JP4549903B2 - 吸振装置およびこれを用いた耐震ラック - Google Patents

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Description

この発明は、吸振装置およびこれを用いた耐震ラックに関するものである。
通信装置等の電子機器には地震により装置が破壊しない耐震性が要求される。従来の電子機器収容ラックの耐震対策としては、ラック全体がスライド可能に架台部分を構成し床の振動から分離する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
この方法には次のような懸念すべき特質がある。(イ)電子機器を搭載したラックの質量全てが耐震装置にかかるため、スライド装置に強度が要求され高価なものになる。(ロ)ラックをスライド可能に設置するために周囲に空間が必要であり設置スペースを多く必要とする。(ハ)ラックの架台部分に取り付ける構成であるので、既設の装置に取り付けるためには配線を取り外しラックを移動する大掛かりな作業が必要となり、装置を稼動させたまま追加することに至っては非常に困難である。(ニ)ラックを搭載した耐震装置の固有振動数について地震波を避ける領域にもっていく等の対策が必要である。
また、別の耐震対策の例として、ラックのなかで電子機器ユニットをばね等を介して搭載し電子機器を振動から分離する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
この方法については次のような懸念すべき特質がある。(ホ)電子機器ユニットの移動量を確保するためにラックと電子機器の間に空間が必要であり、空間の利用効率が低い。(へ)既設の装置に追加することは困難である。(ト)ばね等を介して搭載した電子機器の固有振動数について地震波を避ける領域にもっていく等の対策が必要である。
一方、制振対象物に減衰力を備えた振動系を追加することで対象物の振動を減衰する振動吸振器が、電子機器以外の分野では提案されている(例えば、特許文献3参照)。
該提案にかかる先行事例は、制振対象物に追加することにより、対象が自由振動している場合はその振動を減衰でき、また対象が強制振動している場合は、その振動に対する対象物の応答倍率を下げることができる。
この場合、動吸振器の固有振動数を制振対象物の固有振動数に合わせると効果が最も大きく、また動吸振器の有する減衰力も効果が最大となる最適値がある。先行事例ではこの点を考慮して動吸振器の固有振動数と減衰力を調整可能にしている。また、減衰力に摩擦力を利用し高価なダンパーを使用していないため比較的安価である。しかしながら、先行事例では以下の懸念すべき特質がある。
(チ)電子機器の耐震対策に適用する場合、一般的に地震波を想定した耐震試験規格では最大加速度0.5〜1.0Gの強制加振力に耐える必要があり、効果的な減衰力としては数百Nの摩擦力を質点に作用させる必要がある。先行事例の構造では摩擦力を振り子の回転軸に与えているため十分大きな減衰力を質点に作用させることが困難である。(リ)減衰力に大きさ一定の摩擦力を使用した場合、ダンパーに比較して減衰効果が少ない。(ヌ)電子機器搭載用のラックにスペースを無駄にせず搭載できる形状となっていない。
特開2001−349373号公報 特開2002−16375号公報 特開平11−287285号公報
従来技術では、上記(イ)〜(ヌ)で指摘した懸念すべき特質があり、コンパクトな構成で大きな減衰力を得ることが困難であるなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、簡易コンパクトな構成で大きな減衰力を得ることができる吸振装置およびこれを用いた耐震ラックを提供することを目的とする。
この発明に係る吸振装置およびこれを用いた耐震ラックは、突起部を有する重りと、前記重りを往復動可能に案内支持する案内支持手段と、この案内支持手段による前記往復動方向上の任意の定位置で前記重りを弾性力の釣り合いで保持する位置保持手段と、前記重りの突起部を前記往復動方向と交差する方向から挟み、前記重りの突起部と当接する箇所に摩擦力を生じさせる固定プレート及び可動プレートと、この可動プレートに弾性力を作用させるばねとを有することとした。
この発明によれば、簡易コンパクトな構成で大きな減衰力を得ることができる吸振装置およびこれを用いた耐震ラックを提供することができる。
実施の形態1.
