JP4554063B2 - チタン酸化被膜の形成方法およびチタン電解コンデンサ - Google Patents

チタン酸化被膜の形成方法およびチタン電解コンデンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化被膜の形成方法およびコンデンサに関し、詳しくは、大きな静電容量を持ちかつ優れた絶縁性を有する緻密な酸化被膜を金属チタン基体に形成する方法およびこれを利用して緻密な酸化被膜を有する金属チタン基体を陽極として使用するチタン電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の固体電解コンデンサを代表とする小型大容量電解コンデンサとしては、タンタル電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサが代表的に実用化されている。
【0003】
タンタル電解コンデンサは、金属タンタルの多孔質焼結体を電極とし、これを陽極酸化して誘電体酸化被膜を形成して製造される。このように形成されたタンタルの酸化被膜は非常に安定であることから誘電特性が良好でかつ寿命が長いという特徴を有している。また、アルミニウム電解コンデンサは、同様に金属アルミニウム箔あるいは焼結体に誘電体として酸化アルミニウムを陽極酸化により形成して製造される。
図4は、タンタル電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサの一例を便宜上併せて示す模式図である。ここでは、陽極として、絶縁体層としてタンタル酸化物(Ta25)を有するTa粉末多孔質焼結体あるいは絶縁体層としてアルミニウム酸化物(Al23)を有するAl粉末多孔質焼結体を示し、陽極リード線として、Ta線あるいはAl線が焼結体中にそれぞれ埋め込まれる。陰極としては、二酸化マンガン(MnO2)固体電解質とカーボン+Ag陰極(陰極導電層)とを例示してある。
【0004】
タンタル電解コンデンサの場合、例えば、粒径10〜20μmのタンタル粉末をプレスで圧縮成型し、焼結して多孔質焼結体を形成する。これを陽極酸化して酸化被膜を得る。この多孔質焼結体は表面積が極めて大きいので、大きな静電容量が得られる。この後、酸化被膜上に硫酸マンガンなどのマンガン化合物を加熱処理して酸化マンガンを陰極とするか、あるいは、多孔質焼結体を硝酸マンガンの水溶液に浸漬し、これを電気炉で熱分解して二酸化マンガンとする工程を繰り返して二酸化マンガン層を成長せしめ、十分な電解質層を形成する。多孔質焼結体の細孔の隅々まで二酸化マンガンが充填被覆される。あるいは導電性高分子化合物を陰極としてコンデンサを作成することができる。その上にカーボン層を付着させて導電抵抗を下げ、更に銀ペーストを塗布して外部リード線(図示無し)がはんだ付けされる。二酸化マンガン形成後に、導電性ポリマを形成した2重構造とすることもできる。液体電解質の使用も可能である。アルミニウム電解コンデンサの場合もこれに準じる。
【0005】
しかしながら、タンタル電解コンデンサにおいては、タンタルが高価という問題がある。他方、アルミニウム電解コンデンサにおいては、アルミニウムは安価であるが、図4のアルミニウム電解コンデンサの場合の一部の拡大図に示すように、コンデンサを形成した際、アルミニウム酸化膜中に酸素欠陥が生じ、半導体化することによる発生する漏洩電流が大きいために寿命が短く、またアルミニウムは単位面積当たりの誘電率がタンタルより小さく小型で大容量のコンデンサをつくることが難しいという問題があった。
【0006】
上記のような従来の問題を解決するため、陽極に金属チタンを使用し、これに酸化チタンあるいは複合酸化チタンなどの酸化被膜を形成したチタン電解コンデンサの開発が多く試みられてきた。つまり、チタンはタンタルより安価であり、さらに酸化チタンは酸化タンタルあるいは酸化アルミニウムに比べて誘電率が非常に高いため、チタン電解コンデンサは、従来技術の課題であった安価で大容量の電解コンデンサの開発への大きな可能性を有するものである。
【0007】
