JP2019112283A - ガラスフィラーの製造方法 - Google Patents

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篤 虫明
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Abstract

【課題】透明性に優れた立体造形物を作製できるガラスフィラーの製造方法を提供する。【解決手段】ガラス材を、分級機内蔵型粉砕機を用いて粉砕することによりガラス粉末とした後、ガラス粉末を加熱溶融することにより球状化する工程を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラスフィラーの製造方法に関する。
従来、樹脂材料等を積層させて立体造形物を得る方法が知られている。例えば光造形法、粉末焼結法、熱溶解積層(FDM)法等種々の方法が提案され実用化されている。
例えば光造形法は、細やかな造形や正確なサイズ表現に優れており、広く普及している。この方法は以下のようにして立体造形物を作製するものである。まず液状の光硬化性樹脂を満たした槽内に造形ステージを設け、造形ステージ上の光硬化性樹脂に紫外線レーザーを照射して所望のパターンの硬化層を作製する。このようにして硬化層を1層造ると造形ステージを1層分だけ下げて、硬化層上に未硬化の樹脂を導入し、同様にして紫外線レーザーを光硬化性樹脂に照射して前記硬化層上に新たな硬化層を積み上げる。この操作を繰り返すことにより、所定の立体造形物を得る。また、粉末焼結法は、樹脂、金属、セラミックス、ガラスの粉末を満たした槽内に造形ステージを設け、造形ステージ上の粉末に半導体等のレーザーを照射し、軟化変形にて所望のパターンの硬化層を作製するものである。
特開平7−26060号公報
光造形法等で作製される樹脂製の立体造形物は、細やかで精密であるが、機械的強度等に劣ることが指摘されている。そこで特許文献1で提案されているように、光硬化性樹脂に、ガラスフィラー等の無機充填材を添加することが提案されている。
ところが無機充填材粒子を添加すると、立体造形物の透明性が損なわれるという問題がある。
本発明の課題は、透明性に優れた立体造形物を作製できるガラスフィラーの製造方法を提供することである。
本発明者等の調査の結果、ガラス材をボールミル等にて粉砕すると微粉が発生すること、発生した微粉は凝集して凝集体を形成しやすいこと、このような凝集体が加熱処理に供されると、微粉同士の間隙が気泡としてフィラー内部に残存してしまうこと、及び、ガラスフィラーが内部に気泡を有していると、ガラスフィラーと気泡の屈折率差による光散乱が生じ造形物の透明性が損なわれることを見出し、本発明を提案するに至った。
即ち、本発明のガラスフィラーの製造方法は、ガラス材を、分級機内蔵型粉砕機を用いて粉砕することによりガラス粉末とした後、ガラス粉末を加熱溶融することにより球状化する工程を含むことを特徴とする。
本発明のガラスフィラーの製造方法は、分級機内蔵型粉砕機にてガラス材を粉砕しており微粉が発生しにくいため、気泡を有するガラスフィラーが形成されにくくなり透明性に優れた造形物を作製しやすくなる。
本発明のガラスフィラーの製造方法は、分級機内蔵型粉砕機がジェットミルであることが好ましい。
本発明のガラスフィラーの製造方法は、ガラスフィラーが、レーザー回折散乱式粒度分布測定による累積10%粒子径(D10)と累積90%粒子径(D90)との比D90/D10が4以下であることが好ましい。D90/D10が低い値であることは、粒度分布が狭い(粒度分布がシャープであり、粒子径がそろっている)ことを意味する。したがって、D90/D10が4以下の範囲であると粒度分布が狭く微粉が少ないため、気泡を有するガラスフィラーが形成されにくくなり透明性に優れた造形物を作製しやすくなる。
本発明のガラスフィラーの製造方法は、ガラスフィラーが、ガラス組成として、質量%で、SiO 20〜70%、B 0〜50%、Nb 0〜20%、WO 0〜20%を含有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、上記の方法によりガラスフィラーを製造する工程、及び、ガラスフィラーと硬化性樹脂を混合する工程、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、透明性に優れた立体造形物を作製できるガラスフィラーの製造方法を提供することが可能になる。
本発明のガラスフィラーの製造方法について説明する。まず、ガラス原料を所定割合で調合して得られた原料バッチを1400〜1700℃で溶融して溶融ガラスを得る。次に、溶融ガラスを所定形状(例えば、フィルム状)に成形し、ガラス材を得る。なお、後述する分級機内蔵型粉砕機による粉砕の効率を向上するために、ガラス材を擂潰器等により粉砕しても構わない。
