JP4552780B2 - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置等といった電気光学装置に関する。また、本発明は、その電気光学装置を用いて構成される電子機器に関する。
現在、携帯電話機、携帯情報端末機等といった各種の電子機器において、液晶表示装置、EL装置等といった電気光学装置が広く用いられている。例えば、電子機器に関する各種の情報を視覚的に表示するための表示部として電気光学装置が用いられている。この電気光学装置において、電気光学物質として液晶を用いた装置、すなわち液晶表示装置が知られている。また、電気光学物質としてEL(Electro Luminescence)を用いたEL装置も知られている。
上記のような電気光学装置の中には構成要素として絶縁膜を有するものがあ(例えば、特許文献1〜4参照)。特許文献1には、電気光学装置を構成する基板上においてTFT(Thin Film Transistor)等といったスイッチング素子や配線が設けられる層と画素電極が設けられる層とを分けるための層間絶縁膜が開示されている。また、特許文献1には、層間絶縁膜の厚さを厚くすると共に層間絶縁膜として比誘電率の低いものを用いることにより、配線と電極との間の寄生容量を低くするという技術が開示されている。
また、特許文献2には、電気光学装置の素子基板において画素電極とTFT素子のゲート電極と間に層間絶縁膜を設けるという技術が開示されている。また、特許文献3には、電気光学装置の素子基板においてソース配線、ゲート配線等といった配線と画素電極との間に絶縁膜を設けるという技術が開示されている。また、特許文献4には、電気光学装置の素子基板においてゲートバスライン、ソースバスライン、TFT素子、及び透明電極の上に絶縁層を設けるという技術が開示されている。
特開平10−221704号公報(第4頁、図2) 特開2001−060067号公報(第7−8頁、図3) 特開2002−040411号公報(第6頁、図1) 特開2004−085720号公報(第6頁、図2)
上記の各文献に開示された電気光学装置において、絶縁膜は有効表示領域の全面にわたって略均一な厚さに形成されていた。そのため、基板上に形成されたデータ線、走査線等といった配線と、それに隣接する画素電極との間に寄生容量が発生して、表示品質が低下することがあった。具体的には、有効表示領域内のある1つの領域における表示が他の領域における表示に影響を及ぼすという、いわゆるクロストークが発生して表示品質が低下することがあった。より具体的には、有効表示領域内のある1つの領域における表示が表示面内で当該領域の上下位置に存在する他の領域における表示に影響を及ぼすという、いわゆる縦クロストークが発生して表示品質が低下することがあった。
本発明は、従来の電気光学装置における上記の問題点に鑑みて成されたものであって、電気光学装置の構成要素である絶縁膜に工夫を加えることによってクロストークの発生を抑制して表示品質を高く維持できる電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明に係る電気光学装置は、(1)基板と、(2)電気光学物質の層と、(3)前記基板に形成されたスイッチング素子と、(4)前記スイッチング素子に接続された配線と、(5)前記スイッチング素子上及び前記配線上に形成された絶縁膜と、(6)該絶縁膜に形成されたスルーホールと、(7)前記スルーホールを介して前記スイッチング素子に接続された画素電極と、(8)前記配線と、当該配線に隣接する他の配線に前記スイッチング素子を介して接続された前記画素電極との間隙領域の前記絶縁膜内に設けられた凹部と、を有し、(9)前記絶縁膜の誘電率をε1とし、前記凹部に収容される前記電気光学物質の誘電率をε2とするとき、ε1>ε2であることを特徴とする。
上記構成の本発明に係る電気光学装置においては、1つの配線と、それに隣接する他の配線にスイッチング素子を介して接続された画素電極との間隙領域の絶縁膜内に凹部を設けた。この凹部には電気光学物質が収容される。本発明の電気光学装置では、凹部が設けられた絶縁膜の誘電率をε1とし、電気光学物質の誘電率をε2とするとき、ε1>ε2としたので、配線とそれに隣接する画素電極との間に存在する寄生容量を下げることができる。そしてこれにより、クロストークの発生を抑制でき、表示品質を高めることができる。
以下、この構成について考察する。図8(a)及び図8(b)において、透光性基板101上にTFT(Thin Film Transistor)素子、TFD(Thin Film Diode)素子等といったスイッチング素子102が設けられ、さらに、スイッチング素子102に信号を伝送する走査線、データ線等といった配線103が設けられている。そして、素子102及び配線103の上に絶縁膜104が設けられ、その上に画素電極105が設けられ、さらにその上に液晶層107が設けられている。画素電極105と素子102とは、絶縁膜104の中に形成されたスルーホール106によって電気的につながっている。実際の電気光学装置ではこれら以外にも種々の要素が用いられるが、本発明に関連しない要素の図示は省略している。
図8(a)は絶縁膜に改良が加えられていない従来例を示している。図8(b)は絶縁膜104に凹部108Aが設けられた本発明の一例を示している。凹部108Aは、図8(b)の紙面垂直方向に配線103と平行に設けられている。また、凹部108Aの中には液晶層107を形成する液晶が収容されている。
図8(a)に示す従来例において、配線103とそれに隣接する画素電極105との間隔を“l”、断面積を“S”、絶縁膜104の誘電率を“ε1”とすると、配線103と画素電極105との間に存在する絶縁膜104に起因して発生する寄生容量Cは、
C=ε1×S/l……(1)
である。
一方、図8(b)に示す本発明の構成において、配線103から画素電極105に至る経路のうち絶縁膜104を通る長さを“l1”とし、凹部108A内の液晶を通る長さを“l2”とし、液晶の誘電率を“ε2”とすると、この場合の寄生容量C’は、
1/C’=1/(ε1×S/l1)+1/(ε2×S/l2)……(2)
である。
上記の式(1)及び式(2)から、
C’−C=
{ε1・S・l2(ε2−ε1)}/(l1+l2)(ε1・l2+ε2・l1)
……(3)