図1は、チタン電解コンデンサの概念図を示す(図4において、Ta,Al粉末をTi粉末に、Ta,Al酸化物をTi酸化物にそしてTa,Al線をTi線にそれぞれ置き換えたものである)。チタン基体陽極1にはチタン酸化被膜2が形成されて、陽極を構成する。陽極にはチタン線が付設される。図3と同様に、固体電解質3としてMnO2を例示し、その上にカーボン層4を付着させて導電抵抗を下げ、更に銀ペースト5を塗布して外部リード線(図示無し)がはんだ付けされた構造が例示される。仕上がった素子は外部の湿気や汚染から保護するためにケース6に封入される。このようなチタン電解コンデンサを開発するため、誘電体膜としてのチタン酸化被膜の誘電率の向上を中心として種々の試みがなされている。
【0008】
例えば、特開平5−121275号公報では、チタン金属板の陽極酸化を電解質含有水溶液中で定電圧での陽極酸化中に電流が上昇を始める時点より前に陽極酸化を終了し、次いで水分含量60重量%以下の有機溶媒よりなる電解液を用いて温度60℃以下で陽極酸化を行い、チタン板上に酸化皮膜を形成し、これを160〜350℃の温度で熱処理を行い、得られたチタンを陽極とし、酸化皮膜上に陰極として固体電極(二酸化マンガン等)または電解質溶液(リン酸アンモニウム4重量%−水36重量%−エチレングリコール60重量%)を介して電極(白金箔)を形成してチタン電解コンデンサを製造する方法が開示されている。水溶液中での陽極酸化により得られた酸化被膜を有するチタン板を再度水分含量60重量%以下の有機溶媒よりなる電解液を用いて陽極酸化を行い、チタン上に酸化皮膜を形成することを特徴とする。
【0009】
特開平9−17684号公報では、チタンを主成分とする金属よりなる多孔性の焼結体と、該焼結体の表面に形成されたチタン酸ストロンチウムなどのペロブスカイト型複合酸化物を主成分とする誘電体膜と、該誘電体膜の表面に形成された導体または半導体からなる電極と、誘電体または半導体電極と導通し、前記焼結体と対向する対向電極(グラファイト層、銀電極層)とを備え、前記導体または半導体は、マンガン、ニッケルなどの金属酸化物と導電性高分子化合物(ポリピロール)の2層構造からなることを特徴とするコンデンサが開示されている。
誘電体膜上に導体または半導体からなる電極が形成されているため、コンデンサ全体を大型化することなく大きな静電容量を実現することができるとする。
【0010】
さらに、特開2000−77274号公報では、チタンを主成分とする金属よりなる多孔性の焼結体を、Aイオン(AはBa,SrまたはPbのうち少なくとも一つ)、Bイオン(BはZrまたはTiのうち少なくとも一つ)を含むアルカリ水溶液中で加熱処理し、多孔性の焼結体表面にABO3被膜を形成し、さらに、ABO3被膜が形成された多孔性焼結体をCイオン(CはBaまたはSrのうち少なくとも1つ)とPbイオンを含むアルカリ水溶液中で加熱処理し、導電性のCPbO3薄膜を対向電極として形成し、その後グラファイト層および銀電極層を形成することにより得られるコンデンサとその製造方法が開示されている。
小型で大きな静電容量を持ち、製造が容易なコンデンサを製造すると記載する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は誘電体膜の誘電率を向上させ、容量の大きいコンデンサを作成している。しかしながら、上記従来技術で作成した金属チタン表面のチタン系の酸化被膜は、誘電率は高いものの、その緻密性、安定性に欠け、コンデンサとして使用した際の漏洩電流が非常に大きく、実用化するには未だ不十分であった。
【0012】
従って、本発明の課題は、誘電率が大きく安定な酸化被膜を金属チタン基体表面に形成する方法を開発し、このような酸化被膜を利用することによって小型で大容量でかつ漏洩電流の小さい寿命の長いチタン電解コンデンサを提供するところにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、金属チタン基体表面への酸化チタンを主とする酸化被膜の形成方法について鋭意検討した結果、再酸化法という新たな手法によって高誘電率でかつ漏洩電流の少ない安定した酸化被膜を形成する方法を見出し、本発明に至った。即ち、表面に酸化被膜を有する金属チタン基体を真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で焼成し、酸化被膜を減少もしくは見かけ上消失させてチタン表面を実質上金属状態に戻した後、金属チタン表面を再酸化処理するという再酸化法により酸化被膜を形成することにより、非常に緻密な酸化被膜が得られることが見出されたものである。
また、この酸化被膜の変化状況を定義するには50nmを境界とすることが適正と判断された。
