JP4559220B2 - 衝撃改質された組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、良好な初期審美性並びに屋外暴露後の優れた色及び光沢保持力を示し、さらに良好なメルトフローと優れた衝撃強さの魅力的なバランスを保有するゴム改質熱可塑性樹脂に関する。
衝撃強さ、流動性及び耐薬品性の優れたバランスの故に、多くの種類の商業用のゴム改質ブレンドがスチレン−アクリロニトリル(SAN)コポリマーを主体としている。かかる製品の最も広範囲の商業的有用性は、ゴム衝撃改質剤相がポリブタジエン(PBD)であってABSといわれる一連の樹脂を構成している場合に見られる。屋外暴露の際の衝撃強さ及び外観の保持力を改良するために、ASA(アクリロニトリル−スチレン−アクリレート)といわれる、ポリ(アクリル酸ブチル)(PBA)ゴムのような1種以上のアクリル酸アルキルを含むスチレン−アクリロニトリル組成物が製造されている。
しかし、スチレン−アクリロニトリルマトリックスポリマーは、スチレン性構造単位が比較的光酸化を受け易いために、屋外暴露の条件に対する安定性がPBAゴム基材より大幅に低い。すなわち、ASAを始めとしてスチレン−アクリロニトリルを主体とする系は、実際の又はシミュレートされた屋外暴露の際に表面が経時的に黄変及び白亜化する傾向を示しがちである。望ましくない光化学を抑制する目的で樹脂状組成物にヒンダードアミン系光安定剤(HALS)を添加することができるということは当技術分野で周知である。しかし、HALSはある時点でその物品の表面において消耗され、その後さらに屋外暴露が続くと黄変が起こり得る。このように、比較的安定なPBAゴムを主体としHALSを含有するASA系でも、屋外暴露中にある程度のカラーシフト及び光沢の損失を示す。
対照的に、連続硬質相としてポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)を主体とし、耐候性PBAゴムを主体とする衝撃改質剤を含む一連の衝撃改質されたブレンドは、現実の又はシミュレートされた屋外老化に暴露した際に最小のカラーシフトを示し、また同じ条件下で表面光沢の保持に優れていることが広く認められている。しかし、これらのブレンドはその特性として比較的低い衝撃強さ及び難流動性も示すことが多い。解決すべき課題は、スチレン−アクリロニトリルマトリックスポリマーを含む組成物に付随する衝撃強さその他の有益な特性を有する組成物を製造しつつ、PMMAを含む組成物に付随する改良された耐候特性を獲得することである。
三菱レイヨンの特公昭第52−33656号公報には、PMMAが衝撃改質剤相にグラフトされており、かつ硬質相の一成分ともなっている組成物が開示されている。しかし、これらの組成物は衝撃、耐候性及び光沢保持の最適な組合せを示さない。
特公昭第52−33656号公報
本発明は、良好な初期審美性並びに屋外暴露後の優れた色及び光沢保持力を示し、さらに良好なメルトフローと優れた衝撃強さの魅力的なバランスを保有するゴム改質熱可塑性樹脂に関する。
本発明は、その局面の一つにおいて、硬質熱可塑性相に分散した少なくとも二峰性の粒度分布を有する不連続エラストマー相を含んでなるゴム改質熱可塑性樹脂組成物に関し、ここで、硬質熱可塑性相の少なくとも一部分はエラストマー相にグラフトしており、熱可塑性相は1種以上のビニル芳香族モノマー、1種以上のモノエチレン性不飽和ニトリルモノマー及び1種以上の(C〜C12)アルキル−又はアリール−(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含んでなる。
もう一つ別の局面において、本発明は、硬質熱可塑性相に分散した不連続エラストマー相を含んでなり、硬質熱可塑性相が、少なくとも一部分がエラストマー相にグラフトしている第1の熱可塑性相と、エラストマー相の存在しない状態で別途製造され組成物に添加された第2の熱可塑性相とを含んでなる、ゴム改質熱可塑性樹脂組成物に関し、ここで、第1の熱可塑性相は1種以上のビニル芳香族モノマー、1種以上のモノエチレン性不飽和ニトリルモノマー及び1種以上の(C〜C12)アルキル−又はアリール−(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含んでなり、第2の熱可塑性相は1種以上のビニル芳香族モノマー及び1種以上のモノエチレン性不飽和ニトリルモノマーから誘導された構造単位を含んでなる。
本発明のその他の様々な特徴、局面、及び利点は以下の説明及び特許請求の範囲を参照することにより一層明らかになろう。
〔1〕硬質熱可塑性相に分散した少なくとも二峰性の粒度分布を有する不連続エラストマー相を含んでなり、硬質熱可塑性相の少なくとも一部分がエラストマー相にグラフトしており、熱可塑性相が1種以上のビニル芳香族モノマー、1種以上のモノエチレン性不飽和ニトリルモノマー及び1種以上の(C1〜C12)アルキル−又はアリール−(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含んでなる、ゴム改質熱可塑性樹脂組成物。
〔2〕エラストマー相が、1種以上の(C1〜C12)アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を有するポリマーからなる、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕アルキル(メタ)アクリレートモノマーがアクリル酸ブチルである、前記〔2〕に記載の組成物。
〔4〕エラストマー相のポリマーがさらに1種以上のポリエチレン性不飽和モノマーから誘導された構造単位を含む、前記〔2〕に記載の組成物。
〔5〕ポリエチレン性不飽和モノマーが、ブチレンジアクリレート、ジビニルベンゼン、ブテンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メタクリル酸アリル、メタクリル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、メタクリル酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレート、トリシクロデセニルアルコールのアクリル酸エステル及びこれらの混合物からなる群から選択される、前記〔2〕に記載の組成物。
〔6〕エラストマー相がゴム改質熱可塑性樹脂組成物の約10〜約94重量%からなる、前記〔1〕に記載の組成物。
〔7〕エラストマー相がゴム改質熱可塑性樹脂組成物の約30〜約80重量%からなる、請求項1記載の組成物。
〔8〕少なくとも約10〜約90重量%の硬質熱可塑性相がエラストマー相に化学的にグラフトしている、前記〔1〕に記載の組成物。
〔9〕硬質熱可塑性相が、メタクリル酸メチルと、スチレン及びアクリロニトリル、又はα−メチルスチレン及びアクリロニトリル、又はスチレン、α−メチルスチレン及びアクリロニトリルの混合物とから誘導された構造単位を含んでなる、前記〔1〕に記載の組成物。