の式が得られる。この式(3)から考えれば、ε2<ε1に設定すれば、すなわち、液晶107の誘電率ε2を絶縁膜104の誘電率ε1よりも小さく設定すれば、
C’−C<0、すなわち、C’<C
となることが分かる。
C’<Cというのは、本発明に係る電気光学装置における配線と画素電極との間の寄生容量C’が、従来の電気光学装置における同じ個所の寄生容量Cに比べて小さいということである。このように配線と画素電極との間の寄生容量を小さくできれば、電気光学装置を用いて行われる表示におけるクロストークの発生を抑制でき、表示品質を高めることができる。
なお、図8(b)の実施形態では絶縁膜104を貫通する貫通穴、すなわち貫通溝によって凹部108Aを形成したが、これに代えて、図8(c)に示すように、絶縁膜104に内部に底を有する凹部によって凹部108Bを形成しても良い。
次に、本発明に係る電気光学装置は、前記基板に対向する対向基板と、互いに隣接する前記画素電極の間の領域に対向して前記対向基板上に設けられた遮光部材とを有することができる。つまり、スイッチング素子が形成される基板に対向する基板上に遮光部材、いわゆるブラックマスクを形成することができる。このブラックマスクは、電気光学装置を用いた表示におけるコントラストを向上させることに関して有効に機能する。対向基板に遮光部材を形成した本発明の態様においては、前記間隙領域の前記凹部の幅は前記遮光部材の幅よりも狭いことが望ましい。内部に液晶が収容された凹部を設けた個所では液晶層厚が部分的に変化するので表示ムラが発生するおそれがあるが、この部分に対応して凹部よりも幅が広い遮光部材を設けるようにすれば、表示ムラが外部から視認されることを防止でき、高い表示品質を維持できる。
次に、本発明に係る電気光学装置は、前記絶縁膜と前記画素電極との間に配置される光反射膜を有することができ、この場合、前記画素電極は長方形状に形成でき、前記光反射膜は前記画素電極よりも面積の小さい長方形状に形成できる。そしてこの場合には、前記間隙領域の前記凹部は少なくとも前記光反射膜の長手方向の長さを有することが望ましい。この構成によれば、配線と画素電極との間の寄生容量を、クロストークの発生を抑制できる程度に十分に低減できる。なお、前記凹部は、有効表示領域の縦方向又は横方向の全域にわたる長さを有するものとして形成することもできる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記スイッチング素子は第1電極上に絶縁膜を有し該絶縁膜の上に第2電極を有する薄膜ダイオード(すなわち、TFD)素子とすることができ、この場合には、前記配線は前記第1電極に接続される。そしてこの場合、前記間隙領域の前記凹部は前記配線に対して平行に延びることが望ましい。この構成によれば、スイッチング素子としてTFD素子を用いる構造の電気光学装置に関して、配線と画素電極との間の寄生容量を小さく抑制することによってクロストークの発生を抑制して、表示品質を高めることができる。なお、この構成の電気光学装置において、前記配線は、例えば、TFD素子へデータ信号を伝送するデータ線とすることができる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記スイッチング素子は、半導体層と、該半導体層を挟んで配置された複数の電極とを有する薄膜トランジスタ(すなわち、TFT)素子とすることができ、この場合には、前記配線は2つあり、その1つは前記複数の電極の1つに接続され、他の1つは前記複数の電極の他の1つに接続されることになる。そしてこの場合、前記間隙領域の前記凹部は前記1つの配線及び/又は前記他の1つの配線に対して平行に延びることが望ましい。この構成によれば、スイッチング素子としてTFT素子を用いる構造の電気光学装置に関して、配線と画素電極との間の寄生容量を小さく抑制することによってクロストークの発生を抑制して、表示品質を高めることができる。なお、この構成の電気光学装置において、前記配線の1つは、例えば、TFT素子へデータ信号を伝送するデータ線であり、配線の他の1つはTFT素子へ走査信号を伝送する走査線とすることができる。
次に、本発明に係る電子機器は、以上に記載した構成の本発明に係る電気光学装置を有することを特徴とする。本発明に係る電気光学装置によれば、既述の通り、1つの配線とそれに隣接する画素電極との間隙領域に存在する絶縁層に凹部を設け、その凹部の中に電気光学物質を収容し、そして絶縁膜の誘電率ε1と電気光学物質の誘電率ε2との関係をε1>ε2に設定したので、配線とそれに隣接する画素電極との間に存在する寄生容量を下げることができ、それによりクロストークの発生を抑制でき、それにより表示品質を高めることができる。従って、この電気光学装置を用いた本発明の電子機器においても、電気光学装置を用いて行われる電子機器に関する表示を高い表示品質で行うことができる。
(電気光学装置の第1実施形態)
以下、本発明に係る電気光学装置を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がその実施形態に限定されないことはもちろんである。また、これ以降の説明では図面を用いて各種の構造を例示するが、これらの図面に示される構造は特徴的な部分を分かり易く示すために実際の構造に対して寸法を異ならせて示す場合がある。本実施形態では、2端子型の非線形抵抗素子であるTFD(Thin Film Diode)素子をスイッチング素子として用いるアクティブマトリクス方式の液晶表示装置に本発明を適用するものとする。
図1は、本発明に係る電気光学装置の一例である液晶表示装置の一実施形態を示している。図2は、図1のA−A線に従った側面断面図である。図3は、図1の液晶表示装置における1つの画素部分を拡大して示す図であって、(a)は平面図を示し、(b)は(a)のB−B線に従ってサブ画素の短手側の断面構造を示している。図4は、図3(a)のC−C線に従ってサブ画素の長手側の断面構造、すなわち図2の矢印Eで示す部分を示している。図5は、図3(b)の矢印Dで示す部分を拡大して示している。
図1において、電気光学装置としての液晶表示装置1は、電気光学パネルとしての液晶パネル2と、この液晶パネル2に付設された照明装置3とを有する。液晶パネル2にはFPC(Flexible Printed Circuit:可撓性プリント回路)基板4が接続されている。この液晶表示装置1に関しては矢印Aが描かれた側が観察側であり、上記の照明装置3は液晶パネル2に関して観察側と反対側に配置されてバックライトとして機能する。
