JP5631028B2 - 筐体、筐体の製造方法および電子機器 - Google Patents

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本発明は、筐体、筐体の製造方法および電子機器に関し、例えば、板状体を樹脂部にインサート成形した筐体、筐体の製造方法および電子機器に関する。
近年、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、家電製品などの電子機器においては、小型薄型化が進み、筐体に高強度で複雑な形状が要求される。また、筐体の内部には、ディスプレイや回路基板、電池などが限られた空間に効率よく収納されている。例えば、携帯電話機では、可使時間を長くするため電池は厚く、電話の番号が描かれたキーシートは薄く設けられている。これらの電子機器で用いられる筐体は、板金の周縁に枠部となる樹脂をインサート成形により形成したものが多く利用されている。この筐体に部品を収納する場合、板金を中心に厚み方向に積み上げることで、電子機器の総厚を薄くする配置の工夫がされている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このような筐体では、枠部となる樹脂が板金に対してオフセットしており、板金を境にした表裏の樹脂材料の厚みが異なっている。したがって、板金の表裏で樹脂の体積が異なることに起因する成形収縮量の違いで、筐体全体の反りやヒケが発生する原因となる。
そのため、インサート成形における樹脂部に肉抜きを加える対応が一般になされている。肉抜きにより表裏の体積が同等となることで、成形収縮量が表裏で同等になり、全体の反りやヒケの改善を図ることができる。ところが、この技術においては、インサート成形における樹脂部の表面に肉抜き形状が残ってしまい、筐体の強度不足の問題や、外観上、デザイン性が損なわれてしまうという問題が生じる。
特開2009-042393号公報
本発明は、インサート成形によって形成される筐体の強度不足を抑制するとともに、樹脂部に外観上の影響を与えず、反りやヒケを防止する筐体、筐体の製造方法および電子機器を提供する。
本発明の一態様によれば、板状体と、前記板状体の少なくとも一部において一方の主面から他方の主面を覆うよう設けられ、前記板状体の主面に対して垂直な方向において前記板状体の前記一方の主面側へ偏って設けられた樹脂部と、前記板状体の前記一方の主面側における前記樹脂部の中に設けられ、樹脂、金属、およびセラミックの少なくともいずれかを含む体積調整部と、を備えたことを特徴とする筐体が提供される。
また、本発明の一態様によれば、板状体の一方の主面の一部に、樹脂、金属、およびセラミックの少なくともいずれかを含む体積調整部を固定する工程と、前記板状体の少なくとも一部および前記体積調整部の少なくとも一部を内包し、前記板状体の前記一方の主面から他方の主面を覆うとともに、前記板状体の主面に対して垂直な方向において前記板状体の前記一方の主面側へ偏って樹脂部を形成する工程と、を備えたことを特徴とする筐体の製造方法が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、板状体と、前記板状体の少なくとも一部において一方の主面から他方の主面を覆うよう設けられ、前記板状体の主面に対して垂直な方向において前記板状体の前記一方の主面側へ偏って設けられた樹脂部と、前記板状体の前記一方の主面側における前記樹脂部の中に設けられ、樹脂、金属、およびセラミックの少なくともいずれかを含む体積調整部と、を有する筐体と、前記筐体に設けられた電子回路とを備えたことを特徴とする電子機器が提供される。