尚、本発明においては、酸化被膜厚さ測定は、金属チタン板表面近傍の酸素濃度分布をオージェ電子分光法により測定し、その酸素濃度分布より酸化被膜の厚さを測定した。オージェ電子分光法による測定は、PHISICAL ELECTRONICS社製 PHI−680型装置を用い、電子銃の加速電圧を5kv、資料電流を約10nAとし、イオン銃のイオン種をAr+、ビーム電圧を5kv、スパッタ速度を約43nm/minとして、資料の測定領域を約3μm角とした。
【0014】
以上の知見に基づいて、本発明の酸化被膜の形成方法は、表面に厚さ50nm以上の酸化被膜を有する金属チタン基体を真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で焼成して、該酸化被膜の厚さを50nm未満とし、その後該焼成した金属チタン基体表面を酸化処理することにより該金属チタン基体表面に酸化被膜を再形成することを特徴とする。前記焼成を500〜900℃の温度において行うことおよび前記酸化処理を陽極酸化によりあるいは酸素若しくは酸素含有雰囲気中での加熱により実施することが好ましい。
【0015】
また、この酸化被膜の形成方法を利用して、本発明は、表面に厚さ50nm以上の酸化被膜を有する金属チタン基体を真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で焼成して、該酸化被膜の厚さを50nm未満とし、その後該金属チタン基体表面を酸化処理して再形成された酸化被膜を有する金属チタン基体を陽極として使用することを特徴とするチタン電解コンデンサを提供する。
【0016】
本発明において、用語「酸化被膜」は、酸化チタン被膜のみならず、ストロンチウムやバリウムなどの他元素を含むチタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウムのような酸化チタンの複合酸化物も含むものとする。
【0017】
【発明の実施の形態】
既に図1において説明したように、チタン陽極基体1にはチタン酸化被膜2が形成されて、陽極を構成する。陽極にはチタン線が付設される。固体電解質3としてMnO2を例示し、その上にカーボン層4を付着させて導電抵抗を下げ、更に銀ペースト5を塗布して外部リード線(図示無し)をはんだ付けする陰極構造が例示される。仕上がった素子は外部の湿気や汚染から保護するためにケース6に封入される。
【0018】
本発明で用いられる金属チタン基体は、金属チタン板あるいは金属チタン粉末を焼結した多孔質焼結体であるが、通常、チタン電解コンデンサを作成する場合は、陽極として、後者の金属チタン粉末を焼結した多孔質焼結体が用いられる。
この多孔質焼結体を作成する際、原料として金属チタン粉末を使用してもよいが、脆化された水素化チタン粉末も使用することができる。水素化チタン粉末を使用した場合、焼結前、焼結時あるいは焼結後に減圧下で加熱処理し脱水素処理を行う。
【0019】
上記の金属チタン粉末の多孔質焼結体を作成する際、用いる金属チタン粉末は通常、粒径が1〜150μm、平均粒径5〜100μmである。多孔質焼結体の作成方法については公知の方法を採用し得るが、例えば先ずチタン粉末をプレス成形機により加圧成形する。このとき、必要に応じてスチレン樹脂、アクリル樹脂、樟脳などのバインダーをチタン粉末に混合する。このように成形したものを真空中にて600〜900℃で焼成する。このようにして作成した多孔質焼結体をコンデンサに使用する場合、チタン線を加圧成形時あるいは焼成後に取り付ける。コンデンサを作成した際の静電容量を大きくするために、多孔質焼結体は、できるだけ比表面積が大きくなるように作成することが必要である。具体的には、多孔質焼結体の焼結密度(金属チタンの真比重に対する多孔質焼結体の密度の割合)は30〜70%になるように作成することが好ましい。焼結密度を高くすると、比表面積は小さくなる。焼結密度を低くし過ぎると、比表面積は大きくなるが多孔質焼結体の強度が小さくなりコンデンサとして使用できなくなる。
【0020】
以下、本発明工程を順を追って説明する:
A.酸化被膜を有する金属チタン基体:
また、本発明で用いられる金属チタン基体はその表面に厚さ50nm以上、好ましくは50〜500nm、より好ましくは100〜200nmの酸化被膜を有することを前提とする。本発明において、酸化被膜は、酸化チタン被膜のみならず、ストロンチウムやバリウムなどの他元素を含むチタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウムのような酸化チタンの複合酸化物も含む。
