JP3546661B2 - コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体との付着性が良好な電極を利用した高耐熱で高周波特性の良好なコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンデンサは、一般に誘電体と誘電体に電荷を注入するための対向した電極から構成されている。昨今の電子機器の軽薄短小化のためには、コンデンサにおいても高容量化と高周波特性の改善が望まれているが、高容量化ではコンデンサの誘電体の高誘電率化、薄膜化、単位体積あたりの高表面積化が重要である。
このコンデンサの高容量化に対して、セラミックコンデンサでは高誘電率化と薄膜化で対応され、電解コンデンサでは高表面積化と薄膜化で対応されてきた。
【0003】
一方、コンデンサの高周波特性の改善のためには、セラミックコンデンサ、電解コンデンサともに電極自身の電導度、誘電体と電極との付着性の向上による接触抵抗の減少が重要である。特に電解コンデンサにおいては、一方の実質的電極である電解質を、電導性の良好な固体電解質とすることで高周波特性の改善に対応してきた。
この固体電解質の一例として、TCNQ塩等の有機半導体を利用したもの、ポリピロール、ポリアニリン等の電導性高分子を利用したもの、二酸化マンガン、二酸化鉛、二酸化スズ、酸化バナジウム等の無機系半導体を利用したものがある。
さらに、前述した誘電体の高誘電率化、薄膜化、高表面積化を考慮して、セラミックコンデンサと固体電解コンデンサの両者の長所を取り入れることを狙った無極性コンデンサも提案されている(特開昭63−34917号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなコンデンサは、一般的にプリント基板に半田を使用して実装されるが、半田の成分である鉛に公害性があるため、近年環境保護の高まりとともに無害な亜鉛組成を中心とした半田材料に代替される傾向にある。
一般に代替半田材料は、溶融温度が260〜280℃に上昇する傾向にあり、コンデンサ実装時に内部素子に従来以上の温度負荷がかかると考えられる。上述した固体電解質の中で有機半導体や電導性高分子は、従来の鉛半田の温度である240℃以下であっても耐熱性に限界があるため、このような代替半田材料によるさらなる温度負荷には耐えることが困難である。
【0005】
一方、比較的高耐熱性を有する無機半導体においても、二酸化マンガンは電導性が劣り、二酸化鉛、酸化バナジウムは公害性という欠点を有する。又、二酸化スズは幾分電導性が劣るという欠点以外に高温放置時に誘電体との付着性が劣化するという欠点がある。一方、前述した特開昭63−34917号公報に記載されたコンデンサにおいてもセラミックス部分と半導体層との接続が、従来の半田温度より高温の温度負荷がかかった場合、劣化するということが生じる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものでコンデンサの一方の電極として、モリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層を利用する無極性コンデンサであり、又は前記半導体層を固体電解質とする固体電解コンデンサである。又、このような酸化物は、一例として6価のモリブデンイオンを電解還元するか、化学還元するか、前記酸化物の水和物をアルカリ脱水処理するかによって得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の無極性コンデンサは、モリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層を一方の電極とするコンデンサである。このコンデンサの誘電体は半田より高温の耐熱性を必要とするため、金属の酸化物又は複合酸化物である。例えば、酸化チタン及びチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のベロブスカイト型化合物が挙げられる。コンデンサの容量をあげるため、前記誘電体は、表面を複雑な形状にしておくことが必要である。例えば他方の電極にエッチング細孔を有する金属、又は内部に空間を有する金属の焼結体の表面に誘電体を形成させることによって実質的に誘電体の形状をコントロールすることができる。このような金属としてチタン、亜鉛、アルミニウム、鉄、タンタル、ニオブ等の金属が代表例として挙げることができる。金属の細孔又は内部の空間に前記誘電体を形成させるには、例えばチタンイオン又はチタンイオンとバリウムイオンを含有した水溶液をアルカリで沈澱させることによって得られる。この場合誘電体の最小厚さの部分がコンデンサの耐電圧を決定する。前記した誘電体の一方の電極としてモリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層が形成される。