本発明によれば、インサート成形によって形成される筐体の強度不足を抑制するとともに、樹脂部に外観上の影響を与えず、反りやヒケを防止する筐体、筐体の製造方法および電子機器を実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係る筐体の例を説明する斜視図である。 体積調整部の配置例を説明する斜視図である。 体積調整部周辺部の模式断面図で、(a)は図2に示す本実施形態の例のA−A’線矢視断面図、(b)は同位置の比較例(その1)、(c)は同位置の比較例(その2)を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る筐体を説明する模式断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る筐体の製造方法について順に説明する模式断面図である。 体積調整部の取り付け例を説明する模式断面図である。 体積調整部の他の例を説明する模式斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る筐体の例を説明する模式断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る筐体の例を説明する斜視図である。 本発明の第6の実施形態に係る電子機器の例を説明する斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る筐体の例を説明する斜視図である。第1の実施形態に係る筐体1は、板状体10と、板状体10の少なくとも一部において一方の主面(本実施形態では「表面」と言う。)から他方の主面(本実施形態では「裏面」と言う。)を覆うよう設けられる樹脂部20と、板状体10上の樹脂部20の中に設けられる体積調整部30とを備えている。
板状体10は、アルミニウム等の金属から成る平板をプレス加工して所定の大きさや形状に成形したものである。図1に示す例では長方形の外形から成る板状体10を示しているが、所定の位置に穴や切り欠きが形成されていてもよい。また、本実施形態では板状体10として金属の平板を例とするが、金属には限定されず、樹脂等の他の材質であってもよい。
樹脂部20は、板状体10をインサートして成形されたもので、図1に示す例では板状体10の周縁を取り囲むように板状体10の表裏面を覆うよう設けられている。樹脂部20が板状体10の周縁を取り囲むことで枠体が構成され、この枠体の内側となる板状体10の表面や裏面に所望の部品を実装する領域が設けられるようになる。
なお、樹脂部20は板状体10の周縁を取り囲む部分に限定されず、例えば板状体10の表裏全面に設けられていたり、板状体10の中央部に板状体10を間に挟む状態で設けられていてもよい。
体積調整部30は、例えば樹脂材料(樹脂部20と同じ樹脂材料や異なる樹脂材料)、金属、セラミックス、その他、適宜各種の材料によって構成されている。体積調整部30は、板状体10の表面側の樹脂部20と裏面側の樹脂部20との体積を調整するために板状体10に設けられたものである。
ここで、樹脂部20は、板状体10の主面に対して垂直な方向において板状体10の一方の主面側(本実施形態では表面側)に偏って形成されている。すなわち、樹脂部20は板状体10を間にして表面側の外形高さが裏面側の外形高さより高くなるよう設けられている。これは樹脂部20が偏って設けられた側の板状体10の主面に多くの部品を実装できるようにするためである。
体積調整部30は、樹脂部20における偏った側の内部に設けられていて、偏った側の樹脂部20の体積を減らす役目を果たしている。つまり、樹脂部20が板状体10に対して偏って設けられる構成において、体積調整部30が設けられることにより、体積調整部30が設けられていない場合に比べ、樹脂部20の体積が体積調整部30の量だけ減少することになる。
特に、本実施形態では、体積調整部30が設けられることで、板状体10の表面側となる樹脂部20の体積と、裏面側となる樹脂部20の体積とが近づくよう設定される。より好ましくは、体積調整部30を設けることで、板状体10の表面の樹脂部20の体積と裏面側の樹脂部20の体積とが等しくなるようにすることである。
体積調整部30が設けられることにより、板状体10をインサートして樹脂部20を成形する場合、板状体10の表面側と裏面側とで樹脂部20の収縮量の差が小さくなり、反りやヒケとった表裏で樹脂の量が違うことで生じる影響を抑制できることになる。