【0021】
この酸化被膜は種々の方法により形成することができるが、例えば(イ)酸素存在下での加熱処理、(ロ)チタン酸あるいは有機チタン化合物による金属チタンの表面処理、(ハ)四塩化チタンによる表面処理、あるいは(ニ)電気化学的処理などが挙げられる。
【0022】
(イ)酸素存在下での加熱処理の場合、その処理温度は500〜900℃が好ましく、酸素濃度は通常20〜100%である。
【0023】
(ロ)チタン酸または有機チタン化合物で処理をする方法に場合、用いられるチタン酸はオルトチタン酸、メタチタン酸、ペルオクソチタン酸などである。この中でも水溶液にした際のpHが中性領域で使用できるペルオクソチタン酸が好ましく用いられる。
上記ペルオクソチタン酸は、ペルオキシチタン酸又は過酸化チタンとも言われるもので、その構造は、H4TiO5、Ti(OOH)(OH)3又はTiO3・2H2Oで示される。ペルオクソチタン酸は、通常、黄色、黄褐色又は赤褐色の透明粘性水溶液(ゾル溶液)で取り扱われ、市販されているものが使用できる。市販品としては、例えば「PTA−85」、「PTA−170」(いずれも(株)田中転写製のPTA水溶液である)が挙げられる。また、公知の方法によって調製することも可能であり、例えば、四塩化チタン水溶液をアンモニア水で加水分解し、水酸化チタンを含むスラリーを生成し、これを洗浄した後、過酸化水素を加えてペルオキシチタン酸水溶液を得る。
また有機チタン化合物としては、アルコキシチタンが好ましく、具体的にはテトラn−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタンなどが挙げられる。これらのアルコキシチタンを含む有機チタン化合物は通常イソプロピルアルコールなどのアルコール、エーテルあるいは炭化水素溶媒等を溶媒とした溶液として使用する。
チタン酸または有機チタン化合物の塗布方法は、チタン酸水溶液中あるいは有機チタン化合物溶液中に金属チタン基体を浸漬する方法(ディップコート)、あるいは金属チタン基体にチタン酸水溶液あるいは有機チタン化合物溶液をスプレーなどにより吹付ける方法などが挙げられる。このとき金属チタン基体表面に均一に酸化被膜を形成するため塗布したのち、乾燥しそして再度塗布するという操作を複数回繰り返し行うことが望ましい。さらに塗布の際、金属チタン基体表面に気泡が付着すると、最終的に均一な酸化被膜が形成できないので、これをを防ぐために真空中にて金属チタン基体表面に塗布したチタン酸水溶液あるいは有機チタン化合物溶液を脱泡処理することが望ましい。
【0024】
(ハ)四塩化チタンによる表面処理方法は、四塩化チタン水溶液中に金属チタン基体を浸漬させ、ついで水酸化ナトリウムを添加し水溶液のpHを2.0前後に制御しながら四塩化チタンを加水分解し、金属チタン基体の表面にチタンの水酸化物を析出させる。次いで金属チタン基体を引き上げ、大気中で500〜900℃で焼成し、酸化チタン被膜を形成させる。
【0025】
(ニ)電気化学的処理は、各種の電解質含有水溶液中での陽極酸化によるものである。この時用いられる電解質としては公知のものが用いられ、例えば水溶液系ではリン酸、アジピン酸塩、ホウ酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩などのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、硫酸などが挙げられ、非水溶液中では、ホウ酸アンモン、酢酸ナトリウム、リン酸のエチレングリコール溶液、溶融塩中では、NaNO3、KNO3などが挙げられる。陽極酸化方法としては、金属チタン基体を陽極とし、これを上記電解質含有溶液中で電圧を印加し陽極酸化する。このとき印加する電圧は10〜50V、好ましくは20〜40Vで、電圧印加時間は1〜30分、好ましくは1〜10分である。また温度は通常室温で行われる。陽極酸化後、基体表面を十分に水洗した後に乾燥をして酸化被膜を形成した金属チタン基体を得る。
【0026】
また、特に金属チタン基体がチタン板である場合、上記処理操作の前に、金属チタン基体の表面に付着している汚れを除去し、併せて基体表面の比表面積を向上させるための表面処理を行うことが望ましい。具体的には弗化水素などの酸あるいは他の酸化剤等で処理する。
【0027】
B.焼成(アニール)処理:
