JP2005179631A - 複合材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 線膨張係数を制御することができる複合材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂とシリカガラス球とを有する複合材料であって、
比表面積が0.5〜10m2/gである前記シリカガラス球を40vol.%以上含む。
【選択図】 図12
【解決手段】 熱可塑性樹脂とシリカガラス球とを有する複合材料であって、
比表面積が0.5〜10m2/gである前記シリカガラス球を40vol.%以上含む。
【選択図】 図12
Description
本発明は、熱可塑性樹脂とシリカとを有する複合材料及びその製造方法に関する。
近年、熱可塑性樹脂にガラスフィラーを複合し、熱可塑性樹脂の特性を向上させるために、様々な検討がなされている。
この種の技術としては、ガラスと有機高分子化合物とが均一、微細に分散した複合材料とすることにより、複合材料を構成するそれぞれの物質において、例えば機械的強度が不十分、滑り易い、磨耗し易い等の機械的物性に関して欠点とされていた性質が改良されること(例えば、特許文献1参照)が知られている。
また、ポリカーボネート樹脂にガラスビーズ等の無機充填材を配合し、表面平滑性を向上させること(例えば、特許文献2参照)や、ポリアセタール樹脂にガラス系無機充填剤とホウ酸化合物とを添加して、機械的強度を向上させること(例えば、特許文献3参照)についても検討されている。さらに、ポリエステルにガラス球と焼成白土とを配合したポリエステルフィルムは、優れた取扱特性や低い曇り度、良好な光学明澄度等を有すること(例えば、特許文献4参照)が知られている。
さらに、熱可塑性樹脂の線膨張係数が大きいという課題に対しても、ポリフェニレンサルファイド樹脂にケイ酸またはケイ酸塩等を配合する技術(例えば、特許文献5参照)が知られている。
上述の通り、用途に対応した熱可塑性樹脂の特性を向上させるために、熱可塑性樹脂に様々なガラスフィラーを配合する技術について種々検討されている。
しかし、熱可塑性樹脂の線膨張係数を小さくするという技術に着目すると、前記従来のポリフェニレンサルファイド樹脂にケイ酸またはケイ酸塩等のフィラーを配合する技術において、多くのケイ酸またはケイ酸塩等のフィラーを配合し、複合材料の線膨張係数をより小さくするためには、熱可塑性樹脂としてメルトフロー値が1000g/分以上という低分子量のポリフェニレンサルファイド樹脂に限られていた。このため、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂を用いた複合材料は、一般的な熱可塑性樹脂に比べて、耐熱性、耐薬品性、機械的強度等の特性が劣るものであった。
一方、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂以外の熱可塑性樹脂にケイ酸またはケイ酸塩等のフィラーを配合する場合には、熱可塑性樹脂の溶融粘度が高いため、十分な量のフィラーを配合することができない。このため、従来の熱可塑性樹脂を用いた複合材料では、目標とする線膨張係数を得ることができなかった。また、例え一定量以上のフィラーを熱可塑性樹脂に配合することが可能な場合であっても、フィラーを配合することにより溶融粘度は高くなるため、複合材料は成形性の乏しいものとなっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、線膨張係数を制御することができる複合材料及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するための本発明に係る複合材料の第1特徴構成は、熱可塑性樹脂とシリカガラス球とを有する複合材料であって、比表面積が0.5〜10m2/gである前記シリカガラス球を40vol.%以上含む点にある。
つまり、この構成によれば、熱可塑性樹脂より線膨張係数の小さいシリカガラス球を熱可塑性樹脂に配合することにより、線膨張係数を小さくすることができる。また、上記比表面積を有するシリカガラス球を配合することにより、一定割合以上配合しても溶融粘度は高くならない。このため、熱可塑性樹脂の種類に関わらず、線膨張係数を制御することができる。
さらに、シリカガラス球は略球状であるため、溶融した熱可塑性樹脂に対しては、配向することなく、均一に混合することができる。このため流動方向の線膨張係数と流動直角方向の線膨張係数との差をも小さくすることもできる。
したがって、本発明に係る複合材料は、本来の熱可塑性樹脂の特性を損なうことなく、良好な成形性を確保しつつ、線膨張係数を制御することができる。
本発明に係る複合材料の第2特徴構成は、熱可塑性樹脂とシリカガラス球とを有する複合材料であって、前記シリカガラス球は、粒径分布における頻度の極大値が異なる複数のシリカガラス球を混合したものである点にある。
つまり、この構成によれば、シリカガラス球を熱可塑性樹脂に配合することにより、線膨張係数を小さくすることができる。また、熱可塑性樹脂の種類に関わらず、シリカガラス球を任意の割合で配合することができる。このため、用途に対応した熱可塑性樹脂を選択することができ、その複合材料の線膨張係数を制御することができる。さらに、配合するシリカガラス球の嵩密度を低く抑えることができるため溶融粘度が高くなるのを防ぐことができる。このため、良好な成形性を確保することができる。
本発明に係る複合材料の第3特徴構成は、前記シリカガラス球は、少なくとも、粒径分布における頻度の極大値を、粒径が20〜60μmの範囲に有する大粒径シリカガラス球と、粒径が5〜20μmの範囲に有する中粒径シリカガラス球と、粒径が1〜3μmの範囲に有する小粒径シリカガラス球とを混合したものである点にある。
つまり、この構成によれば、シリカガラス球をより高い割合で配合することができる。
