JP4550370B2 - 部品管理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板等に部品を装着する部品実装機において、部品供給部から供給される部品の残数を適正に管理する部品管理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特許文献1に示されるように、電子部品を実装するに際して各電子部品供給部の部品残状況を判定し、この部品残状況に応じて部品切れの警告を発するように構成された部品実装機において、上記部品切れの警告を発する前に、部品残状況の判定結果に応じて部品切れ予告を発することにより、作業者に部品の補給を促すように構成された部品実装機の部品管理装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平06−152190号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように部品残状況の判定結果に応じて部品切れ予告を発するように構成した場合には、部品切れが発生する前に部品の補給を作業者に促すことができるため、作業者が上記予告に応じて迅速に対処すれば、部品切れの発生を防止することができる。しかし、作業者が上記部品切れ予告を見逃し、あるいは部品実装機から離れた位置にいるために、迅速な対応を取ることができない場合には、現在使用中の部品収容テープに収容された部品数が0になる部品切れが発生し、このテープに新たな部品収容テープを接続して部品を補給する作業を容易に行うことができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、現在使用中の部品収容テープに新たな部品収容テープを接続して部品を補給する作業を容易に行うことができる部品管理装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明は、多数の部品が収容された部品収容テープを部品取り出し位置に導き、この部品取り出し位置において上記部品収容テープから部品を取り出して実装するように構成された部品実装機の部品管理装置であって、上記部品収容テープに収容された部品の部品残数を計算する残数計算手段と、現在使用中の部品収容テープの終端がリールから離間して、その残存長さが新たな部品収容テープを接続するのに適した値となったときの部品残数に相当する判定基準値を設定し、上記残数計算手段により計算された部品残数が上記判定基準値以下となったことが確認された時点で、部品実装機の作動を停止させて接続待機状態とする実装制御手段とを備えたものである。
【0007】
上記構成によれば、部品の実装作業が行われることにより、現在使用されている部品収容テープの残存長さが、新たな部品供給テープの接続に適した長さになったことが確認された場合には、この時点で部品実装機の作動が停止されて接続待機状態となるため、現在使用されている部品収容テープに対して新たな部品供給テープを接続する作業が容易に行われることになる。
【0008】
本発明の部品管理装置において、残数計算手段により計算された部品残数が予め設定された基準値以下になったことが確認された時点で、現在使用されている部品収容テープに新たな部品収容テープを接続すべき状態にあることを報知する報知手段を備えていることが好ましい。
【0009】
上記構成によれば、部品の実装作業が行われることにより、現在使用されている部品収容テープに収容された部品残数が予め設定された基準値以下になったことが確認された場合には、この時点で、新たな部品収容テープを接続すべき状態にあることが上記報知手段により報知され、これに応じて作業者が上記部品補給テープに対する新たな部品補給テープの接続を迅速に行うことが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明に係る部品管理装置が適用される部品実装機の一例を概略的に示している。これらの図において、実装機本体の基台1上には、プリント基板Pを搬送する搬送用コンベア2が配置され、この搬送用コンベア2により所定の装着作業位置に上記プリント基板Pが搬送されて停止されるようになっている。上記搬送用コンベア2の前後両側には、それぞれ部品供給部3が設けられている。当実施形態では、各種電子部品を供給する多数のテープフィーダ4が上記部品供給部3に並列状態で配置されている。
【0011】