〔10〕スチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物対アクリロニトリルの重量/重量比が約1.5:1〜約4:1の範囲である、前記〔9〕に記載の組成物。
〔11〕スチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物対アクリロニトリルの重量/重量比が約2:1〜約3:1の範囲である、前記〔9〕に記載の組成物。
〔12〕少なくとも一部分の硬質熱可塑性相が、エラストマー相の存在しない状態で別途重合され組成物に添加されたものである、前記〔1〕に記載の組成物。
〔13〕組成物に添加される硬質熱可塑性相の量が組成物全体の重量を基準にして約30〜約80重量%の範囲である、前記〔12〕に記載の組成物。
〔14〕硬質熱可塑性相をグラフトする前のエラストマー相が、約160nm未満の第1の平均粒度と約200〜約750nmの範囲の第2の平均粒度とからなる二峰性粒度分布を有する、前記〔1〕に記載の組成物。
〔15〕ゴム改質熱可塑性樹脂組成物であって、樹脂組成物の総重量を基準にして約20〜約94重量%の、硬質熱可塑性相に分散した二峰性粒度分布を有する不連続エラストマー相を含んでなり、エラストマー相が約160nm未満の第1の平均粒度及び約200〜約750nmの範囲の第2の平均粒度を有しており、硬質熱可塑性相の少なくとも一部分がエラストマー相にグラフトしており、熱可塑性相が、メタクリル酸メチルと、スチレン及びアクリロニトリル、又はα−メチルスチレン及びアクリロニトリル、又はスチレン、α−メチルスチレン及びアクリロニトリルの混合物とから誘導された構造単位を含んでなる組成物。
〔16〕少なくとも一部分の硬質熱可塑性相がエラストマー相の存在しない状態で別途重合され組成物に添加されたものである、前記〔15〕に記載の組成物。
〔17〕組成物に添加される硬質熱可塑性相の量が組成物全体の重量を基準にして約20〜約80重量%の範囲である、前記〔16〕に記載の組成物。
〔18〕硬質熱可塑性相に分散した不連続エラストマー相を含んでなるゴム改質熱可塑性樹脂組成物であって、硬質熱可塑性相が、その少なくとも一部分がエラストマー相にグラフトしている第1の熱可塑性相と、エラストマー相の存在しない状態で別途製造され組成物に添加された第2の熱可塑性相とを含んでなり、第1の熱可塑性相は1種以上のビニル芳香族モノマー、1種以上のモノエチレン性不飽和ニトリルモノマー及び1種以上の(C1〜C12)アルキル−又はアリール−(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を含んでなり、第2の熱可塑性相は1種以上のビニル芳香族モノマー及び1種以上のモノエチレン性不飽和ニトリルモノマーから誘導された構造単位を含んでなる組成物。
〔19〕エラストマー相が、1種以上の(C1〜C12)アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導された構造単位を有するポリマーからなる、前記〔15〕に記載の組成物。
〔20〕アルキル(メタ)アクリレートモノマーがアクリル酸ブチルである、前記〔19〕に記載の組成物。
〔21〕エラストマー相のポリマーがさらに、1種以上のポリエチレン性不飽和モノマーから誘導された構造単位を含む、前記〔19〕に記載の組成物。
〔22〕ポリエチレン性不飽和モノマーが、ブチレンジアクリレート、ジビニルベンゼン、ブテンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メタクリル酸アリル、メタクリル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、メタクリル酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレート、トリシクロデセニルアルコールのアクリル酸エステル及びこれらの混合物からなる群から選択される、前記〔21〕に記載の組成物。
〔23〕エラストマー相が、モノエチレン性不飽和カルボン酸から誘導された構造単位を実質的に含まない、前記〔18〕に記載の組成物。
〔24〕エラストマー相が、ゴム改質熱可塑性樹脂組成物の約10〜約94重量%からなる、前記〔18〕に記載の組成物。
〔25〕エラストマー相が、ゴム改質熱可塑性樹脂組成物の約30〜約80重量%からなる、前記〔23〕に請求項23記載の組成物。
〔26〕硬質熱可塑性相の少なくとも約10〜約90重量%がエラストマー相に化学的にグラフトしている、前記〔18〕に記載の組成物。
〔27〕第1の熱可塑性相が、メタクリル酸メチルと、スチレン及びアクリロニトリル、又はα−メチルスチレン及びアクリロニトリル、又はスチレン、α−メチルスチレン及びアクリロニトリルの混合物とから誘導された構造単位を含む、前記〔18〕に記載の組成物。
〔28〕スチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物対アクリロニトリルの重量/重量比が約1.5:1〜約4:1の範囲にある、前記〔27〕に記載の組成物。
〔29〕スチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物対アクリロニトリルの重量/重量比が約2:1〜約3:1の範囲にある、前記〔27〕に記載の組成物。
〔30〕第2の熱可塑性相が、スチレン及びアクリロニトリル、又はα−メチルスチレン及びアクリロニトリル、又はスチレン、α−メチルスチレン及びアクリロニトリルの混合物から誘導された構造単位を含んでなる、前記〔18〕に記載の組成物。
〔31〕スチレン、α−メチルスチレン又これらの混合物対アクリロニトリルの重量/重量比が約1.5:1〜約4:1の範囲にある、前記〔30〕に記載の組成物。
〔32〕スチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物対アクリロニトリルの重量/重量比が約2:1〜約3:1の範囲にある、前記〔30〕に記載の組成物。
〔33〕組成物に添加される第2の熱可塑性相の量が、組成物全体の重量を基準にして約30〜約80重量%の範囲である、前記〔18〕に記載の組成物。
〔34〕硬質熱可塑性相に分散した不連続エラストマー相を含んでなるゴム改質熱可塑性樹脂組成物であって、硬質熱可塑性相が、その少なくとも一部分がエラストマー相にグラフトしている第1の熱可塑性相と、エラストマー相の存在しない状態で別途製造され組成物に添加された第2の熱可塑性相とを含んでなり、第1の熱可塑性相がメタクリル酸メチルと、スチレン及びアクリロニトリル、又はα−メチルスチレン及びアクリロニトリル、又はスチレン、α−メチルスチレン及びアクリロニトリルの混合物とから誘導された構造単位を含んでなり、第2の熱可塑性相がスチレン及びアクリロニトリル、又はα−メチルスチレン及びアクリロニトリル、又はスチレン、α−メチルスチレン及びアクリロニトリルの混合物から誘導された構造単位を含んでなり、エラストマー相がモノエチレン性不飽和カルボン酸から誘導された構造単位を実質的に含まない組成物。