本発明に係る複合材料の第4特徴構成は、前記シリカガラス球は、前記大粒径シリカガラス球及び前記中粒径シリカガラス球の合計が70vol.%以上を占める点にある。
つまり、この構成によれば、大粒径シリカガラス球及び中粒径シリカガラス球の配合割合を高くすることにより、効率的に配合することができる。
本発明に係る複合材料の第5特徴構成は、熱可塑性樹脂とシリカガラス球とを有する複合材料であって、金属粒子を含む点にある。
つまり、この構成によれば、上記第1特徴構成及び第2特徴構成の効果に加えて、機械的強度を高くすることができる。このため、複合材料の用途をさらに広げることができる。
本発明に係る複合材料の第6特徴構成は前記金属粒子を30vol.%以上含む点にある。
つまり、この構成によれば、より機械的強度が高い複合材料を得ることができる。
本発明に係る複合材料の第7特徴構成は、前記金属粒子はアルミニウム粒子であって、当該アルミニウム粒子は粒径分布における頻度の極大値を粒径が20〜60μmの範囲に有する点にある。
つまり、この構成によれば、より高い機械的強度を得ることができる。特に小粒径のシリカガラス球とともに配合することにより、機械的強度が高く、線膨張係数がより小さい複合材料を得ることができる。
本発明に係る複合材料の製造方法の第1特徴手段は、熱可塑性樹脂とシリカガラス球とを有する複合材料の製造方法であって、前記熱可塑性樹脂の特異点における前記複合材料の線膨張係数を基準として決められた配合割合で前記シリカガラス球を配合する点にある。
つまり、この手段によれば、複合材料の線膨張係数を任意に制御することができる。
本発明に係る複合材料の製造方法の第2特徴手段は、前記複合材料より小さい線膨張係数を有する材料の近傍で使用する場合において、前記特異点はガラス転移点であり、当該ガラス転移点における前記材料の線膨張係数と一致するように前記シリカガラス球を配合する点にある。
つまり、この手段によれば、使用温度範囲のいずれの温度においても、複合材料とその近傍で使用する材料との線膨張係数の差を小さくすることができる。
本発明に係る複合材料の製造方法の第3特徴手段は、熱可塑性樹脂とシリカガラス球と金属粒子とを有する複合材料の製造方法であって、前記複合材料より小さい線膨張係数を有する材料の近傍で使用する場合において、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点における前記複合材料の線膨張係数が、前記材料の前記ガラス転移点における線膨張係数とが一致するように前記シリカガラス球と前記金属粒子とを配合する点にある。
つまり、この手段によれば、使用温度範囲のいずれの温度においても、複合材料とその近傍で使用する材料との線膨張係数の差を小さくしつつ、機械的強度を高くすることができる。
本発明に係る複合材料は、少なくとも熱可塑性樹脂とシリカ(SiO2)とからなり、後述する方法によって製造することができる。これにより、本発明に係る複合材料は、従来の熱可塑性樹脂(例えば、PPS、PBT、ナイロン等)に比べて線膨張係数を小さくすることができる。
本発明者は、熱可塑性樹脂に対して、当該熱可塑性樹脂よりも線膨張係数が小さいフィラーを任意の割合で配合することにより、熱可塑性樹脂の種類に関わらず、熱可塑性樹脂の線膨張係数を制御することができることを見出した。
フィラーとしては、特に線膨張係数が一般的な熱可塑性樹脂よりも小さく、温度的、化学的に安定なシリカを適用することが好ましい。中でも取扱いが容易で安全性が高いアモルファス構造の結晶性シリカ以外のシリカガラスが好ましい。すなわち、一般的なガラスの線膨張係数は、シリカガラスが0.55×10−6/℃、鉛ガラスが0.91×10−5/℃、ソーダガラスが1.0×10−5/℃、パイレックスガラスが0.36×10−5/℃、ホウ珪酸ガラスが0.55×10−5/℃である。そして、シリカガラスは他のガラスよりも線膨張係数が小さい。このため、熱可塑性樹脂に同じ割合で配合する場合には、シリカガラスを配合した複合材料の線膨張係数は、他のガラスを配合した複合材料の線膨張係数よりも小さくすることができる。したがって、シリカガラスを任意の割合で配合することにより、複合材料の線膨張係数を幅広い範囲で制御することが可能となる。
一方、従来、熱可塑性樹脂にガラスフィラーを配合する場合、ガラスフィラーとして繊維状のガラスが用いられてきた。この場合、ガラスフィラーは熱可塑性樹脂の流動方向に配設される。このため、線膨張係数に着目した場合には、溶融樹脂の流動直角方向の線膨張係数が大きく、流動方向の線膨張係数との差が大きくなる。したがって、流動方向の熱膨張係数と流動直角方向の線膨張係数との差を小さくするためには、ガラスフィラーは略球状とすることが好ましい。すなわち、複合材料の線膨張係数を小さく、かつ溶融樹脂の流動方向と流動直角方向との線膨張係数との差を小さくするためには、略球状のシリカガラス球を用いることが好ましい。
前述の通り、熱可塑性樹脂にシリカガラス球を配合することにより、混合前の熱可塑性樹脂の線膨張係数よりも小さくすることができるものである。シリカガラス球の配合割合は、特に限定することなく、複合材料のそれぞれの用途に必要な線膨張係数に応じて任意に決めることができる。特に、熱可塑性樹脂の種類に関わらず、シリカガラス球を40vol.%以上含む複合材料とすることにより、他の種類のフィラーを配合した複合材料の線膨張係数より小さい線膨張係数を得ることができる。また、さらに小さくするためには、50vol.%以上混合することが好ましい。
