JP4553897B2 - 非同期ジッタ削減手法 - Google Patents

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Description

本発明は、読み取りクロックと書き込みクロックが非同期である場合に、データをメモリ装置から読み取り、データをメモリ装置に後に書き込む際のジッタを削減する手法に関する。
先入先出装置(FIFO)などの今日のディジタル・メモリは、システム・クロックによって生成される周期的なクロック信号に応じて動作する。FIFO装置では、連続した位置へのデータの書き込みは、連続した書き込みクロック・パルスを受信すると行われる。同様に、データによって先行にして書き込まれた連続した位置の各々からのデータの読み取りは、連続した読み取りクロック・パルスを受信すると行われる。読み取りクロックと書き込みクロックとの間の動的な位相差及び周波数差によってジッタが発生する。読み取りクロック周波数を増加させることによってジッタの発生を削減することになる。しかし、FIFOなどの装置では、読み取りクロック周波数を増加させることは、書き込みクロック周波数における相当する増加なしで装置の読み取り速度が速すぎることにつながり得る。書き込みクロック周波数を増加させることによって、この課題を解決することになる。しかし、書き込みクロック周波数を増加させることは常にできるものでない。
よって、上記欠点を解決する、メモリ装置に書き込まれたデータをアクセスする手法に対する必要性が存在する。
簡潔に述べれば、好ましい実施例によって、ジッタを削減して、メモリ装置からデータを読み取る方法を備える。方法は、xfの周波数で入力される連続した読み取りクロック・パルスを入力すると開始され、そのとき、xは整数であり、fは書き込みクロック周波数である。各々が特定の持続時間の、ひと続きの読み取りアドレスをメモリに入力して、データが読み取られる連続した相当する位置を識別する。ひと続きのアドレスのうちの少なくとも1つの持続時間は、データが読み取られる速度に応じて、サンプルのうちの一部のサンプルを飛ばすか繰り返すよう改変して、そのデータが読み出される速度があまり速くないようにする一方で、ジッタを削減して、メモリの読み取りを行うことを可能にする。
〔実施例〕
図1は、データの読み取りと書き込みとを同時に行うよう動作する先入先出型のメモリ12から構成されるメモリ回路10を表す。FIFO12は、記憶するデータを受け取る(書き込む)書き込みデータ入力14と、書き込みアドレスを受け取る書き込みアドレス・バス16とを有する。書き込みアドレス・バス16上で受け取られる各書き込みアドレスは、書き込みデータ入力14に存在するデータを受け取るよう、FIFO12における相当する記憶位置を規定する。FIFO12は、周期的なクロック・パルスを受信するとデータを相当する記憶位置に書き込む一方、FIFOは、書き込みイネーブル信号を所定の論理状態で、書き込みイネーブル入力19で受信する。実際には、書き込みクロック・パルスは周波数fを有する。
FIFO12は、アドレスが読み取りアドレス・バス24上に存在する記憶位置から読み取られるデータをFIFOが出力する読み取りデータ出力22を有する。FIFO12は、読み取りクロック入力24で受信される周期的な読み取りクロック・パルスを受信すると相当する記憶位置から読み取る一方、FIFOは読み取りイネーブル信号を所定の論理状態で、読み取りイネーブル入力28で受信する。システム・クロック25が読み取りクロック・パルスをFIFO12に供給する一方、マルチビット・カウンタ30は読み取りアドレスを生成する。
本願の原理の一特徴によれば、マルチビット・カウンタ30は、FIFO12に入力される連続した読み取りアドレスの少なくとも1つの持続時間を、FIFO調節論理ブロック32によって判定される、FIFOのファイル利用度ステータスによって変更する。ブロック32は、FIFOメモリ12の利用度をFIFOからのファイル利用度信号に応じて判定する。これに応じて、ブロック32はマルチビット・カウンタ30を制御するようクロック・イネーブル信号を供給し、マルチビット・カウンタ30は同様に、ジッタを削減するよう、FIFO12を読み取る速度を書き込む速度に対して判定する。