また、上記基台1の上方には、部品装着用のヘッドユニット5が装備され、このヘッドユニット5は、X軸方向(搬送コンベア2の搬送方向)およびY軸方向(水平面上で上記X軸と直交する方向)に移動可能に構成されている。すなわち、上記基台1上には、ヘッドユニット5の支持部材6が、Y軸方向に延びる固定レール7により移動可能に支持されるとともに、上記支持部材6上にヘッドユニット5が、X軸方向に伸びるガイド部材8に沿って移動可能に支持されている。そして、Y軸サーボモータ9により回転駆動されるボールねじ10を介して上記ヘッドユニット5がY軸方向に駆動されるとともに、X軸サーボモータ11により回転駆動されるボールねじ12を介して上記ヘッドユニット5がX軸方向に駆動されるようになっている。
【0012】
上記ヘッドユニット5には、複数のヘッド13がX軸方向に並んだ状態で配置されている。上記各ヘッド13は、それぞれ図外の昇降駆動手段および回転駆動手段により昇降および回転駆動されるように構成されている。上記各ヘッド13の下端部には吸着ノズル14が設けられ、この吸着ノズル14に図外の負圧供給手段から負圧が供給され、この負圧による吸引力で部品が吸着されるようになっている。
【0013】
上記部品供給部3に設けられた各テープフィーダ4には、それぞれ図3に示すように、リール21が着脱可能に装着され、このリール21には、IC、トランジスタまたはコンデンサ等からなる小片状の部品が収容された部品収容テープ22が巻着されている。この部品収容テープ22は、上記部品が収容される開口部が一定ピッチで配設されたテープ本体とカバーテープとからなっている。
【0014】
また、図4に示すように、上記リール21がテープフィーダ4に装着された状態で、リール21から繰り出された部品収容テープ22がテープフィーダ4の先端部側、つまり部品取り出し位置へ導出されるようになっている。そして、上記テープフィーダ4のテープ繰出端には、ラチェット式のテープ送り機構が具備され、上記ヘッド13により部品がピックアップされるのに応じて部品収容テープ22の先端部が部品取り出し位置に間欠的に繰り出されるようになっている。
【0015】
上記リール21から全ての部品収容テープ22が繰り出されると、新たな部品収容テープ22が巻着されたリール21がテープフィーダ4に装着されるとともに、現在使用している部品収容テープ22の終端に、新たな部品収容テープ22の始端が接続されることにより、部品の補給が行われるようになっている。具体的には、図5(a)に示すように、現在使用している部品収容テープ22Aの終端に、新たな部品収容テープ22Bの始端が突き合わされた状態で、図5(b)に示すように、上下一対の粘着テープからなる接続テープ23,24が上記突き合わせ部分の表裏両面に貼着されることにより、両テープ22A,22Bが接続されるようになっている。また、上記部品収容テープ22Aの終端部には、部品が収容されていない2個の空収容部25,26が設けられている。
【0016】
上記部品実装機の動作を管理する管理装置には、図6に示すように、上記部品収容テープ22から部品を取り出す際に発生した取り出しエラーが発生したか否かを検出する部品取り出し検出手段31と、後述する報知制御手段35から出力される制御信号に応じて現在使用中の部品収容テープ22Aに新たな部品収容テープ22Bを接続すべき状態にあることを作業者に報知する報知ランプまたは報知ブザー等からなる報知手段32と、パーソナルコンピュータ等からなる制御ユニット33とが設けられている。上記部品取り出し検出手段31は、ヘッド13に部品が吸着されたか否かを検出するフォトセンサ等からなり、上記部品の吸着ミスが発生したことが検出された場合等に、この検出信号を図外の生産履歴管理手段および上記制御ユニット33に出力するように構成されている。
【0017】
また、上記制御ユニット33には、搬送用コンベア2によるプリント基板Pの搬入・搬出制御を実行するとともに、上記プリント基板Pに対する部品の実装制御を実行する実装制御手段34と、実装前の部品残数から部品の実装数を順次減算することによって実装後の部品残数を計算する残数計算手段35と、この残数計算手段35により計算された部品残数が予め設定された基準値以下となった時点で上記報知手段32に作動指令信号を出力する報知制御手段36とが設けられている。
【0018】
上記実装制御手段34は、現在使用されている部品供給テープ22Aに対する新たな部品供給テープ22Bの接続作業を容易に行うことができるようにするため、図7(a)に示すように、現在使用中の部品供給テープ22Aがリール21に巻着された状態から順次繰り出されることにより、図7(b)に示すように、上記部品供給テープ22Aの終端がリール21から離間した状態となった直後に、部品実装機の作動を停止させて接続待機状態とするように構成されている。