【0008】
前記酸化物は、例えば後述するモリブデンの6価イオンを含有した液中に誘電体を浸漬して化学還元、電解還元するか、モリブデンの4価又は5価の酸化物の水和物液中に誘電体を浸漬してアルカリ処理後脱水処理して形成させることができる。前記半導体層は10〜10 S・cm−1の電導性を有し、しかも260℃、3時間の高温放置においても電導性が不変である。さらに、後述する実施例で示したように、誘電体と半導体の接続性の劣化の尺度である高温放置時の等価直列抵抗(ESR)値の変化が極めて僅かである。
前記コンデンサの半導体層の上には、コンデンサの外部電極との接続性を良好にするためカーボンペースト及び/又は銀ペーストを塗布しておいても良い。
【0009】
次に本発明の固体電解コンデンサは、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンあるいはこれら金属を基質とする合金等、弁作用を有する皮膜形成性金属にモリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層の固体電解質を付着した構造を有している。
陽極は、これら金属の多孔質焼結体、エッチング等で表面処理された板(リボン、箔等を含む)、線等で特に形状は限定されない。
陽極基体表面の誘電体層は、陽極基体自身の酸化物であって、見かけ上陽極基体表面を被覆している。
これら酸化物誘電体を設ける方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
例えば、アルミニウム箔を用いる場合であれば、アルミニウム箔の表面を電気化学的にエッチングし、さらにアジピン酸アンモニウムの水溶液中で電気化学的に処理すれば、陽極基体であるアルミニウム箔上にアルミナからなる酸化物誘電体層を形成することができる。
【0010】
このように陽極基体表面に酸化物誘電体層を設けた後、この誘電体層上に固体電解質層として、モリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層を形成する。さらに、半導体層上にカーボンペースト及び/又は銀ペーストが積層される。
かかるモリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層を形成する方法を説明する。
【0011】
その第1の方法は、モリブデンの6価イオンを含有した液中に誘電体を浸漬して化学還元する方法である。
モリブデンの6価イオンを含有する化合物としては、例えばモリブデン酸リチウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸アンモニウム、モリブドリン酸等が挙げられる。還元剤としては、水素化カルシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素、ヒドラジン、塩化スズ、硫酸鉄、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。前記モリブデン化合物の水溶液と還元剤の水溶液を用意し、誘電体を2種の溶液に交互に浸漬して半導体層を形成するか、前記モリブデン化合物と還元剤とを同一の水溶液として反応が始まる前に誘電体を浸漬して加熱等により反応を開始することによって半導体層を形成することも可能である。又使用する6価モリブデン化合物、還元剤、誘電体の種類によっては、反応の速さと誘電体の劣化の有無が各々異なるため、予備実験により、適当な試薬濃度とpH値を決定しておくことが重要である。
【0012】
通常は、6価モリブデン化合物の濃度は、1重量%以上、飽和溶解度の濃度以下である。1重量%以下であると半導体層を形成するための回数が増大し、非効率となり好ましくない。飽和溶解度以上の濃度の水溶液を使用しても反応に関与しない未溶解のモリブデン化合物が存在し、コスト的に不利であり好ましくない。
又、還元剤使用量は6価モリブデン化合物の使用モル数以上投入しておくと、未反応の6価モリブデン量が減少するため好都合である。又pH値は使用する誘電体がアルミナの場合、pH2以上pH10以下にしておき、誘電体の劣化の可能性を減少しておくことが必要である。