図1、図2に実施の形態1にかかる吸振装置の内部構造を示す。図1(a)は上蓋22外した状態での吸振装置の平面図、図1(b)は図1(a)のX1−X1断面図、図2は吸振装置の分解斜視図である。矩形の枠形をしたフレーム11は底蓋23と上蓋22で枠の上下を閉じられて内部空間を構成する。この内部空間に吸振装置の内部構造が収められている。図1(a)において、矢印に付した「前」、「後」及び「左」「右」の文字はそれぞれ説明の便宜上定めた方向を示すものとする。また、紙面を貫く奥側を「下」、手前側を「上」とする。
フレーム11内において矩形板状をした重り12には、前後方向の端部、かつ、左右方向の中央部に突部12aが形成されていて、これら突部12aには左右方向に貫通穴12bが形成されている。これらの貫通穴12bには左右方向に往復動可能にガイド軸20が摺動可能に挿通されている。これらガイド軸20の両端部はフレーム11に固定されている。さらに、ガイド軸20には、突部12aと左右のフレーム11との間にそれぞれ伸長性のばね15が装着されている。ここで、ガイド軸20は重り12を左右方向に往復動可能に案内支持する案内支持手段の一例である。
また、突部12aを間にして対向して張設されたばね15は、それぞれが等しい弾性力を有し、フレーム11内において、左右方向の中央で、ばねの有する弾性力の釣り合いで、定位置を維持している。つまり、重り12はフレーム11内において、ばね15により位置決めされ保持されているのであり、対向配置された一対のばね15は重り12を定位置で保持する位置保持手段である。本実施の形態では2本のガイド軸20を重り12に開けられた穴を通して設け、重り12がばね15に反発して左右にスライドする際のガイドとしているが、左右にスライド可能であれば他の構造でもよい。
重り12の上面には左右方向に長い突起部13が一体に、若しくは固定されて形成されていて、この突起部13を前後方向から固定プレート16と、前後方向にスライド可能な可動プレート17が挟み込んでいる。固定プレート16はコの字形をしたプレートで、左右方向端部を下向きに折曲されて、この折曲された平坦部をフレーム11の側面に当接させてボルト、ナットからなる締結手段14により固定されている。可動プレート17は、前方と左右方向端部をそれぞれ下向きに折曲されていて、左右端部をフレーム11に摺動可能に嵌合させた状態で重り12の前方側を覆っている。
可動プレート17の前方側端部の折曲部とフレーム11との間には伸張性のばね18が介装されていて、可動プレート17を後方に付勢している。ばね18の弾性による可動プレート17の移動は、可動プレート17が突起部13に当接することで阻止されている。
固定プレート16と可動プレート17は、重り12の一部(突起部13)を、往復動方向(左右方向)と交差する前後方向から挟む挟持手段を構成している。そして、ばね18は挟持手段である可動プレート17に弾性力を作用させる加圧手段を構成している。
こうして、ばね18が可動プレート17を後ろ方向に押すことにより、重り12と固定プレート16および可動プレート17の間に摩擦力が発生する。
本実施の形態1では摩擦力は、突起部13の前後方向での両面2箇所で生じるので、ばね18の総反力と、重り12と前後の各プレート(固定プレート16および可動プレート17)間の摩擦係数との積の2倍になる。一般的に電子機器を搭載するラックは左右方向の振動に対して最も弱いため本実施の形態例は左右方向の振動に対して減衰効果を発揮するよう設計されている。
前後方向に効果を発揮するためには図2に示す吸振装置を90°回転してラックに取り付ければよい。また、本装置は前後を逆に取り付けても効果は同じである。
実施の形態1の吸振装置によれば厚み(図中の上下方向)を抑えた形状を実現できるためラックに搭載した場合、ラックの搭載量に与える影響が少ない。また、摩擦力を発生するばね18の荷重の方向(前後方向)に沿って固定プレート16、可動プレート17が配置されているため、固定プレート16、可動プレート17の強度が確保し易く強力な摩擦力を発生させることができる。また発生した摩擦力は重り12に直接働くため大きな減衰力を得ることが容易である。
実施の形態2.