【0019】
すなわち、図7(a)に示すように部品供給テープ22Aがリール21に巻着された状態にある場合には、上記テープ22Aの終端に、新たな部品収容テープ22Bの始端を接続する作業を行うことができない。一方、図7(c)に示すように上記部品供給テープ22Aの終端がテープフィーダ4のフィーダ本体内に入り込んだ状態となると、フィーダ本体が邪魔になって上記両テープ22A,22Bの接続作業を容易に行うことができない。これに対して図7(b)に示すように、上記部品供給テープ22Aの終端がリール21から離間した状態となった直後には、この部品供給テープ22Aの終端部(遊端部)をテープフィーダ4の外方に導出することができるため、上記遊端部に新たな部品収容テープ22Bを接続する作業を容易に行うことが可能である。
【0020】
したがって、現在使用されている部品供給テープ22Aの残存長さLが、例えばテープフィーダ4のリール設置位置から部品取り出し位置までの距離に対応した値となることにより新たな部品供給テープ22Bの接続に適した状態となったときの部品残数に相当する判定基準値と、上記残数計算手段35により算出された部品残数とを比較し、この部品残数の計算値が上記判定基準値以下となったことが確認された時点で、上記部品実装機を停止させて接続待機状態とすることにより、上記両テープ22A,22Bの接続作業を容易に行うことが可能となる。
【0021】
また、上記残数計算手段35により計算された部品残数が予め設定された許容範囲内にある状態で、上記両テープ22A,22Bの接続部に設けられた空収容部25,26の設置個数に対応する回数だけ部品の取り出しエラーが発生するとともに、その後に部品の取り出しに成功したことが上記部品取り出し検出手段31の検出信号に応じて確認された場合には、この時点で、上記部品算数の計算に使用する部品残数が初期化されることにより、新たな部品収容テープ22Bに収容された部品の規格数が現時点の部品残数として設定されるようになっている。
【0022】
上記制御ユニット33において実行される基本制御動作を、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。上記制御動作がスタートすると、まず搬送コンベア4を制御することによりプリント基板Pの搬入および位置決めを行った後(ステップS1)、吸着ノズル14を部品取り出し位置に移動させるとともに(ステップS2)、後述するテープ接続処理を実行する(ステップS3)。
【0023】
次いで、上記吸着ノズル14に部品を吸着させて部品を取り出す操作を行った後(ステップS4)、部品の取り出しエラーが発生したか否かを上記部品取り出し検出手段31の検出信号に応じて判別し(ステップS5)、YESと判定されて部品の取り出しエラーが発生したことが確認された場合には、現在使用中の部品供給テープ22Aに新たな部品供給テープ22Bが接続されたことを示す部品補給フラグFが1にセットされているか否かを判定する(ステップS6)。
【0024】
上記ステップS6でYESと判定されて部品補給フラグFが1にセットされていることが確認された場合には、部品取り出しエラーの発生回数を計数するカウンターのカウント値Cを1だけインクリメントした後(ステップS7)、ステップS2に移行することにより上記部品の実操作行を繰り返す。なお、上記部品取り出しエラーが発生した場合における部品吸着操作の再試行回数は、予め3回に設定されている。
【0025】
一方、上記ステップS5でNOと判定され、部品の取り出しエラーが発生しなかったことが確認された場合には、後述する部品残数調整処理および部品残数計算処理を実行する(ステップS8,S9)。また、部品認識用カメラによる撮像に基づいて吸着部品の認識を行うとともに(ステップS10)、プリント基板Pに対する部品の装着を実行した後(ステップS11)、全部品の装着が終了したか否かを判定する(ステップS12)。このステップS12でNOと判定された場合には、ステップS2に移行して上記制御を繰り返し、ステップS12でYESと判定されて全部品の装着が終了したことが確認された時点で、プリント基板Pを搬出した後(ステップS13)、リターンする。
【0026】
