JP2002340085A - 制振ダンパー装置 - Google Patents

制振ダンパー装置

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JP2002340085A
JP2002340085A JP2001141595A JP2001141595A JP2002340085A JP 2002340085 A JP2002340085 A JP 2002340085A JP 2001141595 A JP2001141595 A JP 2001141595A JP 2001141595 A JP2001141595 A JP 2001141595A JP 2002340085 A JP2002340085 A JP 2002340085A
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vibration damper
damper device
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plates
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Takeshi Oku
岳史 奥
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置全体の小型化、軽量を図りつつ、ダンパ
ー容量を拡大できるとともに、エネルギー吸収材の形状
変化や歪みの発生による性能劣化を防止して長期間に亘
り安定した性能を維持できる制振ダンパー装置を提供す
る。 【解決手段】 相互に間隔を隔てて平行に配置された二
枚の外側鋼板プレート11と、その中間位置に平行に配
置される内側鋼板プレート5との対向面間に粘弾性体
6,6が層状に介在されているとともに、外側鋼板プレ
ート1,1及び/または内側鋼板プレート5に、内外両
鋼板プレート5、1,1の相対変位時に他方の鋼板プレ
ートに摺接して摩擦減衰力を発生可能な摺動材7A,7
Bが固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制振ダンパー装置に
関し、詳しくは、ビルなど建造物に風圧や地震等のよう
な層間変位力が作用したとき、その振動エネルギーを吸
収させて建造物の揺れ動きや振動を減衰させるように、
既存あるいは新築の建造物における構造用骨組内にブレ
ースや方杖あるいは制振壁などとして組み込んで用いら
れる制振ダンパー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の制振ダンパー装置は、一般的
に、柱と梁とからなる構造用骨組の対向部位の一方に接
合可能な鋼板プレート等の剛性板材と、構造用骨組の対
向部位の他方に接合可能な鋼板プレート等の剛性板材と
を互いに平行状に対向配置し、これら剛性板材の対向面
間に粘弾性体等のエネルギー吸収材を層状に介在させて
なり、地震等によって構造用骨組に振動が生じたとき、
その振動エネルギーをエネルギー吸収材のせん断変形に
より吸収し、建造物の揺れ動きや振動を減衰するように
構成されている。
【0003】ところで、粘弾性体等のエネルギー吸収材
のせん断変形特性を利用する制振ダンパー装置による振
動エネルギー吸収量、すなわち、ダンパー容量を大きく
するにあたって、従来一般には、対向する剛性板材間に
介在するエネルギー吸収材の使用量(面積及び/又は層
厚)を多くしたり、大規模地震のような過大な振幅の振
動エネルギーを吸収するのに適した特殊構造の別ダンパ
ーをせん断型制振ダンパーと併用したり、あるいは、せ
ん断型制振ダンパーの取付け部を滑り構造に構成したり
する手段が採られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ごときダンパー容量拡大手段を採用してなる従来の制振
ダンパー装置においては、全体構造が複雑となり高価に
なるのみならず、ダンパー容量の拡大につれて装置全体
が大型化、重量化して、架設時の作業性等にとって好ま
しくない。特に、粘弾性体等のエネルギー吸収材の使用
量を多してダンパー容量の拡大を図ったものでは、応答
加速度が上昇しやすいとともに、無負荷時や負荷動作用
