JPH05121275A - チタン電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

チタン電解コンデンサの製造方法

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JPH05121275A
JPH05121275A JP28130391A JP28130391A JPH05121275A JP H05121275 A JPH05121275 A JP H05121275A JP 28130391 A JP28130391 A JP 28130391A JP 28130391 A JP28130391 A JP 28130391A JP H05121275 A JPH05121275 A JP H05121275A
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titanium
electrolyte
anodic oxidation
electrolytic capacitor
anodization
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Tomoari Sato
朋有 佐藤
Tatsuo Tateno
辰男 舘野
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安価で静電容量が大きく、且つtanδ特性の
良好なチタン電解コンデンサを提供する。 【構成】チタンの陽極酸化を電解質含有水溶液中で定電
圧での陽極酸化中に電流が上昇を始める時点より前に陽
極酸化を終了し、次いで水分含量60重量%以下の有機
溶媒よりなる電解液を用いて温度60℃以下で陽極酸化
を行い、チタン上に酸化皮膜を形成し、これを160〜
350℃の温度で熱処理を行い、得られたチタンを陽極
とし、酸化皮膜上に陰極として電解質溶液を介して電極
を形成してチタン電解コンデンサを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチタン電解コンデンサの
製造方法に関する。詳しくは静電容量およびtanδ特
性等の誘電特性が良好なチタン電解コンデンサの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電解コンデンサの陽極材料として
はタンタルおよびアルミニウムが実用化されている。タ
ンタルは陽極酸化により生成する誘電体皮膜の電気的特
性が極めて優れ、また誘電率もアルミニウムの約3倍と
大きく小型大容量品として広く使用されているが、タン
タルは高価な金属であると共に融点が約3000℃と非
常に高く多孔質焼結体電極を製造する費用も多大である
欠点がある。一方、アルミニウムはタンタルに比較して
非常に安価な金属であり広く使用されているが、陽極酸
化により生成する誘電体皮膜の誘電率がタンタルの約3
分の1で単位面積当たりの静電容量が小さい欠点を有し
ている。このような実情から陽極酸化誘電体皮膜の誘電
率が大きく、しかもタンタルより安価な電解コンデンサ
用電極の材料としてチタン金属の利用が従来より種々検
討されてきた。
【0003】通常、陽極酸化は電解質水溶液中で酸化す
る金属を陽極とし、白金や銀、黒鉛などを陰極として電
流を通じ陽極金属表面に酸化皮膜を形成することであ
る。タンタルやアルミニウムは水溶液陽極酸化で容易に
絶縁性皮膜が形成されるが、チタンの場合は水溶液陽極
酸化では一度形成された絶縁性皮膜が陽極酸化時間の経
過により劣化する現象が発生し、充分な絶縁性皮膜は得
られないため、有機薬品を溶媒とした非水電解液を使用
したり(特公昭33−5816号公報)、あるいはチタ
ンを他金属で合金化する方法(特公昭42−24103
号、同47−16694号、同51−32302号、同
54−1020号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、チタンの電解
コンデンサとしての誘電特性は不十分であり、未だに実
用化には至っていない。上記特公昭33−5816号公
報の方法によれば陽極酸化時の漏洩電流は時間と共に減
少し良好な皮膜が形成できると示されているが、該公報
第3図中の記載ではtanδ特性は約6%以上であり電
解コンデンサとして必ずしも十分な特性とは言いがた
い。また、特公昭42−13364公報においては電解
質水溶液にデキストリンなどの糖類を加えて耐圧の高い