図3、図4に実施の形態2の例を示す。図3(b)は図3(a)におけるX2−X2断面図である。本例では、実施の形態1で説明した構造を基本として、挟持手段及び該挟持手段で挟まれる重りの一部(前記重りと一体的な部材を含む)を多段(複数)にした点が異なる。図3、図4において、既に説明した図1、図2におけると同じ機能を有する部材については同じ符号を付し説明は省略する。
突起部13に改良を加えた例である。重り12の上面には前記した図1における重り12における突起部13と同じように、重り12の上面には突起部31が一体若しくは固定して設けられている。突起片32、33は長手方向から見た形状が凸字形をしていて、図4に示すように重り12の上面に形成された矩形穴12c内にその長手方向を左右方向に合わせて、前後方向に並べて収められている。矩形穴12cの中に下の段部32a、33aが収まり、突起32b、33bが重り12の上面より上に出ている。
突起片32、33は軸36により前後方向に串刺し状に挿通されていて、軸36の両端部は重り12に固定されている。突起片32、33を合わせた前後方向の寸法は矩形穴12cの前後方向の寸法より少し小さくなっているので、突起片32、33は軸36をガイドとして前後方向にスライド可能である。突起片32、33は左右方向については、矩形穴12cにより規制されて移動できず重り12に固定されている。上下方向についても、軸36により規制されて移動不可である。つまり、これらの方向に関しては重り12と一体に移動するので、重り12と一体的な部材である。
このように、プレートとの当接を確実にするため前後方向にのみスライド可能な突起32、33と、これらを挟持するプレートとして、固定プレート16、可動プレート17、プレート34、35等が多段(3段)にわたり設けられている。プレート34、35及びスライド可能な突起片32、33は2段でも効果はあり、段数を増やすと効果が大きくなる。
ばね18の反力は可動プレート17および前後にスライド可能な突起32、33およびプレート34、35を介して突起部31に作用する。このとき、摩擦力は可動プレート17、前後方向にスライド可能な突起32、33、プレート34、35および突起部31の間にそれぞれ発生し、摩擦力の生じる箇所は6面となるので、重り12に働く摩擦力は、ばね18の総反力と摩擦係数の積の6倍となる。したがって、実施の形態1に比べて大きな摩擦力をより効率的に発生し、ばね18の反力を小さくすることができ、ばねを小型化できると共にばね18の反力を支えるフレーム、固定プレート、可動プレートの強度確保が容易になり小型化することができる。
実施の形態3.
図5、図6に実施の形態3の例を示す。図5(b)は図5(a)におけるX3−X3断面図である。本例では、実施の形態1や実施の形態2で説明した構造を基本として、前記挟持手段を構成する部材の、前記重りの一部(前記重りと一体的な部材を含む)を挟む面が斜面21からなることとしている。
本実施の形態3では、図1〜図4に示した例における可動プレート17のように後方向の端面が左右方向に直線的なものに代えて、図5(a)に示したように、後方向の端面がガイド軸20上で対向配置した2つのばね15により力のバランスのとれた定位置(左右方向での中間位置)を基点とした往復動方向(左右)での外方に進むに従い登り勾配となる山形をした2つの斜面21を有する可動プレート170を用いている。上記基点は、重り12の上面であって中心位置に突出して設けられた扁平な円柱状をした突起部13の中心と一致する。
重り12が振動により左右方向にストローク(移動)すると、左右何れの移動であっても、重り12の突起部13が斜面21を押圧して可動プレート170を前方向に押し、ばね18がさらに圧縮される。その結果、ばね18の反力が増し突起部13と可動プレート170や固定プレート16との摩擦力が増大する。重り12がストロークしていない位置、つまり、基点を包含する突起物13の位置でばね18の圧縮量をほぼ0にしておくことにより、吸振装置に対する重り12の変位量に比例した大きさの摩擦力を発生させることができる。
本構造を用いると振動減衰の能力が向上する。図7に数値解析により効果を計算した例を示す。図7は制振対象物に働く加速度の強制加速度に対する応答倍率A/Astをそれぞれ示し、耐震対策なしでの特性を曲線60、実施の形態1の特性を曲線61、実施の形態3の特性を曲線62、参考としてダンパーによる吸振装置での特性を曲線63で示す。未対策時最大約19倍の応答倍率は、実施の形態1により約7.4倍、実施の形態3により約5.3倍まで低減できる。図7から明らかなように、本実施の形態3ではダンパーによる吸振装置に匹敵する減衰性能が得られる。
実施の形態4.
