JP2017165622A - 無機充填材粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】濃色の立体造形物を効率良く製造することが可能な無機充填材粒子を提供する。【解決手段】ガラス粒子の表面に金属粒子が付着しており、白色度(L*値)が90以下であることを特徴とする無機充填材粒子。【選択図】なし

Description

本発明は、立体造形用樹脂組成物用として好適な無機充填材粒子に関する。
従来、樹脂材料等を積層させて立体造形物を得る方法が知られている。例えば光造形法、粉末床溶融焼結法、熱溶解積層(Fused deposition modeling:FDM)法等種々の方法が提案され実用化されている(例えば特許文献1参照)。
なかでも光造形法は、細やかな造形や正確なサイズ表現に優れており、広く普及している。光造形法は以下のようにして立体造形物を作製するものである。まず液状の光硬化性樹脂を満たした槽内に造形ステージを設け、造形ステージ上の光硬化性樹脂に紫外線レーザー等の活性エネルギー線を照射して所望のパターンの硬化層を形成する。このようにして硬化層を1層形成すると造形ステージを1層分だけ下げて、硬化層上に未硬化の光硬化性樹脂を導入し、同様にして活性エネルギー線を光硬化性樹脂に照射して前記硬化層上に新たな硬化層を積み上げる。この操作を繰り返すことにより、所定の立体造形物を得る。また、粉末焼結法は、樹脂、金属、セラミックスまたはガラスの粉末を満たした槽内に造形ステージを設け、造形ステージ上の粉末に活性エネルギー線を照射し、軟化変形にて所望のパターンの硬化層を形成するものである。
上記の方法により得られた立体造形物には、用途によっては高い機械的強度が求められる。特許文献1では、樹脂組成物中に無機充填材粒子を含有させることにより、得られる立体造形物の機械的強度(機械的剛性)が向上することが記載されている。
特開平7−26060号公報
近年、樹脂組成物からなる立体造形物の用途が多様化しており、装飾品等の美感が要求される用途にも展開されつつある。ここで、樹脂組成物中に無機充填材粒子以外に顔料等を添加して、濃色の立体造形物を得ることが考えられる。しかしながら、当該方法では、樹脂組成物の流動性が低下して成形性が低下するという問題がある。また、光造形法の場合は、顔料等が活性エネルギー線を遮断するため、樹脂組成物全体に活性エネルギー線が行き渡りにくくなり、硬化が不十分になるという問題もある。
以上に鑑み、本発明は、濃色の立体造形物を効率良く製造することが可能な無機充填材粒子を提供することを目的とする。
本発明の無機充填材粒子は、ガラス粒子の表面に金属粒子が付着しており、白色度(L値)が90以下であることを特徴とする。
本発明の無機充填材粒子は、ガラス粒子表面に付着した金属粒子が可視光を吸収するため、白色度が低いという特徴を有する。そのため、本発明の無機充填材粒子を配合した樹脂組成物を使用することにより、所望の濃色を呈した立体造形物を製造することができる。この場合、無機充填材粒子とは別に顔料等を添加する必要がないため、樹脂組成物の流動性が不当に低下することがなく、成形性に優れるという利点がある。また、光造形法の場合は、活性エネルギー線が顔料等により遮断されにくくなるため、硬化を促進することができる。
本発明の無機充填材粒子において、金属粒子がFe、Cr及びNiから選択される少なくとも1種からなることが好ましい。このようにすれば、所望の低い白色度が得やすくなる。
本発明の無機充填材粒子は、ガラス粒子1gに対し、金属粒子が200μg以上付着していることが好ましい。このようにすれば、所望の低い白色度が得やすくなる。
本発明の無機充填材粒子は、ガラス粒子の平均粒子径(D50)が1μm以上であることが好ましい。このようにすれば、樹脂組成物の流動性に優れ成形性が向上しやすくなる。また、無機充填材粒子と樹脂との界面に存在する泡(界面泡)が抜けやすくなる。
本発明の樹脂組成物は、上記の無機充填材粒子と硬化性樹脂とを含有することを特徴とする。
本発明の立体造形物は、上記の樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする。
本発明の立体造形物は、白色度(L値)が60以下であることが好ましい。
本発明の立体造形物の製造方法は、樹脂組成物からなる表面層に選択的に活性エネルギー光線を照射して所定のパターンを有する硬化層を形成し、前記硬化層上に新たな層を形成した後に活性エネルギー線を照射して前記硬化層と連続した所定パターンを有する新たな硬化層を形成し、所定の立体造形物が得られるまで前記硬化層の積層を繰り返すことを特徴とする立体造形物の製造方法であって、樹脂組成物として、上記の樹脂組成物を使用することを特徴とする。