次に、得られたガラス材を分級機内蔵型粉砕機にて粉砕し、ガラス粉末を得る。分級機内蔵型粉砕機としては、ジェットミル、分級機内蔵型乾式媒体撹拌ミル等が挙げられるが、粉砕効率の観点からジェットミルを使用することが好ましい。
なお、ジェットミルにて微粉の少ない粉末が得られる理由は以下の通りである。ジェットミルは、高速気流中に粉末を飛散させ衝突板に衝突させる、もしくは粉末同士を衝突させることによりガラス材を粉砕する。所望の粒度より大きい粒子は循環する気流により何度も衝突を繰り返すことで小さくなる。所望の粒度の粒子は捕集瓶に回収される。微粉等の小さい粒子は集塵機に回収される。このように、ジェットミルにて粉砕すると微粉の少ない粉末が得られるため、後の加熱溶融工程で気泡を有するガラスフィラーが形成されにくくなり透明性に優れた造形物を作製しやすくなる。なお、粉砕後のガラス粉末を分級しても構わない。分級方法としては、網篩い、気流式分級装置等の公知の分級技術を用いることができる。
続いて、得られたガラス粉末を加熱溶融することにより球状化し、ガラスフィラーを得る。加熱溶融方法としては、ガラス粉末をテーブルフィーダー等で炉内へ供給し、空気バーナー等で1400〜2000℃で加熱し、溶融して、表面張力によりガラス粉末を球状化し、冷却、回収する方法が挙げられる。
球状化したガラスフィラーを所望の粒度分布になるように分級しても構わない。分級方法としては、網篩い、気流式分級装置等の公知の分級技術を用いることができる。
次に、本発明で製造されるガラスフィラーについて説明する。
ガラスフィラーは、レーザー回折散乱式粒度分布測定による累積10%粒子径(D10)と累積90%粒子径(D90)との比D90/D10が4以下、3以下、特に2以下であることが好ましい。D90/D10が大きすぎると、粒度分布が広くなり、微粉が多くなる傾向にある。この場合、気泡を有するガラスフィラーが形成されやすくなり透明性に優れた造形物を作製しにくくなる。D90/D10の下限は特に限定されないが、現実的には1.05以上、さらには1.1以上である。
なお、D10、D50(累積50%粒子径)及びD90の好ましい範囲は以下の通りである。
D10は、1〜8μm、2〜8μm、3〜7μm、4〜7μm、特に5〜6μmであることが好ましい。D50は3〜12μm、4〜10μm、特に5〜8μmであることが好ましい。D90は、5〜16μm、6〜14μm、特に7〜12μmであることが好ましい。D10、D50、D90が小さすぎると、微粉が多くなる傾向にある。この場合、気泡を有するガラスフィラーが形成されやすくなり透明性に優れた造形物を作製しにくくなる。一方、D10、D50、D90が大きすぎると、樹脂中における分散性が悪化する傾向にある。
ガラスフィラーの形状は、略球状であることが好ましい。このようにすれば、比表面積が小さくなり、フィラー粉末と樹脂との界面での光散乱を抑制することができる。結果として、透明性の高い造形物を得やすくなる。なお、真球に近いほど、上記効果が得られやすい。
ガラスフィラーは、硬化後の硬化性樹脂との屈折率ndの差が±0.02以内(好ましくは±0.01以内、より好ましくは±0.0075以内、さらに好ましくは±0.005以内)、アッベ数νdの差が±10以内(好ましくは±5.0以内、より好ましくは±2.5以内、さらに好ましくは±1.0以内)であることが好ましい。なお、ガラスフィラーと硬化性樹脂との光学定数の差が大きくなると樹脂との屈折率等の不整合により、造形物の透明性が低下しやすくなる。
ガラスフィラーは、屈折率ndが1.40〜1.90、1.40〜1.65、1.45〜1.6、特に1.5〜1.55であることが好ましく、アッべ数νdは、20〜65、40〜65、45〜60、特に50〜57であることが好ましい。特に屈折率ndが1.5〜1.55、且つアッべ数νdが50〜57であれば、アクリル系樹脂等多くの樹脂と光学定数が整合する。光学定数が上記範囲から外れると、硬化後の硬化性樹脂と整合した光学定数を得ることが難しくなる。またガラスフィラーは、得られる造形物の透明性を高める観点から、可視域(400〜700nm)における平均透過率が30%以上、50%以上、特に70%以上であることが好ましい。
ガラスフィラーは、その表面がシランカップリング剤によって処理されていることが好ましい。シランカップリング剤で処理すれば、ガラスフィラーと硬化性樹脂の結合力を高めることができ、より機械的強度の優れた造形物を得ることが可能になる。さらに、ガラスフィラーと硬化性樹脂のなじみがよくなり、界面の泡や空隙が減少して、光散乱を抑制できる。その結果、造形物の透過率が高くなる。シランカップリング剤としては、例えばアミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン等が好ましい。なおシランカップリング剤は、用いる硬化性樹脂によって適宜選択すればよい。