一つの実施形態において、本発明は、不連続エラストマー相と硬質熱可塑性相とを含んでなり、硬質熱可塑性相の少なくとも一部分がエラストマー相にグラフトしている、ゴム改質熱可塑性樹脂に関する。かかる組成物において、グラフトしている硬質熱可塑性相は「シェル」といわれることがあり、不連続ゴム相は「コア」といわれることがある。本発明では、グラフト用に1種以上のゴム基材を使用する。このゴム基材は組成物の不連続エラストマー相となる。このゴム基材はグラフト可能なモノマーの少なくとも一部分がグラフトし得るものであれば特に制限されることはない。このゴム基材のガラス転移温度Tgは、一つの実施形態において約0℃より低く、別の実施形態においては約−20℃より低く、さらに別の実施形態においては約−30℃より低い。
様々な実施形態において、このゴム基材は、(C〜C12)アルキル(メタ)アクリレートモノマー及び前記モノマーを1種以上含む混合物から選択される1種以上のモノエチレン性不飽和アルキル(メタ)アクリレートモノマーの公知の方法による重合によって誘導される。本明細書で使用する場合、用語「モノエチレン性不飽和」は、1分子当たり単一のエチレン性不飽和部位を有することを意味し、用語「(メタ)アクリレートモノマー」はアクリレートモノマーとメタクリレートモノマーを総称していう。本明細書で使用する場合、用語「(C〜C)」は、例えば化学化合物又は化学置換基のような特定の単位に対して用いたとき、かかる単位1つ当たり「x」個の炭素原子〜「y」個の炭素原子の炭素原子含有量を有することを意味する。例えば、「(C〜C12)アルキル」は1つの基当たり1〜12個の炭素原子を有する直鎖、枝分れ又は環状アルキル置換基を意味し、限定されることはないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシルを包含する。適切な(C〜C12)アルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、限定されることはないが、アクリル酸(C〜C12)アルキルモノマー、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソ−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、及びアクリル酸2−エチルヘキシル、並びにこれらのメタクリル酸(C〜C12)アルキル類似体、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソ−プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、及びメタクリル酸デシルがある。本発明の特定の実施形態において、ゴム基材はアクリル酸n−ブチルから誘導された構造単位を含んでなる。
様々な実施形態において、ゴム基材は、1種以上のポリエチレン性不飽和モノマーから誘導された構造単位を含んでいてもよい。本明細書で使用する場合、用語「ポリエチレン性不飽和」は1分子当たり2以上のエチレン性不飽和部位を有することを意味する。ポリエチレン性不飽和モノマーは、ゴム粒子の架橋を提供するため、また後のグラフト用モノマーとの反応のための「グラフト結合性」部位をゴム基材に提供するために使用することが多い。適切なポリエチレン性不飽和モノマーとしては、限定されることはないが、ブチレンジアクリレート、ジビニルベンゼン、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メタクリル酸アリル、メタクリル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、メタクリル酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリシクロデセニルアルコールのアクリル酸エステル及びかかるモノマーを1種以上含む混合物がある。特定の実施形態において、ゴム基材はトリアリルシアヌレートから誘導された構造単位を含む。
幾つかの実施形態において、ゴム基材は、場合により、少量の他の不飽和モノマー、例えばゴム基材を製造するのに使用するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能なものから誘導された構造単位を含んでいてもよい。適切な共重合可能なモノマーとしては、限定されることはないが、C〜C12アリール若しくはハロアリール置換アクリレート、C〜C12アリール若しくはハロアリール置換メタクリレート、又はこれらの混合物、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びイタコン酸のようなモノエチレン性不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、例えばメタクリル酸ヒドロキシエチルのような(メタ)アクリル酸ヒドロキシ(C〜C12)アルキル、例えばメタクリル酸シクロヘキシルのような(C−C12)シクロアルキル(メタ)アクリレートモノマー、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド及びN−置換−アクリルアミド又は−メタクリルアミドのような(メタ)アクリルアミドモノマー、例えばマレイミド、N−アルキルマレイミド、N−アリールマレイミド及びハロアリール置換マレイミドのようなマレイミドモノマー、無水マレイン酸、ビニルメチルエーテル、例えば酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニルのようなビニルエステルがある。本明細書で使用する場合、用語「(メタ)アクリルアミド」はアクリルアミド及びメタクリルアミドを総称する。また、適切な共重合可能なモノマーとしては、限定されることはないが、ビニル芳香族モノマー、例えば、スチレン及び芳香環に結合した1以上のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ又はハロ置換基を有する置換スチレン、例えば、限定されることはないが、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルビニルトルエン、ビニルキシレン、トリメチルスチレン、ブチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、α−クロロスチレン、ジクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ブロモスチレン、α−ブロモスチレン、ジブロモスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン、メトキシスチレン及びビニル−置換縮合芳香環構造、例えば、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、並びに、ビニル芳香族モノマーと、例えばアクリロニトリル、エタクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリルのようなモノエチレン性不飽和ニトリルモノマーとの混合物もある。芳香環上に置換基の混合物を有する置換スチレンも適している。本発明の一つの特定の実施形態において、ゴム基材は、重合混合物に添加される例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びイタコン酸のようなモノエチレン性不飽和カルボン酸から誘導された構造単位を実質的に含まない。本明細書で「実質的に含まない」とは、いかなるモノエチレン性不飽和カルボン酸も、ゴム基材の合成に使用するモノマー中に、偶発的な不純物としてしか、通例約1重量%未満又は約0.5重量%未満又は約0.2重量%未満のレベルでしか存在しないことを意味する。