酸化皮膜を形成する方法が提案されているが、皮膜の誘
電体特性(tanδ特性など)については何ら記述され
ていない。さらに、特公昭54−1020号公報では皮
膜の誘電特性を向上させるためにチタンをアルミニウム
で合金化することを提案しているが、酸化物の誘電率の
小さいアルミニウムを20〜30原子%も含有して誘電
率の高いチタン酸化物の特性を犠牲にしているため静電
容量の点で必ずしも十分ではない。
【0005】本発明の目的は、チタンを用いてその酸化
物皮膜の高い誘電率を損なうことなく静電容量およびt
anδ特性等の誘電特性が良好な皮膜を有する電解コン
デンサの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、チタンへ
の誘電体皮膜形成において、チタンの水溶液陽極酸化工
程での皮膜劣化の原因及び非水系陽極酸化工程での皮膜
成長状態、さらに陽極酸化皮膜の熱処理による効果など
について詳細に検討の結果、誘電特性に優れた電解コン
デンサが得られることを見出し本発明を完成させるに至
った。
【0007】すなわち、本発明は、チタンを陽極とし、
これを電解質含有溶液中で陽極酸化することによりチタ
ン上に酸化チタン皮膜を形成した後、陰極として固体電
極または電解質溶液を介して電極を形成して電解コンデ
ンサを製造する方法において、チタンの陽極酸化を電解
質含有水溶液中で定電圧での陽極酸化中に電流が上昇を
始める時点より前に陽極酸化を終了し、次いで水分含量
60重量%以下の極性有機溶媒の電解質含有液を用いて
温度60℃以下で陽極酸化を行い、さらにチタン酸化皮
膜が形成されたチタンを160〜350℃の温度で熱処
理を行うことを特徴とするチタン電解コンデンサの製造
方法を提供する。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明においては、陽極金属として使用のチタンは必要に
応じ、陽極酸化前に予め公知方法により、表面に付着し
ている油脂や不純物を除去して表面を清浄化しておくこ
とが好ましい。一般的な清浄化方法としては機械的方
法、物理的方法、化学的方法、電気化学的方法などがあ
るが、フッ酸と重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリ
ウムまたはクロム酸等の酸化剤を含む水溶液による化学
的処理(化学研磨)や電気化学的処理(電解研磨)など
が例示されるが必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
【0009】次いで、チタンを陽極として、これを電解
質含有水溶液中で陽極酸化(電解酸化)してチタンの酸
化皮膜を形成する。チタンの陽極酸化に使用する電解質
含有水溶液については公知の方法で調製することができ
る。例えば電解質としてはリン酸やホウ酸などの鉱酸、
そのアンモニウム塩やナトリウム塩等のアルカリ金属
塩、さらに蓚酸、酢酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、
マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、乳酸などのカルボン
酸類、これらのアンモニウム塩などが使用できる。電解
質の量は通常0.1〜10重量%程度である。また、必
要に応じて公知の粘度調整剤、たとえばデキストリン等
の糖類、水溶性蛋白質等を適宜添加してもよい。
【0010】陽極酸化における印加電圧は約10〜約3
00Vの範囲で通常固体電解コンデンサの場合は目的と
する電解コンデンサの耐電圧の3〜5倍程度の電圧で行
われ、また乾式電解コンデンサの場合は目的とする電解
コンデンサの耐電圧の110〜150%程度の電圧で行
われる。また、温度は特に限定されないが、通常好まし
くは60℃以下、より好ましくは50℃以下、さらに好
ましくは30℃以下である。
【0011】陽極酸化方法としては、通常定電流・定電
圧法や定電圧法が採用される。定電流・定電圧法は先ず
定電流で陽極酸化を行う。酸化皮膜の生成と共に電圧が
上昇し、目的電圧に到達した後にその電圧(すなわち定
電圧)で陽極酸化を行う。この場合、電流は時間と共に
減少を続けるが一定時間経ると逆に電流が上昇するよう
になる。本発明においては定電圧での陽極酸化開始から
電流が上昇に転ずる時点の間に、好ましくは定電圧の陽
極酸化開始から電流が上昇に転ずるまでの時間の1/2
以内に陽極酸化を終了させる。電流が上昇に転ずる時点
を超えて陽極酸化を続行すると得られる酸化皮膜の誘電