液晶パネル2は、長方形又は正方形で環状のシール材6によって互いに貼り合わされた一対の基板7及び8を有する。基板7はスイッチング素子が形成される素子基板である。また、基板8はカラーフィルタが形成されるカラーフィルタ基板である。シール材6は図2に示すように素子基板7とカラーフィルタ基板8との間に間隙、いわゆるセルギャップGを形成する。シール材6は図1に示すようにその一部に液晶注入口6aを有し、この液晶注入口6aを介して素子基板7とカラーフィルタ基板8との間に電気光学物質としての液晶が注入される。注入された液晶は図2に示すようにセルギャップG内で液晶層12を形成する。液晶注入口6aは液晶の注入が完了した後に樹脂によって封止される。液晶の注入方法としては、上記のような液晶注入口6aを通して行う方法以外に、液晶注入口を持たない連続する環状のシール材6によって囲まれる領域内に液晶滴を供給する方法も採用できる。
セルギャップGの間隔、従って液晶層12の層厚は、セルギャップG内に設けられる複数のスペーサ(図示せず)によって一定に維持される。このスペーサは、複数の球状の樹脂部材を素子基板7又はカラーフィルタ基板8の表面上にランダム(すなわち、無秩序)に置くことによって形成できる。また、スペーサは、フォトリソグラフィ処理によって所定の位置に柱状に形成することもできる。
照明装置3は、光源としてのLED(Light Emitting Diode)13と、導光体14とを有する。光源としては、LEDのような点状光源以外に、冷陰極管のような線状光源を用いることもできる。導光体14は、例えば、透光性を有する樹脂を材料とする成形加工によって形成され、LED13に対向する側面が光入射面14aであり、液晶パネル2に対向する面が光出射面14bである。矢印Aで示す観察側から見て導光体14の背面には、必要に応じて、光反射層16が設けられる。また、導光体14の光出射面14bには、必要に応じて、光拡散層17が設けられる。
素子基板7は、図2において、第1の透光性の基板7aを有する。この第1透光性基板7aは、例えば、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成される。この第1透光性基板7aの外側表面には偏光板18aが、例えば、貼着によって装着される。必要に応じて、偏光板18a以外の光学要素、例えば位相差板を付加的に設けることもできる。他方、第1透光性基板7aの内側表面には、矢印Eで示す部分の拡大図である図4にも示すように、配線としてのデータ線19が列方向Yに延びて形成されている。そして、スイッチング素子として機能する非線形抵抗素子であるTFD(Thin Film Diode)素子21がデータ線19に接続して形成されている。データ線19は図1に示すように複数本が互いに平行に設けられている。また、TFD素子21は複数個が各データ線19に沿って等間隔に設けられている。
それらのTFD素子21及びデータ線19の上に、図4に示すように、それらを覆うように絶縁膜としての層間絶縁膜22が形成され、その上に光反射膜23が形成され、その上に画素電極24が形成され、その上に配向膜26aが形成されている。層間絶縁膜22は、例えば、透光性、感光性、及び絶縁性を有する樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等をフォトリソグラフィ処理によってパターニングすることによって形成される。また、光反射膜23は、例えば、Al(アルミニウム)、Al合金等といった光反射性材料をフォトエッチング処理によってパターニングすることによって形成される。画素電極24は、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)等といった金属酸化物をフォトエッチング処理によってパターニングすることによって形成される。配向膜26aは、例えばポリイミド等を塗布することによって形成される。
光反射膜23及び画素電極24は、図1に示すように、素子基板7上にドットマトリクス状に複数形成される。これらの光反射膜23及び画素電極24は、個々のTFD素子21に接続されて各データ線19に沿って設けられている。複数の画素電極23は図示の通り個々がドット状に形成されており、それらが縦横方向、すなわち行列方向へマトリクス状に並ぶように形成される。図4の配向膜26aは図1において素子基板7の表面の略全域に形成される。そして、この配向膜26aに配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、素子基板7の近傍における液晶分子の初期配向が決められる。
図4において、層間絶縁膜22には、光反射膜23とTFD素子21とを電気的に接続するためのコンタクトホール27が形成される。このコンタクトホール27は、層間絶縁膜22をフォトリソグラフィ処理によって形成する際に同時に形成される。このコンタクトホール27は、平面的に見てすなわち平面視で、TFD素子21とは重ならない位置であって、光反射膜23と重なる位置に形成される。
TFD素子21は、本実施形態では、互いに電気的に直列につながれた一対のTFD要素25a及び25bによって形成されている。第1のTFD要素25aは、第1素子電極28、絶縁膜29、そして第2素子電極31aをその順で重ねることによって形成されている。また、第2のTFD要素25bは、第1素子電極28、絶縁膜29、そして第2素子電極31bをその順で重ねることによって形成されている。第1素子電極28は、例えば、Ta(タンタル)又はTa合金によって形成される。Ta合金としては、例えば、TaW(タンタル・タングステン)を用いることができる。絶縁膜29は、例えば、陽極酸化処理によって形成される。第2素子電極31a,31bは、例えばCr、モリブデン・タングステン合金によって形成される。
第1TFD要素25a内の第2素子電極31aはデータ線19から延びている。また、第2TFD要素25b内の第2素子電極31bはコンタクトホール27及び光反射膜23を介して画素電極24に接続されている。データ線19から画素電極24へ信号が伝送されることを考えたとき、第1TFD要素25aと第2TFD要素25bは電気的に逆極性である2つのTFD要素が直列に接続されることになる。この構造はバック・ツー・バック(Back-to-Back)構造と呼ばれることがある。本実施形態では、このようにバック・ツー・バック構造のTFD素子を用いたが、単一のTFD要素によってTFD素子を形成しても良い。