ゴム基材は、組成物の総重量を基準にして、一つの実施形態においては約10〜約94重量%のレベルで、別の実施形態においては約15〜約94重量%のレベルで、別の実施形態においては約20〜約94重量%のレベルで、別の実施形態においては約30〜約80重量%のレベルで、別の実施形態においては約35〜約80重量%のレベルで、別の実施形態においては約40〜約80重量%のレベルで、別の実施形態においては約25〜約60重量%のレベルで、さらに別の実施形態においては約40〜約50重量%のレベルで本発明の組成物中に存在することができる。他の実施形態において、ゴム基材は、組成物の総重量を基準にして、約5〜約50重量%のレベルで、約8〜約40重量%のレベルで、又は約10〜約30重量%のレベルで本発明の組成物中に存在することができる。
幾つかの実施形態で、ゴム基材は大きさが約50〜約1000nmの範囲の粒子をもつ広い粒度分布を有し得る。他の実施形態において、ゴム基材の平均粒度は約160nm未満又は約100nm未満であり得る。さらに他の実施形態において、ゴム基材の平均粒度は約80〜約400nmの範囲であり得る。さらに他の実施形態において、ゴム基材の平均粒度は約200〜約750nmの範囲でよい。他の実施形態において、ゴム基材の平均粒度は約400nmより大きいであろう。本発明の組成物は異なる平均粒度を有する少なくとも2種のゴム基材の混合物からなり得る。
本発明の一つの局面においては、ゴム基材の存在下でモノマーを重合することにより、少なくとも一部分がゴム相に化学的にグラフトしたグラフトコポリマーを形成する。ゴム基材に化学的にグラフトしていないグラフトコポリマーの全ての部分が硬質熱可塑性相からなる。この硬質熱可塑性相は、ガラス転移温度(Tg)が一つの実施形態においては約25℃より高く、別の実施形態においては90℃以上、さらに別の実施形態においては100℃以上である熱可塑性ポリマー又はコポリマーからなる。
特定の実施形態において、硬質熱可塑性相は、(C〜C12)アルキル−及びアリール−(メタ)アクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー並びにモノエチレン性不飽和ニトリルモノマーからなる群から選択される1種以上のモノマーから誘導された構造単位を有するポリマーからなる。適切な(C〜C12)アルキル−及びアリール−(メタ)アクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー並びにモノエチレン性不飽和ニトリルモノマーとしては、ゴム基材の説明で上記したものがある。かかるポリマーの例としては、限定されることはないが、スチレン/アクリロニトリルコポリマー、α−メチルスチレン/アクリロニトリルコポリマー、スチレン/メチルメタクリレートコポリマー、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、又はα−メチルスチレン/スチレン/アクリロニトリルターポリマー、スチレン/アクリロニトリル/メチルメタクリレートターポリマー、スチレン/アクリロニトリル/無水マレイン酸ターポリマー、若しくはスチレン/アクリロニトリル/アクリル酸ターポリマー、又はα−メチルスチレン/スチレン/アクリロニトリルターポリマーがある。これらのコポリマーは個別に又は混合物として硬質熱可塑性相に使用することができる。
幾つかの実施形態において、硬質熱可塑性相は1種以上のビニル芳香族ポリマーを含む。適切なビニル芳香族ポリマーは1種以上のビニル芳香族モノマーから誘導された構造単位を約20重量%以上含む。特定の実施形態において、硬質熱可塑性相は、1種以上のビニル芳香族モノマーから誘導された第1の構造単位を有し、1種以上のモノエチレン性不飽和ニトリルモノマーから誘導された第2の構造単位を有するビニル芳香族ポリマーを含んでなる。かかるビニル芳香族ポリマーの例としては、限定されることはないが、スチレン/アクリロニトリルコポリマー、α−メチルスチレン/アクリロニトリルコポリマー、又はα−メチルスチレン/スチレン/アクリロニトリルターポリマーがある。もう一つ別の特定の実施形態において、硬質熱可塑性相は、1種以上のビニル芳香族モノマーから誘導された第1の構造単位と、1種以上のモノエチレン性不飽和ニトリルモノマーから誘導された第2の構造単位と、(C〜C12)アルキル−及びアリール−(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択される1種以上のモノマーから誘導された第3の構造単位とを有するビニル芳香族ポリマーからなる。かかるビニル芳香族ポリマーの例としては、限定されることはないが、スチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチルコポリマー及びα−メチルスチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチルコポリマーがある。これらのコポリマーは個別に又は混合物として硬質熱可塑性相に使用することができる。
コポリマー中の構造単位が1種以上のモノエチレン性不飽和ニトリルモノマーから誘導されている場合、グラフトコポリマー及び硬質熱可塑性相を構成するコポリマー中のニトリルモノマー含有量は、グラフトコポリマー及び硬質熱可塑性相を構成するコポリマーの重量を基準にして、一つの実施形態においては約5〜約40重量%の範囲、別の実施形態においては約5〜約30重量%の範囲、別の実施形態においては約10〜約30重量%の範囲、さらに別の実施形態においては約15〜約30重量%の範囲であり得る。
ゴム相と硬質熱可塑性相を構成するモノマーとの間で起こるグラフトの量はゴム相の相対量及び組成と共に変化する。一つの実施形態においては、組成物中の硬質熱可塑性相の総量を基準にして約10wt%より多くの硬質熱可塑性相がゴムに化学的にグラフトする。別の実施形態においては、組成物中の硬質熱可塑性相の総量を基準にして約15wt%より多くの硬質熱可塑性相がゴムに化学的にグラフトする。さらに別の実施形態においては、組成物中の硬質熱可塑性相の総量を基準にして約20wt%より多くの硬質熱可塑性相がゴムに化学的にグラフトする。特定の実施形態において、ゴムに化学的にグラフトした硬質熱可塑性相の量は、組成物中の硬質熱可塑性相の総量を基準にして約5〜約90wt%、約10〜約90wt%、約15〜約85wt%、約15〜約50wt%、又は約20〜約50wt%の範囲であり得る。さらに他の実施形態においては、硬質熱可塑性相の約40〜90wt%が遊離、すなわち、グラフトしていない。