一般に、熱可塑性樹脂にガラスフィラーを配合する場合、ガラスフィラーが繊維である場合には、混合割合を多くすると繊維同士がからみ合い易くなるため、40vol.%以上のガラスフィラーを均一に混合することは難しくなる。特に配合した複合材料を成形する場合には、溶融粘度が高くなりすぎるため実用に乏しかった。そこで、本発明者は、シリカガラス球の比表面積、粒径に着目し、鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂にガラスフィラーであるシリカガラス球を40vol.%以上配合した場合であっても、均一に混合することができ、溶融粘度が高くならないことを見出した。そして、その結果として、それぞれの熱可塑性樹脂の線膨張係数をさらに小さくすることが可能となった。
すなわち、より多くのシリカガラス球を混合するためにはその嵩密度を低くすることが好ましい。このため、比表面積が0.5〜10m2/gであるシリカガラス球であれば、40vol.%以上混合することができる。また、シリカガラス球の粒径は、複合材料によって作製される製品の種類によって任意に選択可能である。
また、シリカガラス球は、粒径分布における頻度の極大値が異なる複数のシリカガラス球を混合したものを配合することによっても嵩密度を低く抑えることができるため、シリカガラス球の配合割合を高めることができる。特にシリカガラス球は、少なくとも、粒径分布における頻度の極大値が、相対的に粒径が大きい範囲にある大粒径シリカガラス球と相対的に中程度の範囲にある中粒径シリカガラス球と相対的に粒径が小さい範囲にある小粒径シリカガラス球との3種類以上を混合したものであることが好ましい。このように異なる粒径のシリカガラス球を配合することにより、大粒径シリカガラス球のみでは嵩密度が高くなり、小粒径シリカガラス球のみでは溶融粘度が高くなるために1種類の粒径のシリカガラス球のみでは達成できなかった割合まで配合することが可能となる。
大粒径シリカガラス球としては、粒径分布において、粒径が20〜60μmの範囲に頻度の極大値を有することが好ましく、中粒径シリカガラス球としては、粒径が5〜20μmの範囲に頻度の極大値を有することが好ましい。そして、小粒径シリカガラス球としては、粒径が1〜3μmの範囲に頻度の極大値を有することが好ましい。また、この場合、配合するシリカガラス球のうち、大粒径のシリカガラス球と中粒径シリカガラス球との合計が70vol.%以上、好ましくは70〜90vol.%を占めることにより、シリカガラス球を効率的に混合することができる。例えば、大粒径シリカガラス球と中粒径シリカガラス球と小粒径シリカガラス球とを重量比4:3:1のように、順に配合比率を低くして混合したシリカガラス球を熱可塑性樹脂に配合することにより、効率よくシリカガラス球の高充填化を達成することができる。
シリカガラス球を混合する熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではなく、ポリサルファイド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等、用途に応じて様々なものが適用可能である。特に、耐熱性、成形性、化学的安定性の観点からは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、ナイロン樹脂等が好ましく、適用できる。もちろん、1種類からなる樹脂に限らず、2種類以上の複数からなる共重合体の樹脂や混合物であってもよい。
熱可塑性樹脂とシリカガラス球とを混合させることにより、本発明の複合材料とすることができるが、熱可塑性樹脂とシリカガラス球との親和性を高めるためには、カップリング剤を介して熱可塑性樹脂とシリカガラス球とを結合させることが好ましい。そして、熱可塑性樹脂とシリカガラス球とが結合することによって、単に2種類のものを混ぜ合わせたものとは異なった別な物質となるため、それぞれの相互作用により得られた複合材料の線膨張係数をさらに小さくすることも可能である。カップリング剤としては、熱可塑性樹脂と結合する官能基やシリカガラス球と結合する官能基を有するもの、熱可塑性樹脂のぬれ性を改善できるもの等、特に限定はなく、従来公知のカップリング剤が好ましく適用できるが、例えば、カルボキシル基を有する熱可塑性樹脂に対しては、エポキシ基が好ましく、ナイロン樹脂やPBT樹脂に対しては、アミノ基が好ましい。シリカガラス球に対しては、Si−(OR)3(R:アルキル基)の官能基を有するものが好ましい。また、熱可塑性樹脂がカップリング剤と直接反応しない場合であっても、カップリング剤によって熱可塑性樹脂のぬれ性を改善させることにより、熱可塑性樹脂とシリカガラス球との親和性を高めることができる。一例として、(CH2OH)CH2OC3H6Si(OCH3)3の分子構造を有するカップリング剤を用いて、PPS樹脂とシリカガラス球とを混合させた場合は、図1に示すように、PPS樹脂とシリカガラス球とが親和性良く混合され、一体となっている。
一方、本発明に係る複合材料に配合するシリカガラス球は硬度が高い物質である。このため複合材料に外部衝撃力が加えられた場合には、その衝撃力はシリカガラス球によってはほとんど吸収されず、熱可塑性樹脂とシリカガラス球との境界面に伝達される。上述の通り熱可塑性樹脂とシリカガラス球とは均一に混合されているため高い結合力を有するものであるが、熱可塑性樹脂とシリカガラス球との結合力よりも高い衝撃力が伝達されると、境界面に歪みが生じる場合がある。そして、その衝撃力が繰り返し加えられた場合には、境界面は破壊され、複合材料の表面に位置するシリカガラス球が脱落することも考えられる。さらには、その衝撃力が、表面の熱可塑性樹脂を磨耗し、内部のシリカガラス球を剥き出しにして脱落させるというこの脱落と磨耗とが繰り返されることによって、複合材料が破壊される虞もある。