本発明の無機充填材粒子を配合した樹脂止組成物を使用することにより、濃色の立体造形物を効率良く製造することが可能となる。
本発明の無機充填材粒子は、ガラス粒子の表面に金属粒子が付着してなるものである。
ガラス粒子の平均粒子径(D50)は1μm以上、1.5μm以上、2μm以上、特に2.5μm以上であることが好ましい。ガラス粒子の平均粒子径が小さすぎると、得られる無機充填材粒子も小さくなり、本発明の無機充填材粒子を樹脂と混合した場合、樹脂組成物の流動性が低下したり、無機充填材粒子と樹脂との界面に存在する泡(界面泡)が抜けにくくなる。一方、ガラス粒子の平均粒子径が大きすぎると、得られる無機充填材粒子も大きくなり、樹脂組成物中における無機充填材粒子の充填率が低下しやすくなるため、500μm以下、100μm以下、50μm以下、特に20μm以下であることが好ましい。
なお本発明において、平均粒子径(D50)は一次粒子のメジアン径での50%体積累積径を示し、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定された値をいう。
ガラス粒子の比表面積は0.1〜3.5m/g、0.5〜3.2m/g、特に0.75〜3m/gであることが好ましい。ガラス粒子の比表面積が小さすぎると、得られる無機充填材粒子の粒子径が大きくなるため、樹脂組成物中における無機充填材粒子の充填率が低下しやすくなる。一方、ガラス粒子の比表面積が大きすぎると、得られる無機充填材粒子の比表面積も大きくなるため、樹脂組成物の流動性が低下したり、無機充填材粒子と樹脂との界面に存在する泡が抜けにくくなる。
ガラス粒子の形状は特に限定されないが、略球状であることが好ましい。このようにすれば、無機充填材粒子の比表面積が小さくなるため、樹脂組成物の粘度上昇を抑制することができる。なお、略球形のガラス粒子は、例えばバルク状ガラスを粉砕した後、火炎研磨(ファイアポリッシュ)を行うことにより作製することができる。
ガラス粒子の軟化点は1000℃以下、900℃以下、特に800℃以下であることが好ましい。ガラス粒子の軟化点が高すぎると、火炎研磨による球状化が困難になる傾向がある。一方、ガラス粒子の軟化点の下限は特に限定されないが、現実的には250℃以上、特に300℃以上である。
ガラス粒子の結晶化開始温度は、軟化点より100℃以上、150℃以上、特に200℃以上高いことが好ましい。このようにすれば、ガラス粒子の軟化流動時に結晶が析出しにくくなるため、火炎研磨による球状化が容易になる。
ガラス粒子の密度は2.4〜7g/cm、2.5〜6g/cm、特に2.6〜5g/cmであることが好ましい。ガラス粒子の密度が低すぎると、軟化点が不当に高くなる傾向がある。一方、ガラス粒子の密度が大きすぎると、光造形法を適用した場合に樹脂組成物中で無機充填材粒子が沈降分離しやすくなる。
ガラス粒子としては、例えば、組成としてSiO、Al、B及びPから選択される少なくとも1種を含有するガラスを使用することができる。具体的には、SiO−B−R’O(R’はアルカリ金属元素)系ガラス、SiO−Al−RO(Rはアルカリ土類金属元素)系ガラス、SiO−Al−R’O−RO系ガラス、SiO−Al−B−R’O系ガラス、SiO−Al−B−R’O−RO系ガラス、SiO−R’O系ガラス、SiO−R’O−RO系ガラス等を使用することができる。以下、ガラス粒子における各成分の含有量の好ましい範囲について説明する。なお、以下の説明において、特に断りのない限り「%」は「質量%」を意味する。
耐失透性に優れた無機充填材粒子を得る観点からは、SiO、Al、B及びPを合量で1%以上、5%以上、特に10%以上含有させることが好ましい。ただし、これらの成分は密度を低下させる成分であるため、高密度の立体造形物を得る場合は、合量で50%以下、40%以下、特に30%以下であることが好ましい。
ガラス粒子として密度の高いものを使用することにより、得られる立体造形物に重厚感を持たせることができる。ガラス粒子の密度を高める観点からは、ガラス組成として、Ba、La、Gd、Ta、Nb、W、Bi及びTe等の比較的原子量の大きい元素を含有することが好ましい。例えば、これらの酸化物の含有量を以下の通り規制することが好ましい。
BaOの含有量は1%以上、10%以上、20%以上、特に30%以上であることが好ましい。BaOの含有量が多すぎると、失透しやすくなり、ガラス化が困難となる傾向があるため、60%以下、特に50%以下であることが好ましい。
La+Gd+Ta+Nb+WO+Bi+TeOの含有量は1%以上、10%以上、特に20%以上であることが好ましい。ただし、これらの成分の含有量が多すぎると、原料コストが高くなる傾向があるため、80%以下、70%以下、特に60%以下が好ましい。なお、「La+Gd+Ta+Nb+WO+Bi+TeO」は、これらの各成分の含有量の合量を意味する。