FIFOの読み取りクロック周波数を増加させることによってジッタの発生、すなわち、連続した読み取り間の、サンプル値における不確実性が削減されることになる。しかし、読み取りクロックを増加させることは、FIFOの読み取り速度が速すぎることにつながり得る。すなわち、読み取りクロック周波数が書き込みクロック周波数を超えることによって、FIFOのデータがなくなり、無効な出力データにつながることをもたらし得る。逆に、書き込みクロック周波数が読み取りクロック周波数を超えることによって通常、FIFOが充填される速度が速すぎることをもたらす。従来は、読み取りクロック周波数と書き込みクロック周波数との差異の管理では、FIFOから読み取られるサンプル全部を繰り返すか飛ばし、完全なジッタ・サンプルを出力データに付加することが余儀なくされていた。
従来技術のジッタ管理手法の欠点がよりよく分かるよう、読み取りクロック・パルスと書き込みクロック・パルスとの同期がとれているFIFOメモリのタイミング図群を表す図2を参照することとする。図2の行(a)に見られるように、書き込みクロック・パルス周期は1/fである。(行(b)に示す)入力データ・ストリームが、図2の行(a)における4番目の書き込みクロック・パルスによって状態において変化することとする。FIFOの書き込みイネーブル入力が所定の論理レベルに留まる一方、FIFOは、連続した記憶位置に入力ストリームのサンプルを、連続した書き込みアドレスを受け取ると書き込む。読み取りイネーブル信号を所定の論理レベルで受信すると、FIFOは、アドレスがFIFO読み取りアドレス入力に存在する記憶位置に記憶されているサンプルを読み出す。図2の行(e)は、図2の行(f)上に存在する読み取りアドレスに相当する記憶位置の各々でのFIFOから読み取られるデータを表す。読み取りクロック信号と書き込みクロック信号との同期がとられた状態に留まっている限り、繰り返すことも飛ばすことも必要でない。
前述のように、書き込みクロック周波数が読み取りクロック周波数を超えることによって、FIFO12を充填する速度が速すぎることをもたらし得る。この問題がないようにする1つの手法は、図3に示す、FIFOの読み取り中にサンプルを廃棄するか飛ばすことを必要とする。図3の行(a)はFIFOから読み取られるデータのストリームを表す一方、図3の行(b)はFIFOに入力されるひと続きの読み取りアドレスを表す。書き込みクロック周波数が読み取りクロック周波数を超える場合、廃棄すること又は飛ばすことを行わなければ読み出されることになるサンプルを廃棄するか飛ばすことによって「追いつく」必要性が存在する。例として、図3の行(b)の記憶位置n+3でのサンプル値が飛ばされる。1サンプル分飛ばすことによって、クロック・サイクル全体分ジッタが増加する。逆に、読み取りクロック周波数が書き込みクロック周波数を超えることによって、FIFOを読み取る速度が速すぎることをもたらし得る。この問題がないようにするには通常、FIFOが少なくとも1つのサンプルの読み取りを繰り返すことを必要とする。図4の行(a)はFIFOから読み取られるデータのストリームを表す一方、図4の行(b)は、少なくとも1つのアドレス(n+1)を繰り返してサンプルの読み出しを減速させた、ひと続きの読み取りアドレスのFIFOへの入力を表す。サンプルを繰り返すことによって、1つのクロック周期全体分ジッタが増加する。
上記のように、FIFO調節論理ブロック32は、クロック・イネーブル信号のマルチビット・カウンタ30への送信のタイミングを変更し、それによってマルチビット・カウンタが読み取りアドレスの持続時間を変更して、必要に応じて、サンプルのうちの一部のサンプルを飛ばさせるか繰り返させる。図1における表に見られるように、FIFOメモリ12の利用度が許容できる(すなわち、FIFOメモリから読み取る速度とFIFOメモリに書き込む速度がほぼ同じである状態に留まる)場合、FIFO調節論理ブロック32は、クロック・イネーブル信号をマルチビット・カウンタ30に4つのクロック・サイクル毎に送信する!FIFOAdjustSequence(FIFO調節シーケンス)を実行する。サンプルを飛ばすことも繰り返すこともこのシーケンス中には行われないことになる。