図8、図9に実施の形態4の例を示す。図8(b)は図8(a)におけるX4−X4断面図である。本実施の形態4は、実施の形態2と実施の形態3を組み合わせた内容からなる。すなわち、重りの一部(前記重りと一体的な部材を含む)とこれを挟む挟持手段が、前記往復動方向(左右方向)と交差する方向(前後方向)に多段に設けられているとともに、前記挟持手段を構成する部材の、前記重りの一部(前記重りと一体的な部材を含む)を挟む面が、前記定位置を基点とした前記往復動方向での外方に進むに従い登り勾配となる斜面からなる構成を備えている。
図8、図9において、重り12の上面には前記した図3、図4におけると同じように突起部31が一体若しくは固定して設けられている。突起片32、330は長手方向から見た形状が凸字形をしていて、図9に示すように重り12の上面に形成された矩形穴12d内にその長手方向を左右方向に合わせて、前後方向に並べて収められている。矩形穴12dの中に下の段部32a、330aが収まり、突起部32b、330bが重り12の上面より上に出ている。
突起片32、330は軸360により前後方向に串刺し状に挿通されていて、軸360の両端部は重り12に固定されている。突起片32、330を合わせた前後方向の寸法は矩形穴12dの前後方向の寸法より少し小さくなっているので、突起片32、330は軸360をガイドとして前後方向にスライド可能である。突起片32、330は左右方向については、矩形穴12dにより規制されて移動できず重り12に固定されている。上下方向についても、軸360により規制されて移動不可である。つまり、これらの方向に関しては重り12と一体に移動するので、重り12と一体的な部材である。
このように、突起部31、そして、プレートとの当接を確実にするため前後方向にのみスライド可能な突起32、330などを挟持するプレートとして、固定プレート16、可動プレート170、プレート34、35等が多段(3段)にわたり設けられている。
さらに、本実施の形態4では、実施の形態3におけるように、可動プレート170の前後方向の端面がガイド軸20上で対向配置した2つのばね15により力のバランスのとれた定位置(左右方向での中間位置)を基点とした往復動方向(左右)での外方に進むに従い登り勾配となる山形をした2つの斜面21としている。上記基点は、突起部330bの左右方向での中間位置に形成された半円柱部330cの中心と一致する。
重り12が振動により左右方向にストローク(移動)すると、左右何れの移動であっても、重り12の突起部330bに形成された半円柱部330cが斜面21を押圧して可動プレート170を前方向に押し、ばね18がさらに圧縮される。その結果、ばね18の反力が可動プレート170および前後にスライド可能な突起片32およびプレート34、35を介して突起部31に作用する。
このとき、摩擦力は可動プレート170、前後方向にスライド可能な突起部32b、330b、プレート34、35および突起部31の間にそれぞれ発生し、摩擦力の生じる箇所は6面となるので、重り12に働く摩擦力は、ばね18の総反力と摩擦係数の積の6倍となる。したがって、ばね18の反力を小さくすることができ、ばねを小型化できると共に、実施の形態3におけるように、基点を包含する半円柱部330cの位置でばね18の圧縮量をほぼ0にしておくことにより、吸振装置に対する重り12の変位量に比例した大きさの摩擦力を発生させることができる。
実施の形態5.
図10、図11に実施の形態5の例を示す。本実施の形態5では、実施の形態1における吸振装置の構造を基本として、重り12にボルト止めにより補助おもり140を追加、除去可能に設けている。フレーム11予め補助重り140を収容できるスペースを空けておくと共に、重り12には補助重りをボルト締めするためのねじ穴を形成しておく。
補助重り140は、重り12に、複数個重ねて装着することができ、組み合わせにより、種々の荷重を得ることができる。補助重り140の増減によって吸振装置の固有振動数の調整が可能となり、制振対象の固有振動数に吸振ユニットの固有振動数を一致させるように調整することができる。この結果、固有振動数の異なる制振対象に対して同一の吸振装置で制振が可能となり、吸振装置の製造コストを下げることができる。また、制振対象の固有振動数を調査後、速やかに吸振装置を追加することができ工期の短縮が可能である。このような補助重りをこれまで述べた実施の形態2〜4や、以下に述べる実施の形態にも適用できることは勿論である。
実施の形態6.