図2は、体積調整部の配置例を説明する斜視図である。本実施形態における体積調整部30は例えばブロック状に形成され、板状体10の樹脂部20(図1参照)を成形する箇所であって、樹脂部20(図1参照)を偏って形成する表面側に固定される。体積調整部30の大きさや配置は成形する樹脂部20の形状によって適宜設定される。図2に示す例では、板状体10の周縁に複数の体積調整部30が配置されている。これ以外の配置としては、例えば、板状体10の周縁の全周にわたり枠状の体積調整部30を配置してもよい。また、必要に応じて板状体10の裏面に体積調整部30が配置されていてもよい。
図3は、体積調整部周辺部の模式断面図であり、(a)は図2に示す本実施形態の例のA−A’線矢視断面図、(b)は同位置の比較例(その1)、(c)は同位置の比較例(その2)である。
図3(b)に示す比較例(その1)では、本実施形態のような体積調整部30が設けられていない例である。板状体10をインサートして樹脂部20を成形するにあたり、構造上、板状体10が樹脂部20の高さの中央付近に配置できない場合、樹脂部20が一方に偏ることになる。図3(b)に示す例では、樹脂部20が板状体10の表面側(図中上方側)に偏っている。このように樹脂部20が偏っていると、インサート成形時に樹脂部20の厚肉になる側の収縮量が薄肉になる側に比べて大きくなり、反りやヒケが発生する。
図3(c)に示す比較例(その2)は、上記比較例(その1)に対する対策を施した例である。この例では、板状体10の表面側に樹脂部20が偏って設けられており、偏った側の樹脂部20に肉抜きNを設けたものである。このような肉抜きNを設けることで板状体10の表面側と裏面側との樹脂部20の体積の差を少なくし、比較例(その1)のような反りやヒケの発生を抑制する。しかし、樹脂部20の表面に窪みとなった肉抜きNを設けると、樹脂部20の剛性低下や外観を損なうという問題が生じる。
図3(a)に示す本実施形態では、板状体10の表面側に樹脂部20が偏って設けられており、この偏った側の樹脂部20内に体積調整部30が設けられている。体積調整部30が設けられることで偏った側の樹脂部20の体積が減少し、板状体10に対して反対側の樹脂部20の体積との差を抑制する。これにより、樹脂部20の外観では図3(b)に示す比較例(その1)のように平坦となっているものの、図3(c)に示す比較例(その2)のような表面の窪みを設けることなく、反りやヒケの発生を抑制することができる。また、樹脂部20の内部に体積調整部30が設けられることで、樹脂部20の剛性を高めることもできる。
ここで、板状体10の表面側および裏面側の樹脂部20の体積とは、具体的には、板状体10の位置に対応した樹脂部20(図3(a)に示すwの範囲)における表面側の樹脂部20aと裏面側の樹脂部20bとの各々の体積のことを言う(図中樹脂部20内のハッチング部分参照)。体積調整部30を設けることで、設けない場合に比べ、表面側の樹脂部20aの体積が減少する。このように、体積調整部30を設けることにより、表面側の樹脂部20aの体積を、裏面側の樹脂部20bの体積に近づけるようにする。
成形時の反りやヒケは、板状体10の表面側の樹脂部20aの体積と、裏面側の樹脂部20bの体積との差に起因する。したがって、本実施形態では適宜の大きさから成る体積調整部30を設けることで、表面側の樹脂部20aの体積を調整し、裏面側の樹脂部20bの体積との差を抑制する。
なお、本実施形態では、板状体10の表面側のみに体積調整部30を設けたが、必要に応じて裏面側や表裏両面に設けるようにしてもよい。すなわち、筐体全体の樹脂部20の形状によって成形時の反りやヒケの発生の観点から表裏のバランスをとるため、体積調整部30を適宜の位置、表裏のいずれか一方、または両方に設けるようにしてもよい。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る筐体を説明する模式断面図である。なお、ここでは第1の実施形態と同じ構成は説明を省略し、相違する点を中心に説明を行う。図4は、樹脂部近傍の模式断面図を示している。図4(a)に示す筐体1の例では、板状体10の表面側で樹脂部20内に設けられる体積調整部30の表面にアンテナ40が設けられた構成となっている。アンテナ40は体積調整部30の表面に予め貼り付けられており、この状態でインサート成形により樹脂部20を形成する。アンテナ40は樹脂部20の表面の略同一面上に露出する状態となっている。
