JP4555874B2 - 電子機器筐体の製造方法及び電子機器筐体 - Google Patents

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Description

本発明は、金属板に樹脂を一体に成形する電子機器筐体の製造方法及び電子機器筐体に関するものである。
この種の電子機器としては、ノートブック型パーソナルコンピュータが知られている。ノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、単に「ノートPC」という)は、本体筐体及び蓋体を備えて構成されている。本体筐体はコンピュータの構成部品を収容した箱体であり、その上面にキーボードが設けられている。蓋体は本体筐体の上面に対向する面に液晶ディスプレイ等の表示装置を備えたものである。
上記の本体筐体や蓋体としては、従来、樹脂単体を成形したものが用いられてきたが、近年、インモールド成形等によって金属板と樹脂とを一体に成形した筐体が種々検討されている(例えば、特許文献1を参照)。この筐体は、金型内に金属板を配置し、金型内に樹脂を射出することによって金属板と樹脂とを一体化させたものであり、同じ厚みで成形した樹脂単体からなる筐体と比べて強度を向上させることができるため、筐体のさらなる薄型化・軽量化を実現することが可能となる。
特開2003−170531号公報
ところで、一般的に樹脂の熱膨張率は金属の熱膨張率よりも大きい。このため、金型に設置した金属板に樹脂を射出して金属板と樹脂とを一体成形した際に、金属と樹脂の熱膨張率の違いにより筐体に反りが生じる。そこで、特許文献1では、ガラス繊維等のフィラーを樹脂に含有させることによって、樹脂の熱膨張率を金属の熱膨張率とほぼ等しくなるように調整している。
しかしながら、樹脂中のフィラーの含有量が多くなる程、射出成形時の樹脂の流動性が低下し、成形性が悪化するため、樹脂部分を薄肉に成形することが困難になるという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、金属板に樹脂を一体成形する際の樹脂の流動性を確保しつつ、成形後に生じる筐体の反りを防止することのできる電子機器筐体の製造方法及び電子機器筐体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、金属板を金型内に設置し前記金型内に樹脂を射出することによって前記金属板の少なくとも一面全体に樹脂を一体に成形する電子機器筐体の製造方法であって、前記樹脂は、ケイ酸塩ガラスからなる繊維状のフィラーを含有するものであり、前記フィラー中の二酸化ケイ素の含有量を60質量%以上100質量%以下に調整し、前記樹脂に前記フィラーを25質量%以上50質量%以下含有させることにより、前記樹脂の成形収縮率SRを一体成形における前記金属板の収縮率SMよりも0.5/1000〜1.0/1000小さく設定することを特徴とする。
ここで、前記樹脂の成形収縮率SRとは、金型寸法をLR0、成形後、室温に戻ったときの樹脂の寸法をLR1とすると、SR=(LR0−LR1)/LR0で表されるものである。また、収縮が温度変化によって生じる場合には、上記の成形収縮率SRは、当該樹脂の熱膨張率αRを用いて、SR=(成形時の樹脂の温度変化量ΔtR)×αRで表される。また、一体成形における金属板の収縮率SMとは、樹脂の射出により金属板の温度が最も上昇したときの金属板の寸法をLM0、成形後、室温に戻ったときの金属板の寸法をLM1とすると、SM=(LM0−LM1)/LM0で表されるものである。また、収縮が温度変化によって生じる場合には、上記の収縮率SMは、当該金属板の熱膨張率αMを用いて、SM=(成形時の金属の温度変化量ΔtM)×αMで表される。
また、本発明は、金属板を金型内に設置し前記金型内に樹脂を射出することによって前記金属板の少なくとも一面全体に樹脂を一体に成形した電子機器筐体であって、前記樹脂は、ケイ酸塩ガラスからなる繊維状のフィラーを含有するものであり、二酸化ケイ素の含有量を60質量%以上100質量%以下に調整された前記フィラーを25質量%以上50質量以下含有させることにより、前記樹脂の成形収縮率を一体成形における前記金属板の収縮率よりも0.5/1000〜1.0/1000小さく設定したものであることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記金属板の周縁部の厚みを端面に向けて漸次薄く形成したものであることが好ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、ノートブック型パーソナルコンピュータの蓋体に適用するのが望ましい。