このような耐衝撃性を必要とする用途に対しては、本発明に係る複合材料にさらに金属粒子を加えることによって対応が可能である。すなわち、熱可塑性樹脂にシリカガラス球と金属粒子を混合することにより、線膨張係数を小さく抑えつつ、機械的強度をさらに高くすることができる。金属粒子は所謂展性、延性を有するため、衝撃力に対しては金属粒子自身が変形することで吸収可能であり、その衝撃力が境界面まで伝達することを防ぐことができる。このため衝撃力が繰り返し加えられたとしても熱可塑性樹脂と金属粒子との境界面が破壊されることはなく、金属粒子が複合材料から脱落することはない。熱可塑性樹脂と金属粒子とは、シリカガラス球の場合と同様にカップリング剤によって結合させることが可能である。カップリング剤としては、アミノ基を有するシラン系カップリング剤やエポキシ基を有するシラン系カップリング剤等、従来公知のカップリング剤が適用可能である。
本発明において金属粒子を加えた場合に、複合材料の機械的強度が向上する原理の一例を図2に示した。必ずしもこの例に限定されるものではないが、シリカガラス球11と金属粒子12とを3:1の割合で配合した複合材料では、それぞれその割合で複合材料の表面に配置されているものと考えられる。この複合材料に衝撃力が繰り返し加えられた際、熱可塑性樹脂とシリカガラス球との結合力よりも高い場合には、上述の通り表面に位置するシリカガラス球11は脱落する。しかし、金属粒子12は、それ自身が衝撃力を吸収し、脱落することなくそのまま残存する。このため、シリカガラス球が脱落した後に、さらに衝撃力が加えられたとしても金属粒子12によって熱可塑性樹脂が磨耗されることを防ぐことができ、破壊が進行することを抑えることができる。これにより複合材料の機械的強度を高めることが可能となる。
配合する金属粒子の割合は特に限定されず、任意の割合で混合することができるが、上述の原理に照らし合わせると、金属粒子を30vol.%以上含む複合材料とすることが好ましい。また、金属粒子も一般的な熱可塑性樹脂より線膨張係数が小さいため、配合することによって熱可塑性樹脂の線膨張係数を低下させるように働く。したがって、複合材料において熱可塑性樹脂が占める割合を制御することにより、線膨張係数が小さく、機械的強度が高い複合材料を得ることが可能となる。複合材料において熱可塑性樹脂が占める割合を例えば、35vol.%とした場合には、例え残りの75vol.%を全て金属粒子とした場合であっても、効果的に線膨張係数を抑えることができる。
金属粒子の種類は特に限定されず、任意に選択することができるが、衝撃力を吸収し易いものとして、例えば、金、銀、銅、アルミニウム等が好ましく適用できる。中でも、取り扱い易さやコストの面、シリカガラス球に近い密度を有するという点から考慮するとアルミニウムを用いることがより好ましい。
配合する金属粒子の粒径は、シリカガラス球と同様に特に限定されるものではなく、複合材料によって作製される製品の種類によって任意に選択可能である。例えば、粒径分布における頻度の極大値を粒径が20〜60μmの範囲に有するものであれば嵩密度を低く抑えることができるため、好ましく配合することができる。また、金属粒子としてアルミニウム粒子を使用する場合にも、その粒径はある程度大きい方が好ましい。もちろん、小粒径のアルミニウム粒子を含んだ場合であっても、大粒径のアルミニウム粒子やシリカガラス球の配合割合や、求める機械的強度によって、好ましく適用することはできる。しかし、図3、4に示す粒径分布を有するアルミニウム粒子において熱分析を行うと、図5、6に示すように粒径が10μm未満の粒径を含むアルミニウム粒子では230℃辺りから発熱現象を起こす。そして、この温度は熱可塑性樹脂とアルミニウム粒子を混合する場合に、溶融押し出し成形によって複合材料を作製する際の温度である。このため、10μm未満のアルミニウム粒子を含む場合には複合材料作製の過程においてその発熱現象により熱可塑性樹脂とアルミニウム粒子とを結合させていたカップリング剤が蒸発し、熱可塑性樹脂とアルミニウム粒子との結合力が低下する場合がある。そして、その結果としてアルミニウム粒子を配合することにより却って複合材料の機械的強度が低下する虞がある。したがって、このような観点からは、配合するアルミニウム粒子の粒径としては10μm以上が好ましい。
熱可塑性樹脂にシリカガラス球とアルミニウム粒子とを高い割合で配合する場合には、例えば、上述の通り、熱可塑性樹脂に、少なくとも、粒径分布における頻度の極大値を、粒径が20〜60μmの範囲に有する大粒径シリカガラス球と、粒径が5〜20μmの範囲に有する中粒径シリカガラス球と、粒径が1〜3μmの範囲に有する小粒径シリカガラス球とを混合したシリカガラス球を配合した複合材料においては、大粒径シリカガラス球の一部または全部を、同様の極大値を有するアルミニウム粒子に置き換えることが好ましい。
本発明の複合材料は、前述の通り、従来の熱可塑性樹脂としての性質を維持しつつ、従来の熱可塑性樹脂より線膨張係数を小さくしたものであり、さらには線膨張係数を小さく保ちつつ、機械的強度を高めたものであるため、これまでと比べ、適用できる範囲が格段に広がるものである。以下には、まず、本発明の複合材料の製造方法の一例を示す。さらに、本発明の複合材料の適用例を述べる。
本発明に使用する熱可塑性樹脂は、従来公知の重合方法によって作製することができる。さらに、溶融しやすくするために重合した樹脂を2〜3mmの長さのペレット状に切断することもできる。もちろん、用途に合わせて市販の熱可塑性樹脂を用いることもできる。
シリカガラス球は、従来公知の任意の方法によって製造することができるが、特に溶融法によって作製することが好ましい。この方法によれば、例えば、図7、8に示すようにシリカガラス球の比表面積を比較的小さくすることができるため、前述の通り熱可塑性樹脂に対してシリカガラス球を高い割合で配合することができる。また、この方法では、粒子の表面に微細な凹凸を形成させることができるため、カップリング剤との反応もしやすくなる。さらに、例えば、ケイ酸ソーダ法等の湿式法のような他の方法に比べて、安価に製造することもできる。ここで、溶融法とは、高速ガスフレーム溶融法ともいい、LPGと酸素ガス、あるいは、水素ガスと酸素ガスからなる燃焼フレーム(炎)中に、純度の高いシリカガラスの原料を投入して溶解させる。溶解されたシリカガラスを所定圧の大気によってノズルから噴射させ、大気中に放出させて冷却させ、冷却固化の過程で粒子表面に作用する表面張力によって球体に近い粉体を得る方法である。この方法によれば、粉体の粒子の大きさは、ノズル径、放出圧力、放出時の温度によって制御することができる。また、原料として、天然のシリカ(石英)を用いるか、合成されたシリカガラスを用いるかによって、粒子の形状は異なるものである。