本実施形態では、画素電極24の下に層間絶縁膜22を設けることにより、画素電極24の層とTFD素子21の層とを別の層に分けている。この構造は、画素電極24とTFD素子21とを同じ層に形成する構造に比べて、素子基板7の表面を有効に活用することを可能とする。例えば、画素電極24の面積、すなわち画素面積を大きくすることができ、そのため、液晶表示装置1において表示を見易くできる。
図2において、素子基板7に対向するカラーフィルタ基板8は、矢印Aで示す観察側から見て長方形又は正方形の第2の透光性の基板8aを有する。この第2透光性基板8aは、例えば、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成される。この第2透光性基板8aの外側表面には偏光板18bが、例えば、貼着によって装着される。必要に応じて、偏光板18b以外の光学要素、例えば位相差板を付加的に設けることもできる。
第2透光性基板8aの内側表面には、図4にも示すように、着色要素36が形成され、その周囲に遮光部材37が形成され、着色要素36及び遮光部材37の上にオーバーコート層38が形成され、その上に帯状電極39が形成され、その上に配向膜26bが形成されている。帯状電極39は、図4の紙面垂直方向(すなわち、行方向X)に延びている。また、配向膜26bは、例えばポリイミド等を塗布することによって形成される。
着色要素36は矢印A方向から見て長方形又は正方形のドット状に形成されている。また、着色要素36は複数個が矢印A方向から見て行方向X(図4の紙面垂直方向)及び列方向Y(図4の左右方向)にマトリクス状に配列されている。遮光部材37はそれらの着色要素36を囲む格子状に形成されている。着色要素36の個々はB(青)、G(緑)、R(赤)の1つを通過させる光学的特性に設定され、それらB,G,Rの着色要素36が矢印A方向から見て所定の配列、例えばストライプ配列に並べられている。ストライプ配列とは、列方向YにB,G,Rの同色が並び、行方向XにB,G,Rが交互に順番に並ぶ配列である。
なお、着色要素36の配列はストライプ配列以外の任意の配列とすることができ、例えば、モザイク配列、デルタ配列等とすることもできる。また、着色要素36の光学的特性はB,G,Rの3原色に限られず、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3原色を通過させる特性とすることもできる。遮光部材37は、本実施形態では、B,G,Rの3原色のうちのいずれか2色を重ねることによって形成されている。しかしながら、遮光部材37は、B,G,Rの3色を重ねて形成することもできるし、所定の材料をフォトリソグラフィ処理によってパターニングすることによって形成することもできる。この場合の所定の材料としては、例えば、Cr等といった遮光性の材料が考えられる。
着色要素36及び遮光部材37の上に形成されたオーバーコート層38は、着色要素36及び遮光部材37の表面を平坦化するものであり、帯状電極39はこうして平坦化されたオーバーコート層38の上に形成される。帯状電極39は、例えばITO等といった金属酸化物をフォトエッチング処理によってパターニングすることによって形成される。帯状電極39は、図1に示すように、カラーフィルタ基板8上に複数本が互いに平行に並ぶように設けられている。個々の帯状電極39は行方向Xに延びている。図4において帯状電極39の上に形成された配向膜26bには配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、カラーフィルタ基板8の近傍における液晶分子の初期配向が決められる。
図2において、素子基板7上に設けられた複数の画素電極24は矢印A方向から平面的に見て、行方向X及び列方向Yにマトリクス状に並んでいる。一方、カラーフィルタ基板8上に設けられた複数の帯状電極39は、列方向Yに並ぶ複数の画素電極24と矢印A方向から平面的に見て重なるようにストライプ状に並んでいる。このように画素電極24と帯状電極39は矢印A方向から見て重なり合っており、その重なり合った領域が表示のための最小単位であるサブ画素領域Dを形成している。そして、複数のサブ画素領域Dが行方向X及び列方向Yにマトリクス状に並ぶことにより図1の表示領域Vが形成され、この表示領域Vに文字、数字、図形等といった像が表示される。
本実施形態のように、B,G,Rの3色から成る着色要素36を用いてカラー表示を行う場合は、B,G,Rの3色に対応する3つの着色要素36に対応する3つのサブ画素領域Dによって1つの画素が形成される。他方、白黒又は任意の2色でモノカラー表示を行う場合は、1つのサブ画素領域Dによって1つの画素が形成される。1つの画素部分を平面的に示す図面である図3(a)に示すように、サブ画素Dは長方形状に形成されている。
図3のC−C線に従った断面図である図4において、光反射膜23は、例えばフォトエチング処理によって形成される。この光反射膜23はサブ画素領域Dのうちの一部の領域Rに設けられており、残りの領域Tには設けられていない。領域Rは図3(a)に示すようにサブ画素領域D内の一部の長方形状の領域であり、領域Tはサブ画素領域D内の残りの長方形状の領域である。
個々のサブ画素領域Dの中で光反射膜23が存在する領域が反射表示領域Rであり、光反射膜23が存在しない領域Tが透過表示領域である。図4において矢印Aで示す観察側から入射した外部光L0は反射表示領域Rで反射する。一方、図1の照明装置3の導光体14から出射した図4の光L1は、透過表示領域Tを透過する。
層間絶縁膜22の表面であって個々のサブ画素領域D内の反射表示領域Rに対応する部分には凸部又は凹部が形成されて凹凸パターンが形成されている。この凹凸パターンは矢印A方向から見てランダム(すなわち、無秩序)なパターンとなっている。光反射膜23は、そのような凹凸パターンが形成されている層間絶縁膜22の上に形成されていて、それ自身も同じ凹凸パターンを有している。このように光反射膜23に凹凸パターンを形成することにより、光反射膜23で反射する光L0を、鏡面反射ではなくて、散乱光や指向性を持った光とすることができる。