この例では、体積調整部30を樹脂部20の体積調整用として用いるとともに、アンテナ40を樹脂部20の表面から露出させるための台座としても用いるようにしている。なお、アンテナ40は体積調整部30の表面の全体に設けられていても、表面の一部に設けられていてもよい。アンテナ40が体積調整部30の表面の全面に設けられている場合、樹脂部20の高さは一定となることから、体積調整部30の幅によって樹脂部20の体積を調整する。一方、アンテナ40が体積調整部30の表面の一部に設けられている場合、アンテナ40が設けられていない部分では高さを低くすることもでき、この部分での高さや体積調整部30の幅によって樹脂部20の体積を調整するようにする。
図4(b)に示す筐体1の例では、板状体10の表面側で樹脂部20内に設けられる体積調整部30の表面にアンテナ40が設けられている点で図4(a)に示す筐体1と同じであるが、アンテナ40が樹脂部20の中に埋め込まれている点で相違する。この例では、体積調整部30の高さを調整することで表面に取り付けたアンテナ40が樹脂部20の表面から露出しないようにしている。
図4(a)、(b)に示す例では、いずれも体積調整部30の表面にアンテナ40が設けられているが、十分な特性を得たい場合には図4(a)に示すアンテナ40が体積調整部30の表面から露出する態様を適用する。これは、板状体10が金属から成る場合、アンテナ40をなるべく板状体10から離したいことと、アンテナ40を表面に露出させることができるためである。一方、外観上、アンテナ40を見せたくない場合には図4(b)に示すアンテナ40が体積調整部30に埋め込まれている対応を適用すればよい。
いずれの例でも、アンテナ40を樹脂部20にインサート成形する際、体積調整部30に確実に固定された状態で成形できるため、成形時のアンテナ40の変形を抑制することができる。なお、図4(a)、(b)に示す例では、いずれのアンテナ40を設ける例を示したが、アンテナ40以外の物、例えば、接地や電源線等の配線、電極、電子部品、回路基板、磁石等の機能部材など、各種のものを取り付けることもできる。また、アンテナ40等の機能部材は体積調整部30の表面以外でも、体積調整部30の裏面側や内部に埋設されていてもよい。
図4(c)に示す筐体1の例は、特定の機能を持った体積調整部を用いる例である。すなわち、この例で用いる体積調整部30は、例えば、強度向上、放熱性向上、電磁シールド性向上といった各々の機能に適した材料が用いられている。強度向上を図る場合には、体積調整部30として板状体10よりも高強度の材料を用いる。また、放熱性向上を図る場合には、体積調整部30として板状体10より熱伝導率の高い材料を用いる。また、電磁シールド性向上を図る場合には、体積調整部30として所定の周波数に対してシールド性の優れた材料を用いる。
図4(d)に示す筐体1の例は、体積調整部30の表面に凹凸300が設けられた例である。体積調整部30は、インサート成形によって樹脂部20内に埋め込まれる。この際、樹脂部20と体積調整部30との密着性は、樹脂部20と体積調整部30との材質によって影響を受ける。例えば、同じ材質であれば密着性は高いが、異なる材料であると密着性が低くなる傾向にある。このため、樹脂部20と体積調整部30との密着性を向上させる観点から、体積調整部30の表面に微小な凹凸300を設け、樹脂部20が凹凸300に入り込むようにして密着性を高めるようにする。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る筐体の製造方法について説明する。図5は、本発明の第3の実施形態に係る筐体の製造方法について順に説明する模式断面図である。先ず、図5(a)に示すように、板状体10の所定の位置に体積調整部30を取り付ける。本実施形態では、図5(b)に示すように板状体10の表面側の周縁部に体積調整部30を取り付けている。
ここで、体積調整部30の取り付け例について説明する。図6は、体積調整部の取り付け例を説明する模式断面図である。図6(a)は、体積調整部30を板状体10に接着剤Bによって接続した例である。