時にせん断変形方向とは異なる方向、つまりは、エネル
ギー吸収材の層厚方向に圧縮荷重が付加された場合、応
力緩和して層厚が減少したり、永久歪が発生したりして
エネルギー吸収材自体の形状が変化し、その結果、場合
によってはエネルギー吸収特性が劣化しやすく安定した
制振ダンパー性能を維持することができないという問題
があった。
【0005】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、大型化、重量化を招くことなく、かつ、応答
加速度の上昇を抑制しつつダンパー容量を拡大でき、し
かも、エネルギー吸収材の形状変化や歪みの発生による
性能劣化を防止して長期間に亘り安定した性能を維持す
ることができる制振ダンパー装置を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明に係る制振ダンパー装置は、互いに
間隔を隔てて平行状に対向配置された第1、第2の剛性
板材の対向面間にエネルギー吸収材を挟在させてなる制
振ダンパー装置において、上記第1の剛性板材もしくは
第2の剛性板材に、これら両剛性板材の対向面間隔をエ
ネルギー吸収材の厚みと等しい間隔に保持可能で、か
つ、両剛性板材の相対移動時に第2の剛性板材もしくは
第1の剛性板材の対向面に摺接する摺動材が固定されて
いることを特徴とするものである。
【0007】上記構成の請求項1の発明によれば、剛性
板材の対向面間に挟在されているエネルギー吸収材のせ
ん断変形特性に摺動材による摩擦減衰力が付加されるこ
とになるため、特殊構造の別ダンパーを併用したり、ダ
ンパー取付け部を滑り構造に構成したり、さらにはエネ
ルギー吸収材の使用量を多くしたりする必要がなく、全
体構造を簡単にして小型化、軽量化が図れながら、ダン
パー容量を拡大することが可能である。また、ダンパー
装置の無負荷時や実負荷動作時においてエネルギー吸収
材の層厚方向に圧縮荷重が付加されたとしても、摺動材
の存在により第1及び第2の剛性板材の対向面間隔、つ
まり、エネルギー吸収材の層厚をその介在層の全域に亘
って一定に保持して、エネルギー吸収材の応力緩和によ
る層厚の減少や永久歪の発生等の形状変化に伴うエネル
ギー吸収特性の劣化を抑制することが可能である。その
うえ、摺動材による摩擦減衰力がエネルギー吸収材のせ
ん断変形特性に加わることで、実負荷動作時における応
答加速度の上昇も抑制し、長期間に亘って安定した制振
ダンパー性能を維持することが可能である。さらに、摺
動材の存在により各剛性板材の座屈強度が増大し、ダン
パー装置全体の耐久性の向上も図ることが可能である。
【0008】また、請求項2の発明に係る制振ダンパー
装置は、互いに間隔を隔てて平行状に対向配置された第
1、第2の剛性板材の対向面間にエネルギー吸収材を挟
在させてなる制振ダンパー装置において、上記第1の剛
性板材もしくは第2の剛性板材の幅方向両端部に、これ
ら両剛性板材の相対移動時に第2の剛性板材もしくは第
1の剛性板材の幅方向の両端縁部に摺接して両者の相対
移動方向を規制案内する摺動材が固定されていることを
特徴とするものであり、この請求項2の発明によれば、
上記請求項1の発明と同様に、エネルギー吸収材のせん
断変形特性と摺動材による摩擦減衰力の相乗作用によっ
て、全体構造を簡単にして小型化、軽量化が図れなが
ら、ダンパー容量を拡大することが可能であるととも
に、地震発生等の実負荷動作時において摺動材が両剛性
板材の相対移動を規制案内することになり、エネルギー
吸収材及び剛性板材に余分な力をかけず、それらを確実
に位置決めし、かつ、形状保持させて所定の制振ダンパ
ー性能を長期間に亘り安定よく維持することが可能であ
る。
【0009】さらに、請求項3の発明に係る制振ダンパ
ー装置は、互いに間隔を隔てて平行状に対向配置された
第1、第2の剛性板材の対向面間にエネルギー吸収材を
挟在させてなる制振ダンパー装置において、上記第1の
剛性板材もしくは第2の剛性板材の幅方向両端部に、こ
れら両剛性板材の相対移動時に第2の剛性板材もしくは
第1の剛性板材の幅方向の両端縁部に摺接して両者の相
対移動を規制案内する第1摺動材と、両剛性板材の対向
面間隔をエネルギー吸収材の厚みと等しい間隔に保持可
能で、かつ、両剛性板材の相対移動時に第2の剛性板材