立体造形物の意匠性の観点から、ガラス粒子の屈折率を高めたい場合は、屈折率向上の効果が高いTiOを含有させることが好ましい。TiOの含有量は0.1%以上、1%以上、5%以上、10%以上、特に30%以上であることが好ましい。ただし、TiOの含有量が多すぎると、光透過率が低下してむしろ意匠性を損なうおそれがあるため、上限は50%以下、特に45%以下であることが好ましい。
Sb及びCeOはFe成分に起因する光透過率低下を抑制する効果がある。Sb及びCeOの含有量は、合量で0.01〜1%、特に0.1〜0.8%であることが好ましい。これらの成分の含有量が少なすぎると上記効果が得にくくなり、一方、多すぎるとむしろ光透過率が低下しやすくなったり、成形時に失透しやすくなる。なお、Sb及びCeOの各々の含有量も上記範囲内であることが好ましい。
LiO、NaO及びKOの含有量は合量で5%以下、2.5%以下、特に1%以下であることが好ましい。これらの成分の含有量を上記のように規制すれば、樹脂硬化時におけるアルカリ成分の蒸発を抑制できる。また、化学耐久性の低下を抑制できる。
また環境上の理由から、フッ素、鉛、アンチモン、ヒ素、塩素及び硫黄の含有量は合量で1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下であることが好ましい。
金属粒子としては特に限定されないが、Fe、Cr及びNiから選択される少なくとも1種が挙げられる。これらは可視光を吸収しやすいため、所望の低い白色度が得やすくなる。なお、金属粒子の平均粒子径(D50)は、通常、0.01〜100μm、さらには0.1〜10μmである。
本発明の無機充填材粒子において、ガラス粒子1gに対し、金属粒子が200μg以上、500μg以上、750μg以上、1000μg以上、特に1500μg以上付着していることが好ましい。金属粒子の付着量が少なすぎると、可視光の吸収が不十分となり、所望の白色度が得にくくなる。一方、金属粒子の付着量が多すぎると、樹脂組成物の流動性が不当に低下し、成形性に劣る傾向がある。また、光造形法の場合は、活性エネルギー線が金属粒子により遮断され、硬化しにくくなるおそれがある。従って、金属粒子の付着量はガラス粒子1gに対して5000μg以下、4000μg以下、特に3000μg以下であることが好ましい。
ガラス粒子表面への金属粒子の付着は、ガラス粒子と金属粒子を混合することにより行う。100℃以上、200℃以上、さらに300℃以上で加熱しながら両者を混合することにより、ガラス粒子表面に金属粒子を強固に付着させやすい。なお、原料となるバルク状ガラスを粉砕または分級する際に金属粒子を添加してもよい。このようにすれば、ガラスの粉砕または分級と同時に金属粒子の付着を行うことができるため、製造効率が向上する。ガラス粉末に対し、火炎研磨による球状化処理を行う際は、金属粒子の酸化による白色度上昇を抑制するため、当該球状化処理を行った後に、ガラス粒子に金属粒子を付着させることが好ましい。
本発明の無機充填材粒子の白色度(L値)は90以下であり、88以下、特に85以下であることが好ましい。無機充填材粒子の白色度が高すぎると、所望の濃色を呈する立体造形物が得にくくなる。
本発明の無機充填材粒子は、表面がシランカップリング剤によって処理されていることが好ましい。このようにすれば、無機充填材粒子と樹脂との結合力を高めることができ、より機械的強度に優れた立体造形物を得ることが可能になる。シランカップリング剤としては、例えばアミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン等が好ましい。なおシランカップリング剤の種類は、用いる硬化性樹脂に応じて適宜選択すればよく、例えば光硬化性樹脂としてビニル系不飽和化合物を用いる場合にはアクリルシラン系シランカップリング剤、エポキシ系化合物を用いる場合にはエポキシシラン系シランカップリング剤を用いることが好ましい。
無機充填材粒子に対し、硬化性樹脂を混合することにより樹脂組成物を製造することができる。混合割合は、体積%で、硬化性樹脂 10〜99%、無機充填材粒子 1〜90%であることが好ましい。より好ましくは、硬化性樹脂が35〜95%、40〜90%、特に45〜85%であり、無機充填材粒子が5〜65%、10〜60%、特に15〜55%である。無機充填材粒子の含有量が少なすぎると、得られる立体造形物の機械的強度向上の効果が得にくくなる。一方、無機充填材粒子の含有量が多すぎる場合は、各無機充填材粒子おける硬化性樹脂との接触面積が小さくなり、得られる立体造形物の機械的強度がかえって低くなる傾向がある。また光造形法の場合は、樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて、造形ステージ上に新たな液状層を形成しにくくなる等の不具合が発生しやすくなる。