図9は、上記フローチャートのステップS3で実行されるテープ接続処理の制御動作を示している。このテープ接続処理の制御動作がスタートすると、現在使用されている部品供給テープ22Aの残存長さが、新たな部品供給テープ22Bの接続に適した長さとなったか否かを判定するための接続判定基準値R1(=L/P)を、上記部品供給テープ22Aの接続適正長さLと、部品の配列ピッチPとに基づいて求めるとともに(ステップS21)、上記残数計算手段35において計算された部品残数が上記接続判定基準値R1以下となったか否かを判定し(ステップS22)、YESと判定された時点で、部品実装機の作動を停止させて接続待ち状態とする(ステップS23)。
【0027】
上記部品供給テープ22Aの接続適正長さLは、図6(a)に示すように、部品供給テープ22Aがリール21に巻着された状態から順次繰り出されることにより、図6(b)に示すように、上記部品供給テープ22Aの終端がリール21から離間した状態となった時点の長さLに相当する値であり、テープフィーダ4のリール設置位置から部品取り出し位置までの距離に応じて設定される。上記部品供給テープ22Aの接続適正長さLが800mmに設定されるとともに、このテープ22Aに4mmピッチで部品が収容されている場合、上記接続判定基準値R1は、200(=800/4)個となる。なお、図外のメモリに予め記憶された種々の接続判定基準値から、使用するテープフィーダ4の大きさおよび部品収容テープ22Aのピッチに対応した値R1を読み出して設定するようにしてもよい。
【0028】
そして、上記現在使用されている部品供給テープ22Aに対する新たな部品供給テープ22Bの接続作業が完了したか否かを判定し(ステップS24)、YESと判定された時点で、部品の補給が行われたことを示す部品補給フラグFを1にセットする(ステップS25)また、上記残数計算手段35において部品残数の計算に使用される実装前の部品残数に、新たに接続された部品供給テープ22Bに収容されている部品の規格数、例えば5千個を加算することにより、上記部品供給テープ22Bを接続する前の部品残数が175個である場合に、接続後の部品算数を5175個に設定した後(ステップS26)、部品実装機を再起動させ(ステップS27)、リターンする。
【0029】
図10は、図8に示すフローチャートのステップS8で実行される部品残数処理の制御動作を示している。この部品残数処理の制御動作がスタートすると、上記部品補給フラグFが1にセットされているか否かを判定し(ステップS31)、YESと判定された場合には、部品実装前の部品残数、つまり現時点における部品残数の計算値が、予め設定された許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS32)。この許容範囲は、規格により設定された部品供給テープ22Bの部品収容数(当実施形態では5千個)と、部品収容テープ22Bに収容される可能性がある実際の部品数との誤差に基づいて設定される。例えば、上記の誤差が50個以内であることが明らかな場合には、上記許容範囲が(4950〜5050)個に設定され、この許容範囲に基づいて現在使用状態にある部品供給テープ22Aの部品残数が略0となった状態にあるか否かが、上記誤差を加味して判別されるようになっている。
【0030】
上記ステップS32でYESと判定され、現在使用されている部品供給テープ22Aの部品残数が略0となった時点であることが確認された場合には、図8に示すフローチャートのステップS7で求められた部品取り出しエラーの発生回数を計数する上記カウンターのカウント値Cが、上記部品収容テープ22Aの終端部に設けられた空収容部25,26の設置個数に対応する値であるか否かを判定する(ステップS33)。
【0031】
このステップS33でYESと判定され、上記空収容部25,26が部品取り出し部に到達して、上記設置個数に対応した回数(2回)の部品取り出しエラーが発生した後、部品の取り出しに成功した状態にあることが確認された場合には、上記部品収容テープ22Bに収容された部品の規格数(5千個)を、現時点の部品残数として設定する(ステップS34)。例えば、上記残数計算手段35により計算された現時点の部品残数が5025個である場合には、この部品残数を5千個に書き換えて初期化する。次に、上記部品補給フラグFを0にリセットするとともに(ステップS35)、部品取り出しエラーの発生回数を計数するカウンターのカウント値Cを0にリセットした後(ステップS36)、リターンする。なお、上記ステップS31〜S33の何れかにおいてNOと判定された場合には、直接ステップS36に移行した後にリターンする。
【0032】