図12に実施の形態6の例を示す。本実施の形態6では前記実施の形態3(図5)や前記実施の形態4(図8)などにおける斜面21の登り勾配を可変としたものである。本実施の形態6では、実施の形態3(図5)における可動プレート170に代えて、図12に示したように、後方向の端面が左右方向に平行な可動プレート1700を用いている。
長方形板状をした回転プレート41を可動プレート1700に設けた支点軸42を中心に回動可能とし、自由端側をねじ43で固定している。支点軸42の位置は突起部13の近傍部かつ、可動プレート1700の後方向端部の近傍である。ねじ43で固定する位置は、可動プレート1700上、支点軸42を中心とする円弧状に形成された長穴44上の任意の位置で可変である。つまり、回転プレート41の自由端側は可動プレート1700の後方向の端面よりも後方向にはみ出させることができる構成である。
回転プレート41は、突起部13の中心を通る前後方向のラインを対象軸として左右対称に2組配置されている。これにより、図5に示した斜面21と同様の斜面21を得ることができ、しかもその勾配は可変である。回転プレート41を長穴43上で固定する位置を変化することにより、斜面の角度を変更可能とする。これにより重り12のストローク(移動)に従って発生する摩擦力の大きさを調整することができる。摩擦力の大きさは、制振対象物の質量や重りの質量に対して制振効果が最大となる最適値がある。
したがって、摩擦力を調整可能とすることにより質量や固有振動数の異なる制振対象に対して同一の吸振装置で最適な制振が可能となり、吸振装置の製造コストを下げることができる。また、制振対象の質量や固有振動数を調査後、速やかに吸振装置を追加することができ工期の短縮が可能である。このような回転プレートの機構をこれまで述べた実施の形態や、以下に述べる実施の形態にも適宜適用できることは勿論である。
実施の形態7.
図13に実施の形態7の例を示す。本実施の形態は前記した実施の形態2と、実施の形態5と、実施の形態6とを組み合わせたものである。すなわち、(1)重りの一部(前記重りと一体的な部材を含む)とこれを挟む挟持手段が、多段に設けられていて、(2)重りは、補助重りを着脱可能とし、(3)挟持手段を構成する部材の、前記重りの一部(前記重りと一体的な部材を含む)を挟む面が、前記定位置を基点とした前記往復動方向での外方に進むに従い登り勾配となる斜面からなる斜面の勾配を可変とし、調整可能としている。
図13において、重り12の一部である突起部31、突起片32、33および固定プレート16、プレート34、35などは、実施の形態4において、図8、図9で説明した構成と同じである。また、可動プレート1700、斜面21を有する回転プレート41、支点軸42、ねじ43、長穴44など、斜面の勾配を調整可能とする構成は図12に基づいて説明した実施の形態6と同じである。さらに、補助重り140およびボルト50などの構成は、図10、図11に即して説明した実施の形態5と同じである。
重り12の一部(突起部31)や重り12と一体的な部材(突起片32、33など)を挟む挟持手段を多段することで、重り12に働く摩擦力を飛躍的に大きくすることができ、したがって、ばね18の反力を小さくすることができることから、ばね18を小型化できると共にばね18の反力を支えるフレーム、固定プレート、可動プレートの強度確保が容易になり小型化することができる。
また、斜面の角度を変更可能とすることにより重り12のストローク(移動)に従って発生する摩擦力の大きさを調整することができ、摩擦力を調整可能とすることにより質量や固有振動数の異なる制振対象に対して同一の吸振装置で最適な制振が可能となり、吸振装置の製造コストを下げることができる。
さらに、固有振動数の異なる制振対象に対して同一の吸振装置で制振が可能となり、吸振装置の製造コストを下げることができる。また、制振対象の固有振動数を調査後、速やかに吸振装置を追加することができ工期の短縮が可能である。
重りに対して補助重りを着脱可能とすることで、固有振動数の異なる制振対象に対して同一の吸振装置で制振が可能となり、吸振装置の製造コストを下げることができる。また、制振対象の固有振動数を調査後、速やかに吸振装置を追加することができ工期の短縮が可能である。
実施の形態8.