ガラスフィラーは、ガラス組成として、質量%で、SiO 20〜70%、B 0〜50%、Nb 0〜20%、WO 0〜20%を含有することが好ましい。以下、上記のように各成分を限定した理由を説明する。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、質量%を意味する。
SiOはガラス骨格を形成する成分である。また化学耐久性の向上や失透の抑制が可能な成分である。SiOの含有量は、20〜70%、30〜65%、特に40〜60%であることが好ましい。SiOの含有量が少なすぎると化学耐久性が低下しやすくなり、またガラスが失透しやすくなって製造が困難になる虞がある。一方、SiOの含有量が多すぎると溶融性が低下しやすくなり、また成形時に軟化しにくくなって製造が困難になる虞がある。
はガラス骨格を形成する成分である。また化学耐久性の向上や失透の抑制が可能な成分である。Bの含有量は、0〜50%、2.5〜40%、特に5〜30%であることが好ましい。Bの含有量が多すぎると、溶融性が低下しやすくなり、また成形時に軟化しにくくなって製造が困難になる虞がある。
Nbは、屈折率、アッベ数を調整できる成分である。Nbの含有量は、0〜20%、0.1〜15%、0.5〜10%、特に1〜5%であることが好ましい。Nbの含有量が多すぎると屈折率が大きくなり、またアッベ数が小さくなる傾向がある。さらにガラスが失透しやすくなる。
WOは、屈折率、アッベ数を調整できる成分であり、またガラスの粘度を低下させる成分である。WOの含有量は、0〜20%、0.1〜15%、0.5〜10%、特に1〜5%であることが好ましい。WOが多すぎると屈折率が大きくなり、またアッベ数が小さくなる傾向がある。さらにガラスが着色しやすくなる傾向がある。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を導入することができる。
Alはガラス化安定成分である。また化学耐久性の向上や失透の抑制が可能な成分である。Alの含有量は、0〜30%、2.5〜25%、特に5〜20%であることが好ましい。Alの含有量が多すぎると、溶融性が低下しやすくなる。また成形時に軟化しにくくなって製造が困難になる虞がある。
LiOは、ガラスの粘度を低下させるとともに、失透を抑制する成分である。LiOの含有量は、0〜10%、0.1〜9%、0.5〜7%、特に1〜5%であることが好ましい。LiOの含有量が多すぎると化学耐久性が低下しやすくなり、またガラスが失透しやすくなって製造が困難になる虞がある。
NaOは、ガラスの粘度を低下させるとともに、失透を抑制する成分である。NaOの含有量は、0〜10%、0.1〜7.5%、0.5〜5%、特に1〜2.5%であることが好ましい。NaOの含有量が多すぎると化学耐久性が低下しやすくなり、またガラスが失透しやすくなって製造が困難になる虞がある。
Oは、ガラスの粘度を低下させるとともに、失透を抑制する成分である。KOの含有量は、0〜10%、0.1〜8%、0.5〜6%、特に1〜4%であることが好ましい。KOの含有量が多すぎると化学耐久性が低下しやすくなり、またガラスが失透しやすくなって製造が困難になる虞がある。
またガラス組成中のLiO、NaO、KOの含有量は合量で10%以下、6%以下、特に5%以下とすることが好ましい。これらの成分の合量を上記のように限定すれば、樹脂硬化時に発生するガラスからのアルカリ成分の蒸発を抑制し易くなる。また化学耐久性の低下を抑制できることから、例えばアルカリ溶出による樹脂の劣化が抑制できる。それゆえ無色透明な立体造形物を容易に得ることができ、また得られた造形物の経時的な劣化を防止することができる。さらにガラスの熱膨張係数を小さくできることから、サーマルショックによる割れや硬化時の熱収縮が抑制できる。
MgOはガラス中で中間物質として働き、ガラスを安定化させる成分である。MgOの含有量は、0〜25%、0.5〜20%、特に1〜15%であることが好ましい。MgOの含有量が多すぎると化学耐久性が低下しやすくなり、またガラスが失透しやすくなって製造が困難になる虞がある。
CaOは、ガラス中で中間物質として働き、ガラスを安定化させる成分である。CaOは、0〜25%、0.5〜20%、特に1〜15%であることが好ましい。CaOの含有量が多すぎると化学耐久性が低下しやすくなり、またガラスが失透しやすくなって製造が困難になる虞がある。
SrOは、ガラス中で中間物質として働き、ガラスを安定化させる成分である。SrOの含有量は、0〜25%、0.5〜20%、特に1〜15%であることが好ましい。SrOの含有量が多すぎると化学耐久性が低下しやすくなり、またガラスが失透しやすくなって製造が困難になる虞がある。