図11は、図8に示すフローチャートのステップS9で実行される部品残数計算処理の制御動作を示している。この制御動作がスタートすると、図外のメモリに記憶された実装前の部品残数から、部品の実装数(通常は1個)を減算することにより実装後の部品残数を計算した後(ステップS41)、現在使用されている部品供給テープ22Aに対して新たな部品供給テープ22Bを接続すべき状態にあることを報知すべきか否かを判定するための報知判定基準値R2を、上記部品供給テープ22Aの報知判定長さと、部品の配列ピッチとに基づいて算出し、あるいは図外のメモリから読み出すことにより設定する(ステップS42)。
【0033】
上記部品供給テープ22Aの報知判定長さは、上記接続判定基準値R1を設定するための接続適正長さLに所定距離を加算した値に設定されている。すなわち、上記部品供給テープ22Aの残存長さが報知判定長さに対応した値となって報知手段32を作動させることにより作業者に報知を行ってから、作業者が上記テープ22A,22Bの接続作業位置に到着するのに所定の時間を要するため、この所要時間と、上記部品供給テープ22Aの送り速度とに基づいて求められた所定距離だけ、上記接続適正長さよりも上記報知判定長さが大きな値に設定され、この報知判定長さを上記部品の配列ピッチで除算することにより、上記報知判定基準値R2が求められるようになっている。
【0034】
次いで、上記残数計算手段35において計算された部品残数が上記報知判定値R2以下となったか否かを判定し(ステップS43)、YESと判定された時点で、上記報知手段32に作動指令信号を出力してこの報知手段32による報知を行った後(ステップS44)、リターンする。なお、上記ステップS43でNOと判定され、部品残数が上記報知判定値R2よりも多いことが確認された場合には、上記作動指令信号を出力することなく、そのままリターンする。
【0035】
上記のように多数の部品が収容された部品収容テープ22を部品取り出し位置に導き、この部品取り出し位置において上記部品収容テープ22から部品を取り出して実装するように構成された部品実装機の部品管理装置において、上記部品収容テープ22に収容された部品の部品残数を計算する残数計算手段35と、現在使用中の部品収容テープ22Aの残存長さLが新たな部品供給テープ22Bを接続するのに適した値となったときの部品残数に相当する判定基準値R1を設定し、上記残数計算手段35により計算された部品残数が上記判定基準値R1以下となったことが確認された時点で、部品実装機の作動を停止させて接続待機状態とする実装制御手段34とを設けたため、部品の実装作業が行われることにより、図7(b)に示すように、上記部品供給テープ22Aの終端がリール21から離間した状態となり、この部品供給テープ22Aの終端部(遊端部)をテープフィーダ4の外方にある程度導出することが可能となった時点で、部品実装機の作動を停止させて接続待機状態とすることができる。
【0036】
したがって、上記報知手段32による接続報知が行われた後に、作業者がテープ接続位置に到達するのに時間を要する等により、図7(c)に示すように、上記部品供給テープ22Aの終端がテープフィーダ4の部品取り出し位置の近傍に入り込んだ状態なるのを防止し、これによりフィーダ本体が邪魔になって上記両テープ22A,22Bの接続作業を容易に行うことができなくなる等の問題を生じることなく、現在使用中の部品供給テープ22Aに対する新たな部品収容テープ22Bの接続作業を容易に行うことができるという利点がある。
【0037】
また、上記実施形態に示すように、残数計算手段35により計算された部品残数が予め設定された基準値(報知判定基準値R2)以下になったことが確認された時点で、現在使用されている部品収容テープ22Aに新たな部品収容テープ22Bを接続すべき状態にあることを報知する報知手段32を設けた場合には、上記部品実装機の作動を停止させて接続待機状態とする前の所定時期に、新たな部品収容テープ22Bを接続して部品を補給すべき状態にあることを作業者に報知して接続準備作業を予め行わせることができるため、上記部品実装機の作動を停止させる接続待機状態となる時間を効果的に短縮し、新たな部品供給テープ22Bを迅速に接続できるという利点がある。
【0038】