図14に実施の形態8の例を示す。本実施の形態は、これまで説明した吸振装置の実施の形態全部または任意に選択した構成の吸振装置の外形を汎用19インチラックに搭載可能な形状としたものである。吸振装置55は実施の形態1〜実施の形態7までの何れでもよく、或いは、それらを任意に組合せたものでもよい。吸振装置50をラックに取り付けた時にねじで固定することができるように、吸振装置50に取り付け用の座部51と、この座部51にねじ溝52を左右に設け、これらねじ溝52間の寸法WはJIS規格、またはEIA規格に従うこととした。かかる19インチラックに搭載可能な取り付け径状部を設けることで、JIS規格、またはEIA規格の19インチラックであれば特別な加工の必要がなくラック上部に吸振装置を設置することが可能となり、既設のラックにおいてもラック上部に空き空間があれば容易に本発明の吸振装置を追加設置することができる。
実施の形態9.
図15に実施の形態9の例を示す。図15(a)は電子機器を搭載するためのラックを正面から見た図であり、図15(b)同側面図を示す。ラック1の各段には種々の電子機器2が搭載されている。ラック1の最上部のスペースに本発明の提案する吸振装置3を取り付ける。吸振装置3はこれまで述べた実施の形態1から8において、簡易コンパクトな構成で大きな減衰力を得ることができることから上下方向の厚みを抑えた外形とすることができ、かかる薄形の吸振装置であれば、ラックへの機器搭載量に影響しない。
図1(a)は吸振装置の平面図、図1(b)は図1(a)のX1−X1断面図である。 吸振装置の分解斜視図である。 図3(a)は吸振装置の平面図、図3(b)は図3(a)のX2−X2断面図である。 重りに組み込まれた突起片の分解斜視図である。 図5(a)は吸振装置の平面図、図5(b)は図5(a)のX3−X3断面図である。 突起部を挟持する固定プレートおよび可動プレートの斜視図である。 制振対象物に働く加速度の強制加速度に対する応答倍率を示す特性曲線図である。 図8(a)は吸振装置の平面図、図8(b)は図8(a)のX4−X4断面図である。 重りに組み込まれた突起片の分解斜視図である。 吸振装置の平面図である。 補助重りを取り付けた重りの分解斜視図である。 吸振装置の平面図である。 吸振装置の平面図である。 図14(a)は吸振装置の正面図、図14(b)は吸振装置の下面図である。 図15(a)はラックの正面図、図15(b)ラックの側面図である。
符号の説明
12 重り、13 突起部、15 ばね、16 固定プレート、17 可動プレート、18 ばね、20 ガイド軸。

Claims (7)

  1. 突起部を有する重りと、
    前記重りを往復動可能に案内支持する案内支持手段と、
    この案内支持手段による前記往復動方向上の任意の定位置で前記重りを弾性力の釣り合いで保持する位置保持手段と、
    前記重りの突起部を前記往復動方向と交差する方向から挟み、前記重りの突起部と当接する箇所に摩擦力を生じさせる固定プレート及び可動プレートと、
    この可動プレートに弾性力を作用させるばねと
    を有することを特徴とする吸振装置。
  2. 前記重りの突起部とこれを挟む固定プレート及び可動プレートが、前記往復動方向と交差する方向に多段に設けられていることを特徴とする請求項1記載の吸振装置。
  3. 前記固定プレート及び可動プレートの、前記重りの突起部を挟む面が、前記定位置を基点とした前記往復動方向での外方に進むに従い登り勾配となる斜面からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の吸振装置。
  4. 前記重りは、補助重りを着脱可能とすることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の吸振装置。
  5. 前記斜面の前記勾配を可変とし、調整可能としたことを特徴とする請求項2から請求項4のうちのいずれか1項記載の吸振装置。
  6. JIS規格またはEIA規格の19インチラックに搭載可能な取り付け形状部を具備したことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の吸振装置。
  7. 請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の吸振装置を具備したことを特徴とする耐震ラック。
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