FIFOメモリ12が空き状態になったかほぼ空き状態になったということをFIFO調節論理ブロック32が検出する場合、ブロックは、FIFOAdjustSequence&Repeat(調節シーケンス及び繰り返し)を開始して、マルチビット・カウンタにクロック・イネーブルをシステム・クロック生成器25からの第1のクロックの後に供給する。このことによって、サンプルのうちの一部のサンプルが繰り返される。逆に、FIFOメモリが満杯であるかほぼ満杯であるということをFIFO調節論理ブロック32が検出する場合、ブロックは、FIFOAdjustSequence&Drop(調節シーケンス及び廃棄)を開始し、その間にはクロック・イネーブルをマルチビット・カウンタ30に3番目のクロック・サイクル後に送信し、それによって、サンプルのうちの一部のサンプルが飛ばされることになる。
そのようなジッタの削減が上記手法によって達成される方法は、図5を参照することによって最も良く理解することが可能である。図5の行(a)は、書き込みクロック周波数の整数の倍数xで生成される連続した読み取りクロック・パルスを表す。すなわち、読み取りクロック周波数はxfに等しい。図示した実施例では、xは4に等しいが、他の整数値xも考えられる。FIFO12が読み取りクロック・パルスをシステム・クロック25から周波数xfで受信する一方、マルチビット・カウンタ30は読み取りアドレスをFIFO12にずっと遅い速度、通常、f程度の周波数で入力する。そのような状況下では、FIFOは同じサンプルをx回出力することになる。
データの読み取りと書き込みとの間で同期がとれていないことを補正するよう、マルチビット・カウンタ30は、サンプルのうちの一部のサンプルをFIFO12の利用度ステータスによって飛ばすか繰り返して、オーバフロー又はアンダフローを阻止し、よって、FIFO容量を所定の閾値限度によって維持するよう1つ又は複数のアドレスの長さを変更する。行(c)に示すように、少なくとも1つの読み取りアドレス(例えば、読み取りアドレス(n+2))の持続時間(長さ)を、図5の行(b)に示すように、サンプルのうちの一部のサンプル(例えば、サンプルのうちの1/4サンプル)を飛ばすよう、飛ばして、FIFO12からのデータの読み取りがデータの書き込みに対して遅延している場合に補正する。図5の行(e)を参照すれば、少なくとも1つの読み取りアドレス(例えば、読み取りアドレス(n+2))の持続時間を、図5の行(d)に示すように、サンプルのうちの一部のサンプル(例えば、サンプルのうちの1/4サンプル)を繰り返すよう延長して、FIFO12からのデータの書き込みがデータの読み取りに対して遅延している場合に補正する。上記のようにして読み取りクロック周波数を増加させることによって、サンプルを繰り返すか飛ばすことによってもたらされるジッタは、図3及び図4に示した従来技術の手法による場合におけるクロック・パルス全体ではなく、クロック・サイクルの1/xとなる。この手法は、サンプルのうちの一部のサンプルしか飛ばさず、サンプルのうちの一部のサンプルしか繰り返さないので、そのように飛ばすことや繰り返すことはより頻繁に行われることを要する可能性があることになるが、それは各サイクル中に行われる補正が少ないからである。
上記では、FIFOなどのメモリ装置にデータを書き込むことと、そのようなメモリ装置からデータを後に読み取ることに関してジッタを削減する手法を記載している。
ジッタを削減して、データの読み出しを可能にする、本願の原理の好ましい実施例によるメモリ回路の構成略図である。 読み取りクロック・パルスと書き込みクロック・パルスとの同期がとれていることによってデータ・サンプルが飛ばされないFIFOメモリのタイミング図群である。 読み取りクロック・パルスと書き込みクロック・パルスが非同期であり、データ・サンプルを飛ばすことを必要とするFIFOメモリのタイミング図群である。 読み取りクロック・パルスと書き込みクロック・パルスが非同期であり、データ・サンプルを繰り返すことを必要とするFIFOメモリのタイミング図群である。 読み取りクロック周波数が書き込みクロックの倍数であり、本願の原理によって、サンプルのうちの一部のサンプルを必要に応じて飛ばすか繰り返して、FIFOの読み取り速度が速すぎないようにする、図1のFIFOメモリのタイミング図群である。