さらに、上記実施形態に示すように、上記部品収容テープ22から部品を取り出す際に取り出しエラーが発生したか否かを検出する部品取り出し検出手段31と、実装前の部品残数から部品の実装数を順次減算することにより実装後の部品残数を計算する残数計算手段35とを備えた部品実装機において、現在使用中の部品収容テープ22Aと新たな部品収容テープ22Bとの接続部に予め設定された個数の空収容部25,26を設けるとともに、この空収容部25,26の設置個数に対応する回数だけ部品の取り出しエラーが発生した後、部品の取り出しに成功したことが上記部品取り出し検出手段31の検出信号に応じて判別された時点で、上記新たな部品収容テープ22Bに収容された部品の規格数を現時点の部品残数として設定するように構成した場合には、簡単な構成で、部品収容テープ22に収容された部品残数を正確に管理することができる。
【0039】
すなわち、上記残数計算手段35により計算された実装後の部品残数が予め設定された基準数(接続判定基準値R1)以下となった時点で、現在使用中の部品収容テープ22Aに対する新たな部品収容テープ22Bの接続が行われた後に、両テープ22A,22Bの接続部に設けられた空収容部25,26が部品取り出し位置に到達すると、部品が存在していないので当然に吸着ミスが発生し、上記部品取り出し検出手段31から部品取り出しエラーの検出信号が出力された後、部品の取り出しが正常に行われて部品の取り出し検出信号が出力される。このため、現在使用中の部品供給テープ22Aの終端が部品取り出し位置に到達したことを検出する専用のセンサを設けることなく、既存の部品取り出し検出手段31の検出信号に基づき、上記両テープ22A,22Bの接続部が部品取り出し位置に到達したか否かを正確に判別することができる。
【0040】
そして、上記部品取り出し検出手段31の検出信号に応じて上記両テープ22A,22Bの接続部が、部品取り出し位置に到達したことが確認された時点で、上記新たな部品収容テープ22Bに収容された部品の規格数を現時点の部品残数として設定することにより、上記部品収容テープ22Bの始端から部品残数の計算を正確に行うことができる。したがって、規格に応じて定められた部品の収容数(例えば5千個)と、部品収容テープ22に収容された実際の収容数とが相違している場合であっても、この相違量に対応した誤差が累積されることに起因した各種の弊害、例えば上記両テープ22A,22Bの接続を促す報知を適正時期に実行し、あるいは現在使用中の上記両テープ22A,22Bの接続に適した状態で部品実装機の作動を停止して待機させる制御を適正に実行することができない等の弊害が生じるのを効果的に防止し、上記両テープ22A,22Bの接続報知制御および部品実装機の待機制御等を適正に実行できるという利点がある。
【0041】
また、上記実施形態では、残数計算手段35により計算された実装後の部品残数が予め設定された許容範囲内にある状態で、上記空収容部25,26の設置個数に対応する回数だけ部品の取り出しエラーが発生したことが上記部品取り出し検出手段31の検出信号に応じて判別された場合にのみ、上記新たな部品収容テープ22Bに収容された部品の規格数を現時点の部品残数として設定する制御を実行するように構成したため、上記両テープ22A,22Bの接続部に設けられた空収容部25,26が部品取り出し位置に到達する前に、本来の部品吸着ミスが発生した場合に、上記部品取り出し検出手段の検出信号に応じて上記両テープの接続部が部品取り出し位置に到達したと誤判定されるのを効果的に防止し、空収容部25,26が部品取り出し位置に到達した時点で、部品の規格数を現時点の部品残数として設定することにより、上記両テープ22A,22Bの接続報知制御および部品実装機の待機制御等を正確に実行することができる。
【0042】
上記部品取り出し検出手段31により検出された部品吸着ミスの検出信号を図外の生産履歴管理手段に出力して記録する機能を備えた部品実装機では、残数計算手段35により計算された実装後の部品残数が予め設定された許容範囲内にある状態で、上記空収容部25,26の設置個数に対応する回数だけ部品の取り出しエラーが発生したことが上記部品取り出し検出手段31の検出信号に応じて判別された場合、つまり本来の吸着ミスではない部品吸着エラーが発生した場合に、上記生産履歴管理手段に対する検出信号の出力を停止することにより、誤ったエラー情報の蓄積を防止するように構成することが望ましい。
【0043】
また、上記残数計算手段35により計算された実装後の部品残数が予め設定された許容範囲内にある状態で、上記空収容部25,26の設置個数に対応する回数だけ部品の取り出しエラーが発生したことが上記部品取り出し検出手段31の検出信号に応じて判別された場合に、上記報知手段32を作動させる等により作業者に確認を要求し、上記両テープ22A,22Bの接続部が部品取り出し位置に到達したことを作業者が確認して入力操作を行った時点で、上記新たな部品収容テープ22Bに収容された部品の規格数を現時点の部品残数として設定する制御を実行するように構成してもよい。