上記のような酸化被膜を有する金属チタン基体を真空中またはアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で焼成し、酸化被膜の厚さを50nm未満とする。焼成温度および時間は、通常500〜900℃、好ましくは550〜750℃で10分〜5時間、好ましくは30分〜3時間である。真空中で焼成する場合、その真空度は通常1×10-2Pa〜1×10-4Paである。
また焼成後の酸化被膜の厚さは好ましくは10nm以下、より好ましくは5nm〜0nmである。特には、酸化被膜を消失させることが好ましい。金属チタン基体表面上に形成された酸化被膜を上記のように焼成することにより、酸化被膜中の酸素成分が金属チタン中に拡散浸透せしめられる。通常酸化被膜が形成された状態では金属チタン基体表面から内部にかけて酸素濃度の勾配が見られるが(表面から内部にかけて金属チタン中の酸素濃度が減少)、本発明においては、上記焼成工程後の金属チタン表面は酸素濃度が減少し、表面近傍での酸素濃度勾配がなくなるような状態にすることが望ましい。
【0028】
C.再酸化処理:
その後、前記金属チタン基体の表面を酸化処理して酸化被膜を再度形成する。
厚さ50nm以上の酸化被膜を再形成することが好ましい。この再酸化処理の方法としては、例えば、(a)酸素若しくは酸素含有雰囲気下での焼成あるいは(b)電気化学的処理などが挙げられる。
【0029】
(a)酸素存在下で焼成する場合、そのときの温度は通常500〜800℃、好ましくは550〜750℃で10分〜5時間、好ましくは30分〜3時間である。また酸素濃度は大気中でもよく、通常20〜100%である。
【0030】
(b)電気化学的処理としては、先に述べたような電解質含有水溶液中で陽極酸化する方法が挙げられ、この時電解質としては公知のものが用いられ、例えば水溶液系ではリン酸、アジピン酸塩、ホウ酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩などのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、硫酸などが挙げられ、非水溶液中では、ホウ酸アンモン、酢酸ナトリウム、リン酸のエチレングリコール溶液、溶融塩中では、NaNO3、KNO3などが挙げられる。
陽極酸化方法としては、上記のように焼成処理した金属チタン基体を陽極とし、これを上記電解質含有溶液中で電圧を印加し陽極酸化する。このとき印加する電圧は5〜600V、好ましくは10〜50V、特に好ましくは20〜40Vであり、そして電圧印加時間は1分〜10時間、好ましくは1〜30分、特に好ましくは1〜10分である。また温度は通常室温で行われる。陽極酸化後、基体表面を十分に水洗した後に乾燥をして酸化被膜を形成した金属チタン基体を得る。
【0031】
これら方法の併用も可能である。
【0032】
好ましい処理態様として例えば次の工程を挙げることができる:
(1)金属チタン基体表面にチタン酸あるいは有機チタン化合物を塗布して酸化被膜を形成し、酸化被膜を有する金属チタン基体を真空中で焼成して、該酸化被膜の厚さを減少せしめ、その後電解質含有溶液中で陽極酸化することにより該金属チタン基体表面に酸化被膜を再形成することを特徴とする金属チタン基体上への酸化被膜の形成方法、
(2)金属チタン基体を酸素存在下で加熱処理して酸化被膜を形成し、さらに真空中で焼成して、該酸化被膜の厚さを減少せしめ、その後電解質含有溶液中で陽極酸化することにより該金属チタン基体表面に酸化被膜を再形成することを特徴とする金属チタン基体上への酸化被膜の形成方法、
(3)金属チタン基体表面にチタン酸あるいは有機チタン化合物を塗布して酸化被膜を形成し、真空中で焼成して該酸化被膜の厚さを減少せしめ、次いで酸素存在下で加熱処理しそして電解質含有溶液中で陽極酸化することにより該金属チタン基体表面に酸化被膜を再形成することを特徴とする金属チタン基体上への酸化被膜の形成方法。
【0033】
D.焼成−再酸化機構:
以上のようにある程度の酸化被膜を有する金属チタン基体表面を一旦真空中あるいは不活性ガス雰囲気で焼成して、酸化被膜の酸素を金属チタン中に拡散させる処理を施し、その後改めて酸化処理して形成された酸化被膜は均一で強固であり、これを用いて固体電解コンデンサを作成した際、高誘電率でかつ漏洩電流の少ないコンデンサを得ることが出来る。
