JP3026817B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、電解質に有機導電ポリマーを用いた固体
電解コンデンサの製造方法に関する。
【従来の技術】
固体電解コンデンサは、アルミニウム、タンタルなど
のいわゆる弁金属と称される表面に絶縁性の酸化皮膜層
が形成される金属またはこれらの金属の合金を陽極に用
い、陽極酸化処理等の操作によって誘電体層となる酸化
皮膜層を形成する。 この酸化皮膜層の上面には、半導体である固体電解質
層が形成され、さらにその上面にカーボンペースト、銀
ペーストあるいは導電接着剤などを介して外部の陰極側
端子が形成される。 固体電解質層には、従来から二酸化マンガン、二酸化
鉛などの導電性の金属酸化物、あるいはTCNQ(テトラシ
アノキノジメタン)、ポリアセチレン、ポリアニリン、
ポリピロールなど各種の導電有機ポリマーが用いられて
いる。 有機ポリマーの固体電解質は、特性面、製造工程のい
ずれにおいても優れた面を有するものとして最近とみに
注目されているが、この中でもポリピロールは、電気特
性からみると電導度が高く、コンデンサの高周波におけ
るインピーダンスを低くできる利点がある。 またポリピロールは、電極上へ固体電解質層としての
形成も加熱、焼成などの手段を必要とせず常温で、化学
重合、電解重合、気相重合などの手段で容易に行え、安
定した薄膜が得られる特徴があり、従来の二酸化マンガ
ン電解質のごとく、焼成を多数回繰り返す必要もなく、
短時間で処理が行えるので工程を簡略化できるととも
に、焼成時の温度上昇などによる誘電体皮膜の特性への
影響も少ない。 このように、ポリピロールは優れた特性を有するが、
最近の電子機器はより高い性能が要求されている。例え
ばスイッチング電源などは、高効率、小型化のためスイ
ッチング周波数がより高く設計され、これに伴って、電
解コンデンサも小型で高周波におけるインピーダンスの
より低いものが求められるようになっている。
【発明が解決しようとする課題】
ポリピロールからなる固体電解質層の生成は、一般に
酸化重合によって行われる。酸化重合には、例えば特開
昭62−4312号公報のように、気体中でピロールモノマー
を重合させる気相重合によるものや、特開昭63−173313
号公報のように、酸化剤を溶解した溶液中でピロールモ
ノマーを接触させる化学重合、あるいは支持電解質を含
む溶液中で被処理材を陽極として通電する電解重合を組
み合わせたものが知られている。また特開昭62−189714
号公報のように、電解重合時における反応温度を論じた
ものなどがある。 これらの方法のうち電解重合によるものは、高電導度
で密着性の良い皮膜を得ることができるが、被処理材に
通電しなければならず、電解コンデンサの被処理材であ
る陽極側電極の表面に絶縁性の誘電体皮膜が形成されて
いるので、直接電解重合法を用いることができない。こ
のため、予めプレコートと称する被処理材表面に別の手
段によって導電薄膜層を形成した後に電解重合を行うこ
とが試みられている。プレコートには、電解重合以外の
重合方法でポリピロールを形成するもの、二酸化マンガ
ンなどの導電性金属酸化物層を形成するなどの方法があ
るが、いずれも高電導度で密着性の良い膜が得られず、
次工程の電解重合によって電導度の高い膜を形成して
も、プレコート層の特性が影響して飛躍的な特性向上が
図れないという問題があった。 また陽極電極の表面は静電容量確保のためにエッチン
グ等の操作よって拡面化処理が施され、微小な凹凸面と
なっており、この凹凸面に均一にプレコート層を形成す
ることが、単位面積あたりの静電容量値の増大に不可欠
である。 この発明は、陽極電極表面にプレコート層、あるいは
第一の固体電解質層を形成するために行う化学重合方法
を改良することで、固体電解コンデンサの高周波特性を
向上させるとともに、電極部の単位面積あたりの静電容
量値を向上させ、小型大容量の固体電解コンデンサを得
ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
この発明は、表面に誘電体酸化皮膜層が形成された陽
極電極に、化学重合によってポリピロールからなる固体
電解質層を生成する工程を含む固体電解コンデンサの製
造方法において、陽極電極を、0℃未満ないし−70℃以
上の温度範囲に保ったピロールモノマー溶液に浸漬し、
ポリピロールを化学重合させたことを特徴としている。 ピロールの化学重合は、まず被処理材である表面に誘
電体酸化皮膜層が形成された陽極電極を過硫酸アンモニ
ウム、三塩化鉄、過酸化水素などの酸化剤を塗布、ある
いはこれら酸化剤溶液中に浸漬して、次に水もしくはア
ルコール、ケトン、アセトン、グリコール、炭化水素な
どの有機溶剤を溶媒として、この中にピロールモノマー
を所定濃度で溶解した溶液中に浸漬してピロールを化学
酸化重合させることで陽極電極表面にポリピロール層を
形成できる。 従来はピロールの化学重合反応を室温で行っていた
が、この発明では化学重合反応を0℃未満ないし−70℃
以上の範囲で行うもので、ピロールモノマーを溶解させ
た溶液を所定の温度範囲に保ち、この温度下で陽極電極
を溶液に浸漬して所定時間化学重合させることで所望の