本発明の電子機器筐体の製造方法及び電子機器筐体によれば、樹脂に含有させるフィラー中の二酸化ケイ素の含有量を60質量%以上100質量%以下に調整し、前記樹脂に前記フィラーを25質量%以上50質量%以下含有させ、フィラー自体の熱膨張率を小さくすることによって、樹脂の成形収縮率を一体成形における前記金属板の収縮率よりも0.5/1000〜1.0/1000小さく設定するようにしたことで、金属板に樹脂を一体成形する際の樹脂の流動性を確保しつつ、成形後に生じる筐体の反りを防止することが可能となる。
以下に添付図面を参照して、本発明の電子機器筐体をノートブック型パーソナルコンピュータの蓋体に適用した場合の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態であるノートブック型パーソナルコンピュータ1(以下、単に「ノートPC1」と称する)を示した斜視図である。ここで例示するノートPC1は、本体筐体10及び蓋体20を備えている。
本体筐体10は、図には明示していないが、その内部に制御手段であるCPUや記憶手段であるメモリ、電源装置であるバッテリー等のノートPC1の構成部品を収容した箱体であり、その上面11にキーボード12を備えている。キーボード12は、図示は省略するが、金属板によって構成したベース部材の上面にメンブレンスイッチシート及び複数のキートップ13を配設して構成した入力装置である。図1に示すように、本体筐体10の上面11において手前側に位置する部位にはパームレスト領域14が確保してあり、このパームレスト領域14よりも奥側となる部位にキーボード12が配設してある。
蓋体20は、液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ等の表示装置30を収容した箱体であり、図1に示すように、本体筐体10の奥側縁部にヒンジ部15によってその基端部21が回動可能に支持されている。この蓋体20は、本体筐体10に対して開いた場合に本体筐体10の手前側に向けて表示装置30を露出させるとともに、本体筐体10の上面11を開放した状態となる。一方、ヒンジ部15を介して回動させれば、本体筐体10の上面11及び表示装置30を同時に覆うカバーとして機能する。
図2は、図1に示した蓋体20から表示装置30を取り外し、表示装置30を収容するスペースを露出させた状態における蓋体20の概略平面図である。また、図3及び図4は、図2に示した蓋体20の横断面図である。蓋体20は、本体筐体10の上面11とほぼ同じ大きさに形成された平面視矩形の板状をなすカバー部23と、このカバー部23と一体に形成された側壁部24a〜24dとから構成されるものである。上述したように、カバー部23と側壁部24a〜24dとで囲まれたスペースは、表示装置30の収容スペース25(以下、省略して「表示装置収容スペース25」という)となっている。
図3に示すように、蓋体20の側壁部24a〜24dは、樹脂50単体で成形されている。一方、蓋体20のカバー部23は、樹脂50が表面26側、金属板40が裏面27側に配置される態様で、金属板40と樹脂50とが一体に成形されている。
金属板40は、図2及び図3に示すように、所定の厚みを有した平面視略矩形状をなす板材であり、カバー部23の裏面27において、カバー部周縁部28を除くほぼ全域に亘って配置されている。また、図3に示すように、金属板40は、表示装置収容スペース25に面する面41以外のすべての面全体が、樹脂50と一体に成形されている。
なお、表示装置収容スペース25において、蓋体20の基端部21に対向する端部(蓋体20が閉じられた状態にあるときに手前側に位置する端部)は、無線通信用のアンテナ実装スペース22となっている。このため、図2に示すように、金属板40はアンテナ実装スペース22の部分が切り欠かれた形状となっており、このアンテナ実装スペース22を樹脂50で構成してある。
図2に示すように、金属板40には、所定の間隔をあけて複数の貫通孔42及び複数のスリット43が形成してある。複数の貫通孔42は、射出成形時に溶融状態の樹脂50をキャビティC内(図5を参照)に射出するための注入口である。以下の説明では、この貫通孔42を樹脂注入口42とよぶ。また、スリット43は、射出成形時に樹脂50から発生するガスを排気するための排気口である。なお、この排気口の形状は図2に示すようなスリットに限定されるものではなく、円形であってもよい。