【0013】
このようにして得た半導体層は、250℃以上の温度で高温乾燥して水分を除去する。この場合、不活性雰囲気下で高温乾燥すると半導体層の劣化を起こさせないため好ましい。
又、前記モリブデン化合物と還元剤の種類、濃度及び反応時間によってモリブデンの4価又は5価の酸化物の量比が変化する。通常、還元剤の濃度が大きい程、又反応時間が長い程4価の酸化物量が増加する。モリブデンの酸化物は、4価、5価共に10〜10 S・cm−1の電導度と260℃・3時間の耐熱性を有し、又誘電体層との接着性も良好なため4価と5価の量比によって作製したコンデンサの性能を左右することはない。
【0014】
モリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層を形成する第2の方法は、モリブデンの6価イオンを電解還元することによって形成することができる。
モリブデンの6価イオンを含有する化合物として、前記したモリブデン系化合物を挙げる。
電解還元を容易にし、作成した半導体層の電導度を10〜10 S・cm−1に維持するために、モリブデン系化合物の20倍モル以下のニッケル系化合物を加えて使用しても良い。添加するニッケル系化合物としては硫酸ニッケル、塩化ニッケル等が挙げられる。
ニッケル系化合物は電解還元に使用すると、陰極で発生する水素を吸着する作用を有する。この水素がモリブデン系化合物の還元を助ける作用を有するため、ニッケル系化合物を未使用の場合に比較して短時間で目的とする電導度を有する半導体を形成することが可能である。
この場合、ニッケル系化合物を20倍モル以上添加しても効果は変わらないため20倍モル以下が好ましい。
【0015】
電解還元は、モリブデン系化合物の飽和溶解度以下の水溶液に陽極基体を浸漬し、陽極基体をマイナス側にし、別途用意した白金等の不活性金属をプラス側にして定電流還元することによって達成される。定電流値は、陽極基体の大きさと電極間隔、モリブデン系化合物の濃度と発生水素の程度を考慮しながら予備実験によって決定される。
通常、数mm角の素子に対しては、0.1mAから100mAまでの電流を通じる。100mAを越えると発生水素量が多量になり使用電気量のうち反応に寄与する部分の効率が悪くなり好ましくない。
また電解時間は、陽極基体の大きさと作製した固体電解コンデンサの出現容量を吟味することで決定されるが、通常は数時間から数10時間に入るように定電流値を定めることが好ましい。
【0016】
モリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層を形成する第3の方法は、モリブデンの4価及び/又は5価の酸化物の水和物をアルカリ処理した後脱水処理することによって得る方法が挙げられる。
一般にモリブデンの4価及び/又は5価の酸化物は、作製して短時間は鉱酸又は酢酸の低pHの水溶液に高濃度で溶解することができる。モリブデンの4価及び/又は5価の酸化物は、例えば前述した6価のモリブデンイオンを還元剤で化学還元することによって得られる。鉱酸等で溶解したモリブデンの4価及び/又は5価の酸化物は、水和物の形で溶解している。この状態の溶液に前述した誘電体(誘電体が形成された陽極基体を含む)を浸漬し、別途用意したアルカリ溶液に再び浸漬した後、200〜400℃で高温乾燥して脱水処理を行うと目的とする半導体層が形成される。このようにして得た半導体層も前述した半導体層と同様な電導性、耐熱性、誘電体との良好な付着性を有する。
【0017】
本発明ではモリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層を形成する方法を数種類提案した。
いずれの方法を採用するか、又複数個の方法を利用するかは、コンデンサの種々の特性、又生産効率等を考慮して予備実験等により決定すれば良い。
本発明の半導体層中の4価及び/又は5価のモリブデンの酸化物の量は50重量%以上が好ましい。
一般に物質の電導度は、電導物質が全物質中に50重量%以上有すると、パーコレーション説に基づいてかなりの電導度を示すことが知られている。本発明のモリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層においても、約50重量%が4価及び/又は5価の酸化物であれば10S・cm−1程度の電導性を示し、コンデンサの高周波特性も遜色のない値を示す。又本発明において、主成分以外の不純物は5価まで還元されないでいる6価乃至5価未満の化合物と考えられる。
