極シート(a)における電解質において電解質塩化合物として機能するリチウム塩の例は、LiClO4,LiBF4,LiAsF6,LiPF6,LiCF3SO3,LiN(CF3SO2)2等である。
【0025】
正極シート(a)において、正極活物質の量100重量部に対して、
導電性微粒子の量が3〜40重量部、好ましくは3〜20重量部、例えば5〜15重量部、
ポリエチレンオキシドの量が3〜100重量部、好ましくは3〜70重量部、例えば5〜55重量部であってよい。
リチウム塩の量が、ポリエチレンオキシド100重量部に対して、5〜50重量部、例えば10〜40重量部であってよい。
【0026】
正極は、正極活物質と、導電性微粒子と、リチウム塩を溶解したポリエチレンオキシドを混合し、加熱軟化してアルミニウム箔上に塗着させるか、溶媒を入れてペーストを造りアルミニウム箔にコーティング後、溶媒を乾燥除去して製造することが出来る。溶媒としてはトルエン、キシレン、ベンゼン、アセトニトリル、エチレングリコール、モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、THF等が使用可能である。目的の厚みにするため及び正極活物質密度を上げるため乾燥後プレスしてもよい。正極の厚みは、例えば、10〜50μmであってよい。
【0027】
負極にはリチウム、リチウムーアルミニウム合金箔が使用できる。負極箔の厚さは10〜100μm程度であり、高出力用途では薄膜を、高容量用途では厚膜を用いることができる。薄膜の場合は強度や取り扱いに難点があるため、銅箔や銅メッシュ等の集電体に支持して用いるのが最適である。
【0028】
電池の放電電圧が3V級である場合は電解質塩としてはイオン導電性や熱安定性に優れたLiN(CF3SO2)2 がよく、電池の放電電圧が4V級の電解質塩としてはLiClO4,LiBF4,LiPF6などが使用可能である。
【0029】
コーティング後、高分子固体電解質の膜(b)は機械的強度を上げるため架橋してもよい。架橋方法としては有機過酸化物、アゾ化合物等から選ばれたラジカル開始剤、紫外線、電子線等の活性エネルギー線が用いられる。有機過酸化物としてはケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド等、通常架橋用途に使用されているものが用いられる。アゾ化合物としてはアゾニトリル化合物、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物等通常架橋用途に使用されているものが用いられる。
【0030】
紫外線等の活性化エネルギー線照射による架橋において増感助剤としてジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパンー1ーオン、ベンジルジメチルケタール等を用いることができる。架橋助剤としてエチレングリコールジアクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ジアリルマレート、マレイミド、フェニルマレイミド、無水マレイン酸等を用いることができる。
【0031】
正極、負極、電解質塩の特に好ましい組み合わせは正極活物質がLixMnO2(x=0.1〜0.5)であり、負極がリチウム金属箔、電解質塩がLiN(CF3SO2)2の場合である。LixMnO2は放電電圧が2.0〜3.5Vの正極材料であり、充電時における高分子電解質の劣化の問題が少ない。電解質には熱的安定性に優れたイミド塩LiN(CF3SO2)2の使用が好ましい。LiN(CF3SO2)2は、リチウム塩の中ではイオン導電性が高く、3V級の電池ではアルミニウムの腐食も抑えることが可能である。LixMnO2は2.0〜3.5Vの範囲で充放電するのが好ましく、充放電回数を延ばすには更に2.7〜3.5Vの範囲で充放電するのが好ましい。作動温度は正極中のポリエチレンオキシドが軟化溶融する温度がよく、40〜100℃の範囲が好ましい。使用する電流密度は0.75mA/cm2以下であることが好ましく、これ以上になると充放電容量の低下が著しいことがある。
【0032】
他の好ましい組み合わせは正極活物質がLiCoO2、LixMn2O4又はLiNiO2であり、負極がリチウム、電解質塩がLiBF4、LiClO4の場合である。LiCoO2、LiMn2O4又はLiNiO2は4V級の正極材料でありLiBF4、LiClO4の使用が可能となる。何れの場合も高分子電解質を用いているため、負極にリチウム金属を使用でき、安全性や信頼性を維持したままで、カーボン負極を用いた市販のリチウム2次電池に対して重量エネルギー密度や体積エネルギー密度の1.5〜2倍の向上が可能である。また、マンガン系正極材料は安価ではあるが電解液中では腐食して寿命が短いという問題があったが、高分子電解質を用いる固体電池では高温安定性に優れ、安価なマンガン系材料を好適に用いることができる。
この様に本発明の固体型リチウムポリマー電池は、安価で、エネルギー密度が高く、高温安定性に優れ、長寿命である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
【0034】
実施例1
正極の作製
Li0.33MnO2粉末1.2g,ケッチエンブラック 0.16g,数平均分子量2000(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定)のポリエチレングリコールモノメチルエーテル0.48g,LiN(CF3SO2)2 0.16g,の比率で採取し、乳鉢でよく混合した。80℃に加熱した板ヒーター上でアルミ箔に塗布し、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを溶融させて厚み20μmの正極シートを作製した。
【0035】
高分子固体電解質膜の作製
エチレンオキシド(80モル%)と2-(2-メトキシエトキシ)エチルグリシジルエーテル(18モル%)とアリルグリシジルエーテル(2モル%)の平均分子量150万(GPCにより測定)のコポリマー1.0g,LiN(CF3SO2)2 0.35g,架橋剤ジクミルパーオキサイド0.015g及びアセトニトリル12gの比率で溶解させ、コーターでポリエチレンテレフタレートのフィルム上にコーティングし、厚さ20μmの高分子固体電解質の膜を製造した。この膜を150℃で10分間架橋させた後、真空乾燥器中100℃で24時間乾燥させた。