カップリング剤は、使用する熱可塑性樹脂に応じて、有機合成反応によって作製することができる。もちろん、市販の化合物を適用することも可能であり、さらに市販の化合物に有機合成反応によって任意の官能基を導入することもできる。
得られた熱可塑性樹脂に、所定量のシリカガラス球とカップリング剤とを混ぜ合わせてミキサーによって混合し、混合物を押し出し成形機に充填する。混合割合は、任意に決めることができるが、例えば、カップリング剤は、フィラーとしてのシリカガラス球に対して1〜2wt%の割合で配合することが好ましい。そして、熱可塑性樹脂が溶融する温度まで昇温し、溶融した樹脂を空気中に押し出すことにより、本発明の複合材料とすることができる。また、押し出しと同時に2〜3mmの長さのペレットになるように連続的に切断することもできる。このようにして得られた本発明の複合材料は、射出成形することによって、用途に合わせて任意の形に成形することができる。
また、熱可塑性樹脂にシリカガラス球と金属粒子とを配合した複合材料の場合には、上述の製造方法において、シリカガラス球と同時に混合することによって、好ましく得ることができる。この際、カップリング剤は、シリカガラス球と金属粒子とを合わせた量に対して、1〜2wt%の割合で配合することが好ましい。なお、金属粒子としてアルミニウム粒子を用いる場合には、アルミニウム粒子は、従来公知のアトマイズ法によって好ましく製造することができる。アトマイズ法によれば、図9に示すように異形ながらも粒状のものを得ることが可能である。
なお、シリカガラス球または、シリカガラス球及び金属粒子の配合割合は、任意に決めることが可能であるが、熱可塑性樹脂のガラス転移点等の特異点における複合材料の線膨張係数が目標の値となるように、複合材料の線膨張係数を基準として配合割合を決めることもできる。例えば、本発明に係る複合材料を金属材料のような複合材料より小さい線膨張係数を有する材料の近傍で、幅広い温度範囲で使用する場合においては、熱可塑性樹脂のガラス転移点等、複合材料を使用する温度範囲の中間点となるような特異点における複合材料の線膨張係数が、複合材料より小さい線膨張係数を有する材料の特異点における線膨張係数と略一致するようにシリカガラス球または、シリカガラス球及び金属粒子の配合割合を決めることができる。これによれば、使用温度範囲のいずれの温度においても、複合材料とその近傍で使用する材料との線膨張係数の差を小さくすることができる。
本発明の複合材料は、様々な用途に適用することができる。特に上述のように熱可塑性樹脂と線膨張係数の小さい金属材料とを狭い間隔で配設して、幅広い温度範囲で使用する場合や、線膨張係数の異なる2種類以上の熱可塑性樹脂を狭い間隔で配設して、幅広い温度範囲で使用する場合には、本発明の複合材料の特性を発揮することができる。すなわち、本発明の複合材料であれば、温度変化による線膨張係数を任意に制御することができるため、他の材料を近傍に配置して同時に使用する場合においても、材質の熱膨張によって互いが干渉するのを防止することができる。
本発明の複合材料の用途として、好ましい一例を示すと、図10に示すように電磁弁のバルブ1に適用することができる。すなわち、バルブ1を本発明の複合材料で構成し、スリーブ2を従来のものと同様にアルミニウムで構成した電磁弁である。電磁弁のその他の構成も従来公知のものと同様である。
通常、電磁弁のバルブ1とスリーブ2との間隙は、油の粘性で封止して、その間隙から漏れる油量を極力押えるために、できるだけ小さくすることが好ましく、例えば20μm程度に保持されるものである。しかし、熱可塑性樹脂は、前述の通り線膨張係数が大きく、流動方向と流動直角方向との差も大きいため、バルブ1に使用した場合には、電磁弁の使用温度範囲内であっても膨張し、スリーブ2と干渉するという問題があった。
特に、熱可塑性樹脂においては、樹脂固有のガラス転移点を持つ。ガラス転移点を越える温度領域になると、樹脂を構成する高分子の運動は、一次元の並進運動から3次元的な動きに変わる。これによってガラス転移点を境にして、熱可塑性樹脂の線膨張係数は増大し、ガラス転移点から離れるにしたがって、線膨張係数は大きな値になる。このような熱可塑性樹脂の線膨張係数の特性から、熱可塑性樹脂を用いて部品を構成させ、この部品を熱可塑性樹脂のガラス転移点以上の温度で用いざるを得ない場合は、熱膨張係数の大きさが課題になる。
さらに熱可塑性樹脂は、射出成形法という手段によって様々な異形形状を成形できるという長所を持つ。しかしながら、熱可塑性樹脂の線膨張係数は、射出方向によって大きく異なる。射出方向の線膨張係数は、射出方向と直角な方向、即ち射出直角方向の線膨張係数に比べて小さい。この様な性質をもつ熱可塑性樹脂を電磁弁のバルブに用いる場合は、熱膨張について以下に示す問題が発生する。即ち、バルブ1とスリーブ2との間隙を決めるバルブ1の厚み方向は、溶融樹脂の射出直角方向になる。バルブ1とスリーブ2との間隙は、バルブ1を構成する熱可塑性の射出直角方向の線膨張係数が寄与することになる。例えば、電磁弁が車両におけるトランスミッションの油圧通路制御に用いられる場合は、150℃程の温度で使用され、一般的な熱可塑性樹脂のガラス転移点を50℃以上も越えた温度領域で使用することになる。このような背景から電磁弁のバルブ1を合成樹脂に置き換える場合は、合成樹脂の熱膨張率の温度特性が問題となる。