特性が得られる。 この重合反応は、温度が0℃以上の高温側では、従来
の常温による重合反応と変わりがなく、また生成される
ポリピロールの電導度が充分には高くならないため、所
望の特性が得られないおそれがある。また低温側では、
温度を下げることにより電導度の向上および単位面積あ
たりの静電容量値が増加するが、−70℃を越えると、電
導℃ならびに静電容量値の何れについても顕著な改善が
認められなくなる。また温度を維持するための装置や浸
漬処理が困難になるので好ましくない。 酸化剤は上述したように、ピロール溶液へ浸漬前に陽
極電極表面へ塗布あるいは浸漬させれば良いが、ピロー
ル溶液中に酸化剤を同時に溶解させることもできる。こ
の場合はピロールの酸化が溶液中で進行するので、陽極
電極の浸漬処理を速やかに行う必要がある。また残余の
ピロール溶液の繰り返し使用はできない。
【作用】
この発明によれば、ポリピロールの化学重合を所定の
温度範囲の低温状態下で行うことによって、重合時のピ
ロールの配向性が良好となり、緻密かつ密着度の良いポ
リピロール薄膜が形成できる。 そして配向性が良好なため高い電導度が得られる。ま
た拡面化処理により表面に微細な凹凸が形成されている
陽極電極面にもむらなく緻密なポリピロール層が形成で
き、単位面積あたりの静電容量を増大させる。
【実 施 例】
以下実施例に基づいてこの発明を説明する。 まず陽極電極として、箔状のアルミニウムを電気化学
的手段でエッチングして表面積を拡大させた。このアル
ミニウム箔を陽極酸化処理によって表面を酸化させて誘
電体酸化皮膜層を形成した。なお陽極酸化の電圧は50V
で行った。 この陽極箔を幅2.2mm、長さ10mmに切断し、端部に電
極引き出しのためのアルミニウムリードを接続したもの
を準備した。 次にこの陽極電極を、過硫酸アンモニウム10%の水溶
液中に浸漬し、浸漬後通風乾燥させた。 この処理が終わった陽極電極を、温度を変えたヘキサ
ンを溶媒とする5%濃度のピロールモノマー溶液中に30
秒間浸漬して化学重合反応を行いポリピロール膜を形成
した。溶液の温度は第1表のごとく40℃から90℃の8段
階とした。この陽極電極箔を水洗乾燥させ、表面に形成
された化学重合によるポリピロール膜の電導度を調べ
た。この結果を第1表に示す。 この結果からわかるように、化学重合反応の温度を下
げると電導度が上昇することが認められた。ただ、ピロ
ール溶液が−40℃以下になると電導度は変化しなくな
る。 次に、第1表の各例の陽極電極表面に電解重合による
ポリピロール膜を形成し、陰極電極を形成し、外装を施
して固体電解コンデンサを完成させ、特性を調べた。 電解重合条件は、いずれの陽極電極についても同一条
件とし、ピロールモノマーと、支持電解質としてボロジ
サリチル酸トリエチルアミン塩をアセトニトリル溶媒中
に各々0.1M/l(リットル)の濃度で溶解した溶液を用
い、常温下で0.5mAの電流で60秒間電解重合してポリピ
ロール膜を形成した。 この陽極電極に陰極引き出しのために、銀ペーストを
電解質膜全面に塗布し、その一部に引き出しリード線を
接続し、さらにその外面全体にエポキシ樹脂を塗布硬化
させて固体電解コンデンサを完成させた。 この固体電解コンデンサをエージングした後、電気特
性(静電容量、損失(Tanδ)、等価直列抵抗値(ES
R))を測定したところ、第2表に示す結果が得られ
た。なお、Tanδについては120Hz、ESRについては100KH
zでの値である。 この結果からわかるように、この発明の方法によって
作成された固体電解コンデンサは、比較例の方法に比べ
て高い静電容量値が得られると共に、高周波インピーダ
ンスに影響のある、高周波における等価直列抵抗(ES
R)の値が低くなっていることがわかる。
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、表面に誘電体酸
化皮膜が形成された陽極電極に、化学重合による配向性
の良好なポリピロール膜を形成することができる。 この結果、ポリピロールの電導度が向上するので高周
波のインピーダンス特性が向上する。 また緻密で、しかも誘電体酸化皮膜と密着性の良い皮
膜が得られるので、電極単位面積あたりの静電容量値が
増大し、小型大容量の固体電解コンデンサを得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−49211(JP,A) 特開 昭63−314823(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/028

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に誘電体酸化皮膜層が形成された陽極
    電極に、化学重合によってポリピロールからなる固体電
    解質層を生成する工程を含む固体電解コンデンサの製造
    方法において、陽極電極を、0℃未満ないし−70℃以上
    の温度範囲に保ったピロールモノマー溶液に浸漬し、ポ
    リピロールを化学重合させたことを特徴とする固体電解
    コンデンサの製造方法。
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