また、図6(b)は、体積調整部30を板状体10に嵌合によって取り付けた例である。この例では、体積調整部30の裏面に凸部30aを設け、板状体10の表面に凹部10aを設け、これらを嵌合することで体積調整部30を取り付ける。なお、凹凸は反対であってもよい。また、凹凸の形状や嵌め合い等によって取り付け強度を調整したり、バネ性を持たせてスナップフィットによって取り付けるようにしてもよい。
また、図6(c)は、体積調整部30を板状体10にアウトサート成形によって設けた例である。この例では、板状体10に表面から裏面に向けて広がるテーパ状の穴10bを設けておき、この穴10bに体積調整部30の凸部30bが入り込むよう金型を用いたアウトサート成形を行う。これにより、設けられた体積調整部30の凸部30bは板状体10のテーパ状の穴10bに引っ掛かり、確実に固定される状態となる。
なお、上記の接続方法のほか、熱溶着や熱カシメ等の熱を利用した固定も適用可能である。
図5の説明に戻る。板状体10に体積調整部30を取り付けた後は、図5(c)に示すように、体積調整部30が取り付けられた板状体10を金型の上型K1と下型K2との間で挟持する。この際、上型K1と下型K2との間に構成されるキャビティK0に体積調整部30が配置される状態となる。
次に、図5(d)に示すように、この状態でキャビティK0内に溶融した樹脂を注入する射出成形を行う。これにより、キャビティK0内に樹脂が注入され、板状体10の周縁部および体積調整部30を包囲する樹脂部20が成形される。キャビティK0内に溶融した樹脂を注入する際、板状体10に対してキャビティK0の容積が大きい側に体積調整部30が配置されていることから、板状体10の表面側と裏面側とで樹脂の注入量の差がない、もしくは少なくなる。これにより、樹脂が硬化する際の収縮量の差を抑制し、反りやヒケの発生を防止する。
キャビティK0内に注入した樹脂が硬化した後は、上型K1および下型K2を開く。これにより、図5(e)に示すように筐体1が完成する。このようにして製造された筐体1は、外観上、樹脂部20が板状体10に対して偏って形成されていても、内部の体積調整部30の作用によって反りやヒケが抑制されたものとなる。
(体積調整部の他の例)
図7は、体積調整部の他の例を説明する模式斜視図である。先に説明した体積調整部30は、いずれの直方体であるが、図7に示す例は直方体以外の例となっている。図7(a)は、平面視長円状となっている体積調整部30の例である。すなわち、直方体の体積調整部30に対して両側の端部が半円柱状もしくは曲面によって構成されている。これにより、樹脂部を射出成形する際に溶融した樹脂の流れが円滑になる。
図7(b)は、体積調整部30の両端が先細りになっている例である。このように先端にいくほど細くなる形状でも、樹脂部を射出成形する際の溶融樹脂の流れが円滑になる。
図7(c)は、長手方向に沿って体積調整部30の高さが異なっている例である。この例では、体積調整部30の中央部の一部が他の部分より高く設けられている。これは、4(a)に示すアンテナ40を設ける場合など、樹脂部の表面近くや表面から露出するように部品を取り付ける場合等に適用される。
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施形態に係る筐体の例を説明する模式断面図である。第4の実施形態に係る筐体1は、板状体10の表面側、すなわち樹脂部20が偏って設けられる側に体積調整部30が設けられている点で第1の実施形態と同様であるが、体積調整部30が板状体10と一体である点で相違する。
図8(a)に示す筐体1は、板状体10における体積調整部30となる部分の厚さが他の部分に比べて厚く設けられている。すなわち、この筐体1は、板状体10をインサートする樹脂部20が表面側に偏って成形されており、偏った側の樹脂部20の内側に配置される板状体10の厚さが樹脂部20より外側の板状体10の厚さより厚くなっている。このような板状体10を構成するには、例えば、体積調整部30に対応する厚さの金属板を用い、体積調整部30以外の部分をプレス加工や鍛造によって薄肉化することが挙げられる。
体積調整部30が板状体10と一体に設けられていることで、別途に体積調整部30を取り付ける必要がなくなるとともに部品点数の削減を図ることができる。