特性が低下するので好ましくない。陽極酸化開始から電
流が上昇に転ずるまでの時間は陽極酸化電圧、電流、電
解質の種類等の条件によって異なるので予め条件を決め
て陽極酸化を行うことにより電流が上昇に転ずるまでの
時間を求めておき、これをもとに陽極酸化終了時間を決
めることができる。
【0012】また、定電圧法においても同様に陽極酸化
開始から電流が上昇に転ずるまでの時間は容易に求める
ことができるが、開始直後は電解液の抵抗による電圧で
あり皮膜の形成は充分でなく、少なくとも陽極酸化電流
値が初期値のほぼ20%以下となるまでの皮膜を形成さ
せることが好ましい。より好ましくは陽極酸化時間は定
電圧電解開始から電流上昇時までの時間の1/20〜1
/2の範囲である。
【0013】本発明においては、上記のように水溶液中
で陽極酸化により得られた酸化皮膜を有するチタンを6
0重量%以下の水分を含む有機溶媒を用いた電解質溶液
中、60℃以下の温度で再度陽極酸化することである。
最初の陽極酸化工程において有機溶媒を用いた電解質溶
液中で陽極酸化する方法では皮膜の誘電特性、特にta
nδが劣るので好ましくない。また、有機溶媒を用いた
電解質溶液中の水分量が60重量%を超えたり、陽極酸
化温度が60℃を超えたりすると、陽極酸化時間の経過
により陽極酸化電流が再上昇する現象が発生し、優れた
誘電特性の皮膜が得られ難くくなるので好ましくない。
より好ましくは水分は50重量%以下で温度は50℃以
下、さらに好ましくは水分量は40重量%以下、温度は
30℃以下である。また、水分量の下限値は特に限定さ
れず、少なくとも陽極酸化のため電流が流れる量であれ
ばよく、好ましくは0.2重量%程度である。陽極酸化
浴中の水分量はその電解質溶液の電気電導度をほとんど
決定し、初期陽極酸化に使用する場合は電流を通じるた
めにある程度電導度の高いことが必要であるが、この陽
極酸化においては電導度がかなり低くてもほとんどの皮
膜形成は前記水溶液による陽極酸化の段階で終了してい
るので問題はない。また、陽極酸化温度については上記
のとおりであるが、より低温の方が誘電特性の良好な陽
極酸化皮膜を得ることができる。ここで有機溶媒として
はメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール等
のアルコール類、エチレングリコール、グリセリン等の
多価アルコール類、ジエタノールアミン、ピリジン等の
アミン類、無水酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類な
ど水と均一に混合するものが例示される。また、電解質
としては前記電解質含有水溶液を調製する際に使用され
る電解質を用いることができるが、有機溶媒としてカル
ボン酸類を使用する場合はカルボン酸類が電解質を兼ね
るので必ずしも加える必要はない。その量は60重量%
以下の水分を含む有機溶媒に対する溶解度以下の量で、
且つ0.001重量%以上が好ましい。
【0014】次いで、前記で得られた陽極酸化皮膜を1
60〜350℃の温度で熱処理を行う。熱処理により皮
膜の誘電特性が向上する。処理温度が160℃よりも低
温度では誘電特性向上の効果が少なく、また350℃よ
りも高温度では静電容量は向上するもののtanδ特性
が逆に劣化してしまうため好ましくない。したがって処
理温度は160〜350℃が好ましいが、より好ましく
は180℃〜250℃の範囲である。また熱処理時間に
ついては限定されるものではないが、温度が高い程短時
間ですむ傾向にあるので熱処理温度を考慮して適切な時
間を適宜決めることができる。熱処理雰囲気は酸素中、
空気中、窒素等の不活性ガス中、真空中等、特に限定さ
れないが、通常空気中が一般的である。
【0015】このようにして得られた誘電体皮膜を有す
るチタンは、チタンを陽極とし、タンタル電解コンデン
サなどで行われているように該誘電体皮膜上に二酸化マ
ンガン固体電極などを陰極として設けたり、導電性高分
子材料の固体電極を陰極として設けたり、またアルミニ
ウム電解コンデンサのようにのり状の駆動用電解液を介
してチタン箔やアルミニウム箔を陰極として設けること
等により電解コンデンサとすることができる。また、使
用に際しては電解コンデンサを作成後、定格電圧でエー
ジング処理を行うなど一般的な方法が適用できる。ただ
し、二酸化マンガン固体電極形成のための硝酸マンガン
の熱分解工程のように誘電体皮膜に熱処理を加える場合
の熱処理条件は本発明における皮膜の熱処理温度の範囲