図2は、Ti板、酸化後、焼成後および再酸化後の各状態でのチタン表面からチタン内部への酸素濃度の状況を模式的に示すグラフである。酸素濃度はオージェ分析により測定した。酸化被膜が形成された状態では金属チタン基体表面から内部にかけて酸素濃度の勾配が見られるが(表面から内部にかけて金属チタン中の酸素濃度が減少)、焼成工程後の金属チタン表面は酸素濃度が減少し、表面近傍での酸素濃度勾配がなくなることがわかる。
図3において、(a)は酸化状態でのTi板表面の酸化被膜を示しそして(b)は、焼成後のTi板の表面状態である。酸化被膜が消失していることがわかる。この場合、酸化被膜の酸素成分はチタン内部に拡散浸透せしめられている。
この後、再酸化することにより、解明されていないが、内部に浸透した酸素が何らかの作用を及ぼしているか、もしくは再酸化により基体の表面状態が改善され、均一で強固な、緻密な酸化被膜を形成する。
酸化膜断面の反射電子像により、通常の30V陽極酸化膜と再酸化法による30V陽極酸化膜とを比較観察したところ、通常の30V陽極酸化膜では膜と基体との界面に異相(カーボンと推定される)が強く生じ、そして再酸化法の方が膜が厚く成長していることが確認された。
【0034】
こうした緻密な酸化被膜を有する金属チタン基体は、電解コンデンサのみならず、光触媒機能を表面に有する金属チタン材といった用途に使用することができる。
【0035】
E.電解コンデンサ:
上記のようにして得た酸化被膜を有する金属チタン基体を陽極として固体電解コンデンサを作成することができる。このとき、陰極としては、タンタル電解コンデンサと同様に、酸化被膜上に硫酸マンガンなどのマンガン化合物を加熱処理して酸化マンガンを陰極とするか、多孔質焼結体を硝酸マンガンの水溶液に浸漬し、これを電気炉で熱分解して二酸化マンガンとする工程を繰り返して二酸化マンガン層を成長せしめるか、あるいは導電性高分子化合物を陰極としてコンデンサを作成することができる。その上にカーボン層を付着させて導電抵抗を下げ、更に銀ペーストを塗布して外部リード線(図示無し)がはんだ付けされる。二酸化マンガン形成後に、導電性ポリマを形成した2重構造とすることもできる。液体電解質の使用も可能である。固体電解質および液体電解質を含め、従来技術として先に例示したような任意の公知陰極構造を採用することができる。
【0036】
好ましいコンデンサの態様は例えば次の通りである:
(1)金属チタン基体表面にチタン酸あるいは有機チタン化合物を塗布して酸化被膜を形成し、酸化被膜を有する金属チタン基体を真空中で焼成して、該酸化被膜の厚さを減少せしめ、その後電解質含有溶液中で陽極酸化して再形成された酸化被膜を有する金属チタン基体を陽極として使用することを特徴とするチタン電解コンデンサ、
(2)金属チタン基体を酸素存在下で加熱処理して酸化被膜を形成し、さらに真空中で焼成して、該酸化被膜の厚さを減少せしめ、その後電解質含有溶液中で陽極酸化することにより再形成された酸化被膜を有する金属チタン基体を陽極として使用することを特徴とするチタン電解コンデンサ、
(3)金属チタン基体表面にチタン酸あるいは有機チタン化合物を塗布して酸化被膜を形成し、真空中で焼成して該酸化被膜の厚さを減少せしめ、、次いで酸素存在下で加熱処理しそして電解質含有溶液中で陽極酸化することにより再形成された酸化被膜を有する金属チタン基体を陽極として使用することを特徴とするチタン電解コンデンサ。
【0037】
【実施例】
以下、実施例および比較例を示して本発明の効果を具体的に説明する。
ここで、形成した酸化被膜の絶縁性の評価および電気容量の測定は以下の方法で実施した。
【0038】
1)絶縁性の評価(漏れ電流の測定)
チタン板の試験サンプルを絶縁テープによりマスキングし約1cm2の電極面積を残した。これを正極とし、対極(負極)にメッシュ状のPt板(50mm×50mm)、そして電解液に150g/Lアジピン酸アンモニウム水溶液を用い、印加電圧を5V、10V、15V、20V、30Vとしたときのそれぞれの1分後に正極と対極間に流れる電流値(漏れ電流)を測定した。
電圧を印加する順序により漏れ電流の測定値が変化するため、必ず低電圧側から測定を行い、また電極表面に気泡が発生した場合は、電圧を切った後に気泡が無くなるまで十分に液を攪拌することが必要である。
【0039】
2)電気容量測定
漏れ電流を測定した試験サンプルを正極とし、対極としてチタン板(20mm×100mm)を用いて、以下の条件でLCR(インダクタンス・キャパシタンス・抵抗)メーターにより直接膜の電気容量を測定した。