また、図3に示すように、金属板40の周縁部45の厚みは、端面44に向けて漸次薄くなるように形成されている。上記構成とした理由は以下のとおりである。カバー部23において、樹脂50単体で成形された部分の樹脂50の厚み(カバー部周縁部28の樹脂50の厚み)と、金属板40と樹脂50とが一体成形された部分の樹脂50の厚みは異なっている。このため、成形時に縮む量がそれぞれ異なることで樹脂の「引け」が生じ、カバー部23の表面26に段差が生じる。そこで、金属板40の周縁部45の厚みを、端面44に向けて漸次薄くなるように形成することで、カバー部23の表面26の段差を目立たなくし、平滑性を向上させることができる。金属板40の端面44での厚みは、金属板40の中央付近の厚みの40〜60%程度としてある。また、金属板40の周縁部45の傾斜面の長さは、図3に示すように金属板40の端面44での厚みの3倍以上とするのが好ましい。
上記構成を有する金属板40の材質としては、マグネシウム圧延板(AZ31,AM60等)、マグネシウムダイキャスト(AZ91等)、アルミニウム圧延板(A5052,A2024,A6062等)、アルミニウムダイキャスト(ADC10,ADC12等)等を適用することができる。また、金属板40の厚み(中央付近)は、0.4mm〜1.0mm程度である。
樹脂50は、上述したように、金属板40における面41以外のすべての面全体に一体に成形されたものである。樹脂50の種類としては、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート/ABS樹脂アロイ、ポリアセタール樹脂(6ナイロン、6−6ナイロンなど)、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等を適用することができる。なお、金属板40と樹脂50とが一体成形された部分における樹脂50の厚みは、0.5mm〜3.0mm程度である。
上記のように構成した蓋体20は、インモールド成形(インサート成形)によって製造することができる。ここで、インモールド成形とは射出成形の一種であり、金型に金属板を設置し、この金型内に樹脂を射出成形して両者を一体に成形する方法である。
金属板40と樹脂50とを一体に成形する場合、金属板40と樹脂50の熱膨張率の違いが問題となる。すなわち、一般的に樹脂の熱膨張率は金属の熱膨張率よりも大きいため、樹脂50の熱膨張率αRを調整せずに成形を行った場合、金属板40の熱膨張率αMと樹脂50の熱膨張率αRとの違いにより成形後の蓋体20に凹反りが生じる。
このため、本実施の形態では、樹脂50の熱膨張率αRを小さくする目的で、樹脂50にケイ酸塩ガラスからなる繊維状のフィラーを含有させている。ケイ酸塩ガラスからなる繊維状のフィラー(図示せず:以下、省略して「フィラー」という)は、二酸化ケイ素(SiO)を主成分とし、残余組成が、ナトリウム(Na),カルシウム(Ca),ホウ素(B)及びそれらの酸化物等からなるものである。二酸化ケイ素は熱膨張率が0であるため、二酸化ケイ素を含有するフィラーを樹脂50に含有させることにより、樹脂50の熱膨張率αRを小さくすることができる。また、繊維状のフィラーは、球状等の他の形状のフィラーと比べて、成形後の樹脂50の冷却時に樹脂50が収縮する力を抑制する効果に優れている。
樹脂50に含有させるフィラーの量が多いほど樹脂50の熱膨張率αRは小さくなるが、樹脂50中のフィラーの含有量が一定量(40%程度)を超えると、樹脂50の流動性が低下し、成形性が悪化する。従って、樹脂50に含有させるフィラーの量は40質量%〜50質量%程度が限界である。そこで、本実施の形態では、フィラーに含まれる二酸化ケイ素の含有量を増やし、フィラー自体の熱膨張率を小さくすることによって、樹脂50中のフィラーの含有量を増やすことなく、樹脂50の熱膨張率αRを小さくしている。
ここで、フィラー中の二酸化ケイ素の含有量を増やす方法としては、フィラーを形成するガラスの中のネットワークモディファイヤー成分(上述したナトリウム,カルシウム,ホウ素等)を減少させて二酸化ケイ素の含有量を上げる処理を施すか、あるいは、石英ガラスのように二酸化ケイ素の純度の高いフィラーを用いることが考えられる。
通常、射出成形時の樹脂の温度変化量は金属の温度変化量よりも大きい。例えば、射出成形時の溶融状態の樹脂温度を280℃程度、金型の温度を120℃程度とした例について説明すると、金型内に設置された金属は、時間とともに金型温度まで上昇する。そして、溶融した樹脂が注入された瞬間に、金属は樹脂から熱を得て50℃程度温度を上昇させるが、樹脂の温度が急激に下がるため、それ以上温度が上昇することはない。従って、金属40の温度変化量ΔtMは、(金型温度120℃+上昇分50℃)−室温25℃=145℃程度であり、樹脂50の温度変化量ΔtRは、280℃−室温25℃=255℃程度となる。