図8(b)に示す筐体1は、板状体10における体積調整部30となる部分が、板状体10の端部を折り曲げることで構成されている。すなわち、この筐体1は、板状体10をインサートする樹脂部20が表面側に偏って成形されており、この偏った側に板状体10の端部が折り曲げられたものとなっている。板状体10の端部を折り曲げることで厚さが増加することから、この部分に体積調整部30の役目を持たせる。図8(b)に示す例では、板状体10の端部を一度折り曲げているが、二度以上折り曲げて体積調整部30となる部分の厚さを調整してもよい。
(第5の実施形態)
図9は、第5の実施形態に係る筐体の例を説明する斜視図である。第5の実施形態に係る筐体1の例は、板状体10に段差が設けられている点に特徴がある。すなわち、板状体10の例えば中央部分に段差Dが設けられている。したがって、板状体10の周縁部に設けられる樹脂部20の偏りの量が段差Dを境にして異なっている。図9に示す例では、図中手前側の部分より図中奥側の部分の方が樹脂部20の偏りの量が少ない。
これは、筐体1に収納する部品の厚さや収納状態(例えば、部品を積層して収納する差異の積層数)によっては筐体1の収納深さに変化を設けたい場合に対応したものである。本実施形態では、板状体10に設けられた段差Dによって樹脂部20の偏りの量に相違がある場合、この量に応じて体積調整部30の高さを調整している。
図9に示す模式断面図は、斜視図におけるB−B’線矢視断面図およびC−C’線矢視断面図である。B−B’線矢視断面図に示す樹脂部20の偏り量は、C−C’線矢視断面図に示す樹脂部20の偏り量より少なくなっている。このため、B−B’線矢視断面図に示す樹脂部20には高さh1の体積調整部30bが設けられ、C−C’線矢視断面図に示す樹脂部20には高さh1より高い高さh2の体積調整部30aが設けられている。
つまり、樹脂部20の偏り量によって板状体10の表面側の樹脂部20の体積が変わることから、裏面側の樹脂部20の体積とのバランスをとるため、体積調整部30a、30bの高さの異なるものを適用する。これにより、樹脂部20の偏り量が筐体1内で異なっていても、それに対応した体積調整部30a、30bの適用によって反りやヒケを抑制することができる。なお、樹脂部20の偏りがない部分や反りやヒケに影響を与えない部分については体積調整部を設けなくてもよい。
(第6の実施形態)
図10は、本発明の第6の実施形態に係る電子機器の例を説明する斜視図である。第6の実施形態に係る電子機器100は、上記説明した本実施形態の筐体1と、筐体1に設けられる電子回路50とを備えている。図10に示す例では、筐体1に電池60が収納されている。また、電子機器100の構成に応じて、例えばマイク、スピーカ、アンテナ、表示パネル、キーシートといった部品が収納される。
本実施形態の電子機器100に用いられる筐体1は、上記説明したように、板状体10に対して樹脂部20が偏って設けられている。電子回路50や電池60は、板状体10の樹脂部20が偏った側の主面に収納される。なお、薄型の部品等は板状体10の樹脂部20が偏った側と反対側の主面に収納することもできる。
また、筐体1として、図9に示すような板状体10に段差Dが設けられたものを適用してもよい。この場合、比較的厚さのある電池60等を樹脂部20がより偏った側に収納し、比較的薄い電子回路50等を樹脂部20の偏りが少ない側の主面やその反対側の主面に収納する。
いずれの筐体1を用いた場合でも、樹脂部20に設けられた体積調整部30によって、筐体1の反りやヒケが抑制されていることから、精度良く電子回路50や電池60等の部品を収納することができる。
また、図10には示されないが、筐体1の樹脂部20の表面に図4(a)、(b)に示すようなアンテナ40が設けられていてもよい。例えば、電子機器100が通信機能を備えた携帯端末(携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等)の場合、このようなアンテナ40を設けるようにしてもよい。
電子機器100の例としては、上記携帯端末のほか、マルチメディアプレーヤ、カード型記憶装置、映像記録再生装置、無線通信カード、スマートカード(ICカード)、リモートコントローラ等、各種の電子機器に適用可能である。