カラーフィルタ基板8において着色要素36の周囲に形成された遮光部材37は、図3(a)に鎖線で示すように、サブ画素Dの周囲を取り囲むように形成されている。この遮光部材37は、サブ画素Dの周囲から光が漏れ出るのを防止して表示のコントラストを向上させる。
次に、図2において、素子基板7を構成する第1透光性基板7aはカラーフィルタ基板8の外側へ張り出す張出し部46を有している。この張出し部46の表面には、配線47がフォトエチング処理等によって形成されている。配線47は矢印A方向から見て複数本形成されており、それらの複数本が紙面垂直方向へ互いに等間隔で平行に並べられている。また、張出し部46の辺端には複数の外部接続用端子48が紙面垂直方向へ互いに等間隔で平行に並ぶように形成されている。図1に示したFPC基板4に形成される配線は、図2の外部接続用端子48に導電接続する。
複数の配線47の一部はデータ線19となって第1透光性基板7aの表面上を延びている。また、複数の配線47の残りの一部はシール材6の中にランダム(すなわち、無秩序)に含まれる導通材49を介してカラーフィルタ基板8上に設けられた帯状電極39に導電接続されている。導通材49は、図2では模式的に大きく描かれているが、実際にはシール材6の断面の幅よりも小さいものであり、シール材6の1つの断面内に複数の導通材49が含まれるのが普通である。
張出し部46の表面には、ACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)51を用いたCOG(Chip On Glass)技術によって、駆動用IC52が実装されている。駆動用IC52は、本実施形態では図1に示すように複数、例えば3個実装されている。例えば、中央の1つの駆動用IC52は、データ線19へデータ信号を伝送する。他方、両側の駆動用IC52,52は、カラーフィルタ基板8上に形成された帯状電極39へ走査信号を伝送する。
次に、図3(a)のB−B線に従った断面図である図3(b)に示すように、層間絶縁膜22は基板7aの全面に均一な厚さで設けられるのではなく、個々のサブ画素D内のデータ線19と、それに隣接する他のサブ画素D内の画素電極24との間の領域内に凹部41を有している。この凹部41は層間絶縁膜22をフォトリソグラフィ処理によってパターニングする際に形成される。液晶層12を形成する液晶はこの凹部41内に収容されている。こうして凹部41及びそれの中に収容された液晶によって寄生容量の調整領域が形成されている。凹部41は、図3(a)に示すようにデータ線19と平行に設けられ、さらに図1において有効表示領域Vの張出し部46側の端辺から反対側の端辺にわたって切れ目無く延びている。
図3(b)に示す層間絶縁膜22の誘電率をε1とし、液晶層12を構成する液晶の誘電率をε2とすると、本実施形態では、それらの誘電率がε1>ε2となるように層間絶縁膜22及び液晶12の材質を選択している。以下、この点に関連する技術を説明する。図3(b)の矢印Dに示す部分の拡大図である図5において、1つのサブ画素領域D内のデータ線19から当該サブ画素領域Dに隣接する他のサブ画素領域D内の画素電極24に至る直線経路Kを考える。そして、この経路Kのうち層間絶縁膜22内の長さをl1とし、層間絶縁膜22の凹部41内の長さをl2とする。
さらに、経路Kに沿って発生する寄生容量をC’とし、断面積をSとすれば、層間絶縁膜22の誘電率がε1であり、液晶層12を構成する液晶の誘電率がε2であることを考慮すれば、
1/C’=1/{ε1×(S/l1)}+1/{ε2×(S/l2)}……(4)
のように表すことができる。
一方、仮に凹部41を設けることなく、層間絶縁膜22を一様な厚さで基板7a上の全面に設けることにした場合に、経路Kに沿って発生する寄生容量をCとすれば、
C=ε1×(S/l)……(5)
のように表すことができる。但し、l=l1+l2である。
式(4)及び式(5)を参照すれば、
C’−C
={ε1・S・l2(ε2−ε1)}/(l1+l2)(ε1・l2+ε2・l1)
……(6)
が得られる。本実施形態では、上記の通り、ε1>ε2となるように層間絶縁膜22及び液晶12の材質を選択したので、式(6)においてC’−C<0となり、従って
C’<C
となる。このことは、図5に示すように絶縁膜22内に凹部41を設ければ、絶縁膜22内に凹部41を設けない場合に比べて、データ線19の回りに生じる寄生容量を小さくできるということである。
以上のように構成された液晶表示装置1によれば、図2において、液晶表示装置1が明るい室外や明るい室内に置かれる場合は、太陽光や室内光等といった外部光を用いて反射型の表示が行われる。一方、液晶表示装置1が暗い室外や暗い室内に置かれる場合は、照明装置3をバックライトとして用いて透過型の表示が行われる。
上記の反射型表示を行う場合、図4において、観察側である矢印Aの方向からカラーフィルタ基板8を通して液晶パネル2内へ入射した外部光L0は、液晶層12を通過して素子基板7内へ入った後、反射表示領域Rにおいて光反射膜23で反射して再び液晶層12へ供給される。他方、上記の透過型表示を行う場合、図2の照明装置3の光源13が点灯し、それからの光が導光体14の光入射面14aから導光体14へ導入され、さらに、光出射面14bから面状の光として出射する。この出射光は、図4の符号L1で示すように透過表示領域Tにおいて光反射膜23が存在しない領域を通って液晶層12へ供給される。
以上のようにして液晶層12へ光が供給される間、素子基板7側の画素電極24とカラーフィルタ基板8側の帯状電極39との間には、走査信号およびデータ信号によって特定される所定の電圧が印加され、これにより、液晶層12内の液晶分子の配向がサブ画素領域Dごとに制御され、この結果、液晶層12に供給された光がサブ画素領域Dごとに変調される。この変調された光が、カラーフィルタ基板8側の偏光板18b(図2参照)を通過するとき、その偏光板18bの偏光特性に従ってサブ画素領域Dごとに通過を許容又は通過を阻止され、これにより、カラーフィルタ基板8の表面に文字、数字、図形等といった像が表示され、これが、矢印A方向から視認される。
本実施形態では、図5に関連して説明したように、
層間絶縁膜22の誘電率ε1>液晶12の誘電率ε2
となるように層間絶縁膜22及び液晶12の材質を選択したので、データ線19の回りに生じる寄生容量C’を、凹部41を設けない場合の寄生容量Cに比べて小さくすること、すなわちC’<Cにすることができた。このように寄生容量を小さくできたことにより、クロストーク、特に縦クロストークの発生を抑えることができ、鮮明な表示を得ることができた。