【0044】
上記実施形態では、図3に示すように、IC等の部品が収容される開口部が一定ピッチで配設されたテープ本体とカバーテープとからなる部品収容テープ22を使用した例について説明したが、図12に示すように、上記部品が収容される凹部が形成されたエンボステープからなるテープ本体42と、その上面に貼着されたカバーテープ43とからなる部品収容テープ22A,22Bを使用する部品実装機についても本発明を適用可能である。
【0045】
この場合、新たな部品収容テープ22Bの始端部に位置するカバーテープ43を所定範囲に亘ってテープ本体42から剥離するとともに、現在使用中の部品収容テープ22Aの終端部に位置する部品収容用の凹部42aを空収容部とし、この凹部42aを、新たな部品収容テープ22Bの始端部に位置する空収容部25からなる凹部内に嵌入した状態で、上下一対の粘着テープ等からなる接続テープ44,45を貼着することにより、上記両テープ22A,22Bを接続するようにしてもよい。なお、上記のように凹部42aと空収容部25とを重ね合わせることにより上記両テープ22A,22Bの接続強度をある程度向上させることができるため、上記両接続テープ44,45のうち下方の接続テープ45を省略した構造としてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、上記部品収容テープに収容された部品の部品残数を計算する残数計算手段と、現在使用中の部品収容テープの残存長さが新たな部品供給テープを接続するのに適した値となったときの部品残数に相当する判定基準値を設定し、上記残数計算手段により計算された部品残数が上記判定基準値以下となったことが確認された時点で、部品実装機の作動を停止させて接続待機状態とする実装制御手段とを設けたため、現在使用中の部品供給テープの終端がテープフィーダの部品取り出し位置の近傍に進入して上記両テープの接続作業を困難になる等の事態が発生するのを効果的に防止できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の部品管理装置が適用される実装機の一例を示す平面図である。
【図2】上記実装機のヘッドユニットが指示されている部分の正面図である。
【図3】部品収容テープが巻着されたリールの一例を示す斜視図である。
【図4】テープフィーダの一例を示す斜視図である。
【図5】部品収容テープの接続部の構成を示す説明図である。
【図6】制御ユニットの具体的構成を示すブロック図である。
【図7】部品収容テープの使用状態を示す説明図である。
【図8】上記制御ユニットの基本制御動作を示すフローチャートである。
【図9】テープ接続処理の制御動作を示すフローチャートである。
【図10】部品残数調整処理の制御動作を示すフローチャートである。
【図11】部品残数計算処理の制御動作を示すフローチャートである。
【図12】部品収容テープ接続部の別の例を示す説明図である。
【符号の説明】
22 部品収容テープ
22A 現在使用中の部品収容テープ
22B 新たな部品収容テープ
32 報知手段
34 実装制御手段
35 残数計算手段
36 報知制御手段
Claims (2)
- 多数の部品が収容された部品収容テープを部品取り出し位置に導き、この部品取り出し位置において上記部品収容テープから部品を取り出して実装するように構成された部品実装機の部品管理装置であって、
上記部品収容テープに収容された部品の部品残数を計算する残数計算手段と、
現在使用中の部品収容テープの終端がリールから離間して、その残存長さが新たな部品収容テープを接続するのに適した値となったときの部品残数に相当する判定基準値を設定し、上記残数計算手段により計算された部品残数が上記判定基準値以下となったことが確認された時点で、部品実装機の作動を停止させて接続待機状態とする実装制御手段とを備えたことを特徴とする部品管理装置。 - 残数計算手段により計算された部品残数が予め設定された基準値以下になったことが確認された時点で、現在使用されている部品収容テープに新たな部品収容テープを接続すべき状態にあることを報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の部品管理装置。
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