一方、熱可塑性樹脂は、その優れた成形性によって、任意の形状を形成することができるため、従来のように機械加工が不要となり、製造コストも安価になる。このため、熱可塑性樹脂を電磁弁のバルブ1へ適用することが求められている。
そこで、前述の通り、本発明の複合材料をバルブ1に適用することで、任意の形状に成形可能でありながら、スリーブ2を構成するアルミニウムと同様の線膨張係数に制御することができる。このため、バルブ1とスリーブ2との間隙が例え20μm程度であっても、両者は干渉することなく、間隙を維持することができる。なお、本発明の複合材料の線膨張係数を制御する場合には、バルブ1とスリーブ2とを同一の材質で形成した場合と同様に、アルミニウムの線膨張係数と同等の値にすることが好ましい。また、複合材料の線膨張係数は、上記した環境で使用される場合には、電磁弁の使用温度範囲が広いため、その温度範囲の中間近辺の温度、例えば熱可塑性樹脂のガラス転移点におけるアルミニウムの線膨張係数を基準に設定することが好ましい。使用温度の中間付近であるガラス転移点における線膨張係数を基準とすることにより、使用温度が低温または高温に移行しても、アルミニウムの線膨張係数と複合材料の線膨張係数とのずれを最小限に抑えることができる。
一方、電磁弁においては、動作の際にバルブ1の先端がステンレス鋼製のプランジャ部品と接触する電磁弁が知られている。特に電磁弁の寿命までには、その動作は数百万回繰り返される。バルブ1はその先端がプランジャ部品によって繰り返し衝撃力が加えられるため、高い機械的強度が要求される。このようなバルブ1には、熱可塑性樹脂にシリカガラス球と金属粒子とを加えた本発明の複合材料が好ましく適用できる。
金属粒子としてアルミニウム粒子を用いる場合、表1にその一例を示したように様々な物性を有するアルミニウム粒子を配合することが可能である。このような場合、例えば、配合する金属粒子は加えられる衝撃力によって選択することができる。すなわち、プランジャ部品によってバルブ1の先端に加えられる衝撃力は、1回当たり28.4N/mm2と言われている。したがって、耐力が28.4N/mm2より大きいアルミニウム粒子が好ましく、伸び率が比較的大きいAやEの物性を有するアルミニウム粒子では、衝撃力をその弾性変形領域で受けることができるためより好ましい。また、混合のし易さ、体積当たりのコストの観点からは、比重が小さいAの物性を有するアルミニウム粒子が好ましい。このような物性を有するアルミニウム粒子としては、JISの合金番号1100−O
材が好ましく適用できる。
材が好ましく適用できる。
以下、本発明の複合材料の実施例について説明する。熱可塑性樹脂としては、耐熱性、成形性、化学的安定性が良好で、機械的強度に優れた汎用性のあるPPS樹脂を選択し、シリカガラス球とカップリング剤とを混合して、本発明の複合材料を作製し、線膨張係数を測定した。なお、線膨張係数の測定は、ISO11359−2に準じて行った。
(実施例1)
比重が1.36、315℃における溶融粘度が約600poiseのペレット状のPPS樹脂に、図11に示すように、頻度の極大値が、粒径が2μmのところにある小粒径シリカガラス球と、粒径が14μmのところにある中粒径シリカガラス球と、粒径が37μmのところにある大粒径シリカガラス球とを混合したシリカガラス球を56vol.%加え、さらに、(CH2OH)CH2OC3H6Si(OCH3)3の分子構造を有するカップリング剤をシリカガラス球に対して1.5wt%添加し、ミキサーで約5分間攪拌した。次いで、上記混合物をツインスピンドル型の押し出し成形機に充填し、約315℃で押し出し成形を行い、本発明の複合材料を得た。得られた複合材料の各温度における流動方向の線膨張係数を測定したところ、図12に示したように従来のPPS樹脂に比べて、線膨張係数は小さくなった。
なお、混合したシリカガラス球の比表面積は、大粒径シリカガラス球が7.02m2/g、中粒径シリカガラス球が2.57m2/g、小粒径シリカガラス球が2.65m2/gであり、密度は、3種類のシリカガラス球とも2.15g/cm3であった。
比重が1.36、315℃における溶融粘度が約600poiseのペレット状のPPS樹脂に、図11に示すように、頻度の極大値が、粒径が2μmのところにある小粒径シリカガラス球と、粒径が14μmのところにある中粒径シリカガラス球と、粒径が37μmのところにある大粒径シリカガラス球とを混合したシリカガラス球を56vol.%加え、さらに、(CH2OH)CH2OC3H6Si(OCH3)3の分子構造を有するカップリング剤をシリカガラス球に対して1.5wt%添加し、ミキサーで約5分間攪拌した。次いで、上記混合物をツインスピンドル型の押し出し成形機に充填し、約315℃で押し出し成形を行い、本発明の複合材料を得た。得られた複合材料の各温度における流動方向の線膨張係数を測定したところ、図12に示したように従来のPPS樹脂に比べて、線膨張係数は小さくなった。
なお、混合したシリカガラス球の比表面積は、大粒径シリカガラス球が7.02m2/g、中粒径シリカガラス球が2.57m2/g、小粒径シリカガラス球が2.65m2/gであり、密度は、3種類のシリカガラス球とも2.15g/cm3であった。
(実施例2、3)
実施例1とは、シリカガラス球と、カップリング剤の量のみが異なる。すなわち、62.4vol.%のシリカガラス球とそのシリカガラス球に対して1.5wt%のカップリング剤(実施例2)、および64.8vol.%のシリカガラス球とそのシリカガラス球に対して1.5wt%のカップリング剤(実施例3)とを加えて、本発明の複合材料を作製し、実施例1と同様に各温度における流動方向の線膨張係数を測定した。その結果、図12に示したように、シリカガラス球配合割合が高くなるほど線膨張係数は小さくなり、上述の図10におけるスリーブ2の材料であるアルミニウムの線膨張係数に近接するものであった。ここで、シリカガラス球の線膨張係数と配合割合との関係に着目すると、実施例の結果から、線膨張係数に関する複合則として、複合材料の線膨張係数Nは図13に示すように、N=n1・V1+n2・V2(但し、n1:シリカガラス球の熱膨張率、n2:熱可塑性樹脂の線膨張係数、V1:シリカガラス球の配合体積割合、V2:熱可塑性樹脂の配合体積割合)の関係を有することを見出した。そして、これにより複合材料の用途に応じた線膨張係数を得るためのシリカガラス球の配合割合を容易に求めることが可能となった。