なお、本実施形態では図3(b)に示すように絶縁膜22を貫通する溝によって凹部41を形成したが、これに代えて、内部に底を有する凹部によって絶縁膜22に凹部41を形成しても良い。
また、本実施形態では、素子基板7に設けた凹部41の幅W0はカラーフィルタ基板8に設けた遮光部材37の幅W1よりも狭く設定されている。内部に液晶12が収容された凹部41を設けた個所では液晶層厚が部分的に変化するので表示ムラが発生するおそれがあるが、この部分に対応して凹部41よりも幅が広い遮光部材37を設けるようにすれば、表示ムラが外部から視認されることを防止でき、高い表示品質を維持できる。
また、本実施形態では、図3(a)に示す凹部41は図1において有効表示領域VのIC実装側の端辺から反対側の端辺にかけて切れ目無く設けられている。このように凹部41を有効表示領域Vの1つの端辺から対向側の端辺へかけて切れ目無く設ければ、絶縁膜22に起因する寄生容量を低減することに関して非常に有効である。なお、凹部41は必ずしもそのように有効表示領域V内に切れ目無く設けなければならないものではなく、場合によっては切れ目を設けて、すなわち間欠的に設けても良い。しかしながら、凹部41は、望ましくは、図3(a)において光反射膜23の長手方向の長さL2よりも長い長さに設定する。こうすれば、データ線19と画素電極24との間の寄生容量を、クロストークの発生を抑制できる程度に十分に低減できる。
(電気光学装置の第2実施形態)
次に、本発明に係る電気光学装置の他の実施形態を図6及び図7を用いて説明する。なお、本発明がその実施形態に限定されないことはもちろんである。また、これらの図面に示される構造は特徴的な部分を分かり易く示すために実際の構造に対して寸法を異ならせて示す場合がある。本実施形態では、3端子型のスイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)素子をスイッチング素子として用いるアクティブマトリクス方式の液晶表示装置に本発明を適用するものとする。
本実施形態に係る液晶表示装置の全体的な構成は図1及び図2に示した先の実施形態の場合と略同じである。異なるのは、先の実施形態ではスイッチング素子としてTFD素子21(図4参照)を用いたのに対し、本実施形態ではそれに代えてTFT素子を用いたことであり、そのことに関連していくつかの点で改変が加えられている。なお、図2の素子基板7上にTFT素子、すなわちスイッチング素子が形成され、カラーフィルタ基板8上にカラーフィルタ、すなわち着色要素が形成されることは先の実施形態と同じである。
図6(a)は、図2の素子基板7の液晶側表面であって矢印Eで示す1つのサブ画素領域Dの近傍部分を矢印A方向から平面的に見た場合の構成を示している。また、図6(b)は、図6(a)のF−F線に従ってサブ画素領域Dの短手側の断面構造を示している。また、図7は図6(a)のG−G線に従ってサブ画素領域Dの長手方向の断面構造を示している。図6(b)において、素子基板7とカラーフィルタ基板8との間にセルギャップGが形成され、このセルギャップG内に液晶層12が形成されている。
カラーフィルタ基板8の構成要素である透光性基板8a上に、着色要素56が形成され、それを囲むように遮光部材57が形成され、それらの上にオーバーコート層58が形成され、その上に共通電極59が形成され、その上に配向膜76bが形成されている。本実施形態で用いられる共通電極59は基板8a上に一様な厚さで平面的に設けられている。
本実施形態で用いるTFT素子はアモルファスTFT素子であり、このTFT素子は図6bに符号61で示すように、素子基板7の構成要素である基板7a上に形成されたゲート電極62と、それを覆うように基板7a上に形成されたゲート絶縁膜63と、ゲート絶縁膜63を介してゲート電極62の上に形成されたアモルファスシリコン(a−Si)から成る半導体層64と、半導体層64の一方に接続するように形成されたソース電極65と、半導体層64の他方に接続するように形成されたドレイン電極66とを有する。
ソース電極65は、図6(b)の紙面垂直方向(図6(a)の紙面上下方向)に延びる配線としてのソース電極線65’から延びている。また、ゲート電極62は図6(b)の紙面左右方向(図6(a)の紙面左右方向)に延びる配線としてのゲート電極線62’から延びている。ソース電極線65’とゲート電極線62’は図6(a)に示すように絶縁膜を介して互いに直交するように形成されている。ソース電極線65’は図1において3つの駆動用IC52の中央の1つに電気的に接続されてデータ信号を供給される。また、ゲート電極線62’は図1において3つの駆動用IC52の両側の2つに電気的に接続されて走査信号を供給される。
なお、TFT素子をスイッチング素子として用いる本実施形態では、データ線及び走査線がいずれも素子基板7上に形成されるので、図2のシール材6の中に分散された導通材49を用いた上下導通構造は不要である。
図6(b)において、TFT素子61及びゲート絶縁膜63の上に層間絶縁膜72が設けられ、その上に光反射膜73が形成され、その上に画素電極74が形成され、その上に配向膜76aが形成されている。図6(b)に直交する断面を示す図7において、サブ画素領域D内で光反射膜73が存在する領域Rが反射表示領域であり、光反射膜73が存在しない領域Tが透過表示領域である。層間絶縁膜72の誘電率をε1とし、液晶の誘電率をε2とすると、本実施形態では、ε1>ε2となるように、層間絶縁膜72の材料及び液晶12の材料が選択されている。
本実施形態では、図6(b)において、あるサブ画素領域D内のTFT素子61へデータ信号を伝送するソース電極線65’と、当該サブ画素領域Dに隣り合う他のサブ画素領域D内の画素電極74との間の絶縁膜72内に列方向Yへ延びる凹部41aが設けられる。凹部41aの中には液晶層12を構成する液晶が収容される。ソース電極線65’から隣の画素電極74へ至る直線経路Kは、絶縁膜72を通る長さl1の領域と、凹部41a内の液晶12を通る長さl2の領域とに分割される。このように凹部41aを設けたことにより、ソース電極線65’の回りの寄生容量を低減できる。