本発明の無機充填材粒子は特に光造形法の場合にその効果を享受しやすいため、硬化性樹脂としては光硬化性樹脂(液状の光硬化性樹脂)を用いることが好ましい。
光硬化性樹脂としては、重合性のビニル系化合物、エポキシ系化合物等種々の樹脂を選択することができる。また単官能性化合物や多官能性化合物のモノマーやオリゴマーが用いられる。これらの単官能性化合物、多官能性化合物は、特に限定されるものではない。例えば、以下に光硬化性樹脂の代表的なものを挙げる。
重合性のビニル系化合物の単官能性化合物としては、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジンクロペンテニルアクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、プロピレングリコールアクリレート、ビニルピロリドン、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。また多官能性化合物としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンテニルジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。これらの単官能性化合物や多官能性化合物の1種以上を単独または混合物の形で使用することができる。
ビニル系化合物の重合開始剤としては、光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、ミヒラーケトン等が代表的なものとして挙げることができ、これらの開始剤を1種または2種以上組み合わせて使用することができる。必要に応じてアミン系化合物等の増感剤を併用することも可能である。これらの重合開始剤の使用量は、ビニル系化合物に対してそれぞれ0.1〜10質量%であることが好ましい。
エポキシ系化合物としては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等が挙げられる。これらのエポキシ系化合物を用いる場合には、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のエネルギー活性カチオン開始剤を用いることができる。
さらに光硬化性樹脂には、レベリング剤、界面活性剤、有機高分子化合物、有機可塑剤等を必要に応じて添加してもよい。
次に、立体造形物の製造方法の一例を説明する。具体的には、光硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた立体造形物の製造方法について説明する。なお樹脂組成物は既述の通りであり、ここでは説明を省略する。
まず光硬化性樹脂組成物からなる1層の液状層を準備する。例えば液状の光硬化性樹脂組成物を満たした槽内に造形用ステージを設け、ステージ上面が液面から所望の深さ(例えば0.2mm程度)となるように位置させる。このようにすることで、ステージ上に液状層を準備することができる。
次に、この液状層に活性エネルギー線、例えば紫外線レーザーを照射して光硬化性樹脂を硬化させ、所定のパターンを有する硬化層を形成する。なお活性エネルギー線としては、紫外線の他に、可視光線、赤外線等のレーザー光を用いることができる。
続いて、形成した硬化層上に、光硬化性樹脂組成物からなる新たな液状層を準備する。例えば、前記した造形用ステージを1層分下降させることにより、硬化層上に光硬化性樹脂を導入し、新たな液状層を準備することができる。
その後、硬化層上に準備した新たな液状層に活性エネルギー線を照射して、前記硬化層と連続した新たな硬化層を形成する。
以上の操作を繰り返すことによって硬化層を連続的に積層し、所定の立体造形物を得る。
本発明の無機充填材粒子を配合した樹脂組成物を使用することにより、所望の濃色を呈した立体造形物を製造することができる。例えば樹脂組成物中に本発明の無機充填材粒子を30体積%配合した場合において、60以下、特に50以下の明度Lを達成することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(無機充填材粒子の作製)