実施例1とは、シリカガラス球と、カップリング剤の量のみが異なる。すなわち、62.4vol.%のシリカガラス球とそのシリカガラス球に対して1.5wt%のカップリング剤(実施例2)、および64.8vol.%のシリカガラス球とそのシリカガラス球に対して1.5wt%のカップリング剤(実施例3)とを加えて、本発明の複合材料を作製し、実施例1と同様に各温度における流動方向の線膨張係数を測定した。その結果、図12に示したように、シリカガラス球配合割合が高くなるほど線膨張係数は小さくなり、上述の図10におけるスリーブ2の材料であるアルミニウムの線膨張係数に近接するものであった。ここで、シリカガラス球の線膨張係数と配合割合との関係に着目すると、実施例の結果から、線膨張係数に関する複合則として、複合材料の線膨張係数Nは図13に示すように、N=n1・V1+n2・V2(但し、n1:シリカガラス球の熱膨張率、n2:熱可塑性樹脂の線膨張係数、V1:シリカガラス球の配合体積割合、V2:熱可塑性樹脂の配合体積割合)の関係を有することを見出した。そして、これにより複合材料の用途に応じた線膨張係数を得るためのシリカガラス球の配合割合を容易に求めることが可能となった。
(比較例1)
比較例として、実施例と同様のPPS樹脂を用いて、従来のガラス繊維を40wt%(27vol.%相当)加えた複合材料を作製し、実施例と同様に各温度における流動方向の線膨張係数を測定した。その結果、図12に示すように本発明の複合材料に比べて線膨張係数は高くなった。
比較例として、実施例と同様のPPS樹脂を用いて、従来のガラス繊維を40wt%(27vol.%相当)加えた複合材料を作製し、実施例と同様に各温度における流動方向の線膨張係数を測定した。その結果、図12に示すように本発明の複合材料に比べて線膨張係数は高くなった。
(実施例4、5)
実施例1とは、アルミニウム粒子を加えること、及びシリカガラス球とカップリング剤の量のみが異なる。アルミニウム粒子は、表1においてAの物性を有するJISの1100−O材であって、図4に示す粒径分布を有するものを用いた。そして、32.5vol.%のシリカガラス球及び32.5vol.%のアルミニウム粒子と、それらに対して1.5wt%のカップリング剤(実施例4)、及び65vol.%のアルミニウム粒子と、そのアルミニウム粒子に対して1.5wt%のカップリング剤(実施例5)とをそれぞれ加えて、本発明の複合材料を作製し、実施例1と同様に各温度における流動方向の線膨張係数を測定した。その結果、図14に示したように、アルミニウム粒子を混合したものであっても、線膨張係数が小さい複合材料を得ることができた。
実施例1とは、アルミニウム粒子を加えること、及びシリカガラス球とカップリング剤の量のみが異なる。アルミニウム粒子は、表1においてAの物性を有するJISの1100−O材であって、図4に示す粒径分布を有するものを用いた。そして、32.5vol.%のシリカガラス球及び32.5vol.%のアルミニウム粒子と、それらに対して1.5wt%のカップリング剤(実施例4)、及び65vol.%のアルミニウム粒子と、そのアルミニウム粒子に対して1.5wt%のカップリング剤(実施例5)とをそれぞれ加えて、本発明の複合材料を作製し、実施例1と同様に各温度における流動方向の線膨張係数を測定した。その結果、図14に示したように、アルミニウム粒子を混合したものであっても、線膨張係数が小さい複合材料を得ることができた。
(実施例6)
実施例3の複合材料を選択し、図10に示すような電磁弁のバルブ1を作製した。すなわち、実施例3の複合材料を2〜3mmのペレットに切断し、射出成形機に充填する。そして、温度315℃、射出圧1000kgf/cm2、射出速度1m/sで射出成形を行い、外径10.75mmの本発明の複合材料からなるバルブ1を作製した。得られたバルブ1から任意に3点(A〜C)を選択し、各点において、特に内径10.79mmのスリーブ2との間隙に影響を与える射出直角方向の各温度の線膨張係数について測定した。その結果、表2に示すように、全体的に線膨張係数は小さくなり、150℃まで温度を上げても線膨張係数の増加は小さくなった。そして、特に注目すべきことは、スリーブ2としてアルミニウム(150℃における線膨張係数が2.3×10−5/℃)を適用することを想定した場合でも、150℃のおけるバルブ1とスリーブ2との線膨張係数の差が小さくなることである。このため、本発明の複合材料をバルブ1に用いた電磁弁を、高温雰囲気下で使用してもバルブ1とスリーブ2とが干渉することを防止することができるようになる。
実施例3の複合材料を選択し、図10に示すような電磁弁のバルブ1を作製した。すなわち、実施例3の複合材料を2〜3mmのペレットに切断し、射出成形機に充填する。そして、温度315℃、射出圧1000kgf/cm2、射出速度1m/sで射出成形を行い、外径10.75mmの本発明の複合材料からなるバルブ1を作製した。得られたバルブ1から任意に3点(A〜C)を選択し、各点において、特に内径10.79mmのスリーブ2との間隙に影響を与える射出直角方向の各温度の線膨張係数について測定した。その結果、表2に示すように、全体的に線膨張係数は小さくなり、150℃まで温度を上げても線膨張係数の増加は小さくなった。そして、特に注目すべきことは、スリーブ2としてアルミニウム(150℃における線膨張係数が2.3×10−5/℃)を適用することを想定した場合でも、150℃のおけるバルブ1とスリーブ2との線膨張係数の差が小さくなることである。このため、本発明の複合材料をバルブ1に用いた電磁弁を、高温雰囲気下で使用してもバルブ1とスリーブ2とが干渉することを防止することができるようになる。