図7において、TFT素子61の構成要素であるゲート電極62につながるゲート電極線62’は図7の紙面垂直方向(すなわち、図6(a)の紙面左右方向)へ延びている。このゲート電極線62’はTFT素子61へ走査信号を伝送する。あるサブ画素領域D内のゲート電極線62’と、当該サブ画素領域Dに隣り合う他のサブ画素領域D内の画素電極74との間の絶縁膜72内に行方向Xへ延びる凹部41bが設けられる。凹部41bの中には液晶層12を構成する液晶が収容される。ゲート電極線62’から隣の画素電極74へ至る直線経路Kは、絶縁膜72を通る長さl1の領域と、凹部41b内の液晶12を通る長さl2の領域とに分割される。このように凹部41bを設けたことにより、ゲート電極線62’の回りの寄生容量を低減できる。
以上のように、ゲート電極線62’及びソース電極線65’という互いに直交する2つの配線を素子基板7上に備えた本実施形態の液晶表示装置では、図6(a)、図6(b)及び図7に示すように、それらの各配線のそれぞれに対して平行な2つの凹部41a及び41bを設けたので、いずれの配線に関しても寄生容量を低減でき、それ故、クロストークの発生を確実に低減して、鮮明な表示を行うことができる。
(電気光学装置に関する他の実施形態)
以上に説明した実施形態は、2端子型のスイッチング素子であるTFD素子をスイッチング素子として用いた液晶表示装置、及び3端子型のスイッチング素子であるアモルファスTFT素子をスイッチング素子として用いた液晶表示装置に関するものである。本発明に係る電気光学装置は、それらの実施形態以外に、高温ポリシリコンTFT素子や、低温ポリシリコンTFT素子等をスイッチング素子として用いる液晶表示装置にも適用できる。
また、本発明は、液晶表示装置以外の電気光学装置、例えば、電気光学物質として有機EL(Electro Luminescence)を用いる有機EL装置や、電気光学物質としてプラズマガスを用いるプラズマディスプレイ等にも適用できる。
また、上記の実施形態では、例えば図3(b)及び図4に示すように、反射表示領域Rを形成する光反射膜23を画素電極24とは別に設けたが、この構成に代えて、画素電極自体を光反射性材料によって形成して光反射膜として兼用し、専用の光反射膜を省略することもできる。この場合には、絶縁膜内に設けた凹部は、光反射性材料によって形成された画素電極とデータ線等といった配線との間の寄生容量を低減するように機能する。
(電子機器の実施形態)
以下、本発明に係る電子機器を実施形態を挙げて説明する。なお、この実施形態は本発明の一例を示すものであり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図9は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。ここに示す電子機器は、液晶装置121と、これを制御する制御回路120とを有する。制御回路120は、表示情報出力源124、表示情報処理回路125、電源回路126及びタイミングジェネレータ127によって構成される。そして、液晶装置121は液晶パネル122及び駆動回路123を有する。
表示情報出力源124は、RAM(Random Access Memory)等といったメモリや、各種ディスク等といったストレージユニットや、ディジタル画像信号を同調出力する同調回路等を備え、タイミングジェネレータ127により生成される各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等といった表示情報を表示情報処理回路125に供給する。
次に、表示情報処理回路125は、増幅・反転回路や、ローテーション回路や、ガンマ補正回路や、クランプ回路等といった周知の回路を多数備え、入力した表示情報の処理を実行して、画像信号をクロック信号CLKと共に駆動回路123へ供給する。ここで、駆動回路123は、走査線駆動回路やデータ線駆動回路と共に、検査回路等を総称したものである。また、電源回路126は、上記の各構成要素に所定の電源電圧を供給する。
液晶装置121は、例えば、図3(a)及び図3(b)に示す凹部41を備えた液晶表示装置や、図6(a)、図6(b)、及び図7に示す凹部41a及び41bを備えた液晶表示装置を用いて構成できる。これらの液晶表示装置によれば、データ線、ゲート電極線、ソース電極線等といった配線と、それに隣接する画素電極との間に存在する絶縁層に凹部を設け、その凹部の中に液晶を収容し、そして絶縁膜の誘電率ε1と液晶の誘電率ε2との関係をε1>ε2に設定したので、配線とそれに隣接する画素電極との間に存在する寄生容量を下げることができ、それによりクロストークの発生を抑制でき、それにより表示品質を高めることができる。従って、この液晶表示装置を用いた本実施形態に係る電子機器においても、液晶表示装置を用いて行われる電子機器に関する表示を高い表示品質で行うことができる。
次に、図10は、本発明に係る電子機器の他の実施形態である携帯電話機を示している。ここに示す携帯電話機130は、本体部131と、これに開閉可能に設けられた表示体部132とを有する。液晶表示装置等といった電気光学装置によって構成された表示装置133は、表示体部132の内部に配置され、電話通信に関する各種表示は、表示体部132において表示画面134によって視認できる。本体部131には操作ボタン136が配列されている。
表示体部132の一端部にはアンテナ137が伸縮自在に取付けられている。表示体部132の上部に設けられた受話部138の内部には、図示しないスピーカが配置される。また、本体部131の下端部に設けられた送話部139の内部には図示しないマイクが内蔵されている。表示装置133の動作を制御するための制御部は、携帯電話機の全体の制御を司る制御部の一部として、又はその制御部とは別に、本体部131又は表示体部132の内部に格納される。
表示装置133は、例えば、図3(a)及び図3(b)に示す凹部41を絶縁膜22内に備えた液晶表示装置や、図6(a)、図6(b)、及び図7に示す凹部41a及び41bを絶縁膜72内に備えた液晶表示装置を用いて構成できる。これらの液晶表示装置によれば、データ線、ゲート電極線、ソース電極線等といった配線と、それに隣接する画素電極との間に存在する絶縁層に凹部を設け、その凹部の中に液晶を収容し、そして絶縁膜の誘電率ε1と液晶の誘電率ε2との関係をε1>ε2に設定したので、配線とそれに隣接する画素電極との間に存在する寄生容量を下げることができ、それによりクロストークの発生を抑制でき、それにより表示品質を高めることができる。従って、この液晶表示装置を用いた本実施形態に係る携帯電話機においても、液晶表示装置を用いて行われる携帯電話機に関する表示を高い表示品質で行うことができる。