硬質熱可塑性相は、組成物の総重量を基準にして、一つの実施形態においては約85〜約6重量%のレベルで、別の実施形態においては約65〜約6重量%のレベルで、別の実施形態においては約60〜約20重量%のレベルで、別の実施形態においては約75〜約40重量%のレベルで、さらに別の実施形態においては約60〜約50重量%のレベルで本発明の組成物中に存在し得る。他の実施形態において、硬質熱可塑性相は、組成物の総重量を基準にして、約90〜約30wt%の範囲で本発明の組成物中に存在し得る。
硬質熱可塑性相は、単にゴム基材の存在下で実施する重合により、又は、ゴム基材の存在下で重合しておいた硬質熱可塑性ポリマーに1種以上の別途重合した硬質熱可塑性ポリマーを添加することにより、形成することができる。少なくとも一部分の別途合成した硬質熱可塑性相を組成物に添加する場合、添加する前記別途合成した硬質熱可塑性相の量は、組成物全体の重量を基準にして約20〜約80重量%の範囲の量、又は約30〜約80重量%の範囲の量、又は約30〜約75重量%の範囲の量、又は約40〜約70重量%の範囲の量である。かかる重合反応で異なる平均粒度を有する2種以上の異なるゴム基材を別々に使用し、その後それらの生成物を共にブレンドしてもよい。初期ゴム基材の異なる平均粒度を有するかかる生成物を共にブレンドする例示としての実施形態の場合、基材の比は約90:10〜約10:90の範囲であり得る。
硬質熱可塑性相は、この硬質熱可塑性相の少なくとも一部分がゴム相中に存在する不飽和部位との反応を介してゴム相に化学的に結合する、すなわち「グラフトする」ようにして、公知の方法、例えば塊状重合、乳化重合、懸濁重合又はこれらの組合せに従って作成することができる。このグラフト反応は回分法、連続法又は半連続法で行うことができる。代表的な手法としては、限定されることはないが、米国特許第3944631号及び1997年10月31日に出願された米国特許出願第08/962458号に教示されているものがある。ゴム相中の不飽和部位は、例えば、グラフト結合性モノマーから誘導されたゴムの構造単位中の残留不飽和部位により提供される。
本発明の組成物から有用な物品を形成することができる。幾つかの実施形態で本物品は本発明の組成物からなる一元物品である。他の実施形態において、この物品は、本発明の組成物と、限定されることはないがスチレン性ポリマー及びコポリマー、SAN、ABS、ポリ(メタ)アクリレートポリマー及びコポリマー、1種以上のビニル芳香族モノマー、1種以上のモノエチレン性不飽和ニトリルモノマー、及び1種以上の(メタ)アクリレートモノマーから誘導されたコポリマー、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(フェニレンエーテル)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリ(フェニレンスルフィド)、並びにポリオレフィンを始めとする1種以上の他の樹脂との組合せからなっていてもよい。かかる組合せは、本発明の組成物と1種以上の他の樹脂とのブレンド、又は本発明の組成物からなる1種以上の層を含む多層物品であってもよい。
本発明の方法により作成される組成物を含む、作成することができる多層及び一元物品としては、限定されることはないが、屋外車輌及び装置(OVAD)用途用の物品、航空機、自動車、トラック、軍用車輌(例えば自動車、航空機、及び水上輸送用車輌)、スクーター、及びオートバイ用の外装及び内装部品、例えばパネル、クォーターパネル、ロッカーパネル、垂直パネル、水平パネル、トリム、ピラー、センターポスト、フェンダー、ドア、デッキリッド、トランクリッド、フード、ボンネット、屋根、バンパー、フェイシア、グリル、ミラーハウジング、ピラーアップリケ、クラッディング、ボディーサイドモールディング、ホイールカバー、ハブキャップ、ドアハンドル、スポイラー、ウインドーフレーム、ヘッドランプベゼル、テールランプハウジング、テールランプベゼル、ライセンスプレートエンクロージャー、ルーフラック、及びステップ、屋外車輌及び装置用のエンクロージャー、ハウジング、パネル、及び部品、電気及び通信装置用のエンクロージャー、屋外用家具、航空機部品、ボート及び海洋設備、例えばトリム、エンクロージャー、及びハウジング、船外モーターハウジング、測深器ハウジング、水上バイク、ジェットスキー、プール、温泉、ホットタブ、階段、ステップカバー、建築及び建設用途、例えばガラス取付け、外柵、敷き板プランク、屋根、羽目板、特にビニル羽目板用途、窓、床、装飾窓取付具又は取扱い器具、壁板、及びドア、屋外及び屋内標識、現金自動預入支払機(ATM)用のエンクロージャー、ハウジング、パネル、及び部品、芝生及び庭園トラクター、芝刈り機、及び工具、例えば芝生及び庭園工具用のエンクロージャー、ハウジング、パネル、及び部品、窓及びドアトリム、スポーツ用設備及び玩具、スノーモービル用のエンクロージャー、ハウジング、パネル、及び部品、レクリエーショナルビークルのパネル及び部品、運動場設備、プラスチック−木材の組合せにより作成された物品、ゴルフコースマーカー、ユーティリティーピットカバー、携帯電話ハウジング、無線送信機ハウジング、無線受信機ハウジング、照明設備、照明器具、反射板、ネットワークインターフェイス装置ハウジング、変圧器ハウジング、エアコンハウジング、公共輸送機関用のクラッディング又はシート、列車、地下鉄、又はバス用のクラッディング又はシート、計器ハウジング、アンテナハウジング、衛星放送受信アンテナ用のクラッディング、などの用途がある。本発明ではさらに、限定されることはないが、型成形、絵付成形、ペイントオーブン中でのベーキング、メッキ、積層、及び/又は熱成形のような追加の製造加工作業を物品に施すことが考えられる。
本発明の組成物を含むいかなる物品も、場合により、充填材(粘土、タルク、など)、補強剤(ガラス繊維)、衝撃改質剤、可塑剤、流動性促進剤、滑剤その他の加工助剤、安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、離型剤、難燃剤、UV遮断剤、などを始めとして当技術分野で公知の添加剤を含むことができる。物品は、例えば、異形押出、シート押出、共押出、押出ブロー成形及び熱成形、並びに射出成形のような各種公知の方法で製造することができる。
本明細書の記載により、当業者はさらに労を要することなく、本発明を最大限に利用することができると考えられる。以下の実施例は本発明を実施する際の追加の指針を当業者に提供するためのものである。以下に挙げる実施例は、本出願の教示に至った研究の単なる代表的例である。従って、これらの実施例は、特許請求の範囲に記載の本発明をいかなる意味でも限定するものではない。M−ASAという略号はメタクリル酸メチルで改質されたASA樹脂を意味する。
実施例1:小粒度M−ASA樹脂の調製
実施例1では、乳化重合法による小粒度M−ASA樹脂の作成を例示する。
1A.小粒度ポリ(アクリル酸ブチル)基材ラテックスの調製