尚、この酸化物の量は市販の二酸化モリブデンと五酸化二モリブデンの量をESCA測定での結合エネルギーと、X線回折の高低エネルギー位置から計算した値を基にして求めた。
【0018】
【作用】
モリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層は高耐熱である以外に、誘電体との接着性が良好である。これは、誘電体の組成中の酸素原子と錯体を作り、あたかもモリブデンの6価に戻ろうとする力が働いているかのように作用するためと考えられる(完全に6価になると高抵抗になるが、電導度、コンデンサ性能からは6価になっていない)。
即ちモリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層は幾分かの還元力を持つことが従来の金属酸化物半導体と異なるところである。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1、2
大きさ3×3mm、厚さ0.8mmのタンタル焼結体(CV1000/g)を用意し、四塩化チタンと塩化バリウムの混合水溶液(各0.8モル/l、0℃)に浸漬した。ついで100℃でpH13になるように水酸化ナトリウムを加え、3時間放置した。この反応を繰り返し、焼結体の空間表面にチタン酸バリウムを析出させた。さらに800℃で乾燥させた。つづいて実施例1では、モリブデンアンモニウムの30重量%水溶液と水素化ホウ素ナトリウムの2重量%水溶液を用意し、実施例2ではモリブデン酸ナトリウムの30重量%水溶液とヒドラジンの80重量%水溶液を用意し、各々前述した誘電体が析出したタンタル焼結体を交互に浸漬することを繰り返した。水洗後300℃で3時間乾燥した。ついで表面に析出したモリブデンの酸化物の半導体層の上にカーボンペースト、銀ペーストを順次積層し、エポキシ封止を行い無極性コンデンサを作製した。
【0020】
実施例3、4
厚さ100μmのチタン箔を硫酸中で電解エッチングを行うことにより、表面におおよそ3〜5μmの深さの細孔を形成した。このチタン箔から3×3mmの小片を切り出し電極とした。別に用意した四塩化チタンの15重量%水溶液にこの電極を浸漬し、室温で水を加えることにより誘電体として酸化チタンを析出させた。この反応を繰り返し約350℃で乾燥させた。つづいて実施例3ではモリブデン酸ナトリウムの30重量%水溶液20gに90重量%ヒドラジンを4g加え、硫酸でpHを9に調整した反応液に浸漬して50℃で反応させることを繰り返した。実施例4では、別に用意したモリブデン酸アンモニウム10gと水素化ホウ素ナトリウム0.5gと塩化スズ2gとを水100mlで反応させることにより得た沈澱を塩酸でpH1に調整して溶解したモリブデンの4価と5価の酸化物の水和物の水溶液と、pH12のアルカリ水溶液に交互に浸漬することを繰り返した。各実施例で誘電体上に析出した半導体を水洗後350℃、窒素下で4時間乾燥した。さらに実施例1と同様にカーボンペースト、銀ペーストを順次積層した後エポキシ樹脂で封口して無極性コンデンサを作製した。
【0021】
実施例5
三酸化モリブデンを560℃で水素還元して得た二酸化モリブデンを空気に触れさせずに、すぐに塩酸に溶解しモリブデンの四価の酸化物の水和物0.6重量%溶液を得た(pH1)。実施例1と同方法で得たチタン酸バリウムを誘電体としたタンタル焼結体をこの溶液に浸漬し、さらにpH12の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した。この操作を繰り返した後表面を水洗し、さらに300℃窒素下5時間乾燥して二酸化モリブデンの半導体層を形成した。さらに実施例1と同様にペースト層積層、封止を行い無極性コンデンサを作製した。
【0022】
実施例6
三酸化モリブデンと二酸化モリブデンを当量分量し、700℃でアルゴン下放置して五酸化二モリブデンを作製した。さらに空気に触れさせずに塩酸に溶解しモリブデンの五価の酸化物の水和物0.8重量%溶液を得た(pH1)。この溶液を使用した以外は実施例5と同様にして無極性コンデンサを作製した。
【0023】
実施例7〜11