もしくは第1の剛性板材の対向面に摺接する第2摺動材
とが固定されていることを特徴とするものであり、この
請求項3の発明によれば、上記請求項1及び2の発明と
同様に、エネルギー吸収材のせん断変形特性と第1及び
第2摺動材による摩擦減衰力の相乗作用によって、全体
構造を簡単にして小型化、軽量化が図れながら、ダンパ
ー容量を拡大することが可能であるとともに、第1摺動
材の存在によるエネルギー吸収材及び剛性板材の確実な
位置決め及び形状保持作用と、第2摺動材の存在による
第1及び第2の剛性板材の対向面間隔、つまり、エネル
ギー吸収材層厚を一定に保持してエネルギー吸収材の応
力緩和による層厚の減少や永久歪の発生等の形状変化抑
制作用との相乗によって、制振ダンパー性能の一層の向
上並びに長期安定維持が可能である。
【0010】なお、請求項1ないし3の発明に係る制振
ダンパー装置におけるエネルギー吸収材としては、粘弾
性体のほかに、粘性体や弾性体を用いてもよいが、微小
変位から大変位までの広い範囲に亘る変位を安定よく吸
収する履歴特性を有する粘弾性体の使用が最適である。
また、摺動材としては、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、ナイロンのほかに、表面を焼き付け防止
処理した鋼材等のような高強度かつ低摩擦係数材料のも
のであればよく、この摺動材の剛性板材に対する接触面
積をエネルギー吸収材の種類やその使用量、あるいは、
ダンパー装置の適用場所等に応じて適宜に調整すること
により、ダンパー装置の制振設計の自由度を増すことが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は本発明に係るブレースタ
イプの制振ダンパー装置の第1実施例を示す側面図、図
2はその正面図であり、このブレースタイプの制振ダン
パー装置Aは、互いに間隔を隔てて平行状に配置された
二枚の帯状外側鋼板プレート(第1の剛性板材の一例)
1,1の長手方向一端部に間隔保持部材2及びボルト・
ナット3を介して、図3に示すように、鉄骨柱11と鉄
骨梁12とからなる構造用骨組13の四隅部の一つに固
着されたガセットプレート14にボルト接合可能な接合
孔4aを有する取付板材4が固定連結されているととも
に、これら二枚の外側鋼板プレート1,1間の中間位置
には一枚の内側鋼板プレート(第2の剛性板材の一例)
5が外側鋼板プレート1,1に対して平行に配置され、
この内側鋼板プレート5の長手方向一端で上記外側鋼板
プレート1,1の取付板材4の在る側とは反対側には、
構造用骨組13における他の一つのガセットプレート1
4にボルト接合可能な接合孔5aが形成されている。
【0012】上記二枚の外側鋼板プレート1,1の各内
面と内側鋼板プレート5の両面との対向面間にはそれぞ
れエネルギー吸収材の一例として粘弾性体6,6が層状
に介在されており、これら二層の粘弾性体6,6と二枚
の外側鋼板プレート1,1と一枚の内側鋼板プレート5
とにより厚み方向に積層構造のブレースタイプの制振ダ
ンパー装置Aが構成されている。
【0013】上記のような基本構成を有する制振ダンパ
ー装置Aにおいて、上記二枚の外側鋼板プレート1,1
の取付板材4の在る側とは反対の長手方向他端部にはそ
れぞれ、内外両鋼板プレート5と1,1が長手方向に相
対移動するとき、内側鋼板プレート5の両面に摺接して
摩擦減衰力を発生する摺動材7A,7Aが固定されてい
るとともに、内側鋼板プレート5の接合孔5aが在る側
とは反対の長手方向他端部には、内外両鋼板プレート5
と1,1が長手方向に相対移動するとき、外側鋼板プレ
ート1,1の内面にそれぞれ摺接して摩擦減衰力を発生
する摺動材7Bが固定されている。なお、各摺動材7
A,7Bとしては、PTFEやナイロン、あるいは、表
面を焼き付け防止処理した鋼材等のような高強度かつ低
摩擦係数材料のものを使用する。
【0014】上記のように構成された制振ダンパー装置
Aは、図3に示すように、長手方向両端の接合孔4a,
5aを構造用骨組13における対角方向に位置するガセ
ットプレート14,14にそれぞれボルト接合すること
で、構造用骨組13に対する耐震補強用のブレースとし
て用いられる。このような耐震補強用ブレースとしての
使用態様において、風力や地震力等の振動が構造用骨組