内にすることが好ましい。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。なお、電解コンデンサの
静電容量は、陽極酸化皮膜(誘電体皮膜)の厚さ、すな
わち陽極酸化時の電圧に反比例し、誘電体皮膜の誘電率
と面積に比例するため、静電容量の比較においては陽極
酸化電圧を一定にして実験を行った。陽極酸化時の漏洩
電流は皮膜形成最終段階での値である。また静電容量と
tanδ特性は、チタンを陽極とし、チタン上の皮膜の
部分に25℃のリン酸アンモニウム4重量%、水36重
量%、エチレングリコール60重量%(pH=7.0、
電導度=6.7mS/cm、25℃)溶液(電解液)を
介して白金箔を陰極として用いて電解コンデンサを作製
し、YHP−LF4192インピーダンスアナライザー
(横河ヒューレットパッカード社製)を使用して、直流
電圧1Vの印加状態で等価直列回路で周波数(f)12
0Hzおよび1200Hzにて静電容量(C)およびt
anδ値を測定した。そして皮膜本来のtanδ値(1
20Hz)は、X=1/2 π×f×Cより算出したリア
クタンス(X)とR=tanδ/2 π×f×Cより算出
した等価直列抵抗(R)との間の直線的な関係より、周
波数に依存しない等価直列抵抗分(電解液・電極の抵抗
分など)を以下の式により補正して算出した。 tanδ=(R120 −R1200)/(XC120−XC1200 ) ・R120 :120Hzでの等価直列抵抗値(R120 =t
anδ/2π×120×C) ・R1200:1200Hzでの等価直列抵抗値(R1200
tanδ/2π×1200×C) ・XC120:120Hzでのリアクタンス(XC120=1/
2π×120×C) ・XC1200 :1200Hzでのリアクタンス(XC1200
=1/2π×1200×C) また、実施例、比較例中の「%」は「重量%」を示す。
【0017】実施例1 試料としてチタン金属板(日本鉱業株式会社製、品種
TIALF、厚さ0.2mm、純度99.8%)の2c
m×5cm切片を用いた。まず表面に付着している油脂
や不純物を除去するため洗浄剤(商品名 T589、ヘ
ンケル白水(株)製)水溶液でアルカリ脱脂処理した
後、クロム酸(30%)とフッ酸(10%)との混酸水
溶液で洗浄した。第1工程における電解液は1%リン酸
2水素アンモニウム水溶液(pH=4.5、電導度=
7.7mS/cm 25℃)を使用し、第2工程の陽極
酸化における電解液としては前記水溶液20重量部に対
して有機溶媒としてエチレングリコール80重量部を混
合した液(pH=5.2、電導度=0.25mS/cm
25℃)を陽極酸化浴に使用した。第1工程の陽極酸
化は室温で行い、チタン金属を陽極、白金箔を陰極と
し、電流密度3mA/cm 2 の定電流で陽極酸化を行
い、電圧が目的とする75Vに達した後、75Vの定電
圧で陽極酸化を4分間行った。なお、前以っての実験
で、第1工程の陽極酸化で定電圧陽極酸化後陽極酸化電
流が再上昇に転じる時間は約14分であった。その後、
第2工程の陽極酸化を75Vの定電圧条件で60分室温
で実施した。さらに陽極酸化皮膜を温度200℃で1時
間熱処理してチタンの誘電体皮膜を得た。上記の方法で
電解コンデンサを作製し、その静電容量およびtanδ
値を測定した。結果を表1に示す。
【0018】実施例2および3 第1工程の陽極酸化における時間を、電圧が75Vに到
達した直後および10分に変更した以外は実施例1と全
く同様に行い、チタンの誘電体皮膜を得た。実施例1と
同様に電解コンデンサを作製し、その静電容量およびt
anδ値を測定した。結果を表1に示す。
【0019】比較例1 第1工程の陽極酸化における時間を、電圧が75Vに到
達した後60分に変更した以外は実施例1と全く同様に
行い、チタンの誘電体皮膜を得た。実施例1と同様に電
解コンデンサを作製し、その静電容量およびtanδ値
を測定した。結果を表1に示す。
【0020】実施例4および5 第1工程の陽極酸化温度をそれぞれ5℃、50℃とした
以外は実施例1と全く同様に行い、チタンの誘電体皮膜
を得た。実施例1と同様に電解コンデンサを作製し、そ
の静電容量およびtanδ値を測定した。結果を表1に
示す。
【0021】実施例6〜8 第2工程における陽極酸化に用いた電解溶液浴の水分量
をそれぞれ4%、40%、60%に変更して陽極酸化し
た以外は実施例1と全く同様に行い、チタンの誘電体皮
膜を得た。実施例1と同様に電解コンデンサを作製し、
その静電容量およびtanδ値を測定した。結果を表1
に示す。