羽根付タービン攪拌機を備えたステンレススチール製反応器に、131重量部(pbw)の脱塩水及び0.15pbwのピロリン酸四ナトリウムを仕込んだ。攪拌を開始し、1時間反応器中味を窒素でパージしながらその反応器中味を60℃に加熱した。パージが完了した後、0.8部のラウリル硫酸ナトリウムを加え、5分間攪拌した。窒素の供給をパージから雰囲気用に変えた。
反応器に仕込むために次の供給流を調製した。89pbwのアクリル酸ブチル(「BAモノマー」)、0.47pbwのトリアリルシアヌレートを10.53pbwのアクリル酸ブチルに溶かした溶液(「TAC溶液」)、0.132pbwのスルホキシル酸ホルムアルデヒドナトリウム、0.025pbwのエチレンジアミン四酢酸の一ナトリウム塩(NaHEDTA)、0.005pbwの硫酸第一鉄七水和物及び15pbwの水を含有する活性化剤溶液(「活性化剤溶液」)、0.120部のクメンヒドロペルオキシド(CHP)、0.80pbwのラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を7.2pbwの脱塩水中に含有する界面活性剤溶液(「石けん溶液」)。
反応を開始するために、6%の合計pbwのBAモノマー及びTAC溶液を反応器に回分式に仕込み、続いて20%の全活性化剤溶液を仕込んだ。次いで、6%の全CHP仕込み材料を加えて重合を開始させた。通例、CHP添加後5分以内に発熱反応が観察された。
最初の発熱が観察されてから30分後を時間ゼロ(T=0)とした。次に、石けん溶液及び残りの他の供給流を、T=0から表1のプロトコルに従って供給すると共に反応を60℃に維持した。この得られたポリ(アクリル酸ブチル)のラテックスの平均粒度を947オングストロームで光散乱によって測定した。このラテックスのアセトンゲル含有量は82%で、アセトン中の膨潤指数は8.4であった。
Figure 0004559220
1B.小粒度M−ASAグラフトコポリマーの調製
実施例1Aの方法によって作成したポリ(アクリル酸ブチル)ゴムラテックス粒子の存在下でスチレン、アクリロニトリル及びMMAモノマーの水性乳化重合により実施例1のグラフトコポリマーを作成した。
タービンブレードを備えた攪拌機を有するステンレススチール製反応器に、203pbwの水、及び45.0pbwのポリ(アクリル酸ブチル)ゴム粒子(実施例1Aからの固形分を約39重量%含有する水性ポリ(アクリル酸ブチル)ゴムラテックスの形態)を仕込み、反応器の中味を60℃に加熱した。次の供給仕込み材料を調製した。22.00pbwのスチレン、8.25pbwのアクリロニトリル、24.75pbwのメタクリル酸メチル(MMA)、0.225pbwのクメンヒドロペルオキシド、0.0033pbwの硫酸第一鉄七水和物、0.0165pbwのエチレンジアミン四酢酸の二ナトリウム塩(NaEDTA)、0.30pbwのスルホキシル酸ホルムアルデヒドナトリウム(SFS)及び5pbwの水を含有する活性化剤溶液、並びに1.088pbwのSLSを9.792pbwの脱塩水中に含有する石けん溶液。これらの各々を表2のプロトコルに従って実質的に均一なそれぞれの速度で反応器に供給した。
Figure 0004559220
次に、85〜91℃の温度で100pbwのグラフトコポリマー粒子(乾燥基準)当たり3pbwの塩化カルシウムを添加することによって反応器中味を凝集させ、次いで出口空気温度74℃の流動床乾燥機で乾燥した。
実施例2:大粒度M−ASA樹脂の調製
実施例2では、播種半回分式重合法に従って本発明の乳化重合法により大粒度M−ASA樹脂を作成する例を示す。
2A.ポリ(アクリル酸ブチル)シードラテックスの調製
シードラテックス粒子は、反応の開始時に0.8pbwのSLSの代わりに0.1pbwのSLSを用いた以外は実施例1Aと同じ手法及び重合条件に従って製造した。得られたラテックスポリマーは光散乱による平均粒度が1610オングストロームであった。
2B.大粒度ポリ(アクリル酸ブチル)基材ラテックスの調製
羽根付タービン攪拌機を備えたステンレススチール製反応器に、127.4部の脱塩水及び0.15pbwのピロリン酸四ナトリウムを仕込んだ。攪拌を開始し、1時間反応器中味を窒素でパージしながら反応器中味を60℃に加熱した。パージ完了後、2.5pbwの実施例2Aのポリ(アクリル酸ブチル)シードポリマーをラテックスとして加え、5分間攪拌した。窒素の供給をパージから雰囲気用に変えた。
反応器に仕込むために次の供給流を調製した。85.75pbwのアクリル酸ブチル、0.47pbwのトリアリルシアヌレートを11.28pbwのアクリル酸ブチルに溶かした溶液(「TAC溶液」)、0.132pbwのSFS、0.025pbwのNaHEDTA、0.005pbwの硫酸第一鉄七水和物及び15pbwの水を含有する活性化剤溶液(「活性化剤溶液」)、0.120pbwのクメンヒドロペルオキシド(CHP)、並びに0.4pbwのSLSを3.6pbwの脱塩水中に含有する界面活性剤溶液(「石けん溶液」)。
反応温度が60℃に戻ったところで、20%の活性化剤溶液を回分式に反応器に仕込んだ。次に、残りのモノマー、石けん及び活性化剤供給材料の全てを180分間にわたって反応器に供給した。全ての供給材料を仕込んだ後、反応を30分間攪拌しながら60℃に保持した後、49℃に冷却してからそのバッチを停止した。
得られたポリ(アクリル酸ブチル)のラテックスの平均粒度を光散乱により測定したところ4261オングストロームであり、アセトンゲル含有量は95%、アセトン中膨潤指数は4.4であった。
2C.大粒度M−ASAグラフト樹脂の調製
実施例1に記載の手法と工程に従い、実施例2Bの方法により作成されたポリ(アクリル酸ブチル)ゴムラテックス粒子の存在下でスチレン、アクリロニトリル及びMMAモノマーの水性乳化重合によって、実施例2のグラフトコポリマーを作成し、実施例1に記載の方法によって単離した。
比較樹脂C1
グラフトモノマーとして36.67pbwのスチレン及び18.33pbwのアクリロニトリルを用い、45pbwの実施例1Aのポリ(アクリル酸ブチル)基材ポリマーを実施例1Bに記載の乳化重合条件に付すことによって小粒度ASAグラフトコポリマーを調製した。
比較樹脂C2
グラフトモノマーとして36.67pbwのスチレン及び18.33pbwのアクリロニトリルを用い、45pbwの実施例2Bのポリ(アクリル酸ブチル)基材ポリマーを実施例2Cに記載の乳化重合条件に付すことによって大粒度ASAグラフトコポリマーを調製した。
比較樹脂C3
欧州特許出願公開第0913408号に記載のようなポリ(アクリル酸ブチル)ラテックスポリマーをスチレン及びアクリロニトリルとグラフト重合させることにより、広いゴム粒度分布を有するASAグラフトコポリマーを調製した。このポリ(アクリル酸ブチル)ゴムラテックス粒子は、反応器滞留時間が90分となる条件下60℃で99.53pbwのアクリル酸ブチル中0.47pbwのTACを用いて0.12pbwのCHPにより前記文献記載の連続重合法に従って調製した。ASAグラフトコポリマーは、45pbwのこの連続重合したポリ(アクリル酸ブチル)基材ポリマーを、グラフトモノマーとして36.67pbwのスチレン及び18.33pbwのアクリロニトリルを用い、開始剤として樹脂100部当たり0.275部pbwのCHPを用いて、実施例1Bに記載の乳化重合条件に付すことによって調製した。
