JP2741619B2 - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は導電性の有機金属化合物薄膜を電解質とし
て用いた固体電解コンデンサおよびその製造方法に関す
る。
【従来技術】
固体電解コンデンサは、アルミニウム、タンタル、ニ
オブなどの表面に絶縁性の酸化皮膜層が形成される皮膜
形成能の金属群、いわゆる弁金属を陽極に用い、この陽
極金属表面に誘電体となる絶縁性の酸化皮膜層を形成
し、この外面に電解質層を設け、更にその外部に陰極引
き出しのための電極部を設けて構成されている。 固体電解質には、従来から二酸化マンガン、二酸化鉛
などの金属酸化物あるいはテトラシアノキノジメタン錯
塩、ポリアセチレン、ポリピロールなどの導電ポリマー
を用いることが試みられている。これらの導電性化合物
は其なりの導電性を持ち、固体電解コンデンサとしての
特性を具現化することができる。 ところで、近年の固体電解コンデンサは半導体製品と
の組み合わせやチップ化の要請により、より小型、薄形
化そして電気特性の向上が求められている。しかしなが
ら従来の固体電解質の形成では、このような要請に充分
対応できないのが現状である。 このような観点から、最近では固体電解コンデンサの
電解質層の形成に、ラングミュア−ブロジェット法(LB
法)を用いて薄膜電解質層の形成が試みられている(例
えば、特開昭63-122207号公報、特開昭64-10611号公報
など)。 しかしながら、薄膜形成と電気的特性の向上とを同時
に実現することは必ずしも容易でない。特に薄膜として
形成される錯体化合物等の電導度が充分でないと、コン
デンサの損失、等価直列抵抗、高周波におけるインピー
ダンス特性などに充分な値が得られない。また薄膜に欠
損があったり、緻密膜形成がおこなわれないと、短絡や
漏れ電流の増加などの弊害も出ることになる。
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、有機電導錯体のラングミュア−ブロジェ
ット膜(LB膜)を固定電解質として用いたコンデンサお
よびその製造方法であって、小型、大容量化を図ると共
に、優れた電気特性の固体電解コンデンサを得ることを
目的としている。
【課題を解決するための手段】
この発明の固体電解コンデンサは、絶縁酸化皮膜形成
能のある金属を電極に用い、前記電極に誘電体層となる
絶縁酸化皮膜層を形成したものの表面に、固体電解質層
として少なくとも1個のメチル基と複数の長鎖アルキル
基とからなるアンモニウムをカウンターカチオンとする
Ni(dmit)2錯体をラングミュア−ブロジェット法によっ
て1層もしくは複数層積層し、さらにその外面に対抗電
極としての電気的な引き出し手段を設けたことを特徴と
している。 またこの発明の固体電解コンデンサの製造方法は、絶
縁酸化皮膜形成能のある金属を電極に用い、前記電極に
誘電体層となる酸化皮膜層を形成したものの表面に、長
鎖アルキルアンモニウムをカウンターカチオンとするNi
(dmit)2錯体と飽和脂肪酸との混合物を水面に展開させ
たものを、ラングミュア−ブロジェット法によって積層
し、その後化学酸化もしくは電解酸化処理を施すことに
よって導電性を高め、さらにその外面に対抗陰極として
の電気的な引き出し手段を設けたことを特徴としてい
る。 導電性を呈するLB膜としては、既に10種以上の物質系
が報告されているが、大半は一次元の有機導体に属し、
導電スタックの欠陥等に対して極めて弱く、また一次元
特有の不安定性を有するために、長期的に安定度が要求
される固体電解コンデンサの電解質には適当でない。 これに対し、アクセプタとして〔金属〕(dmit)2を用
い、長鎖アルキルアンモニウムをカウンターカチオンと
する錯体は、次元性の高い錯体を形成し、この発明の目
的に適合し得る。 このような錯体の製造方法としては、例えばSynth.Me
t.,27,P601(1988)あるいはChemistry Letters P367-3
68(1989)などに記載がある。 金属dmit錯体は、一般式: M(dmit)2 すなわち を有する。ここで、H2dmitは、4,5−dimercapto-1,3-di
thiole-2-thione(C3H2S5)である。 そしてカウンターカチオン側には少なくとも1個のメ
チル基と複数の長鎖のアルキル基とからなるアンモニウ
ムによって錯体を構成する。 またこの発明では、金属元素Mはニッケルである。 カウンターカチオン側のアルキル基には、1個のメチ
ル基と例えばC=10程度の長鎖アルキル基を選択すれば
よい。また窒素原子の価数に応じ、2個または3個の上
記の長鎖アルキル基の結合が考えられ、各々アミンある
いは4級アンモニウムの形態がとり得る。このようなも
のとして具体的にはトリデシルメチルアンモニウムなど
が例示でき、この錯体の構造式を例示すると以下のとお
りとなる。 この錯体からLB膜を形成するためには、この錯体を例
えばアラキン酸などの飽和脂肪酸との等モルの混合液と
し、この混合液を水面上に分散させてLB膜を形成し、コ
ンデンサの電極表面に定着させ、臭素ガス(Br2)など
のハロゲン中に曝して化学酸化をおこなうか、過塩素酸
リチウム(LiClO4)などの過酸化物の水溶液中で電解酸
化を行うことによって電導度を高め所望の固体電解質を
得ることができる。上述のプロセスにより、上記トリデ
シルメチルの錯体の場合、例えばLB膜を20層程度形成す
ると、1.0ないし1.37S/cmの電導率の薄膜が得られる。 電極表面へのLB膜の形成手段については、公知の手段
を用いることができるが、例えば第2図に示すように、
水槽10の水14の表面にNi(dmit)2錯体とアラキン酸など
の飽和脂肪酸との混合物からなるLB膜11を展開させ、予