13の鉄骨柱11及び鉄骨梁12に作用して層間変位が
生じたとき、外側鋼板プレート1,1と内側鋼板プレー
ト5とが長手方向に相対変位し、これに伴い粘弾性体
6,6がせん断変形して振動エネルギーを吸収すると同
時に、各鋼板プレート5及び1,1に摺接する摺動材7
A,7A及び7Bによる摩擦減衰力が付加されることに
なるため、ダンパー装置A全体として大きな振動エネル
ギー吸収量を発揮させることが可能である。
【0015】また、制振ダンパー装置Aの無負荷時や実
負荷動作時に粘弾性体3,3にその層厚方向への圧縮荷
重が付加されたとしても、その荷重を摺動材7A,7
A、7Bで受止めて粘弾性体3,3の層厚を介在層全域
に亘って一定に保持し、粘弾性体3,3の応力緩和(流
れ出し)による厚みの減少や永久歪の発生などの形状変
化を防いで粘弾性体3,3のエネルギー吸収性能を良好
に保つことと、摺動材7A,7A、7Bにより付加され
る摩擦減衰力が実負荷動作時における応答加速度の上昇
を抑制することとによって、所定の制振ダンパー性能を
長期間に亘り安定よく維持することができる。さらに、
摺動材7A,7A、7Bの存在により各鋼板プレート
1,1、5の座屈強度も増大させて制振ダンパー装置A
全体の耐久性の向上を図ることができる。
【0016】図4及び図5はブレースタイプの制振ダン
パー装置Aの第2実施例及び第3実施例を示す側面図で
ある。図4に示す第2実施例の制振ダンパー装置Aは、
摺動材7A,7Aの内側鋼板プレート5に対する接触面
積及び摺動材7Bの外側鋼板プレート1,1に対する接
触面積を調整(減少)するために、それらの各接触端面
に凹溝7a,7a及び7bを形成したものであり、図5
に示す第3実施例の制振ダンパー装置Aは、摺動材7
A,7Aの内側鋼板プレート5に対する接触面積及び摺
動材7Bの外側鋼板プレート1,1に対する接触面積を
調整(増加)するために、それらの各摺動材7A,7
A、7Bの肉厚tを第1実施例の肉厚t0よりも大きく
形成したものである。これら第2及び第3実施例におい
て、その他の構成は第1実施例と同様であるため、該当
部分に同一の符号を付して、それらの詳しい説明を省略
する。
【0017】図6〜図8はブレースタイプの制振ダンパ
ー装置Aの第4実施例を示す側面図、正面図及び横断面
図である。この第4実施例による制振ダンパー装置A
は、二枚の外側鋼板プレート1,1の幅方向両端部にそ
れぞれ、内外両鋼板プレート5と1,1が長手方向に相
対移動するとき、内側鋼板プレート5の幅方向の両端縁
部5e,5eに摺接して摩擦減衰力を発生するととも
に、両プレート5と1,1の相対移動を矢印X−Yで示
すような直線運動に規制案内する摺動材7C,7Cを外
側鋼板プレート1,1の略全長に亘って配置し、これら
長尺単一の摺動材7C,7Cを介して二枚の外側鋼板プ
レート1,1同士を小径のボルト・ナット8により相互
に固定したものであり、これら長尺摺動材7C,7Cの
内面には、内側鋼板プレート5の幅方向の両端縁部5
e,5eに対する接触面積を調整(減少)するために適
宜個数の凹部7c,7cが形成されている。その他の構
成は、第1実施例の制振ダンパー装置Aと同様な構成で
あるため、該当部分に同一の符号を付して、それらの詳
しい説明を省略する。
【0018】図9はブレースタイプの制振ダンパー装置
Aの第5実施例を示す正面図で、この第5実施例による
制振ダンパー装置Aは、二枚の外側鋼板プレート1,1
の幅方向両端部間に配置され、これら二枚の外側鋼板プ
レート1,1同士を相互に固定する摺動材7C,7C
が、接触面積の調整のために長手方向で任意個数(図面
上では3個で示すが、2個以上の複数個であればよい)
に分割された短尺の摺動材片7C1〜7C3から構成さ
れている点で第4実施例と相違するのみで、それ以外の
構成は第4実施例のものと同一であるため、該当部分に
同一の符号を付して、それらの詳しい説明を省略する。
【0019】上記第4実施例及び第5実施例による制振
ダンパー装置Aでは、粘弾性体3,3のせん断変形特性
と摺動材7C,7Cによる摩擦減衰力の相乗作用によっ
て、全体構造を簡単にして小型化、軽量化しながら、ダ
ンパー容量(振動エネルギー吸収量)の拡大を図ること
ができるだけでなく、地震発生等の実負荷動作時におい
て摺動材7C,7Cが内外両鋼板プレート5、1,1の