実施例3〜4及び比較例C4〜C8
実施例1及び2並びに比較例C1、C2及びC3のグラフトコポリマーを下記表3に重量部で示す相対量の樹脂成分及び添加剤と組み合わせることによって、これらのグラフトコポリマーを実施例3及び4並びに比較例C4〜C8の成形用組成物中に衝撃改質剤として使用した。
SAN−1は、塊状重合法により調製したスチレン−アクリロニトリル樹脂(コポリマー100pbwを基準にして72pbwのスチレン/28pbwのアクリロニトリル、分子量103000g/モル)であった。SAN−2は、懸濁重合法により調製したスチレン−アクリロニトリル樹脂(コポリマー100pbwを基準にして73pbwのスチレン/27pbwのアクリロニトリル、分子量105000g/モル)であった。MMA−SAN−1は、塊状重合法で調製したスチレン−アクリロニトリル−MMA樹脂(コポリマー100pbwを基準にして39.6pbwのスチレン/15.4pbwのアクリロニトリル/45.0pbwのMMA、分子量90000g/モル)であった。MMA−SAN−2は、懸濁重合法で製造され、Ube Cycon Ltd.によりSR−06Bとして販売されているスチレン−アクリロニトリル−MMA樹脂(28pbwスチレン/24pbwアクリロニトリル/48pbwMMA)であった。PMMAは、AtoFinaから入手したMMAとアクリル酸エチルのコポリマーV920Aであった。添加剤にはUV安定剤と酸化防止剤が含まれていた。
Figure 0004559220
表3に記載した各成形用組成物を、二軸式押出機又はBanburyバッチミキサーを用いて約232℃のストック温度でコンパウンディングした。これらの組成物のペレットを、ストック温度260℃、金型温度66℃で成形して試験用の試料を作成した。
各組成物から成形した試料を、ISO 4892Aに従って内側及び外側のホウケイ酸塩フィルターを用いてキセノンアーク促進耐候試験にかけた。カラーシフトは色測定用のHunter Colorimeterを用いてCIELAB L、a及びbスケールで測定した。これらの白色顔料含有試料の暴露後の黄変は「Δb」値として表されるが、Δbの(正)の値が高いほど黄色の方へのカラーシフトが目立っていることを示し、0.5Δb単位以上の差は有意なカラーシフトと考えられる。これらの結果を、340nmの波長における1平方メートル当たりの暴露キロジュール(kJ/m)で表した累積暴露に対するΔbとして表4に示す。黄変に対するこれらの結果は、スチレン性ポリマーの場合、熱加工中に生成した色本体の漂白と、UV暴露により誘発される光黄変という2つの競合する反応が進行するので、解釈するのが難しいことが多い。例えば、慣用のASA試料の場合、Δb値はまず最初は漂白のために負(より青色)となり、その後光黄変反応が優勢になり始めると正になる。
Figure 0004559220
表面光沢も暴露の関数として記録した。成形品の初期光沢を保持する能力は、耐候性材料としてある製品を許容する際の一つの重要な要因である。試験片の60°での光沢特性をASTM D523に従って測定した。光沢保持に対する結果を、波長340nmにおける1平方メートル当たりのキロジュール(「kJ/m」)の暴露で表した累積暴露に対する光沢として表5に示す。
Figure 0004559220
いずれも従来のASA樹脂を衝撃改質剤として調製した比較例C4〜C7は、ほぼ2年の屋外暴露と等価な5000kJ/mの暴露までに初期の高い光沢を実質的に全て損失するという比較的乏しい光沢保持性能を示す。目立っているのは、MMASAN硬質相を含有する比較例C7の光沢保持が、SAN硬質相を含有する比較例C5と同様であることである。実施例3は、MMAで改質されたASA樹脂をSANと組み合わせた本発明のブレンドが、光沢保持に関して物品の耐用寿命を二倍にすることができるということを示している。MMAモノマーをグラフト樹脂と硬質マトリックスポリマーの両方に配合した実施例4は、光沢保持が改良され、MMAで改質されたASA樹脂をPMMAとSANのブレンドと組み合わせた比較例8にほぼ匹敵する。
これらの組成物から成形した試料を物理的試験にもかけた。組成物のノッチ付きIzod衝撃性能は室温でASTM D256に従って試験した。落槍衝撃特性は、直径0.5インチの槍を有する計装衝撃装置(Dynatup)を用いて測定した。加熱撓み温度(HDT)は、0.455メガパスカル(MPa)(66ポンド/平方インチ)及び1.82MPa(264ポンド/平方インチ)の繊維応力でASTM D648に従って測定した。各組成物の溶融粘度は、Kayeness毛管レオメーターを用いて260℃の溶融温度及び見掛け剪断速度1000秒−1の条件下で測定した。実施例3及び4並びに比較例C6〜C8に対する試験の結果を下記表6に示す。
Figure 0004559220
実施例4で、比較例6の従来のASAに対して加熱撓み温度が低下することが判明した。また、ノッチ付きIzod衝撃強さも低下した。MMAモノマーをグラフトASA単独に配合した実施例3は、比較例6のような従来のASAの耐熱性を実質的に全て保有しつつ、改良された屋外暴露を示す。実施例3は、MMAで改質されたASA樹脂とPMMA及びSANとのブレンドを使用する比較例8より優れた特性を示す。このように、M−ASA高ゴムグラフト樹脂とSANマトリックスポリマーとの組合せは、カラーシフト及び光沢保持を顕著に改良すると同時に、ブレンドの硬質相とゴム相の両方にMMASAN樹脂組成物を用いたときに生じ得るHDTの損失を最小限に抑える。
実施例5及び比較例9
比較例9は、ゴム相としてのPBAにグラフトしたSAN(S:AN=2:1)、及び硬質熱可塑性相としての従来のSANを含有し、2phrのカーボンブラックを含めて従来の添加剤を含有する組成物であった。本発明の配合物では、同じ顔料と安定剤のパッケージを使用したが、SANの代わりにMMASAN硬質相を、PBAゴム粒子の75%が100nmでゴム粒子の25%が450nmである二峰性粒度分布を有するグラフト化ゴムを用いたブレンドとした。これらのゴムに、MMASAN硬質相と調和させるために45MMA、39.6スチレン、15.4ANのMMASAN組成物をグラフトさせた。各配合物の試験片を成形した。これらの配合物の重量部による量の詳細と、表6と同様に測定した物理的特性の結果を表7に示す。略号PSは平均粒度を示す。
Figure 0004559220
二峰性M−ASAとMMASAN硬質相に基づく実験的ブレンドに対する物理的特性プロフィールの結果は、比較例9と比べてより高い剛性及び流動性の一つ、さらには適度なレベルの衝撃強さである。鏡面成分を排除して測定したときのより低いL値から分かるように、実験的配合物の黒色の深さ、すなわち「ジェットネス」も優れている。
これら2つの配合物のカラーチップを、SAE J1960プロトコルの下で2500kJ/m2(340nmで測定)の暴露によりキセノンアーク促進耐候試験にかけた。図1は、暴露の関数として測定した色保持力の結果を示す(CIELAB ΔE対累積暴露キロジュール/平方メートル)。図2は、暴露(キロジュール/平方メートル)の関数として測定した表面光沢保持力の結果を示す。60°における光沢特性はASTM D523に従って測定した。これらの図は、実験的なMMA改質配合物が色及び光沢保持の両方で比較例と比べて傑出した性能を有することを示している。