め水槽10に直角方向に浸漬してあるコンデンサ用の表面
に誘電体酸化皮膜層が形成されているアルミニウム等か
らなる板状電極12を水槽10から引き上げることにより、
板状電極12の表面にLB膜11を定着させることができる。
なお浮子13は、LB膜11を板状電極12に円滑に定着させる
ために設置されており、板状電極12の引き上げに伴って
浮子14が板状電極12側に移動する。 LB膜11が定着された電極12は上述したとおり化学酸化
あるいは電解酸化の処理をおこない、所望の電導度を得
た後、その表面に対抗電極形成のための導電手段を形成
する。具体的には、導電錯体表面に金、銀、銅、ニッケ
ル、アルミニウムなどの金属を蒸着し直接電極として用
いたり、金属微粒子粉を含む導電ペーストを介して、別
途加工された金属板等の電極と電気的に接続をおこなえ
ばよい。 また必要に応じて、外部との電気的な接続部分を残し
て、外装ケースへ収納したり、外装樹脂によって密閉を
施すことが可能である。
【作用】
この発明によれば、電導度が付与された長鎖アルキル
アンモニウムをカウンターカチオンとするNi(dmit)2
体のLB膜が固体電解質層として電極の誘電体酸化皮膜層
の上面に形成されることになる。 そしてこのLB薄膜は、極めて薄い層となるとともに、
緻密度が高くかつ高い電導度を示すので、固体電解コン
デンサとした場合、電気的特性に優れると共に、小型
化、薄形化が達成できる。
【実施例】
以下この発明を実施例にしたがって説明する。 第1図はこの発明の実施例の固体電解コンデンサの構
造をあらわした断面図である。 まず電極として、高純度(99.99%)のアルミニウム
薄板1をを準備し、(電解エッチングによる拡面化処理
の後、200Vの電圧で陽極酸化処理によって、表面に酸化
アルミニウムの誘電体層2を電極1の一方の端部を除い
て形成した。この電極誘電体層2の未形成部3に陽極リ
ード4を溶接により接続した。 次にトリデシルアンモニウム−Ni(dmit)2錯体とアラ
キン酸との1:1混合液を水に展開させた中へ前記電極1
の誘電体層2の形成部を浸漬してから引き上げて、電極
箔表面へLB膜5を定着させた。LB膜5の形成面積は25mm
×40mmであった。この電極1を臭素ガス中に10分間曝
し、化学酸化をおこない電導度を付与させた。この工程
を20度繰り返し、LB膜5を20層とした。 なおこの状態で表面のLB膜5の電導度を四端子法によ
って測定したところ、1.28S/cmの値であった。次にこの
LB膜5の表面に導電ペースト(日本アチソン社製エレク
トロダック)6を塗布し、陰極リード7を固定した。こ
のコンデンサ素子の外面を外装樹脂8でコートし素子部
を密閉してコンデンサを完成させた。 次にこのコンデンサと比較のために、二酸化マンガン
を固体電解質としてコンデンサを作成して特性の比較を
おこなった。二酸化マンガンによるコンデンサは陽極ア
ルミニウムにはこの発明のコンデンサと同一の仕様の電
極1を用い、同じ表面積に硝酸マンガン水溶液を塗布し
てこれを焼成して二酸化マンガンに変性させる工程を5
度繰り返し、その後カーボンペーストを塗布し、さらに
その外面に銀ペーストを塗布して陰極リードを接続させ
た。 これら固体電解コンデンサの電気特性を調べた結果を
以下の表に示す。 この結果からわかるように、この発明の固体電解コン
デンサは、従来のものに比べて単位面積あたりの静電容
量値が高く、小型化、薄形化に有利なことがわかる。ま
た損失値や高周波における等価直列抵抗値が低いこと
は、電解質層の電導度が高いことを示している。
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、導電性有機物の
薄膜をLB法により、緻密かつ薄く形成できるので、従来
の固体電解コンデンサに比べ高周波特性などに優れると
ともに、小型化された固体電解コンデンサを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の固体電解コンデンサの実施例をあら
わす断面図、第2図はLB膜の形成方法を示す説明図であ
る。 1……電極、2……誘電体層、3……未形成部 4……陽極リード、5……LB膜 6……導電ペースト、7……陰極リード 8……外装樹脂。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁酸化皮膜形成能のある金属を電極に用
    い、前記電極に誘電体層となる絶縁酸化皮膜層を形成し
    たものの表面に、固体電解質層として少なくとも1個の
    メチル基と複数の長鎖アルキル基とからなるアンモニウ
    ムをカウンターカチオンとするNi(dmit)2錯体をラング
    ミュア−ブロジェット法によって1層もしくは複数層積
    層し、さらにその外面に対抗電極としての電気的な引き
    出し手段を設けたことを特徴とする固体電解コンデン
    サ。
  2. 【請求項2】絶縁酸化皮膜形成能のある金属を電極に用
    い、前記電極に誘電体層となる絶縁酸化皮膜層を形成し
    たものの表面に、少なくとも1個のメチル基と複数の長
    鎖アルキル基とからなるアンモニウムをカウンターカチ
    オンとするNi(dmit)2錯体と飽和脂肪酸との混合物を水
    面に展開させたものを、ラングミュア−ブロジェット法
    によって1層ないし複数層積層し、その後化学酸化もし
    くは電解酸化処理を施すことによって電導度を高め、さ
    らにその外面に対抗電極としての電気的な引き出し手段
    を設けることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方
    法。
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