このため、樹脂50の熱膨張率αRと金属板40の熱膨張率αMとを一致させたとしても、樹脂50の成形収縮率SRは一体成形における金属板40の収縮率SMと異なるから、樹脂50の収縮量の方が大きくなり、成形後に蓋体20が反りやすくなる。ここで、樹脂50の成形収縮率SRとは、金型寸法をLR0、成形後、室温に戻ったときの樹脂50の寸法をLR1とすると、SR=(LR0−LR1)/LR0で表されるものである。また、収縮が温度変化によって生じる場合には、上記の成形収縮率SRは、当該樹脂の熱膨張率αRを用いて、SR=(成形時の樹脂の温度変化量ΔtR)×αRで表される。また、一体成形における金属板40の収縮率SMとは、樹脂の射出により金属板40の温度が最も上昇したときの金属板40の寸法をLM0、成形後、室温に戻ったときの金属板40の寸法をLM1とすると、SM=(LM0−LM1)/LM0で表されるものである。また、収縮が温度変化によって生じる場合には、上記の収縮率SMは、当該金属板40の熱膨張率αMを用いて、SM=(成形時の金属板の温度変化量ΔtM)×αMで表される。
本発明者らは、樹脂50の成形収縮率SRを、一体成形における金属板40の収縮率SMよりも0.5/1000〜1.0/1000小さく設定した場合に、成形後の蓋体20の反りを抑えることができるという知見を得た。そのために、樹脂50の熱膨張率αRを、金属板40の熱膨張率αMの32%〜45%程度に設定する。
一般的なガラス繊維中における二酸化ケイ素の含有量は40質量%〜50質量%程度であるが、上記のように樹脂50の熱膨張率αRを金属板40の熱膨張率αMの32%〜45%程度にするために、フィラー中の二酸化ケイ素の含有量を調整する。具体的に説明すると、上記で列挙した金属板40と樹脂50との組み合わせの場合、フィラー中の二酸化ケイ素の含有量を60質量%以上100質量%以下に調整し、調整後のフィラーを、樹脂50中に25質量%以上50質量%以下含有させることにより、樹脂50の熱膨張率αRを、金属板40の熱膨張率αMの32%〜45%程度に設定することができる。
ここで、一体成形における金属板40の収縮率SMと樹脂50の成形収縮率SRの一例を挙げる。金属板40として、上記で列挙したマグネシウム板を適用する場合、これらの金属の熱膨張率αMは約16×10−6/℃である。金属板40の成形時の温度変化量ΔtMを145℃とした場合、金属板40の上記収縮率SMは、2.32/1000である。樹脂50の熱膨張率αRは、上記のフィラーを含有させることによって金属板40の熱膨張率αMの32〜45%に設定される。従って、この場合、樹脂50の熱膨張率αRは、6×10−6/℃となる。樹脂50の温度変化量ΔtRを255℃とした場合、樹脂50の成形収縮率SRは、1.53/1000である。よって金属板40の上記収縮率SMと樹脂50の成形収縮率SRの差は、0.5/1000〜1.0/1000の範囲内となる。
次に、図5を参照しながら、蓋体20の成形方法の一例について説明する。まず、金属板40の表面に熱溶融型の接着剤(図示せず)を予め塗布しておく。このとき、金属板40の表面を適度に粗面化して表面積を大きくしておくことで、樹脂50との密着強度を増すことができる。次いで、金属板40を金型60bに設置し、金型60aによって型締めしてキャビティCを形成する。金型60a,60bの温度は約120℃程度である。金型60bにおける複数のゲート62は、金属板40に形成した複数の樹脂注入口42にそれぞれ挿通される。次いで、金型60bに形成されたスプルー61及びゲート62を介してキャビティC内に溶融状態の樹脂50を射出する。溶融状態の樹脂50の温度は約280℃である。この溶融状態の樹脂50の熱によって金属板40表面の接着剤が溶融し、金属板40と樹脂50とが強固に接着される。この後、キャビティC内の樹脂50を冷却・固化させて蓋体20を成形した後に型開きし、ゲート62部分の樹脂50を切断して、成形された蓋体20をキャビティCから取り外す。
上述したように、本実施の形態では、樹脂50の成形収縮率SRを一体成形における金属板40の収縮率SMよりも0.5/1000〜1.0/1000程度小さく設定しているので、上記の成形手順によって成形された蓋体20の反りは最小限度に抑えられる。また、フィラーに含まれる二酸化ケイ素の含有量を増やし、フィラー自体の熱膨張率を小さくしているので、樹脂50中のフィラーの含有量が少なくて済む。従って、射出成形する際の樹脂50の流動性も確保される。
また、上記の成形方法では、金属板40に樹脂注入口42を形成し、金属板40の設置側からキャビティC内に樹脂50を射出している。このため、ゲート62部分の樹脂の切断面(ゲート痕)は、蓋体20の裏面27側に残り、表面26側にゲート痕が生じることはない。従って、金型60a側から樹脂50を射出する場合と比べて、表面26の平滑性を向上させることができるとともに、蓋体20の表面26の仕上げ処理を容易に行うことができる。