大きさ1×1mm、厚さ0.8mmのタンタル焼結体(CV10000/g)を用意し、りん酸化成をほどこし、表面に五酸化二タンタルの誘電体を設けた。一方、実施例7ではモリブドりん酸0.1モル/l水溶液と水素化カルシウム0.01モル/l水溶液を、実施例8ではモリブデン酸アンモニウム0.1モル/l水溶液と亜硫酸ナトリウム0.1モル/l水溶液を、実施例9ではモリブデン酸リチウム0.1モル/l水溶液に塩酸を加えてpH8にした液と塩化スズ0.05モル/l、硫酸鉄0.5モル/lの混合水溶液を、実施例10ではモリブデン酸ナトリウム0.1モル/l水溶液とヒドラジン0.05モル/l水溶液を、実施例11ではモリブデン酸ナトリウム0.1モル/l水溶液と水素化ホウ素ナトリウム0.05モル/l水溶液を各々用意した。ついで誘電体を設けた焼結体を各々の水溶液に交互に浸漬することを繰り返した後表面を水洗し、さらに350℃窒素下3時間乾燥してモリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層を形成した。最後に実施例1と同様にペースト層を積層し、封止して固体電解コンデンサを作製した。
【0024】
実施例12
実施例4で用意した2種の水溶液に、実施例7と同様な方法で作製した誘電体が形成された焼結体を交互に浸漬することを繰り返し、さらに表面を水洗した後350℃窒素下3時間乾燥してモリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層を形成した。その後実施例1と同様にしてペースト層積層、封止を行い固体電解コンデンサを作製した。
【0025】
実施例13
実施例5で用意した2種の水溶液を使用した以外は、実施例12と同様にしてモリブデンの4価の酸化物を主成分とする半導体層を固体電解質とする固体電解コンデンサを作製した。
【0026】
実施例14
実施例6で用意した2種の水溶液を使用した以外は、実施例12と同様にしてモリブデンの5価の酸化物を主成分とする半導体層を固体電解質とする固体電解コンデンサを作製した。
【0027】
実施例15
実施例3で使用した反応液を使用した以外は、実施例12と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0028】
実施例16
実施例7のタンタル焼結体を化成せずに陰極側に、タンタル板を陽極側に、電解液としてモリブデン酸アンモニウム0.05モル/l水溶液を使用して0.7mAの定電流電解を行った。10時間後表面を水洗し、さらにりん酸で化成して誘電体層を形成した。ついで300℃窒素下で3時間乾燥してモリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層を形成した。その後、実施例1と同様にしてペースト層積層、封止を行い固体電解コンデンサを作製した。
【0029】
実施例17
実施例16で電解液にモリブデン酸リチウムとモリブデン酸アンモニウムを等量計0.05モル/l水溶液を使用した以外は実施例16と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0030】
実施例18
実施例16で電解液にモリブデン酸アンモニウムと硫酸ニッケルを1:10の割合で加えて1.5モル/lの水溶液(1Nアンモニア水でpH5に固定)とした以外は実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0031】
実施例19
実施例16で一度電解還元した後、再度実施例18の水溶液で電解還元した以外は、実施例16と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0032】
実施例20
実施例16で電解還元した後に、実施例7の2水溶液を用いて化学還元した以外は、実施例16と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0033】
実施例21
実施例16で電解還元した後に、実施例4で使用した2水溶液で水和物を形成した後、実施例16の方法で固体電解コンデンサを作製した。
【0034】
実施例22
実施例18で電解還元した後に、実施例3で使用した反応液で繰り返し化学還元した以外は実施例18と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0035】
実施例23
実施例18で電解還元の前に、実施例10の2水溶液で化学還元した以外は実施例18と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0036】
実施例24
実施例17で電解還元の前に、実施例4で使用した2水溶液で水和物を形成した以外は実施例17と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0037】
実施例25
