JP4551312B2 - 脱着シート用接続コネクタの保護構造 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車のシートをフロアに脱着式として、シート側とフロア側の各コネクタを離脱させた際に、フロア側のコネクタをフロア内に収納して保護する脱着シート用接続コネクタの保護構造に関するものである。
図6は、従来の脱着シート用接続コネクタ構造の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
この脱着シート91は、自動車の車室内のリンク装置92に着脱自在に組み付けられ、リンク装置92から離脱した後は車椅子として使用できるものである。リンク装置92は駆動手段で上下に回動し、脱着シート91は車輪を接地した状態でリンク装置92から離脱する。
シート91のフレーム93とリンク装置92とにコネクタ94,95が設けられ、両コネクタ94,95がシート91の装着と同時に嵌合接続され、シート91の離脱と同時に脱抜遮断される。シート91とリンク装置92とはピン96と孔部97との係合で位置決めされる。両コネクタ94,95の接続によってシート91に電源が供給され、両コネクタ94,95の脱抜によって電源が遮断される。
特開2000−126234号公報(図9)
上記従来の脱着シート用接続コネクタ構造はあくまでも特殊な用途のものであり、例えば一般のユーザーが車室内のスペースを広くする目的等のために、シートをフロアから離脱させるものとは異なっている。この場合は、シートを離脱させた後、フロアにコネクタが突出して残るために、乗員がコネクタを踏んだり、引っ掛けたりして壊す恐れがある。また、それを防ぐために、コネクタをフロア内に埋設した場合には、シート装着使用時に塵や雨の日の水滴等がコネクタに付着して、シートへの給電不良や誤作動等を起こす心配がある。また、フロア側のコネクタをフロア内に収納し、使用(接続)時にフロアから突出させる構造とした場合でも、収納時に上記同様にコネクタ内に水滴や異物が侵入し兼ねないという心配がある。
本発明は、上記した点に鑑み、シートを離脱させた後にフロア側のコネクタを引っ掛ける等して破損等させたり、コネクタの接続解除後にフロア側のコネクタ内に水滴や塵等が侵入する心配がなく、また、シートを装着してコネクタを接続した後にコネクタに水滴や塵等が付着する心配のない脱着シート用接続コネクタの保護構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る脱着シート用接続コネクタの保護構造は、シートをフロア側のスライド部材に着脱自在に配設し、アームの先端側に一体に設けたフロア側のコネクタをシート側のコネクタに接続自在とし、該フロア側のコネクタを非接続状態で該フロアの凹部内に該アームと一体に水平に収容し、該凹部をシートスライド方向にスライド自在なカバーで覆い、該カバーを付勢手段で閉じ方向に付勢し、該付勢手段の付勢力に抗して該シートと一体に該スライド部材で該カバーを押して開かせ、該フロア側のコネクタを該アームと一体に水平な状態から回動して起立させて該フロアよりも高い位置で水平方向に該シート側のコネクタに接続させることを特徴とする。
上記構成により、シートの装着状態でフロア側のコネクタが凹部内から取り出されてシート側のコネクタに接続され、シートの離脱時にフロア側のコネクタがシート側のコネクタから離脱(接続解除)されて、フロアの凹部内に収容され、凹部がカバーで覆われて凹部内のフロア側のコネクタがフロア上の水滴や塵等から安全に保護される。フロア側のコネクタは一体的なアームで回動式に取り出されてフロア面よりも高く突出される。シートを装着した状態で一方向にスライドさせることで、スライド部材がカバーを押してスライド式に開き、凹部からフロア側のコネクタを取り出してシート側のコネクタに接続する。また、シートの装着時にフロア側のコネクタがアームの軸部を支点に上向きに回動して立ち上げられ、その状態で、あるいは立ち上げられつつシート側のコネクタに接続される。シートの離脱時にフロア側のコネクタはアームの下向きの回動操作でフロアの凹部内に収容される。
請求項2に係るシート用接続コネクタの保護構造は、請求項1記載の脱着シート用接続コネクタの保護構造において、前記フロア側のコネクタが前記シート側のコネクタと接続状態で一体的に移動することを特徴とする。
上記構成により、シートを他方向(逆方向)にスライドさせることで、フロア側のコネクタがシート側のコネクタに接続された状態でシートと一体的に移動し、カバーが付勢手段で自動的に閉じて、空の凹部内への水滴や塵等の侵入を阻止する。凹部の位置はスライドシートを使用することの極めて少ないスライド最前端位置ないしその近傍であることが好ましい。