質量%で、SiO 52%、B 7%、Al 14%、MgO 0.5%、CaO 25%、NaO 0.6%、KO 0.1%、TiO 0.5%、F 0.3%のガラス組成となるように原料を調合し、1500〜1600℃で4〜8時間溶融した後、フィルム状に成形した。フィルム状ガラスを粉砕することにより、平均粒子径10μmのガラス粒子(軟化点800℃)を得た。このガラスを火炎法によりビーズ化し、ナイロン製篩により分級を行った。得られたガラス粒子に対し、Fe、Cr及びNiを含有する金属粒子を混合することにより無機充填材粒子を得た。得られた無機充填材粒子を分析したところ、ガラス粒子1gに対して1605μgの金属粒子(Fe 1500μg、Cr 100μg、Ni 5μg)が付着していた。
得られた無機充填材粒子について、色差計を用いて白色度L値を測定したところ85であった。
(光硬化性樹脂の作製)
まずイソホロンジイソシアネート、モルホリンアクリルアミドおよびジブチル錫ジラウレートをオイルバスで加熱した。グリセリンモノメタクリレートモノアクリレートにメチルヒドロキノンを均一に混合溶解させた液を投入し、撹拌混合して反応させた。ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド4モル付加物(ペンタエリスリトールの4個の水酸基にプロピレンオキサイドをそれぞれ1モル付加したもの)を加え、反応させて、ウレタンアクリレートオリゴマーとモルホリンアクリルアミドを含む反応生成物を製造した。
得られたウレタンアクリレートオリゴマーとモルホリンアクリルアミドに、モルホリンアクリルアミド、ジシクロペンタニルジアクリレートを添加した。さらに、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(光重合開始剤)を添加し、無色透明なアクリル系光硬化性樹脂を得た。
(立体造形用樹脂組成物の調製及び立体造形物の作製)
上記で得られた光硬化性樹脂70体積%に対し無機充填材粒子30体積%を添加し、3本ローラーにより混練を行い、均質に無機充填材粒子を分散させたペースト状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をテフロン製の内寸30mm□の型枠に流し入れた。その後、500mW、波長364nmの光を照射して、樹脂組成物を硬化させた後、80℃でアニールすることにより立体造形物を得た。得られた立体造形物について、色差計を用いて明度L値を測定したところ40であった。
(実施例2)
得られたガラス粒子に対し、Fe、Cr及びNiの含有割合が実施例1とは異なる金属粒子を混合したこと以外は実施例1と同様にして無機充填材粒子を得た。得られた無機充填材粒子を分析したところ、ガラス粒子1gに対して1917μgの金属粒子(Fe 1800μg、Cr 110μg、Ni 7μg)が付着していた。得られた無機充填材粒子の明度L値を測定したところ84であった。また、当該無機充填材粒子を用いて実施例と同様の方法で立体造形物を作製し、明度L値を測定したところ37であった。
(比較例)
実施例1で得られたガラス粒子に対し、金属粒子を混合せずにそのまま無機充填材粒子とした。当該無機充填材粒子の明度L値を測定したところ91であった。また、当該無機充填材粒子を用いて実施例と同様の方法で立体造形物を作製し、明度L値を測定したところ61であった。

Claims (8)

  1. ガラス粒子の表面に金属粒子が付着しており、白色度(L値)が90以下であることを特徴とする無機充填材粒子。
  2. 金属粒子がFe、Cr及びNiから選択される少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1に記載の無機充填材粒子。
  3. ガラス粒子1gに対し、金属粒子が200μg以上付着していることを特徴とする請求項1または2に記載の無機充填材粒子。
  4. ガラス粒子の平均粒子径(D50)が1μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の無機充填材粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の無機充填材粒子と硬化性樹脂とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする立体造形物。
  7. 白色度(L値)が60以下であることを特徴とする請求項6に記載の立体造形物。
  8. 樹脂組成物からなる表面層に選択的に活性エネルギー光線を照射して所定のパターンを有する硬化層を形成し、前記硬化層上に新たな層を形成した後に活性エネルギー線を照射して前記硬化層と連続した所定パターンを有する新たな硬化層を形成し、所定の立体造形物が得られるまで前記硬化層の積層を繰り返すことを特徴とする立体造形物の製造方法であって、樹脂組成物として、請求項5に記載の樹脂組成物を使用することを特徴とする立体造形物の製造方法。
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