【0036】
セルの組立と充放電
Li金属箔負極(16mm直径, 0.5mm厚)と高分子固体電解質膜(18mm直径)及び正極(16mm直径)を張り合わせてコイン型セルとした。温度65℃,電流密度 250μA/cm2で2.0Vまで放電し、3.5Vまで充電したところ175mAh/g(正極活物質基準)の放電容量を得た。充放電を繰り返した結果を図1に示す。50サイクル後の放電容量は145mAh/gであり、初回の83%を維持していた。
【0037】
比較例1
実施例1の正極の作製法において数平均分子量100,000(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定)のポリエチレンオキシドを使った以外は同様の方法で正極を作製し、実施例1と同様にセルを組み立て、同様の条件で試験したところ120mAh/g(正極活物質基準)の放電容量であった。17サイクルで放電容量が初回の60%以下に落ちた。
【0038】
実施例2
実施例1と同様のコインセルを作り、電流密度0.1mA/cm2にして40〜80℃の範囲で充放電を行った。測定された種々の温度における電圧と放電容量の関係を図2に示す。60〜80℃における放電容量は160mAh/g以上であり、温度による放電容量の差はあまりなかった。40℃では110mAh/gの放電容量であり、60℃以上の放電容量の65%であった。
【0039】
実施例3
正極活物質量を5mg/cm2と10mg/cm2にした以外は実施例1と同様の方法でコインセルを作製した。電流密度に対する放電容量を調べた。その結果を図3に示す。正極活物質量5mg/cm2の場合、0.75mA/cm2でも125mAh/gの放電容量を示した。
【0040】
実施例4
LiCoO2粉末1.2g,ケッチエンブラック 0.16g,数平均分子量2000(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定)のポリエチレングリコールモノメチルエーテル0.48g,LiBF4 0.05gの比率で採取し、乳鉢でよく混合した。80℃に加熱した板ヒーター上でアルミ箔に塗布し、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを溶融して厚み20μmの正極被膜を作製した。
【0041】
高分子固体電解質膜の作製は実施例1のLiN(CF3SO2)2 を0.35g採取する代わりにLiBF4を 0.11gを採取した。その他は実施例1と同様の方法で高分子固体電解質の膜を作った。実施例1と同様の方法でコインセルを組み立て、温度65℃,電流密度 100μA/cm2で4.2Vまで充電し、2.8Vまで放電したところ125mAh/g(正極活物質基準)の放電容量をえた。100サイクル後の放電容量は初回の94%であった。
【0042】
実施例5
実施例4のLiCoO2の代わりにLiMn2O4を使用し、実施例4と同様の高分子固体電解質の膜を使用し、実施例1と同様の方法でセルを組み立てた。温度65℃,電流密度 100μA/cm2で4.3Vまで充電し、2.8Vまで放電したところ105mAh/g(正極活物質基準)の放電比容量を得た。100サイクル後の放電容量は初回の92%であった。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、小型軽量で充放電容量の大きい固体型リチウムポリマー電池が得られる。本発明の固体型リチウムポリマー電池は、安価で、エネルギー密度が高く、高温安定性に優れ、長寿命である。本発明の電池は、充放電のサイクル数が多く、温度特性が優れ、高い電流密度で放電容量が大きい。
本発明の電池は、電池温度が上がりやすい電気自動車やハイブリッド自動車、ロードレベリング用電池等として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のLixMnO2正極を用いた全固体リチウム―ポリマー電池の充放電容量および電流効率とサイクル数との関係を示す。
【図2】 実施例2の電池における電池放電容量と温度の関係を示す。
【図3】 電池放電容量と電流密度の関係を示す。
Claims (8)
- (a)電解質、および該電解質に分散されている正極活物質微粒子と導電性微粒子からなる正極シートであって、該電解質が数平均分子量400〜20,000のポリエチレンオキシドおよび該ポリエチレンオキシドに溶解したリチウム塩からなる正極シート、
(b)エチレンオキシド (29〜95モル%)、重合度1〜12のエチレンオキシド単位の側鎖を有するグリシジルエーテル(4〜70モル%)及びアリルグリシジルエーテル(0.1〜5モル%)からなる重量平均分子量が10万〜200万のコポリマーにリチウム塩を溶解した高分子固体電解質の膜、および
(c)リチウム、リチウム含有合金シート、またはそれらを金属箔やメッシュ等の集電体に保持した負極シート
からなり、
(a)(b)(c)をこの順に積層してなるリチウムポリマー電池。 - 正極シート(a)において、正極活物質の量が100重量部、導電性微粒子の量が3〜20重量部、ポリエチレンオキシドの量が3〜70重量部である請求項1に記載のリチウムポリマー電池。
- 正極シート(a)において正極活物質がマンガン系酸化物LixMnO2 (x=0.1〜0.5)である請求項1または2に記載のリチウムポリマー電池。
- 正極シート(a)において使用するリチウム塩がイミド塩LiN(CF3SO2)2であり、このリチウムイミド塩を、ポリエチレンオキシド100重量部に対して5〜50重量部用いる請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムポリマー電池。
- 高分子固体電解質膜(b)が、高分子固体電解質を不織布に保持したものであり、高分子固体電解質膜(b)の膜厚が10〜50μmである請求項(1)記載のリチウムポリマー電池。
- 正極(a)におけるポリエチレンオキシドが、式(1):
A−O−(CH2−CH2−O)n−B (1)
[式中、A及びBは、同一または異なっていてよく、有機基又は水素原子又はアルカリ金属であり、
nは10〜250である。]
で示されるものである請求項1に記載のリチウムポリマー電池。 - ポリエチレンオキシドにおけるnが35〜120の範囲である請求項6に記載のリチウムポリマー電池。
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