請求項1記載の発明によれば、フロア側のコネクタを未使用時にフロア内に収納した際に、カバーでフロア側のコネクタが覆われて、フロア側のコネクタ内へのフロア上の水滴や塵等の侵入が阻止されるから、シート側のコネクタとの電気的接続の信頼性が向上する。また、フロア側のコネクタをフロア面よりも高い位置でシート側のコネクタに接続させることで、両コネクタにフロア上の水滴や塵等が付着することが防止され、コネクタの電気的接続の信頼性が高まる。また、アームの回動操作でフロア側のコネクタをシート側のコネクタに接続させることができるから、コネクタ接続が短時間で効率良く行われる。
請求項2記載の発明によれば、シートのスライド操作でカバーの開閉を自動的に行うことができるから、カバーの開閉の手間が省かれて、フロア側のコネクタの防塵・防水が迅速に且つ確実に行われる。
図1〜図2は、本発明に係る脱着シート用接続コネクタの保護構造の一実施形態を示すものである。
図1の如く、この脱着シート1は、自動車のスライドシートであり、車両ボディのフロア(床)2の左右一対のガイドレール3にスライド板67を介してスライド自在に組み付けられる。
シート1の四方の脚部5が金属製のスライド板67の略逆U字状のフック6にボルトや回動フック等の固定手段で固定される。脚部5はフック6を係合させる溝5aを有していてもよい。前後各一対のフック6は一枚のスライド板67に立設されることが好ましく、両部材6,67でスライド固定部材が構成される。スライド板67はガイドレール3内をスライド自在であり、例えばシート側のレバー操作によるロック機構で所望位置に固定される。
シート1の底部にシート側のコネクタ8が配設され、コネクタ8はシート内のハーネス部分(複数本の電線)9に続き、ハーネス部分9は例えばリクライニング用のモータや昇降用のモータやそれらを制御するスイッチや体重センサ等といったシート側の各補機(図示せず)に接続されている。少なくともコネクタ8とハーネス部分9とでワイヤハーネスが構成される。
フロア2には左右一対のガイドレール3の間でフロアワイヤハーネス(図示せず)に続くフロア側のコネクタ72が車両長手(前後)方向の真直な長いガイド溝74に沿ってスライド自在に配置されている。フロアワイヤハーネスは電源等に接続されている。
図2にも示す如く、フロア2のガイド溝74の前端側にはフロア側のコネクタ72を収容する矩形状の収容溝(凹部)75が直交して形成され、フロア側のコネクタ72は基端側(図2の如く起立した際の下端側)の軸部76で上下方向回動自在に支持されている。
例えば軸部76はスライダ(図示せず)によって支持され、スライダはガイド溝74内にスライド自在に係合し、フロア側のコネクタ72がシート側のコネクタ8に接続された状態で、フロア側のコネクタ72がスライダと共にシート1(図1)と一体的に進退自在である。ガイド溝74を第三のガイドレールと呼称してもよい。
スライダとしてガイド溝74内のハーネスプロテクタ(図示せず)のガイドレールに係合するハーネス保持部を用い、ハーネス保持部(図示せず)がハーネスプロテクタ内を進退することで、フロア側のコネクタ72から導出されたフロアワイヤハーネス(図示せず)がハーネスプロテクタ内をU字状からJ字状に伸縮してシートスライド量を吸収する構造を採用することも可能である。
コネクタ収容溝75の前側に近接して防水・防塵用のカバー70が前後方向スライド自在に設けられ、カバー70の側方にストッパ板69が突設され、ストッパ板69の後端に一側(車両左側)のガイドレール3内のスライド板(スライド部材)67の前端側の部分71aが当接し、カバー70は引張コイルばね(付勢手段)68で後方に引張付勢されている。
本例のカバー70は水平な矩形状の広い上壁77と左右の低い両側壁78とで構成され、一方の側壁78の外面にストッパ板69が水平に突設され、一方の側壁78の後端寄りで上壁77内面に引張コイルばね68の前端を支持する支持部79が設けられ、引張コイルばね68の他端は、フロア2に突設された垂直な壁80の支持部81で支持されている。
スライド板67(図2では長手方向の中間部を切断して示している)の水平な上面にフック6が立設され、スライド板67の前端内側に切欠凹部71が形成され、切欠凹部71内の前端面71aにストッパ板69の後端面が当接している。スライド板67はガイドレール3にスライド自在に係合する側方の鍔部82を有している。