(電子機器に関する他の実施形態)
なお、電子機器としては、以上に説明した携帯電話機等の他にも、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末器等が挙げられる。
本発明に係る電気光学装置の一実施形態を示す斜視図である。 図1のA−A線に従った断面図である。 図1の装置における1つの画素部分を示す図であって、(a)はその平面図、(b)は(a)のB−B線に従って画素の短手側断面を示す断面図である。 図3(a)のC−C線に従って画素の長手側断面を示す断面図である。 図3(b)において矢印Dで示す部分の拡大図である。 本発明に係る電気光学装置の他の実施形態の要部を示す図である。 図6(a)のG−G線に従った断面図である。 本発明の主要な構成を説明するための図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を示すブロック図である。 本発明に係る電子機器の他の実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
1.液晶表示装置(電気光学装置)、 2.液晶パネル(電気光学パネル)、
3.照明装置、 4.FPC、 6.シール材、 7.素子基板、
7a.第1透光性基板、 8.カラーフィルタ基板、 8a.第2透光性基板、
12.液晶層、 13.LED、 14.導光体、 18a,18b.偏光板、
19.データ線(配線)、 21.TFD素子(スイッチング素子)、
22.層間絶縁膜、 23.光反射膜、 24.画素電極、
25a,25b.TFD要素、 26a,26b.配向膜、
27.コンタクトホール、 36.着色要素、 37.遮光部材、
38.オーバーコート層、 39.帯状電極、 41.凹部、 52.駆動用IC、
61.TFT素子(スイッチング素子)、
62.ゲート電極、 62’.ゲート電極線(配線)、 63.ゲート絶縁膜、
64.半導体層、 65.ソース電極、 65’.ソース電極線(配線)、
66.ドレイン領域、 72.層間絶縁膜、 73.光反射膜、 74.画素電極、
76a、76b.配向膜、 121.液晶表示装置(電気光学装置)、
130.携帯電話機(電子機器)、 133.表示装置(電気光学装置、
D.サブ画素領域、 G.セルギャップ、 K.直線経路、 L0,L1.光、
L2.光反射膜の長手方向の長さ、 R.反射表示領域、 T.透過表示領域、
V.表示領域、 W0.凹部の幅、 W1.遮光部材の幅

Claims (9)

  1. 基板と、
    電気光学物質の層と、
    前記基板に形成されたスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子に接続された配線と、
    前記スイッチング素子上及び前記配線上に形成された絶縁膜と、
    該絶縁膜に形成されたスルーホールと、
    前記スルーホールを介して前記スイッチング素子に接続された画素電極と、
    前記配線と、当該配線に隣接する他の配線に前記スイッチング素子を介して接続された前記画素電極との間隙領域の前記絶縁膜内に設けられた凹部と
    を有し、
    前記絶縁膜の誘電率をε1とし、前記凹部に収容される前記電気光学物質の誘電率をε2とするとき、ε1>ε2であることを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1記載の電気光学装置において、
    前記基板に対向する対向基板と、
    互いに隣接する前記画素電極の間の領域に対向して前記対向基板上に設けられた遮光部材と、
    を有し、
    前記間隙領域の前記凹部の幅は前記遮光部材の幅よりも狭いことを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の電気光学装置において、
    前記絶縁膜と前記画素電極との間に配置された光反射膜を有し、
    前記画素電極は長方形状に形成され、
    前記光反射膜は前記画素電極よりも面積の小さい長方形状に形成され、
    前記間隙領域の前記凹部は少なくとも前記光反射膜の長手方向の長さを有することを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の電気光学装置において、
    前記スイッチング素子は第1電極上に絶縁膜を有し該絶縁膜の上に第2電極を有する薄膜ダイオードであり、
    前記配線は前記第1電極に接続され、
    前記間隙領域の前記凹部は前記配線に対して平行に延びることを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項4記載の電気光学装置において、前記配線はデータ信号を伝送するデータ線であることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の電気光学装置において、
    前記スイッチング素子は、半導体層と、該半導体層を挟んで配置された複数の電極とを有する薄膜トランジスタであり、
    前記配線は2つあり、1つは前記複数の電極の1つに接続され、他の1つは前記複数の電極の他の1つに接続され、
    前記間隙領域の前記凹部は前記1つの配線及び/又は前記他の1つの配線に対して平行に延びることを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項6記載の電気光学装置において、前記1つの配線はデータ信号を伝送するデータ線であり、前記他の1つの配線は走査信号を伝送する走査線であることを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記間隙領域の前記凹部は前記絶縁膜を貫通する貫通穴か、又は前記絶縁膜内に底を有する凹部であることを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
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