BaOは、ガラス中で中間物質として働き、ガラスを安定化させる成分である。BaOの含有量は、0〜25%、0.5〜20%、特に1〜15%であることが好ましい。BaOの含有量が多すぎると化学耐久性が低下しやすくなり、またガラスが失透しやすくなって製造が困難になる虞がある。
ZnOはガラス中で中間物質として働き、ガラスを安定化させる成分である。ZnOの含有量は、0〜25%、0.5〜20%、特に1〜15%であることが好ましい。ZnOの含有量が多すぎると化学耐久性が低下しやすくなり、またガラスが失透しやすくなって製造が困難になる虞がある。
TiOは、屈折率、アッベ数を調整できる成分であり、またガラスの粘度を低下させる成分である。TiOの含有量は、0〜15%、0.1〜12%、0.5〜10%、特に1〜5%であることが好ましい。TiOの含有量が多すぎると屈折率が大きくなり、またアッベ数が小さくなる傾向がある。またガラスが着色しやすくなる。
またガラス組成中のNb、WOの含有量は合量で0〜30%、0.1〜25%、1〜20%、特に2〜15%とすることが好ましい。これらの成分の範囲を上記のように限定すれば、屈折率やアッベ数の調整がしやすくなるとともに、着色し難くなる。またガラスの失透の抑制が容易になる。さらに化学耐久性の高いガラスを得やすくなる。
なお、ガラスフィラーにナノ粒子を含有させても構わない。ナノ粒子はD50が1μm未満の粒子であり、液状の樹脂組成物を使用する場合、その粘度を上昇させることができる。結果として造形中のガラスフィラーの沈降を抑制することができる。ナノ粒子のD50は小さいほど粘度上昇の効果が大きいことから、500nm以下、200nm以下、100nm以下、50nm以下、20nm以下、特に10nm以下であることが好ましい。一方、D50が小さくなりすぎるとナノ粒子の製造及び取り扱いが困難であることから、1nm以上、特に2nm以上であることが好ましい。
ナノ粒子としては、フュームドシリカ、フュームドシリカアルミ、フュームドチタニア等が挙げられる。なかでも、フュームドシリカは、表面に多数のシラノール基を有し、各フュームドシリカ同士が水素結合して、液体樹脂中にて三次元網目構造を形成し、樹脂組成物の粘度を高める効果が高い。
次に、ガラスフィラーに混合する硬化性樹脂について説明する。
硬化性樹脂は、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂の何れであってもよく、採用する造形法によって適宜選択することができる。例えば光造形法を使用する場合は液状の光硬化性樹脂を選択すればよく、また粉末焼結法を採用する場合は粉末状の熱硬化性樹脂を選択すればよい。
上記光硬化性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、メラミン樹脂、(メタ)アクリル−スチレン共重合体、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒド、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、架橋(メタ)アクリル系樹脂、架橋ポリスチレン系樹脂、架橋ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、熱硬化型ポリイミド系樹脂、ユリア系樹脂、アリル樹脂、ケイ素樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド系樹脂、フラン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アニリン系樹脂等が挙げられる。
次に、本発明で製造される樹脂組成物について説明する。
樹脂組成物は、ガラスフィラーと硬化性樹脂を混合機にて混合することにより得られる。ガラスフィラーの量は、硬化性樹脂100質量部に対して50〜300質量部、60〜280質量部、特に70〜260質量部であることが好ましい。ガラスフィラーの量が少なすぎると、造形物の機械的強度が低くなる傾向がある。一方、ガラスフィラーの量が多すぎると、樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ、樹脂の流動性が低下し、造形が困難となる。なお、混合機としては、三本ロールミル、自公転ミキサー等が挙げられる。
次に、立体造形物の製造方法の一例を説明する。具体的には、光硬化性樹脂を含む樹脂組成物を用いた立体造形物の製造方法について説明する。
まず光硬化性樹脂組成物からなる1層の液状層を準備する。例えば液状の光硬化性樹脂組成物を満たした槽内に造形用ステージを設け、ステージ上面が液面から所望の深さ(例えば0.2mm程度)となるように位置させる。このようにすることで、ステージ上に液状層を準備することができる。
次に、この液状層に活性エネルギー線、例えば紫外線レーザーを照射して光硬化性樹脂を硬化させ、所定のパターンを有する硬化層を形成する。なお活性エネルギー線としては、紫外線の他に、可視光線、赤外線等のレーザー光を用いることができる。