例えばカバー70の内面はフロア2の凸壁(図示せず)の外面にスライド自在に接し、あるいはカバー70の側壁78がフロア2の細いガイド溝(図示せず)内にスライド自在に係合し、ストッパ板69はガイドレール3の一側壁の水平なスリット(図示せず)内に進入した状態でスライド板67の凹部71に係合する。これはあくまでも一例であり、例えばカバー70の上壁77に略逆凹字状のストッパ板(69)を設け、ストッパ板(69)の一側端をスライド板67の前端面67aに当接させるようにすることも可能である。カバー70とスライド板67の構造は必要に応じて適宜設定される。
また、引張コイルばね68に代えて圧縮コイルばね(図示せず)をカバー70の前端側に弾設したり、コイルばねに代えて板ばね等を用いることも可能である。また、付勢手段として各種ばねに代えてスライド板67の後退に伴って作動する電気式のソレノイド等を用いることも可能である。
本例のフロア側のコネクタ72は合成樹脂製のコネクタハウジングの各端子収容室内に電線付きの各雌端子(図示せず)を収容して構成され、嵌合前端面72aにシート側のコネクタ8の雄端子(図示せず)を挿入させる各孔部72b(図3)を有している。シート側のコネクタ8(図1)は合成樹脂製のコネクタハウジングの前半側にフロア側のコネクタ72を嵌合させるコネクタ嵌合室(図示せず)を有し、コネクタ嵌合室内に各雄端子の接触タブを有している。フロア側のコネクタ72をアーム73の軸部76を支点に回動させてシート側のコネクタ8に嵌合させるために、フロア側のコネクタ72の1/4円弧状の回動軌跡に対応して雄・雌両端子をスムーズに接続させる形態(例えば雄端子の接触タブを短く、雌端子の弾性接触片を上下方向に長く形成する等)にすることが好ましい。
両コネクタ8,72を嵌合式ではなく弾性接触式のものとし、嵌合力ではなく係止手段で接続状態を維持させるようにすることも可能である。この場合、フロア側のコネクタ72の嵌合前端面72aを図2のアーム起立状態で上向きに配置し、シート側のコネクタ8の嵌合前端面8a(図1)を下向きに配置することも可能である。
以下に図2〜図5を用いて上記脱着シート用接続コネクタの保護構造の作用を説明する。
図2の如く、アーム73が起立した状態でフロア側のコネクタ72はカバー70よりも高く突出し、アーム73が水平に寝た状態でフロア側のコネクタ72はカバー70の下側に位置し、カバー70はばね68の力でコネクタ72を覆う位置に移動する。その際、スライド板67は後退している。
すなわち、図3の如く、シート1をガイドレール3の前端側に位置させた状態(シート最前端位置)で、フロア側のコネクタ72をシート側のコネクタ8(図1参照)から離脱させてフロア2の収容溝75内に収納し、図4〜図5の如く、シート1(図1参照)を後退させることで、あるいは、シート1をフロア2から離脱した後、スライド板67を後退させることで、カバー70がばね68の力で後退して収容溝75内のフロア側のコネクタ72を覆って、水滴や塵等の侵入から安全に保護する。カバー70は収容溝75の上部開口に隙間なく接することが好ましい。フロア側のコネクタ72は嵌合前端面72aとは反対の側72c(図2)を重く形成しておくことで、アーム73の軸部76を支点に自重で傾倒して自動的に収容溝75内に収容可能となる。
図5のカバー閉止状態で、ガイドレール3の前端側でシート1を装着し(シート側のフック等をスライド板67のフック6に係合させ)、シート1をさらに前方へ少し移動させることで、図4〜図3の如く、シート1と一体化したスライド板67がカバー70を前方へスライド移動させ、フロア側のコネクタ72が露出し、その状態で図2の如くアーム73を立ち上げて、フロア側のコネクタ72をシート側のコネクタ8に接続させる。フロア側のコネクタ72はシート側のコネクタ8と接続した状態で中間のガイド溝74に沿ってシート1と一体的に進退移動する。
アーム73の立ち上げ操作はユーザーが手動で行っても良く、あるいは、例えばスライド板67の側方に突設したピン(図示せず)をアーム73の軸部76の外周面のカム溝(図示せず)に進退させることでアーム73の立ち上げと倒し(収容)とを行わせることも可能である。
また、シート1のスライド最前端位置に代えてスライド最後端位置でカバー70がばね68の力で収容溝75を封止させるようにすることも可能である。この場合、図2でカバー70の前端70a及びスライド板67の前端67aは後端となる。
フロア側のコネクタ72はシート側のコネクタ8に接続した状態でフロア面2よりも高く位置するから、コネクタ接続状態でフロア上の水滴や塵等がフロア側のコネクタ72に付着することがなく、両コネクタ8,72の電気的接続の信頼性が高まる。