相対移動を直線運動に規制案内することになり、粘弾性
体3,3及び各鋼板プレート1,1、5に余分な力をか
けず、それらを確実に位置決めし、かつ、形状保持する
ことが可能であるため、所定の制振ダンパー性能を長期
間に亘って一層安定よく維持することができる。
【0020】図10〜図12はブレースタイプの制振ダ
ンパー装置Aの第6実施例を示す正面図及び横断面図で
ある。この第6実施例による制振ダンパー装置Aは、第
5実施例の制振ダンパー装置Aと同様に、二枚の外側鋼
板プレート1,1の幅方向両端部にそれぞれ、内外両鋼
板プレート5と1,1が長手方向に相対移動するとき、
内側鋼板プレート5の幅方向の両端縁部5e,5eに摺
接して摩擦減衰力を発生するとともに、両プレート5と
1,1の相対移動を矢印X−Yで示すような直線運動に
規制案内する摺動材7C,7C(第1摺動材)を外側鋼
板プレート1,1の長手方向の両側に分割配置する一
方、二枚の外側鋼板プレート1,1の幅方向両端部で長
手方向の中間部にはそれぞれ、内側鋼板プレート5の幅
方向の両端縁部5e,5eだけでなく、それに連なる内
側鋼板プレート5の両面部分にも摺接して摩擦減衰力を
増強する横断面凹型の摺動材7D,7D(第2摺動材)
を配置し、これら摺動材7C,7C及び7D,7Dを介
して二枚の外側鋼板プレート1,1同士を小径のボルト
・ナット8により相互に固定したものである。その他の
構成は、第5実施例の制振ダンパー装置Aと同様な構成
であるため、該当部分に同一の符号を付して、それらの
詳しい説明を省略する。
【0021】上記第6実施例による制振ダンパー装置A
では、粘弾性体3,3のせん断変形特性と摺動材7C,
7Cによる摩擦減衰力の相乗作用によって、全体構造を
簡単にして小型化、軽量化を図りながら、ダンパー容量
(振動エネルギー吸収量)の拡大を図ることができるだ
けでなく、地震発生等の実負荷動作時において摺動材7
C,7Cが内外両鋼板プレート5、1,1の相対移動を
直線運動に規制案内する位置決め機能を発揮し、かつ、
摺動材7D,7Dが粘弾性体3,3の層厚を一定に保持
し応力緩和による層厚の減少や永久歪の発生等の形状変
化を抑制する保形機能を発揮し、これら位置決め機能及
び粘弾性体3,3の保形機能との相乗によって、制振ダ
ンパー性能の一層の向上並びに長期安定維持を達成する
ことができる。
【0022】なお、上記各実施形態では、ブレースタイ
プの制振ダンパー装置に適用した場合の構成について説
明したが、これ以外に、方杖タイプや制振壁タイプ、間
柱タイプ等の制振ダンパー装置に適用しても同様な制振
ダンパー性能を奏することが可能である。
【0023】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜3の発明によ
れば、第1及び第2の剛性板材の対向面間に挟在されて
いるエネルギー吸収材のせん断変形特性を利用したエネ
ルギー吸収性能に摺動材による摩擦減衰力を付加するこ
とにより、特殊構造の別ダンパーの併用やダンパー取付
け部を滑り構造とする構成、あるいは、エネルギー吸収
材の使用量を多く従来のものに比べて、装置全体の構造
を簡単にして小型化、軽量化を図りながら、ダンパー容
量を拡大することができる。しかも、エネルギー吸収材
の層厚の減少や形状変化、歪みの発生による性能劣化を
防止できるとともに、摺動材による摩擦減衰力の付加に
よって実負荷動作時における応答加速度の上昇を抑制で
きるので、制振ダンパー性能の著しい向上を図ることが
できるだけでなく、その優れた制振ダンパー性能を長期
間に亘って安定よく維持することができる。その上、摺
動材の存在により各剛性板材の座屈強度を増大して、ダ
ンパー装置全体の耐久性の向上も図ることができるとい
う効果を奏する。
【0024】また、摺動材と剛性板材との接触面積を任
意に設定(調整)しやすい構成であり、エネルギー吸収
材の種類やその使用量、あるいは、ダンパー装置の適用
場所等に応じて接触面積を適宜に調整することにより、
ダンパー装置の制振設計の自由度を増すことができると
いう効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレースタイプの制振ダンパー装
置の第1実施例を示す側面図である。