典型的な実施形態について本発明を例示し説明して来たが、本発明の思想から逸脱することなく様々な修正と置換ができるので、いかなる意味でもここに示した詳細に限定する意図はない。このように、当業者には通常以上の実験を要することなく本明細書に開示した本発明の別の修正及び等価物が明らかであろうし、かかる修正と等価物は全て特許請求の範囲に記載の本発明の思想と範囲内に入ると考えられる。本明細書中で引用した特許と特許出願は全て援用により本明細書の内容の一部をなす。
図1は、実施実施例5及び比較実施例9のキセノンアーク促進耐候試験において暴露量の関数として測定した色保持力の結果を示す。 図2は、実施実施例5及び比較実施例9のキセノンアーク促進耐候試験において暴露量の関数として測定した表面光沢保持力の結果を示す。

Claims (9)

  1. 樹脂組成物の総重量を基準にして、硬質熱可塑性相に分散した二峰性粒度分布を有する、不連続エラストマー相20〜94質量%を含んでなるゴム改質熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記エラストマー相は、光散乱によって測定された160nm未満の第1の平均粒度と、光散乱によって測定された200〜750nmの範囲の第2の平均粒度を有しており、
    前記硬質熱可塑性相は、その少なくとも一部分が前記エラストマー相にグラフトした第1の熱可塑性相と、エラストマー相の非存在下に別個に重合され該樹脂組成物に添加された第2の熱可塑性相とを含み、
    前記エラストマー相は、(A)アクリル酸ブチル、(B)ブチレンジアクリレート、ジビニルベンゼン、ブテンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メタクリル酸アリル、メタクリル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、メタクリル酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレート、トリシクロデセニルアルコールのアクリル酸エステル及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリエチレン性不飽和モノマー、及び(C)1質量%未満のモノエチレン性不飽和カルボン酸、とから誘導された構造単位を有するポリマーを含んでなり、
    前記第1の熱可塑性相は、(a)メタクリル酸メチルと、(b)スチレン及びアクリロニトリル、又は、α−メチルスチレン及びアクリロニトリル、又は、スチレン、α−メチルスチレン及びアクリロニトリルの混合物と、から誘導された構造単位を含んでなり、また、
    前記第2の熱可塑性相は、スチレン及びアクリロニトリル、又は、α−メチルスチレン及びアクリロニトリル、又は、スチレン、α−メチルスチレン及びアクリロニトリルの混合物から誘導された構造単位を含んでなる樹脂組成物。
  2. 前記硬質熱可塑性相の少なくとも10〜90質量%が前記エラストマー相に化学的にグラフトしていることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記第2の熱可塑性相に含まれるスチレン、α−メチルスチレン又これらの混合物対アクリロニトリルの構造単位の質量比が1.5:1〜4:1の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. 前記第2の熱可塑性相に含まれるスチレン、α−メチルスチレン又これらの混合物対アクリロニトリルの構造単位の質量比が2:1〜3:1の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 前記第2の熱可塑性相の量が、組成物全体の質量を基準にして30〜80質量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. 前記第1の熱可塑性相中及び第2の熱可塑性相中のアクリロニトリルの構造単位の質量が5〜40質量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  7. 前記エラストマー相のガラス転移温度Tgが−30℃未満であり、また、前記硬質熱可塑性相のガラス転移温度Tgが100℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  8. 前記エラストマー相のアセトンゲル含有量が82〜95質量%であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  9. 樹脂組成物の総重量を基準にして、硬質熱可塑性相に分散した二峰性粒度分布を有する、不連続エラストマー相20〜94質量%を含んでなるゴム改質熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記エラストマー相は、光散乱によって測定された160nm未満の第1の平均粒度と、光散乱によって測定された200〜750nmの範囲の第2の平均粒度を有しており、
    前記硬質熱可塑性相は、その少なくとも一部分が前記エラストマー相にグラフトした第1の熱可塑性相と、エラストマー相の非存在下に別個に重合され該樹脂組成物に添加された第2の熱可塑性相とを含み、
    前記エラストマー相は、(A)アクリル酸ブチル、(B)ブチレンジアクリレート、ジビニルベンゼン、ブテンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メタクリル酸アリル、メタクリル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、メタクリル酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレート、トリシクロデセニルアルコールのアクリル酸エステル及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリエチレン性不飽和モノマー、及び(C)1質量%未満のモノエチレン性不飽和カルボン酸、とから誘導された構造単位を有するポリマーを含んでなり、
    前記第1の熱可塑性相は、(a)メタクリル酸メチルと、(b)スチレン及びアクリロニトリル、又はα−メチルスチレン及びアクリロニトリル、又はスチレン、α−メチルスチレン及びアクリロニトリルの混合物と、から誘導された構造単位を含んでなり、及び
    前記第2の熱可塑性相は、(a)メタクリル酸メチルと、(b)スチレン及びアクリロニトリル、又はα−メチルスチレン及びアクリロニトリル、又はスチレン、α−メチルスチレン及びアクリロニトリルの混合物と、から誘導された構造単位を含んでなる樹脂組成物。
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