また、シート1の離脱状態(コネクタ接続解除状態)でフロア側のコネクタ72がアーム73と共にフロア2の収容溝74内に収容されることで、乗員等との干渉やそれに伴うフロア側のコネクタ72の破損等が防止され、しかもフロア側のコネクタ72がカバー70で完全に覆われることで、フロア上の水滴や塵等がフロア側のコネクタ72内に進入する心配が解消され、シート側のコネクタ8との電気的接続の信頼性が向上する。
また、本実施形態にように、フロア側のコネクタ72はその嵌合前端面72a(図3)を上向きにした状態で収容溝75内に収容されても、カバー70で覆われて嵌合前端面72aの相手端子収容孔72b等からコネクタ72内への水滴や塵等の侵入が防止されるから、アーム73の先端側にコネクタ72を一体的に設けた簡単な回動構造で済み、コネクタ72とアーム73とで成る回動式コネクタが簡素化・低コスト化される。
なお、上記実施形態においてはスライド式のシート1を採用したが、シート1をスライド式ではなくフロア2に対して垂直方向に着脱自在な固定式とした場合には、シート装着時にフロア側のコネクタ72をフロア内から起こしてシート側のコネクタ8に接続し、シート離脱時に両コネクタ8,72を離脱させてフロア側のコネクタ72をフロア内に収容し、カバー70を閉止させることも可能である。
この場合、スライド板67やストッパ板69は廃除され、ばね68でカバー70が閉じ方向に付勢され、ユーザーがばね力に抗してカバー70を開けてフロア側のコネクタ72を収容溝75から引き上げ、カバー70はばね力でアーム73の端面に当接して閉止を阻止され、フロア側のコネクタ72をフロア内に収容してばね68の力でカバー70を自動閉止させたり、あるいは、ばね68を廃除し、ユーザーがカバー70を手動で開閉させることも可能であり、この場合、カバー70をスライド式ではなく回動式とすることも可能である。
また、上記実施形態においては、フロア側のコネクタ72を一体ないし別体のアーム73の回動によってフロア面2よりも高く起立させたが、例えばアーム73を廃除し、フロア側のコネクタ72を単独で収容溝75内に収容し、シート装着時にユーザーが収容溝75からフロア側のコネクタ72を取り出して手動でシート側のコネクタ8に嵌合接続させるようにすることも可能である。この場合、フロア側のコネクタ72はフロア側のコネクタ72に続くワイヤハーネス(図示せず)と共にシート1と一体的にシートスライド方向に移動する。また、ガイドレール3内のスライド板67をスライドブロック等といった他のスライド部材に代えることも可能である。
また、上記実施形態は自動車のスライドシート1に適用した例を示したが、本発明の脱着シート用接続コネクタの保護構造は自動車以外の電車等の車両のスライドシートやその他のスライドシートにも適用可能なものである。
本発明に係る脱着シート用接続コネクタの保護構造の一実施形態を示す全体斜視図である。 同じく脱着シート用接続コネクタの保護構造の要部を示す斜視図である。 車両のフロア内にフロア側のコネクタを収納し、カバーで覆う前の状態を示す平面図である。 シートの後退動作に伴ってフロア側のコネクタをカバーで覆う途中の状態を示す平面図である。 フロア側のコネクタをカバーで完全に封止した状態を示す平面図である。 従来の脱着シート用の接続コネクタ構造の一形態を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 シート
2 フロア
8 シート側のコネクタ
67 スライド板(スライド部材)
68 引張コイルばね(付勢手段)
70 カバー
72 フロア側のコネクタ
73 アーム
75 収容溝(凹部)

Claims (2)

  1. シートをフロア側のスライド部材に着脱自在に配設し、アームの先端側に一体に設けたフロア側のコネクタをシート側のコネクタに接続自在とし、該フロア側のコネクタを非接続状態で該フロアの凹部内に該アームと一体に水平に収容し、該凹部をシートスライド方向にスライド自在なカバーで覆い、該カバーを付勢手段で閉じ方向に付勢し、該付勢手段の付勢力に抗して該シートと一体に該スライド部材で該カバーを押して開かせ、該フロア側のコネクタを該アームと一体に水平な状態から回動して起立させて該フロアよりも高い位置で水平方向に該シート側のコネクタに接続させることを特徴とする脱着シート用接続コネクタの保護構造。
  2. 前記フロア側のコネクタが前記シート側のコネクタと接続状態で一体的に移動することを特徴とする請求項1記載の脱着シート用接続コネクタの保護構造。
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