【図2】同上ブレースタイプの制振ダンパー装置の正面
図である。
【図3】同上ブレースタイプの制振ダンパー装置の使用
状態を示す正面図である。
【図4】本発明に係るブレースタイプの制振ダンパー装
置の第2実施例を示す側面図である。
【図5】本発明に係るブレースタイプの制振ダンパー装
置の第3実施例を示す側面図である。
【図6】本発明に係るブレースタイプの制振ダンパー装
置の第4実施例を示す側面図である。
【図7】同上ブレースタイプの制振ダンパー装置の正面
図である。
【図8】図7のC−C線に沿った横断面図である。
【図9】本発明に係るブレースタイプの制振ダンパー装
置の第5実施例を示す正面図である。
【図10】本発明に係るブレースタイプの制振ダンパー
装置の第6実施例を示す正面図である。
【図11】図10のA−A線に沿った横断面図である。
【図12】図10のB−B線に沿った横断面図である。
【符号の説明】
1 外側鋼板プレート(第1の剛性板材の一例) 5 内側鋼板プレート(第2の剛性板材の一例) 5e 内側鋼板プレートの幅方向両端縁部 6 粘弾性体(エネルギー吸収材の一例) 7A,7B,7C,7D 摺動材 A ブレースタイプの制振ダンパー装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04H 9/02 351 E04H 9/02 351 Fターム(参考) 2E001 DG01 EA01 EA06 FA01 FA02 FA03 FA71 GA01 GA07 GA10 GA12 GA42 GA59 HB02 HD11 HF16 KA03 LA01 LA11 2E125 AA04 AA14 AA54 AB08 AC01 AC14 AE01 AG03 AG09 AG12 AG32 AG45 BB08 BB09 BB16 BB22 BC09 BD01 BD06 BE07 BE08 BF04 CA05 CA14 CA19 CA53 EA25 3J048 AA02 AC01 AC05 BD08 BE12 EA07 EA38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに間隔を隔てて平行状に対向配置さ
    れた第1、第2の剛性板材の対向面間にエネルギー吸収
    材を挟在させてなる制振ダンパー装置において、 上記第1の剛性板材もしくは第2の剛性板材に、これら
    両剛性板材の対向面間隔をエネルギー吸収材の厚みと等
    しい間隔に保持可能で、かつ、両剛性板材の相対移動時
    に第2の剛性板材もしくは第1の剛性板材の対向面に摺
    接する摺動材が固定されていることを特徴とする制振ダ
    ンパー装置。
  2. 【請求項2】 互いに間隔を隔てて平行状に対向配置さ
    れた第1、第2の剛性板材の対向面間にエネルギー吸収
    材を挟在させてなる制振ダンパー装置において、 上記第1の剛性板材もしくは第2の剛性板材の幅方向両
    端部に、これら両剛性板材の相対移動時に第2の剛性板
    材もしくは第1の剛性板材の幅方向の両端縁部に摺接し
    て両者の相対移動方向を規制案内する摺動材が固定され
    ていることを特徴とする制振ダンパー装置。
  3. 【請求項3】 互いに間隔を隔てて平行状に対向配置さ
    れた第1、第2の剛性板材の対向面間にエネルギー吸収
    材を挟在させてなる制振ダンパー装置において、 上記第1の剛性板材もしくは第2の剛性板材の幅方向両
    端部に、これら両剛性板材の相対移動時に第2の剛性板
    材もしくは第1の剛性板材の幅方向の両端縁部に摺接し
    て両者の相対移動を規制案内する第1摺動材と、両剛性
    板材の対向面間隔をエネルギー吸収材の厚みと等しい間
    隔に保持可能で、かつ、両剛性板材の相対移動時に第2
    の剛性板材もしくは第1の剛性板材の対向面に摺接する
    第2摺動材とが固定されていることを特徴とする制振ダ
    ンパー装置。
  4. 【請求項4】 上記エネルギー吸収材が、粘弾性体、粘
    性体、弾性体の中から選択されたもである請求項1ない
    し3のいずれかに記載の制振ダンパー装置。
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