また、本実施形態の筐体1に用いる体積調整部30は、いずれも中実構造の例を説明したが、中空構造であってもよい。体積調整部30を中空構造にすることで種々の形態を実現することができる。例えば、体積調整部30の中空構造によって筐体1に浮力を持たせ、例えば水没した際に浮かせるようにする。また、体積調整部30の中空構造の長さや形状によってスピーカの音を響かせる音響効果を持たせる。
また、体積調整部30の中空構造内に液体、気体、ゲル状体、その他の機能材料を収納してもよい。例えば、体積調整部30の中空構造内に香料を収納することで、筐体1から香料による香りを放出させる。また、体積調整部30の中空構造内に、時間経過で樹脂部20に染み出す顔料や化学薬剤を収納しておき、時間の経過とともに樹脂部20の色が変わる筐体1を実現する。また、体積調整部30の中空構造内を小物入れとして利用する。例えば、中空構造の端部が樹脂部20の端部から開口するように構成し、樹脂部20の外側から体積調整部30の中空構造内に長尺物(例えば、ペン)を収納するよう利用する。また、例えば、予め体積調整部30の中空構造内に小物を収納した状態で筐体1を構成し、小物を体積調整部30内(樹脂部20内)に封入しておく。そして、筐体1の利用が終了した際、筐体1を破壊して封入した小物を取り出すといった利用が考えられる。
また、体積調整部30として成形後に溶かすことができる材料を用いてもよい。これにより、樹脂部20の成形時には体積の調整用として作用し、成形後に薬剤等によって溶かして樹脂部20内の体積調整部30の部分を中空にする。例えば、体積調整部30に顔料を混入しておき、樹脂部20を透明材料で成形して、成形後に体積調整部30を溶かすようにする。これにより、体積調整部30が溶けて形成された樹脂部20の中空内部に顔料が残り、中空内部の色(顔料の色)を透明の樹脂部20を介して臨むことができるようになる。
以上、本発明の実施形態およびその変形例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態またはその変形例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
1…筐体、10…板状体、20…樹脂部、30…体積調整部、40…アンテナ

Claims (5)

  1. 板状体と、
    前記板状体の少なくとも一部において一方の主面から他方の主面を覆うよう設けられ、前記板状体の主面に対して垂直な方向において前記板状体の前記一方の主面側へ偏って設けられた樹脂部と、
    前記板状体の前記一方の主面側における前記樹脂部の中に設けられ、樹脂、金属、およびセラミックの少なくともいずれかを含む体積調整部と、
    を備えたことを特徴とする筐体。
  2. 前記体積調整部が設けられることで、前記板状体の前記一方の主面側における前記樹脂部の体積が、前記他方の主面側における前記樹脂部の体積に近づいてなる、
    ことを特徴とする請求項1記載の筐体。
  3. 前記樹脂部は、前記板状体の周縁部分に設けられた、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の筐体。
  4. 板状体の一方の主面の一部に、樹脂、金属、およびセラミックの少なくともいずれかを含む体積調整部を固定する工程と、
    前記板状体の少なくとも一部および前記体積調整部の少なくとも一部を内包し、前記板状体の前記一方の主面から他方の主面を覆うとともに、前記板状体の主面に対して垂直な方向において前記板状体の前記一方の主面側へ偏って樹脂部を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする筐体の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の筐体と、
    前記筐体内に設けられた電子回路と、
    を備えたことを特徴とする電子機器。
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