Claims (12)

  1. データをメモリから読み取って、削減されたジッタを達成する方法であって、
    連続した読み取りクロック・パルスを前記メモリにxfの周波数で入力する工程を備え、xは2以上の整数であり、fは、データを書き込むよう前記メモリがクロッキングされる周波数であり、
    更に、連続した読み取りアドレスを前記メモリにfn程度の周波数で入力して、前記メモリが読み取りクロッキング・パルスによってクロッキングされる場合に読み取って連続した位置に記憶されているサンプルの読み取りを可能にするよう前記メモリにおいて連続した位置を識別する工程と、
    少なくとも1つの連続した読み取りアドレスの持続時間をメモリ利用度ステータスに応じて改変して、メモリ容量を少なくとも1つの所定の閾値内に維持する工程とを備えることを特徴とする方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、前記少なくとも1つの読み取りアドレスの前記持続時間を延長してサンプルのうちの一部のサンプルの読み取りを繰り返す工程を更に備えることを特徴とする方法。
  3. 請求項2記載の方法であって、2つ以上の読み取りアドレスの持続時間を延長して、サンプルのうちの一部の、2つ以上サンプルの読み取りを繰り返す工程を更に備えることを特徴とする方法。
  4. 請求項1記載の方法であって、前記少なくとも1つの読み取りアドレスの前記持続時間を短縮して、サンプルのうちの一部のサンプルの読み取りを飛ばす工程を更に備えることを特徴とする方法。
  5. 請求項4記載の方法であって、2つ以上の読み取りアドレスの持続時間を短縮して、サンプルのうちの一部の、2つ以上サンプルの読み取りを飛ばす工程を更に備えることを特徴とする方法。
  6. 請求項1記載の方法であって、前記連続した読み取りクロック・パルスを前記メモリに前記周波数fの4倍の周波数で入力する工程を更に備えることを特徴とする方法。
  7. 記憶されているデータを読み取って、削減されたジッタを達成するシステム装置であって、
    データが書き込まれ、データが読み取られるメモリと、
    連続した読み取りクロック・パルスを前記メモリにxfの周波数で入力するクロックとを備え、xは2以上の整数であり、fは、データを書き込むよう前記メモリがクロッキングされる周波数であり、
    更に、連続した読み取りアドレスを前記メモリにfn程度の周波数で入力して、前記メモリが読み取りクロッキング・パルスによってクロッキングされる場合に読み取って連続した位置に記憶されているサンプルの読み取りを可能にするよう前記メモリにおいて連続した位置を識別し、かつ、少なくとも1つの連続した読み取りアドレスの持続時間をメモリ利用度ステータスに応じて改変して、メモリ容量を少なくとも1つの所定の閾値内に維持するメモリ・アドレス生成器を備えることを特徴とするシステム装置。
  8. 請求項7記載の装置であって、前記メモリ・アドレス生成器が、前記少なくとも1つの読み取りアドレスの前記持続時間を延長して、サンプルのうちの一部のサンプルの読み取りを繰り返すことを特徴とする装置。
  9. 請求項8記載の装置であって、前記メモリ・アドレス生成器が、2つ以上の読み取りアドレスの持続時間を延長して、サンプルのうちの一部の、2つ以上サンプルの読み取りを繰り返すことを特徴とする装置。
  10. 請求項7記載の装置であって、前記メモリ・アドレス生成器が、前記少なくとも1つの読み取りアドレスの前記持続時間を短縮して、サンプルのうちの一部のサンプルの読み取りを飛ばすことを特徴とする装置。
  11. 請求項10記載の装置であって、前記メモリ・アドレス生成器が、2つ以上の読み取りアドレスの持続時間を短縮して、サンプルのうちの一部の2つ以上サンプルの読み取りを飛ばすことを特徴とする装置。
  12. 請求項7記載の装置であって、システム・クロックが、連続した読み取りクロック・パルスを前記メモリに前記周波数fの4倍の周波数で入力することを特徴とする装置。
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