続いて、形成した硬化層上に、光硬化性樹脂組成物からなる新たな液状層を準備する。例えば、前記した造形用ステージを1層分下降させることにより、硬化層上に光硬化性樹脂組成物を導入し、新たな液状層を準備することができる。
その後、硬化層上に準備した新たな液状層に活性エネルギー線を照射して、前記硬化層と連続した新たな硬化層を形成する。
以上の操作を繰り返すことによって硬化層を連続的に積層し、所定の立体造形物を得る。
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例]
(ガラスフィラーの作製)
質量%で、SiO 52.9%、Al 16%、B 15.8%、KO 3.4%、CaO 1.5%、ZnO 1.5%、TiO 1.2%、Nb 3.9%、WO 3.8%となるように、原料粉末を調合し、均一に混合した。得られた原料バッチを1580〜1600℃で均質になるまで溶融した後、一対のローラー間に流し出してフィルム状に成形しガラス材を得た。得られたガラス材を擂潰器にて粉砕し、その後、ジェットミルにて粉砕を行いガラス粉末を得た。
得られたガラス粉末をテーブルフィーダーで炉内へ供給し、空気バーナーでガラス粉末を1400〜2000℃で加熱し、溶融して、ガラス粉末を球状化しガラスフィラーの集合体を得た。このガラスフィラー集合体の粒度分布をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(島津製作所製 SALD−2200)にて測定したところ、D10が7μm、D50が10μm、D90が15.3μm、D90/D10が2.2であった。
また、ガラスフィラー(50個)の内部を光学顕微鏡にて観察したところ、気泡は確認されなかった。
(樹脂組成物の作製)
硬化性樹脂(デジタルワックス社製 DL360)100質量部に対してガラスフィラー87質量部となるように秤量した。さらに、自公転ミキサー(シンキー社製 ARE−310)を用いて、ガラスフィラー及び硬化性樹脂を混合し、樹脂組成物を得た。なお、光硬化後の硬化性樹脂の屈折率ndは1.514であった。
(透過率測定)
得られた樹脂組成物をスライドガラス上に適量採取し、厚さ0.5mmのガラス板をスペーサとしてもう一枚のスライドガラスで挟み、紫外線を照射して樹脂組成物を硬化させた。
次にスライドガラスを含めた樹脂組成物について、分光光度計(島津製作所製 UV−3100)により全光線透過率測定を行ったところ、588nmにおける透過率は84%と高かった。
[比較例]
(ガラスフィラーの作製)
ジェットミル粉砕をボールミル粉砕に変更したこと以外は、実施例と同様にして、ガラスフィラーの集合体を得た。このガラスフィラー集合体の粒度分布をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(島津製作所製 SALD−2200)にて測定したところ、D10が2.1μm、D50が8.4μm、D90が27.3μm、D90/D10が13であった。
また、ガラスフィラー(50個)の内部を光学顕微鏡にて観察したところ、気泡が確認された。
(樹脂組成物の作製、透過率測定)
比較例のガラスフィラーについて樹脂組成物の作製及び透過率測定を実施例と同様にして行ったところ、588nmにおける透過率は43%と低かった。

Claims (5)

  1. ガラス材を、分級機内蔵型粉砕機を用いて粉砕することによりガラス粉末とした後、ガラス粉末を加熱溶融することにより球状化する工程を含むことを特徴とするガラスフィラーの製造方法。
  2. 分級機内蔵型粉砕機がジェットミルであることを特徴とする請求項1に記載のガラスフィラーの製造方法。
  3. ガラスフィラーが、レーザー回折散乱式粒度分布測定による累積10%粒子径(D10)と累積90%粒子径(D90)との比D90/D10が4以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスフィラーの製造方法。
  4. ガラスフィラーが、ガラス組成として、質量%で、SiO 20〜70%、B 0〜50%、Nb 0〜20%、WO 0〜20%を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラスフィラーの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法によりガラスフィラーを製造する工程、及び、ガラスフィラーと硬化性樹脂を混合する工程、を含むことを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
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