【0022】比較例2 第2の陽極酸化浴の水分量を80%にして陽極酸化した
以外は実施例1と全く同様に行い、チタンの誘電体皮膜
を得た。実施例1と同様に電解コンデンサを作製し、そ
の静電容量およびtanδ値を測定した。結果を表1に
示す。
【0023】実施例9および10 第2の陽極酸化温度をそれぞれ5℃、50℃に変更した
以外は実施例1と全く同様に行い、チタンの誘電体皮膜
を得た。実施例1と同様に電解コンデンサを作製し、そ
の静電容量およびtanδ値を測定した。結果を表1に
示す。
【0024】比較例3 第2の陽極酸化温度を70℃とした以外は実施例1と全
く同様に行い、チタンの誘電体皮膜を得た。実施例1と
同様に電解コンデンサを作製し、その静電容量およびt
anδ値を測定した。結果を表1に示す。
【0025】比較例4 陽極酸化皮膜の熱処理温度を、80℃で1時間に変更し
た以外は実施例1と全く同様に行い、チタンの誘電体皮
膜を得た。実施例1と同様に電解コンデンサを作製し、
その静電容量およびtanδ値を測定した。結果を表1
に示す。
【0026】実施例11〜13 陽極酸化皮膜の熱処理温度をそれぞれ、160℃で1時
間、 250℃で15分間、300℃で7分間に変更した
以外は実施例1と全く同様に行い、チタンの誘電体皮膜
を得た。実施例1と同様に電解コンデンサを作製し、そ
の静電容量およびtanδ値を測定した。結果を表1に
示す。
【0027】比較例5 陽極酸化皮膜の熱処理温度を、500℃で7分間に変更
した以外は実施例1と全く同様に行い、チタンの誘電体
皮膜を得た。実施例1と同様に電解コンデンサを作製
し、その静電容量およびtanδ値を測定した。結果を
表1に示す。
【0028】比較例6 チタン金属の陽極酸化をリン酸水素アンモニウム1%水
溶液の陽極酸化浴を使用して室温、3mA/cm2 、7
5Vの陽極酸化条件で陽極酸化を60分行い、チタンの
誘電体皮膜を得た。実施例1と同様に電解コンデンサを
作製し、その静電容量およびtanδ値を測定した。結
果を表1に示す。
【0029】比較例7および8 チタン金属の陽極酸化をリン酸水素アンモニウム1重量
%、水20重量%、エチレングリコール79重量%の陽
極酸化浴を使用して、室温、3mA/cm2 、75Vの
陽極酸化条件で60分行い、その後200℃で1時間熱
処理してチタンの誘電体皮膜を得た(比較例7)。さら
に上記皮膜を同一陽極酸化浴を使用して同一条件で再度
陽極酸化を行った後、80℃1時間処理して誘電体皮膜
を得た(比較例8)。実施例1と同様に電解コンデンサ
を作製し、その静電容量およびtanδ値を測定した。
結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、安価で静電容量
が大きく、且つtanδ特性の良好なチタン電解コンデ
ンサを提供することができ、その工業的価値は大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタンを陽極とし、これを電解質含有溶液
    中で陽極酸化することによりチタン上に酸化チタン皮膜
    を形成した後、陰極として該皮膜上に固体電極または電
    解質溶液を介して電極を形成して電解コンデンサを製造
    する方法において、チタンの陽極酸化を電解質含有水溶
    液中で定電圧での陽極酸化中に電流が上昇を始める時点
    より前に陽極酸化を終了し、次いで水分含量60重量%
    以下の極性有機溶媒の電解質含有液を用いて温度60℃
    以下で陽極酸化を行い、さらに酸化チタン皮膜が形成さ
    れたチタンを160〜350℃の温度で熱処理を行うこ
    とを特徴とするチタン電解コンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】チタンの電解質含有水溶液中での陽極酸化
    を定電圧法により行い、その陽極酸化時間が陽極酸化開
    始から電流上昇開始時までの時間の1/20〜1/2で
    あることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】チタンの電解質含有水溶液中での陽極酸化
    を定電流・定電圧法により行い、その陽極酸化時間が定
    電圧電解開始から電流上昇時までの時間の1/2以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
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