(比較例2)
比較例として、従来のPPS樹脂でバルブを作製し、実施例3と同様に3点(A〜C)について線膨張係数を測定した。その結果、表2に示すように実施例6に比べて線膨張係数は大きくなり、また、温度を上げると、それに伴い線膨張係数も大きくなった。そして、スリーブ2としてアルミニウムを適用することを想定した場合、150℃においてはバルブ1の線膨張係数は、スリーブ2の線膨張係数の2倍程度にまで大きくなる。このため、高温雰囲気下で使用すると、バルブ1とスリーブ2との寸法変化の差が両者の間隙よりも大きくなり、互いが干渉する可能性がある。
比較例として、従来のPPS樹脂でバルブを作製し、実施例3と同様に3点(A〜C)について線膨張係数を測定した。その結果、表2に示すように実施例6に比べて線膨張係数は大きくなり、また、温度を上げると、それに伴い線膨張係数も大きくなった。そして、スリーブ2としてアルミニウムを適用することを想定した場合、150℃においてはバルブ1の線膨張係数は、スリーブ2の線膨張係数の2倍程度にまで大きくなる。このため、高温雰囲気下で使用すると、バルブ1とスリーブ2との寸法変化の差が両者の間隙よりも大きくなり、互いが干渉する可能性がある。
(実施例7、8)
実施例4、5の複合材料においても、実施例6と同様の外径10.75mmのバルブ1を作製し、実施例6のバルブ1と共に内径10.79mmのスリーブ2との各温度における間隙の変化を調べた。その結果、表3に示すように40〜150℃の温度範囲において、バルブ1とスリーブ2とは間隙を有しており、互いが干渉することはなかった。
さらに、実施例6、7の電磁弁を用いて、百万回の動作試験を行った。実施例6、7の電磁弁のバルブ1の先端は、試験開始前には図15に示すように無傷なものであった。試験後には実施例6では、図16に示すようにバルブ1と対向するプランジャ部品の形状通りにバルブ1の先端が磨耗されていた。これに対し、実施例7では、図17に示すようにバルブ1の先端には若干の跡が残っただけであった。すなわち、アルミニウム粒子を混合することで、機械的強度が格段に向上していることが確認できた。
実施例4、5の複合材料においても、実施例6と同様の外径10.75mmのバルブ1を作製し、実施例6のバルブ1と共に内径10.79mmのスリーブ2との各温度における間隙の変化を調べた。その結果、表3に示すように40〜150℃の温度範囲において、バルブ1とスリーブ2とは間隙を有しており、互いが干渉することはなかった。
さらに、実施例6、7の電磁弁を用いて、百万回の動作試験を行った。実施例6、7の電磁弁のバルブ1の先端は、試験開始前には図15に示すように無傷なものであった。試験後には実施例6では、図16に示すようにバルブ1と対向するプランジャ部品の形状通りにバルブ1の先端が磨耗されていた。これに対し、実施例7では、図17に示すようにバルブ1の先端には若干の跡が残っただけであった。すなわち、アルミニウム粒子を混合することで、機械的強度が格段に向上していることが確認できた。
本発明の複合材料は、従来の樹脂の用途だけでなく、電磁弁のバルブ等、これまで樹脂では線膨張係数が高いため使用できなかった様々な用途にも適用できる。
11 シリカガラス球
12 金属粒子
1 バルブ
2 スリーブ
12 金属粒子
1 バルブ
2 スリーブ
Claims (10)
- 熱可塑性樹脂とシリカガラス球とを有する複合材料であって、
比表面積が0.5〜10m2/gである前記シリカガラス球を40vol.%以上含む複合材料。 - 熱可塑性樹脂とシリカガラス球とを有する複合材料であって、
前記シリカガラス球は、粒径分布における頻度の極大値が異なる複数のシリカガラス球を混合したものである複合材料。 - 前記シリカガラス球は、少なくとも、粒径分布における頻度の極大値を、粒径が20〜60μmの範囲に有する大粒径シリカガラス球と、粒径が5〜20μmの範囲に有する中粒径シリカガラス球と、粒径が1〜3μmの範囲に有する小粒径シリカガラス球とを混合したものである請求項2に記載の複合材料。
- 前記シリカガラス球は、前記大粒径シリカガラス球及び前記中粒径シリカガラス球の合計が70vol.%以上を占める請求項3に記載の複合材料。
- 熱可塑性樹脂とシリカガラス球とを有する複合材料であって、
金属粒子を含む複合材料。 - 前記金属粒子を30vol.%以上含む請求項5に記載の複合材料。
- 前記金属粒子はアルミニウム粒子であって、当該アルミニウム粒子は粒径分布における頻度の極大値を粒径が20〜60μmの範囲に有する請求項5又は6に記載の複合材料。
- 熱可塑性樹脂とシリカガラス球とを有する複合材料の製造方法であって、
前記熱可塑性樹脂の特異点における前記複合材料の線膨張係数を基準として決められた配合割合で前記シリカガラス球を配合する複合材料の製造方法。 - 前記複合材料より小さい線膨張係数を有する材料の近傍で使用する場合において、前記特異点はガラス転移点であり、当該ガラス転移点における前記材料の線膨張係数と一致するように前記シリカガラス球を配合する請求項8に記載の複合材料の製造方法。
- 熱可塑性樹脂とシリカガラス球と金属粒子とを有する複合材料の製造方法であって、前記複合材料より小さい線膨張係数を有する材料の近傍で使用する場合において、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点における前記複合材料の線膨張係数が、前記材料の前記ガラス転移点における線膨張係数とが一致するように前記シリカガラス球と前記金属粒子とを配合する複合材料の製造方法。
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