なお、上記の成形方法では、金属板40の表面に接着剤を塗布し、射出成形時に接着剤を溶融させることによって金属板40と樹脂50とを接着するようにしたが、これに加えて、図4に示すように、金属板40に予め段付き孔46を複数箇所に亘って形成しておき、射出成形時にこれらの段付き孔46に樹脂50を注入することにより、金属板40と樹脂50とを接着してもよい。段付き孔46は、金属板40の面41側の径を大きく形成してあるため、段付き孔46に注入された樹脂50がアンカー効果を奏し、金属板40と樹脂50との密着強度をさらに向上させることができる。
以上説明したように、本実施の形態である電子機器筐体の製造方法及び電子機器筐体では、樹脂に含有させるフィラー中の二酸化ケイ素の含有量を調整し、フィラー自体の熱膨張率を小さくすることによって、樹脂の成形収縮率を金属の成形収縮率よりも小さく設定している。具体的には、フィラー中の二酸化ケイ素の含有量を60質量%以上100質量%以下に調整し、調整後のフィラーを樹脂50に25質量%以上50質量%以下含有させることにより、樹脂50の成形収縮率SRを、一体成形における金属板40の収縮率SMよりも0.5/1000〜1.0/1000小さく設定している。その結果、金属板40に樹脂50を一体成形する際の樹脂50の流動性を確保しつつ、成形後に生じる筐体(蓋体20)の反りを防止することが可能となる。
また、本実施の形態である電子機器筐体によれば、金属板40の周縁部45の厚みを端面44に向けて漸次薄く形成したことで、樹脂50の引けを防止し、筐体(蓋体20)の表面26を平滑に仕上げることができる。
また、本実施の形態である電子機器筐体をノートPC1の蓋体20に適用したことで、ノートPC1のさらなる薄型化・軽量化を実現することが可能となる。
なお、上記実施の形態では、本発明の電子機器筐体をノートPC1の蓋体20に適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ノートPC1の本体筐体10あるいは他の電子機器に適用することも可能である。
本発明の実施の形態であるノートPCを示した概略斜視図である。 図1に示したノートPCの蓋体から表示装置を取り外し、表示装置を収容するスペースを露出させた状態における蓋体の概略平面図である。 図2に示した蓋体の横断面図である。 図2に示した蓋体の横断面図である。 蓋体の成形方法の一例を示す図である。
符号の説明
1 ノートブック型パーソナルコンピュータ
10 本体筐体
11 本体筐体の上面
12 キーボード
13 キートップ
14 パームレスト領域
15 ヒンジ部
20 蓋体
21 蓋体の基端部
22 アンテナ実装スペース
23 カバー部
24a,24b,24c,24d 側壁部
25 表示装置収容スペース
26 (カバー部の)表面
27 (カバー部の)裏面
28 カバー部周縁部
30 表示装置
40 金属板
41 表示装置収容スペースに面する面
42 樹脂注入口
43 スリット
44 端面
45 周縁部
46 段付き孔
50 樹脂
60a,60b 金型
61 スプルー
62 ゲート
C キャビティ

Claims (4)

  1. 金属板を金型内に設置し前記金型内に樹脂を射出することによって前記金属板の少なくとも一面全体に樹脂を一体に成形する電子機器筐体の製造方法であって、
    前記樹脂は、ケイ酸塩ガラスからなる繊維状のフィラーを含有するものであり、
    前記フィラー中の二酸化ケイ素の含有量を60質量%以上100質量%以下に調整し、前記樹脂に前記フィラーを25質量%以上50質量%以下含有させることにより、前記樹脂の成形収縮率を一体成形における前記金属板の収縮率よりも0.5/1000〜1.0/1000小さく設定することを特徴とする電子機器筐体の製造方法。
  2. 金属板を金型内に設置し前記金型内に樹脂を射出することによって前記金属板の少なくとも一面全体に樹脂を一体に成形した電子機器筐体であって、
    前記樹脂は、ケイ酸塩ガラスからなる繊維状のフィラーを含有するものであり、二酸化ケイ素の含有量を60質量%以上100質量%以下に調整された前記フィラーを25質量%以上50質量以下含有することにより、前記樹脂の成形収縮率を一体成形における前記金属板の収縮率よりも0.5/1000〜1.0/1000小さく設定したものであることを特徴とする電子機器筐体。
  3. 前記金属板の周縁部の厚みを、端面に向けて漸次薄く形成したことを特徴とする請求項に記載の電子機器筐体。
  4. ノートブック型パーソナルコンピュータの蓋体に適用したことを特徴とする請求項2または3に記載の電子機器筐体。
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