・測定条件
電解液:150g/Lアジピン酸アンモニウム水溶液
周波数:120Hz
振幅 :1V
(註)この測定方法では対極の表面の容量が直列に加算されるが、Ti板の容量は試験極に較べ十分に大きいため無視できる(1/合計容量=1/サンプル容量+1/Ti板容量で表されるので、Ti板の容量はそれがサンプル容量に較べ十分に大きい場合には無視できる)。
【0040】
<実施例1>
金属チタン板を酸素中で700℃において2時間加熱し、厚さ400nmの酸化皮膜を形成した。
次いで、およそ1×10-3Paの真空中で800℃、2時間焼成して酸化被膜を消失させた。
その後、この金属チタン板を電極化し、150g/Lアジピン酸アンモニウム水溶液中で30V、5分間電圧を印加し、酸化被膜を形成した。
この酸化被膜について、絶縁性の評価および電気容量を測定した。得られた結果を表1に示した。
【0041】
<実施例2>
金属チタン板を酸素中で600℃において2時間加熱し、厚さ100nmの酸化皮膜を形成した以外は、実施例1と同様に実験を行い、酸化被膜を形成した。
この酸化被膜について、絶縁性の評価および電気容量を測定した。得られた結果を表1に示した。
【0042】
<実施例3>
金属チタン板を真空中で800℃において4時間加熱し、酸化皮膜を形成した以外は、実施例1と同様に実験を行い、酸化被膜を形成した。
この酸化被膜について、絶縁性の評価および電気容量を測定した。得られた結果を表1に示した。
【0043】
<実施例4>
金属チタン板を酸素中で600℃において2時間加熱し、厚さ100nmの酸化皮膜を形成した後、およそ1×10-3Paの真空中で700℃、2時間焼成して酸化被膜を消失させた。その後、この金属チタン板を電極化し、150g/Lアジピン酸アンモニウム水溶液中で30V、5分間電圧を印加し、酸化被膜を形成した。
この酸化被膜について、絶縁性の評価および電気容量を測定した。得られた結果を表1に示した。
【0044】
<実施例5>
濃度1.7重量%のペルオクソチタン酸水溶液に金属チタン板を浸漬したまま真空脱泡(減圧下にて脱気)を行い、金属チタン表面の気泡を完全に取り除いた後、35mm/minの速度で引き上げ、80℃の乾燥器内で10分間乾燥させた。この後、濃度1.7重量%のペルオクソチタン酸水溶液に金属チタン板を1分間浸漬し、105mm/minの速度で引き上げてペルオクソチタン酸を塗布した後、80℃の乾燥器内で10分間乾燥させた。この操作を20回繰り返し厚さ約0.46μmの酸化チタンの被膜を金属チタン板表面の形成させた。
次いで、酸化チタン被膜を形成した金属チタン板をおよそ1×10-3Paの真空中で600℃、2時間焼成して酸化被膜を消失させた。
更に、酸素中で700℃で、2時間加熱した。その後、電極化し、150g/Lアジピン酸アンモニウム水溶液中で30V、5分間電圧を印加し、最終的に金属チタン板表面上に酸化被膜を形成した。
この酸化被膜について、絶縁性の評価および電気容量を測定した。得られた結果を表1に示した。
【0045】
<実施例6>
濃度1.7重量%のペルオクソチタン酸水溶液に金属チタン板を浸漬したまま真空脱泡(減圧下にて脱気)を行い、金属チタン表面の気泡を完全に取り除いた後、35mm/minの速度で引き上げ、80℃の乾燥器内で10分間乾燥させた。この後、濃度1.7重量%のペルオクソチタン酸水溶液に金属チタン板を1分間浸漬し、105mm/minの速度で引き上げてペルオクソチタン酸を塗布した後、80℃の乾燥器内で10分間乾燥させた。この操作を10回繰り返し厚さ約0.16μmの酸化チタンの被膜を金属チタン板表面の形成させた。
次いで、酸化チタン被膜を形成した金属チタン板をおよそ1×10-3Paの真空中で600℃、2時間焼成して酸化被膜を消失させた。
更に、酸素中で700℃、2時間焼成した。その後、電極化し、150g/Lアジピン酸アンモニウム水溶液中で30V、5分間電圧を印加し、最終的に金属チタン板表面上に目的の酸化被膜を形成した。
この酸化被膜について、絶縁性の評価および電気容量を測定した。得られた結果を表1に示した。
【0046】
<実施例7>
あらかじめ、HF処理(HF:H2O2:H20=1.5:1.5:7の溶液中に1分間浸漬後水洗)した金属チタン板を濃度1.7重量%のペルオクソチタン酸水溶液に金属チタン板を浸漬したまま真空脱泡(減圧下にて脱気)を行い、金属チタン表面の気泡を完全に取り除いた後、35mm/minの速度で引き上げ、80℃の乾燥器内で10分間乾燥させた。