実施例11で未化成のタンタル焼結体に半導体層を形成した後にりん酸で化成処理を行った以外は実施例11と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0038】
実施例26
実施例5と同様な方法で得たモリブデンの4価の酸化物の水和物溶液に別途モリブドリン酸の0.1モル/l水溶液と塩化スズの0.05モル/l水溶液を混合後10分以内に反応を終了して溶液を除去して得た沈澱を加えて約1.3重量%水溶液とした。この水溶液には4価のモリブデンの酸化物がおおよそ50重量%存在していて残りは6価乃至5価未満の酸化物であった。引き続き実施例と同様にして無極性コンデンサを作製した。
【0039】
尚、この4価の酸化物が約50重量%しか存在しない半導体層を有する無極性コンデンサであっても、その性能は容量2.2μF、tanδ1.7%、ESR0.06Ωであり、高温耐熱後のESRは0.06Ωであった。又半導体層自身の電導度は4×10S・cm−1であり、耐熱テスト後であってもその値は4×10S・cm−1であり良好なものであった。
【0040】
比較例1
実施例7で使用したものと同様なタンタル焼結体(化成済)を、別途用意したポリピロールのアセトン溶液に浸漬し、取り出し後五フッ化ヒ素ガスを導入して焼結体中でさらにポリピロールを重合させた。この操作を繰り返した後、トルエンスルホン酸10重量%水溶液中に含浸し、ポリピロールの半導体層を形成した。その後実施例7と同様にしてペースト層積層、封止を行い固体電解コンデンサを作製した。
【0041】
比較例2
比較例1と同様なタンタル焼結体に硝酸マンガン水溶液を含浸させ250℃で熱分解させた。この操作を繰り返して二酸化マンガンの半導体層を形成した。その後比較例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0042】
比較例3
比較例1と同様なタンタル焼結体にエトキシスズのアルコール溶液を含浸させた後、1モル/lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した。さらに550℃で熱分解させた。この操作を繰り返して二酸化マンガンの半導体層を形成した。その後比較例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0043】
比較例4
実施例1でチタン酸バリウムの誘電体の上に形成したモリブデンの酸化物の代わりに、特開昭63−34917号公報の実施例1の方法で二酸化鉛からなる半導体層を形成した以外は、実施例1と同様にしてコンデンサを作製した。
【0044】
以上、各実施例、比較例で作製したコンデンサの特性を表1に示す。尚、この特性値中ESR値は室温と高温耐熱テスト後(260℃で100秒保持)の値を示す。
表2には各実施例、比較例の半導体層自身の電導度、高温耐熱テスト後(260で3時間保持)の半導体層自身の電導度及び半導体層中の4価、5価の各々のモリブデン酸化物量の割合を示した。
【0045】
【表1】
Figure 0003546661
【0046】
【表2】
Figure 0003546661
【0047】
【発明の効果】
本発明のコンデンサ及びコンデンサの製造方法によれば、半導体層の電導度、耐熱性が高く、誘電体との接着性が良好であり、かつ環境上問題となる物質を使用していないため、性能が良好で廃棄に問題なく好都合である。

Claims (5)

  1. モリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層を
    一方の電極とし、他方の電極をエッチング細孔を有する金属又は、金属の焼結体とするコンデンサ。
  2. モリブデンの4価及び/又は5価の酸化物を主成分とする半導体層を固体電解質とすることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  3. モリブデンの6価イオンを化学還元することにより半導体層を形成することを特徴とする請求項1又は2記載のコンデンサの製造方法。
  4. モリブデンの6価イオンを電解還元することにより半導体層を形成することを特徴とする請求項1又は2記載のコンデンサの製造方法。
  5. モリブデンの4価及び/又は5価の酸化物の水和物をアルカリ処理した後、脱水処理することにより半導体層を形成することを特徴とする請求項1又は2記載のコンデンサの製造方法。
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