この後、濃度1.7重量%のペルオクソチタン酸水溶液に金属チタン板を1分間浸漬し、105mm/minの速度で引き上げてペルオクソチタン酸を塗布した後、80℃の乾燥器内で10分間乾燥させた。この工程を10回繰り返し厚さ約0.17μmの酸化チタンの被膜を金属チタン板表面の形成させた。
次いで、酸化チタン被膜を形成した金属チタン板をおよそ1×10-3Paの真空中で700℃、2時間焼成して酸化被膜を消失させた。
更に、酸素中で700℃、2時間焼成した後、電極化し、150g/Lアジピン酸アンモニウム水溶液中で30V、5分間電圧を印加し、最終的に金属チタン板表面上に目的の酸化被膜を形成した。この酸化被膜について、絶縁性の評価および電気容量を測定した。得られた結果を表1に示した。
【0047】
<比較例1>
金属チタン板を電極化し、150g/Lアジピン酸アンモニウム水溶液中で30V、5分間電圧を印加し、酸化被膜を形成した。この酸化被膜について、絶縁性の評価および電気容量を測定した。得られた結果を表1に示した。
【0048】
<比較例2>
電圧を50Vにした以外は比較例1と同様に実験を行い酸化被膜を形成した。
この酸化被膜について、絶縁性の評価および電気容量を測定し、得られた結果を表1に示した。
【0049】
<比較例3>
金属チタン板を大気中700℃、2時間焼成し、酸化被膜を形成した。この酸化被膜について、絶縁性の評価および電気容量を測定し、得られた結果を表1に示した。
【0050】
<比較例4>
真空中で焼成を行わなかった以外は、実施例1と同様に実験を行い、酸化皮膜を形成した。この酸化被膜について、絶縁性の評価および電気容量を測定し、得られた結果を表1に示した。
【0051】
【表1】
Figure 0004554063
【0052】
表1より、本発明の方法で形成した酸化被膜は、膜厚が小さく電気容量が高いにもかかわらず、電圧印加時の絶縁性が高く、強固な酸化被膜であることが分かる。
【0053】
【発明の効果】
誘電率が大きく安定で緻密な酸化被膜を金属チタン基体表面に形成する方法を提供し、このような酸化被膜を利用することによって小型で大容量でかつ漏洩電流の小さい寿命の長いチタン電解コンデンサの開発に成功した。
【図面の簡単な説明】
【図1】チタン電解コンデンサの概念図を示す。
【図2】Ti板、酸化後、焼成後および再酸化後の各状態でのチタン表面からチタン内部への酸素濃度の状況を模式的に示すグラフである。
【図3】(a)は、酸化状態でのTi板表面の酸化被膜を示し、そして(b)は、焼成後のTi板の表面状態をそれぞれ示す電子顕微鏡写真である。(15KV,20,000倍)。
【図4】タンタル電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサを併せて示す模式図である。
【符号の説明】
1 チタン基体陽極
2 チタン酸化被膜
3 固体電解質
4 カーボン層
5 銀ペースト
6 ケース

Claims (5)

  1. 表面に厚さ50nm以上の酸化被膜を有する金属チタン基体を真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で焼成して、該酸化被膜の厚さを50nm未満とし、その後該焼成した金属チタン基体表面を酸化処理することにより該金属チタン基体表面に酸化被膜を再形成することを特徴とする金属チタン基体上への酸化被膜の形成方法。
  2. 前記焼成を500〜900℃の温度において行うことを特徴とする請求項1に記載の酸化被膜の形成方法。
  3. 前記酸化処理を陽極酸化により実施することを特徴とする請求項1に記載の酸化被膜の形成方法。
  4. 前記酸化処理を酸素若しくは酸素含有雰囲気中での加熱により実施することを特徴とする請求項1に記載の酸化被膜の形成方法。
  5. 表面に厚さ50nm以上の酸化被膜を有する金属チタン基体を真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で焼成して、該酸化被膜の厚さを50nm未満とし、その後該金属チタン基体表面を酸化処理して再形成された酸化被膜を有する金属チタン基体を陽極として使用することを特徴とするチタン電解コンデンサ。
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